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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G02B
管理番号 1279887
審判番号 不服2012-10889  
総通号数 167 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-11-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-06-12 
確定日 2013-10-04 
事件の表示 特願2007-152266「光通信用フェルール及び光コネクタ」拒絶査定不服審判事件〔平成20年12月18日出願公開、特開2008-304731〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
1 手続の経緯
本願は、平成19年6月8日の出願であって、平成24年1月6日に手続補正がなされ、同年3月12日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月12日に拒絶査定不服審判請求がなされるとともに、これと同時に手続補正がなされた後、当審において、平成25年4月8日付けで前記平成24年6月12日付けの手続補正が却下されるとともに、同日付けで拒絶理由が通知され、同年6月10日に手続補正がなされたものである。

2 本願発明
本願の請求項に係る発明は、平成25年6月10日になされた手続補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定されるものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。
「光ファイバ挿入端側から光接続端側へ貫通する光ファイバ保持孔を有し、光接続端側の先端部に光ファイバ保持孔が開口した対向面と、該対向面と連続した案内面とを有する筒状の光通信用フェルールであって、前記対向面は光ファイバ保持孔に挿入固定した光ファイバの、フェルール先端から突出した光ファイバを研磨する前に曲率半径が5?30mmの曲面状に形成されているとともに、案内面は、光ファイバ保持孔に挿入固定した光ファイバの、フェルール先端から突出した光ファイバを研磨する前に形成された曲率半径が0.2?1.0mmであり、前記対向面との境界部にエッジを形成することなく連続した曲面部と、該曲面部とフェルール側面部との間の傾斜部とを有し、フェルール先端から、案内面の傾斜部とフェルール側面部との連続部までの軸方向の距離が0.5±0.15mm、先端から、案内面の曲面部と傾斜部との連続部までの軸方向の距離が0.12?0.41mmであるとともに、対向面と案内面の曲面部の面積が、先端部全体の面積の24?82%を有していることを特徴とする光通信用フェルール。」

3 刊行物の記載及び引用発明
(1)引用文献1及び引用発明1
当審において通知した拒絶の理由に引用した、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平11-194233号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある(下線は当審にて付した。以下同じ。)。
ア 「【0006】【課題を解決するための手段】そこで、この発明はフェルール単体を予め中心軸上に有する小穴と凸球面の頂点とを一致するように端面研磨をしておき、該フェルール内の小穴内に光ファイバを接着剤を用いて固定した後、フェルール先端から露出した光ファイバのみ、該フェルールと同一端面となるよう研磨するようにした。
【0007】【発明の実施の形態】本発明においては、中心に貫通孔を有する円筒管からなるフェルールと、前記貫通孔に挿入固定された光ファイバを有し、前記フェルールの端面と前記光ファイバの端面が前記光ファイバの中心線の位置に曲率中心を有し、かつ凸球面を有する光ファイバコネクタプラグを製造するために、フェルールの一方の端面を凸球面にし、貫通孔に前記光ファイバを挿入し固定し、フェルールの端面を、台座上に弾性体を介してプラスチックフィルムを配置した研磨盤に押圧し、研磨する方法を用いた。
【0008】そこで、予め凸球面を形成しているので、光ファイバを固定した後の研磨においては、フェルール端面の研磨は必要最小限で済み、主として光ファイバと接着剤のみ研磨することとなり、研磨時間の短縮と研磨盤の摩耗防止およびフェルール端面の研磨により発生するセラミック粉による光ファイバ表面の傷の発生を防止することができる。」

