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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1276805
審判番号 不服2010-18049  
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-08-10 
確定日 2013-07-18 
事件の表示 特願2004-353083「ドキュメント検索方法」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 6月22日出願公開、特開2006-163723〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成16年12月6日の出願であって、平成22年1月5日付けで拒絶の理由が通知され、同年3月11日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、同年5月10日付けで拒絶査定がなされたのに対し、同年8月10日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされ、同年9月10日付けで審査官から前置報告がなされ、平成23年12月28日付けで当審により審尋がなされ、平成24年3月1日付けで回答書が提出され、同年5月25日付けで、 当審により平成22年8月10日付けの手続補正が却下されるとともに拒絶の理由が通知され、平成24年7月19日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされたものである。


2.本願発明
本願の請求項1に係る発明は、平成24年7月19日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの次のものと認める。(以下、「本願発明」という。)

「 コンピュータと、入力装置と、表示装置とにより構成されるドキュメント検索システムであって、
前記コンピュータ内のメモリは、ドキュメント管理コンポーネントと、Webアプリケ ーションと、Webサービスと、SOAPと、J2EEコンテナと、Servletコンテナと、形態素要素解析エンジンと、を格納しており、
前記ドキュメント管理コンポーネントは、動作環境に関する前記J2EEコンテナ上で動作する一連のコンポーネントからなり、構成言語はJava(登録商標)であり、ドキ ュメントの永続化(記憶/保存)とキーワード情報との管理を行い、 前記Webアプリケーションは、Webブラウザ上に前記ドキュメント管理コンポーネント上の機能を公開する機能を有し、
前記Webサービスは、Java言語以外からドキュメント管理コンポーネントを利用するためのインターフェースであり、サービスを公開するための前記SOAPによるバイ ンディングを提供し、
前記J2EEコンテナは、動作環境を決めるプログラムのフレームワークを格納し、前記Servletコンテナは、Web機能サービスを動作させるものであり、前記形態素 要素解析エンジンは、分かち処理を行う機能を有し、
前記プログラムは、
検索対象となる対象ドキュメントを、階層構造をもつ中間形式センテンスに展開するステップと、
展開された各階層のセンテンスについてキーワードを生成するステップと、
生成したキーワードからなるキーワード情報ファイルと関連付けされた前記中間形式セ ンテンスをデータベースに格納するステップと、
該データベースを検索し、前記各中間形式センテンス内に全てのキーワードを含むドキ ュメントを抽出するステップであって、中間形式センテンスを格納したデータベースを、照会機能を持った言語をキーとして検索することにより、各センテンス内に全てのキーワードを含むドキュメントを抽出し、データベースの検索時には、keywordsノードの下層のkeywordによりキーワード抽出処理を行い、検索対象キーワードを作成し 、当該検索対象キーワードを、キーワード情報ファイル上のノード構成の最下層に含まれる単語として検索式を作成し、全てのキーワードについて連結した検索式を用いて検索を行うステップをコンピュータに実行させることを特徴とするドキュメント検索システム。 」


3.引用例及び周知例
(引用例)
当審での拒絶の理由に引用された、本願出願日前に頒布された、金本博隆,外3名,“効率的な更新が可能な構造化文書の索引”,情報処理学会研究報告,社団法人情報処理学会,1998年1月19日発行,第98巻,第2号,pp.65-72(以下,「引用例」という。)には、図面とともに次の記載がある。

(ア)「本研究では,効率的な更新が可能な構造化文書の索引手法の提案を目的としている。」(第66頁左欄21行?22行)

(イ)「4.2 Path-Based Index
文書の階層構造を利用して,文書中に出現する部分文字列への経路式を管理する索引をPath-Based Indexという。例えばSection 1の1番目のParagraphの7 Word目に文字列"SGML"が出現した時の経路式は,
Section 1, Paragraph 1, Word 7
と表現できる.
4.2.1 索引構造
Path-Based Indexは(文字列,経路式)の組で構成され,実装される.」(第69頁右欄27行?37行)

(ウ)「文字列"XML"と文字列"SGML"がPath-Based Indexと同じ葉に出現する場合の問合わせは可能である…(後略)」(第70頁左欄14行?15行)

