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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 G09F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G09F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G09F
管理番号 1280259
審判番号 不服2012-23129  
総通号数 168 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-11-22 
確定日 2013-10-10 
事件の表示 特願2007- 58119号「表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 9月18日出願公開、特開2008-216934号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成19年3月8日の出願であって、平成24年4月23日付けで手続補正がなされた後、同年8月31日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。
その後、平成25年2月6日付けで、審判請求人に前置報告書の内容を示し意見を求めるための審尋を行ったところ、同年3月21日付けで回答書が提出されたものである。

2.平成24年11月22日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

平成24年11月22日付けの手続補正を却下する。

[理由]

(1)補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「底面と側面を有し、前記側面には外側へ突き出た雌ネジ部が形成されたリアフレームと、
前記リアフレーム内に配置され、光源からの光を面状に出射する面状導光板と、
前記面状導光板と対向し、前記面状導光板からの出射光を制御することによって画像の表示を行う表示パネルと、
前記表示パネルと対向する開口枠を有し、側面には嵌合部が開口されて、前記嵌合部に前記雌ネジ部が嵌合されるフロントフレームと、を備え、
前記嵌合部に嵌合した前記雌ネジ部を外部筐体との固定手段として使用し、
前記リアフレームの前記側面には、当該側面に垂直な開口が設けられ、
前記雌ネジ部は、前記リアフレームから一部分が突き出ており、かつ、残余の部分が前記リアフレームの前記開口に嵌合されたナットであり、
前記ナットの前記一部分が前記フロントフレームの前記嵌合部に嵌合する表示装置。」
と補正された。

本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記雌ネジ部は、前記リアフレームの前記開口に嵌合されたナットである」を、「前記雌ネジ部は、前記リアフレームから一部分が突き出ており、かつ、残余の部分が前記リアフレームの前記開口に嵌合されたナットであ」ると限定し、「雌ネジ部」と「フロントフレーム」の「嵌合」について「前記ナットの前記一部分が前記フロントフレームの前記嵌合部に嵌合する」と限定するものであり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2(以下単に「特許法第17条の2」という。)第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反しないか)について検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶理由に引用された特開2001-249324号公報(以下「引用例」という。)には、以下の技術事項が記載されている。(後述する引用発明の認定に関連する箇所に下線を付した。)

記載事項ア.
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等に用いられる液晶表示装置に係わり、特に、液晶表示装置の狭額縁化、薄型化に適用して有効な技術に関する。」

記載事項イ .
「【0003】
【発明が解決しようとする課題】図22は、前記液晶表示モジュールをノート型パーソナルコンピュータに取り付ける取り付け方法の一例を説明するための模式図である。同図において、100はノート型パーソナルコンピュータのディスプレイ部の外側ケース、101はノート型パーソナルコンピュータのディスプレイ部の内側ケースであり、同図に示すように、液晶表示モジュール102は、サイドビーム110を介して取り付けネジ120により、ノート型パーソナルコンピュータのディスプレイ部の外側ケース100に固定される。そのため、液晶表示モジュール102のモールドには、取り付けネジ120がネジ止めされるインサータが埋め込まれている。なお、サイドビーム110および取り付けネジ120は、液晶表示モジュール102の両側に設けられるが、図22では省略している。しかしながら、近年、液晶表示モジュールの狭額縁化、薄型化により、モールド自体の厚みが、例えば、5.0mm以下のようにさらに薄型化されてきている。そのため、従来の液晶表示モジュールでは、モールド内にインサータを確実に取り付けることが困難であるという問題点があった。
【0004】また、異形平板ナットを使用し、この異形平板ナットに取り付けネジ120をネジ止めして、液晶表示モジュールをノート型パーソナルコンピュータに取り付ける方法も知られている。この場合には、異形平型ナットを、液晶表示モジュールのモールド(内側ケース)の切り欠きに挿入し、かつ、モールドの外周を覆うようにこれに嵌められるフレーム(外側ケース)の側面で異形平板ナットを抑えつけることにより、取り付けネジ120が抜け落ちるのを防止している。しかしながら、異形平板ナットを4つ以上同時に、モールドの切り欠きにはめ込み、フレームで覆うのは困難であるという問題があった。本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、液晶表示装置において、液晶表示装置を外部ケースに固定する取付用ネジがネジ止めされるネジ部材を簡単、かつ確実に取り付けることが可能となる技術を提供することにある。また、本発明の他の目的は、液晶表示装置において、液晶表示装置を外部ケースに固定する取付用ネジのネジ止め機構を簡略化することが可能となる技術を提供することにある。また、本発明の他の目的は、液晶表示装置の狭額縁化を図ることが可能となる技術を提供することにある。また、本発明の他の目的は、液晶表示装置の薄型化を図ることが可能となる技術を提供することにある。……」

