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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1276197
審判番号 不服2011-14138  
総通号数 164 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-07-01 
確定日 2013-07-03 
事件の表示 特願2008-514740「データ言語中の複数の言語の管理」拒絶査定不服審判事件〔平成18年12月 7日国際公開、WO2006/130536、平成20年11月27日国内公表、特表2008-542918〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2006年5月31日(パリ条約優先権主張2005年5月31日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成23年2月17日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成23年7月1日に拒絶査定に対する審判が請求され、同時に手続補正がなされたものである。

2.平成23年7月1日付け手続補正について
[補正却下の決定の結論]
平成23年7月1日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の補正前の請求項1を引用する請求項2は、補正後の請求項1として次のとおり補正された。
「複数のリソースをデバイス上で管理するための方法であって、
前記複数のリソースを記憶することと、なお、第1のリソースは、データ言語の共通変数を含むパスにより特定され、第2のリソースは、前記共通変数を含むパスにより特定され、前記複数のリソースは、テキスト、画像、ページ・レイアウト、プログラムの断片、デバイス・コンポーネント、及び機能へのアクセス、を含み、前記第1のリソースは、前記複数のリソースのうちの1つであり、前記第2のリソースは、前記第1のリソースとは異なる、前記複数のリソースのうちの1つである、
前記第1のリソースにおける前記共通変数が変更した場合、前記第2のリソースにおける前記共通変数も変更することと、
を具備することを特徴とする、方法。」

上記補正は、本件補正前の請求項1を引用する請求項2に記載した発明を特定するために必要な事項である、第1のリソース、第2のリソースについて、「前記第1のリソースは、前記複数のリソースのうちの1つであり、前記第2のリソースは、前記第1のリソースとは異なる、前記複数のリソースのうちの1つである、」と限定するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物「特開2005-100319号公報」(以下「引用刊行物」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
「【請求項7】
データの表示出力および外部への出力の少なくとも一方を行なうデータ出力装置であって、
表示するデータの内容を定義する第1の種類のデータ定義ファイルを複数記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の種類のデータ定義ファイルのファイル名をデータとして定義する、第2の種類のデータ定義ファイルを記憶する第2の記憶手段と、
前記データ定義ファイルを表示するためのスタイルを定義し、かつ前記第1の種類の複数のデータ定義ファイルの中から表示に用いるファイルを前記第2の種類のデータ定義ファイルを用いることで切換える、スタイル定義ファイルを記憶する第3の記憶手段と、
前記第1、第2および第3の記憶手段に記憶されたファイルを用いることで、データの出力を行なう出力手段とを備えた、データ出力装置。」(第2頁)

「【技術分野】
【0001】
この発明はデータ表示システム、データ出力装置、画像形成装置、データ表示装置およびデータ表示プログラムに関し、特にXML(extensible markup language)などのデータ定義ファイルと、XSLT(XSL(extensible stylesheet language) transformations)などのスタイル定義ファイルとを用いてWEBページなどのデータの表示や出力を行なうデータ表示システム、データ出力装置、画像形成装置、データ表示装置およびデータ表示プログラムに関する。」(第4頁)

「【0026】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるネットワークシステムの構成を示す図である。
【0027】
図を参照して、本システムはネットワークに接続された、MFP(Multi Function Peripherals)100と、クライアントPC300a,300bとから構成される。MFP100の稼動状況や給紙方法などの管理情報はXMLとXSLTとを用いてネットワークを伝送され、PC300a,300bのブラウザ上で表示される。より詳しくは、PC300a,300bからのリクエストに応じて、MFP100はXMLファイル(言語データファイル、および設定ファイル)ならびにXSLTファイルをPC300a,300bに送信する。送信されたファイルに基づいてPC300a,300bのブラウザソフトはMFP100の管理情報の表示を行なう。
【0028】
MFP100には、XMLとXSLTとで作成されるWEBページが蓄積されており、参照するXMLデータのファイル名をXMLデータとして記録している。これによりXSLTの内容を変更することなくWEBページの表示の変更を行なうことができるように構成されている。
【0029】
より詳しくは、MFP100は、ブラウザに表示する項目をXMLで定義している複数のXMLファイルと、それらのファイル名をXMLデータとして定義したXMLファイル(設定ファイル)と、定義されたファイルを切換える仕組みを持ったXSLTファイル(スタイル定義ファイル)とを記録することで、XSLTにおいて使用するファイルを切換える機能を持っている。
【0030】
図2は、図1のMFP100からPC300a,300bへ情報が送信される流れを模式的に示す図である。
【0031】
図を参照して、MFP100は、コントローラ102を有しており、WWWサーバを使ってMFP100の管理データをXML、XSLT形式でPC300a,300bのブラウザBに送信する。MFP100には、言語データファイルD1(XMLファイル)と、設定ファイルD2(XMLファイル)と、スタイル定義ファイルD3(XSLTファイル)とが記憶されており、そのうち、言語データファイルD1は、複数の言語に対応するため、複数用意されている(言語データファイルD1-1,D1-2,D1-3)。
【0032】
MFP100からPC300a,300bへ送信されるデータは、言語データファイルD1のうちの一つと、設定ファイルD2と、スタイル定義ファイルD3である。
【0033】
ブラウザBによりMFP100へアクセスが行なわれると、ブラウザBはまずスタイル定義ファイルD3を確認し、設定ファイルD2の内容をチェックすることで、必要な言語データファイルを複数の言語データファイルの中から選択し、スタイル定義ファイルD3、設定ファイルD2および必要な言語データファイルD1のみをPC300a,300bに取込む。」(第7頁)

