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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1277651
審判番号 不服2012-14026  
総通号数 165 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-09-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-07-23 
確定日 2013-08-08 
事件の表示 特願2008- 72350号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成21年10月8日出願公開、特開2009-225890号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件に係る出願(以下「本願」という。)は、平成20年3月19日の特許出願であって、平成24年4月24日付けで拒絶査定がなされ(発送日:同年5月1日)、これに対し、同年7月23日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、その審判の請求と同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成24年7月23日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成24年7月23日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正発明
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1について、本件補正前の平成23年10月7日付け手続補正書に
「大当たり用を含む図柄を回転表示自在なリールを用いた演出を行う演出制御基板を備えた遊技機において、
前記リールは、上下方向に複数配置され、それぞれが独立して回転自在な小リールからなり、
前記演出制御基板は、
主制御基板から出力されるコマンドを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたコマンドのうち、特定の演出コマンドを検出する検出手段と、
通常の演出コマンドの受信時には、複数の前記小リールの図柄をランダムに回転させ、
前記検出手段によって前記特定の演出コマンドが検出された場合には、上下に複数の前記小リール間で前記特定の図柄を1つの図柄分ずらした状態で同期回転させることによって、上下に複数の前記小リールを用いて前記特定の図柄が当該複数の小リール間を連続的に移動するように見せるリール制御手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。」とあったものを、
「大当たり用を含む図柄を回転表示自在なリールを用いた演出を行う演出制御基板を備えた遊技機において、
前記リールの回転を停止させる演出ボタンを備え、
前記リールは、上下方向に複数配置され、それぞれが独立して回転自在な小リールからなり、
前記演出制御基板は、
主制御基板から出力されるコマンドを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたコマンドのうち、特定の演出コマンドを検出する検出手段と、
通常の演出コマンドの受信時には、複数の前記小リールの図柄をランダムに回転させ、
前記検出手段によって前記特定の演出コマンドが検出された場合には、上下に複数の前記小リール間で前記特定の図柄を1つの図柄分ずらした状態で同期回転させることによって、上下に複数の前記小リールを用いて前記特定の図柄が複数の前記小リール間を連続的に移動するように見せ、前記特定の演出コマンドが検出された場合に、前記特定の図柄で停止させるための前記演出ボタンの操作を有効にするリール制御手段と、を備え、
前記小リールの演出時に、前記特定の図柄で停止した場合に、表示部に特定の演出の表示を行うことを特徴とする遊技機。」と補正するものである。
上記補正について検討する。
本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明は、「前記リールの回転を停止させる演出ボタンを備え」なる構成を付加し、本件補正前に「特定の図柄が当該複数の小リール間を連続的に移動するように見せる」とあったものを「特定の図柄が複数の前記小リール間を連続的に移動するように見せ」ると限定し、リール制御手段について、「前記特定の演出コマンドが検出された場合に、前記特定の図柄で停止させるための前記演出ボタンの操作を有効にする」ことを限定し、さらに、「前記小リールの演出時に、前記特定の図柄で停止した場合に、表示部に特定の演出の表示を行うこと」なる構成を付加するものであり、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)否かについて検討する。

2 刊行物に記載された発明
(1)原査定の拒絶理由において提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-46626号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審により付与。以下同様。)。
