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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65D
管理番号 1273779
審判番号 不服2011-19443  
総通号数 162 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-09-08 
確定日 2013-05-07 
事件の表示 特願2006-542806「子供いたずら防止クロージャ、容器及びパッケージ」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 6月23日国際公開、WO2005/056416、平成19年 5月24日国内公表、特表2007-513027〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、2004年12月2日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2003年12月3日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成23年4月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対し平成23年9月8日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に特許請求の範囲を対象とする手続補正がなされたものであり、補正された特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、本願請求項1?10に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1?10の記載により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1、請求項6に記載された発明は、それぞれ以下のとおりのものと認める(以下、それぞれ「本願発明1」、「本願発明2」という)。
「【請求項1】開口端(36)、前記開口端に隣接した第1部分及び前記第1部分に設けられた少なくとも1つの雄ねじ(34)をもった円筒形口部(28)を有する容器(24)と、ベース壁(56)、前記ベース壁に隣接して第1部分と前記口部の前記少なくとも1つの雄ねじと噛み合うための少なくとも1つの雌ねじ(64)とを有するスカート(60)、及び前記少なくとも1つのばね要素(58又は106又は110)を有するクロージャ(22)と、を含み、前記少なくとも1つのばね要素は前記口部の前記開口端と作動的に関連して前記クロージャを前記口部の軸線方向に付勢し、
前記容器口部は、前記開口端から間隔を隔てた第2部分、及び前記少なくとも1つの雄ねじから分離し、前記雄ねじから軸線方向に間隔を隔てており、且つ前記口部から半径方向外方に突出した少なくとも1つのストップ用出張り(32)を有する子供いたずら防止パッケージにおいて、
前記クロージャのスカートは、前記ベース壁から遠方の第2部分と前記第2部分から半径方向内方に延びかつ前記雌ねじから軸線方向に間隔を隔てた少なくとも1対の内部出張り(76、78)とを有し、
前記スカートの前記少なくとも一対の出張りは、第1出張り(76)及び前記第1出張りから円周方向に間隔を隔てた第2出張り(78)を含み、前記第1出張りは、前記容器口部のストップ用出張りと協同して、スカートの第1出張りを容器口部の対応するストップ用出張りの下に押す圧力が、ばね要素に抗して、クロージャに加えられなければ、口部からのクロージャのねじ外しを防止し、前記第2出張りは、前記容器口部の前記少なくとも1つのストップ用出張りと協同して前記口部へのクロージャの更なるねじ込みを防止する、ことを特徴とする子供いたずら防止パッケージ。」
「【請求項6】軸線、開口端(30)、及び前記開口端に隣接して前記口部の第1部分に設けられた少なくとも1つの雄ねじ(34)を有する円筒形口部(28)含む、子供いたずら防止用容器において、
前記口部は、前記開口端から間隔を隔てた第2部分と、前記少なくとも1つの雄ねじから分離し、前記雄ねじから軸線方向に間隔を隔てており、且つ前記口部から半径方向外方に突出した少なくとも1つのストップ用出張り(32)を有し、前記ストップ用出張りは、カム面(50)及び第カム面から時計回りに間隔を隔て、前記カム面の少なくとも一部分よりも前記開口端により近く配置された半径方向外方に延びたフランジ(44)を有する、子供いたずら防止用容器。」