「【0039】
図5および図6は、MFP100に記録される言語データファイルD1の具体例を示す図である。
【0040】
図5および図6のファイルをここではXML1、XML2と呼び、それぞれのファイル名は「English.xml」、「Japanese.xml」であるものとする。
【0041】
図5に示されるXML1は、英語で記載されたメニューを表示するためのファイルであり、図6に示されるXML2は、日本語で記載されたメニューを表示するためのファイルである。
【0042】
すなわち、図5においてメニュー表示のために用いられる単語「Print」、「Enable」、「Disable」は、図6においては日本語の単語である「プリント」、「有効」、「無効」に置換えられている。この2つの言語データファイルのいずれかを用いることで、英語または日本語によるメニュー表示を行なうことが可能である。
【0043】
なお、ここでは2つの言語データファイルを用いることとしたが、中国語、フランス語などの別の言語データファイルを別途用意し、言語データファイルに加えてもよく、言語データファイルの数は制限されない。
【0044】
図7は、MFP100に記録される設定ファイルD2の具体例を示す図である。
【0045】
図7のファイルをここではXML3と呼び、そのファイル名は「Language.xml」であるものとする。
【0046】
図を参照して、設定ファイル内の<Set>1</Set>の数字の部分は、表示において、その次に示される何番目の言語データファイルを用いるかを示す部分であり、英語が選択されたときには“1”が、日本語が選択された場合には“2”が記録される。
【0047】
<Language>および</Language>のタグで囲まれる部分には、言語データファイル(図5および図6)のファイル名が記録されており、これにより表示に用いる言語データファイルを選択することが可能となる。
【0048】
図8は、MFP100に記録されるスタイル定義ファイルD3の具体例を示す図である。
【0049】
図を参照して下線(1)で示される部分は、現在セットされている言語の言語データファイルを自動的に選択するための部分である。この(1)の構文により、Language.xml(図7)の<Set>タグで示される順番の<Language>タグのデータを取得することができる。すなわち、ここでは<Language>タグで示されるファイルのうち、1番目の順番であるEnglish.xmlが取得される。取得されたデータは、Languageという変数にされ、後に$Languageとして利用することができる。
【0050】
図8中の下線(2)で示される部分は、Document関数により外部のXMLファイルを参照する部分である。ここでは、Languageという変数にEnglish.xmlが入っているので、English.xmlファイルの読出が行なわれ、そのファイルのデータの表示が行なわれる。
【0051】
なお、設定ファイル(図7)の<Set>タグのデータである番号(数字)は、<Language>タグの順番と関係しているが、<Set>タグに数字をセットするためには、CGI(common gateway interface)が用いられる。
【0052】
ブラウザにおいて英語を選択した場合、「1」というデータをサーバに送信するか、または「英語」というデータを送信することでCGI側で判断して「1」をセットするかのどちらかの処理が行なわれる。
【0053】
図9は、PC300a,300bに搭載されたブラウザのソフトウェアが実行する処理を示すフローチャートである。
【0054】
図を参照して、ステップS1においてPCでURLが指定されたかが確認される。URLが指定されたのであれば、ステップS2に進み、そのURLで示されるサイトに記録されているスタイル定義ファイル(XSLTファイル)、設定ファイル(XMLファイル)、および必要な言語データファイル(XMLファイル)のダウンロードが行なわれる。
【0055】
次に、ステップS3においてダウンロードされたファイルに基づきデータの表示が行なわれる。
【0056】
ステップS4において、ユーザの入力などにより表示言語が変更されたかが判断され、YESであれば、ステップS5で、選択された言語に対応する言語データファイルのみがさらにダウンロードされ、ステップS6で選択された言語によりデータの表示が行なわれる。
【0057】
図10は、PC300a,300bの表示部303での表示例を示す図である。
【0058】
図10左部分の「(1)英語表示」で示されているように、設定ファイル(図7)の<Set>タグに「1」がセットされていることで、1番目の<Language>タグで示される「English.xml」が選択され、これにより図5のXML1の内容が画面に表示されているもの(英語表示)とする。
【0059】
この状態で、ユーザが表示言語を英語から日本語に変更した場合には、CGIにより設定ファイル(図7)の<Set>タグに「2」がセットされることで、2番目の<Language>タグで示される「Japanese.xml」が選択され、これにより図6のXML2の内容が画面に表示される(図10の右の「(2)日本語表示」)。このようにして、表示言語の切り替えを少ないデータ量で行なうことができる。
【0060】
すなわち、図7に示されるように、表示言語として英語が選択されているとき、図8のXSLTの下線(1)、(2)の記述により、自動的にXML1(English.xml)が適用され、図10の「(1)英語表示」での画面がブラウザに表示される。このとき、表示に必要なファイルは、XML1、XML3、XSLTである。
【0061】
表示言語を日本語に変更した場合、XML3の<Set>タグに“2”がセットされ、XSLTを変更することなく、XML2(Japanese.xml)を用いた日本語表示に切換わり、図10の「(2)日本語表示」の画面がブラウザに表示される。このとき、表示に必要なファイルは、XML2、XML3、XSLTである。
【0062】
従って、表示言語を英語から日本語に変更したとき、新たにダウンロードされるファイルはXML2のみである。これにより、データの伝送量を削減することが可能となる。
【0063】
図11は、PC300a,300bの表示部303で表示される言語選択リスト(メニュー)の具体例を示す図である。
【0064】
図11においては、選択可能な言語がプルダウンメニューとして表示され、ユーザはその中から表示に用いる言語を選択することができる。
【0065】
図11の画面で表示されるパラメータは、設定ファイル(図7)の内容から取得することができる。
【0066】
図12は、図11に示される言語選択リストを表示させるためのスタイル情報を示す図である。このスタイル情報を図8に示されるXSLTに追加することで、設定ファイルを用いて図11のメニューの表示を行なうことができる。
【0067】
図12において、下線で示される構文により、設定ファイル(図7)の<Language>タグのデータのうち“.xml”前の文字列が出力される。すなわち、図7の設定ファイルから、「English」、「Japanese」の文字列を抽出し、言語選択リストの選択の項目として表示させることができる。
【0068】
以上のようにして構成されたシステムは、1つのXSLTで複数種類の表示を行なうときに有効である。すなわち、レイアウトが同じ場合に1つのXSLTを用いてその内容を変更することができる。
【0069】
これにより、本システムにおいては、表示において必要となるデータ量を減らすことができ、ネットワークの負荷などを低減させることができる。また、ユーザのデータ作成の労力やメンテナンスの労力を軽減することができるシステムを提供することができる。」(第8?10頁)

