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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A41B
管理番号 1280528
審判番号 不服2012-2325  
総通号数 168 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-02-06 
確定日 2013-10-15 
事件の表示 特願2002-513402「サーボモータを利用して部品を移動中のウエブ上に置く方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 1月31日国際公開、WO02/07664、平成16年 2月12日国内公表、特表2004-504107〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、2001年7月19日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2000年7月21日、米国)を国際出願日とする出願であって、その請求項1に係る発明は平成25年4月4日付け手続補正で補正された特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1の記載により特定される次のとおりのものと認める(以下、「本願発明」という)。
「第一の速度で受取り領域を通って走行している部品(30)を受け取り、第二の速度で適用領域(23)を通って走行しているキャリア(80)に該部品を適用するための装置(20)において、該装置が:
少なくとも2つの独立したプログラム可能なモータ(64A,64B)と、
該受取り領域(21)で該部品を受け取り、該適用領域で該部品を適用するための、少なくとも2つの転送装置(50A,50B)であって、該転送装置の少なくとも1つはその転送装置が周回走行路で動くために該プログラム可能なモータのそれぞれに連結されており、前記プログラム可能なモータ(64A,64B)と前記転送装置(50A,50B)は共通の軸線に関して整列配置されていることを特徴とする、転送装置(50A,50B)と、を有し、
該プログラム可能なモータは、該転送装置が該部品(30)を取り上げる時に該受取り領域内で第一の表面速度を有するように維持し、及び該転送装置が該部品を該キャリアに適用する時に該適用領域内で第二の表面速度を有するように維持し、
該プログラム可能なモータ(64A,64B)は、該共通の軸線と同軸の静止中心軸(510)上に配置されている、装置(20)。」

2.当審の拒絶理由
当審において平成24年11月14日付けで通知した拒絶の理由3の概要は、
「本願の請求項1乃至30に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


1.欧州特許出願公開第0812789号明細書
2.国際公開第99/62801号
3.特表平9-509128号公報
4.特開2000-69741号公報
5.特開平3-194198号公報
6.特表平10-504266号公報
7.特開昭59-204903号公報」
というものである。

