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審決分類 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 G01N
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01N
管理番号 1277632
審判番号 不服2011-25381  
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-11-25 
確定日 2013-08-08 
事件の表示 特願2004-104006「透明材料中の欠陥の検出方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成16年11月 4日出願公開、特開2004-309481〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成16年3月31日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2003年4月4日、ドイツ(DE))を出願日とする出願であって、平成23年7月20日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けにて手続補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。
さらに、平成24年3月29日付けで審尋がなされ、回答書が提出されなかったが、上申書が同年7月24日付けで請求人より提出されたものである。

第2 本件補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1 補正後の本願発明
本件補正により、補正前の特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】
a)透明材料の一定容積部分を第一放射光源で照射する工程と、
b)第二放射光源の光を前記透明材料中へ照射させ、前記容積部分中のこの光の光路が前記透明材料の内部だけに進むようにする工程と、
c)前記透明材料の前記容積部分中の前記欠陥の存在を検出するため、前記容積部分中の欠陥によって散乱された前記第二放射光源の光を検出し、 前記第一放射光源の明度視野内の光を検出し、そしてそれによって前記容積部分内の前記欠陥での欠陥によって反射される前記第一放射光源の光を検出する工程、透明材料中の欠陥の検出方法。」
と補正された。(下線は補正箇所を示す。)

本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明の
「 b)第二放射単色光源の光を前記透明材料中へ照射させ、前記容積部分中のこの光の光路が前記透明材料の内部だけに進むようにする工程と、」を
「b)第二放射光源の光を前記透明材料中へ照射させ、前記容積部分中のこの光の光路が前記透明材料の内部だけに進むようにする工程と、」とする補正を含むものであるが、該補正は、「第二放射単色光源」を「第二放射光源」と「単色」との修飾語を省いたものであり、特許請求の範囲を拡張するものであるから、特許請求の範囲の減縮ではない。
また、誤記の訂正でも明りょうでない記載の釈明でもない。
したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1?25に係る発明は、本件補正の特許請求の範囲の請求項1?25に記載された事項により特定されたものであって、その請求項1に係る発明は、次のとおりであると認める。
「【請求項1】
a)透明材料の一定容積部分を第一放射光源で照射する工程と、
b)第二放射単色光源の光を前記透明材料中へ照射させ、前記容積部分中のこの光の光路が前記透明材料の内部だけに進むようにする工程と、
c)前記透明材料の前記容積部分中の前記欠陥の存在を検出するため、前記容積部分中の欠陥からの散乱光、前記容積部分中の前記欠陥からの明度視野吸収、及び前記容積部分中の前記欠陥による前記第一放射光源からの光の偏向を検出する工程から構成される、透明材料中の欠陥の検出方法。」(以下、「本願発明」という。)

2 引用刊行物およびその記載事項(下線は当審で付与した。)
(1)本願出願前に頒布され、原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開平6-294749号公報(以下「刊行物1」という。)には、「板ガラスの欠点検査方法」について、図面とともに次の事項が記載されている。
(1-ア) 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、板ガラスの欠点、特に、板ガラスの内部に存在する泡や異物等による欠点を検査する方法に関するものである。」

(1-イ) 「【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如く反射光または透過光を検出する方式は、板ガラスの内部欠点のみならず表面に付着しているダスト等の外部欠点をも検出することになり、これらを区別することができないという問題点があった。
【0005】本発明は、従来技術の上記問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、板ガラスの内部欠点と外部欠点とを区別して、特に内部欠点を効率よく迅速に検査することができる板ガラスの欠点検査方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本願の第1発明は、板ガラスの側端面からガラス内部に照明を当て、当該板ガラスの表面側から当該板ガラスを撮像光学系により撮像して一定面積当たりの画像の明るさを検出して欠点を判定するようにしたものである。」

(1-ウ) 「【0012】本願の第7発明は、板ガラスの表面をレーザービームで走査し、欠点からの散乱光を光検出器で検出して、欠点の有無を検出し、欠点の存在により、当該板ガラスの側端面からガラス内部に照明を当て、当該板ガラスの表面側から当該板ガラスを撮像光学系により撮像して一定面積当たりの画像の明るさを検出して欠点を判定するようにしたものである。」