2.引用文献及び引用発明
(1)これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された米国特許第4375858号明細書(以下「引用文献1」という)には、次の事項が記載されている(訳は当審で付与。)。
(a)「this invention relates…means.(この発明は子供のいたずら防止用ロック手段に関する。)」(第1欄第5?6行)
(b)「Referring to…tab 11(FIG.7とFIG.8を参照すると、容器本体19は首部分16を有し、首部分16には円環状のリング13が設けられている。
また、首部分16には外表面に第1ネジ20が、リング13には接触表面14を有する少なくとも1つの突起15が設けられる。首部分の外表面には突起15と上面を合わせる形でストップ20が設けられ、タブ11の先頭をなす面とストップ20の対応する面とが協調して働く。
閉鎖具18は外天面23、外フランジ24、可撓性内フランジ10を設けた内天面25を有する。外フランジの内壁26には、前記第1ネジ20に合わせて第2ネジが設けられ、外フランジ端17には、少なくとも1つのタブ11が設けられる。)」(第2欄第64行?第3欄第12行)
(c)「The closure…the contents.(閉鎖具は容器本体に螺合され、FIG.4に示すようにロックされる。閉鎖具18は首部分16と完全に結合される。可撓性の内フランジ10の端部は首部分16の内面を押す。FIG.4とFIG.9はタブ11と突起15の結合状態を示す。閉鎖具が容器本体に螺合するにつれて、タブ11は接触表面14と接触し、その後突起15と結合する。
タブ11と突起15の衝突により、閉鎖具は逆方向の回転ができず、閉鎖具は容器本体から取り外しできなくなる。
ロックがニュートラル位置にある状態がFIG.5、FIG.10に示してあり、ロックが解除されて容器本体から閉鎖具が取り除かれる状態がFIG.6に示してある。ロックの解除の為の指示が閉鎖具や容器本体、例えば、閉鎖具の外天面23に設けられてもよい。ロックは外天面23を下方に押すことでニュートラル位置になる。閉鎖具の下向きの動きは内フランジ10の径方向への変形により許容される。
FIG.5を参照すると、タブ11と突起15は閉鎖具の回転中にぶつからないよう、垂直方向に離間される。閉鎖具を回転して、タブ11が接触面14と対向するまで、閉鎖具は下方に押される。好ましくは、閉鎖具を回転して、タブ11が突起15の上面の上方に至るまで、押圧されるようにするとよい。閉鎖具の回転により、閉鎖具は容器本体から分離され、容器本体内に内容物を取り出すことができる。)」(第2欄第27?63行)
(d)FIG.1から、首部分16は開口端22を有し、FIG.7?FIG.10から、内フランジ10が端部が開口端22に設けた斜面に当接する点が見て取れる。
(e)FIG.7から、突起15は、第1ネジ20から分離し、前記第1ネジから首部分の軸線方向に間隔を隔てており、首部分16の外表面に設けられた突起である点が見て取れる。
(f)FIG.8から、タブ11が閉鎖具18の外フランジの内壁26に設けた第2ネジから閉鎖具の軸線方向に間隔を隔ており、FIG.3から、一対のタブ11が閉鎖具の外フランジ内壁から半径方向内方に延びている点が見て取れる。
(g)FIG.4?6から、閉鎖具に下方に押す圧力(矢印参照)が加えられた場合にタブ11と突起15が閉鎖具の軸線方向に離間し、これらがぶつからずに閉鎖具が回転できる点が見て取れる。

閉鎖具は、外面を外天面23、内面を内天面25とする天板を有すると認められ、また、内フランジ10が首部分16の開口端22に設けた斜面に当接して押し、閉鎖具の下向きの動きが可撓性の内フランジ10の変形によって許容されるので、逆に、内フランジが首部分の開口端と作動的に関連して前記閉鎖具を前記首部分の軸線方向に付勢すると認められ、さらに、上記(c)(f)(g)より、外フランジに設けたタブは、首部分の外表面に設けられた突起と協同して、外フランジのタブを前記突起の下に押す圧力が、閉鎖具に加えられなければ、前記首部分からの閉鎖具の取り外しを防止すると認められるので、以上の記載及び図面によれば、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認めることができる。
「開口端、第1ネジをもった首部分を有する容器本体と、天板、前記天板に隣接して第1ネジと噛み合うための第2ネジとを有する外フランジ、及び内フランジを有する閉鎖具と、を含み、前記内フランジは前記首部分の開口端と作動的に関連して前記閉鎖具を前記首部分の軸線方向に付勢し、
前記首部分は、前記第1ネジから分離し、前記第1ネジから軸線方向に間隔を隔てており、且つ前記首部分の外表面に設けられた突起を有する、子供いたずら防止用ロック手段において、
前記閉鎖具の外フランジは、半径方向内方に延びかつ前記第2ネジから軸線方向に間隔を隔てた1対のタブとを有し、
前記外フランジの前記1対のタブは、前記首部分の外表面に設けられた突起と協同して、外フランジのタブを前記突起の下に押す圧力が、内フランジに抗して、閉鎖具に加えられなければ、前記首部分からの閉鎖具の取り外しを防止し、前記首部分の外表面に設けられた突起は、前記タブの先頭をなす面と協調して働く面を形成したストップを有する、子供いたずら防止用ロック手段。」

