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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1273657
審判番号 不服2012-1460  
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-01-25 
確定日 2013-05-09 
事件の表示 特願2006- 89564「発光装置」拒絶査定不服審判事件〔平成19年10月11日出願公開、特開2007-266313〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成18年3月28日の出願であって、 平成23年6月22日付けで拒絶の理由が通知され、同年8月29日に手続補正がなされたが、同年10月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成24年1月25日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がなされた後、当審において、同年12月12日付けで拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、平成25年2月18日に手続補正がなされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項に係る発明は、平成25年2月18日付けの手続補正書の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである(なお、下線は当審で付した。以下同じ。)。

「電流が供給されるとそれぞれが異なる色の光を放射する複数のLEDと、
前記複数のLEDが実装されたベース部材と、
前記複数のLEDから放射された光を透過させる保護カバーと、
前記複数のLEDと1対1に対応し、それぞれが、対応する当該LEDから放射された光を検出する複数の光検出部と、
前記複数の光検出部のそれぞれで検出された光の強度が、予め決められた光の強度となるように、前記複数のLEDのそれぞれに供給される電流を制御する制御部とを備え、
前記ベース部材は、隣接する2つの前記LEDの間に設けられた壁部を有し、
前記複数の光検出部は、それぞれが、対応する当該LEDと対向して前記ベース部材内に設けられ、対向する当該LEDから放射された光を検出し、
前記ベース部材は、第1の実装基板と、第2の実装基板とを含み、
前記保護カバーは、前記ベース部材の上方に設けられている
ことを特徴とする発光装置。」

第3 刊行物の記載
1 刊行物に記載された事項
(1)当審拒絶理由に引用され、本願出願前に頒布された刊行物である特開2004-311353号公報 (以下「引用文献」という。)には、図とともに以下の記載がある。

ア 「【請求項1】
開口部を有する筐体と、
前記開口部に相対する前記筐体の底面に配設された第1の反射板と、
前記底面に配設された複数の光源と、
前記開口部に配設された拡散板とを有する面状光源装置であって、
前記光源が点状光源であり、
該点状光源と前記開口部とのあいだに第2の反射板を配置し、該第2の反射板のうち、少なくとも前記第1の反射板に相対する面が反射面であり、該反射面の面積が前記筐体の底面の面積より小さいことを特徴とする面状光源装置。
【請求項2】
前記点状光源が、赤色、緑色または青色の単色光を発する発光ダイオードである請求項1記載の面状光源装置。」

イ 「【0006】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、光源と光拡散板との間隔を狭くし、バックライト(以下、面状光源装置と称す)の薄型化を図った場合においても、輝度ムラおよび色度ムラが発生しない面状光源装置を得るものであり、この面状光源装置を用いることによりすぐれた表示特性を得ることができる液晶表示装置を提供することを目的とする。」