記載事項ウ.
「【0006】また、本発明は、液晶表示装置において、前記液晶表示装置を外部ケースに固定する取付用ネジがネジ止めされるネジ部材を収納部材の側壁に設け、かつ、前記収納部材の側壁の前記ネジ部材が設けられる領域に前記ネジ部材のネジ孔方向に突出する突起部を設け、さらに、前記収納部材の前記突起部が挿入される開口部をフレーム部材の側壁に設けたことを特徴とする。前述の手段によれば、フレーム部材の厚み分、液晶表示モジュールの額縁を狭くすることが可能となる。」

記載事項エ.
「【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
[実施の形態1]
〈本発明が適用されるTFT方式の液晶表示モジュールの基本構成〉図1は、本発明が適用されるTFT方式の液晶表示モジュール(LCM)の概略構成を示す分解斜視図である。図1に示す液晶表示モジュール(LCM)は、金属板から成る枠状のフレーム4、液晶表示パネル(LCD;本発明の液晶表示素子)5、バックライトユニットとから構成される。液晶表示パネル5は、画素電極、薄膜トランジスタ等が形成されるTFT基板と、対向電極、カラーフィルタ等が形成されるフィルタ基板とを、所定の間隙を隔てて重ね合わせ、該両基板間の周縁部近傍に枠状に設けたシール材により、両基板を貼り合わせると共に、シール材の一部に設けた液晶封入口から両基板間のシール材の内側に液晶を封入、封止し、さらに、両基板の外側に偏光板を貼り付けて構成される。
【0014】ここで、TFT基板のガラス基板上には、半導体集積回路装置(IC)で構成される複数のドレインドライバおよびゲートドライバが搭載されている。このドレインドライバには、フレキシブルプリント配線基板1を介して、駆動電源、表示データおよび制御信号が供給され、ゲートドライバには、フレキシブルプリント配線基板2を介して、駆動電源および制御信号が供給される。これらフレキシブルプリント配線基板(1,2)は、バックライトユニットの後ろ側に設けられる駆動回路基板3に接続される。本実施の形態の液晶表示モジュールのバックライトユニットは、冷陰極蛍光灯16、楔形(側面形状が台形)の導光体9、拡散シート(6,8)、レンズシート7、反射シート10とが、図1に示す順序で、側壁を有し、枠状に形成されたモールド14に嵌め込まれて構成される。なお、図1において、11はゴムブッシュ、12はコネクタ、18,19はケーブルである。
【0015】〈図1に示す液晶表示モジュールのバックライトユニットの構成〉図2は、図1に示す液晶表示モジュールのバックライトユニットの要部断面構造を示す断面図である。なお、この図2は、冷陰極蛍光灯16と直交する面で切断した時の断面構造を示している。図2に示すように、冷陰極蛍光灯16は、導光体9の側面近傍で、かつ導光体9の側面に沿って当該導光体9の側面と平行に配置される。導光体9は、冷陰極蛍光灯16から照射される光を、冷陰極蛍光灯16から離れた方へ導き、液晶表示パネル全体に光を均一に照射する。ここで、導光体9は、冷陰極蛍光灯16と対向する面が幅広に形成され、冷陰極蛍光灯16から遠ざかる程断面が小さくなる楔形の形状に形成される。導光体上には、拡散シート(6,8)と、2枚のレンズシート7が配置される。冷陰極蛍光灯部分の断面形状がほぼコ字状で、その内面が白色または銀色の反射シート10は、冷陰極蛍光灯16をほぼ全長にわたって覆うとともに、導光体9の下側まで延長して配置される。これにより、導光体9と異なる方向に放射された光を無駄なく導光体9に集光させることができる。
【0016】〈図1に示す液晶表示モジュールのノート型パーソナルコンピュータへの取り付け方法1〉図3は、図1に示す液晶表示モジュールを、従来の取り付け方法1により、ノート型パーソナルコンピュータへの取り付けた状態を示す要部断面図である。なお、この図3は、冷陰極蛍光灯16の延長方向と同一方向で切断した断面構造を示す。図3に示すように、図1に示す液晶表示モジュールは、モールド14内の、側面の4カ所(図3では2カ所のみ図示している)にインサータ13を有する。そして、ノート型パーソナルコンピュータのディスプレイ部の外側ケース(例えば、プラスチックケース)100と、金属のサイドビーム110と、フレーム4に形成された穴を通して、取り付けネジ120をインサータ13にねじ込み、液晶表示モジュールをノート型パーソナルコンピュータに取り付ける。また、図1に示す液晶表示モジュールは、図3に示すように、複数のドレインドライバおよびゲートドライバが搭載されている液晶表示パネル5が、表示窓を有するフレーム4とバックライトユニットとの間に収納されて構成される。そして、フレーム4の表示窓の領域が、液晶表示モジュール(LCM)の表示領域を構成し、この表示領域以外の領域、即ち、フレーム4の表示窓の周囲の領域を、通常額縁と称する。なお、図1において、SUB1はTFT基板、SUB2はカラーフィルタ基板,IC2はゲートドライバ、POL1,POL2は偏光板である。」