ア 「【請求項1】 各々個別にステッピングモータによって駆動される複数のリールをマトリクス状に配列し、各リールの回転が停止したときに表示窓に現れた各リールのシンボルの組み合わせによって入賞の種類が識別できるようにした遊技機用シンボル表示装置において、
前記リールの回転を開始させるスタート信号が入力された後、各リールの回転が停止されるまでの間に入賞を発生させるか否かを決定する入賞決定手段と、
前記入賞決定手段で決められた入賞に対応する特定パターンのシンボルの組み合わせが前記表示窓に現れるようにステッピングモータの停止位置を制御するとともに、始動時から停止時までの所定の期間中にリールに特異なアピール回転を与えるようにステッピングモータの駆動を制御するステッピングモータ制御手段と、
各々のリールの内側にリールとは別体に配置され、互いに発光色が異なる複数の発光体を組み合わせたリール照明手段と、
前記ステッピングモータ制御手段によりリールの回転に特異なアピール回転が加えられたときに、入賞決定手段で決められた入賞の種類に応じて前記リール照明手段を駆動し、アピール回転中のリールに照明を与える照明制御手段とを備えたことを特徴とする遊技機用シンボル表示装置。」(【特許請求の範囲】)
イ 「【産業上の利用分野】本発明は、外周にシンボルが配列された複数のリールを各々個別のステッピングモータで駆動し、これらが停止したときのシンボルの組み合わせによって当りの有無や当り役が決まる遊技機用シンボル表示装置に関するものである。」(段落【0001】)
ウ 「【発明が解決しようとする課題】ところが、スロットマシンを含む従来のシンボル表示装置にあっては、上記特許公報で知られる手法を個別的に利用しているに過ぎない。したがって、当りが発生したときの表示、リーチ目の表示、さらにはリーチ目の表示の後に当りが出た場合や当りが流れた場合の表示など、さまざまな種類の表示を各々の態様で変化させようとしたときには対応しきれないのが実情である。このため、遊技者あるいはその近くで見物している人にとってはアピール度に乏しく、長く遊技を続けてゆくうちには飽きがきやすいものとなっている。
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、静的及び動的な表示機能を組み合わせることによって、場合に応じて多彩な表示態様をとることができ、演出効果の高い表示を行うことができるようにした遊技機用シンボル表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明の遊技機用シンボル表示装置は、正方マトリクス状に配列された複数のリールを始動させるスタート信号が入力された後、全リールの回転を停止させるまでの間に入賞を発生させるか否かを決定するように構成される。各々のリールは個別にステッピングモータで駆動され、入賞決定手段で決められた入賞に対応するシンボルの組み合わせが表示窓に現れるようにモータ制御手段によって停止制御される。モータ制御手段は、この停止制御のほかにリールをアピール回転させる機能を備えている。アピール回転とは、リールを始動から停止までの通常の回転とは異なる特異な回転パターンでリールを回転させることを意味しており、例えばリールを極端に低速あるいは高速で回転させたり、通常の回転方向とは逆向きにリールを回転させたり、さらには一旦停止した後のリールを再度回転させ、あるいは停止後にリールを小刻みに振動させたりすることに相当する。」(段落【0005】?【0007】)
エ 「図2にシンボル表示装置5の正面パネルを示す。3行3列に表示窓11が配列されている。各々の表示窓11の奥にリール12が回転自在に設けられ、それぞれ個別のステッピングモータによって駆動される。各リール12は、透光性を有する例えば乳白色のプラスチックで作られたリール本体と、その外周に貼り付けられた透明なシンボルシートとから構成されている。シンボルシートには、例えば「1」?「7」の数字や「スターマーク」からなるシンボルが一定個数ずつ印刷され、1個のリール12が停止したときには、対応する表示窓11から1つのシンボルだけが観察される。したがって、全てのリール12が停止すると9個のシンボルが表示される。なお、1個のリール12が停止したとき、1個のシンボルのほかに、その前後に印刷されたシンボルの一部が表示窓11から見えるようにしてもよい。
9個の表示窓11を横3列、縦3列、斜め2列に組み合わせるように、破線で示す合計8本の入賞ラインが設定されている。丸付き数字はそれぞれ入賞ラインナンバーを表す。これらの入賞ラインは全て有効であり、いずれかの入賞ライン?上で同一シンボルの組み合わせが得られたときに当りとなり、アタッカ8が開く。図示の例では、入賞ラインで「7-7-7」がそろって当りとなっている。」(段落【0013】?【0014】)
オ 「図5に上記シンボル表示装置が組み込まれたパチンコ機の電気的構成を機能ブロック図で示す。CPU30はプログラムROM31に格納されたシーケンスプログラムにしたがってパチンコ機の作動を制御する。なお、一般のパチンコ機で普通に行われる処理、例えば通常入賞穴7における入賞の有無の監視、入賞したときの景品球の払い出し処理などについては説明を省略する。
始動穴6に組み込まれた始動穴入賞センサ32によって入賞が検知されると、スタート信号発生部33からCPU30にスタート信号が入力される。CPU30は、スタート信号に応答してモータ制御部35を作動させ、それぞれドライバ44により9個のリール12が一斉に回転する。CPU30は、さらにスタート信号の入力により乱数発生部37を作動させ、これにより1個の乱数値がランダムにサンプリングされ、入賞判定部38に送られる。
