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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1275526
審判番号 不服2012-4777  
総通号数 164 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-03-13 
確定日 2013-06-12 
事件の表示 特願2010- 16198「ノートブックコンピュータードッキングステーション」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 4月 7日出願公開、特開2011- 70626〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成22年1月28日(パリ条約優先権主張、2009年9月28日、台湾)の出願であって平成23年11月10日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成24年3月13日に拒絶査定に対する審判が請求されたものである。
そしてその請求項1に係る発明は平成23年10月25日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのもの(以下「本願発明」という。)である。
「第1凹部および第2凹部を有し、そのうち、前記第1凹部がノートブックコンピューターを収容するためのものであり、かつ前記第2凹部が周辺機器を収容するためのものであるボディと;
前記第2凹部中に位置するとともに、前記周辺機器へ電気接続する第1連接ポートと;
を備え、
前記周辺機器は、前記第2凹部に対して挿入することができ、且つ、前記第2凹部から切り離すことができる、ノートブックコンピュータードッキングステーション。」

2.引用刊行物
これに対して原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物「特開平7-36577号公報」(以下、「引用刊行物1」という。)には図面とともに以下の記載がある。
「【請求項2】 携帯型コンピュータを載置すると共に機械的及び電気的に接続して当該携帯型コンピュータの諸機能を拡張するための携帯型コンピュータ用ドッキング装置であって、
前記携帯型コンピュータを載置し固定する支持部と,この支持部の幅方向両側に張り出した張出部とを有する中空の本体と、
前記本体の両張出部にそれぞれ組み込まれたスピーカと、
を有する携帯型コンピュータ用ドッキング装置。
【請求項3】 前記本体の内部に収納空間が設けられ、当該収納空間内に小型コンピュータ用周辺機器インターフェース及びこれと異なる種類のインターフェースを有することを特徴とした請求項2記載の携帯型コンピュータ用ドッキング装置。」(第2頁)

「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、携帯型コンピュータ用ドッキング装置に係り、さらに詳しくは携帯型コンピュータを載置し固定すると共に電気的に接続して当該携帯型コンピュータの諸機能を拡張するための携帯型コンピュータ用ドッキング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のステレオ対応型のパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と称する)及びコンピュータ用ドッキング装置では、スピーカは、本体後方部に後ろ向きで設けられていた。
【0003】従来のフルサイズ(A4サイズより大きなサイズ)のATバス(拡張バス)カード(Full Size AT Card :フルサイズのATバスが形成された基板)を搭載できるコンピュータ用ドッキング装置(「ドッキングステーション」とも称される)は、デスクトップ型のものが知られている。また、マルチメディア対応としてスピーカー内蔵のコンピュータ用ドッキング装置もあるが、殆どのものは、デスクトップとして使用され、持ち運びが出来ないようになっていた。また、ポータブル性を重視し、ATバス用のスロットを内蔵し持ち運び可能なコンピュータ用ドッキング装置もあるが、殆どの場合、フルサイズの3分の2のサイズのATバスカードより小さいATバスカードは収納できるが、フルサイズのATバスカードをそのまま収納できるものは、現時点では見受けらない。なお、特開平4-617号公報に示されるように、フルサイズのATバスカードを収納するため本体側壁に開口部を設け、この開口部を介してフルサイズのATバスカードの一部を外部に突出させた状態で収納することも考えられるが、この場合には、このための専用のカバーを新たに設ける必要がある。
【0004】この他、従来のコンピュータ用ドッキング装置であって、機能を充実させるべくベイ(BAY)構造(固定型や着脱式のメモリ等を収納できる収納空間をもつ構造)を持つものとしては、ベイエリア内にSCSI(Small computer systeminterface :小型コンピュータ用周辺機器インターフェース)のみを持つ据置型のものが知られている。」(第2頁)

