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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B65D
管理番号 1278148
審判番号 不服2012-8774  
総通号数 166 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-05-14 
確定日 2013-08-15 
事件の表示 特願2007-511241「包装袋」拒絶査定不服審判事件〔平成18年10月12日国際公開、WO2006/107048〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2006年4月4日(優先権主張2005年4月4日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成24年2月9日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成24年5月14日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
そして、当審において平成25年3月1日付けで拒絶理由を通知し、これに対し、平成25年5月7日に意見書提出及び手続補正がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1に係る発明は、平成25年5月7日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1により特定される次のとおりのものと認める(以下、「本願発明」という)。
「電子レンジにより加熱するための袋であって、
少なくとも片面がシーラント層から構成される複合フィルムを用い、当該シーラント面同士を対向させて周縁部を主シール部によりシールして密封した袋状とするとともに、周縁シール部から連続した、あるいは独立して設けられた蒸気口シール部によって、袋内部に、内容物収容空間とは区画された易蒸通手段を有する領域を形成してなる電子レンジ用包装袋において、
前記複合フィルムの各層間の熱間ラミネート強度が1.5N/15mm幅?5N/15mm幅であり、かつ前記蒸気口シール部における熱間シール強度が5N/15mm幅?28N/15mm幅であることを特徴とする電子レンジ用包装袋。」

3.引用例及び引用発明
(1)当審の拒絶理由に引用された特開2004-106868号公報(以下「引用文献1」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。
(a)「本発明は、輸送や保管をするときに加わる圧力や衝撃によって剥離することなく、また、電子レンジで加熱するときに内容物を包装したまま破裂を起こさず、自動的に内圧を低下させることができる電子レンジ用包装袋に関するものである。」(段落【0001】)

(b)「しかしながら、電子レンジで加熱されて発生する蒸気を袋外に排出する際に、前記の易蒸通手段を施している部分から蒸気の抜けにくい場合があり、かかる場合において、蒸気が抜けるのに時間を要し、包装袋が著しく膨らみ、また、開封時の破裂音の発生により、消費者に恐怖感を与える場合があった。」(段落【0006】)

(c)「そこで本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意研究の結果、本発明は、電子レンジにより加熱するための袋であって、少なくとも片面がシーラント層から構成される複合フィルムを用いて、シーラント面を上面とした下部材と、シーラント面同士を向かい合わせて側部と先端辺部とをシールしたウィング部を形成し、シーラント面を下面とした上部材とを重ね合わせ、その周縁部をシールして主シール部として密封した包装袋であって、かつ、前記ウィング部内の領域に、蒸気を排出するための易蒸通手段が施されており、かつ、前記のウィング部を構成する一方の上部材のシーラント層が、低密度ポリエチレンフィルムからなり、他方の上部材のシーラント層、および、下部材のシーラント層が、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムからなることを特徴とする電子レンジ用包装袋を製造したところ、輸送時や保管時に加わる圧力や衝撃によって剥離することなく、袋を横置に載置したまま、自動的に内圧を低下させることができ、内容物として、固形食品に加えて流動性食品等の各種の飲食品を密封包装でき、速やかに蒸気が抜け、包装袋の膨らみを抑え、開封時の破裂音の発生を防止でき、消費者が安心して加熱することができる電子レンジ用包装袋を製造し得ることを見いだすに至った。」(段落【0007】)

(d)「まず、本発明にかかる電子レンジ用包装袋1を形成する各部材について説明する。
本発明にかかる電子レンジ用包装袋は、図1(a)?図1(c)に示すように、袋を平面上に載置した際に上部に位置する部分にウィング部4を設け、該ウィング部4の領域内に、後述する突出シール部54、未シール部64、および、切り込み63等からなる易蒸通手段を施すものである。
次に本発明の電子レンジ用包装袋を構成する積層体について説明する。
図1(d)に示すように、包装袋の一方の上部材を形成する積層体10aは、耐熱性基材層12、印刷層13、接着層14、低密度ポリエチレンフィルムからなるシーラント層15aの順に積層されている。
…。
図1(e)に示すように、包装袋の他方の上部材および下部材を形成する積層体10bは、耐熱性基材層12、印刷層13、接着層14、直鎖状低密度ポリエチレンフィルムからなるシーラント層15bの順に積層されている。」(段落【0009】?【0011】)

(e)「80℃以上の高温の温度領域において、後述するウィング部領域内の易蒸通手段を施した部分のシール強度が、2(N/15mm)?15(N/15mm)の範囲にあることが好ましく、、2(N/15mm)?10(N/15mm)の範囲にあることがより好ましく、かつ易蒸通手段を施した部分以外のシール強度が、20(N/15mm)?50(N/15mm)の範囲にあることが好ましい。」(段落【0013】)

