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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05K 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H05K |
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管理番号 | 1279128 |
審判番号 | 不服2012-20452 |
総通号数 | 167 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2013-11-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2012-10-17 |
確定日 | 2013-09-12 |
事件の表示 | 特願2010-521567「電子装置」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 1月28日国際公開、WO2010/010625〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1.手続の経緯 本願は、2008年7月25日を国際出願日とする出願であって、平成24年7月10日付け(平成24年7月17日:発送日)で拒絶査定がなされ、これに対し、平成24年10月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、その請求と同時に特許請求の範囲を補正する手続補正がなされたものである。 第2.平成24年10月17日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成24年10月17日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.補正後の本件発明 本件補正は、平成24年4月23日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1について、 「 【請求項1】 プリント基板、前記プリント基板の所定面に設けられた複数のコネクタ、を有した基板ユニットと、 前記複数のコネクタにそれぞれ接続し、互いに逆方向を向き前記プリント基板からはみ出した第1及び第2電子機器ユニットとを備え、 前記第1及び第2電子機器ユニットは、互いに左右が逆方向を向いており、 前記第1及び第2電子機器ユニットの一方と上下が逆方向を向いた第3電子機器ユニットを備え、 前記第1及び第2電子機器ユニットのうち、少なくとも一つは、電子部品が実装された実装面が前記プリント基板の中心とは反対側の外側を向いたユニット基板を備えている、電子装置。」 とあったものを 「 【請求項1】 プリント基板、前記プリント基板の所定面に設けられた複数のコネクタ、を有した基板ユニットと、 前記複数のコネクタにそれぞれ接続し、互いに逆方向を向き前記プリント基板からはみ出した第1及び第2電子機器ユニットとを備え、 前記第1及び第2電子機器ユニットは、互いに左右が逆方向を向いており、 前記第1及び第2電子機器ユニットの一方と上下が逆方向を向いた第3電子機器ユニットを備え、 前記第1、第2、及び第3電子機器ユニットは、それぞれ、前記複数のコネクタにそれぞれ接続された第1、第2、及び第3ユニット基板を備え、 前記第1、第2、及び第3ユニット基板のうち2つは、前記コネクタが接続された面が互いに逆方向を向き、 前記第1及び第2ユニット基板の少なくとも一方は、電子部品が実装された実装面が前記プリント基板の中心とは反対側の外側を向いている、電子装置。」 と補正することを含むものである。(下線は補正箇所を示すために審判請求人が付したものである。) 上記補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項としての第1、第2、及び第3電子機器ユニットに関して、 「前記第1、第2、及び第3電子機器ユニットは、それぞれ、前記複数のコネクタにそれぞれ接続された第1、第2、及び第3ユニット基板を備え、前記第1、第2、及び第3ユニット基板のうち2つは、前記コネクタが接続された面が互いに逆方向を向き、」との限定を付し、 補正前に、「前記第1及び第2電子機器ユニットのうち、少なくとも一つは、電子部品が実装された実装面が前記プリント基板の中心とは反対側の外側を向いたユニット基板を備えている、」とあったものを、 補正後に、「前記第1及び第2ユニット基板の少なくとも一方は、電子部品が実装された実装面が前記プリント基板の中心とは反対側の外側を向いている、」と限定するものであり、かつ、補正後の請求項1に記載された発明は、補正前の請求項1に記載された発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。 そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 2.引用文献の記載事項 (1)原査定の拒絶の理由に引用された、本願の国際出願前に頒布された刊行物である実願昭60-89768号(実開昭61-205194号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献1」という。)