(エ)図2及び図4には、Paragraphノード配下にWordノード又はKeywordノードが配置され、WordノードとKeywordノードには、単語が配置されたXML文書インスタンスが記載されている。

(オ)「6. 実装手法
本章では第3章で提案した索引のアーキテクチャを示し,実装方法を議論する。
6.1 実験システムのアーキテクチャ
実験システムのアーキテクチャは,図9の通りである.
Index GeneratorはXML文書インスタンスの構文解析…(中略)…XML文書インスタンス…(中略)…はリポジトリに格納する.
Query Processor & Index Controllerは,XML文書インスタンスや索引の更新…(中略)…XML文書インスタンスへの問合わせ機能を持つ.」(第70頁右欄20行?33行)

(カ)図9には、XML文書インスタンスがIndex Generatorを介してShore Repository(レポジトリ)に格納され、ApplicationからQuery Processor & Index Controllerを介してレポジトリに対して問合わせを行う態様が示されている。

a 上記(ア)の記載から、引用例には、
構造化文書の索引手法、
が記載されているといえる。
b 上記(イ)の記載から、引用例には、
文書の階層構造を利用して、文書中に出現する部分文字列への経路式を管理する索引を実装すること、
が記載されているといえる。
c 上記(ウ)、(エ)の記載から、引用例記載のXML文書インスタンスは、Paragraphノード配下の葉、すなわち、最下層のノードに当たるWordノード又はKeywordノードにキーワードを含むものである。
d 上記(オ)及び(カ)に記載されたアーキテクチャは、Path-Based Indexを用いたものではなく、提案された索引のアーキテクチャではあるが、いずれの索引手法も、XML文書インスタンスの索引に対する問合わせを行う点で共通するから、Path-Based Indexを実現するアーキテクチャであってもレポジトリに格納されたXML文書インスタンスの索引に対して問い合わせを行うことは明らかであり、引用例には、Path-Based Indexを含む索引手法のアーキテクチャが開示されているといえる。
したがって、引用例には、
構文解析されたXML文書インスタンスと索引が、レポジトリに格納されており、索引に対して問合わせを行うシステムに実装された索引手法、
が記載されている。

a?dをふまえると、引用例には、次の発明(以下,「引用発明」という。)が示されている。

構造化文書の索引手法であって、
文書の階層構造を利用して、文書中に出現する部分文字列への経路式を管理する索引を実装し、
XML文書インスタンスは、Paragraphノード配下の葉、すなわち、最下層のノードに当たるWordノード又はKeywordノードにキーワードを含むものであり、
構文解析されたXML文書インスタンスと索引が、レポジトリに格納されており、索引に対して問合わせを行う、
システムに実装された索引手法。


(周知例1)
本願出願日前に頒布された、絹谷弘子,外3名,“XML文書の文書構造と内容を用いた部分文書の抽出手法”,情報処理学会論文誌 データベース,社団法人情報処理学会,2002年3月15日発行,Vol.43,No.SIG2(TOD13),pp.80-93(以下、「周知例1」という。)には、表とともに以下の記載がある。

(ア)「3.1 XPathデータモデル
XPathデータモデルでは,XML文書をノードの木として扱う.7種類のノードの中で,ここでは根ノード,要素ノード,属性ノードとテキストノードに絞って論じる.XMLでは,文書中に展開可能な外部実体として,他のXMLファイルを取り込むことができる.したがって,1つ以上のXMLファイルからXML表現が作られる.XML文書内のすべてのノードで定義する文書順という順序は,展開可能な実体を展開後のXML表現において各ノードのXML表現の最初の文字が現れる順序を示したものである.我々はこのように実体を展開後のXML表現を検索対象とし,以後これらをXML文書と呼ぶ.」(第82頁右欄21行?33行)

(イ)「5.3 ブーリアンモデルによる検索システム
ブーリアンモデルにおける文脈検索の実装は,従来の経路索引,転置ファイルに我々の文脈ノードの値を付加し,ノード間の集合演算を行って検索結果を導くことができる。表2,表3がノードと文脈ノード付き経路索引とノード付き転置ファイルの例である.我々は,これらの索引をデータベースの表として格納し,SQLを使って部分文書を形成するノードを求める実装によって単一のキーワードを入力して,そのキーワードに関連する部分文書をSQLで記述できた.」(第87頁右欄5行?14行)