「【0101】
[変形例4]
変形例4においては、図1に示されるネットワークシステムと同様に、MFP100の稼動状況や給紙方法などの管理情報(機器情報)が、XMLとXSLTとを用いてネットワークを伝送され、PC300a,300bのブラウザ上で表示される。より詳しくは、PC300a,300bからのリクエストに応じて、MFP100はXMLファイル(言語データファイル、設定ファイル、および機器の状態を示す機器状態ファイル)ならびにXSLTファイルをPC300a,300bに送信する。送信されたファイルに基づいてPC300a,300bのブラウザソフトはMFP100の管理情報の表示を行なう。
【0102】
より詳しくは、MFP100は、ブラウザに表示する項目をXMLで定義している複数のXMLファイル(言語データファイル)と、それらのファイル名をXMLデータとして定義したXMLファイル(設定ファイル)と、定義されたファイルを切換える仕組みを持ったXSLTファイル(スタイル定義ファイル)とを記録することで、XSLTにおいて使用する言語データファイルを切換える機能を持っている。また、機器状態ファイルにより、機器の状態を得ることができるが、同時に機器状態ファイルにより、言語データファイルの内容のうち、表示する部分が特定される。
【0103】
このような特定を可能とするために、複数の言語データファイルのそれぞれは、それぞれ同じ構造(ここではツリー構造)を有し、タグの属性として機器情報を保持し、タグに対して、その言語データファイルの言語および属性に対応させた内容を記録している。
【0104】
図24は、図1のMFP100からPC300a,300bへ情報が送信される流れを模式的に示す図である。
【0105】
図を参照して、MFP100は、コントローラ102を有しており、WWWサーバを使ってMFP100の管理データなどをXML、XSLT形式でPC300a,300bのブラウザBに送信する。MFP100には、言語データファイルD1(XMLファイル)と、設定ファイルD2(XMLファイル)と、スタイル定義ファイルD3(XSLTファイル)と、機器状態ファイルD4(XMLファイル)とが記憶されており、そのうち、言語データファイルD1は、複数の言語に対応するため、複数用意されている(言語データファイルD1-1,D1-2,D1-3)。
【0106】
MFP100からPC300a,300bへ送信されるデータは、言語データファイルD1のうちの一つと、設定ファイルD2と、スタイル定義ファイルD3と、機器状態ファイルD4である。
【0107】
ブラウザBによりMFP100へアクセスが行なわれると、ブラウザBはまずスタイル定義ファイルD3を確認し、設定ファイルD2の内容をチェックすることで、必要な言語データファイルを複数の言語データファイルの中から選択し、スタイル定義ファイルD3、設定ファイルD2、機器状態ファイルD4、および必要な言語データファイルD1のみをPC300a,300bに取込む。
【0108】
図25および図26は、MFP100に記録される言語データファイルD1の具体例を示す図である。
【0109】
図25および図26のファイルをここではXML1、XML2と呼び、それぞれのファイル名は「English.xml」、「Japanese.xml」であるものとする。
【0110】
図25に示されるXML1は、英語で記載されたメニューや機器の状態などを表示するためのファイルであり、図26に示されるXML2は、日本語で記載されたメニューや機器の状態などを表示するためのファイルである。
【0111】
すなわち、図25において表示のために用いられる単語「Print」、「Ready」、「Error」、「Enable」、「Disable」は、図26においては日本語の単語である「プリント」、「レディ」、「エラー」、「有効」、「無効」に置換えられている。この2つの言語データファイルのいずれかを用いることで、英語または日本語による表示を行なうことが可能である。
【0112】
複数の言語データファイルのそれぞれは、同じツリー構造を有している。すなわち、図25においても図26においても、<MFP>タグの開始タグおよび終了タグで囲まれた中に、<Print>タグ、<Status>タグ、<Select>タグで示される要素が入れ子による記述で表されており、また、<Status>タグの内容の<Item>タグに関しては、属性(data)=「Ready」および「Error」のそれぞれに対する内容が言語にあわせて記載されている。同様に、<Select>タグの内容の<Item>タグに関しては、属性(data)=「Enable」および「Disable」のそれぞれに対する内容が言語にあわせて記載されている。
【0113】
なお、ここでは2つの言語データファイルを用いることとしたが、中国語、フランス語などの別の言語データファイルを別途用意し、言語データファイルに加えてもよく、言語データファイルの数は制限されない。
【0114】
図27は、MFP100に記録される設定ファイルD2の具体例を示す図である。
【0115】
図27のファイルをここではXML3と呼び、そのファイル名は「Language.xml」であるものとする。
【0116】
図7で説明した例と同様に、図27の設定ファイルD2においても、設定ファイル内の<Set>1</Set>の数字の部分が、表示において、その次に示される何番目の言語データファイルを用いるかを示す部分となる。図27の例では、この部分に、英語が選択されたときには“1”が、日本語が選択された場合には“2”が記録される。
【0117】