記載事項オ.
「【0019】[実施の形態2]
〈本発明の実施の形態2のTFT方式の液晶表示モジュールの特徴〉図5は、本実施の形態の液晶表示モジュールのインサータ13の取り付け部を説明するための図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は同図(a)に示すA-A’線に沿った断面構造を示す要部断面図、同図(c)はモールド14の形状を示す上平面図である。なお、本実施の形態の液晶表示モジュールの構成も、図1に示す液晶表示モジュールと同じであるので、図5では、図4と同様に取り付けネジ120と関係ある部分のみを図示し、その他の構成の図示は省略している。図5に示すように、本実施の形態では、インサータ13が設けられるモールド14の側壁に対向させられるフレーム4の側壁に開口部4bを設ける。本実施の形態では、薄型の液晶表示モジュールに対応させて、開口部4bを切り欠き(下辺のない逆U字形)として形成しているが、液晶表示モジュールの形状に応じて矩形又は丸形の孔に代えてもよい。インサータ13が設けられるモールド14の側壁には突起部14bが設けられ、この突起部14bは前記フレーム4の開口部4bに嵌められる。そして、本実施の形態では、ノート型パーソナルコンピュータのディスプレイ部の外側ケース100と、金属のサイドビーム110とに形成された穴を通して、取り付けネジ120をインサータ13にねじ込み、液晶表示モジュールをノート型パーソナルコンピュータに取り付ける。したがって、本実施の形態では、フレーム4の厚み分、液晶表示モジュールの額縁を狭くすることが可能となる。」