入賞判定部38は、乱数発生部37で発生される全乱数値に対し、例えばその数値範囲ごとに当り役を割り当てたデータテーブルを有する。そして、サンプリングされた乱数値の値をデータテーブルと対照し、当りを発生させるか否か、当りを発生させる場合には、当り役の種類及び当りを発生させる入賞ラインを決定する。結果的に、乱数発生部37及び入賞判定部38は、リールを回転させるためのスタート信号の入力の後、リールの回転が停止するまでの間に入賞の種類、すなわちハズレ、当り、当りの種類を決めるための入賞決定手段を構成する。なお、ハズレになるものの中には、所定の入賞ライン上に同一のシンボルが2つ現れ、一つだけ(中央の一つだけに限らない)が異なったシンボルとなるいわゆるリーチ目ハズレも入賞の一種類として用意されている。また、これらの処理は、乱数を利用した抽選によって当りの有無や当たり役を決めることに相当するが、これらを決めるには他にも様々なソフト的手法を用いることが可能である。
入賞判定部38からは、決定された当り役あるいはハズレの情報及び、当りを発生させる入賞ラインの情報を含むデータコードが出力され、それぞれリールストップ信号発生部40、照明制御データメモリ41、アピール回転制御データメモリ42に送られる。リールストップ信号発生部40は、決定された入賞ライン上でその当り役を構成するシンボルが停止するように、各ステッピングモータ17の回転停止位置を表す停止位置データをCPU30に入力する。」(段落【0020】?【0023】)
カ 「ランプ制御部47は、それぞれのドライバ48を介してリールごとに設けられた白色及び赤色ランプ19a,19bの点灯制御を行う。ドライバ48、白色及び赤色ランプ19a,19bについても、その一部のみを図示してある。なお、モータ制御部35、ドライバ44、カウンタ45は中継基板15とは別体の制御基板に設けられ、またランプ制御部47及び各ドライバ48もこの制御基板に設けられている。
以上のように構成されたシンボル表示装置の作用について説明する。始動穴6で入賞が発生すると、スタート信号発生部33からCPU30にスタート信号が入力される。CPU30はモータ制御部35を介してステッピングモータ17を一斉に駆動し、全てのリール12が回転を開始する。また、乱数発生部37及び入賞判定部38により、当りを発生させるか否かが抽選により決められ、またハズレの場合でもリーチ目ハズレであるか否かが決定される。
リーチ目を伴わないハズレが抽選されたときには、そのデータコードに基づいてリールストップ信号発生部40により各リール12の停止位置が決められ、各リール12が順次に停止して一回の処理が終了する。この場合には、照明制御用データメモリ41及びアピール回転制御データメモリ42からデータ読み出しが行われることはなく、白色ランプ19aの点灯による定常照明が行われたままであり、またリール12は通常の回転の後、停止するだけである。
リーチ目ハズレ、あるいは当りが抽選された場合には、未だ全てのリール12が回転している間に、リーチ目が出ることが予告表示される。例えば図6に破線で示す斜めの入賞ライン上でリーチ目となる場合、この入賞ライン上のリール12a,12b,12cを含めて9個全てのリールが回転している間に、リール12a,12b,12cの内側に設置された白色及び赤色ランプ19a,19bのうち、赤色ランプ19bを2?3秒間点滅させる。これにより、遊技者はその入賞ライン上にリーチ目がくるということを事前に察知することができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、このリーチ目の予告表示は、リーチ目ハズレ、あるいは当りが抽選されたときの全てに行われるのではなく、又、リーチ目予告表示があった場合でも必ずしもリーチ目がくるとは限らない。リーチ目の予告表示を行うか否かは、リーチ目ハズレ又は当りが抽選されたときに、別途抽選を行って決めることができる。さらに、リールの回転やランプ19a,19bの点滅時間、点灯方法等を変化させて複数の表示パターンを設定し、当りを得る可能性の高さに応じてこのパターンを使い分けるようにすることもできる。予告表示のタイミングは全リールの回転中に限らず、全リールが通常の回転を開始する直前でもよいし、開始した直後であってもよい。例えばリールの回転直前にこの予告表示を行う場合には、全リールを一瞬小刻みに振動させてから通常の回転を開始させたり、回転を開始した直後では、各リールの赤色ランプ19bを瞬間的に点灯させたりなどの表示形態を採ることができる。
上記リーチ目予告表示とは別に当り予告表示を設け、当りが抽選されたときには全てのリール12の赤色ランプ19bを瞬間的に点灯させて当りの予告報知を行う。この当り予告表示は上述のリーチ目予告表示以上に当りに対する期待感を遊技者に与えることができる。なお、リーチ目ハズレの予告表示に全てのリールの赤色ランプ19bを瞬間的に点灯させるようにした場合には、当り予告表示に際しては、赤色ランプ19bの点灯回数を若干長くしたり、あるいは瞬間的に2回点灯させるなど、リーチ目ハズレのときとは異なる表示形態にしておくのがよい。この当りの予告表示のタイミングは全リールの回転中に行うが、リーチ目ハズレの予告表示と同様、回転を開始する直前、開始した直後のいずれに設定してもよく、またリールの動きに変化を与えるなどの方法を用いることもできる。