<Language>および</Language>のタグで囲まれる部分には、言語データファイル(図25および図26)のファイル名が記録されており、これにより表示に用いる言語データファイルを選択することが可能となる。
【0118】
図28は、MFP100に記録される機器状態ファイルD4の具体例を示す図である。
【0119】
図28のファイルをここではDATA1と呼び、そのファイル名は「data.xml」であるものとする。
【0120】
これは、機器の状態を示すために、機器の状態に応じてその内容が自動的に更新されるファイルであり、ここでは、<Status>タグの部分に、「Ready」または「Error」のいずれかの内容が機器の状態に応じて記載され、また、<Function>タグの部分に、「Enable」または「Disable」のいずれかの内容が機器の状態に応じて記載される。ここでは、それぞれ、「Ready」、「Enable」が記載されているものとする。
【0121】
図29は、MFP100に記録されるスタイル定義ファイルD3の具体例を示す図である。
【0122】
図29のファイルをここではXSLTと呼び、そのファイル名は「data.xsl」であるものとする。
【0123】
図を参照して、(1)で示される部分は、現在セットされている言語の言語データファイルを自動的に選択するための部分である。この(1)の構文により、Language.xml(図27)の<Set>タグで示される順番の<Language>タグの内容を取得することができる。すなわち、ここでは<Language>タグで示されるファイルのうち、1番目の順番であるEnglish.xmlが取得される。取得されたデータは、Languageという変数にされ、後に$Languageとして利用することができる。
【0124】
図29中の(2)で示される部分は、Document関数により$Languageで示されるファイル(ここでは、English.xml)の<Print>タグの内容を表示するための部分である。
【0125】
図29中の(3)で示される部分は、変数Xに、DATA1(data.xml)の<Status>タグで示される内容を格納する部分である。図28に示されるように、ここでは「Ready」が「X」に格納されることとなる。
【0126】
図29中の(4)で示される部分は、Document関数により$Languageで示されるファイル(ここでは、English.xml)の<Status>タグの内容のうち、属性dataが変数「X」(ここでは「Ready」)であるItemタグの内容を表示するための部分である。この部分により、「Ready」が表示されることになる。
【0127】
図29中の(5)で示される部分は、変数Yに、DATA1(data.xml)の<Function>タグで示される内容を格納する部分である。図28に示されるように、ここでは「Enable」が「Y」に格納されることとなる。
【0128】
図29中の(6)で示される部分は、$Languageで示されるファイル(ここでは、English.xml)の<Select>タグの内容のうち、属性dataが変数「Y」(ここでは「Enable」)である<Item>タグの内容が選択された状態にして、セレクトボックスを表示する部分である。
【0129】
なお、設定ファイル(図27)の<Set>タグのデータである番号(数字)は、<Language>タグの順番と関係しているが、<Set>タグに数字をセットするためには、CGI(common gateway interface)が用いられる。これは、図7における説明と同様である。
【0130】
図30は、PC300a,300bの表示部303での表示例を示す図である。
【0131】
図30左部分の「(1)英語表示」で示されているように、設定ファイル(図27)の<Set>タグに「1」がセットされていることで、1番目の<Language>タグで示される「English.xml」が選択され、これにより図25のXML1の内容が画面に表示されているもの(英語表示)とする。
【0132】
また、表示においては機器状態ファイルD4(DATA1)が参照されることにより、XML1の内容が機器状態ファイルD4の記述に基づいて表示されることになる。
【0133】
図30(1)の状態で、ユーザが表示言語を英語から日本語に変更した場合には、CGIにより設定ファイル(図27)の<Set>タグに「2」がセットされることで、2番目の<Language>タグで示される「Japanese.xml」が選択され、これにより図26のXML2の内容が画面に表示される(図30の右の「(2)日本語表示」)。このようにして、表示言語の切り替えを少ないデータ量で行なうことができる。
【0134】
すなわち、図27に示されるように、表示言語として英語が選択されているとき、図29のXSLTの(1)?(6)の記述により、自動的にXML1(English.xml)が適用され、図30の「(1)英語表示」での画面がブラウザに表示される。このとき、表示に必要なファイルは、XML1、XML3、DATA1、XSLTである。
【0135】
表示言語を日本語に変更した場合、XML3の<Set>タグに“2”がセットされ、XSLTを変更することなく、XML2(Japanese.xml)を用いた日本語表示に切換わり、図30の「(2)日本語表示」の画面がブラウザに表示される。このとき、表示に必要なファイルは、XML2、XML3、DATA1、XSLTである。
【0136】
従って、表示言語を英語から日本語に変更したとき、新たにダウンロードされるファイルはXML2のみである。これにより、データの伝送量を削減することが可能となる。」(第13?16頁)