記載事項カ.
「【0025】[実施の形態6]
〈本発明の実施の形態6のTFT方式の液晶表示モジュールの特徴〉図10は、本実施の形態の液晶表示モジュールの異形段付きナットの取り付け方法を説明するための図である。なお、本実施の形態の液晶表示モジュールの構成も、図1に示す液晶表示モジュールと同じであるので、図10では、図7と同様に取り付けネジ120による液晶表示装置とパーソナルコンピュータ等の外側ケースとの固定(図3参照)に関与する部分のみを図示し、その他の構成の図示は省略している。本実施の形態は、モールド14へ固定するためのネジ122が挿入される切り穴32aと、ノート型パーソナルコンピュータへ取り付けるための取り付けネジ120が挿入されるネジ孔120aとの間に、段差を設けた異形段付きナット32をモールド14にネジ122で固定するようにしたものである。この図10から明らかなように、本実施の形態では、ノート型パーソナルコンピュータへ取り付けるための取り付けネジ120が挿入されるネジ孔120aは、フレーム4で覆われない。図8および図9の例と同様に、本実施の形態においても、モールド14の側壁にはその厚み方向に凹部141が形成されているが、本実施の形態では、さらにフレーム4の側壁を前記凹部141に対応させてモールド側壁側に窪ませている。フレームの側壁の窪んだ部分には、ネジ122による異形段付きナット32のモールド14への取り付けに用いられる開口4dが形成され、このフレーム4の側壁の窪んだ部分は、開口4dの周囲においてネジ122の頭と異形段付きナット32との間で座金(ワッシャ)の役目を果たす。フレーム4の側壁の窪んだ部分には、異形段付きナット32の段差の対応した開口部4bも形成される。本実施の形態にて図示される開口部4bは、図5や図6を参照して説明したそれと同様に開口部4bを取り囲むフレーム4側壁の一部が削除された所謂切り欠きとして形成される。この開口部4bは、その左右の端部において異形段付きナット32のモールド14とは反対側に突き出た部分の動きを抑える。このため、異形段付きナット32の長さとこれが挿入されるモールド14の凹部141の長さとの誤差が開いても、これに伴う異形段付きナット32の長さ方向(液晶表示モジュールから見て横方向)のずれを上記開口部4bにて抑えることができる。したがって、本実施の形態において、液晶表示モジュールをノート型パーソナルコンピュータへ取り付ける場合には、ノート型パーソナルコンピュータのディスプレイ部の外側ケース(図3の100)と、金属のサイドビーム(図3の110)とに形成された穴を通して、取り付けネジ120を異形段付きナット32にねじ込み、液晶表示モジュールをノート型パーソナルコンピュータに取り付ける。なお、本実施の形態において、異形段付きナット32とモールド14とには、位置決め用の凹凸を付けてもよい。また、異形段付きナット32に設けるモールド14との固定用の切り穴32aには、ネジ122の頭部が、異形段付きナット32から突出しないように、ネジ孔のフレーム側の周囲に、ネジ122の頭部が入る凹部を設けた方が望ましい。また、ネジ122は、皿ネジとすることが可能であり、この場合にも、ネジ122が異形段付きナット32から突出しないようにすることができる。このように、本実施の形態によれば、異形段付きナット32をモールド14にネジ122により固定するようにしたので、異形段付きナット32のモールド14への取り付けが容易となるばかりでなく、液晶表示モジュールの組み立て工程中に、異形段付きナット32が脱落するのを防止することができ、作業性を向上させることが可能となる。」

記載事項キ.



記載事項ク.



記載事項ケ.



記載事項コ.




図2、図3には、モールド14が側壁と底壁を有することが図示されている。
また、図2には、モールド14内に導光体9が配置されていることが図示されている。
また、図1、図3には、導光体9の上方に液晶表示パネル5が配置され、液晶表示パネル5の上方にフレーム4が配置されていることが図示されている。
また、図10には、異形段付きナット32は、切り穴32aが設けられた部分よりもネジ孔120aが設けられた部分が段差を介してモールド14とは反対側に突き出ており、モールド14の側壁に設けられた凹部141に、異形段付きナット32の切り穴32aが設けられた部分がネジ122で固定可能となっていることが図示されている。

