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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04N
管理番号 1277429
審判番号 不服2010-58  
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-01-04 
確定日 2013-07-29 
事件の表示 特願2006-500247「放送番組を捕獲しかつ選択的に再生するためのシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 8月26日国際公開、WO2004/073306、平成18年 7月27日国内公表、特表2006-517757〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2004年2月6日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2003年2月12日英国、2003年8月13日米国)を国際出願日とする出願であって、平成20年5月1日付で拒絶の理由が通知され、平成20年11月7日付で意見書・手続補正書が提出され、平成21年2月9日付で最後の拒絶理由通知として拒絶の理由が通知され、平成21年8月13日付で意見書・手続補正書が提出されたものの、平成21年9月2日付で平成21年8月13日付の手続補正書による手続補正が却下されると共に、拒絶査定がなされたものである。
本件は、上記拒絶査定を不服として平成22年1月4日付で請求された拒絶査定不服審判であって、その審判請求と同時に手続補正書が提出され、当審において、前置報告書の内容について審判請求人の意見を求めるために、平成23年6月23日付で審尋がなされ、平成23年12月26日付で回答書が提出され、平成24年5月21日付で拒絶の理由が通知され、平成24年11月22日付で意見書・手続補正書が提出されている。

2.平成24年5月21日付拒絶理由通知の概要
当審において、平成24年5月21日付で通知した拒絶の理由の概要は以下のとおりである。

『本件出願は、明細書及び図面の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

平成22年1月4日付手続補正書で補正された請求項1?20,21?30,31に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。』

3.当審の判断
平成24年11月22日付手続補正書で補正された請求項1には以下のとおり記載されている。

「【請求項1】
複数の加入者に、放送番組の将来の送信を提供する方法であって、
複数の連続的な番組からなる放送チャンネルデータストリームを受信し、
前記データストリームから各番組のビデオデータおよびオーディオデータをリアルタイムで抽出し、
同時に、前記データストリームで同時に搬送される各番組のサービス情報を前記データストリームからリアルタイムで抽出し、
前記サービス情報は、特定の番組のために個々のイベント情報テーブルを搬送し、および前記サービス情報の抽出は、前記個々のイベント情報テーブルを特定の番組のために抽出することを含み、
各番組のビデオデータおよびオーディオデータを前記データ記憶手段の既知の位置に記憶し、
前記ビデオデータおよびオーディオデータが記憶される位置を識別するデータとともに、抽出された各番組の前記サービス情報を前記データ記憶手段の既知の場所に記憶し、
前記データ記憶手段に記憶された各番組の前記サービス情報を用いて、受信され前記データ記憶手段に記憶された番組のスケジュールを組み立て、および記憶する方法。」

これに対し、この出願の明細書には以下の記載がある。

「【0070】
また、BDHE2(または、SIプロセッサ19)は、データフィードを放送スケジュールサーバ(BSS)4に送信する。上述したように、BSS4は、EITを含むデータストリームからサービス情報を抽出するようにその一部が動作するローカル記憶装置を備えたコンピュータシステムとして実施されてもよい。BSS4は、番組ごとのビデオデータおよびオーディオデータを抽出しない。同じコンピュータシステムが、タイムスリップサーバ3およびBSS4に使用されてもよい。」
「【0071】
BSS4によって抽出された情報は、イベントID、番組ID、開始時刻、番組期間、番組説明、および、番組ジャンルを含む。また、さらなる情報をSIから得ることができる。情報は、ローカルデータベースに記憶され、BSS4は、チャンネルごとの番組の履歴スケジュールを組み立てるために、その情報を使用する。情報は、加入者がスケジュールを閲覧しかつスケジュールと対話するのを可能にするために、ユーザフレンドリーな形式で編集される。番組が、放送および受信されると、スケジュールは、リアルタイムに組み立てられる。また、BSS4は、特定の番組に対応づけられたいずれかの番組権利規則を識別するように動作してもよい。また、BSS4は、やがて現れる放送されるべき番組に関する情報を収集することができる。これらは、スケジュールに付加される。スケジュールは、タイムベースにリンクされ、それによって、BSS4は、現時点において、いつ番組が放送されるかが分かる。BSS4は、ヘッドエンドによって供給されるすべての放送チャンネルのスケジュールを維持する。」
「【0073】
BSS4によって整備されたスケジュールデータ15とTSS3によって生成されたスケジュールテーブル41とは、一般的には、同期をとられる。なぜなら、TSSおよびBSSの両方は、同期をとられた同じ入力放送ストリームをBDHE2から受信し、そのために、同期をとられた同じイベントテーブルを受信するからである。さらに、BSS4は、TSS3のそれぞれのチャンネルデータ記憶装置の記憶容量が分かるように構成されてもよく、それによって、番組がTSS3から削除されると、スケジュールを自動的に更新する。TSS3は、いつ番組がTSS3から削除されるかを指示する情報をBSS4に送信してもよく、それによって、得ることのできる番組の正確なスケジュールをBSS4が提供するのを可能にする。」