「【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図5に基づいて説明する。
【0017】図1には、本発明の一実施例に係る携帯型コンピュータ用ドッキング装置(以下、「ドッキング装置」と略述する)が示されている。
【0018】このドッキング装置10は、携帯型コンピュータとしてのノートブック型パソコン12を載置する支持部14と、この支持部14より幅方向両側に張り出した張出部16,18とを有する中空の本体20を備えている。
【0019】張出部16,18は、ボトムカバー44(図3参照)により支持部14の底面と一緒に構成される底面と、支持部14の天井面14Aより一段低くされた天井面16A,18Aとを有し、天井面16A,18Aの略中央の位置にステレオスピーカ22,24(図3参照)が上向きで組み込まれている。
【0020】支持部14の天井面14A上には、幅方向両端に本体20の前後方向に沿って所定間隔を隔てて線条突起26が各2本づつ設けられている。幅方向一端側(図1における左端側)の線条突起26,26相互間に形成される凹溝内には、支持部14の天井面14A上にノートブック型パソコン12を載置する際に、当該ノートブック型パソコン12の底面に下方に向けて突設された突起12A(図2参照)が嵌合するようになっている。同様に、幅方向他端部側の線条突起26相互間に形成される凹溝内にも、支持部14の天井面14A上にノートブック型パソコン12を載置する際に、当該ノートブック型パソコン12の底面に下方に向けて突設された突起が嵌合するようになっている。」(第3頁)

「【0023】支持部14の後端部は、図1ないし図2に示されるように、他の部分より上方に突出しており、この突出部の一端側(図1における右側)前面には、開閉可能な蓋34が設けられており、この蓋34の内部には、ノートブック型パソコン12をドッキング装置10と電気的に接続するためのコネクタが内蔵されている。」(第4頁)

「【0026】次に、図3の分解斜視図を参照してドッキング装置10の内部構成等を説明する。
【0027】本体20は、メインキャビネット50と、リアカバー52と、リッド54と、ボトムカバー44とから構成されている。
【0028】この内、メインキャビネット50は、支持部14の前壁及び天井壁と,張出部18の天井壁及び側壁と,張出部16の側壁とを一体的に構成する。ボトムカバー44は、メインキャビネット50の底部に係合して本体20の底壁を構成する。また、リッド54は、メインキャビネット50の図3における左端部上面に係合し、張出部16の天井壁及びその周壁の一部を構成する。これら各部分の取り付けは、ねじ等の適宜な固定手段によりなされる。
【0029】メインキャビネット50の内部には、図3における略右半分部分にCD-ROM58等のデバイスを収容する収納空間としてのベイエリア62(図4参照)が形成されている。このベイエリア62内には、図3に示されるメインシャーシ60が収容され、メインキャビネット50内面に固定される。このメインシャーシ60には、フロント開口70を介して図3矢印A方向からCD-ROM58が挿入され、このCD-ROM58の側面に設けられた金属製のアタッチメント72の突起72Aがメインシャーシ60の側面に形成された穴60Aに嵌合してラッチされるようになっている。なお、メインシャーシ60の内側面には、CD-ROM58の挿入時のガイド60Bが設けられている。
【0030】一方、メインキャビネット50の内部の図3における略左半分部分には、パワーサプライ(電源供給装置)収容エリア64(図4参照)が形成され、このパワーサプライ収容エリア64内にパワーサプライ74がCD-ROM58と隣り合わせで収容される。
【0031】CD-ROM58及びパワーサプライ74が収容された部分のメインキャビネット50後方側下方には、断面L字状のメインPCB(基板)76が収容される。このメインPCB76には、色々な種類のバスが形成されているが、図3では図示を省略している。このメインPCB76には、オプションとして色々なデバイスが接続されるが、これについては後述する。」(第4頁)

「【0035】なお、図3において、符号88はフロントカバーを示し、このフロントカバー88は、CD-ROM58を挿入するためのフロント開口70に開閉可能に取り付けられる。また、図3においては、各種ケーブル類等は、図面の錯綜を避けるため、図示を省略している。」(第4頁)