イ 「【0011】【実施例】以下に、実施例により本発明を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例として、ブリドーム・フェルールに光ファイバを挿入する前の状態を示す。フェルール先端は光ファイバの中心紬上にフェルール先端の曲率の中心がくるようにするため、フェルール1の中心紬に位置する小穴2の中心に凸球面3の頂点がくるよう予め瑞面研磨加工を行う。以下、このように凸球面加工されたフェルールをプリドーム・フェルール1と名付ける。
【0012】通常、この曲率半径は20mmあるいは60mmに設定される。この凸球面加工はファイバ4が組込まれていない状態で行えばよいので、加工治具やワークの段取り等が非常に簡単で扱い易くなることと、フェルールを回転して加工することにより曲率の一様性が得られることや小穴2と球面3の一致度がすぐれている等、量産性や加工精度を向上できる大きな特徴を持つ。
【0013】次に、このプリドーム・フェルール1内に接着剤5を充填し、又光ファイバ4に接着剤5を付着した後、光ファイバ4をこのプリドーム・フェルール1内に挿入する。この後、接着剤を熱硬化させるわけであるが、熱硬化させた後のフェルール端面部における露出したファイバ周辺に形成させる接着剤層の大きさや形状をどうするかが次の研磨工程を効率良く行うために極めて重要である。・・・
【0015】最後の工程は図3に示すように光ファイバ4の研磨処理である。研磨に先立って、フェルール瑞面の接着剤層7から露出した光ファイバ4をカッター8等を用いて除去する。そして、フェルール端面を粗い砥石9の上で数回摺り合わせ、ファイバ切断に発生したファイバ面のバリや凸起をなくし、ファイバ4と接着剤層7とはぼ同一面になるよう処理しておく。
【0016】この前処理を終えて、光ファイバを内部に固着したプリドーム・フェルール1を研磨治具10にセットして光ファイバ4ならびに周辺に付着する接着剤層7を一緒に直角研磨処理を行う。図4に本発明のフェルール端面の研磨方法を示している。すなわち、治具10にくわえられたフェルール1を台座13の上に弾性体11と薄いプラスチックフィルム12を貼りつけて構成した研磨盤上に押し付け、フェルール先端部の押しつけ圧力により研磨板はごくわずか凹状に撓み変形する。この状態で、研磨盤を回転させ、取付け用治具10を左右に揺動させる運動とにより摺り合わせる。研磨の進行につれ、ファイバとその周辺を覆う接着剤7とが徐々に削られ、フェルール中心にある光ファイバ4に向かって研磨が進む中、フェルール端面がもつ球面形状はおかされることなく、光ファイバ4とフェルール1とが同一端面となったとき研磨を終了する。」

ウ 図1は、以下のものである。


エ 上記ア及びイの記載を踏まえて、ウの図1をみると、引用文献1のプリドームフェルール1は、光ファイバ挿入端側から光接続端側へ貫通する小穴2を有し、光接続端側の先端部に小穴2が開口した凸球面3を有する筒状のものであることがみてとれる。

オ 引用発明1
上記アないしエによれば、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明1」という。)。
(なお、上記イの摘記事項中の、「中心紬」及び「瑞面」は、明細書の他の記載に照らして、それぞれ「中心軸」及び「端面」と解した。)

「フェルール単体を予め中心軸上に有する小穴と凸球面の頂点とを一致するように端面研磨をしておき、該フェルール内の小穴内に光ファイバを接着剤を用いて固定した後、フェルール先端から露出した光ファイバのみ、該フェルールと同一端面となるよう研磨するようにした、光ファイバ挿入端側から光接続端側へ貫通する小穴を有し、光接続端側の先端部に小穴が開口した凸球面を有する筒状のプリドーム・フェルールであって、
前記プリドーム・フェルールは、フェルールの中心軸に位置する小穴の中心に凸球面の頂点がくるよう予め端面研磨加工され、
前記凸球面加工は光ファイバが組込まれていない状態で行えばよく、
次に、光ファイバをこのプリドーム・フェルール内に挿入し、
最後に光ファイバの研磨処理をするプリドーム・フェルール。」

(2)引用文献2及び引用発明2
当審において通知した拒絶の理由に引用した、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2002-156551号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0017】図1は本実施例の光コネクタ用フェルール(以下、フェルールと略称する)Fを示し、該フェルールFには中央に光ファイバを収納する貫通した貫通孔26が形成されている。また、先端面23には曲率半径が1mm≦R1<10mmの略球面形状である凸球面を有しており、その後側には外周部21とのつなぎ部として20°?60°のテーパー角を有する円錐台形状をした挿入ガイド22が設けられ、他方、後端部24には円錐台形状である光ファイバ挿入部25を設けた形状となっている。
【0018】又、前記光コネクタ用フェルールに光ファイバを挿入接着固定した後、先端面23を研磨仕上げした光ファイバ固定具を図2に示す。光コネクタ用フェルールFの後端にはフランジ40が接着もしくは圧入等で固定されている。光ファイバ41が貫通孔26に接着剤42にて固定されており、先端面23は貫通孔26を中心とした第二の曲面部分28とその外周部である第一の曲面部分29からなる2段曲面形状であり、第一の曲面部分29の曲率半径が1mm≦R1<10mmの範囲にあり、第二の曲面部分28の曲率半径が10mm≦R2≦25mmの範囲にある。
【0019】ここで、第二の曲面部分28の曲率半径を10mm≦R2≦25mmの範囲としたのは、光コネクタのフェルールFの先端面23の規格が曲率半径10?25mmと規定されているので同じ範囲内とした。」