(2)また、原査定で引用された米国特許第4399920号明細書(以下「引用文献2」という)には、次の事項が記載されている(訳は当審で付与。)。
(a)「Referring to…FIG.5(FIG.1からFIG.7に、容器本体20と閉鎖具21を含む子供のいたずら防止用パッケージの発明が示されている。容器本体20は円筒形で、側壁22と、底壁23と、リム24を持つ開口端を有する。また、容器本体20には、側壁22の上端外面に周方向に間隔をあけて形成されて径方向に張り出す凸部25が設けてある。凸部25はテーパカム面26と、周の一方向(FIG.5の左側)及び下方を向く肩部を形成する径方向面27と軸方向面28を有する。」(第2欄第20?31行)
(b)「The closurre…described.(閉鎖具21には、壁面31の内面に周方向に間隔をあけて、内向きの四角いロックラグ36が形成され、既に述べた容器本体の凸部25の肩部に係合する。)」(第2欄第44?48行)
(c)「In oreder…projections 25.(閉鎖具21と容器本体20を結合させるために、閉鎖具21は、ロックラグ36が凸部25の間に位置するように、容器本体の上に置かれ、ロックラグ36が凸部25のカム面26に沿ってスライドして、FIG.8に示すように、肩部に嵌るまで回転される。
閉鎖具21を容器本体20から取り除くために、ばね力に抗して軸方向下向きの力が加えられ、凸部25からロックラグ36が外れるように閉鎖具21が逆方向に回転される。)」(第2欄第56行?末行)
(d)FIG.5とその上面図であるFIG.4から、FIG.5の左側が容器本体20の(上から見た)時計回り方向に相当し、凸部25がテーパカム面26及び当該カム面の時計回り方向に、前記カム面の少なくとも一部分よりも開口端により近く配置され、半径方向外方に延びたフランジ(径方向面27)を有する点が見て取れる。

