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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04M |
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管理番号 | 1273722 |
審判番号 | 不服2011-19477 |
総通号数 | 162 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2013-06-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-09-09 |
確定日 | 2013-05-08 |
事件の表示 | 特願2000-388443「電話通信ネットワークの端末において発呼者の識別に関する情報を入手する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 8月10日出願公開、特開2001-217940〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成12年12月21日(パリ条約による優先権主張1999年12月23日、フランス)の出願であって、平成23年4月25日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成23年9月9日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。 2.本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成22年11月8日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである。 「電話通信ネットワークの端末において発呼者の識別に関する情報を入手する方法であって、 端末(10)が、着信呼および発呼者の番号を受信し、 端末のエージェント(14)が、前記情報を提供できる可能性がある少なくとも1つの外部サーバを選択し、 エージェントが、引数が電話番号でありかつ宛先がサーバである要求を準備し、 エージェントが要求をサーバに送り、 エージェントが、サーバからの応答を受信し、前記応答が発呼者の識別に関する情報に対応している場合には情報の入手を終了し、または、 エージェントが応答を受信しない場合またはエージェントが応答を受信したが前記応答が発呼者の識別に関する情報に対応していない場合には、エージェントが他のサーバを選択し、他の要求を準備し、および他の要求を他のサーバに送る、 ことを含むことを特徴とする電話通信ネットワークの端末において発呼者の識別に関する情報を入手する方法。」 3.引用例発明 原査定の拒絶の理由に引用された特開平11-168565号公報(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに以下の記載がある。 イ.「【0008】 【発明の実施の形態】本発明およびその利点を以下に図面を参照しながら示す。 【0009】この図は、本発明を実施することのできる構成の例を示す。太い破線で示された接続VLは、端末TERをサーバCSに接続する。端末TERは、端末TERの機能を制御する中央制御ユニットMPと、情報を視覚化するために使用される表示装置DISと、端末TERを操作することのできるキーボードKEYと、基本機能に関するデータおよび特殊機能に関するデータが記憶されるメモリユニットMEMとを含む。この場合、通信ネットワークは、交換局VSTによって記号的に示されており、他のノードポイントおよび接続回線を備えることができる。サーバCSはたとえば、データを提供することのできるデータ供給装置を表す。データ供給装置は、単一のコンピュータでも、あるいは場合によっては複数のコンピュータのネットワークでもよい。やはり交換局VSTを介して行われ、端末TERを通信相手CP、たとえば他の端末に接続する接続VCも示されている。端末TERは、番号ダイヤル、音声入力、音声出力など電話セットの基本機能を有する。データがロードされた後に、端末TERは、表示装置DIS上の特殊情報やその特殊なレイアウトなど他の特殊機能を与えることができる。このような特殊機能は、制御ユニットMPによって受信された直後に実行することも、あるいは後で使用できるようにメモリユニットMEMに記憶することもできる。」 ロ.「【0020】本発明は、端末TERと他の宛先との間に、接続VLと並列に他の接続が確立されているときに他の有利な可能性を提供する。図は、通信相手CPとの接続VCの形でそのような接続を示している。端末TERは、接続VLを介して通信相手CPからの着呼に並列にかつ通信相手CPへの発呼に並列にサーバCSのデータにアクセスすることができ、かつ通信相手CPとの接続が優先されている間にサーバCSのデータにアクセスすることができる。 【0021】端末TERは、ISDN通信ネットワーク、またはCLASS(Custom LocalArea Signalling Service、カスタムローカルエリアシグナリングサービス)機能を有する通信ネットワークに接続されている場合、通信相手CPが接続VCを介して呼出しを行ったときにいわゆるCLIP(Calling Line IdentificationPresentation、発呼線識別通知)メッセージを受信することができる。CLIPメッセージは発呼者の電話番号を送信する。端末TER内で電話セットの基本機能を使用することができるので、制御ユニットMPは表示装置DIS上に直接CLIPメッセージを示すことができ、オペレータは呼出しを受け入れることができる。