「【0041】次に、上述のようにして構成された本実施例のドッキング装置10にノートブック型パソコン12を取り付ける際の取り付け方法について説明する。
【0042】ドッキング装置10へのノートブック型パソコン12を取り付けるには、図2に示すように、本体20の支持部14の天井面14A上の幅方向両端に設けられた線条突起26,26相互間に形成される凹溝内にノートブック型パソコン12底面に設けられた突起12Aが嵌合する状態で載置し、図2矢印A方向に押圧しながら当該ノートブック型パソコン12を天井面14A上でスライドさせ、図1に示されるように、ノートブック型パソコン12が完全に支持部14上に載置された状態になるまで、この作業を続ける。このノートブック型パソコン12の移動の途中で当該ノートブック型パソコン12の背面に突設されたコネクタ(図示省略)が蓋を押し開け、本体20内部のコネクタに接続され、これによりノートブック型パソコン12とドッキング装置10とが電気的に接続される。
【0043】次に、オペレータが鍵穴32に鍵を差し込み、所定方向に回動すると、この鍵の回動動作に連動して図示しない鉤型の係止片が開口30A,30Bを介して本体20外に突出し、ノートブック型パソコン12の底面に設けられた図示しない係止手段が係止され、ノートブック型パソコン12がドッキング装置10に機械的に接続され固定される。この状態で、オペレータが鍵穴から鍵を抜き取ると、係止片を含んで構成されるラッチ機構がロックされ、取り付けが完了する。また、ロックを解除してハンドル33を操作することによりノートブック型パソコン12をドッキング装置10からイジェクトすることができる。
【0044】以上説明した本実施例によると、本体20の支持部14から幅方向両側に張り出した張出部16,18の天井面16A,18Aにステレオスピーカ22,24がそれぞれ組み込まれていることから、ステレオ効果、音質ともに向上する。」(第5頁)

図3は、図1のドッキング装置の一部省略した分解斜視図であって、図3には、ドッキング装置10の本体20のメインキャビネット50の前面に設けられた開口70に一点鎖線で対応させてCD-ROM58が記載され、CD-ROM58の右側には、ドッキング装置10の方向に向けて矢印Aが記載されている。

これら引用刊行物1の記載から、引用刊行物1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「本体20とノートブック型パソコン12を天井面14Aに載置する支持部14とからなるドッキング装置10であって、本体20は、メインキャビネット50、リアカバー52、リッド54、ボトムカバー44から構成され、メインキャビネット50の内部には、メインシャーシ60が固定され、支持部14の後端部は、上方に突出し、突出部に設けられた開平可能な蓋の内部には、ノートブック型パソコン12をドッキング装置10に電気的に接続するためのコネクタが内蔵され、本体20のメインキャビネット50の前面には、フロント開口70が設けられ、該フロント開口70を介して、CD-ROM58等のデバイスをメインキャビネット50のメインシャーシ60に挿入することができる、ドッキング装置10。」

同じく、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物「特開平10-124177号公報」(以下、「引用刊行物2」という。)には図面とともに以下の記載がある。
「【請求項1】 ポータブル・コンピュータを着脱するコンピュータ・ドッキング・ステーションであって、
前面と、背面と、対向する2つの側面とを有するエンクロージャと、エンクロージャに形成され、ポータブル・コンピュータを受容するためにエンクロージャの前面および一方の側面に開放するドッキング・スロットと、を備えることを特徴とするコンピュータ・ドッキング・ステーション。」(第2頁)