リーチ目が伴わない単純なハズレとなるときには、3行3列に配列されたリール12は、最初に左上及び右下コーナー部のリール2個、次に上段及び下段の各中央のリール2個、次に左列及び右列の各中央のリール2個、次に右上及び左下コーナー部のリール2個、最後に中央のリール1個と、等間隔で5段階に停止する。したがって、1?4番目までは同時に2個のリールが停止することになるため、それぞれの回転中に所定のシンボルが表示窓で停止するようにその相互間で速度調節が行われる。
一方、リーチ目が伴う場合には、上記の基本的な停止順序を踏まえた上で、リーチ目が並ぶ入賞ラインから外れた位置のリールから順次に停止してゆき、そして図6に示すように、入賞ライン上の端のリール12a,12cが停止してリーチ目が表示される。中央のリール12bが未だ回転中となっているリーチ目の表示期間中は、この入賞ライン上のリール12a,12b,12cの赤色ランプ19bを上から順にタイミングをずらして点滅させ、この入賞ライン上を赤色光が走行するような表示が行われる。
さらに、図6に示すリーチ目の表示が行われている期間中、入賞ライン上ですでに停止しているリール12a,12cは、アピール回転データメモリ42から読み出された制御データにより、それぞれのシンボル「7」が各々の表示窓から隠れない範囲内で小刻みに正転,逆転を繰り返す。これにより、ランプ照明によるリーチ目表示との相乗作用により、独特のアピールを行うことができる。なお、リール12a,12cを小刻みに正転,逆転させる代わりに、停止している他のリール、すなわちリーチ目となる入賞ラインから外れた位置で停止しているリールを小刻みに正転,逆転させてもよい。
図6のリーチ目表示の状態から中央のリール12bが停止したとき、当りにならなかった場合にはその時点で赤色ランプ19bが消灯してリーチ目表示が終了する。当りを出すことが決定されている場合には、中央のリール12bを停止させるときに、通常の正転→停止という駆動パターンとは異なり、特異な回転制御が加えられる。例えば、通常の正転→停止を行った直後に、リール12a,12cのリーチ目表示のときと同様に、リール12bを小刻みに数回正転,逆転させた後に停止させたり、あるいは通常の正転→停止を行った直後に、リール12bを正転あるいは逆転方向にゆっくりと1回転させてから停止させるなどのアーピル(注:「アピール」の誤記。)回転処理が行われる。
そして、アピール回転が終了して入賞ライン上に当りがそろうと、アタッカ開閉制御部43の作動によりアタッカ8が開放され、同時に白色及び赤色ランプ19a,19bによる当り表示が行われる。なお、ランプによる当り表示は、上記アピール回転と並行して行ってもよい。この当り表示は、リール12a,12b,12cの各赤色ランプ19bの連続点灯によって行われる。当り表示は、アタッカ8が16回の開閉を終了するまでの間、継続して行われ、遊技者はもとより周囲で見物している人に対しても非常にアピール度の高い表示となる。
さらに、当りの中にも、ノーマル当りと確率変動当りとを設定し、確率変動当たりが出たときには、次回以降に当りが発生する確率を高めるようにした確率変動型のパチンコ機に本発明を適用することも可能である。確率変動型では、通常では1回の抽選で当りが出る確率が例えば1/359であるとき、シンボルの組み合わせが例えば「3-3-3-」,「5-5-5」,「7-7-7」となる確率変動当たりが出た後は、次回以降に当りの出る確率が1/60に設定される。そして、高確率の設定状態は、例えば当りが5回出たら解除され、あるいは抽選が30回行われた時点で解除される。このような確率の切換えは、例えば乱数発生部37から発生される乱数値のとり得る値の範囲を、ハズレ側で狭めることによって簡単に対応することができる。なお、上記特定のシンボルが揃ったときの他、複数ラインに「7-7-7」が成立した場合や、全てのリール12に同一シンボルが表示されたときなどを確率変動当りにすることもできる。」(段落【0028】?【0039】)
キ 「【発明の効果】上述のように、本発明の遊技機用シンボル表示装置によれば、入賞決定手段によって決められた入賞に対応し、当りやリーチ目となるシンボルの組み合わせが得られるときには、リールの動きにアピール回転を与えるとともに、リール照明手段によってリールの内側から独特の照明を与えることができるため、これらの組み合わせにより当りやリーチ目がでるときに変化に富んだ様々な表示を行うことが可能となる。したがって、遊技者はこれらの多様な表示を楽しみながら、高い興趣のもとで遊技を継続してゆくことができるようになる。
さらに、本発明は9個のリールが3行3列の正方マトリクスに並べられ、入賞ラインの本数を多く設定することが可能なシンボル表示装置に特に有効であり、リーチ目や当りがでる入賞ラインを即座に識別するうえでも効果的である。また、入賞ライン上でリールを停止させる際、2個のリールを停止させてリーチ目の表示を行い、残りの一個をアピール回転及び照明を与えながら最後に停止させる構成にすれば、よりアピール度の高い表示を行うことができる。」(段落【0060】?【0061】)

上記ア?キの記載事項及び図面の図示内容を総合勘案すると、刊行物1には次の発明が記載されていると認められる。
