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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1277218
審判番号 不服2012-12520  
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-07-02 
確定日 2013-07-24 
事件の表示 特願2005- 68378「イメージセンサ及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成17年10月 6日出願公開、特開2005-277409〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成17年3月11日(パリ条約による優先権主張2004年3月22日、大韓民国)の出願であって、平成23年4月14日付けの拒絶理由通知に対して、同年8月10日に手続補正書及び意見書が提出されたが、平成24年3月5日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、同年7月2日に拒絶査定に対する審判請求がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項8に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成23年8月10日になされた手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項8に記載されている事項により特定される以下のとおりのものである。

「【請求項8】
基板上に形成されたフォトダイオードを有する素子及びその上の素子保護膜と、
該素子保護膜の上に形成されたマイクロレンズと、
該マイクロレンズの上に形成され、バンプ形成工程中に前記マイクロレンズを保護するためのマイクロレンズ保護膜であって、該マイクロレンズ保護膜は、酸化窒化膜及び窒化膜からなる群の中から選択されたいずれか1つの膜、若しくは前記群の中から選択された2つの膜が積層された膜である、マイクロレンズ保護膜と、
該マイクロレンズ保護膜及び前記素子保護膜がエッチングされて形成されたパッドオープン部と、
該パッドオープン部に形成されたバンプと
を備えることを特徴とするイメージセンサ。」

3.引用刊行物に記載された発明
(3-1)特開2002-100755号公報
(3-1-1)原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先主張の日前である平成14年4月5日に日本国内において頒布された特開2002-100755号公報(以下「引用刊行物1」という。)には、図1ないし10とともに、以下の事項が記載されている。(なお、下線は、当審において付与したものである。以下、同じ。)

「【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、半導体装置に関し、特に、金属ラインの表面が損傷または汚染されないようにすることにより、デバイスの収率を向上させることができるCMOSイメージセンサに関する。」
「【0003】図1乃至図4は、従来のCMOSイメージセンサを製造する方法を示す断面図である。ここで、図面符号100及び150は、それぞれ半導体構造体の単位画素領域部分及びパッドオープン領域部分を示す。
【0004】図1に示すように、一連の工程を実行して上部に金属ライン101を有する半導体構造体を作成する。金属ライン101上に約300Åの厚さに非反射層102を形成した後、素子保護層に用いられる酸化膜103及び窒化膜104を構造体全面に積層形成する。
【0005】図2に示すように、窒化膜104、酸化膜103及び非反射層102を選択的にエッチングして金属ライン101の一部分を露出させてパッドオープン領域105を形成する。
【0006】図3に示すように、染色されたフォトレジスト106を全体構造上に塗布し、露光工程及び現像工程を実行して光感知領域のみにカラーフィルタ106aを形成する。この場合、パッドオープン領域105を覆っている染色されたフォトレジスト106は、現像工程で除去される。その後、145℃乃至150℃の温度で熱処理を実行する。
【0007】図4に示すように、カラーフィルタをパターンニングした後、得られた構造体を現像溶液に浸漬する。この結果、金属ライン107の表面が高抵抗を有する酸化膜108により覆われるため、金属ボール(metal ball)のコンタクトの質が低下するという問題点が発生する。」
「【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかるCMOSイメージセンサ及びその製造方法の実施の形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0012】図5は、本発明の実施例によるCMOSイメージセンサを示す断面図である。図5に示すように、本発明に係るCMOSイメージセンサは、パッドオープン領域310を有する半導体構造体と、一部分が露出された金属ライン301と、素子保護層に用いられる酸化膜303及び窒化膜304と、カラーフィルタ305と、カラーフィルタ305及び素子保護層上に形成された平坦化フォトレジスト306と、平坦化フォトレジスト306上に形成されたマイクロレンズ307と、及び構造体全面に形成された低温酸化膜308とからなる。
【0013】この時、低温酸化膜308は、150℃乃至200℃の温度で3000Å乃至10000Åの厚さに形成する。本発明に係るCMOSイメージセンサは、さらに、金属ライン301上に形成した非反射層302を備えることが望ましい。
【0014】以下、図6乃至図10を参照して、図5に示した本発明に係るCMOSイメージセンサを製造する方法について説明する。
【0015】図6に示すように、一連の工程の実行を経て上部に金属ライン301を有する半導体構造体が用意される。その後、水分または擦り傷(scratch)から半導体構造体を保護するために、構造体全面に素子保護層を形成する。素子保護層として、酸化膜303及び窒化膜304を積層して形成することができる。さらに、金属ライン301上にチタニウム窒化膜のような非反射層302を形成することが望ましい。
【0016】図7に示すように、カラーフィルタアレイ工程を実行してカラーフィルタ305を形成する。カラーフィルタ305は、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ及び青色カラーフィルタからなる。この場合、カラーフィルタアレイ工程は、染色されたフォトレジストを塗布するステップと、露光工程及び現像工程とを実行して光感知領域のみにカラーフィルタ305を形成するステップと、熱処理工程を実行するステップとからなる。図7に示したように、平坦化フォトレジスト306を半導体構造体の単位画素アレイ領域部分300の上部領域に形成する。
【0017】図8に示すように、平坦化フォトレジスト306上にマイクロレンズ307を形成した後、洗浄工程を実行する。
【0018】図9に示すように、低温酸化膜308を150℃乃至200℃範囲の温度で3000Å乃至10000Åの厚さに形成する。
【0019】図10に示すように、フォトレジストパターン309を形成した後、低温酸化膜308、窒化膜304及び酸化膜303をエッチングしてパッドオープン領域310を形成する。それから、フォトレジストパターン309を除去して洗浄工程を実行した後、パッケージ工程の実行を経て、CMOSイメージセンサデバイスを得る。」