記載事項ア.?コ.の記載内容及び図面の図示内容からして、引用例には、
「側壁と底壁を有し、側壁に設けられた凹部141に異形段付きナット32の切り穴32aが設けられた部分がネジ122で固定されるモールド14と、
前記モールド14内に配置され、冷陰極蛍光灯16から照射される光を液晶表示パネル全体に均一に照射する導光体9と、
前記導光体9の上方に配置された液晶表示パネル5と、
前記液晶表示パネル5の上方に配置された表示窓を有し側壁の窪んだ部分には異形段付きナット32の段差に対応した開口部4bが形成されたフレーム4と、
前記異形段付きナット32のネジ孔120aに取り付けネジ120が挿入されて、取り付けネジ120によりパーソナルコンピュータの外側ケースが固定され、
前記モールド14の側壁にはその厚み方向に凹部141が形成され、
前記異形段付きナット32は、切り穴32aが設けられた部分よりもネジ孔120aが設けられた部分が段差を介して前記モールド14とは反対側に突き出ており、かつ、切り穴32aが設けられた部分がモールド14の側壁に設けられた凹部141にネジ122で固定可能となっており、
前記フレーム4の開口部4bは、その左右の端部において異形段付きナット32のモールド14とは反対側に突き出ているネジ孔120aが設けられた部分の動きを抑える液晶表示モジュール。」
の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。

(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。

(a)引用発明の「モールド14」は、本願補正発明の「リアフレーム」に相当し、引用発明の「モールド14」が「側壁と底壁」を有することは、本願補正発明の「リアフレーム」が「底面と側面」を有することに相当する。また、引用発明の「モールド14」の「側壁に設けられた凹部141」に「固定され」る「異形段付きナット32」が「段差を介して前記モールド14とは反対側に突き出て」いる「ネジ孔120aが設けられた部分」を有することは、本願補正発明の「前記側面には外側へ突き出た雌ネジ部が形成され」ていることに相当する。
(b)引用発明の「前記モールド14内に配置され、冷陰極蛍光灯16から照射される光を液晶表示パネル全体に均一に照射する導光体9」は、本願補正発明の「前記リアフレーム内に配置され、光源からの光を面状に出射する面状導光板」に相当する。
(c)引用発明の「前記導光体9の上方に配置された液晶表示パネル5」は、本願補正発明の「前記面状導光板と対向し、前記面状導光板からの出射光を制御することによって画像の表示を行う表示パネル」に相当する。
(d)引用発明の「前記液晶表示パネル5の上方に配置された表示窓を有」する「フレーム4」は、本願補正発明の「前記表示パネルと対向する開口枠を有」する「フロントフレーム」に相当する。また、本願の発明の詳細な説明の【0022】、【0023】等の記載を参酌すると、本願の図3に記載されたような切り欠き形状も「開口」といえるから、引用発明の「フレーム4」の「側壁の窪んだ部分に」「形成された」「開口部4b」が「その左右の端部において異形段付きナット32のモールド14とは反対側に突き出ているネジ孔120aが設けられた部分の動きを抑える」ことは、本願補正発明の「側面には嵌合部が開口されて、前記嵌合部に前記雌ネジ部が嵌合される」ことに相当するといえる。
(e)上記(d)で述べたことを踏まえると、引用発明の「前記異形段付きナット32のネジ孔120aに取り付けネジ120が挿入されて、取り付けネジ120によりパーソナルコンピュータの外側ケースが固定され」ることは、本願補正発明の「前記嵌合部に嵌合した前記雌ネジ部を外部筐体との固定手段として使用」することに相当する。
(f)引用発明の「前記モールド14の側壁にはその厚み方向に凹部141が形成され、前記異形段付きナット32は、切り穴32aが設けられた部分よりもネジ孔120aが設けられた部分が段差を介して前記モールド14とは反対側に突き出ており、かつ、切り穴32aが設けられた部分がモールド14の側壁に設けられた凹部141にネジ122で固定可能となって」いることと本願補正発明の「前記リアフレームの前記側面には、当該側面に垂直な開口が設けられ、前記雌ネジ部は、前記リアフレームから一部分が突き出ており、かつ、残余の部分が前記リアフレームの前記開口に嵌合されたナットであ」ることは「前記リアフレームの前記側面には、当該側面に雌ネジ部の取り付け部が設けられ、前記雌ネジ部は、前記リアフレームから一部分が突き出ており、かつ、残余の部分が前記リアフレームの前記取り付け部に取り付けられたナットであ」る点で共通している。
(g)引用発明の「前記フレーム4の開口部4bは、その左右の端部において異形段付きナット32のモールド14とは反対側に突き出ているネジ孔120aが設けられた部分の動きを抑える」ことは、本願補正発明の「前記ナットの前記一部分が前記フロントフレームの前記嵌合部に嵌合する」ことに相当する。
(h)引用発明の「液晶表示モジュール」は、本願補正発明の「表示装置」に相当する。