「【0163】
また、上述の実施の形態に限らず、本発明はファイルを表示するシステムであればネットワークに接続されたシステムにおいても、ネットワーク環境に接続されないシステムにおいても適用することができる。すなわち、ネットワークに接続されず、ブラウザでハードディスクなど記録媒体の内容を読出して表示するPCなどにおいても本発明を適用することができる。」(第18頁)

図27 XML3(Language.xml) には、以下の記載がある。

1
English.xml
Japanese.xml


1 の右側に記載された吹き出しには、「英語が選択されたら1、日本語が選択されたら2とセットする。」と記載されている。


図29 XSL(data.xsl)には、(1) (2) と記載した箇所には、それぞれ、以下の記載がある。
"document('Language.xml')//Language[position()=number(/MFP/Set)]"/> ← (1)

← (2)

(1)の下に記載された吹き出しには、「現在セットされている言語の言語ファイルが自動で選択される。」と記載されている。

XSLTにおいて要素の値を選択するためにXPathを用いることは周知であるところ、上記、段落【0114】?【0117】、図27、段落【0123】?【0124】、図29の(1)(2)の記載によれば、引用刊行物において、図29の(2)に記載されているように、$Languageを含むXPath(document($Language)//MFP/Print)により、English.xml あるいは、Japanese.xmlが選択されているということができる。

これら引用刊行物(主として変形例4の記載(段落【0101】?【0136】))の記載から、引用刊行物には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「ネットワークに接続された、MFP(Multi Function Peripherals)100と、クライアントPC300aにより構成され、MFP100から、クライアントPC300aに、英語の言語データファイルD1(XML1(English.xml))と、設定ファイルD2(XML3(Language.xml)と、スタイル定義ファイルD3(XSLT(data.xsl))が送信され、クライアントPC300aにおいて、設定ファイルD2に基づいて、スタイル定義ファイルD3の$Languageの値が決定され、$Languageを含むXPathに対応して、English.xml に記載された英語の単語が選択され、ユーザが日本語による表示の指示をすると、MFP100からクライアントPC300aに日本語の言語データファイルD1(XML2(Japanese.xml))がダウンロードされ、$Languageを含むXPathに対応して、Japanese.xml に記載された日本語の単語が選択される、システム。」