(1-エ) 「【0024】先ず、本願の第1発明は、図1に示すように、板ガラス(1)の側端面からガラス内部に照射光源(2)によって照明を当て、板ガラス(1)の表面側から板ガラス(1)の表面を撮像光学系(3)により撮像してその画像信号を処理し、一定面積当たり例えば、300μm四角以下の明るさを比較する一定面積当たりの欠点部分の明るさが、ある一定値以上であるかどうかで欠点判定を行なうようにしたものである。照射光源(2)は、図9に示すように、例えば、ハロゲンランプ(2a)が使用され、板ガラス(1)の側端面以外への光の漏洩を防止するため遮光スリットまたは遮光カバー(2b)が設置されている。このように板ガラス(1)の側端面から照明を当てると、光(a)は、板ガラス(1)の内外の媒質差によりその境界面となる上下面で略全反射しながら他端に向けて伝播する。しかし、途中に泡や異物等の内部欠点(b)があると、そこで光(a)が乱反射するため、この乱反射光の一部が板ガラス(1)の上下面から外部に出る。これを撮像光学系(3)により撮像する。この撮像光学系(3)は、300μm四角以下の解像限界を持つ撮像系例えば、CCDカメラを使用する。この画像信号を処理し、300μm四角以下の明るさを比較する一定面積当たりの明るさが一定値以上の部分があるか否かを検出させ、無ければ良品とし、有れば不良品と判定する。上記300μm四角以下の一定面積当たりの明るさで判定する理由は次の通りである。即ち、側端面からの照明の場合でも、板ガラス(1)の表面上の外部欠点であるダストもガラス内外の洩れた光のためにある程度は光る。特に、ダストの面積が大きい場合はダストにより乱反射する散乱光総量は内部欠点からの散乱光総量を上回ることもある。
【0025】しかし、このようなダストも例えば、300μm四角以下の面積に分けて一定面積当たりの明るさで比較すると、内部欠点(b)よりも暗くなる。この明るさを比較する一定面積の大きさを測定対象としている内部欠点(b)の光っている部分の大きさにまで小さくしてやると、図10に示すように、明るさのもっとも大きな差が得られ判別が容易となる。しかし、この明るさ比較のための一定面積を小さくすることは、撮像光学系(3)の倍率を高くする、即ち、光学系の視野を狭くすることとなり、多数の撮像光学系(3)を並べる必要が出てくる。このことはコストを高くするため、必要以上に比較面積を小さくすることは望ましくない。
【0026】従って、明るさを比較する一定面積をいくらにするかは、欠点判定すべき対象により選ぶべきである。例えば、
対象欠点 明るさ比較の一定面積
100μm以上の欠点 200?300μm四角
50μm以上の欠点 100?200μm四角
対象欠点がさらに小さくなれば、明るさ比較のための一定面積はさらに小さくしなければならない。
【0027】以上が本願の第1発明である。」

(1-オ)「【0044】第7発明では、図7に示すように、板ガラス(1)の表面をレーザー走査装置(7)のレーザービームで走査し、欠点からの散乱光(反射光)を光検出器(8)で検出して、欠点の有無を検出し、欠点の存在により、後は、第1発明の方法で欠点判定を行なわせたものである。上記レーザー走査装置(7)は、例えば、レーザー発生装置(7a)が発生するレーザービームを振動型のスキャナミラー(7b)と一定方向に回転するポリゴンミラー(7c)とで反射させて板ガラス(1)の表面全域を走査させるものである。」

上記(1-ア)?(1-オ)の記載と第1?10図を参照すると、上記刊行物1には、 次の発明が記載されていると認められる。
「板ガラス(1)の表面をレーザー走査装置(7)のレーザービームで走査し、欠点からの散乱光を光検出器(8)で検出して、欠点の有無を検出し、欠点の存在により、板ガラス(1)の側端面からガラス内部に照射光源(2)によって照明を当て、板ガラス(1)の表面側から板ガラス(1)の表面を撮像光学系(3)により撮像してその画像信号を処理し、一定面積当たりの明るさを比較する一定面積当たりの欠点部分の明るさが、ある一定値以上であるかどうかで欠点判定を行なうようにした板ガラスの内部に存在する泡や異物等による欠点を検査する方法。」(以下、「引用発明」という。)

3 対比・判断
本願明細書中に「【0033】 図2もまたガラス体3を示す図であるが、本図では該ガラス体下側に波長λ1の光を発する棒状の光源1が該ガラス体の下側または下面に対して垂直に備えられている。また、図に示すように、図示されていない別の放射光源からの波長λ2の放射光が前記ガラス体3の側縁部を通って領域5へ到達する。この波長λ2の光は前記ガラス体3中へ取り込まれて領域5中のジグザク状の線で示されるようにガラス体内部において全反射される。前記全反射された光は前記容積部分中で一部散乱された後前記検出器4へと到達する。」と記載されており、図2には波長λ1の光が通過する部分と波長λ2の光が通過する部分の重複する部分のうちの一部分である容積部分2が示されていることから、本願発明の「透明材料の一定容積部分」は、透明材料の第一放射光源で照射される部分と第二放射光源で照射される部分の重複する部分のうちの一部分である場合を含むといえる。