「ノーマル当りや確率変動当りを含むシンボルが一定個数ずつ印刷されたシンボルシートが外周に貼り付けられたリール12を回転作動させるモータ制御部35が設けられた制御基板を具備する遊技機において、
リール12は、シンボル表示装置5の正面パネルに3行3列に配列されている各々の表示窓11の奥に、回転自在に9個設けられ、
入賞判定部38から、決定された当り役あるいはハズレの情報及び、当りを発生させる入賞ラインの情報を含むデータコードが出力されて、リールストップ信号発生部40に送られ、リールストップ信号発生部40において、データコードに基づいて各リール12の停止位置が決められ、その停止位置データをCPU30に入力し、
制御基板は、
リーチ目を伴わないハズレが抽選された場合、CPU30から入力される停止位置データに基づいて、リール12を通常回転させた後、決められた位置に停止させ、
当りが抽選された場合、CPU30から入力される停止位置データに基づいて、入賞ライン上の端のリール12a、12cが停止してリーチ目が表示され、中央のリール12bを停止させるときに、通常正転させた後、停止させる駆動パターンとは異なるアピール回転処理を行うモータ制御部35を具備し、
アピール回転処理が終了して入賞ライン上に当りがそろうと、各リール12の内側に設置された白色及び赤色ランプ19a、19bによる当り表示が行われ、
遊技者は多様な表示を楽しみながら、高い興趣のもとで遊技を継続してゆくことができる遊技機。」

(2)原査定の拒絶理由において提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2007-151921号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審により付与。以下同様。)。
ア 「【技術分野】
本発明は、パチンコ機等の遊技機に係り、特に、単調な遊技に変化を与えることにより遊技者に飽きを感じさせないようにする技術に関する。」(段落【0001】)
イ 「【発明が解決しようとする課題】
上述したように、特許文献1に開示された技術では、停止ボタンを備えることにより遊技者の技術介入性が向上するものの、実際にはこのような操作を長時間繰り返すと、飽きを感じ、遊技者が遊技に対する意欲を失いやすくなってしまい、単調な遊技を解消するための根本的な解決には至らないという欠点があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、遊技者に遊技に対する意欲を継続して持たせることができる遊技機を提供することにある。」(段落【0009】?【0010】)
ウ 「【発明の効果】
本発明に係る遊技機では、識別情報停止ゲームが開始された際には、演出画像表示手段に所定の演出画像が表示され、その後、遊技者が停止操作手段を操作して、変動表示されている識別情報を停止表示させたことに応じて、演出画像を表示内容を切り替えて表示する。したがって、遊技者に対して、停止操作手段を停止操作したことによるフィット感、満足感を与えることができ、遊技に対する意欲を継続して持たせることができる。」(段落【0019】)
エ 「7セグメントLED41の点灯・消灯によって、“0”から“9”までの10個の数字図柄が、特別図柄として変動表示される。この特別図柄として、特定の数字図柄(例えば、“7”の数字図柄;特定停止態様)が停止表示された場合は、通常遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R大当たり遊技状態(遊技者にとって有利な遊技状態の1つである特別遊技状態)に遊技状態が移行する。更に、大当たり遊技状態の終了後は、大当たり遊技状態に移行する確率が通常より高い確変状態(高確率遊技状態;以下「確変モード」という)に移行する。
また、特定の数字図柄(例えば、“5”の数字図柄)が停止表示された場合は、通常遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R大当たり遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行する。但し、大当たり遊技状態の終了後は、確変モードには移行せず、当選確率が高確率遊技状態よりも低い遊技状態(低確率遊技状態;以下「通常モード」という)となる。」(段落【0040】?【0041】)
オ 「[副制御回路の動作]
一方、副制御回路200では、主制御回路60から送信される各種のコマンドを受信し、以下のような演出を実行する。
[識別情報停止ゲーム制御処理]
図19,図20に示すフローチャートを参照して、識別情報停止ゲームの制御について以下に説明する。まず、図19のステップS1701において、メインCPU66からの演出コマンド受信処理を行う。この処理において、サブCPU206は、メインCPU66から送信された演出パターン指定コマンドを受信する。更に、ステップS1702において、受信された演出コマンドに基づいて、識別情報を可変表示した後、停止表示させる可変表示ゲームの回数をカウントする。このとき、カウント値はワークRAM210に設定される。
次いで、ステップS1703では、メインCPU66よりモード変更コマンドが受信されたか否か、即ち、通常モードから確変モードへの昇格の抽選、或いは確変モードから通常モードへの降格の抽選に当選したか否かが判定され、モード変更コマンドが受信された場合には、ステップS1704にて、上記の処理でカウントされている可変表示ゲームのカウント数をリセットする。モード変更コマンドが受信されない場合には、ステップS1705へ移行する。ここで、モード変更は、遊技者に対して与えられる遊技価値の一例である。