(ウ)表2には、経路式として階層化されたPathによりノードが指定されたPath indexが記載されている。例えば、sectionノードの配下には、paraノードが存在する。


(周知例2)
本願出願日前に頒布された、都築嘉男,外2名,“Webサービス,JSTL,ELの実践活用 J2EE 1.4ガイド パート1 J2EE 1.4の概要 コネクションプラットフォーム”,JAVA Developer UNIX USER 2004年2月号増刊,ソフトバンクパブリッシング株式会社,2004年2月1日発行,第19号,pp.28-35(以下、「周知例2」という。)には、図面とともに以下の記載がある。

(ア)「J2EEを理解するうえで重要となるのは,「コンテナ」の存在です。…(中略)…J2EEアプリケーションの各プログラムを実行するための,前準備と後処理を行うフレームワークです。」(第31頁右欄18行?21行)

(イ)図3には,Webコンテナにサーブレット及びWebサービスが配置された態様が示されている。

(ウ)「Webサービスとは,主としてポート80番経由でアクセスできるWebアプリケーション機能を,WSDLというXML記述言語で宣言・公開し,そのインタフェースに従ったメソッド呼び出しをSOAP…(中略)…でアクセスするメカニズムです。」(第33頁左欄15行?20行)

(エ)「●JAXR
JAXRはXMLを蓄積したデータベース(レジストリ)にアクセスするためのAPIです。たとえばUDDIのようなXMLデータベースへの登録や検索を可能にします。」(第34頁右欄19行?22行)

(オ)「つまりアプリケーションサーバーは,プログラマが作ったサーブレットやJSP,その他のコンポーネントのための動作準備をし,コンポーネントの指示に従ってクライアントへのレスポンスを送り返す一連の後処理を行います。そして,これらの「準備」と「後処理」の内容を文書で定めたものがJ2EE仕様ということができます。
また,「準備」と「後処理」を担当する部分の名称として「コンテナ」という表現が用いられます。コンテナはJ2EEの仕様をソフトウェアとして実装したもので,この存在こそがアプリケーションサーバーの真価ということができます。仕様自体はJ2EEで策定されています…(後略)」(35頁コラム内右欄4行?14行)

(周知例3)
本願出願日前に頒布された、浅海智晴,“Javaデザイン・ノート 第43回 アプリケーション開発におけるRelaxer技術の効用”,Java WORLD,(株)IDGジャパン,2004年5月1日発行,第8巻,第5号,pp.132-144(以下、「周知例3」という。)には、図面とともに以下の記載がある。

(ア)「最もシステム寄りのフレームワークが,アプリケーション・フレームワークです。そして,その上位に汎用コンポーネント・フレームワークが位置します。例えば,J2EEシステムの場合,J2EEコンテナがアプリケーション・フレームワークに,WebコンテナやEJBコンテナが汎用コンポーネント・フレームワークになります。」(135頁右欄4行?10行)


(周知例4)
本願出願日前に頒布された、特開平8-272822号公報(平成8年10月18日出願公開。以下、「周知例4」という。)には、図面とともに以下の記載がある。

(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、文書情報を段落等のブロック単位でキーワードと対応付けたインデックスに登録する文書登録装置、及び、当該インデックスから検索キーワードを用いて検索した文書に優先度付けを行う文書検索装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
…(中略)…
【0003】また、全ての検索キーワードを論理積でつなげた検索式を用いて文書検索を行うことにより、検索結果として得られる文書の数を複数の検索キーワードで絞り込む検索システムとして、財団法人日本特許情報機構が提供する特許情報オンラインシステム(Patent On-Line Information System)が知られている。この検索システムでは、検索キーワードを論理積の検索式として特許文書を検索し、全ての検索キーワードを含む特許文書を検索結果として出力する。」