には、図面(特に、第3図を参照。)と共に、以下の事項が記載されている。 ア.「2.実用新案登録請求の範囲 電子部品(3)が実装された複数のサブボ-ド(2)と、 該サブボ-ド(2)が第1のコネクタ(4)を介して接続されるよう係止されたマザ-ボ-ド(1)と、 該マザ-ボ-ド(1)に固着された第2のコネクタ(5)と、 該第2のコネクタ(5)に接続される第1のケ-ブル(7)とを備えた実装装置であって、 前記マザ-ボ-ド(1)の外形より前記サブボ-ド(2)を突出させて突出部(2A)を形成すると共に、 該突出部(2A)には前記第1のコネクタ(4)に併設して、第2のケ-ブル(8)が接続される第3のコネクタ(6)が設けられて成ることを特徴とする実装装置。」(明細書1頁4行ないし2頁1行) イ.「このようなプリント基板より成る電子機器としては一般的にマザ-ボ-ドに複数のサブボ-ドを装着することによって形成されている。 したがって、装置の小型化を図るにはこのようなマザ-ボ-ドとサブボ-ドとより成るプリント板ユニットを如何に高密度実装化するかが大きな課題である。」(明細書3頁3行ないし同頁9行) ウ.「第2図の(a)(b)に示すように、マザ-ボ-ド1には第1のコネクタ4のコネクタ4Bと第2のコネクタ5のコネクタ5Bと第3のコネクタ6のコネクタ6Bとを固着し、」(明細書7頁1行ないし同頁4行) エ.「また、第3図に示すように構成することも可能であり、この場合も同等の効果が得られる。 マザ-ボ-ド1にたいしてサブボ-ド2を2列に配列させそれぞれの端部の突出部2Aに第3のコネクタ6を設け第2のケーブル8が挿脱されるようにしたものである。」 (明細書7頁17行ないし8頁2行) 上記記載事項及び図示内容から、以下の事項が認められる。 オ.第3図では、マザ-ボ-ド(1)の左右それぞれに上下4枚のサブボ-ド(2)を備えており、「“右側一番上”のサブボ-ド(2)」及び「“右側一番下”のサブボ-ド(2)」とを備えていると共に、「“右側一番上”のサブボ-ド(2)」と「“左側一番上”のサブボ-ド(2)」は第1のコネクタ(4)の接続部から左右が逆方向を向いて伸びマザ-ボ-ド(1)の外形から突出して配置されている。また、記載事項ア及び第1図を参酌すれば、各サブボ-ド(2)は、マザ-ボ-ド(1)の複数のコネクタ4Bにそれぞれ接続されると共に、該第1のコネクタ(4)が配置されている面を実装面として電子部品が実装されていることが理解できるので、第3図に示された電子機器は、複数のコネクタ4Bにそれぞれ接続し、マザ-ボ-ド(1)の外形から突出した「電子部品(3)が実装された“右側一番上”のサブボ-ド(2)」及び「電子部品(3)が実装された“右側一番下”のサブボ-ド(2)」とを備え、前記「電子部品(3)が実装された“右側一番上”のサブボ-ド(2)」と左右が逆方向を向いた「電子部品(3)が実装された“左側一番上”のサブボ-ド(2)」を備えている。 カ.第3図では、右側一番上のサブボ-ド(2)は、電子部品(3)が実装された実装面は、上方を向いているから、マザ-ボ-ド(1)の中心とは反対側の外側を向いて配置されているといえる。 これら記載事項、図示内容及び認定事項を総合し、本願補正発明の記載ぶりに倣って整理すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。 「マザ-ボ-ド(1)、前記マザ-ボ-ド(1)の所定面に設けられた複数のコネクタ4B、を有し、 前記複数のコネクタ4Bにそれぞれ接続し、前記マザ-ボ-ド(1)の外形から突出した電子部品(3)が実装された右側一番上のサブボ-ド(2)及び電子部品(3)が実装された右側一番下のサブボ-ド(2)とを備え、 前記電子部品(3)が実装された右側一番上のサブボ-ド(2)と左右が逆方向を向いた電子部品(3)が実装された左側一番上のサブボ-ド(2)を備え、 前記電子部品(3)が実装された右側一番上のサブボ-ド(2)、電子部品(3)が実装された右側一番下のサブボ-ド(2)、電子部品(3)が実装された左側一番上のサブボ-ド(2)は、それぞれ、前記複数のコネクタ4Bにそれぞれ接続され、 前記右側一番上のサブボ-ド(2)は、電子部品(3)が実装された実装面が前記マザ-ボ-ド(1)の中心とは反対側の外側を向いている、電子機器。」 (2)原査定の拒絶の理由に引用された、本願の国際出願前に頒布された刊行物である実願昭48-79350号(実開昭50-27345号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献2」という。)には、図面(特に、第3図を参照。)と共に、以下の事項が記載されている。 サ.「ユニット枠に複数枚のプリント板を固定してなるプリント板ユニットにおいて,切起しを有する放熱板を該ユニット枠に取付け,該放熱板に絶縁物を介してプリント板を固定し,且前記切起しに前記プリント板のアース回路を接続する構成としたプリント板ユニット。」(明細書1頁 実用新案登録請求の範囲) シ.「最近回路の高密度実装化,集積回路化に伴い,プリント板ユニットのプリント板の実装枚数が増加していく傾向にある。例えば従来2枚程度だったものが,2枚以上実装されるようになつてきた。」