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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1276678
審判番号 不服2010-23354  
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-10-15 
確定日 2013-07-10 
事件の表示 特願2003-535713「高濃度タンパク質製剤および製造の方法」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 4月24日国際公開、WO03/32907、平成17年 8月11日国内公表、特表2005-523882〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2002年10月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2001年10月16日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成22年6月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成22年10月15日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。


2.本願発明
本願の請求項1?33に係る発明は、平成22年10月15日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?33に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりのものである。
「【請求項1】
水溶液から生体適合性ポリマー沈澱剤を用いて沈澱させることにより調製されている、
少なくとも10重量パーセントの沈澱タンパク質と、
少なくとも10重量パーセントの水と、
少なくとも5重量パーセントのポリオキシアルキレンブロック共重合体である生体適合性ポリマーと、
を含有する、薬剤組成物。」


3.引用例に記載された事項
(1)原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物であるJournal of Pharmaceutical Sciences,1997年,Vol.86, No.9,p.1006-1010(以下「引用例1」という。)には、以下の事項が記載されている。(引用例1は英語で記載されているので、訳文で示す。)
(ア)「ポロキサマーゲルに懸濁された、未変性のタンパク質沈殿物を含有する薬剤送達マトリックス」(1006ページ冒頭のタイトル部分)

(イ)「要約
徐放性送達系は、タンパク質療法において、ボーラス投与で得られるよりも、より一定した血中濃度を達成することができ、それにより薬剤の効果が改善されるとともに副作用が低下する。いくつかの異なるポリマー系の送達システムが研究されてきた。そのようなポリマーには、ポロキサマー類があり、それらは、タンパク質と相溶性の水性の緩衝液の中で調製できるという点でユニークである。ポロキサマー類は、ポリ(エチレンオキサイド)とポリ(プロピレンオキサイド)のブロックコポリマーである。ある種のポロキサマー類は、可逆性熱ゲル化を呈する。かくして、低温で調製され、血管外に注射されたタンパク質とポロキサマーの溶液は、それが体温にまで暖められてゲルを形成する。次いで、そのタンパク質はそのゲルから徐々に放出される。しかしながら、今日まで、ポロキサマーゲル送達系は、完全に溶解したタンパク質と光学的に透明なゲルを生ずる、相対的に低いタンパク質濃度(すなわち、0.4mg/mL以下)に限定されていた。効果的な徐放性薬剤を得るためには、ほかのタンパク質薬剤ではるかに高い濃度が必要かもしれない。今回のインビトロ研究において、われわれは、モデルタンパク質であるα-キモトリプシン及びラクテートデヒドロゲナーゼを数十mg/mL含有することができるポロキサマー407(22w/w%)のマトリックスを見出した。これらの条件下で、該タンパク質は、均一な懸濁液を形成した。ポロキサマー407の転移点(約18℃)を通過して暖めると、ゲルを形成する。このゲルは、タンパク質の沈殿物を均一な分布状態に数日間、37℃において保持する。赤外分光学によれば、この懸濁液中の沈殿したタンパク質は未変性の二次構造を有している。さらに、このゲルを過剰の緩衝液に溶解すると、十分に活性なタンパク質を、完全に回収することが可能である。最後に、より高いタンパク質濃度でポロキサマー407における緩衝液を形成した場合、37℃でのインキュベーションの間のタンパク質の安定性は、より低いタンパク質濃度でみられるよりも大きく改善された。」(1006ページの要約部分)

(ウ)「ポロキサマー407中の高濃度で、タンパク質類は、未変性の二次構造を十分に保持している均一な懸濁液を形成する。さらに、このタンパク質は、このゲルが過剰の緩衝液で希釈されると完全に回復することができる。」(1006ページ右欄36?40行)

(エ)「ラクテートデヒドロゲナーゼについては、市販されている硫酸アンモニウム懸濁液を、4℃、4000gで15分間、遠心分離することによりペレット化した。上澄液は廃棄し、ペレットを50mMのトリス/HCl緩衝液(pH7.4,23℃)に、0.1%(wt/vol)のアジ化ナトリウムとともに溶解し、この緩衝液に対して4℃で該酵素を一晩透析した。このタンパク質溶液を、次いで1:3の割合で、同一の緩衝液中の29.4%のポロキサマー407と混合した。その二次構造の赤外線分析に供するべく、このタンパク質を濃縮するために、この氷冷した酵素懸濁液を、4000gで15分間(4℃)遠心分離して、酵素沈殿物をペレット化した。このペレットにおけるタンパク質の濃度は63mg/mLだった。」(1007頁左欄7行?18行)