(イ)「【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例に係る文書登録装置及び文書検索装置を図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施例の文書登録装置は、登録対象の文書を入力するための登録文書入力手段1と、入力手段1から入力された文書を文や段落といった所定のブロック単位に分割する文書ブロック分割手段2と、分割手段2で分割された文書のブロックから所定のキーワードを抽出するキーワード抽出手段3と、分割手段2で分割された文書のブロックにそれぞれ一義的な識別子を付与する文書ブロックID付与手段4と、付与された識別子と当該文書ブロックから抽出されたキーワードとを対応付けてインデックスとしてインデックスファイル6に格納するインデックス登録手段5と、このインデックスを読出書込自在に格納するインデックスファイル6とを備えている。
【0018】登録文書入力手段1は、例えば光学的文字読取装置(OCR)から構成されており、文書を読み取って文書内容をコードデータに変換する。なお、登録文書入力手段1は予めコードデータ等として記憶装置に記憶された文書データを順次読み込むものとして構成することもできる。
【0019】文書ブロック分割手段2は、文書コードデータ中の所定のコードに基づいて、文書をブロック単位に分割する。例えば、文書を1文単位のブロック単位で分割する場合には文書コードデータ中の各句点コードを検出してブロックに分割し、文書を1段落単位のブロック単位で分割する場合には文書コードデータ中の改行コードを検出してブロックに分割する。なお、本実施例の文書登録装置には利用者が操作するキーボード等から成る指定手段7が備えられており、この指定手段7からの指定によってブロック分割手段2により文書を分割するブロック単位を任意に設定することができる。
【0020】キーワード抽出手段3には、名詞、形容詞等の予め設定した抽出すべき多数のキーワードを格納したキーワード辞書8と、文書の構造を解析するための文法規則を格納した文法辞書9とが備えられている。したがって、キーワード抽出手段3は、キーワード辞書8や文法辞書9を参照して形態素解析を行うことにより、文書の各ブロック単位からキーワードを抽出する。」

(ウ)「【0024】検索要求入力手段11は例えばキーボードから構成されており、検索要求入力手段11から利用者によって検索キーワード及びこれらキーワードに対する論理積や論理和等といった論理条件が入力される。本実施例では、検索キーワードは入力手段11から文節や文の形式で入力され、この検索キーワードを含む文節や文からキーワード抽出手段12が検索キーワードを抽出する。
…(中略)…
【0026】検索手段13は、抽出された検索キーワードを指定された論理条件によって検索式化し、当該検索式でインデックスファイル6に格納されているインデックスを検索して、検索式に合致する識別子及びこれに対応する文書名を検索する。文書優先度付け手段14は、予め設定された基準或いは検索要求で指示された基準に従って、検索された文書(文書名)識別子に基づいた優先度付けを行う。本実施例では、検索要求に含まれた全ての検索キーワードを同一のブロック単位に含む文書を優先度が高いものとしてマーキング(*)するようにしている。
【0027】表示手段15は検索手段13で検索された文書の文書名を一覧としてディスプレイ画面に表示し、これら文書名の内の優先度を付けられたものには前記マーキング(*)を付して表示する。また、表示手段15は、文書名に対応して文書ファイル10から文書データを読み出して、文書の内容をディスプレイ表示することも可能である。なお、表示手段15としては検索された文書名を印刷出力するプリンタを用いることもできる。」



4.対比
本願発明と引用発明を対比する。
ア 引用発明の「構造化文書の索引手法」は、文書中に出現する部分文字列を問い合わせるものであって、引用発明の「構造化文書」と「文書」の双方とも、本願発明の「ドキュメント」に対応するものであり、さらに、この索引手法はシステム(引用例の「実験システム」に対応する。)に実装されているので、実装されたシステムは、索引システムといえるものである。
したがって、引用発明の「構造化文書の索引手法」は、本願発明の「ドキュメント検索システム」に相当する。