(明細書1頁14行ないし同頁17行) ス.「第2図は,本考案による構成の分解斜視図,第3図は本考案による構成の平面図,第4図は第2図A-A’の断面図である。(略) 次にプリント板5に,切起し10を有する放熱板4を絶縁物11を介してネジ止めし,該放熱板4上には発熱する部品,例えば集積回路2等を第4図の如く配置する。 切起し10にはプリント板5のア-ス回路を接続する。ユニット枠支持板9の両側に,前記放熱板4をネジ止めする。 放熱板4をユニット枠1にネジ止めした構成を第3図に平面図で示す。 第3図の様な構成のプリント板ユニットを通風孔12,12’を上下に有するシ-ルドケ-ス13に挿入する。」(明細書3頁12行ないし4頁9行) セ.「部品数が減少するため1枚のプリント板当りの専有容積が多くとれ従つて対流による放熱の効率が上昇する。 尚,プリント板ユニットの対流はシ-ルドケ-ス13の通風孔12,12’によつて行われる。」(明細書5頁9行ないし同14行) これら記載事項、図示内容を総合すると、引用文献2には、以下の事項(以下、「引用文献2記載されている事項」という。)が記載されている。 「ユニット枠に4枚のプリント板を固定してなるプリント板ユニットにおいて、各プリント板には集積回路を実装すると共に、2枚ずつのプリント板をユニット枠支持板を挟んで集積回路を配置する面を互いに逆方向を向けて配置すること」 3.対比 本願補正発明と引用発明1とを対比すると、その意味、機能または構造からみて、 後者の「マザ-ボ-ド(1)」は、前者の「プリント基板」に相当する。以下同様に、 「マザ-ボ-ド(1)、マザ-ボ-ド(1)の所定面に設けられた複数のコネクタ4B、を有し」たものは、「基板ユニット」に、 「コネクタ4B」は、「コネクタ」に、 「マザ-ボ-ド(1)の外形から突出した」は、「プリント基板からはみ出した」に、 「電子部品(3)が実装された右側一番上のサブボ-ド(2)」は、「第1電子機器ユニット」に、 「電子部品(3)が実装された右側一番下のサブボ-ド(2)」は、「第2電子機器ユニット」に、 「右側一番上のサブボ-ド(2)」、「右側一番下のサブボ-ド(2)」、及び「左側一番上のサブボ-ド(2)」は、「第1ユニット基板」、「第2ユニット基板」、及び「第3ユニット基板」に、 「右側一番上のサブボ-ド(2)は、電子部品(3)が実装された実装面が前記マザ-ボ-ド(1)の中心とは反対側の外側を向いている」は、「第1及び第2ユニット基板の少なくとも一方は、電子部品が実装された実装面が前記プリント基板の中心とは反対側の外側を向いている」に、それぞれ相当する。 また、引用発明1の(引用文献1の第3図に示された)電子機器を左90度に回転させた位置関係で見ると、「電子部品(3)が実装された“右側一番上”のサブボ-ド(2)と“左右”が逆方向を向いた」「電子部品(3)が実装された“左側一番上”のサブボ-ド(2)」は、 「第1及び第2電子機器ユニットの一方と“上下”が逆方向を向いた」「第3電子機器ユニット」に、相当する。 そこで、両者は、本願補正発明の用語を用いて表現すると、次の点で一致する。 [一致点] 「プリント基板、前記プリント基板の所定面に設けられた複数のコネクタ、を有した基板ユニットと、 前記複数のコネクタにそれぞれ接続し、前記プリント基板からはみ出した第1及び第2電子機器ユニットとを備え、 前記第1及び第2電子機器ユニットの一方と上下が逆方向を向いた第3電子機器ユニットを備え、 前記第1、第2、及び第3電子機器ユニットは、それぞれ、前記複数のコネクタにそれぞれ接続された第1、第2、及び第3ユニット基板を備え、 前記第1及び第2ユニット基板の少なくとも一方は、電子部品が実装された実装面が前記プリント基板の中心とは反対側の外側を向いている、電子装置。」 そして、両者は次の点で相違する。 [相違点1] 本願補正発明は、「第1及び第2電子機器ユニットは、互いに左右が逆方向を向いて」いるのに対して、 引用発明1は、「電子部品(3)が実装された“右側一番上”のサブボ-ド(2)」及び「電子部品(3)が実装された“右側一番下”のサブボ-ド(2)」は、引用発明1の(引用文献1の第3図に示された)電子機器を左90度に回転させた場合に、左右の位置関係で配置されているが、左右が逆方向を向いて配置されているか明らかでない点。 [相違点2] 本願補正発明は、「第1、第2、及び第3ユニット基板のうち2つは、前記コネクタが接続された面が互いに逆方向を向き」であるのに対して、 引用発明1は、引用発明1の(引用文献1の第3図に示された)電子機器を左90度に回転させた場合に、かかる構成を有していない点。 4.判断 (1)上記相違点1について検討する。 引用文献2には、上記のとおり、「ユニット枠に4枚のプリント板を固定してなるプリント板ユニットにおいて、各プリント板には集積回路を実装すると共に、2枚ずつのプリント板をユニット枠支持板を挟んで集積回路を配置する面を互いに逆方向を向けて配置すること」が記載されている。 引用文献2の記載事項サ及びセには、切起しを有する放熱板をユニット枠に取付けることで、対流による放熱の効率が上昇を図ることが記載され、上記引用文献2に記載されている事項による放熱効果については記載されていないが、熱源である集積回路が4枚すべてのプリント板で同じ方向を向くよりは、2枚は逆方向を向けて配置する方が、熱の放散が多方向に行われ、対流による放熱の効率が高くなることは技術常識であるから、上記引用文献2に記載されている事項も放熱の効率の向上に寄与していることは明らかである。 