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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A01C
管理番号 1274174
審判番号 不服2012-937  
総通号数 163 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-01-18 
確定日 2013-05-16 
事件の表示 特願2006- 13785号「ゲル被覆種子」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 8月 2日出願公開、特開2007-189999号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成18年1月23日の出願であって、平成23年10月12日付けで拒絶査定がされ、この査定に対し、平成24年1月18日に本件審判が請求されたものである。

第2 本願発明について
1.本願発明
本件出願の請求項1?5に係る発明は、平成23年7月22日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定されるものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】
少なくとも一方向の長さが長い被覆ゲル体内に、該長手方向に複数の種子を分布して有するゲル被覆種子であって、
前記被覆ゲル体内に間隔を空けて、それぞれ1つずつあるいは複数の種子が配されており、かつ、
前記間隔が一定である
ことを特徴とするゲル被覆種子。」

2.引用刊行物とその記載事項
(1)原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開昭62-262904号公報(以下「刊行物1」という。)には、ゲルコ-テイング種子とその製造法に関し、図面とともに、次の技術的事項が記載されている。

(ア)「(1)植物種子が多数の細孔又は微小気泡を有する水性ゲルにより被覆されていることを特徴とするゲルコーティング種子。」(特許請求の範囲)
(イ)「流体粒子への種子の植付けは、流体粒子形成に同期させて種子を溝付ロール等を用いて供給することにより自動的に行なうことができる。又、粘性流体の押出し後の形状は粒子状のみでなく、帯状あるいはシート状その適宜の形状に成型することができる。帯状又はシート状に成型するときは、種子は帯状又はシート状の粘性流体中に1個づつ好ましくは等間隔で植付けられる。」(第3頁左上欄第20行?右上欄第7行)
(ウ)「(作 用)
以下に本発明のゲルコーティング種子の製造工程並びに使用時の作用を添付の図面に基づいて説明する。先ず、第1図において押出し機lにより押出された粘性を有する水性ゲル流体は、球状の流体粒子2に成型される。次に流体粒子2に種子Bを植付けることにより第2図に示されるような本発明の水性ゲルコーティング種子A_(1)が得られる。」(第3頁右上欄第18行?左下欄第6行)
(エ)「本発明のゲルコーティング種子をシート状に成型して使用すれば、特別な装置を必要とすることなく容易かつ安価に播種を行なうことができ、その後の作業管理も簡略化される。」(第4頁右上欄第9?13行)

すると、刊行物1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が開示されているということができる。
「植物種子が多数の細孔又は微小気泡を有する粘性を有する水性ゲル流体により被覆されているゲルコーティング種子であって、
粘性を有する水性ゲル流体の押出し後の形状は粒子状のみでなく、帯状あるいはシート状その適宜の形状に成型することができ、
帯状又はシート状に成型するときは、種子は帯状又はシート状の粘性を有する水性ゲル流体中に1個づつ好ましくは等間隔で植付けられる
ゲルコーティング種子。」

(2)原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開平8-256524号公報(以下「刊行物2」という。)には、シードフィルムに関し、図面とともに、次の技術的事項が記載されている。

(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種子の播種を効率的に行うための、シードフィルムに関する。」
(イ)「【0011】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。図1は、本発明の実施例に係るシードフィルムの全体斜視図である。シードフィルム10は、テープ状の土壌微生物によって分解される材質、例えばセルロースから成る薄膜体11を有しており、薄膜体11には、ゲル13が一定の間隔で付着されている。
【0012】ゲル13は、図2の拡大断面図で示したように、貫通孔11a上に種子12が配置される。種子12は、固化されたゲル13の中に包まれている。」
(ウ)【図1】?【図6】には、帯状の薄膜体11に、長手方向に複数の種子12が配置されたものが図示されている。

(3)原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である実願昭56-185100号(実開昭58-88810号)のマイクロフィルム(以下「刊行物3」という。)には、高吸水性ヒドロゲル入りシードテープおよびマットに関し、図面とともに、次の技術的事項が記載されている。

(ア)「シードテープおよびマットは花種子、野菜種子あるいは牧草種子などの播種に広く利用され、播種作業の省力化に役立っている。」(明細書第1頁第17?19行)
(イ)「第1図は花種子や野菜種子の場合に使用されているシードテープに高吸水性ヒドロゲルを封入した例の模式図である。」(明細書第5頁第15?17行)
(ウ)第1図には、シードテープに、長手方向に複数の種子2が配置されたものが図示されている。

3.本願発明と引用発明との対比
(1)両発明の対応関係
(a)引用発明の「粘性を有する水性ゲル流体」は、「植物種子が・・被覆されている」ものであるので、本願発明の「被覆ゲル体」に相当し、同様に
「ゲルコーティング種子」は、「ゲル被覆種子」に相当する。
(b)引用発明の「粘性を有する水性ゲル流体」の「押出し後の形状」として例示された「帯状」のものは、本願発明の「少なくとも一方向の長さが長い被覆ゲル体」に相当し、同様に
「種子は帯状又はシート状の粘性を有する水性ゲル流体中に1個づつ好ましくは等間隔で植付けられ」た構成は、「被覆ゲル体内に間隔を空けて、それぞれ1つずつあるいは複数の種子が配され」「かつ、前記間隔が一定である」る構成に相当する。
(c)引用発明の「種子は帯状又はシート状の粘性を有する水性ゲル流体中に1個づつ好ましくは等間隔で植付けられ」た状態と、本願発明の「長手方向に複数の種子を分布して有する」こととは、「複数の種子を分布して有する」点で共通する。

(2)両発明の一致点
「少なくとも一方向の長さが長い被覆ゲル体内に、複数の種子を分布して有するゲル被覆種子であって、
前記被覆ゲル体内に間隔を空けて、それぞれ1つずつあるいは複数の種子が配されており、かつ、
前記間隔が一定である
ゲル被覆種子。」

(3)両発明の相違点
複数の種子が、本願発明は「少なくとも一方向の長さが長い被覆ゲル体内に、該長手方向に複数の種子を分布」したのに対して、引用発明は「帯状又はシート状の粘性を有する水性ゲル流体中に1個づつ好ましくは等間隔で植付けられ」た点。

4.本願発明の容易推考性の検討
相違点について
播種作業の省力化のために複数の種子を等間隔で配した帯状又はシート状の物体(シードテープ、マット等)において、長手方向に複数の種子を分布したものは、例えば、刊行物2,3に図示されている様に、周知慣用の形態にすぎない。
そして、引用発明の「水性ゲル流体の押出し後の形状」を、例示されている「帯状」とすると共に、複数の種子の分布を、該周知慣用の「長手方向に」複数の種子を分布する態様として相違点に係る発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、及び周知慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そうすると、このような特許を受けることができない発明を包含する本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-03-08 
結審通知日 2013-03-12 
審決日 2013-03-29 
出願番号 特願2006-13785(P2006-13785)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A01C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小野 郁磨  
特許庁審判長 高橋 三成
特許庁審判官 中川 真一
筑波 茂樹
発明の名称 ゲル被覆種子  
代理人 瀧野 文雄  
代理人 瀧野 秀雄  
代理人 川崎 隆夫  
代理人 鳥野 正司  
代理人 津田 俊明  
代理人 朴 志恩  
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