しかし、表示装置DIS上に電話番号を示すだけでは、通信相手CPの名前は端末TERのオペレータに明確には伝わらない。オペレータは、キーボードKEY上の一つのキーを押すことによって、CLIPメッセージから得た電話番号情報を含む問合せメッセージの、接続VLを介したサーバCSへの送信を活動化することができる。サーバCSは次いで、発呼者通信相手CPの名前を含むメッセージで応答し、それによって、端末TERは表示装置DIS上にこの名前を示すことができる。しかし、端末TERが、オペレータによる事前の介入なしに、そのような名前要求をあらゆる着呼と共にサーバCSへ自動的に送信し、それによって操作を容易にすることも可能である。」 引用例1の【0021】の記載によれば、通信相手が呼出しを行ったときに、端末はCLIPメッセージを受信するものであり、CLIPメッセージには発呼者の電話番号が含まれているものである。そして、端末は発呼者の電話番号を含む問い合わせメッセージをサーバに送信し、サーバは発呼者の名前を含むメッセージで応答し、それによって、端末は表示装置上に発呼者の名前を示すものである。 したがって、引用例1には、技術常識を考慮すると、 「通信ネットワークの端末において発呼者の名前を表示装置上に示す方法であって、 通信相手が呼出しを行ったときに発呼者の電話番号を受信し、 端末が発呼者の電話番号を含む問い合わせメッセージをサーバに送信し、 サーバは発呼者の名前を含むメッセージで応答し、 端末は発呼者の名前を表示装置上に示す方法。」 の発明(以下、「引用例1発明」という。)が開示されていると認めることができる。 原査定の拒絶の理由に引用された特開平10-143525号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面とともに以下の記載がある。 イ.「【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明による携帯情報端末装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。検索操作者が操作する携帯情報端末装置1は、通信網8によって、分散して存在する複数のデータベース装置2?7に接続される。」 ロ.「【0017】図3は、データ検索に伴う処理動作の一例を示すフローチャートである。以下に、図2の接続先テーブルにおけるグループ番号19がグループ2に所属するデータベース装置DB3,DB4,DB6に対してデータ検索を行う場合の動作を例にとって説明する。 【0018】検索操作者は、まず携帯情報端末装置1の入力部10から検索項目及び検索条件を入力する。入出力制御部11は、入力された検索項目及び検索条件を受信し、情報検索制御部12に送信する。情報検索制御部12は、検索項目及び検索条件を情報記憶部13のデータ格納部15に格納する(ステップ101)。 【0019】次に、情報検索制御部12は、情報記憶部13に記憶されている接続先テーブル14の情報を取得し、取得した情報を入出力制御部11に送信し、接続先テーブル14の内容を表示部9に出力する(ステップ102)。このとき表示部9に表示する内容としては、データベース装置名すなわちデータベース装置情報17と、グループ番号19で十分である。 【0020】ステップ103で、検索操作者は入力部10を操作して、接続先テーブル14の表示内容からグループ2を選択することにより、データ検索の対象とするデータベース装置[DB3、DB4、DB6]を指定する。情報検索制御部12は、選択されたグループ2に所属するデータベース装置情報17[DB3、DB4、DB6]に対応する全ての状態フラグ21を回線接続待ちを表す「1」にセットする(ステップ104)。 【0021】情報検索制御部12は、グループ2に所属するデータベース装置情報17[DB3、DB4、DB6]に対応する全ての状態フラグ21をチェックし、回線接続待ちの状態フラグ21の有無の判断を行う(ステップ105)。回線接続待ちの状態フラグが有る場合は、検索処理の次のステップ106に進み、無い場合はデータ検索の終了処理のステップ119に進む。 【0022】検索処理を継続する場合、情報検索制御部12はグループ2に所属するデータベース装置情報17[DB3、DB4、DB6]に対応する状態フラグ21およぴ接続優先順位20を順番にチェックし、回線接続待ちでかつ接続優先順位が高い(最初は「1」)条件に合致するものを、通信回線の接続を行う対象のデータベース装置として確定する(ステップ106)。条件に合致しない場合は、同一グループ内の次のデータベース装置情報を検索し(ステップ107)、再度ステップ106に戻り、状態フラグ21及び接続優先順位20のチェックを行い、データベース装置が確定するまで繰り返し実行する。 【0023】ここで説明する例では、まずデータベース装置DB3に対応する状態フラグおよぴ接続優先順位をチェックする。チェックの結果、接続優先順位が「3」であって条件に合致しないため、次のデータベース装置DB4の接続優先順位をチェックすると「1」となっており、条件に合致するため、通信回線の接続を行う対象としてデータベース装置DB4を確定する。 【0024】情報検索制御部12は、接続先テーブル14から先のステップ106で確定したデータベース装置DB4に対応する接続先情報[06-111-2222]を取得し、通信制御部16を介して、通信網8に対して通信回線の接続要求を行う(ステップ108)。このとき、接続先テーブル14中のデータベース装置DB4に対応する状態フラグを、回線接続中を表す「2」にセットする(ステップ109)。 