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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G11B
管理番号 1273677
審判番号 不服2012-16852  
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-08-29 
確定日 2013-05-09 
事件の表示 特願2011-180263「記録または再生する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 1月12日出願公開、特開2012- 9131〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成9年9月16日に出願した特願平9-250712号の一部を平成18年7月31日に特許出願した特願2006-208513号の一部を平成20年3月24日に特許出願した特願2008-76478号の一部を平成23年8月1日に特許出願した特願2011-168441号の一部をさらに平成23年8月22日に特許出願したものであって、平成24年3月1日付けの拒絶理由の通知に応答して同年5月1日付けで手続補正がなされたが、同年5月21日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月29日付けで拒絶査定不服審判が請求されると共に同日付で手続補正がなされた。
その後、平成24年11月29日付けで前置報告書に基づいた審尋がなされ、平成25年1月28日付けで回答書が提出されたものである。

2.本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成24年8月29日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
ユーザデータが記録されるユーザデータエリアと、管理データが記録される管理エリアとを有する記録可能な記録媒体にユーザデータを記録し、又は、記録媒体からユーザデータを再生する方法であって、
前記ユーザデータエリアは、第1のゾーンエリアおよび第2のゾーンエリアを有し、
前記管理エリアに、前記第1のゾーンエリアにおける記録再生のデータ単位毎に、記録済みか否かを示す第1のビットマップと、前記第2のゾーンエリアにおける記録再生のデータ単位毎に、記録済みか否かを示す第2のビットマップと、が記録され、
前記第1のビットマップおよび前記第2のビットマップは更新可能であり、前記記録媒体に対する更なる記録を禁止する処理が実行されることに応じて、最新の前記第1のビットマップおよび最新の前記第2ビットマップが前記管理エリアに記録される
ことを特徴とする方法。」

3.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開平7-325669号公報(平成7年12月12日公開、以下「引用例1」という。)には、図面と共に、以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。)

(1)「【0022】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明する。図1は請求項1の発明の一実施例によるディスク管理方法を説明するためのブロック図であり、図において、100はディスクブロック管理部、200はディスクブロック管理部100が管理対象とするディスク(記憶媒体)、220はディスク200の使用状況を記録したビットマップ220である。110は連続未使用ブロックリスト、150はビットマップである。ビットマップ150はディスク200上に存在するビットマップ220のコピーであり、アクセス高速化のために、例えばキャッシュとしてディスクブロック管理部100に設けられている。基本的には、ビットマップ150はディスク100上に存在するビットマップ220と同一のものと考えてよい。
【0023】図2はこの実施例によるディスク管理方法が適用されるディスク200の構造を示す図であり、図において、201はブロックである。ブロック201はデータを記録する最小単位であり、そのブロック長は固定である。1つのファイルには1個以上のブロック201が割り当てられて、データの記録が可能となる。202はブロック番号であり、ディスク200の先頭からブロック単位に1から順に全ブロックに番号が付与される。図に示す例では、ディスク200は1から32のブロック番号を有した32個のディスクブロックを有している。ディスクブロック管理部100はブロック番号202によってブロック201を管理する。
【0024】図3はこの実施例によるディスク管理方法が適用されるディスク200の領域構造を示す図であり、図において、210はディスク管理領域である。ディスク管理領域210はディスク200の持つブロック数などディスク200を管理するための情報を記録する領域である。220はビットマップであり、ブロックの使用状況を記録するものである。230はファイル管理領域であり、ファイルに関する情報を記録する領域である。240はデータ領域であり、ファイルの内容を記録する領域である。この実施例に限らず、この発明によるディスク管理方法はディスク管理領域210及びファイル管理領域230の構造に依存しないので、詳細な構造の説明は省略する。
【0025】次にビットマップ220の構造について説明する。図4はこの実施例によるディスク管理方法のために使用されるビットマップ220の構造を示す図であり、図において、221はビットである。1つのビット221は1つのブロック201の使用状況を表している。ビット221が“0”であれば未使用でファイルに割当て可能であり、“1”であれば任意ファイルに利用されており、割当て不可能であることを意味する。ビットマップ220の先頭ビットはブロック番号1のブロック201の使用状況を記録しており、以下、継続するビットは順番にそのビット位置に相当するブロック番号202を持つブロック201の使用状況を記録している。ビットマップ220はブロック201の割当て、開放に際してリアルタイムでその情報が更新され、常に最新のブロック201の使用状況を記録している。」