「【0013】
【発明の実施例】図1および図2は、本発明の実施例に係るコンピュータ・アセンブリ10を示す。コンピュータ・アセンブリ10は、ドッキング・ステーション12とポータブル・コンピュータ14とを有する。ポータブル・コンピュータ14はラップトップ・コンピュータとして示されている。ただし、ノートブック・コンピュータ、サブノートブック・コンピュータ、パームトップ・コンピュータなど他のタイプのポータブル・コンピュータを使用することができる。ポータブル・コンピュータ14は、図1に示したようにドッキング・ステーション12内に装填または「ドック」することも、あるいは図2に示したようにドッキング・ステーションから取り外しあるいは「ドック解除」することもできる。
【0014】ドッキング・ステーション12は、電子回路ボードまたはカードを収納し保護するエンクロージャ20を有する。エンクロージャ20は、ポータブル・コンピュータ14を物理的にドックする構造的支持を与える。エンクロージャ20は、頂面22と、底面24と、前面26と、背面28と、対向する2つの側面30および32とを有する。
【0015】ドッキング・スロット34は、エンクロージャ20の頂面22と底面24との間に形成される。ドッキング・スロット34は、ポータブル・コンピュータ14を受容するように寸法付けされた厚さを有する。ドッキング・スロット24は、エンクロージャ20の2つの面に開放される。図の実施形態では、ドッキング・スロット24は前面24および右側面32に連続的に開く。ドッキング・スロット24が前面24および左側面30に開くこともできることに留意されたい。
【0016】ドッキング・スロットを形成するためにどちらの側面を開放するかは、一つには、ポータブル・コンピュータの予想される設計に依存する。ポータブル・コンピュータが、右側面に沿って位置決めされたモジュールまたはコネクタ(たとえば、オーディオ・ジャック、電源プラグなど)あるいはその両方を有することが予想される場合、ドッキング・ステーションは右側面で開放されドッキング・スロット34を部分的に形成する。図1の構成例では、ポータブル・コンピュータ14は、前面に位置決めされた1つのモジュール50(たとえば、フロッピー・ディスク・ドライブ、ハード・ディスク・ドライブ、CD-ROMなど)と、右側面上に位置決めされた2つのモジュール52、54(PCカード・ドライブ、電話ジャック、マウス・ポート、バッテリなど)とを備える。このモジュール構成を用いた場合、前面および右側面に開放するスロットを有するドッキング・ステーションが適当である。一方、モジュールがポータブル・コンピュータの左側面に沿って位置決めされることが予想される場合、ドッキング・ステーションの左側面が開放されドッキング・スロット34の一部を形成する。」(第3頁)

「【0020】ドッキング・ステーション12は任意選択的にモジュールを備えることができる。図の実施形態では、ドッキング・ステーション12はドッキング・スロット34の下方に位置決めされた2つのモジュール36および38(たとえば、フロッピー・ディスク・ドライブ、ハード・ディスク・ドライブ、CD-ROMなど)を有する。」(第4頁)