【0025】携帯情報端末装置1とデータベース装置5[DB4]の間の通信回線が接続されると、携帯情報端末装置1の情報検索制御部12は、情報記憶部13のデータ格納部15に記憶した検索項目、検索条件を取得し、通信回線8を介してデータベース装置5[DB4]に対して検索項目、検索条件を送信し、データ検索要求を行う(ステップ110)。このとき、接続先テーブル14中のデータベース装置DB4に対応する状態フラグを、データ検索中を表す「3」にセットする(ステップ111)。 【0026】データベース装置5[DB4]でのデータ検索が終了し、通信回線8を介して検索結果を受信した時、情報検索制御部12は受信した検索結果を情報記憶部13のデータ格納部15に格納する(ステップ112)。このとき、情報検索制御部12は、接続先テーブル14中のデータベース装置DB4に対応する状態フラグを、データ検索完了を表す「4」にセットし(ステップ113)、通信制御部16を介して通信網8に対して通信回線の切断処理を行う(ステップ114)。続いて、情報検索制御部12は、情報記憶部13のデータ格納部15に格納した検索結果をチェックし、有効データの有無を判断する(ステップ115)。検索結果に有効データが無い場合、再びステップ105に戻り、ステップ105からステップ114の手順にて、同一グループ内の別のデータベース装置に対しての通信回線接続処理、及びデータ検索処理を実行する。 【0027】検索結果に有効データがある場合、同一グループの別のデータベース装置に対してデータ検索を継続して実行するかどうかを確認するための検索継続確認メッセージを表示部9に出力する(ステップ116)。検索操作者は、入力部10より別のデータベース装置に対してデータ検索の継続を行うかどうかを入力する(ステップ117)。情報検索制御部12は、ステップ117で入力された結果をチェックし(ステップ118)、データ検索を継続しない場合にはデータ検索の終了処埋のステップ119に進む。データ検索を継続する場合、再びステップ105に戻り、ステップ105からステップ114の手順にて同一グループ内の別のデータベース装置に対しての通信回線接続処埋、及びデータ検索処理を実行する。」 引用例2は、通信網に接続される携帯情報端末装置において検索データを入手する方法に関するものである。 引用例2の段落【0020】?【0022】には、データ検索の対象とするデータベース装置を指定し、最初に検索を行わせるデータベース装置を確定することが示されており、「携帯情報端末装置が、検索データを提供できる可能性があるデータベース装置を選択」するものであるといえる。 引用例2の段落【0026】には、データベース装置でのデータ検索が終了すると、検索結果の検索データを受信して、検索データが有効でない場合、携帯情報端末装置が他のデータベース装置を選択し、他の検索要求を他のデータベース装置に送ることが示されている。 引用例2の段落【0027】には、検索データが有効である場合に、他のデータベース装置に対して検索を継続するかを確認した後に、データ検索を終了することが示されている。この確認を省略しても良いことは自明であるから、検索データが有効である場合には、検索データの入手を終了することが示されているといえる。 したがって、引用例2には、技術常識を考慮すると、 「通信網に接続される携帯情報端末装置において検索データを入手する方法であって、 携帯情報端末装置が、検索データを提供できる可能性があるデータベース装置を選択し、 携帯情報端末装置が検索要求をデータベース装置に送り、 携帯情報端末装置が、データベース装置からの検索データを受信し、前記検索データが有効である場合は、検索データの入手を終了し、 前記検索データが有効でない場合、携帯情報端末装置が他のデータベース装置を選択し、他の検索要求を他のデータベース装置に送ることを含む、検索結果を入手する方法。」 の発明(以下、「引用例2発明」という。)が開示されていると認めることができる。 4.対比 本願発明と引用例1発明とを対比する。 引用例1発明の「通信ネットワーク」は、本願発明の「電気通信ネットワーク」に相当する。 引用例1発明の「発呼者の名前」は、本願発明の「発呼者の識別に関する情報」に含まれるので、引用例1発明の「発呼者の名前を表示装置上に示す」ことは、本願発明の「発呼者の識別に関する情報を入手する」ことに相当するといえる。 引用例1発明において、「通信相手が呼出しを行ったとき」には、端末は着信呼を受信することになるので、引用例1発明の端末は、「着信呼および発呼者の番号を受信」するものであるといえる。 引用例1発明の端末は、「発呼者の電話番号を含む問い合わせメッセージをサーバに送信」するものであるが、「問い合わせメッセージ」はサーバに送信されるものであるから、その宛先がサーバであることは自明である。また、サーバは「発呼者の電話番号」から「発呼者の名前」を検索するわけであるから、電話番号は「引数」として用いられているものである。 また、端末がメッセージを送信する前に、端末がメッセージを準備することは技術常識であり、「問い合わせメッセージ」はサーバに検索を要求するものであるから、「要求」であるといえる。 したがって、引用例1発明の端末は、「引数が電話番号でありかつ宛先がサーバである要求を準備」して、「要求をサーバに送」るものであるといえる。 引用例1発明のサーバは、「発呼者の名前を含むメッセージで応答」するものであるから、端末は「サーバからの応答を受信する」ものであることは自明である。 