イ 引用発明の「XML文書インスタンス」は、階層構造を有してノードにキーワードを含むものであって、本願発明の「中間形式センテンス」に対応するものといえるものである。また,引用発明は、XML文書インスタンスが用意されること、すなわち、XML文書インスタンスを準備するステップ及びキーワードを生成するステップを含むことは明らかであるから、引用発明の「XML文書インスタンスは、Paragraphノード配下の葉、すなわち、最下層のノードに当たるWordノード又はKeywordノードにキーワードを含む」ようにすることは、本件発明の「検索対象となる対象ドキュメントを、階層構造をもつ中間形式センテンスに展開するステップと、展開された各階層のセンテンスについてキーワードを生成するステップ」に相当する。
ウ 引用発明の「構文解析されたXML文書インスタンスと索引が、レポジトリに格納されており、索引に対して問合わせを行う」点は、構文解析されたXML文書インスタンスと索引が作成されてレポジトリ(本願発明の「データベース」に相当する。)に格納されており、この索引に対して問い合わせがされるものである。
ここで、上述したイのとおり、引用発明の「XML文書インスタンス」は、階層構造をもつノードにキーワードを含むから、本願発明の「中間形式センテンス」に相当する。
してみると、引用発明において「索引に対して問合わせを行う」ことは、索引に対して問合わせを行い、XML文書インスタンスが当該キーワードを全て含むときに、検索の対象である(XML文書インスタンスに対応した)構造化文書(本願発明の「ドキュメント」に相当する。)を得ること、すなわち、本願発明における、「データベースを検索」して、「各センテンス内に」「キーワードを含むドキュメントを抽出」することに相当する。
したがって、本願発明の「生成したキーワードからなるキーワード情報ファイルと関連付けされた前記中間形式センテンスをデータベースに格納するステップと、該データベースを検索し、前記各中間形式センテンス内に全てのキーワードを含むドキュメントを抽出するステップ」とは、
「生成したキーワードを含む中間形式センテンスをデータベースに格納するステップと、該データベースを検索し、前記各中間形式センテンス内にキーワードを含むドキュメントを抽出するステップ」
である点で共通する。
エ 引用発明は、システムに実装された索引手法であるから、プログラムが特定のステップをコンピュータに実行させるドキュメント検索システムであるといえる。さらに、当該プログラムは、上記イ、ウのステップをコンピュータに実行させるものである。

以上の対比によれば、本願発明と引用発明とは、次の事項を備える発明である点で一致し、そして、次の点で相違する。

[一致点]
ドキュメント検索システムであって、
プログラムは、
検索対象となる対象ドキュメントを、階層構造をもつ中間形式センテンスに展開するステップと、展開された各階層のセンテンスについてキーワードを生成するステップと、
生成したキーワードを含む中間形式センテンスをデータベースに格納するステップと、
該データベースを検索し、前記各中間形式センテンス内にキーワードを含むドキュメントを抽出するステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするドキュメント検索システム。

[相違点1]
「データベースの検索」について、本願発明は、「中間形式センテンスを格納したデータベースを、照会機能を持った言語をキーとして検索することにより、各センテンス内に」「キーワードを含むドキュメントを抽出し、データベースの検索時には、keywordsノードの下層のkeywordによりキーワード抽出処理を行い、検索対象キーワードを作成し 、当該検索対象キーワードを、キーワード情報ファイル上のノード構成の最下層に含まれる単語として検索式を作成し、」「検索式を用いて検索を行う」ものであるが、引用発明は、特にそのようなものであるとはされていない点。

[相違点2]
「検索式」について、本願発明では、「全てのキーワードについて連結した検索式」を用いるのに対して、引用発明では、特にそのようなものであるとはされていない点。

[相違点3]
本願発明は、「前記コンピュータ内のメモリは、ドキュメント管理コンポーネントと、Webアプリケーションと、Webサービスと、SOAPと、J2EEコンテナと、Servletコンテナと、形態素要素解析エンジンと、を格納しており、
前記ドキュメント管理コンポーネントは、動作環境に関する前記J2EEコンテナ上で動作する一連のコンポーネントからなり、構成言語はJava(登録商標)であり、ドキュメントの永続化(記憶/保存)とキーワード情報との管理を行い、
前記Webアプリケーションは、Webブラウザ上に前記ドキュメント管理コンポーネント上の機能を公開する機能を有し、
前記Webサービスは、Java言語以外からドキュメント管理コンポーネントを利用するためのインターフェースであり、サービスを公開するための前記SOAPによるバインディングを提供し、
前記J2EEコンテナは、動作環境を決めるプログラムのフレームワークを格納し、前記Servletコンテナは、Web機能サービスを動作させるものであり、前記形態素要素解析エンジンは、分かち処理を行う機能」を有するものであるが、引用発明は、これらを有することについて特定されていない点。