データの記録が可能なディスクにデータを記録、又は、再生することは技術常識であることを踏まえて、上記摘示事項及び図面の記載を総合勘案すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める。

「ディスク管理領域とビットマップとファイル管理領域とデータ領域とを有する記録が可能なディスクにデータを記録し、又は、ディスクからデータを再生する方法であって、
前記ビットマップは、データを記録する最小単位であるブロック毎に使用状況が記録され、
ブロックの割当てに際してその情報が更新され、最新のブロックの使用状況を記録する方法。」

同じく、原査定の拒絶の理由に引用された特開平9-106549号公報(平成9年4月22日公開、以下「引用例2」という。)には、図面と共に、以下の記載がある。
(なお、下線は当審で付与した。)

(2)「【0079】図19は、このようにして得られたディスク1に対して、データを記録または再生する光ディスク記録再生装置の構成例を表している。その基本的構成は図8における場合と同様であるが、この実施例においては、ROM47がさらに付加されている。
【0080】ROM47には、アドレスフレーム中のトラック番号(図12)と、ディスク1のデータ記録領域を区分したゾーンとの対応関係を規定するテーブルと、必要に応じて、ゾーンとそのゾーンが対応するバンドの関係を規定するテーブルが記憶されている。
【0081】すなわち、制御回路38は、ディスク1を図20に示すように、複数のゾーン(この実施例の場合、第0ゾーン乃至第m+1ゾーンのm+2個のゾーン)に区分してデータを記録または再生する。いま、第0ゾーンの1トラック当たりのデータフレーム(このデータフレームは、図2や図12を参照して説明したアドレスフレームとは異なり、図10と図11を参照して説明したようなデータのブロックの単位である)の数をn個とするとき、次の第1ゾーンにおいては、1トラック当たりのデータフレーム数はn+8とされる。以下、同様に、より外周側のゾーンは、隣接する内周側のゾーンに較べて8個づつデータフレーム数が増加し、最外周の第m+1ゾーンにおいては、n+8×(m+1)個のデータフレーム数となる。」

4.対比
そこで、本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「データ」「データ領域」及び「ディスク」は、本願発明の「ユーザデータ」「ユーザデータエリア」及び「記録媒体」にそれぞれ相当し、そして、引用発明の「ディスク管理領域」「ビットマップ」及び「ファイル管理領域」は、まとめて管理データが記録される管理領域(エリア)といえるから、引用発明と本願発明とは、「ユーザデータが記録されるユーザデータエリアと、管理データが記録される管理エリアとを有する記録可能な記録媒体にユーザデータを記録し、又は、記録媒体からユーザデータを再生する方法」で共通する。
(2)引用発明の「ブロック」は、「データを記録する最小単位である」から、本願発明の「記録再生のデータ単位」に相当し、そして、引用発明の「ビットマップ」は、「ブロック毎に使用状況が記録され」るものであるから、本願発明の「記録再生のデータ単位毎に、記録済みか否かを示す」「ビットマップ」に相当する。すると、引用発明と本願発明とは、「前記管理エリアに」「記録再生のデータ単位毎に、記録済みか否かを示す」「ビットマップ」「が記録され」で共通する。
(3)引用発明の「ビットマップ」は、「その情報が更新され」るものであるから、引用発明と本願発明とは、「前記」「ビットマップ」「は更新可能であ」る点で共通し、また、引用発明の「ビットマップ」は、「ブロックの割当てに際して(その情報が更新され、)最新のブロックの使用状況が記録される」ものであるから、引用発明と本願発明とは、「前記記録媒体に対する」「処理が実行されることに応じて、最新の前記」「ビットマップが前記管理エリアに記録される」点で共通する。