ステップS1705では、メインCPU66より、識別情報停止ゲームコマンドが受信されたか否かが判定される。そして、識別情報停止ゲームコマンドが受信された場合には、ステップS1706にて、3つの停止操作ボタン84a?84cの操作を有効化する。即ち、液晶表示装置32の表示部32aにて可変表示されている3桁の識別情報を、3つの停止操作ボタン84a?84cを押すことにより、停止表示可能な状態とする。
ステップS1707では、サブCPU206は、上記の可変表示ゲームのカウント数が100回以内であるか、或いは100回を超えているかを判定する。そして、100回以内である場合には、ステップS1708にて、切り替え表示確率テーブルとして、図23に示した「テーブルA」を選択する処理を行い、100回を超えている場合には、ステップS1709にて、切り替え表示確率テーブルとして、図23に示した「テーブルB」を選択する処理を行う。・・・例えば、図23に示す切り替え表示確率テーブルの、「テーブルA」が選択され、この中で、図中の符号X1に示す「動画」→「静止画」→「動画」→「静止画」の表示変化態様が抽選により選択された場合には、識別情報停止ゲーム開始時において、図5に示したように、表示領域P1で第1演出画像M1が動画で表示され、停止操作ボタン84aが押されたときに、図6に示したように、表示領域P2で第2演出画像M2が静止画で表示される。
そして、停止操作ボタン84bが押されたときには、図7に示したように、表示領域P3で第3演出画像M3が動画で表示され、更に、停止操作ボタン84cが押されたときには、図8に示したように、表示領域P4で第4演出画像M4が静止画で表示される。
即ち、遊技者により、3つの停止操作ボタン84a?84cが押される毎に、押されたタイミングで、液晶表示装置32の表示部32aに表示される演出画像を表示内容を切り替えて表示することになる。
このようにして、本実施形態に係る遊技機では、識別情報停止ゲームが開始された際に、3つの停止操作ボタン84a?84cが押される毎に、押されたタイミングで演出画像を表示内容を切り替えて表示するので、遊技者に対して、停止操作ボタン84a?84cを押したことによる、フィット感、満足感を与えることができる。その結果、遊技者に対して、識別情報停止ゲームに対する意欲を持たせることができ、全体として遊技に対する意欲を継続して持たせることができる。」(段落【0220】?【0236】)

上記ア?オの記載事項及び図面の図示内容を総合勘案すると、刊行物2には次の発明が記載されていると認められる。
「液晶表示装置32の表示部32aにて可変表示されている3桁の識別情報を停止表示可能な3つの停止操作ボタン84a?84cを備え、
副制御回路200のサブCPU206が、主制御回路60のメインCPU6から、識別情報停止ゲームコマンドを受信すると、液晶表示装置32の表示部32aにて可変表示されている3桁の識別情報を、3つの停止操作ボタン84a?84cを押すことにより停止表示可能な、識別情報停止ゲームを開始し、
識別情報停止ゲームが開始された際に、3つの停止操作ボタン84a?84cが押される毎に、押されたタイミングで演出画像を表示内容を切り替えて表示し、
遊技者が停止操作手段を操作して、変動表示されている識別情報を停止表示させたことに応じて、演出画像を表示内容を切り替えて表示することにより、遊技者に対して遊技に対する意欲を継続して持たせることができる遊技機。」

3 対比
刊行物1に記載された発明(以下「前者」という。)と本件補正発明(以下「後者」という。)とを対比する。
前者の「ノーマル当りや確率変動当りを含むシンボルが一定個数ずつ印刷されたシンボルシートが外周に貼り付けられたリール12を回転作動させるモータ制御部35が設けられた制御基板を具備する遊技機」は、その構成及び機能からみて、後者の「大当たり用を含む図柄を回転表示自在なリールを用いた演出を行う演出制御基板を備えた遊技機」に相当し、以下同様に、
前者の「リール12は、シンボル表示装置5の正面パネルに3行3列に配列されている各々の表示窓11の奥に、回転自在に9個設けられ」ることは、後者の「リールは、上下方向に複数配置され、それぞれが独立して回転自在な小リールからな」ることに、
前者の「制御基板は、リーチ目を伴わないハズレが抽選された場合、CPU30から入力される停止位置データに基づいて、リール12を通常回転させた後、決められた位置に停止させ」る「モータ制御部35」を具備することは、「制御基板」が、CPU30からのデータを受信する何らかの受信手段と、受信手段により受信されたデータから「停止位置データ」を検出する検出手段とを具備するものであり、「停止位置データ」が、演出を実行する各リール12相互間での停止位置を決める指令(コマンド)とみなせるものであり、かつ、「通常回転」が、各リール12を規則性を有さない態様の回転であることは当業者にとって明らかであるから、後者の「演出制御基板は、主制御基板から出力されるコマンドを受信する受信手段と、受信手段により受信されたコマンドのうち、特定の演出コマンドを検出する検出手段と、通常の演出コマンドの受信時には、複数の小リールの図柄をランダムに回転させ」る「リール制御手段」とを具備することに、
それぞれ相当する。