(f)「以上に説明した電子レンジ用積層体10aおよび10bを、シーラント層が向かい合うように重ね合わせ、所望の被シール部をヒートシールすることによって、本発明にかかる種々の形態の電子レンジ用包装袋を製造することができる。
上記において、ヒ-トシ-ルの方法としては、例えば、バ-シ-ル、回転ロ-ルシ-ル、ベルトシ-ル、インパルスシ-ル、高周波シ-ル、超音波シ-ル等の公知の方法で行うことができる。」(段落【0023】)

(g)図1、図6から、上部材の片側部材3a(積層体10a)、下部材2および上部材の片側部材3b(積層体10b)の周縁部をシールしてウイング部4を有する密封した袋状とするとともに、ウイング部4の上端辺部のシール部5aから連続して突出シール部54、未シール部64、および、切り込み63からなる易蒸通手段を前記ウィング部4の領域内に形成している点がみてとれる。

(h)「以下に実施例をあげて本発明を更に説明する。
(実施例1)
(1)下部材2および上部材の片側部材3bの作製
耐熱性基材層12として厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムを用い、その上に、シーラント層15bとして50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムを用い、二液硬化型ポリウレタン接着剤を接着層14として用いて貼り合わせてドライラミネートし、下部材2および上部材の片側部材3bを作製した。
(2)上部材の片側部材3aの作製
次に、耐熱性基材層12として厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムを用い、その上にシーラント層15aとして50μmの低密度ポリエチレンフィルムを用い、二液硬化型ポリウレタン接着剤を接着層14として用いて貼り合わせてドライラミネートし、上部材の他側部材3aを作製した。
(3)包装袋の作製
上記で得られた上部材3a、上部材3bおよび下部材2を用いて、シール温度160℃、圧力1kg/秒、シール幅10mmで、図6に示すような包装袋(145mm×180mm)を作製した。
…。
(4)包装体の作製
この包装袋に冷凍スープ(150g)を入れ、得られた包装体のウィング部を上向きにして横置の状態で、500W電子レンジにて加熱した結果、ウィング部の長手方向の中心部に設けた突出シール部54で速やかに剥離後退し、約5分後に未シール部64内の切り込み部63から静かに蒸気が抜けた。
なお、蒸気は包装袋上部から抜けたので、内容物のふきこぼれもなかった。
(比較例1)
包装袋を構成する各部材(上部材3a、上部材3bおよび下部材2)に使用するシーラント層として、厚み50μmの低密度ポリエチレンフィルムを使用すること以外は、上記の実施例1と同様の材質、方法を用いて、図6に示すような包装袋を製造した。
…。
(比較例2)
耐熱性基材層12として、厚さ15μmの延伸ナイロンフィルムを用い、その上にシーラント層15aおよび15bとして、50μmのポリエチレン樹脂とエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂からなるイージーピールフィルム(商品名「アロマーTP11」、 昭和電工(株)製)を用い、二液硬化型ポリウレタン接着剤を接着層14として用いて貼り合わせてドライラミネートし、上部材の他側部材3aを作製した。
上記の上部材3a以外は、上記の実施例1と同様の材質、方法を用いて、図6に示すような包装袋を製造した。
…。
(実験1:シール強度測定)
実施例1、比較例1および比較例2で製造した包装袋について、図4(審決注:図6のサイドシール部にB、ウイング部の易蒸通手段にAの表示があり、図6の誤りと認める)。に示す2個所の位置にて、サンプルを15mm巾の短冊切りし、23℃および90℃で、引張試験機(オリエンテック社製)でT字剥離して測定した。
なお、引張速度は、300mm/min、つまみ間隔50mm、ロ-ドセル5kgfで行った。
上記の測定結果について、下記の表1に示す。
なお、表1中には、15mm当たりのシール強度(単位:N/15mm)を記載した。」(段落【0036】?【0039】)

(i)段落【0040】の表1から測定温度90℃での位置Aのシール強度(N/15mm)が、それぞれ、実施例1で7.7、比較例1で30.9、比較例2で3.4であることがみてとれる。

(j)「上記の測定結果より明らかなように、実施例1にかかる包装袋は、常温23℃、すなわち食品等の包装工程時や流通過程での環境温度領域において必要なシール強度を保持し、90℃、すなわち電子レンジで加熱するときの環境温度領域において、ウィング部のシール強度が低下し、ウィング部4内の突出シール部54で速やかに剥離後退し、包装袋の著しい膨張もなく、約5分後に未シール部64内の切り込み部63から静かに蒸気が抜け、内容物がこぼれることなく、安定して加熱することができるものであった。
これに対し、比較例1において、実施例1と同様に500W電子レンジにて加熱した結果、サイドシール部5dが破れ、大きな音を立てて爆発し、内容物が飛散した。
また、比較例2において、実施例1と同様に500W電子レンジにて加熱した結果、5分後に切り込み部63から静かに蒸気が抜けたものの、ウィング部4内の測定位置Aのシール強度が劣るため、冷凍時、輸送時、保管時等において、外部からの衝撃に対して弱く、場合によって、シール面から剥離して内容物の漏れを生じることもあった。」(段落【0041】)