(オ)「結果及び考察
・・・
37℃で18日後(試験した最長期間)であっても、タンパク質沈殿物の均一な分布が、ゲル中において維持された(資料は示さず。)。すなわち、何らの沈降も起きなかった。この物理的性質は、ゲルマトリックスが溶解するにつれて、タンパク質を相対的に一定の割合で放出することを維持することが望ましい薬品送達系において重要であろう。対照的に、この系が液体である低温(例えば4℃)では、このタンパク質沈殿物は容器の底に向かって沈降し、このプロセスは遠心分離によって促進することができる。この操作はマトリックス中のタンパク質の濃度を少なくとも10倍に増加させるために使用することができる(資料は示さず)。かくして、水性溶液中ではわずかな溶解度を有するタンパク質については、懸濁液を調製し、次いで低温での遠心分離によってタンパク質を濃縮することにより、ポロキサマー中での高いタンパク質濃度を得ることができるだろう。代わりに、われわれは本質的に同一のタンパク質懸濁液を単に適切な量の乾燥ポロキサマ-粉末をタンパク質溶液に溶解することにより得て、それを、さらに、低温での遠心分離により濃縮した(資料は示さず)。」(1007頁右欄本文17行?1008頁左欄13行)

(カ)「いかなるタンパク質薬剤処方も、ポロキサマーゲル中での長期間の安定性を更に最適化されなければならない。というのは、それぞれのタンパク質は、その相対的な化学的及び物理的な安定性を規定するユニークな物理化学的性質を有しているからである。化学的な分解は通常、溶解状態における特定の調節によって最小化される。たとえば、pHの調節は、実質的に脱アミノ化速度を遅らせることができる。対照的に、物理的な安定性の増加は、それ自身化学的安定性と関連しているものであるかもしれないが、しばしば非特異的な添加物の使用を必要とする。この添加物は、全体としてのタンパク質の熱力学的安定性を増加させる(例、スクロース)及び/又はタンパク質分子間での凝集を阻害する(例、ノニオン性界面活性剤)。かくして、ポロキサマーに基づいたタンパク質薬剤送達システムはタンパク質安定化剤を含有させることが受け入れられる、ということは重要である。」(1009頁右欄本文8?21行)

(2)引用例1の記載事項(ア)によれば、引用例1には、ポロキサマーゲルに懸濁された、未変性のタンパク質沈殿物を含有する薬剤送達マトリックスを研究した結果が記載され、同記載事項(イ)によれば、該研究は、タンパク質薬剤のモデルタンパク質としてα-キモトリプシン及びラクテートデヒドロゲナーゼを使用して行ったことが記載され、さらに同記載事項(エ)によれば、ラクテートデヒドロゲナーゼについては、市販品を緩衝液に溶解し、この溶液を、1:3の割合で、同一の緩衝液中の29.4%のポロキサマー407と混合し、このラクテートデヒドロゲナーゼを濃縮するために、その懸濁液を遠心分離して、沈殿物をペレット化したこと、及び、このペレットにおけるタンパク質すなわちラクテートデヒドロゲナーゼの濃度は63mg/mLだったこと、が記載されている。
そうすると、これら引用例1の記載を総合すれば、引用例1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「タンパク質薬剤のモデルタンパク質であるラクテートデヒドロゲナーゼを緩衝液に溶解し、この溶液を、同一の緩衝液中の29.4%のポロキサマー407と混合し、懸濁液を形成し、その懸濁液を遠心分離して、沈殿物をペレット化し、ラクテートデヒドロゲナーゼの濃度を63mg/mLとした組成物。」


4.対比
本願発明と引用発明とを対比する。
まず、引用発明にいう「組成物」は、「タンパク質薬剤のモデルタンパク質」を含むものであるから、本願発明にいう「薬剤組成物」に相当するものである。また、引用発明にいう「ラクテートデヒドロゲナーゼ」は、「懸濁液を形成し」、「沈殿物」となったものであるから、本願発明にいう「沈澱タンパク質」に相当するものである。また、本願発明にいう「生体適合性ポリマー沈澱剤」や「ポリオキシアルキレンブロック共重合体である生体適合性ポリマー」として、本願明細書の【0032】には、プルロニック(商標)F127が記載され、同【0036】には、プルロニック(商標)F127はポロキサマー407としても知られていることが記載されているから、引用発明にいう「ポロキサマー407」は、本願発明にいう「生体適合性ポリマー沈澱剤」や「ポリオキシアルキレンブロック共重合体である生体適合性ポリマー」に相当するものである。また、引用発明にいう「緩衝液」は水を含む液であるから、引用発明にいう「ラクテートデヒドロゲナーゼを緩衝液に溶解し」た「この溶液」は、本願発明にいう「水溶液」に相当するものである。そうすると、引用発明にいう「組成物」は、「ラクテートデヒドロゲナーゼを緩衝液に溶解し、この溶液を、同一の緩衝液中の29.4%のポロキサマー407と混合し、懸濁液を形成し、」「沈殿物」とすることにより調製されているものであるから、本願発明にいう「水溶液から生体適合性ポリマー沈澱剤を用いて沈澱させることにより調製されている、」ものということができる。