図1には、図2には、それぞれ、ポータブルコンピュータを装填・解除できるドッキングスロット24、34が記載されている。

同じく、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物「特開平6-202760号公報」(以下、「引用刊行物3」という。)には図面とともに以下の記載がある。
「【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明する。図1乃至図5は第1の実施例を示し、図1はこの実施例のポータブルコンピュータの拡張装置を斜後方から見た斜視図である。図1において、1は拡張装置本体、1aは拡張装置本体1と図示していないCRTディスプレイやキーボードやプリンタなどの外部装置とを接続するためのコネクタ、1bは例えばLANなどの情報ネットワークエリアに接続するためのコネクタ、2はポータブルコンピュータ5を立てた状態で収納できる収納部である。3はAC電源から直流電源を生成するためのACアダプタ、4は電源コードである。
【0014】図2は、ポータブルコンピュータの拡張装置を斜前方から見た斜視図である。図2において図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0015】図2において、1cはポータブルコンピュータ5側のコネクタ5aと接続される拡張装置本体1の第1の接続部であり、収納部2内の底面部に設けられている。1dはポータブルコンピュータ5側のコネクタ5bと接続される拡張装置本体1の第2の接続部であり、収納部2内の側面部に設けられている。
【0016】1eは電源スイッチ、1fは電源スイッチが投入されたことを表示するLEDランプである。 5cはポータブルコンピュータ5の側面に設けられたフロッピィディスク装置である。
【0017】図3は、第1の接続部1cの構成を示す斜視図である。図3において、10は拡張装置側コネクタ、11はフランジ、12はフランジ11に一端が固定されると共に他端が拡張装置本体1の一部に固定されたスプリングである。13は収納部2の底面2aに形成されたガイド溝であり、このガイド溝13の内面に沿って拡張装置側コネクタ10は移動することが出来る。
【0018】次に、このポータブルコンピュータの拡張装置本体1にポータブルコンピュータ5を接続するときの動作について図4に基づいて説明する。なお、図4において図2および図3と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
【0019】まず、ポータブルコンピュータ5を図4の(イ)に示すように拡張装置本体1の上方から収納部2に垂直に填め込む。この場合、ポータブルコンピュータ5の側面5eが収納部2の側面2aに摺接するようにしてポータブルコンピュータ5を収納部2に填め込む。
【0020】このとき拡張装置本体1の第1の接続部1cはポータブルコンピュータ5のコネクタ5aと相対するような位置に配置されているため、収納部2に上方から垂直に填め込まれたポータブルコンピュータ5のコネクタ5aは拡張装置本体1の第1の接続部1cの拡張装置側コネクタ10と咬み合い、ポータブルコンピュータ5は拡張装置本体1とコネクタ5aを介して電気的に接続された状態となる。
【0021】次に、ポータブルコンピュータ5を図4の(ロ)に示すように矢印X方向に摺動させる。拡張装置本体1の第1の接続部1cは、図3に示すようにその拡張装置側コネクタ10がスプリング12により付勢された状態で矢印方向にスライドできるように構成されているので、ポータブルコンピュータ5のコネクタ5aと第1の接続部1cとが電気的に接続された状態で矢印X方向に移動し、今度はポータブルコンピュータ5のコネクタ5bと拡張装置本体1の第2の接続部1dとが接続される。この場合、ポータブルコンピュータ5のコネクタ5bと拡張装置本体1の第2の接続部1dとは相対する位置に設けられていなければならない。
【0022】この結果、図4の(ハ)に示すように、ポータブルコンピュータ5は拡張装置本体1とコネクタ5aおよびコネクタ5bを介して電気的に接続された状態となる。そして、ポータブルコンピュータ5のフロッピィディスク装置5cと拡張装置本体1の電源スイッチ1eとLEDランプ1fは、共に前面に向いており操作者にとって操作しやすい位置にある。
【0023】また、このようにして接続されたポータブルコンピュータ5と拡張装置本体1とを分離するときには、図4により説明した手順と逆の手順により行なう。」(第3頁)

図1、図2には、拡張装置本体1にポータブルコンピュータ5を収容する収納部2を設けることが記載されている。

同じく、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物「特開2007-26643号公報」(以下、「引用刊行物4」という。)には図面とともに以下の記載がある。
「【0002】
発明の分野
この発明は、ハードディスクドライブを含むデータ記憶装置に関し、より特定的には、ホストコンピューティングシステムに外付けのキャリアドックからハードディスクドライブが取外し可能であるデータ記憶装置に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
情報の価値および使用が増大するにつれて、個人および企業は情報を処理し、格納するためのさらなる方法を求めている。この発展の1つの局面は、携帯型記憶装置における記憶容量の増加の需要が累進的に高まってきたことである。パーソナルコンピュータおよびワークステーションの出現により、デジタルデータが格納される媒体を取外すことがしばしば必要である。ユーザは、記憶媒体を異なる場所および/または異なるコンピュータシステムに携帯するためにそれを取外したいと思うだろう。さらに、格納されたコンピュータデータが機密事項を扱うものであったり、機密のものであったり、またはバックアップコピーが必要とされるときには、記憶媒体を安全な場所に移すことが望ましいであろう。
【0004】
1つの選択肢は、取外し可能なカートリッジに入れられるハードディスクドライブを使用することである。実際、取外し可能なハードディスクドライブは、頻繁に使用される情報にアクセスするための方法として、およびバックアップまたは機密事項を扱う情報を格納するための便利な方法として人気が高まっている。取外し可能なハードディスクドライブは典型的には、埃もしくは他の汚染物質、または硬い表面への急激な落下からハードデ
ィスクドライブを保護するために、分離材料を有するより大きな外殻またはカートリッジに収容される。したがって、カートリッジ90(図1)は、ハードディスクドライブを収容する高耐久化された容器であり得る。カートリッジは、次いで、キャリアを介してより大きなコンピュータシステムもしくはネットワークに接続されるか、またはデスクトップもしくはサーバシステムに設置される。キャリアは典型的には、キャリアに挿入されたハードディスクドライブをホストデスクトップまたはサーバシステムのマザーボードに動作可能に接続するようにインターフェイスおよび制御回路を含む。この発明は、取外し可能なハードディスクドライブが、USBまたはSATAコネクタなどの標準的な接続を有する如何なるコンピュータにおいてもアクセスされることを可能にする。デスクトップもしくはサーバに設置されたキャリアもしくはドックに、元のカートリッジが再び挿入されるか、または異なるカートリッジが再び挿入されることができる。この挿入/取外しサイクルは、動作中に何度も発生し得る。」(第4?5頁)