[相違点4]
本願発明は、「コンピュータと、入力装置と、表示装置とにより構成されるドキュメント検索システム」であるが、引用発明は、コンピュータが入力装置と表示装置を備えることについて特定されていない点。



5.判断
以下に,各相違点について検討する。
ア 相違点1について
Xpathデータモデルにおいて、Xpathを用いて検索対象のテキストの経路索引(本願発明の「階層構造」に相当する。)を指定し、経路を指定して検索を行う事は、周知例1の(ア)?(ウ)に記載されているように、周知技術である。
そして、「XML文書インスタンスは,Paragraphノード配下の葉,すなわち,最下層のノードに当たるWordノード又はKeywordノードにキーワードを含むものであり,構文解析されたXML文書インスタンスと索引」に対して検索を行う引用発明に対して、同様にXML文書に対する検索を行う周知例1記載の周知技術を適用し、XpathデータモデルであるXML文書としての経路索引を作成してこのXML文書に対してXpathによる検索を行うこと(本願発明の「照会機能を持った言語をキーとして検索すること」に相当する。)により、検索対象の構造化文書(本願発明の「ドキュメント」に相当する。)を問合わせることは、当業者が容易に想到し得るものである。
その際、keywordsノードの下層にキーワードを要素とするkeywordノードを複数もたせることによって、キーワードの集合を表現することは、当業者が適宜なし得る程度の事項にすぎない。
したがって、引用発明及び周知例1に記載された周知技術に基づいて、相違点1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。
よって、相違点1は格別のものではない。

イ 相違点2について
全ての検索キーワードを論理積でつなげた検索式を用いて文書検索を行うことにより、全ての検索キーワードを含む文書を検索結果とすることは、例えば、周知例4の(ア)に記載されているように、文書検索ではひろく行われていることにすぎない。
よって、相違点2は格別のものでない。

ウ 相違点3について
「Webサービス」、「SOAP」、「サーブレット」を有する検索システム(この検索システムはWebアプリケーションとして実現されているといえる。)、及び「コンテナ」は、周知例2の(ア)?(オ)に記載されているように、周知技術である。
また、「J2EEコンテナ」も、周知例3に記載されているように、周知技術である。
よって、これらの周知技術に基づいて、「Webアプリケーション」、「Webサービス」、「SOAP」、「J2EEコンテナ」、「Servletコンテナ」を有する検索システムを構築することは格別のことではなく、システムに実装された索引手法である引用発明を上記システム上に構成することは、当業者が容易になし得ることである。
さらに、登録文書入力手段、及び、形態素解析を行ってキーワードを抽出してインデックスに登録する(本願発明の「ドキュメントの永続化」と「キーワード管理」に相当する。)文書検索装置も、周知例4の(ア)?(ウ)に記載されているように、周知技術であって、これらを、上述したシステム上に「ドキュメント管理コンポーネント」及び「形態素要素解析エンジン」として設けることは格別のことではない。
したがって、引用発明及び周知例2ないし周知例4に記載された周知技術に基づいて相違点3の構成とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。
よって、相違点3は格別のものではない。

エ 相違点4について
検索要求入力手段及び表示手段(本願発明の「入力装置」及び「表示装置」に相当する。)は、周知例4の(ウ)に記載されているように周知技術であるから、システムに実装された索引手法である引用発明に対して、コンピュータと、入力装置、表示装置とで構成することにより、相違点4の構成とすることは、当業者が容易に想到し得るものである。
よって、相違点4は格別のものではない。


(本願発明の作用効果について)
そして、本願発明の構成によってもたらされる効果も、引用発明及び周知例1ないし4記載の周知技術から当業者が容易に予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。



6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知例1ないし4記載の周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであることから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-01-17 
結審通知日 2013-01-22 
審決日 2013-06-03 
出願番号 特願2004-353083(P2004-353083)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 紀田 馨  
特許庁審判長 長島 孝志
特許庁審判官 原 秀人
山崎 達也
発明の名称 ドキュメント検索方法  
代理人 今村 健一  
代理人 渡辺 敏章  
代理人 平木 祐輔  
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