イ 「【0020】又、第一の曲面部分29の曲率半径が1mm≦R1<10mmの範囲としたのは、R1を10以上とすると、光ファイバ41接着固定後の先端面23の研磨時に第一の曲面部分29が削れてしまい、研磨時間を短くできなくなるからである。つまり、第一の曲面部分29は、研磨仕上げする前のフェルール段階での曲面が研磨仕上げ加工後においても加工されずに残っている部分である。また、曲率半径R1を1mm未満としたのは、外径φ2.5mmフェルールの場合には、挿入ガイド22と先端面23の境界部である角部分27の直径が約φ2.0mmなので、曲率半径R1を1mm未満にすることは不可能になるからである。
【0021】第一の曲面部分29と第二の曲面部分28の境界部30は曲率半径の微妙な変化部なので肉眼では判別しにくいが、形状測定器等で測定すると判別できうる。・・・
【0026】本発明の光がファイバ固定具の先端面23の形状を図3に示す。第一の曲面部分29と第二の曲面部分28が境界部30を境にして曲率半径を変化させた形状になっている。図3からも判断できるように、予め形成された第一の曲面部分29から仕上げ研磨にて取り除かれる第二の曲面部分28の加工除去部分31は極めて少なくてすむことがわかる。
【0027】しかも、第一の曲面部分29の曲率半径R1と第二の曲面部分28の曲率半径を近い値にすればする程、仕上げ研磨にて加工除去部分は少なくなるが、近すぎると第一の曲面部分29まで研磨してしまうので、注意が必要である。」

ウ 図2、3は、以下のものである。


エ 引用発明2
上記アないしウによれば、引用文献2には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明2」という。)。

「中央に光ファイバを収納する貫通した貫通孔が形成され、先端面には略球面形状である凸球面を有しており、その後側には外周部とのつなぎ部としてテーパー角を有する円錐台形状をした挿入ガイドが設けられる光コネクタ用フェルールであって、
前記光コネクタ用フェルールに光ファイバを挿入接着固定した後、先端面を研磨仕上げし、
前記先端面は貫通孔を中心とした第二の曲面部分とその外周部である第一の曲面部分からなる2段曲面形状であって、
前記第一の曲面部分の曲率半径が1mm≦R1<10mmの範囲にあり、前記第二の曲面部分の曲率半径が10mm≦R2≦25mmの範囲にあり、
前記第二の曲面部分の曲率半径は、光コネクタのフェルールの先端面の規格と同じ範囲内とした光コネクタ用フェルール。」

4 対比・判断
(1)引用発明1と本願発明を対比する。
ア 引用発明1の「小穴」、「凸球面」及び「プリドームフェルール」は、本願発明の「光ファイバ保持孔」、「(曲面状の)対向面」及び「光通信用フェルール」にそれぞれ相当する。

イ 引用発明1の「プリドームフェルール」は、フェルールの中心軸に位置する小穴の中心に凸球面の頂点がくるよう予め端面研磨加工を光ファイバが組込まれていない状態で行えばよく、次に、光ファイバをこのプリドーム・フェルール1内に挿入し、最後に光ファイバの研磨処理をするものであるから、凸球面は、光ファイバが組込まれて、研磨する前に凸球面に形成されているといえる。
そうすると、引用発明1は、本願発明の、「対向面は光ファイバ保持孔に挿入固定した光ファイバの、フェルール先端から突出した光ファイバを研磨する前に曲率半径が5?30mmの曲面状に形成されている」との発明特定事項のうち、「対向面は光ファイバ保持孔に挿入固定した光ファイバの、フェルール先端から突出した光ファイバを研磨する前に曲面状に形成されている」との点で一致する。

ウ したがって、本願発明と引用発明1とは、
「光ファイバ挿入端側から光接続端側へ貫通する光ファイバ保持孔を有し、光接続端側の先端部に光ファイバ保持孔が開口した対向面と、該対向面と連続した案内面とを有する筒状の光通信用フェルールであって、前記対向面は光ファイバ保持孔に挿入固定した光ファイバの、フェルール先端から突出した光ファイバを研磨する前に曲面状に形成されている光通信用フェルール。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

本願発明の「光通信用フェルール」は、「光ファイバ保持孔に挿入固定した光ファイバの、フェルール先端から突出した光ファイバを研磨する前に曲率半径が5?30mmの曲面状に形成されている」「対向面」と、「光ファイバ保持孔に挿入固定した光ファイバの、フェルール先端から突出した光ファイバを研磨する前に形成された曲率半径が0.2?1.0mmであ」る「案内面」と、「前記対向面との境界部にエッジを形成することなく連続した」「曲面部」と、「該曲面部とフェルール側面部との間の」「傾斜部」とを有し、「フェルール先端から、案内面の傾斜部とフェルール側面部との連続部までの軸方向の距離が0.5±0.15mm、先端から、案内面の曲面部と傾斜部との連続部までの軸方向の距離が0.12?0.41mmであるとともに、対向面と案内面の曲面部の面積が、先端部全体の面積の24?82%を有している」のに対して、引用発明1の凸球面はこのようなものではない点(以下「相違点」という。)。