「【0010】
図1は、高耐久化された取外し可能なデータ記憶カートリッジ90の1つの実施例を示す。カートリッジ90はSATAコネクタ96を介してドッキングステーションに接続する。示される実施例では、カートリッジのケーシングは、取外し可能なデータ記憶カートリッジ90がドッキングステーションに適切に挿入されることを確実にするように非対称形をしている。ケーシングは、さらに、操作ノッチ92および94を含む。
【0011】
図2Aおよび図2Bは、取外し可能なデータ記憶カートリッジ90が挿入された外部ドッキングステーション100の1つの実施例を示す。この実施例では、外部ドッキングステーション100は、底部ハウジング102に加えて上部ハウジング101からなる。印刷回路基板アセンブリ(PCBA)、モータ、およびラッチング/取出機構を含む内部構成要素は内部サブフレーム119(図4A参照)に組立てられる。
【0012】
上部ハウジング101および取出押しボタン103は、射出成形されたプラスチックから作られることができる。底部ハウジング102は、ダイカストアルミニウムまたはその他の好適な材料から作られることができる。サブフレーム119ならびに取出レバー120および140は、強度を与え、摩擦を低減するように、充填および潤滑された材料から構成されることができる。図3に示されるように、この発明の示される実現例では、上部ハウジング101は、ゴムの脚178によって覆われる4つのねじ176を使用して、底部ハウジング102の上に嵌まる。このアセンブリによって、上部ハウジング101を加える前にこの機構が底部ハウジング上で検査できるようになる。
【0013】
図面に示される実現例では、取外し可能なデータ記憶カートリッジ90は外部ドッキングステーション100に垂直に挿入される。外部ドッキングステーション100は、たとえばカートリッジが読取/書込動作を経ている場合に取外し可能なデータ記憶カートリッジ90の状態を知らせる照光取出押しボタン103を有する。カートリッジ開口104はカートリッジ90の外側のプロファイルに対して成形されて、取外し可能なデータ記憶カートリッジ90が一つの向きにのみ挿入されることを可能にする。取外し可能なデータ記憶ディスク90は、SATAコネクタ142を介して外部ドッキングステーション100に動作可能に接続する。しかしながら、他のインターフェイスおよび接続タイプがこの発明に組入れられることができる。図2Bが示すように、外部ドッキングステーション100の後部は、たとえば電源コネクタ105、ファン取入れ口106、およびUSBコネクタ108などのインターフェイスコネクタを有する。」(第6頁)

図2には、取り出し可能なデータ記憶カートリッジを外部ドッキングステーション100のカートリッジ開口104に挿入した状態が記載されている。

3.対比
本願発明と引用発明を対比すると、引用発明の「ノートブック型パソコン12」、「CD-ROM58等のデバイス」及び「ドッキング装置」は、それぞれ、本願発明の「ノートブックコンピュータ」、「周辺機器」及び「ノートブックコンピュータードッキングステーション」に相当する。
引用発明のドッキング装置10のメインキャビネット50の前面には、フロント開口70が設けられ、該フロント開口70を介して、CD-ROM58等のデバイスをメインシャーシ60に挿入することができるから、引用発明のドッキング装置の「フロント開口70」と「メインシャーシ」は、本願発明の周辺機器を収容するための「第2凹部」に相当する。
また、引用発明には、ドッキング装置のメインキャビネットのフロント開口から挿入されたCD-ROM58等のデバイスとノートブック型パソコンを電気的に接続することについて明記されていないが、コネクタ等の接続端子により両者の接続がなされるのは当然のことであるから、引用発明のドッキング装置も本願発明と同様に、周辺機器へ電気接続する接続端子、即ち本願発明の「第1連接ポート」に相当する手段を有していることは明らかである。
引用発明のドッキング装置10において、ノートブック型パソコン10は、支持部14の天井面14A上に載置され、支持部14の後端部の上方の突出した部分の内部に設けられたコネクタと電気的に接続されるから、引用発明の支持部14の天井面14Aと、支持部14の後端部の上方の突出した部分は、本願発明のノートブックコンピューターを収容するための「第1凹部」と、ノートブックコンピューターを収容するための部分(以下、「第1部」と呼ぶ)である点で共通する。