したがって、両者は、
「水溶液から生体適合性ポリマー沈澱剤を用いて沈澱させることにより調製されている、
沈澱タンパク質と、
水と、
ポリオキシアルキレンブロック共重合体である生体適合性ポリマーと、
を含有する、薬剤組成物。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
・薬剤組成物における、沈澱タンパク質、水、及び、ポリオキシアルキレンブロック共重合体である生体適合性ポリマーの濃度が、本願発明では、それぞれ「少なくとも10重量パーセント」、「少なくとも10重量パーセント」及び「少なくとも5重量パーセント」であるのに対し、引用発明では、沈澱タンパク質に相当するラクテートデヒドロゲナーゼの濃度が63mg/mLで、水、及び、ポリオキシアルキレンブロック共重合体である生体適合性ポリマーに相当するポロキサマー407の濃度は不明である点(以下「相違点」という。)。


5.判断
上記相違点について検討する。
まず、引用発明の組成物のラクテートデヒドロゲナーゼの濃度である63mg/mLは、該組成物の比重を仮に1とすれば、6.3g/100gに相当するから、6.3重量%ということができる。また、該組成物の比重が1から大きくかけ離れるとは考え難いから、結局、上記63mg/mLは、6.3前後の重量%ということができる。
してみると、上記相違点は、沈澱タンパク質の濃度については、本願発明では「少なくとも10重量パーセント」であるのに対し、引用発明では、それよりも低い「6.3前後の重量%」であるといえる。
ここで、引用例1の記載事項(イ)によれば、引用例1に記載の研究は、「今日まで、ポロキサマーゲル送達系は、・・・相対的に低いタンパク質濃度(すなわち、0.4mg/mL以下)に限定されていた。効果的な徐放性薬剤を得るためには、ほかのタンパク質薬剤ではるかに高い濃度が必要かもしれない。」という状況を踏まえて行われたものであること、また、その結果、「今回のインビトロ研究において、われわれは、モデルタンパク質であるα-キモトリプシン及びラクテートデヒドロゲナーゼを数十mg/mL含有することができるポロキサマー407(22w/w%)のマトリックスを見出した。」という研究成果を挙げたものであること、が記載されているといえる。また、同記載事項(エ)によれば、該研究成果の具体例として、引用発明のペレット化した組成物が、ポロキサマー407の添加、及び、4000gで15分間(4℃)という遠心分離により、製造されたことが記載されているといえる。さらに、同記載事項(オ)によれば、「このプロセスは遠心分離によって促進することができる。この操作はマトリックス中のタンパク質の濃度を少なくとも10倍に増加させるために使用することができる(資料は示さず)。かくして、水性溶液中ではわずかな溶解度を有するタンパク質については、懸濁液を調製し、次いで低温での遠心分離によってタンパク質を濃縮することにより、ポロキサマー中での高いタンパク質濃度を得ることができるだろう。」という考察が記載されている。
そうすると、これら引用例1の記載に接した当業者ならば、0.4mg/mLよりはるかに高いタンパク質濃度が必要なタンパク質薬剤について、該薬剤の高いタンパク質濃度を、ポロキサマー407の添加、及び、遠心分離により達成することができる、という示唆を受けるものといえ、実際に、6.3前後の重量%を達成した事例を目にすることができるから、タンパク質薬剤ごとの事情、性質に応じ、引用発明において、遠心分離の回転数を上げるなど製造条件を適宜変えることにより、沈澱タンパク質の濃度を6.3前後の重量%よりさらに高い濃度、例えば、本願発明にいう「少なくとも10重量パーセント」とすることに、格別の創意を要したものとはいえない。
また、引用例1には、上述のように、「今回のインビトロ研究において、われわれは、モデルタンパク質であるα-キモトリプシン及びラクテートデヒドロゲナーゼを数十mg/mL含有することができるポロキサマー407(22w/w%)のマトリックスを見出した。」なる記載があることから、引用発明の組成物におけるポロキサマー407の濃度は、22w/w%すなわち22重量%であると認められる。
そうすると、引用発明は、生体適合性ポリマーの濃度については、「少なくとも5重量パーセント」という本願発明に規定する要件を満足しているから、この濃度の点で本願発明との間に差異はない。また、引用発明において、上述のように、沈澱タンパク質の濃度を「少なくとも10重量パーセント」とするべく、遠心分離の回転数を上げるなど製造条件を適宜変えた場合、ポロキサマー407が溶解したままなら、その濃度は変わらないと考えられるし、析出しているなら、上昇すると考えられるから、いずれにしても、生体適合性ポリマーの濃度については、「少なくとも5重量パーセント」という本願発明に規定する要件を満足することになり、本願発明との間に差異は生じない。
最後に、水の濃度について検討するに、引用発明の組成物は、6.3前後の重量%のラクテートデヒドロゲナーゼ、22重量%のポロキサマー407、及び、水からなる組成物であるということができるから、水の濃度は、100-6.3-22=71.7前後の重量%であるといえる。
そうすると、引用発明は、水の濃度については、「少なくとも10重量パーセント」という本願発明に規定する要件を満足しているから、この濃度の点で本願発明との間に差異はない。また、引用発明において、上述のように、沈澱タンパク質の濃度を「少なくとも10重量パーセント」とするべく、遠心分離の回転数を上げるなど製造条件を適宜変えた場合、水の濃度は低下すると考えられるが、例えば、ラクテートデヒドロゲナーゼの濃度を6.3の2倍の12.6前後の重量%に濃縮し、その際、仮にポロキサマー407の濃度も22の2倍の44重量%になったとしても、水の濃度は、100-12.6-44=43.8前後の重量%であるといえるから、水の濃度についても、「少なくとも10重量パーセント」という本願発明に規定する要件を満足することになり、本願発明との間に差異は生じない。ラクテートデヒドロゲナーゼの濃度を3倍にした場合も同様である。仮にポロキサマー407が溶解したままで、その濃度が変わらないなら、ラクテートデヒドロゲナーゼの濃度を100-22-10=68重量%以上に濃縮しない限り、水の濃度については、本願発明との間に差異は生じない。
したがって、こういった、沈澱タンパク質、水、及び、生体適合性ポリマーの濃度についての一切の事情を考慮すれば、引用発明において、それぞれの濃度を「少なくとも10重量パーセント」、「少なくとも10重量パーセント」及び「少なくとも5重量パーセント」とすることに、当業者が格別の創意を要したものとはいえない。