本願の優先日前に頒布された刊行物「松浦健一郎著、Java Programming Tips 第39回、プログラムの国際化(2)、ソフトバンクパブリッシング株式会社、C MAGAZINE 第15巻 第12号、2003年12月1日、117?120頁」(以下「周知刊行物1」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
「前回に引き続き,Javaプログラムの国際化について解説します。今回は絵や音といったデータを言語や国に応じて入れ替える方法を紹介します。」(第117頁、表題の下部)

「絵や音を使ったプログラムの国際化
前回はプログラムの国際化ということで,メッセージを多言語対応にする方法を解説しました。しかし,プログラムの国際化に必要な作業はこれだけではありません。特定の言語に依存した絵や音を使うプログラムでは,これらのデータも言語別に用意する必要があります。「絵や音には言語の違いなどないのでは?」と思いがちですが,実際には言語別に絵や音を用意しなければならないことも多いのです。
たとえばFig.1はスプラッシュウィンドウ(アプリケーションの起動時にロゴなどを表示するウィンドウ)の例です。それぞれ日本語と英語でメッセージが書かれています。このメッセージはawtのdrawStringメソッドなどで文字列を描画しているのではなく,画像として描かれたものです。日本語の画像(付録CD-ROMのyoukoso.png)と英語の画像(welcome.png)を用意しておいて,日本語版と英語版のプログラムでそれぞれ別々の画像を表示します。また,このプログラムでは起動時に音声も再生します。メッセージの内容は,日本語版では,
JavaProgramming Tipsにようこそ
で,英語版では,
Welcome to the
Java Programming Tips
です。この音声についても,日本語の音声(youkoso.au)と英語の音声(welcome.au)を用意しておいて,それぞれ再生しています。前回解説したリソースバンドルを使うと,このように言語に応じて別々の絵や音を使うプログラムをスマートに書くことができます。ここではまず最初に日本語版と英語版のプログラムを作り,次にリソースバンドルを使ってプログラムを国際化してみます。」(第117頁左欄第1行?中央欄第6行)

「多言語版のプログラム
日本語版と英語版とは一部を除けばほとんど同じプログラムです。前回解説したリソースバンドルを使えば,これらを1本の多言語版プログラムにまとめることができます。
実際にまとめたものがList2です。このプログラムを実行すると,OSの言語設定が日本語になっている場合には,Fig.1の(A)のような日本語のスプラッシュウィンドウが表示されるはずです。一方,次のように起動時オプションをつけると英語のウィンドウが表示されます。
java Splash3 en
"en"は「English(英語)」のことです。日本語の場合には"ja"を指定します(Japaneseの意味です)。フランス語"fr"やドイツ語"de"なども指定できますが,今回はこれらの言語についてはリソースバンドルを用意していないため,デフォルトの英語で表示されます。
List2-(1)は起動時オプションに応じてロケールを変更する処理です。次のList2-(2)ではリソースバンドルを取得します。リソースバンドル名は"Splash"としました。List2-(3)?(5)ではgetStringメソッドを使って,リソースバンドルから文字列を取得します。画像と音声に関してはリソースバンドルから画像ファイル名と音声ファイル名を取得することによって,言語に応じたファイルを読み込みます。」(第118頁左欄第7行?右欄第3行)

同じく、本願の優先日前に頒布された刊行物「欧州特許出願公開第1333374号明細書」(以下「周知刊行物2」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
[0064] In the example of FIG. 6, the object representations are: copy representation 310' for text object 310 (English), copy representation 320' for text object 320 (German), pointer representation 311' to a file "en.gif" to display graphic object 311 for use in connection with English text, pointer representation 312' to a file "de.gif" to display graphic object 321 for use in connection with German text, as well as pointer representations 312' and 322' for objects 312 and 322, respectively.
[0065] According to the property value (here: LANGUAGE), reader 253 reads the object representations 310', 311' and 312' for objects 310, 311, 312 of a first object set, or reads object representations 320', 321', 322' for objects 320, 321, 322 of a second object set.
[0066] In the example, the sets are distinguished by LANGUAGE being "en" for English in the first set and "de" for German in the second set. Having read the representations, reader 253 then initializes the variables of class 201 by the objects that are represented. In case of the first set,variable SAMPLE_STRING is set to "Welcom"; variable SAMPLE_ICON is set to "en.gif" and variable SAMPLE_CLASS is set to an instance of the class java .lang. Class (representing the java-class java.lang.Integer).」(第6頁)
(当審訳:[0064] 図6の例では、オブジェクト表現は、テキストオブジェクト310(英語)のコピー表現310’、テキストオブジェクト320(ドイツ語)のコピー表現320’、英語テキストとの関連で使用されるグラフィックオブジェクト311を表示するファイル”en.gif”のポインタ表現311’、ドイツ語テキストとの関連で使用されるグラフィックオブジェクト312を表示するファイル”de.gif”のポインタ表現312’、そして、同様にそれぞれオブジェクト312と322のためのポインタ表現312’と322’である。
[0065] 当該属性値(ここでは、LANGUAGE)に従い、リーダ253は、第1のオブジェクトセット310、311、312のオブジェクト表現310’、311’、312’または、第2のオブジェクトセット320、321、322のオブジェクト表現320’、321’、322’を読む。
[0066] 上記例において、2つのセットは、LANGUAGEが第1セットの英語のための"en" か 第2セットのドイツ語のための"de" かで区別される。リーダ253は、当該表現を読み取ると、オブジェクトのクラス201の変数をそのオブジェクト表現で初期化する。第1セットの場合、変数SAMPLE_STRINGは、"Welcom"にセットされ、変数SAMPLE_ICONは、"en.gif"にセットされ、変数SAMPLE_CLASSは、java .langクラスのインスタンスにセットされる。(javaクラス表現の java.lang整数)