したがって、両者は
「第1部および第2凹部を有し、そのうち、前記第1部がノートブックコンピューターを収容するためのものであり、かつ前記第2凹部が周辺機器を収容するためのものであるボディと;
前記周辺機器へ電気接続する第1連接ポートと;
を備え、
前記周辺機器は、前記第2凹部に対して挿入することができる、ノートブックコンピュータードッキングステーション。」の点で一致し、以下の点で相違する。

相違点1
本願発明が第1凹部を有するのに対して、引用発明の第1部は、凹部とは記載されていない点。

相違点2
本願発明は、周辺機器へ電気接続する第1連接ポートは、第2凹部中に位置するのに対し、引用発明の周辺機器へ電気接続する第1連接ポートの位置は明らかではない点。

相違点3
本願発明の周辺機器は、第2凹部から切り離すことができることについて明記されていない点。

4.当審の判断
以下、上記相違点について検討する。
相違点1について
ドッキングステーションにおいて、コンピュータを収容する部分を凹部とすることは、引用刊行物2(ドッキング・スロット24、34は、本願発明の「凹部」に相当する。)、引用刊行物3(図2、図4に記載された、ポータブルコンピュータ5を収容する収納部2は、本願発明の「凹部」に相当する。)、特開平11-305870号公報(段落【0011】?【0012】、【0016】?【0017】図2、図4、ドッキングステーション10のドッキングボックス13に携帯型情報処理端末1を挿入することが記載されており、ドッキングボックス13は、本願発明の「凹部」に相当する部分を有していると言うことができる。)に記載されているように周知であって、引用発明において、コンピュータを収容する第1部を凹部とすることは当業者が周知技術に基づいて容易に想到し得ることである。

相違点2について
周辺機器をスロット等(本願発明の「凹部」に相当する。)に収容する場合に、スロット内に接続端子(本願発明の「連接ポート」に相当する。)を設けることは、引用刊行物4(ハードディスク等のカートリッジを接続するドッキングステーションであって、ドッキングステーションのカートリッジ開口内部にSATAコネクタを設けることが記載されている。)、特開平8-147069号公報(段落【0002】?【0003】、図13、図14、情報処理装置本体のスロット内に、着脱可能なハードディスクドライブを接続するコネクタを設けることが記載されている。)に記載されているように周知であって、格別のことではない。

相違点3について
一般にコンピュータの周辺機器が、コンピュータ、ドッキングステーション等に装着された場合に、当該装置から切り離し可能であることは当然のことであって、当業者であれば、引用発明の開口より挿入された周辺機器がドッキングステーションから切り離し可能であると理解するのは明らかである。また、コンピュータ、ドッキングステーション等から周辺機器が切り離し可能であることは、引用刊行物4、特開2006-120150号公報(請求項4、段落【0010】、【0016】?【0017】ノートブック型コンピュータのドッキングステーションに設けられたスロットにCDドライブ等を着脱可能に設けることが記載されている。)に記載されているように周知であって、格別のことではない。

そして、本願発明のように構成したことによる効果も引用発明及び周知技術から予想できる程度のものであって、格別のものではない。

したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明(請求項1に係る発明)は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-01-10 
結審通知日 2013-01-15 
審決日 2013-01-28 
出願番号 特願2010-16198(P2010-16198)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小林 正明  
特許庁審判長 大野 克人
特許庁審判官 山田 正文
衣川 裕史
発明の名称 ノートブックコンピュータードッキングステーション  
代理人 大倉 昭人  
代理人 杉村 憲司  

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