また、本願発明の効果について検討するに、本願明細書の【0008】の記載や各実施例の記載によれば、本願発明は、注射可能で、希釈可能で、タンパク質安定剤や界面活性剤などの添加剤を加えることもできる、長時間安定な濃縮タンパク質製剤を提供した点にあるものと認められる。
しかしながら、引用例1の記載事項(イ)の「ある種のポロキサマー類は、可逆性熱ゲル化を呈する。かくして、低温で調製され、血管外に注射されたタンパク質とポロキサマーの溶液は、それが体温にまで暖められてゲルを形成する。次いで、そのタンパク質はそのゲルから徐々に放出される。」なる記載からみて、引用発明の組成物も、注射することを前提としたものであることがうかがえる。また、同記載事項(ウ)の「ポロキサマー407中の高濃度で、タンパク質類は、未変性の二次構造を十分に保持している均一な懸濁液を形成する。さらに、このタンパク質は、このゲルが過剰の緩衝液で希釈されると完全に回復することができる。」なる記載からみて、引用発明の組成物も、希釈可能なものとされている。また、同記載事項(オ)の「37℃で18日後(試験した最長期間)であっても、タンパク質沈殿物の均一な分布が、ゲル中において維持された(資料は示さず。)。」なる記載からみて、引用発明の組成物も、長時間安定な濃縮タンパク質製剤であるといえるし、同記載事項(カ)の「いかなるタンパク質薬剤処方も、ポロキサマーゲル中での長期間の安定性を更に最適化されなければならない。・・・添加物は、全体としてのタンパク質の熱力学的安定性を増加させる(例、スクロース)及び/又はタンパク質分子間での凝集を阻害する(例、ノニオン性界面活性剤)。」なる記載からみて、引用発明の組成物も、タンパク質安定剤や界面活性剤などの添加剤を加えることもでき、長期保存を意図したものであることがうかがえる。
してみると、このような引用例1の記載からみて、本願発明の上記各効果は、引用例1の記載から当業者が予測し得ないほど優れたものとはいえない。


6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-02-07 
結審通知日 2013-02-12 
審決日 2013-02-25 
出願番号 特願2003-535713(P2003-535713)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松浦 安紀子福井 悟  
特許庁審判長 内藤 伸一
特許庁審判官 中村 浩
渕野 留香
発明の名称 高濃度タンパク質製剤および製造の方法  
代理人 恩田 博宣  
代理人 恩田 誠  
代理人 本田 淳  
代理人 恩田 誠  
代理人 本田 淳  
代理人 恩田 博宣  

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