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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04N 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04N 審判 査定不服 特37 条出願の単一性( 平成16 年1 月1 日から) 取り消して特許、登録 H04N 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 取り消して特許、登録 H04N 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 取り消して特許、登録 H04N |
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管理番号 | 1274347 |
審判番号 | 不服2012-12150 |
総通号数 | 163 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2013-07-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2012-06-27 |
確定日 | 2013-06-04 |
事件の表示 | 特願2007-511070「ストリーミングコンテントの適応レートシフティング装置、システムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成17年11月17日国際公開、WO2005/109224、平成19年12月 6日国内公表、特表2007-535881、請求項の数(44)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は、平成17年5月2日(パリ条約による優先権主張、2004年(平成16年)4月30日、2005年(平成17年)4月28日、アメリカ合衆国)の国際出願であって、平成23年3月15日付けの拒絶理由通知に対し、平成23年9月14日付けで手続補正がなされ、平成24年2月22日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成24年6月27日に審判請求がなされるとともに同日付けで手続補正(審判請求と同時にする補正)がなされたものである。 第2.平成24年6月27日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成24年6月27日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.補正の内容 上記手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし37のうち、請求項1の記載は次のとおりである。 「適応レートコンテントストリーミング装置において、当該装置が: 少なくとも複数のストリームレットの部分を一つ以上のサーバ(102,116)から同時にリクエストするように構成されたエージェントコントローラモジュールであって、前記一つ以上のサーバは、同一の単一のビデオ(200)の複数のコピー(204,206,208)を格納し、複数の前記コピーの各々は、異なるビットレートで符号化されるとともに、複数のストリームレット(212)に分割され、個々の前記ストリームレットは互いに異なる時間インデックスから開始する前記ビデオの部分であり、前記ビデオの同一部分から生成され同一の時間インデックスを有する異なる複数の前記コピーに対応する個々の前記ストリームレットの前記時間インデックスは同一であり、個々の前記ストリームレットは、前記装置から独立に要求可能でかつ再生可能なように、ファイルに分離され; 当該エージェントコントローラモジュールがストリームレットリクエストへの順次の応答処理を連続的にモニタすることによりパフォーマンスファクタを生成するように更に構成されており、このパフォーマンスファクタに応じて、同一の前記ビデオ(200)の異なる前記コピー(204,206,208)に由来し、より高ビットレートあるいはより低ビットレートに符号化された前記ストリームレットをリクエストするエージェントコントローラモジュールと; ストリームレットを受信して、コンテントプレーヤで再生するストリームレットを編集するように構成したステージモジュールと; を具えることを特徴とする装置。」 2.補正の適否 補正された請求項1の記載のうち「少なくとも複数のストリームレットの部分を一つ以上のサーバ(102,116)から同時にリクエストするように構成されたエージェントコントローラモジュール」が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「当初明細書等」という)に記載した事項の範囲内であるか否かについて検討する。 当初明細書等で請求項1の上記事項に関連すると考えられる記載は、以下のとおりである(なお、下線は当審において付与した)。 「【0044】 ネットワークコントローラモジュール406は、ストリームレットキャッシュモジュール404からのストリームレットリクエストを受信して、ウエブサーバ116、あるいはその他の遠隔ストリームレット212データベース(図示せず)への接続を開にするように構成されている。一の実施例では、ネットワークコントローラモジュール406が、ウエブサーバ116へのTCP/IP接続を開にして、リクエストしたストリームレット212についての標準HTTP GETリクエストを発生する。リクエストされたストリームレット212を受信すると、ネットワークコントローラモジュール406は、ストリームレット212を、ストリームレットキャッシュモジュール404へ通過させる。ここで、ストリームレットはストリームレットキャッシュ410に保存される。更なる実施例では、ネットワークコントローラモジュール406は、複数のストリームレット212を同時に処理し、リクエストするように構成されている。ネットワークコントローラモジュール406は、また、複数のストリームレットをリクエストするように構成されており、ここでは、各ストリームレット212は、多数の部分において順次リクエストされる。」 