表1の位置Aのシール強度は上記(d)(g)(h)より、ウィング部領域内の易蒸通手段を施した部分のシール強度を測定したものと認められる。
以上の記載から、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という)が記載されていると認められる。
「電子レンジにより加熱するための袋であって、
片面がシーラント層15a,15bから構成される積層体10a,10bを用い、当該シーラント層が向かい合うように重ね合わせて周縁部をシールして、ウイング部4を有する密封した袋状とするとともに、前記ウイング部の上端辺部のシール部5aから連続して突出シール部54、未シール部64、および、切り込み63等からなる易蒸通手段を前記ウィング部4の領域内に形成してなる電子レンジ用包装袋1において、
80℃以上の高温の温度領域において、前記ウィング部領域内の易蒸通手段を施した部分のシール強度が、2(N/15mm)?15(N/15mm)の範囲にある電子レンジ用包装袋。」

(2)当審の拒絶理由に周知例として引用された特開2001-287323号公報(以下「引用文献2」という。)には図面とともに以下の事項が記載されている。
(a)「本発明は、易開封性を有する積層体に関し、さらに詳細には、室温でも密着性かつ易開封性を有しながらも、電子レンジなどで加温した際には、非常にイージーピール性を有する積層体に関するものである。」(段落【0001】)

(b)「このように、消費者の食生活の変化や環境を意識した活動に伴い、容器への要求品質も大きく変化し、室温ではある程度の易開封性を有し、高温ではたやすい易開封性を求めるようになってきた。現在のところ易開封性を考慮した積層体は数々上市されているが、これらの要求に見合うものは少なく、今後の容器の品質の変化に対応した易開封性を有する積層体が必要となってきている。

本発明は、上記の課題を考慮してなされたものであり、室温と高温とで容易に、かつ円滑に開封することができる室温と高温での開封性のバランスに優れた易開封性を有する積層体およびそれを用いた蓋材と軟包装材を提供することを目的とする。」(段落【0005】?【0006】)

(c)「本発明の易開封性積層体の特徴をまとめると、(1)A層/B層間がB層を形成する樹脂の粘着性などの接着機構を利用したものであり、(2)室温においては、その層間接着強度が比較的強いが、(3)高温ではB層を構成する樹脂が軟化することで、高温時にさらに易開封性を付与するものである。このような層間剥離タイプの積層体の剥離強度の指標としては、室温における剥離強度が5?20N/15mmの範囲であり、高温時、特に70℃雰囲気下で5分放置した時のラミネート強度が0.1?10N/15mmの範囲である。…。また、ラミネート強度が0.1N/15mmより小さい値の場合は、電子レンジなどで加温され、発生した蒸気により蓋が剥がれてしまうことがある。」(段落【0019】)

(d)「これらの積層体の用途分野としては、上述したような、蓋材(電子レンジ用容器、カップ用、ブリスター包材用など)、ガゼッタ包材、3方・4方シール包材など各種包材に適応が可能である。」(段落【0025】)

(e)「剥離条件としては、室温および70℃?5分で行い、剥離速度としては300mm/min.のT型剥離により評価を行った。」(段落【0027】)