そして、前者の「制御基板は」、「当りが抽選された場合、CPU30から入力される停止位置データに基づいて、入賞ライン上の端のリール12a、12cが停止してリーチ目が表示され、中央のリール12bを停止させるときに、通常正転させた後、停止させる駆動パターンとは異なるアピール回転処理を行うモータ制御部35」を具備することと、後者の「検出手段によって特定の演出コマンドが検出された場合には、上下に複数の小リール間で特定の図柄を1つの図柄分ずらした状態で同期回転させることによって、上下に複数の小リールを用いて特定の図柄が複数の小リール間を連続的に移動するように見せ」「るリール制御手段」とは、「検出手段によって特定の演出コマンドが検出された場合には、特別な回転処理を行うリール制御手段」であることで共通する。
また、前者の「アピール回転処理が終了して入賞ライン上に当りがそろうと、各リール12の内側に設置された白色及び赤色ランプ19a、19bによる当り表示が行われ」ることは、各リール12がシンボル表示装置5を構成するものであり、また、白色及び赤色ランプ19a、19bによる当り表示が演出表示の一種といえることから、後者の「小リールの演出時に、特定の図柄で停止した場合に、表示部に特定の演出の表示を行う」ことに相当する。

したがって、両者の一致点および相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「大当たり用を含む図柄を回転表示自在なリールを用いた演出を行う演出制御基板を備えた遊技機において、
前記リールの回転を停止させる演出ボタンを備え、
前記リールは、上下方向に複数配置され、それぞれが独立して回転自在な小リールからなり、
前記演出制御基板は、
主制御基板から出力されるコマンドを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたコマンドのうち、特定の演出コマンドを検出する検出手段と、
通常の演出コマンドの受信時には、複数の前記小リールの図柄をランダムに回転させ、
検出手段によって特定の演出コマンドが検出された場合には、特別な回転処理を行うリール制御手段と、を備え、
前記小リールの演出時に、特定の図柄で停止した場合に、表示部に特定の演出の表示を行う遊技機。」

[相違点1]
本件補正発明では、リールの回転を停止させる演出ボタンを備え、リール制御手段が、特定の演出コマンドが検出された場合に、特定の図柄で停止させるための演出ボタンの操作を有効にするものであるのに対して、刊行物1に記載された発明では、当りが抽選された場合、通常正転させた後、停止させる駆動パターンとは異なるアピール回転処理を行う点。

[相違点2]
特別な回転処理による演出が、本件補正発明では、検出手段によって特定の演出コマンドが検出された場合には、上下に複数の小リール間で特定の図柄を1つの図柄分ずらした状態で同期回転させることによって、上下に複数の小リールを用いて特定の図柄が複数の小リール間を連続的に移動するように見せるものであるのに対して、刊行物1に記載された発明では、入賞ライン上の端のリール12a、12cが停止してリーチ目が表示され、中央のリール12bを停止させるときに、通常正転させた後、停止させる駆動パターンとは異なるアピール回転処理を行う点。

4 当審の判断
上記相違点1及び2について検討する。
刊行物2に記載された発明(以下「前者」という。)と本件補正発明(以下「後者」という。)とを対比する。
前者の「液晶表示装置32の表示部32aにて可変表示されている3桁の識別情報を停止表示可能な3つの停止操作ボタン84a?84c」と、後者の「リールの回転を停止させる演出ボタン」とは、前者における「3つの停止操作ボタン84a?84c」が、可変表示されている3桁の識別情報の変動を停止させる機能に加えて、演出画像を切り換える機能も有するものであることから、両者は、「可変表示手段の変動を停止させる演出ボタン」であることで共通する。
そして、前者の「副制御回路200のサブCPU206が、主制御回路60のメインCPU6から、識別情報停止ゲームコマンドを受信する」ときは、その構成及び機能からみて、後者の「特定の演出コマンドが検出された場合」に相当し、同様に、
前者の「液晶表示装置32の表示部32aにて可変表示されている3桁の識別情報を、3つの停止操作ボタン84a?84cを押すことにより、停止表示可能な、識別情報停止ゲームを開始し、識別情報停止ゲームが開始された際に、3つの停止操作ボタン84a?84cが押される毎に、押されたタイミングで演出画像を表示内容を切り替えて表示する」ことは、後者の「特定の図柄で停止させるための演出ボタンの操作を有効にする」ことに相当する。
そうすると、刊行物2に記載された発明は、「可変表示手段の変動を停止させる演出ボタンを備え、特定の演出コマンドが検出された場合、特定の図柄で停止させるための演出ボタンの操作を有効にする遊技機。」と言い換えることができる。
また、刊行物1に記載された発明及び刊行物2に記載された発明は、ともに、遊技機という同一の技術分野に属する発明であり、遊技者は多様な表示により、高い興趣のもとで遊技を継続してゆくことができるという共通の効果を奏するものである。

さらに、複数個の円筒状の回転体を互いに接近させて並行に配置し、各回転体の周表面に図柄を設け、複数個の回転体を回転させることにより演出を行う技術分野において、各回転体の周表面の図柄が所定の位相角だけずれた状態に配置し、複数個の回転体を同期かつ同一回転速度で回転させることにより、図柄が複数の回転体間で一方から他方に移動するような演出を行うことは、本願出願前に周知の技術事項である(例えば、実公昭37-20050号公報や、実公昭37-2618号公報を参照。)。