「【0046】 一の実施例では、クライアントモジュール114が、クライアントモジュール114とウエブサーバ116またはウエブキャッシュとの間で多数のTCP接続を使用するように構成されている。キャッシュの介入は、クライアントに分かりやすいか、あるいは、クライアントによってフォワードキャッシュとして構成される。「並列取り出し」と呼ばれるやり方で一以上のストリームレット212を、同時に、あるいはストリームレット212の一以上の部分を同時にリクエストすることによって、効率が大きく上がり、待ち時間が事実上少なくなる。更なる実施例では、クライアントモジュールは、最大3つの現在のストリームレット212リクエストを可能にする。クライアントモジュール114は、追加の開放TCP接続を、別の接続が切れた場合の入手可能なスペアとして維持している。ストリームレット212リクエストは、すべての開接続の間で回転して、特定の接続がすべてスロースタートまたは閉モードに入らないように、TCPフローロジックを維持している。ネットワークコントローラモジュール406が複数部分においてストリームレット212をリクエストした場合、相互に独立したTCP/IP接続のリクエストされた各パートによって、ネットワークコントローラモジュール406は、この部分を組み立てなおして、クライアントモジュール114の他の全ての構成要素による使用のために完全なストリームレット212を提供する。」 「【0055】 図6は、本発明に係る複数のストリームレットを見るための方法600の一実施例を示す概略フローチャート図である。方法600がスタートすると、エージェントコントロールモジュール402が提供され(ステップ604)、ビューワ408に関連して、ステージモジュール409が提供される。ついで、 エージェントコントローラモジュール402が、ストリームレットキャッシュモジュール404からストリームレットを同時にリクエストする(ステップ606)。代替的に、エージェントコントローラモジュール402は、ストリームレットキャッシュモジュール404から複数のストリームレットを同時にリクエストしても良い(ステップ606)。ストリームレットがストリームレットキャッシュ410に局地的に保存される(ステップ608)と、ストリームレットキャッシュモジュール404はストリームレットを取り出して(ステップ610)、このストリームレットをエージェントコントローラモジュール402に送る。ストリームレットを取り出す(ステップ610)、あるいは受信すると、エージェントコントローラモジュール402は、より高品質あるいはより低品質のストリーム202へシフトするべきかどうかの決定を行う(ステップ611)。この決定については、図7を参照して以下により詳細に述べる。」 上記【0044】には、ネットワークコントローラモジュール406が、複数のストリームレット212をウエブサーバ116から同時にリクエストすることは記載されている。しかしながら、そのようなリクエストを、エージェントコントローラモジュールが行うという請求項1の上記事項は記載されていない。 上記【0046】には、クライアントモジュール114が、一以上のストリームレット212の部分をウエブサーバ116から同時にリクエストすることは記載されている。しかしながら、そのようなリクエストを、エージェントコントローラモジュールが行うという請求項1の上記事項は記載されていない。 上記【0055】には、複数のストリームレットをストリームレットキャッシュモジュール404から同時にリクエストするエージェントコントローラモジュール402は記載されている。しかしながら、そのようなリクエストを、サーバから行うという請求項1の上記事項は記載されていない。サーバに対してリクエストがなされるのは、ストリームレットキャッシュにリクエストのあったストリームレットが存在しない場合のみであり、しかも、その場合にリクエストするのは、ネットワークコントローラモジュールであり、エージェントコントローラモジュールではない。 また、当初明細書等のその他の部分にも請求項1の上記事項は記載されていない。 さらに、請求項1の上記事項は本件出願時における技術常識であるともいえない。 したがって、請求項1の「少なくとも複数のストリームレットの部分を一つ以上のサーバ(102,116)から同時にリクエストするように構成されたエージェントコントローラモジュール」との補正事項は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術事項との関係において、新たな技術事項を導入しないものとはいえない。 よって、平成24年6月27日付けの手続補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載した事項の範囲内においてしたものではない。 3.まとめ 以上のとおり、平成24年6月27日付けの手続補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反してなされたものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 平成24年6月27日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし44に係る発明は、平成23年9月14日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし44に記載された事項により特定されるとおりのものである。 そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2013-05-22 |
出願番号 | 特願2007-511070(P2007-511070) |
審決分類 |
P
1
8・
65-
WY
(H04N)
P 1 8・ 561- WY (H04N) P 1 8・ 536- WY (H04N) P 1 8・ 121- WY (H04N) P 1 8・ 537- WY (H04N) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 久保 光宏 |
特許庁審判長 |
奥村 元宏 |
特許庁審判官 |
小池 正彦 千葉 輝久 |
発明の名称 | ストリーミングコンテントの適応レートシフティング装置、システムおよび方法 |
代理人 | 野村 泰久 |
代理人 | 大菅 義之 |