ここで、段落【0071】の「BSS4は、チャンネルごとの番組の履歴スケジュールを組み立てるために、その情報を使用する。」との記載からみて、請求項1に係る発明の「受信され前記データ記憶手段に記憶された番組のスケジュールを組み立て、および記憶する」の部分は、段落【0070】【0071】に記載される「放送スケジュールサーバ(BSS)4」による処理と対応するものと認められる。
しかしながら、段落【0070】の「また、BDHE2(または、SIプロセッサ19)は、データフィードを放送スケジュールサーバ(BSS)4に送信する。上述したように、BSS4は、EITを含むデータストリームからサービス情報を抽出するようにその一部が動作するローカル記憶装置を備えたコンピュータシステムとして実施されてもよい。BSS4は、番組ごとのビデオデータおよびオーディオデータを抽出しない。」、段落【0071】の「BSS4によって抽出された情報は、イベントID、番組ID、開始時刻、番組期間、番組説明、および、番組ジャンルを含む。また、さらなる情報をSIから得ることができる。」との記載からみて、この出願の発明の詳細な説明には「放送スケジュールサーバ(BSS)4」自体が独自に「データストリームからサービス情報を抽出する」ことが記載されている。

これに対し、請求項1の「前記データ記憶手段に記憶された各番組の前記サービス情報を用いて、受信され前記データ記憶手段に記憶された番組のスケジュールを組み立て、および記憶する」との記載では、請求項1に係る発明は「前記ビデオデータおよびオーディオデータが記憶される位置を識別するデータとともに、抽出された各番組の前記サービス情報を前記データ記憶手段の既知の場所に記憶し」によって既に「データ記憶手段の既知の場所に記憶」されたサービス情報を利用する形となっているところ、この出願の発明の詳細な説明では「受信され前記データ記憶手段に記憶された番組のスケジュールを組み立て、および記憶する」ために独自にサービス情報を抽出する形となっており、互いに一致していない。
また、平成24年11月22日付手続補正書で補正された本願明細書段落【0007】【0008】の記載は、特許請求の範囲の単なる複写にすぎず、文言上の記載であって実質的な記載であるとは認められない。
したがって、請求項1に記載されるこの点は、本願の出願時の周知技術に照らして、本願の明細書及び図面のすべての記載事項を総合することにより導かれる技術的事項との関係においても、発明の詳細な説明に記載されたものということはできない。

よって、平成24年11月22日付手続補正書で補正された請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。

4.審判請求人の主張
平成24年11月22日付意見書において、審判請求人はこの点について以下の通り主張している。

『(4) 次に理由Bは、本件出願は、明細書及び図面の記載が下記の点で不備のため、特許法第36第6項第1号に規定する要件を満たしていない、というものです。
・・・
この御指摘に対する審判請求人の意見は次のとおりです。
請求項1および21で意図している本願発明の本質は、リアルタイムで抽出された各番組のサービス情報およびビデオデータおよびオーディオデータがデータ記憶手段の既知の場所に記憶されること、ビデオデータおよびオーディオデータが記憶される位置を識別するデータもデータ記憶手段の既知の場所に記憶すること、データ記憶手段に記憶された番組毎のサービス情報を用いて、受信され前記データ記憶手段に記憶された番組のスケジュールを組み立てること、にあります。図面および発明の詳細な説明中には種々のデータを記憶する部分が開示されていますが、本願各請求項においては、短期間アーカイブ、長期間アーカイブを除き、データ記憶手段として総称しております。本発明においては、記憶する内容およびそれを用いて過去の放送番組のスケジュールをどのようにして組み立てるかが重要であり、データの記憶をブロック図のどの記憶要素に記憶するかは、本質的な問題ではありません。
放送後の時点で番組のスケジュールを組み立てるために用いられるサービス情報は受信時にリアルタイムで抽出され、データ記憶手段に記憶されたものだけですので、請求項1および請求項21を異なった解釈の余地がないように明確化すべく補正いたしました。なお、請求項1及び請求項21においては、最後のパラグラフのみが、過去の番組を再構成するために、番組のスケジュールを組み立てることを示しています。他の部分はどのようなデータが抽出され、記憶されるかを示しています。
以上のことと、段落[0070][0071]の記載内容との関係は、開示された本発明の実施例では、サービス情報は放送配信ヘッドエンド(BDHE)、SIプロセッサ19を介して放送スケジュールサーバBSS4で抽出され、記憶されますが、これはあくまで一実施例であって、装置設計により種々の変形があり得ることをご理解ください。』

しかしながら、審判請求人が主張するように、装置設計により種々の変形があり得るとしても、それらの中から特に「前記ビデオデータおよびオーディオデータが記憶される位置を識別するデータとともに、抽出された各番組の前記サービス情報を前記データ記憶手段の既知の場所に記憶し」によって既に「データ記憶手段の既知の場所に記憶」されたサービス情報を利用する形とすることが、本願の出願時の周知技術に照らして、本願の明細書及び図面のすべての記載事項を総合することにより導かれる技術的事項との関係においても、発明の詳細な説明に記載されたものということはできないから、この主張を採用することはできない。

5.むすび
したがって、本願は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-02-25 
結審通知日 2013-03-05 
審決日 2013-03-19 
出願番号 特願2006-500247(P2006-500247)
審決分類 P 1 8・ 537- WZ (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 脇岡 剛  
特許庁審判長 松尾 淳一
特許庁審判官 奥村 元宏
小池 正彦
発明の名称 放送番組を捕獲しかつ選択的に再生するためのシステム  
代理人 橘谷 英俊  
代理人 勝沼 宏仁  
代理人 佐藤 泰和  
代理人 吉元 弘  
代理人 川崎 康  

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