ウ 「実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1にかかわる面状光源装置の概略構成を示す斜視図、図2は図1に示す面状光源装置の矢視II-II線からみた部分断面図、図3はLEDの配列の一例を示すLED配列図である。
【0010】
図1?3において、面状光源装置の筐体1は底面1aと4つの側面から構成され、底面1aに相対する開口部1bを有している。筐体1は、光が外部にできる限り漏れないようにするとともに、内側で反射して開口部1b側に光が進むように、筐体1の内側となる底面1aおよび側面には、光を正反射、拡散反射またはその複合で反射する反射板が形成されている。反射板の材料としては、アルミニウムなどの反射しやすい金属板またはプラスチックなどの内面に反射しやすい塗料を塗布したものでもよい。とくに、筐体1の内側に白色塗料などを塗布しておくことにより一層内部での反射がよくなり、光の損失が少なくなるため好ましい。なお、以下、底面1aに配設された反射板を第1の反射板2と称する。
【0011】
筐体1の開口部1b全体には、光を透過および拡散する機能を有する拡散板3を配設する。
【0012】
拡散板3は、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリカーボネートなどからなり、斜め方向から入射した光でも表面であらゆる方向に均一に放射されるようにする機能を有する。
【0013】
本実施の形態では点状光源4として、LEDを使用し、赤色(R)の光を発する第1の点状光源4aと、緑色(G)の光を発する第2の点状光源4bと、青色(B)の光を発する第3の点状光源4cとから構成される。なお、赤色、緑色または青色の単色光を発するLEDは、白色光を発するLEDに比べて、発光効率が高く、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタの赤色、緑色および青色の透過特性とLEDに発光スペクトルをあわせ込むことで、色再現性の高い表示装置を得ることができるので好ましい。
【0014】
矩形状の点状光源基板5には、複数の点状光源4が点状光源基板5の長手方向に沿って配列され実装されている。また、点状光源基板5は、筐体1の底面の長手方向に延在し、筐体1の底面外側に固着されている。なお、点状光源基板5に実装された、第1の点状光源4a、第2の点状光源4bおよび第3の点状光源4cのそれぞれの個数は必ずしも均等である必要はなく、液晶表示素子を透過したうえで所望の色度に最適化できるように第1の点状光源4a、第2の点状光源4bおよび第3の点状光源4cのそれぞれの個数を任意に設定すればよい。たとえば、図3に示すように、G、B、G、R、G、Bの繰り返しの順列で実装することができる。また、本実施の形態では、複数の点状光源4が実装された点状光源基板5が筐体1の底面に3列で並設されているが、点状光源から得られる輝度により列数を任意に設定すればよい。
【0015】
矩形状の第2の反射板6は、第1の反射板2に相対する面が光を反射する反射面6aであり、反射面6aの裏面が光を正反射する機能を有する正反射面6bである。また、第2の反射板6は、点状光源4と開口部1bとのあいだに、第1の反射板2と第2の反射板6の反射面6aとが互いにほぼ平行となるように筐体1の側面に固着されている。また、第2の反射板6の反射面6aは筐体1の底面1aの面積より小さくすることで、隣接する第2の反射板6間から点状光源4からの光を拡散板3側に到達させることができる。第2の反射板6は、筐体1と同様に金属板またはプラスチックなどにより形成され、反射率の高い金属板または反射率の高い白色塗料の塗布などにより形成する。
・・・(略)・・・
【0023】
点状光源4である第1の点状光源4a、第2の点状光源4bおよび第3の点状光源4cから発せられた赤色、緑色および青色の単色光は、直接または第1の反射板2によって反射され、第2の反射板6の反射面6aで反射される。単色光は、第1の反射板2と第2の反射板6の反射面6aで反射を繰り返し、第1の反射板2と第2の反射板6の間隙を伝播するうちに配光を広げ、複数の点状光源4から発せられた赤色、緑色および青色の単色光は混色されて白色光に均一化される。」

エ 「【0038】
実施の形態4
図7は本発明の実施の形態4にかかわる面状光源装置の概略構成を示す斜視図、図8は図7に示す面状光源装置の矢視VIII-VIII線からみた部分断面図である。図7および図8において、図5および図6と同じ符号は、同一または相当部分を示し、その説明を省略する。複数の点状光源を前記筐体の底面の長手方向に沿って配列した点状光源群が複数並設され、点状光源群間および筐体1の側面近傍における第1の反射板2に突起部2aを設けている。
【0039】
また、突起部2aの長さ(底面1aの長手方向)は、図7に示すように、連続して設ける方が、長手方向の位置に関わらず、光を一様に拡散板3側に反射させることができるので好ましい。しかしながら、長さの短い突起部2aを連続して、または一定間隔で並べて配置してもよい。また、液晶表示装置を透過したうえで所望の輝度および色度に最適化できるように、突起部2aの個数、位置または形状を任意に設定することができる。
【0040】
なお、本実施の形態4においては、点状光源群間および筐体1の側面近傍における第1の反射板2に突起部2aを設けているところだけが実施の形態3と異なっており、後述する突起部2aによる作用効果以外は、実施の形態3と同様の作用効果を奏する。
【0041】
前述した実施の形態3においては、第2の反射板8の反射面8a、8bと第1の反射板2との反射を繰り返すうちに、光の筐体1の底面1aに対する角度が水平に近づき、第1の反射板2に入射した光が、隣接する第2の反射板8間を通過するために充分な反射角が得られない場合がある。しかしながら、本実施の形態4においては、筐体1の底面1aに対する光の角度が水平に近い場合であっても、突起部2aにより、少なくとも突起部2aに入射する光は、隣接する第2の反射板8間を通過するために充分な反射角が得ることが可能であり、輝度の低下を抑制し、明るい面状光源装置を得ることができる。」