(2)判断
ア 引用発明1の「プリドームフェルール」は、「凸球面」の「曲率半径」に関しては、フェルールの先端の形状は規格等に合わせて適宜定められるものであり、また、本願発明において、上記相違点に係る曲率半径とすることによる効果に格別のものはなく、設計的事項の範疇を超えるものではないと認められる。

イ しかるところ、引用文献2には、「光コネクタのフェルール」において、「光コネクタのフェルールの先端面の規格と同じ範囲内」とするため、「先端面には略球面形状である凸球面を有しており、その後側には外周部とのつなぎ部としてテーパー角を有する円錐台形状をした挿入ガイドが設けられ」、「先端面は貫通孔を中心とした第二の曲面部分とその外周部である第一の曲面部分からなる2段曲面形状」となし、「第一の曲面部分の曲率半径が1mm≦R1<10mmの範囲にあり、第二の曲面部分の曲率半径が10mm≦R2≦25mmの範囲にあ」るものとする引用発明2が記載されているから、引用発明1において、フェルールの先端面の規格に対応して、「プリドームフェルール」の凸球面(先端面)を、貫通孔を中心とした第二の曲面部分(対向面)とその外周部である第一の曲面部分(案内面)からなる2段曲面形状となし、さらに、その外側にテーパー角を有する円錐台形状をした挿入ガイド(傾斜部)を備えるものとなした上で、第一の曲面部分の曲率半径と、第二の曲面部分の曲率半径とを前記規格に対応した適宜の範囲のものとなし、さらに、フェルールの先端面から、第一の曲面部分と外周部との連続部までの軸方向の距離と、フェルールの先端面から、挿入ガイドと先端面の境界部である角部分までの軸方向の距離を前記規格に対応した適宜の範囲のものとなし、本願発明の上記相違点の構成とすることに、格別の困難は認められない。

ウ また、その際に、引用発明2は、「先端面は貫通孔を中心とした第二の曲面部分とその外周部である第一の曲面部分からなる2段曲面形状であ」るとされるところ、上記3(2)イによれば「境界部」は、「第一の曲面部分29と第二の曲面部分28の境界部30は曲率半径の微妙な変化部なので肉眼では判別しにくいが、形状測定器等で測定すると判別できうる」、ないし、「第一の曲面部分29と第二の曲面部分28が境界部30を境にして曲率半径を変化させた形状になっている」とされ、境界部30は、形状測定器等で測定すると判別できる程度の曲率半径を変化させた形状であって、エッジが必須というものではない。

エ してみれば、引用発明1における、フェルールの先端面の形状を上記ウのように定める際に、第一の曲面部分と第二の曲面部分の境界部をエッジが形成されない連続したものとすることは、当業者が適宜なし得る程度のことというべきである。

オ さらに、第一の曲面部分と第二の曲面部分の面積が、先端面の面積のどの程度を有しているかは、上記適宜の範囲のものとなすことによりおのずと定まるものであるところ、本願発明も、本願発明の上記特定事項とする点に格別の技術的意義は認められないから、設計的事項にすぎないものである。

カ 本願発明の効果を全体としてみても、引用発明1及び引用発明2から当業者が予測可能な域を超える程の格別顕著なものとは認められない。

キ よって、本願発明は、引用発明1及び引用発明2に基づいて、当業者が容易に発明できたものである。

(3)請求人の主張について
請求人は平成25年6月10日付けの意見書において、「本願発明のフェルールは、光ファイバを挿入固定した後、光ファイバのフェルール先端から突出した部分とともにフェルールの対向面を研磨しても、対向面と案内面の曲面部との境界にエッジが形成されることがない。・・・一方、引用文献2に記載のフェルールでは図2に示すように第二の曲面部(本願の対向面に相当)と第一の曲面部との境界にエッジが形成されてしまう。図2は引用文献2に記載されていると同様の、先端面が曲率半径1mm?10mmの球面状に加工されたフェルールに光ファイバを挿入固定した後、先端面を曲率半径10mm?25mmに加工し(斜線部分が被研磨部)、曲率半径1?10mmの第1の曲面部とともに、曲率半径10mm?25mmの第二の曲面部を形成した状態を示す。図2に示すように引用文献2に記載されているフェルールは、曲率半径1mm?10mmの第一の曲面部と、研磨によって形成された曲率半径10mm?25mmの第二の曲面部との境界に、エッジが発生している。」と主張するが、上記(2)の判断を左右するものではない。

5 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明1及び引用発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-07-24 
結審通知日 2013-08-01 
審決日 2013-08-21 
出願番号 特願2007-152266(P2007-152266)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 福島 浩司石原 徹弥  
特許庁審判長 服部 秀男
特許庁審判官 星野 浩一
松川 直樹
発明の名称 光通信用フェルール及び光コネクタ  
代理人 細井 勇  
代理人 細井 勇  

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