(3-1-2)そうすると、引用刊行物には、以下の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されているものと認められる。

「単位画素アレイ領域部分300を含む半導体構造体と、
前記半導体構造体全面に形成され、酸化膜303及び窒化膜304からなる素子保護層と、
素子保護層上に形成された平坦化フォトレジスト306と、
平坦化フォトレジスト306上に形成されたマイクロレンズ307と、
前記半導体構造体全面に形成された低温酸化膜308と、
前記低温酸化膜308、前記窒化膜304及び前記酸化膜303をエッチングして形成されたパッドオープン領域310と
を備えるCMOSイメージセンサデバイス。」

(3-2)特開2000-138361号公報
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先主張の日前である平成12年5月16日に日本国内において頒布された特開2000-138361号公報(以下「引用刊行物2」という。)には、図1及び2とともに、以下の事項が記載されている。

「【発明の実施の形態】以下、図1及び図2を参照して、本発明固体撮像装置及びその製造方法の実施の形態の例につき説明する。この図1及び図2において、図3に対応する部分には同一符号を付して示す。
【0021】本例においては、従来と同様に1つのウェーハに複数個の固体撮像素子チップ2の撮像領域1が形成されたものを用意する。この複数個の固体撮像素子チップ2の撮像領域1が形成されたウェーハは、例えばポリシリコン(PolySi)より成るCCDの転送電極20を形成すると共に遮光膜21を形成するまでは従来と同様に形成する如くする。」
「【0029】次に、本例においては、このオンチップマイクロレンズ8及び全固体撮像素子チップ2上に亘って、比較的硬い例えばガラスと同程度の硬さを有するSiO_(2 )をプラズマCVDで所定厚さ堆積して保護層25を形成し、その後、この保護層25の表面を平坦化する。
【0030】この場合、図1に示す如く、この保護層25に、この固体撮像素子チップ2の電気的接続に必要なパッド部3に夫々対応して孔25aを形成する如くする。その後、図1に示す如く、この保護層25の電気的接続用の孔25aに半田バンプ26を形成する如くする。この半田バンプ26の代わりに金線ボンド等であっても良い。」