オ 実施の形態4のついての図8は、以下のものである。


2 引用文献に記載された発明
ア 上記1(1)アの記載によれば、
引用文献には、
「開口部を有する筐体と、
開口部に相対する筐体の底面に配設された第1の反射板と、
底面に配設された複数の光源と、
開口部に配設された拡散板とを有する面状光源装置であって、
光源が、赤色、緑色または青色の単色光を発する発光ダイオードの点状光源である、面状光源装置。」
が記載されているものと認められる。

イ 上記1(1)ウ(【0010】及び【0015】を参照。)の記載に照らせば、
上記アの「第1の反射板」は、
筐体の底面内側に反射率の高い白色塗料を塗布をすることにより形成されてもよいものと認められる。

ウ 上記1(1)ウ(【0023】を参照。)の記載に照らせば、
上記アの「面光源装置」は、
「白色光を得るための面光源装置」であるといえる。

エ 上記1(1)ウ(【0014】を参照。)の記載を踏まえて、図8を見ると、
上記アの「点状光源」は、
筐体の底面外側に固着された、3列で並設されている点状光源基板に実装されていてもよいものと認められる。

オ 上記1(1)エ(【0038】を参照。)の記載を踏まえて、図8を見ると、
第1の反射板には、点状光源間及び筐体の側面近傍に突起部が設けられていることが把握できる。

カ 上記アないしオの記載から、引用文献には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「開口部を有する筐体と、
開口部に相対する筐体の底面内側に反射率の高い白色塗料を塗布をすることにより形成された第1の反射板と、
底面に配設された複数の光源と、
開口部に配設された拡散板とを有する面状光源装置であって、
光源は、赤色、緑色または青色の単色光を発する発光ダイオードの点状光源であり、筐体の底面外側に固着された、3列で並設されている点状光源基板に実装され、
第1の反射板には、点状光源間及び筐体の側面近傍に突起部が設けられた、白色光を得るための面状光源装置。」

3 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「発光ダイオード」は本願発明の「LED」に相当し、同様に、
「突起部」は「壁部」に、
「面状光源装置」は「発光装置」に、それぞれ、相当する。

(2)本願発明の「保護カバー」は、本願明細書の【0017】によれば、
透明材料で形成され、LEDが実装された空間領域を密閉するための部材であると解されるから、
引用発明の「『筐体』の『開口部に配設された拡散板』」は本願発明の「保護カバー」に相当する。

(3)本願発明の「ベース部材」は、複数のLEDが実装されるとともに、壁部を有するものである。
そして、引用発明の「3列で並設されている点状光源基板」に点状光源が実装され、「筐体の底面内側に反射率の高い白色塗料を塗布をすることにより形成された第1の反射板」に突起部が設けられていることに照らせば、
引用発明の「『3列で並設されている点状光源基板』と『筐体』」は本願発明の「ベース部材」に相当する。

(4)してみると、本願発明と引用発明とは以下の点で一致する。
<一致点>
「電流が供給されるとそれぞれが異なる色の光を放射する複数のLEDと、
前記複数のLEDが実装されたベース部材と、
前記複数のLEDから放射された光を透過させる保護カバーとを備え、
前記ベース部材は、隣接する2つの前記LEDの間に設けられた壁部を有し、
前記保護カバーは、前記ベース部材の上方に設けられている、
発光装置。」

(5)一方で、本願発明と引用発明とは、以下の点で相違する。
<相違点1>
電流の供給に関し、
本願発明は、「前記複数のLEDと1対1に対応し、それぞれが、対応する当該LEDから放射された光を検出する複数の光検出部と、
前記複数の光検出部のそれぞれで検出された光の強度が、予め決められた光の強度となるように、前記複数のLEDのそれぞれに供給される電流を制御する制御部とを備え」、
かつ「前記複数の光検出部は、それぞれが、対応する当該LEDと対向して前記ベース部材内に設けられ、対向する当該LEDから放射された光を検出」するのに対して、
引用発明は、そのようなものではない点。