3.本願発明1について
3-1.対比
本願発明1と引用発明とを比較すると、引用発明の「第1ネジ」、「首部分」、「容器本体」、「天板」、「第2ネジ」、「外フランジ」、「内フランジ」、「閉鎖具」、「突起」、「タブ」、「子供のいたずら防止用ロック手段」は本願発明1の「雄ねじ」、「円筒形口部」、「容器」、「ベース壁」、「雌ネジ」、「スカート」、「ばね要素」、「クロージャ」、「ストップ用出張り」、「スカートの1対の(内部)出張り」、「子供いたずら防止パッケージ」に相当し、引用発明の「首部分からの閉鎖具の取り外しを防止し」は本願発明1の「口部からのクロージャのネジ外しを防止し」に相当する。
また、引用発明の容器本体の「第1ネジ」を設けた部分が本願発明1の容器の「開口端に隣接した第1部分」に、同じく閉鎖具の「第2ネジ」を設けた部分がクロージャの「ベース壁に隣接して」いる「第1部分」に、容器本体の「突起」を設けた部分が容器の「開口端から間隔を隔てた第2部分」に、閉鎖具の「タブ」を設けた部分がクロージャの「ベース壁から遠方の第2部分」に、それぞれ相当するものと認められる。
さらに、引用発明の外フランジの「1対のタブは、前記首部分の外表面に設けられた突起と協同して、外フランジのタブを前記突起の下に押す圧力が、内フランジに抗して、閉鎖具に加えられなければ、前記首部分からの閉鎖具の取り外しを防止し、前記首部分の外表面に設けられた突起は、前記タブの先頭をなす面と協調して働く面を形成したストップを有する」と本願発明1のスカートの「一対の出張りは、第1出張り及び前記第1出張りから円周方向に間隔を隔てた第2出張りを含み、前記第1出張りは、前記容器口部のストップ用出張りと協同して、スカートの第1出張りを容器口部の対応するストップ用出張りの下に押す圧力が、ばね要素に抗して、クロージャに加えられなければ、口部からのクロージャのねじ外しを防止し、前記第2出張りは、前記容器口部の前記少なくとも1つのストップ用出張りと協同して前記口部へのクロージャの更なるねじ込みを防止する」とは、「スカートの一対の出張りは、前記容器口部のストップ用出張りと協同して、スカートの出張りを容器口部の対応するストップ用出張りの下に押す圧力が、ばね要素に抗して、クロージャに加えられなければ、口部からのクロージャのねじ外しを防止する」限りにおいて一致すると認められる。
したがって、本願発明1と引用発明を対比すると、両者は、
「開口端、前記開口端に隣接した第1部分及び前記第1部分に設けられた雄ねじをもった円筒形口部を有する容器と、ベース壁、前記ベース壁に隣接して第1部分と前記口部の前記雄ねじと噛み合うための雌ねじとを有するスカート、及びばね要素を有するクロージャと、を含み、前記ばね要素は前記口部の前記開口端と作動的に関連して前記クロージャを前記口部の軸線方向に付勢し、
前記容器口部は、前記開口端から間隔を隔てた第2部分、及び前記雄ねじから分離し、前記雄ねじから軸線方向に間隔を隔てており、且つ前記口部から半径方向外方に突出したストップ用出張りを有する子供いたずら防止パッケージにおいて、
前記クロージャのスカートは、前記ベース壁から遠方の第2部分と前記第2部分から半径方向内方に延びかつ前記雌ねじから軸線方向に間隔を隔てた1対の内部出張りとを有し、
前記スカートの前記一対の出張りは、前記容器口部のストップ用出張りと協同して、スカートの出張りを容器口部の対応するストップ用出張りの下に押す圧力が、ばね要素に抗して、クロージャに加えられなければ、口部からのクロージャのねじ外しを防止する子供いたずら防止パッケージ。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
本願発明1では、スカートの出張りが、第1出張りから円周方向に間隔を隔てた第2出張りを含み、前記第2出張りは、容器口部のストップ用出張りと協同して前記口部へのクロージャの更なるねじ込みを防止するのに対して、引用発明では、首部分の外表面に設けられた突起が、タブの先頭をなす面と協調して働く面を形成したストップを有する点。

3-2.本願発明1に対する当審の判断
上記相違点1について検討すると、蓋の回しすぎを防止するストッパにおいて、2つの内の一方を固定凸部242(引用発明の「ストップ」に相当)として、円周方向に間隔を置いた2つの凸部(出張り)を設ける点(例えば、特開平8-164961号公報の段落【0012】参照)、蓋体の係合突起22に第1ストッパー部26を設ける点(例えば、特開平10-203547号公報の段落【0030】参照)がいずれも周知技術であり、係合関係をなす構造のどちらを、首部分と閉鎖具のどちらに設けるかは設計上適宜決定することであって、配置が逆になることによる格別な作用の相違はない点(例えば、実願平3-102847号(実開平5-44847号)のCD-ROMの図1、図4を参照)を考慮すれば、引用発明1において、首部分の突起にストッパを設ける代わりに、閉鎖具のタブから円周方向に間隔を隔てた第2出張りをストッパとして設けることは当業者が容易になし得たことである。
また、本願発明1の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものであり、格別顕著なものと認められない。
したがって、本願発明1は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