4.対比
本願発明と引用発明を対比すると、引用発明の「積層体10a,10b」、「ウイング部の上端辺部のシール部5a」、「突出シール部54」は本願発明の「複合フィルム」、「周縁シール部」、「蒸気口シール部」に相当し、引用発明の「N/15mm」は、15mm巾の短冊状サンプルの強度を表す単位であり(上記3.(1)(h)参照)、本願発明の「N/15mm幅」に相当する。
また、引用発明の「突出シール部54、未シール部64、および、切り込み63からなる易蒸通手段を前記ウィング部4の領域内に形成」することは、引用発明の切り込み63がシール部内に未シール部を設けて形成されているから、本願発明の「蒸気口シール部によって、袋内部に、内容物収容空間とは区画された易蒸通手段を有する領域を形成して」に相当すると認められ、引用発明の「(積層体の)シーラント層が向かい合うように重ね合わせて周縁部をシールして、ウイング部4を有する密封した袋状とする」は、本願発明の「(複合フィルム)のシーラント面同士を対向させて周縁部を主シール部によりシールして密封した袋状とする」に相当するものと認められる。
さらに、引用発明の「80℃以上の高温の温度領域において、前記ウィング部領域内の易蒸通手段を施した部分のシール強度」は、「(電子レンジで)加熱時の環境温度での突出シール部54のシール強度」であると認められ(上記、3.(1)(j)参照)、本願発明の「蒸気口シール部における熱間シール強度」とは、本願明細書の段落[0014]に、「本発明において「熱間シール強度」とは、形成された包装袋に、内容物として水を収容して密封し…レトルト処理1日後において、15mm幅の短冊状に切られたサンプルを、このサンプルのシール面相互を剥離できるように剥離できるように剥離試験器にチャックした状態で加熱し、環境温度が100℃に達した30秒後に、引張速度300mm/分で剥離試験を開始して、測定された値である。」と記載されていることより、レトルト処理した包装袋の「加熱時の環境での蒸気口シール部のシール強度」であると認められるので、これらは、「加熱時の環境での蒸気口シール部のシール強度」である限りにおいて一致する。
したがって、本願発明と引用発明は、
「電子レンジにより加熱するための袋であって、
片面がシーラント層から構成される複合フィルムを用い、当該シーラント面同士を対向させて周縁部を主シール部によりシールして密封した袋状とするとともに、周縁シール部から連続した蒸気口シール部によって、袋内部に、内容物収容空間とは区画された易蒸通手段を有する領域を形成してなる電子レンジ用包装袋において、
加熱時の環境での蒸気口シール部のシール強度を規定した電子レンジ用包装袋。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点]
本願発明では、「複合フィルムの各層間の熱間ラミネート強度が1.5N/15mm幅?5N/15mm幅であり、かつ前記蒸気口シール部における熱間シール強度が5N/15mm幅?28N/15mm幅である」としているのに対して、引用発明では、「80℃以上の高温の温度領域において、ウィング部領域内の易蒸通手段を施した部分のシール強度が、2(N/15mm)?15(N/15mm)の範囲にある」ものの、ラミネート強度を特定していない点。

5.判断
そこで、上記相違点について検討すると、電子レンジで内容物を加熱する電子レンジ用包装袋において、蒸気による剥離や室温と高温での開封性のバランス等を考慮して、高温での層間ラミネート強度が数N/15mm程度のもの(例えば、上記3.(2)のように、室温における剥離強度が5?20N/15mmの範囲であり、70℃雰囲気下で5分放置した時のラミネート強度が0.1?10N/15mmの範囲のもの)を用いることは周知技術である。
一方、電子レンジでの加熱において、内容物を100℃程度にまで加熱することが一般的に行われること(例えば、特開2004-115056号公報の段落【0040】参照)を考慮すれば、本願発明が加熱時の環境を「100℃に達した30秒後」と考えて、この環境での熱間ラミネート強度が「1.5N/15mm幅?5N/15mm幅」の袋体を用いたことに格別な技術的意義を見出すことはできず、この点は当業者が適宜なし得た程度の事項にすぎないと認める。
また、引用文献1では、「2(N/15mm)?15(N/15mm)の範囲にあることが好ましく」(上記3.(1)(e)参照)としながらも、電子レンジ用包装袋として不都合の生じるのは、易蒸通手段を施した部分のシール強度が30.9(N/15mm)及び、3.4(N/15mm)とした場合を、それぞれ比較例1、比較例2として示しているので、(上記3.(1)(h)?(j)参照)、易蒸通手段を施した部分のシール強度として、この間の値をもつ、3.4(N/15mm)?30.9(N/15mm)のものを採用することは当業者が容易に想到し得ることであると認める。
一方、本願発明がシール強度の上下限をそれぞれ、5(N/15mm幅)、28(N/15mm幅)としたことには技術上の臨界的意義は認められず(ちなみに、本願明細書の段落[0182]では「少なくとも前記蒸気口シール部における熱間シール強度が28N/15mm幅以下、好ましくは、5N/15mm幅?25N/15mm幅、より好ましくは5N/15mm幅?15N/15mm幅」としている)、この点は加熱時の環境や、使用袋体の強度(積層フィルムを用いた場合のラミネート強度)に応じて当業者が適宜定め得た設計的事項にすぎないと認められる。
よって、上記相違点に係る本願発明の構成は、引用発明及び周知技術から当業者が容易になし得たことである。

また、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものであり、格別顕著なものと認められない。

したがって、本願発明は引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

6.むすび
以上より、本願は、当審で通知した上記拒絶の理由によって拒絶をすべきものであり、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-06-12 
結審通知日 2013-06-18 
審決日 2013-07-03 
出願番号 特願2007-511241(P2007-511241)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B65D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 渡邊 真  
特許庁審判長 千葉 成就
特許庁審判官 熊倉 強
河原 英雄
発明の名称 包装袋  
代理人 石川 泰男  

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