上記(a)?(h)に記載したことからして、本願補正発明と引用発明は、
「底面と側面を有し、前記側面には外側へ突き出た雌ネジ部が形成されたリアフレームと、
前記リアフレーム内に配置され、光源からの光を面状に出射する面状導光板と、
前記面状導光板と対向し、前記面状導光板からの出射光を制御することによって画像の表示を行う表示パネルと、
前記表示パネルと対向する開口枠を有し、側面には嵌合部が開口されて、前記嵌合部に前記雌ネジ部が嵌合されるフロントフレームと、を備え、
前記嵌合部に嵌合した前記雌ネジ部を外部筐体との固定手段として使用し、
前記リアフレームの前記側面には、当該側面に雌ネジ部の取り付け部が設けられ、
前記雌ネジ部は、前記リアフレームから一部分が突き出ており、かつ、残余の部分が前記リアフレームの前記取り付け部に取り付けられたナットであり、
前記ナットの前記一部分が前記フロントフレームの前記嵌合部に嵌合する表示装置。」
である点で一致し、次の点で相違する。

相違点
リアフレームの側面への雌ネジ部の取り付けを、本願補正発明では、リアフレームの側面に垂直な開口を設け、雌ネジ部のリアフレームから突き出た一部分以外の、残余の部分を前記開口に嵌合させることにより取り付けているのに対し、引用発明では、モールド14の側壁にその厚み方向に凹部141を形成し、異形段付きナット32の切り穴32aが設けられた部分がモールド14の側壁に設けられた凹部141にネジ122で固定することで取り付けている点。

(4)当審の判断
上記相違点について検討する。
一方の部材に垂直な開口を設け、その開口に他方の部材の一部を嵌合させることにより取り付ける取り付け手段は、慣用の手段にすぎず(例えば、引用例の図7に記載されたモールド14に設けられた切り欠き141への異形平板ナット40の取り付けもモールド14の側壁に設けられた垂直な開口に、ナット40のネジ穴120aが設けられた部分以外の部分が嵌合することで取り付けられているものと認められる。)、引用発明の異形段付きナット32のモールド14への取り付け手段としてこのような慣用の手段を採用して上記相違点に係る本願補正発明の発明特定事項を得るようにすることは当業者であれば容易になし得ることである。