そうすると、本願発明と引用発明との<一致点><相違点>は以下のとおりである。

<一致点>
「ユーザデータが記録されるユーザデータエリアと、管理データが記録される管理エリアとを有する記録可能な記録媒体にユーザデータを記録し、又は、記録媒体からユーザデータを再生する方法であって、
前記管理エリアに、記録再生のデータ単位毎に、記録済みか否かを示すビットマップが記録され、
前記ビットマップは更新可能であり、前記記録媒体に対する処理が実行されることに応じて、最新の前記ビットマップが前記管理エリアに記録される
方法。」の点。

<相違点>
(a)「ユーザデータエリア」について、本願発明は、「第1のゾーンエリア」および「第2のゾーンエリア」を有しているのに対し、引用発明は、そのようなゾーンエリアに区分されていない点。

(b)「ビットマップ」について、本願発明は、「前記第1のゾーンエリア」における記録再生のデータ単位毎に、記録済みか否かを示す「第1のビットマップ」と、「前記第2のゾーンエリア」における記録再生のデータ単位毎に、記録済みか否かを示す「第2のビットマップ」であるのに対し、引用発明は、そのようなビットマップではない点。

(c)本願発明は、「前記第1のビットマップ」および「前記第2のビットマップ」は更新可能であり、前記記録媒体に対する「更なる記録を禁止する」処理が実行されることに応じて、最新の「前記第1のビットマップ」および最新の「前記第2ビットマップ」が前記管理エリアに記録されるのに対し、引用発明は、そのようなものではない点。

5.判断
そこで、上記相違点について検討する。

相違点(a)について
引用発明及び本願発明とディスクに対してデータを記録再生する技術に関して同一の技術分野に属する引用例2には、ディスクのデータ記録領域を複数のゾーンに区分してデータを記録または再生する技術が記載されており、その実施例において、mを0とすることでデータ記録領域は2個のゾーンに区分されることとなる。
そうすると、引用発明において、データ領域(ユーザデータエリア)を2個のゾーンに区分すること、即ち、相違点(a)の構成とすることは、引用例2の上記技術を適用することにより当業者が容易に想到できたものである。

相違点(b)について
相違点(a)で検討したように、データ領域を2個のゾーンに区分することは当業者が容易に想到できたものであり、また、ビットマップはデータ領域のブロック毎の記録状況が記録されたものであることを踏まえると、ビットマップは各ゾーンエリアに対応したものとなることは自明のことであるから、相違点(b)の、ビットマップを「前記第1のゾーンエリア」における記録再生のデータ単位毎に、記録済みか否かを示す「第1のビットマップ」と、「前記第2のゾーンエリア」における記録再生のデータ単位毎に、記録済みか否かを示す「第2のビットマップ」とすることは当業者が容易に想到できたものである。

相違点(c)について
ディスクに対する記録態様として記録を継続するか、更なる記録を禁止するかは使用者が適宜に選択すべき事項であるところ、引用発明は、「ブロックの割当てに際してその情報が更新され、最新のブロックの使用状況を記録する」ものであること、そして、ディスクに対して更なる記録を禁止する処理を選択する際にはその時点での最新のブロック使用状況を記録することは自明のことであるから、相違点(c)とすることは、当業者が適宜なし得る程度のことである。

そして、上記相違点を総合的に判断しても、本願発明が奏する効果は引用例1及び引用例2から当業者が十分に予測できたものであって格別なものとはいえない。

6.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用例1及び引用例2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-03-05 
結審通知日 2013-03-12 
審決日 2013-03-28 
出願番号 特願2011-180263(P2011-180263)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G11B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 五貫 昭一  
特許庁審判長 小松 正
特許庁審判官 馬場 慎
関谷 隆一
発明の名称 記録または再生する方法  
代理人 杉浦 拓真  
代理人 杉浦 正知  
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