4.対比
(4-1)刊行物発明は、「CMOSイメージセンサデバイス」であって、「単位画素アレイ領域部分300」には、フォトダイオードを有していることが明らかであるから、刊行物の「単位画素アレイ領域部分300を含む半導体構造体」は、本願発明の「基板上に形成されたフォトダイオードを有する素子」に相当する。

(4-2)刊行物発明の「酸化膜303及び窒化膜304からなる素子保護層」は、本願発明の「素子保護膜」に相当する。

(4-3)刊行物発明において、「マイクロレンズ307」は、「酸化膜303及び窒化膜304からなる素子保護層」の上に形成されていることは明らかであるから、刊行物発明の「マイクロレンズ307」は、本願発明の「素子保護膜の上に形成されたマイクロレンズ」に相当する。

(4-4)刊行物発明において、「低温酸化膜308」は、「マイクロレンズ307」の上に形成されていることが明らかであるから、刊行物発明の「低温酸化膜308」と、本願発明の「マイクロレンズ保護膜」とは、「マイクロレンズの上に形成され」た「膜」という点で、共通する。

(4-5)刊行物発明の「低温酸化膜308、」「窒化膜304及び」「酸化膜303をエッチングして形成されたパッドオープン領域310」は、本願発明の「膜及び」「素子保護膜がエッチングされて形成されたパッドオープン部」に相当する。

(4-6)そうすると、本願発明と刊行物発明とは、
「基板上に形成されたフォトダイオードを有する素子及びその上の素子保護膜と、
該素子保護膜の上に形成されたマイクロレンズと、
該マイクロレンズの上に形成された膜と、
該膜及び前記素子保護膜がエッチングされて形成されたパッドオープン部と
を備えることを特徴とするイメージセンサ。」
である点で一致し、次の2点で相違する。

(相違点1)本願発明では、「マイクロレンズの上に形成された膜」が、「バンプ形成工程中に前記マイクロレンズを保護するためのマイクロレンズ保護膜であって、該マイクロレンズ保護膜は、酸化窒化膜及び窒化膜からなる群の中から選択されたいずれか1つの膜、若しくは前記群の中から選択された2つの膜が積層された膜である」であるのに対して、刊行物発明では、「低温酸化膜308」について、そのような特定がなされていない点。

(相違点2)本願発明では、「パッドオープン部に形成されたバンプ」を備えるのに対して、刊行物発明では、「パッドオープン領域310」について、そのような特定がなされていない点。

5.判断
以下、上記相違点について、検討する。
(5-1)相違点2について
引用刊行物1の従来技術に関する、「【0005】図2に示すように、窒化膜104、酸化膜103及び非反射層102を選択的にエッチングして金属ライン101の一部分を露出させてパッドオープン領域105を形成する。
【0006】図3に示すように、染色されたフォトレジスト106を全体構造上に塗布し、露光工程及び現像工程を実行して光感知領域のみにカラーフィルタ106aを形成する。この場合、パッドオープン領域105を覆っている染色されたフォトレジスト106は、現像工程で除去される。その後、145℃乃至150℃の温度で熱処理を実行する。
【0007】図4に示すように、カラーフィルタをパターンニングした後、得られた構造体を現像溶液に浸漬する。この結果、金属ライン107の表面が高抵抗を有する酸化膜108により覆われるため、金属ボール(metal ball)のコンタクトの質が低下するという問題点が発生する。」という記載から、従来技術において、「パッドオープン領域105」には、「金属ボール(metal ball)」からなる電極が形成されていることが読み取れるので、刊行物発明においても、最終的には「パッドオープン領域310」に、「金属ボール(metal ball)」のような電極が形成されることを想定しているものと認められる。そして、一般に、このような電極を「バンプ電極」、又は単に「バンプ」と称することは、例えば、引用刊行物2に、「固体撮像素子」に形成される電極として、「半田バンプ」が記載されていることからも分かるように、当業者の技術常識であるから、刊行物発明も、本願発明のように、「パッドオープン部に形成されたバンプ」を備える構成なっているものと認められ、仮にそうとまでは言えなかったとしても、そのような構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
したがって、上記相違点2は、実質的なものでないか、仮に実質的なものであったとしても、当業者が容易になし得た範囲に含まれる程度のものである。