そして、引用文献2に記載されている事項は、引用発明1と同じ電子機器のプリント板の配置に関するものであり、また、引用発明1は記載事項イに「装置の小型化を図るにはこのようなマザ-ボ-ドとサブボ-ドとより成るプリント板ユニットを如何に高密度実装化するかが大きな課題である。」と記載されているように、プリント板ユニットを高密度実装化するものであり、実装される電子部品から熱が発生することは技術常識であるところ、電子部品を実装したプリント板ユニットを高密度実装化すれば、容積あたりに発生する熱の量も多くなり、その放熱・冷却を図ることは当業者であれば当然考慮する事項といえるから、引用発明1に引用文献2に記載された事項を適用する動機付けは十分にあるといえ、引用発明1に引用文献2に記載された事項の適用を妨げる特別な事情もない。 してみると、放熱・冷却の観点から、引用発明1に引用文献2に記載されている事項を適用し、引用発明1の「電子部品(3)が実装された“右側一番下”のサブボ-ド(2)」を「電子部品(3)が実装された“右側一番上”のサブボ-ド(2)」に対して電子部品(3)を実装する面を互いに逆方向を向けて配置することは当業者であれば適宜になし得ることであり、この変更を施せば、引用発明1の電子機器を左90度に回転させた場合に、「電子部品(3)が実装された“右側一番上”のサブボ-ド(2)」及び「電子部品(3)が実装された“右側一番下”のサブボ-ド(2)」は互いに左右が逆方向を向く構成となる。 よって、引用発明1において、上記相違点1に係る本願補正発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (2)上記相違点2について検討する。 相違点1で検討したとおり、引用発明1の「電子部品(3)が実装された“右側一番下”のサブボ-ド(2)」を「電子部品(3)が実装された“右側一番上”のサブボ-ド(2)」に対して電子部品(3)を実装する面を互いに逆方向を向けて配置すれば、電子部品(3)の実装面とコネクタ4Bとの接続部位は同一面にあることから、引用発明1の「電子部品(3)が実装された“右側一番下”のサブボ-ド(2)」と「電子部品(3)が実装された“右側一番上”のサブボ-ド(2)」はコネクタ4Bが接続された面も互いに逆方向を向くことになる。 よって、引用発明1において、上記相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (3)格別な効果について 本願補正発明による効果も、引用発明1及び引用文献2に記載されている事項から当業者が予測し得た程度のものであって、格別のものとはいえない。 したがって、本願補正発明は、引用発明1及び引用文献2に記載されている事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 5.むすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3.本願発明について 1.本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし4に係る発明は、平成24年4月23日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、前記「第2.[理由]1.」に記載したとおりである。 2.引用文献の記載事項 引用文献の記載事項は、前記「第2.2.」に記載したとおりである。 3.対比・判断 本願発明は、本願補正発明から、前記「第2.[理由]1.」に記載した各限定事項を省くものである。そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに、前記「第2.[理由]1.」の限定事項により減縮したものに相当する本願補正発明が、前記「第2.3.及び4.」に記載したとおり、引用発明1及び引用文献2に記載されている事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、実質的に同様の理由により、引用発明1及び引用文献2に記載されている事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4.むすび 以上のとおり、本願発明(請求項1に係る発明)は、引用発明1及び引用文献2に記載されている事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2013-07-11 |
結審通知日 | 2013-07-16 |
審決日 | 2013-07-29 |
出願番号 | 特願2010-521567(P2010-521567) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(H05K)
P 1 8・ 121- Z (H05K) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 内田 博之 |
特許庁審判長 |
島田 信一 |
特許庁審判官 |
森川 元嗣 山岸 利治 |
発明の名称 | 電子装置 |
代理人 | 片山 修平 |