また、本願補正発明の効果も、引用発明及び慣用手段から予測し得る範囲内のものであり、格別のものとは認め難い。

したがって、本願補正発明は、引用発明及び慣用手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

なお、請求人は平成25年3月21日付けの回答書において
「本願補正後の請求項1に係る発明が、引用文献2に対して新規性を有することについて、以下のように補足説明させていただきます。
本願補正後の請求項1では、ナットの一部分がフロントフレームの嵌合部に嵌合され、ナットの残余の部分がリアフレームの開口に嵌合されます。
ここで、本願明細書の段落[0025]及び[0028]においては、このようなナットが、バックライトとフロントフレームとを位置決めすることが記載されています。そして、「位置決め」とは、本願明細書において、リアフレーム3の側面に沿った全ての方向へ移動の移動しないように一体的に設けられたネジ突起部13(実施の形態1)に代えて、リアフレームの開口に嵌合されたナット(実施の形態2及び3)を用いるように実施形態を変形したことを鑑みれば、「リアフレーム3の側面に沿った全ての方向に関する位置決めである」ことは導き出せると思料します。
以上のことをまとめますと、上記本願補正後の請求項1に記載されたナットによれば、「当該ナット以外の他の部材を用いなくても」、「リアフレームの側面に沿った全ての方向に関して、バックライトとフロントフレームとの位置決め」をすることができます。
これに対して、引用文献2に記載されたナット32によれば、モールド14と嵌合されても、「ネジ122を用いて固定しなければ」、「モールド14の側面に沿った全ての方向に関してフレーム4とモールド14との位置決め」をすることができません。したがいまして、引用文献2には、本願請求項1に係るナット、すなわち、「リアフレームの側面に沿った全ての方向に関して、バックライトとフロントフレームとを位置決めするように、一部分がフロントフレームの嵌合部に嵌合され、残余の部分がリアフレームの開口に嵌合されるナット」は記載されていないと思料します。」
と主張しているが、上記「(3)対比」「(d)」で述べたように、本願の図3に記載されたような切り欠き形状でパネル平面方向のみの位置決めをするもの(本願の【0023】参照)も本願補正発明の「開口」といえるから請求人の上記主張は採用できない。
また、仮に請求人が主張するように、本願補正後の請求項1に記載されたナットによれば、「当該ナット以外の他の部材を用いなくても」、「リアフレームの側面に沿った全ての方向に関して、バックライトとフロントフレームとの位置決め」をすることができるものであったとしても、引用例の【0019】には、「本実施の形態では、薄型の液晶表示モジュールに対応させて、開口部4bを切り欠き(下辺のない逆U字形)として形成しているが、液晶表示モジュールの形状に応じて矩形又は丸形の孔に代えてもよい。」と記載されており、引用発明の開口部4bに代えて矩形又は丸形の孔を採用することで側面に沿った全ての方向に関して位置決めできるような構成とすることは、当業者であれば容易になし得ることである。

(5)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明
平成24年11月22日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、(以下同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成24年4月23日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである。

「底面と側面を有し、前記側面には外側へ突き出た雌ネジ部が形成されたリアフレームと、
前記リアフレーム内に配置され、光源からの光を面状に出射する面状導光板と、
前記面状導光板と対向し、前記面状導光板からの出射光を制御することによって画像の表示を行う表示パネルと、
前記表示パネルと対向する開口枠を有し、側面には嵌合部が開口されて、前記嵌合部に
前記雌ネジ部が嵌合されるフロントフレームと、を備え、
前記嵌合部に嵌合した前記雌ネジ部を外部筐体との固定手段として使用し、
前記リアフレームの前記側面には、当該側面に垂直な開口が設けられ、
前記雌ネジ部は、前記リアフレームの前記開口に嵌合されたナットである表示装置。」

4.引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は、前記「2.」「(2)」に記載したとおりである。

5.対比・判断
本願発明は、前記「2.」「(1)」で検討した本願補正発明から「前記リアフレームから一部分が突き出ており、かつ、残余の部分が(前記リアフレームの前記開口に嵌合された)」との限定、及び「前記ナットの前記一部分が前記フロントフレームの前記嵌合部に嵌合する」との限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2.」「(4)」に記載したとおり、引用発明及び慣用手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び慣用手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び慣用手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-08-12 
結審通知日 2013-08-13 
審決日 2013-08-26 
出願番号 特願2007-58119(P2007-58119)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (G09F)
P 1 8・ 121- Z (G09F)
P 1 8・ 575- Z (G09F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田辺 正樹  
特許庁審判長 北川 清伸
特許庁審判官 伊藤 昌哉
神 悦彦
発明の名称 表示装置  
代理人 有田 貴弘  
代理人 吉竹 英俊  
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