(5-2)相違点1について
引用刊行物1に、「【0019】図10に示すように、フォトレジストパターン309を形成した後、低温酸化膜308、窒化膜304及び酸化膜303をエッチングしてパッドオープン領域310を形成する。それから、フォトレジストパターン309を除去して洗浄工程を実行した後、パッケージ工程の実行を経て、CMOSイメージセンサデバイスを得る。」と記載されているように、「パッドオープン領域310」を形成した後には、完成品としての「CMOSイメージセンサデバイス」を得るまでに、さまざまな工程が行われ、そのような工程の中には、上記(5-1)において述べたように、「パッドオープン領域310」に「金属ボール(metal ball)」のような電極を形成する工程も含まれているものと認められる。そして、そのような工程を行う際に、「低温酸化膜308」が、「マイクロレンズ307」を保護する機能を有していることは、当業者であれば、当然に察知しうることである。また、一般に、保護膜として「窒化膜」を用いることも、以下の周知例に記載されているように、従来から周知の技術である。

(周知例)
本願の優先主張の日前である平成10年7月31日に日本国内において頒布された特開平10-200083号公報には、図1ないし7とともに、以下の事項が記載されている。
「【0017】
【発明の実施の形態】以下、補色系のオンチップカラーフィルタが設けられているCCD型固体撮像素子に適用した本願の発明の第1?第3実施形態を、図1?5を参照しながら説明する。図1が、第1実施形態を示している。この第1実施形態の製造に際しても、図2に示す様に、赤フィルタ33a及び青フィルタ33bを平坦化膜32上でパターニングするまでは、図6、7に示した一従来例を製造する場合と実質的に同様の工程を実行する。」
「【0027】なお、第1実施形態の製造工程では、オンチップレンズ材としてフォトレジスト35、43を用い、パターニングしたフォトレジスト35、43のリフローのみによってオンチップレンズ41、45を形成している。しかし、フォトレジスト以外のオンチップレンズ材上でオンチップレンズのパターンのフォトレジストをリフローさせ、フォトレジストが残らなくなるまでフォトレジスト及びオンチップレンズ材の全面をエッチバックしてオンチップレンズを形成してもよい。
【0028】図4が、第2実施形態を示している。この第2実施形態は、200℃以下のECR-CVD法で薄く堆積させたSiN膜や薄く塗布したアクリル系樹脂膜等である保護膜47がオンチップレンズ41、45等を覆っていることを除いて、図1に示した第1実施形態と実質的に同様の構成を有している。」

そうすると、上記(5-1)において検討したように、刊行物発明において、「パッドオープン領域310」に、「バンプ電極」を形成した場合に、「低温酸化膜308」に換えて、周知の保護膜である「窒化膜」を用いることにより、本願発明のように、「バンプ形成工程中に前記マイクロレンズを保護するためのマイクロレンズ保護膜であって、該マイクロレンズ保護膜は、」「窒化膜からなる」「膜である」構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
したがって、相違点1は、当業者が容易になし得た範囲に含まれる程度のものである。

(5-3)まとめ
以上検討したとおり、本願発明と刊行物発明との相違点は、引用刊行物2に記載された技術及び周知技術を勘案することにより、当業者が容易に想到し得た範囲に含まれる程度のものにすぎず、本願発明は、引用刊行物1及び2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

6.むすび
以上のとおりであるから、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-02-27 
結審通知日 2013-03-01 
審決日 2013-03-12 
出願番号 特願2005-68378(P2005-68378)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 青鹿 喜芳  
特許庁審判長 北島 健次
特許庁審判官 池渕 立
小野田 誠
発明の名称 イメージセンサ及びその製造方法  
代理人 河村 英文  
代理人 松島 鉄男  
代理人 有原 幸一  
代理人 奥山 尚一  
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