[0072] FIG. 8 illustrates simplified screen views with objects310/320 and 311/312 of application 200. Display 950-1 illustrates first set objects 310 and 311 when initializer 250 initializes with LANGUAGE=en (English); display 950-2 illustrates second set objects 311 and 312 when initializer 250 initializes with LANGUAGE=de (German). The natural language of text objects 310 and 320 corresponds to country flags in graphical objects 311 and 321. (第7頁第17?20行)
(当審訳:図8は、アプリケーション200のオブジェクト310/320、311/312の単純化したスクリーンビューを示す。ディスプレイ950-1は、イニシャライザー250がLANGUAGE=en (英語)で初期化された場合の第1セットオブジェクト310と311を示し、ディスプレイ950-2は、イニシャライザー250がLANGUAGE=de (ドイツ語)で初期化された場合の第2セットオブジェクト311と312を示す。テキストオブジェクト310、320の自然言語は、グラフィカルオブジェクト311と321の国旗に対応する。)

(2)対比
本願補正発明と引用発明を対比すると、
引用発明の「$Language」及び「XPath」は、それぞれ、本願補正発明の「共通変数」及び「パス」に相当する。
引用発明の「XML」及び「XSL」は、本願補正発明の「データ言語」に相当する。
引用発明の英語及び日本語の「単語」は、本願補正発明の「複数のリソース」、テキストの「第1のリソース」に相当する。
引用発明には、本願補正発明と同様に、複数のリソースを管理するための方法が記載されているということができる。
引用発明の「クライアントPC300a」は、本願補正発明の「デバイス」に相当する。

したがって、両者は
「複数のリソースを管理するための方法であって、
前記複数のリソースを記憶することと、なお、第1のリソースは、データ言語の共通変数を含むパスにより特定され、前記複数のリソースは、テキストであり、前記第1のリソースにおける前記共通変数が変更されることを具備することを特徴とする、方法。」の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1
本願補正発明は、複数のリソースをデバイス上で管理するための方法であるのに対して、引用発明は、複数のリソースを管理するための方法であるが、引用発明は、デバイスに加え、ネットワークに接続されたMFPも有している点。

相違点2
本願補正発明は、第1のリソースに加え、第2のリソースを管理する方法であって、複数のリソースは、テキスト、画像、ページ・レイアウト、プログラムの断片、デバイス・コンポーネント、及び機能へのアクセスを含み、前記第1のリソースは、前記複数のリソースのうちの1つであり、前記第2のリソースは、前記第1のリソースとは異なる、前記複数のリソースのうちの1つであり、前記第1のリソースにおける前記共通変数が変更した場合、前記第2のリソースにおける前記共通変数も変更することを具備しているのに対し、引用発明には、テキストである複数の第1のリソースを共通変数を含むパスにより特定すること、前記第1のリソースにおける前記共通変数が変更されることが記載されているが、リソースが、テキスト、画像、ページ・レイアウト、プログラムの断片、デバイス・コンポーネント、及び機能へのアクセス、を含むこと、そして、第1のリソースは、前記複数のリソースのうちの1つであり、前記第2のリソースは、前記第1のリソースとは異なる、前記複数のリソースのうちの1つであり、前記第1のリソースにおける前記共通変数が変更した場合、前記第2のリソースにおける前記共通変数も変更することについては記載がない点。