4.本願発明2について
4-1.対比
本願発明2と引用発明とを比較すると、引用発明の「第1ネジ」、「首部分」、「突起」、「容器本体」は本願発明2の「雄ねじ」、「円筒形口部」、「ストップ用出張り」、「子供いたずら防止用容器」に相当し、また、引用発明の「容器本体」が軸線を有すること、本願発明2の「子供いたずら防止用容器」がクロージャとともに用いられることは明らかである。
さらに、引用発明の「第1ネジ」を設けた部分が本願発明2の「開口端に隣接して」いる「第1部分」に、同じく「突起」を設けた部分が「開口端から間隔を隔てた第2部分」に、それぞれ相当するものと認められる。
したがって、本願発明2と引用発明を対比すると、両者は、
「軸線、開口端、及び前記開口端に隣接して口部の第1部分に設けられた雄ねじを有する円筒形口部含む、子供いたずら防止用容器において、
前記口部は、前記開口端から間隔を隔てた第2部分と、前記少なくとも1つの雄ねじから分離し、前記雄ねじから軸線方向に間隔を隔てており、且つ前記口部から半径方向外方に突出したストップ用出張りを有する、子供いたずら防止用容器。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点2]
本願発明2では、ストップ用出張りは、カム面及びカム面から時計回りに間隔を隔て、前記カム面の少なくとも一部分よりも開口端により近く配置された半径方向外方に延びたフランジを有するのに対して、引用発明では、突起についてこのように規定していない点。

4-2.本願発明2に対する当審の判断
上記相違点2について検討すると、本願明細書の段落【0009】、【0017】には「突出部32の接線方向脚部分(注.「フランジ」に相当)44は、ねじストップ面46の反対側に配置され、且つ底面48と軸線方向に面した子供いたずら防止用保持面54との間に延びる円周方向に面した子供いたずら防止ストップ面52を含む。」、「突出部32の接線方向脚部分44は係止用出張り76を軸線方向に捕捉し、突出部32の子供いたずら防止ストップ面52が係止用出張り76を反時計回り方向に円周方向に止め、クロージャ22を取り外すことができない。」と記載され、本願発明2のストップ用出張りが「カム面及びカム面から時計回りに間隔を隔て、前記カム面の少なくとも一部分よりも開口端により近く配置された半径方向外方に延びたフランジを有する」技術的意義は子供のいたずら防止を目的とし、(クロージャを下方に押す力を加えなければ)取り外す際の回転をクロージャが行えないようにすることであると認められる。
しかしながら、子供のいたずらを防止する為に、容器の開口部外周(引用発明の「首部分」に相当)に設ける凸部25(同じく、「突起」に相当)を、カム面及びカム面の時計回り方向に、前記カム面の少なくとも一部分よりも開口端により近く配置された半径方向外方に延びたフランジ(径方向面26)を有するものとすることは引用文献2に記載されており(上記、2.(2)参照)、引用発明において、首部分の突起をカム面及びカム面から時計回りに間隔を隔て、前記カム面の少なくとも一部分よりも開口端により近く配置された半径方向外方に延びたフランジを有するものとして、子供のいたずらで閉鎖具が回転できないようにすることは当業者が容易になし得たことである。
また、本願発明2の作用効果も、引用発明及び引用文献2に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものであり、格別顕著なものと認められない。
したがって、本願発明2は、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

5.むすび
したがって、本願発明1は、引用発明及び周知技術に基づいて、本願発明2は、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-11-29 
結審通知日 2012-12-03 
審決日 2012-12-18 
出願番号 特願2006-542806(P2006-542806)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B65D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐々木 正章倉田 和博  
特許庁審判長 栗林 敏彦
特許庁審判官 熊倉 強
紀本 孝
発明の名称 子供いたずら防止クロージャ、容器及びパッケージ  
代理人 熊倉 禎男  
代理人 大塚 文昭  
代理人 宍戸 嘉一  
代理人 井野 砂里  
代理人 弟子丸 健  

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