<相違点2>
ベース部材に関し、
本願発明は、「第1の実装基板と、第2の実装基板とを含」むものであるのに対して、
引用発明は、「3列で並設されている点状光源基板」と「筐体」であり、点状光源基板が1つの基板ではない点。

4 判断
(1)上記<相違点1>について検討する。
ア 異なる色を発光する光源からの光を混合して白色光を得る際に、光検出手段を利用して各光源の光量を調整しなければならないことは、自明の課題である(例えば、
(ア)特開平11-295689号公報の【要約】及び図1を参照。
(イ)実願平2-109029号(実開平4-65383号)のマイクロフィルムの第10頁第2ないし7行を参照。)から、
引用発明において、「赤色、緑色または青色の単色光を発する発光ダイオード」の、それぞれの発光量を光検出手段により検出するとともに、それぞれに供給される電流を制御して、それぞれの発光量を調整する制御部を備えるようになすことは、当業者が容易になし得たことである。

イ そして、発光素子の発光量を検出する光検出手段を、発光素子と対向する基板内や反射枠等の素子近傍に設けた発光装置は、本願出願時点で周知である(例えば、
(ア)特開平10-49074号公報の【0025】及び図11を参照。
光センサーを反射枠の壁面に配設することが記載されている。
図11は、以下のものである。


(イ)特開昭62-188386号公の第2頁右下欄第8ないし16行及び第1図を参照。
基板1側に向かう出力光A2をpn接合部(1、2)に入力し、モニター出力として利用することが記載されている。
第1図は、以下のものである。


(ウ)特開昭61-224470号公報の第2頁右上欄第4ないし同頁右下欄5行及び第1図を参照。
面発光型LED10の裏面電極に設けた透孔12から取出された光はサブマウント20の受光部23に入射されることが記載されている。
第1図は、以下のものである。


(エ)特開昭61-108186号公報の第2頁左下欄第10行ないし同頁右下欄第7行及び第1図を参照。
半導体基板11上にフォトセンサー12を形成することが記載されている。
第1図は、以下のものである。


(オ)実願昭52-162452号(実開昭54-87075号)のマイクロフィルムの「2.実用新案登録請求の範囲」及び第3図を参照。
発光ダイオードアレイの側面に対向する反射枠の一部を切欠き、受光素子を配置することが記載されている。
第3図は、以下のものである。


以下「周知技術」という。)であることに照らせば、
引用発明において、光検出手段を「赤色、緑色または青色の単色光を発する発光ダイオード」と1対1で対応するように点状光源基板内又は筐体内に設けることは、当業者が適宜なし得たことである。

ウ 以上の検討からして、引用発明において、上記<相違点1>に係る本願発明の構成を採用することは、当業者が上記周知技術に基づいて容易になし得たことである。

(2)上記<相違点2>について検討する。
ア 引用発明の「3列で並設されている点状光源基板」の、それぞれには点状光源が実装され、それぞれが筐体の底面外側に固着されるものであるから、これらを「1つの点状光源基板」として、筐体の底面外側に固着するようになすことは、列の間隔等を勘案して当業者が適宜なし得たことである。

イ その際、引用発明の「1つの点状光源基板」と「筐体」は、固着されることで一体となって点状光源の実装部をなすものであるから、これは、本願発明の「第1の実装基板」と「第2の実装基板」を貼り合わせたものに相当する。

ウ 以上の検討からして、引用発明において、上記<相違点2>に係る本願発明の構成を採用することは、当業者が適宜なし得たことである。

(3)効果
本願発明の奏する効果は、当業者が引用発明及び周知技術から予測し得る範囲内のものである。

5 進歩性についてのまとめ
本願発明は、当業者が引用文献に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が引用文献に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-03-07 
結審通知日 2013-03-12 
審決日 2013-03-25 
出願番号 特願2006-89564(P2006-89564)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岡田 吉美  
特許庁審判長 江成 克己
特許庁審判官 小松 徹三
星野 浩一
発明の名称 発光装置  
代理人 北出 英敏  
代理人 西川 惠清  
代理人 仲石 晴樹  
代理人 坂口 武  
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