本願発明と引用発明とを対比する。

(3-1)引用発明の「板ガラス(1)の表面をレーザー走査装置(7)のレーザービームで走査」することが、本願発明の「第二放射単色光源の光を前記透明材料中へ照射させ」ることと相当するとする場合。

ア 引用発明の「板ガラス(1)」、および「板ガラスの内部に存在する泡や異物等による欠点を検査する方法」は、それぞれ本願発明の「透明材料」、および「透明材料中の欠陥の検出方法」に相当することは明らかである。

イ 引用発明の「板ガラス(1)の表面を」を「レーザービームで走査し」「欠点の有無を検出し」「板ガラス(1)の側端面から」「照明を当て」る「欠点判定」は、本願発明の「欠陥の存在を検出する」ものに相当する。

ウ 引用発明の「レーザービームで走査し、欠点からの散乱光」は、本願発明の「容積部分中の欠陥からの散乱光」であり、また、引用発明の「光検出器(8)で検出」するものは、本願発明の「容積部分中の前記欠陥からの明度視野吸収」を含むものである。

そうすると、両者は、
(一致点)
「a)透明材料の一定容積部分を第一放射光源で照射する工程と、
b)第二放射単色光源の光を前記透明材料中へ照射させ、前記容積部分中のこの光の光路が前記透明材料の内部だけに進むようにする工程と、
c)前記透明材料の前記容積部分中の前記欠陥の存在を検出するため、前記容積部分中の欠陥からの散乱光、前記容積部分中の前記欠陥からの明度視野吸収、及び前記容積部分中の前記欠陥による前記第一放射光源からの光を検出する工程から構成される、透明材料中の欠陥の検出方法。」
である点で一致し、以下の点で相違するといえる。

(相違点)
欠陥による前記第一放射光源からの光を検出する工程について、本願発明では、「欠陥による光の偏向を検出する」のに対して、引用発明では、「欠陥による前記第一放射光源からの光を」「撮像光学系(3)により撮像」する点。

(1)相違点についての検討
本願出願前に頒布された刊行物である特開平8-201313号公報(以下、刊行物2という。)には、「【0005】・・・透明板状体10に欠点10A等がある場合、光源12からの光が欠点10A等で屈折、反射乃至は散乱などの偏向を受けて撮像カメラ14に導かれる。」と記載されているように、透明板状体の欠点の検出において用いられる屈折、反射、散乱等を「偏向」と呼ぶことは周知の事項である。
そして、引用発明は「欠陥による前記第一放射光源からの光を」「撮像光学系(3)により撮像」するのであり、直進する照明光は、撮像光学系(3)へは到達しないので、屈折、反射、散乱した照明光について、受光していることは明らかであるから、「前記容積部分中の前記欠陥による前記第一放射光源からの光の屈折、反射、散乱を検出する工程」を含んでいるといえる。
してみると、引用発明に上記周知の事項を適用して、「屈折、反射、散乱」を「偏向」に置き換えて相違点に記載の本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到するものといえる。

(2)そして、本願発明の作用効果は、引用発明、周知の事項から当業者が予測し得る範囲内のものにすぎない。

(3-2)引用発明の「板ガラス(1)の表面をレーザー走査装置(7)のレーザービームで走査」することが、本願発明の「透明材料の一定容積部分を第一放射光源で照射する工程」に対応するとする場合。

ア 上記(3-1)のア で検討したとおりである。

イ 上記(3-1)のイ で検討したとおりである。

ウ 引用発明の「レーザービームで走査し、欠点からの散乱光」は、本願発明の「前記容積部分中の前記欠陥による前記第一放射光源からの光の偏向」であり、また、引用発明の「光検出器(8)で検出」するものは、本願発明の「容積部分中の前記欠陥からの明度視野吸収」を含むものである。

エ 引用発明の「撮像光学系(3)」は「板ガラス(1)の表面側から板ガラス(1)の表面を」「撮像」するので、「散乱光」も検出することは明らかであるから、引用発明の「板ガラス(1)の側端面からガラス内部に照射光源(2)によって照明を当て、板ガラス(1)の表面側から板ガラス(1)の表面を撮像光学系(3)により撮像してその画像信号を処理」と、本願発明の「b)第二放射単色光源の光を前記透明材料中へ照射させ、前記容積部分中のこの光の光路が前記透明材料の内部だけに進むようにする工程と、
c)前記透明材料の前記容積部分中の前記欠陥の存在を検出するため、前記容積部分中の欠陥からの散乱光、」「を検出する工程」とは、「b)第二放射光源の光を前記透明材料中へ照射させ、前記容積部分中のこの光の光路が前記透明材料の内部だけに進むようにする工程と、
c)前記透明材料の前記容積部分中の前記欠陥の存在を検出するため、前記容積部分中の欠陥からの散乱光、を検出する工程」の点で共通する。