(3)当審の判断
以下、上記相違点について検討する。
相違点1について
一般にリソースをデバイス上で管理することは周知であり、引用刊行物の段落【0163】にも「本発明はファイルを表示するシステムであればネットワークに接続されたシステムにおいても、ネットワーク環境に接続されないシステムにおいても適用することができる。すなわち、ネットワークに接続されず、ブラウザでハードディスクなど記録媒体の内容を読出して表示するPCなどにおいても本発明を適用することができる。」と記載され、請求項7には、データの表示出力および外部への出力の少なくとも一方を行なうデータ出力装置に、 表示するデータの内容を定義する第1の種類のデータ定義ファイルを複数記憶する第1の記憶手段と、前記第1の種類のデータ定義ファイルのファイル名をデータとして定義する、第2の種類のデータ定義ファイルを記憶する第2の記憶手段と、前記データ定義ファイルを表示するためのスタイルを定義し、かつ前記第1の種類の複数のデータ定義ファイルの中から表示に用いるファイルを前記第2の種類のデータ定義ファイルを用いることで切換える、スタイル定義ファイルを記憶する第3の記憶手段を設け、前記第1、第2および第3の記憶手段に記憶されたファイルを用いることで、データの出力を行なうことが記載されており、引用刊行物には、デバイス上で複数のリソースを管理することが記載されているということができる。したがって、引用発明の複数リソースを管理する方法をデバイス上での複数リソースの管理とすることは、当業者が必要に応じて適宜になし得ることである。

相違点2について
コンピュータ(デバイス)において、テキスト以外に、画像、ページ・レイアウト、プログラム等、様々なリソースが管理されることは当然のことである。
そして、周知刊行物1(使用言語を変更するのにあわせて、テキスト、絵(画像)、音を変更することが記載されている。)、周知刊行物2(共通の変数(LANGUAGE)により言語を指定すると使用言語にあわせてテキスト、画像(グラフィカルオブジェクト)を変更することが記載されている。)、に記載されているように複数のリソースを管理する場合に、テキストに加え、画像等も管理し、使用言語の変更にあわせて、テキストと共に画像等を変更することは周知であるから、引用発明において、複数のリソースについて、当該周知技術を適用し、テキストに加え、画像、ページ・レイアウト、プログラムの断片、デバイス・コンポーネント、及び機能へのアクセスを含ませるようにし、その際に、共通変数を複数のリソースについて共通に使用することは当然のことであるから、引用発明において、複数のリソースは、テキスト、画像、ページ・レイアウト、プログラムの断片、デバイス・コンポーネント、及び機能へのアクセス、を含み、第1のリソースは、前記複数のリソースのうちの1つであり、前記第2のリソースは、前記第1のリソースとは異なる、前記複数のリソースのうちの1つである、前記第1のリソースにおける前記共通変数が変更した場合、前記第2のリソースにおける前記共通変数も変更するように構成することは、当業者が容易になし得ることである。

そして、本願補正発明のように構成したことによる効果も引用発明及び周知技術から予測できる程度のものである。

したがって、本願補正発明(請求項1に係る発明)は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)むすび
以上のとおりであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成23年7月1日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1を引用する請求項2に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成22年11月10日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項2に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
複数のリソースをデバイス上で管理するための方法であって、
前記複数のリソースを記憶することと、なお、第1のリソースは、データ言語の共通変数を含むパスにより特定され、第2のリソースは、前記共通変数を含むパスにより特定される、
前記第1のリソースにおける前記共通変数が変更した場合、前記第2のリソースにおける前記共通変数も変更することと、
を具備することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記複数のリソースは、テキスト、画像、ページ・レイアウト、プログラムの断片、デバイス・コンポーネント及び機能へのアクセスを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。」

(1)引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された引用刊行物及びその記載事項は、前記「2.(1)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、前記「2.」で検討した本願補正発明から、第1のリソース、第2のリソースについて、「前記第1のリソースは、前記複数のリソースのうちの1つであり、前記第2のリソースは、前記第1のリソースとは異なる、前記複数のリソースのうちの1つである、」とする限定を削除したものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含みさらに限定を付したものに相当する本願補正発明が、前記「2.(3)」に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3)むすび
以上のとおり、本願発明(請求項1を引用する請求項2に係る発明)は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本願はその余の請求項について論及するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-01-30 
結審通知日 2013-02-05 
審決日 2013-02-19 
出願番号 特願2008-514740(P2008-514740)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田川 泰宏  
特許庁審判長 大野 克人
特許庁審判官 稲葉 和生
衣川 裕史
発明の名称 データ言語中の複数の言語の管理  
代理人 峰 隆司  
代理人 河野 哲  
代理人 中村 誠  
代理人 岡田 貴志  
代理人 井関 守三  
代理人 幸長 保次郎  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 堀内 美保子  
代理人 福原 淑弘  
代理人 白根 俊郎  
代理人 村松 貞男  
代理人 高倉 成男  
代理人 竹内 将訓  
代理人 佐藤 立志  
代理人 河野 直樹  
代理人 砂川 克  
代理人 野河 信久  

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