したがって、本願発明と引用例1発明とは、 「電話通信ネットワークの端末において発呼者の識別に関する情報を入手する方法であって、 端末が、着信呼および発呼者の番号を受信し、 端末が、引数が電話番号でありかつ宛先がサーバである要求を準備し、 端末が要求をサーバに送り、 端末が、サーバからの応答を受信する、 ことを含む電話通信ネットワークの端末において発呼者の識別に関する情報を入手する方法。」 である点で一致し、以下の点で相違している。 [相違点1] 端末において「発呼者の識別に関する情報を入手する」ための機能が、本願発明では、「端末のエージェント」により達成されるのに対して、引用例1発明では、そのように特定されていない点。 [相違点2] 本願発明は、「端末のエージェントが、前記情報を提供できる可能性がある少なくとも1つの外部サーバを選択」するのに対して、引用例1発明は、そのようなものではない点。 [相違点3] 本願発明は、「エージェントが、サーバからの応答を受信し、前記応答が発呼者の識別に関する情報に対応している場合には情報の入手を終了し、または、エージェントが応答を受信しない場合またはエージェントが応答を受信したが前記応答が発呼者の識別に関する情報に対応していない場合には、エージェントが他のサーバを選択し、他の要求を準備し、および他の要求を他のサーバに送る」ものであるのに対して、引用例発明は、「端末が、サーバからの応答を受信する」ものである点。 5.当審の判断 まず、相違点1について検討する。 本願明細書の段落【0029】の記載によれば、本願明細書においては、「エージェント」という用語は「プログラムまたはアプリケーション」を意味するものであると理解されるところである。 一方、引用例1の段落【0009】の「端末は、端末の機能を制御する中央制御ユニットMP・・・を含む。」という記載を参照すれば、引用例1において、端末の機能は中央制御ユニットが「プログラムまたはアプリケーション」を実行することにより達成されるものであることは自明であり、引用例1は端末の機能は、端末のエージェントにより達成されるものであるといえる。 したがって、相違点1は、実質的なものではない。 次に、相違点2、3について検討する。 引用例1発明と引用例2発明とは、いずれも、通信ネットワークの端末において検索データを入手する方法であり、技術分野において共通している。引用例2のデータベース装置は、携帯情報端末装置と通信ネットワークにより接続されるものであり、サーバとして構成されることは技術常識である。引用例2は、データベース装置(サーバ)を複数に分散したものであるが、引用例1のサーバは、引用例1の段落【0009】の「サーバCSはたとえば、データを提供することのできるデータ供給装置を表す。データ供給装置は、単一のコンピュータでも、あるいは場合によっては複数のコンピュータのネットワークでもよい。」という記載を参照すれば、複数に分散してもよいことは明らかである。 したがって、引用例1発明のサーバを複数のサーバとして、引用例2発明を適用することに困難性は認められない。 引用例2発明は、「検索データを提供できる可能性があるデータベース装置を選択」することを含んでおり、「データベース装置」を「サーバ」として構成したときは、「検索データを提供できる可能性がある少なくとも1つの外部サーバを選択」することであるといえるから、相違点2に係る構成は、引用例1発明に引用例2発明を適用することにより容易になし得たものである。 引用例2発明は「検索データが有効である場合には、検索データの入手を終了」することを含んでいるが、引用例1発明では、発呼者の名前が得られたときは検索データが有効である場合であるから、引用例1発明に引用例2発明を適用することにより、「前記応答が発呼者の識別に関する情報に対応している場合は情報の入手を終了」することは、当業者が格別の困難無くなし得たものである。 そして、引用例2発明は、「検索データが有効でない場合、携帯情報端末装置が他のデータベース装置を選択し、他の検索要求を他のデータベース装置に送る」ことを含んでいるが、再度の検索要求が必要な場合として、障害等により検索データを受信しない、すなわち端末がサーバからの応答を受信しないことがあるのは技術常識であることを考慮すれば、引用例1発明に引用例2発明を適用することにより、「エージェントが応答を受信しない場合またはエージェントが応答を受信したが前記応答が発呼者の識別に関する情報に対応していない場合には、エージェントが他のサーバを選択し、他の要求を準備し、および他の要求を他のサーバに送る」ことは、当業者が格別の困難無くなし得たものである。 したがって、相違点3に係る構成は、引用例1発明に引用例2発明を適用することにより容易になし得たものである。 そして、本願発明の作用効果も、引用例1発明及び引用例2発明から当業者が予測できる範囲のものである。 6.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例1発明及び引用例2発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-12-03 |
結審通知日 | 2012-12-04 |
審決日 | 2012-12-17 |
出願番号 | 特願2000-388443(P2000-388443) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04M)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 永田 義仁 |
特許庁審判長 |
竹井 文雄 |
特許庁審判官 |
萩原 義則 矢島 伸一 |
発明の名称 | 電話通信ネットワークの端末において発呼者の識別に関する情報を入手する方法 |
代理人 | 特許業務法人川口國際特許事務所 |
代理人 | 大崎 勝真 |
代理人 | 渡邉 千尋 |