そうすると、両者は、
(一致点)
「a)透明材料の一定容積部分を第一放射光源で照射する工程と、
b)第二放射光源の光を前記透明材料中へ照射させ、前記容積部分中のこの光の光路が前記透明材料の内部だけに進むようにする工程と、
c)前記透明材料の前記容積部分中の前記欠陥の存在を検出するため、前記容積部分中の欠陥からの散乱光、前記容積部分中の前記欠陥からの明度視野吸収、及び前記容積部分中の前記欠陥による前記第一放射光源からの光の偏向を検出する工程から構成される、透明材料中の欠陥の検出方法。」
である点で一致し、以下の点で相違するといえる。

(相違点)
第二放射光源について、本願発明では、「単色光源」であるのに対して、引用発明では、「照明光源」ではあるが単色との限定がない点。

(1)相違点についての検討
本願出願前に頒布され、原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開昭63-165738号公報には、「透明基板用欠陥検査装置」においてレーザー光を側面から透明基板中へ照射させる構成が、第1図、第2図に記載され、同じく本願出願前に頒布され、原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開2000-346802号公報には、「素子内部検査装置および方法」に関して「【0024】図1において、レーザ光源1より出射した紫外線レーザ光は、集光レンズ3により集光されてレーザ光8となり、被検素子2に側面から入射する。」と記載されているように、第二放射光源として「単色光源」を用いることは周知の事項である。
透明材料の内部だけに進むことは厚み方向に比べて長い距離を進むので、光の減衰が大きいので、厚み方向に比べて強い光量が必要ことは技術常識であるから、強い光量の光である単色光源であるレーザーを用いることは十分に動機付けがあり、阻害要因もない。
してみると、引用発明に上記周知の事項を適用して、相違点に記載の本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到するものといえる。

(2)そして、本願発明の作用効果は、引用発明、周知の事項から当業者が予測し得る範囲内のものにすぎない。

(3-3)なお、審判請求人は、審判請求書(平成23年12月27日付け手続補正書により補正されたもの)において、「即ち、出願人においては次のような請求項1に補正するつもりでありました。
「a)透明材料の一定容積部分を第一放射光源で照射する工程と、
b)第二放射単色光源の光を前記透明材料中へ照射させ、前記容積部分中のこの光の光路が前記透明材料の内部だけに進むようにする工程と、
c)前記透明材料の前記容積部分中の前記欠陥の存在を検出するため、前記容積部分中の欠陥からの散乱光、前記容積部分中の前記欠陥からの明度視野吸収、及び前記容積部分中の前記欠陥による前記第一放射光源からの光の偏光を検出する工程から構成される、透明材料中の欠陥の検出方法。」と主張しているが、本願発明の「光の偏向」を「光の偏光」と誤って記載している以外は、本願発明と同じであるから、上記(相違点)、(1)相違点についての検討と同様であり、
また、審判請求人は、審尋に対する回答書の替わりの上申書において、「出願人が審判請求時に提出したかった特許請求の範囲は、基本的には補正却下によって遡る平成21年12月25日付の手続補正書に記載された請求項1?13ですが、この内、請求項1だけが次のように明瞭に補正されたものであります。
【請求項1】
a)透明材料の一定容積部分を第一放射光源で照射する工程と、
b)第二放射光源の光を前記透明材料中へ照射させ、前記容積部分中のこの光の光路が前記透明材料の内部だけに進むようにする工程と、
c)前記透明材料の前記容積部分中の前記欠陥の存在を検出するため、
前記容積部分中の前記欠陥によって散乱された前記第二放射光源の光を検出すること、
前記第一放射光源の明度視野内の光を検出し、そしてそれによって前記容積部分中の前記欠陥による吸収を検出すること、並びに、
前記容積部分中野前記欠陥によって偏光された前記第一放射光源の光を検出すること、 からなる透明材料中の欠陥の検出方法。」と主張するが、本件補正と同様に「第二放射単色光源」を「第二放射光源」とする補正を含んでいるので、本件補正と同様の理由により却下すべきものである。

第4 むすび
したがって、本願発明は、本願出願日前に頒布された刊行物1に記載された発明および周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その他の請求項について言及するまでもなく、本願出願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-03-15 
結審通知日 2013-03-21 
審決日 2013-03-29 
出願番号 特願2004-104006(P2004-104006)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G01N)
P 1 8・ 57- Z (G01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 西村 直史  
特許庁審判長 岡田 孝博
特許庁審判官 信田 昌男
後藤 時男
発明の名称 透明材料中の欠陥の検出方法及び装置  
代理人 佐藤 嘉明  

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