一方、刊行物1に記載された発明においては、9個のリール12を縦方向に3つずつの三組に分けることができ、そのように分けた場合、各組において、3個の円筒状のリールが上下方向に互いに接近させて並行に配置され、各リールの周表面にシンボル(図柄)が設けられ、各組のリールを回転させることにより、シンボルを用いた演出を行うものである。
そうすると、刊行物1に記載された発明は、上記周知の技術事項と同様に、複数個の円筒状の回転体を互いに接近させて並行に配置し、各回転体の周表面に図柄を設け、複数個の回転体を回転させることにより演出を行う技術分野に属する発明であるといえる。

したがって、刊行物1に記載された発明において、刊行物2に記載された発明に倣うとともに、上記周知の技術事項を適用して、各リール12の回転を停止させる演出ボタンを備え、当りが抽選された場合、アピール回転処理を行うことに換えて、上下に複数の小リール間で特定の図柄を1つの図柄分ずらした状態で同期回転させることによって、上下に複数の小リールを用いて特定の図柄が複数の小リール間を連続的に移動するように見せると共に、各リール12の回転を特定の図柄で停止させるための演出ボタンの操作を有効にさせることにより、上記相違点1及び2に係る本件補正発明の発明特定事項に到達することは当業者が容易になし得たものである。
また、本件補正発明の奏する効果は、刊行物1?2に記載された発明及び周知の技術事項から当業者が予測できた効果の範囲内のものである。

ゆえに、本件補正発明は、刊行物1?2に記載された発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5 まとめ
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成24年7月23日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成23年10月7日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「大当たり用を含む図柄を回転表示自在なリールを用いた演出を行う演出制御基板を備えた遊技機において、
前記リールは、上下方向に複数配置され、それぞれが独立して回転自在な小リールからなり、
前記演出制御基板は、
主制御基板から出力されるコマンドを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたコマンドのうち、特定の演出コマンドを検出する検出手段と、
通常の演出コマンドの受信時には、複数の前記小リールの図柄をランダムに回転させ、
前記検出手段によって前記特定の演出コマンドが検出された場合には、上下に複数の前記小リール間で前記特定の図柄を1つの図柄分ずらした状態で同期回転させることによって、上下に複数の前記小リールを用いて前記特定の図柄が当該複数の小リール間を連続的に移動するように見せるリール制御手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。」

2 刊行物に記載された発明
原査定の拒絶の理由において提示された刊行物1?2、刊行物1?2の記載事項及び刊行物1?2に記載された発明は、前記「第2[理由]2」に記載したとおりである。

3 対比
刊行物1に記載された発明と本願発明とを対比する。
本願発明は、前記「第2[理由]」において検討した本件補正発明における限定を省くものである。
そうすると、実質的に本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに、他の発明特定事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記「第2 [理由]3 対比、及び、4 当審の判断」に記載したとおり、刊行物1?2に記載された発明及び周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様に、刊行物1?2に記載された発明及び周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、刊行物1?2に記載された発明及び周知の技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願のその他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-06-12 
結審通知日 2013-06-18 
審決日 2013-06-25 
出願番号 特願2008-72350(P2008-72350)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 537- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 河本 明彦  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 木村 史郎
瀬津 太朗
発明の名称 遊技機  
代理人 酒井 昭徳  
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