3.引用文献及び引用発明
(1)上記引用文献1には図面と共に下記の事項が記載されている(訳は当審で付与)。
(a)「A web, …the same speed.(使い捨ておむつ用の薄いプラスチックシート8等のウエブが、コンベア4に供給される。パッド1等の部品がレシーブコンベア4のベルトに対して、また、本例においては、下流でおむつ用の繊維ウエブとされる、連続した薄いプラスチックのバックシート8に対して置かれる。示されてはいないが、シート8はパッドを等間隔に配置するために粘着性のストライプを持ち、バックシート8とレシーブコンベア4は同速度とされる。)」(第3頁第4欄第28?37行)
(b)「The principal…the numeral 45.(部品1を一つの速度のコンベア3上の配置から、他の速度のコンベア4上の配置に変換するための新しい装置の主要な構成は図1に示されている。部品は、2つの回転トランスファーユニット19,20により、ソースコンベア3からレシーブコンベア4に送られる。トランスファーユニット19と20は、構造と機能に関する限り、基本的に同じである。典型的には、ユニット20はU字型で、軸方向に延び径方向に張り出して対向する真空ピックアップヘッド2A,2Bからなる部品把持手段を持つ。ユニット19は2つの真空ピックアップヘッド1A,1Bを備える。トランスファーユニット19,20はシャフト34の軸を共通する回転軸として回転する。また、トランスファーユニット19の真空ピックアップヘッド1A,1Bはトランスファーユニット20の真空ピックアップヘッド2A,2B間に配置される。これらのユニットは同じもので回転軸が共通するので、ユニット19の真空ピックアップヘッド1A,1Bとユニット20の真空ピックアップヘッド2A,2Bは、同じ回転軌道を取る。また、これらのユニットは、個々のサーボモータMにより駆動され、それらはプログラマブルコントローラ45により制御される。」(第3頁第4欄第38行?第4頁第5欄第4行)
(c)「First of all…belt speed.(最初に、コントローラ45はプログラマブルなので、コンベアベルト3,4のいずれが遅く、または速くとも、レシーブコンベア4上の部品1の間隔がソースコンベア3のそれよりも大きく、または小さくとも対応できる。例えば、図1においてはタイミングは次のようである、トランスファーユニット20は加・減速可能であり、ヘッド2Aがソースコンベア3上の部品1と並ぶ位置の時に、他方のヘッド1Aはソースコンベアベルト3のスピードで移動しており、また、ヘッド2Bは部品を運びながら回転して、レシーブコンベア4のスピードに合うように加速または減速され、真空が解かれた時に、部品がレシーブコンベアに置かれる。その際、ヘッドの部品とコンベアベルト4の間には何ら相対的な運動は生じない。一方、ユニット19のヘッド1Bは部品を置いた後、レシーブコンベアベルト4から離れる。それから、ユニット19は、部品をピックアップするために、ソースコンベアベルト3のスピードに加速または減速される。)」(第4頁第5欄第13?35行)
(d)「In the generalized…hereinafter.(図1によれば、サーボモータはトランスファーユニット19に直結されたシャフト34を駆動し、トランスファーユニット19は回転する間に加速または減速される。一方、トランスファーユニット20はシャフト34に回転支持され、そのためのベアリングがスリーブ37中に配置されている。当該スリーブとベアリングについては後ほど述べるが、スリーブ37にはトランスファーユニット20及びプーリ42が固定され、プーリ、そしてトランスファーユニット20はベルト44を介してサーボモータMで駆動される。シャフト34を支持するベアリングは図1に示されていないが、詳しくは後で述べる。」(第4頁第5欄第36?52行)
(e)「A driving pulley…in FIGURE 1.(駆動プリー66のブッシュ67がシャフト34のキー溝69にキー68を入れることで固定される。プーリ66は歯付きベルト70と組合わせてあり、ベルトは図1のようにサーボモータの1つにより駆動される。」(第5頁第7欄第27?32行)
(f)「FIGURE 8 is …the same circle.(図8(審決注:図9の誤りと認める。)は、トランスファーユニット19,20の速度変化を示し、回転当たり2個の部品がソースコンベアからレシーブコンベアに転送される。例えば、この場合には、ソースコンベアがレシーブコンベアよりも速い。両コンベアを入れ替えることも、トランスファーユニットを逆転させてレシーブコンベアからソースコンベアに転送することもできる。図8(審決注:図9の誤りと認める。)において、ユニット20は最初の約90度において、一例として、ヘッド2Bが約4100インチ/分の遅い速度で動いているコンベアに部品を置く。反対側のヘッド2Aは空となっているが、ヘッド2Bとは180度の角度を有するので、更に約90度回転すると部品をピックアップすることになる。この例においては、ヘッド2Aがソースコンベアに到達して、コンベアのスピードで送られてくる部品に合うように、ユニット20がその90度を回転すると約6000インチ/分まで加速される。それから、部品がピックアップされ、ヘッド2Aは部品と共に、速いコンベアを後にして、約230度から約320度の回転範囲において、レシーブコンベアの速度と合うように減速される。グラフからわかるように、ヘッドが遅いコンベアに合うように一方のユニットが減速されるとき、他方のユニットは速いコンベアに合うように加速される。それぞれのユニットの全回転域における総時間は、加速時間と減速時間と2つの定速域の時間の和となる。よって、ヘッド1A,1B,2A,2Bが同じ円軌道を描いても、ユニットは互いに干渉することはない。)」(第6頁第9欄第35行?第10欄第11行)
以上の記載から、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という)が記載されていると認められる。
「第一の速度でソースコンベア上を運ばれてくる部品を受け取り、第二の速度でレシーブコンベア上を運ばれてくるバックシートに該部品を置くための装置であって、プログラマブルコントローラにより制御される2つの独立したサーボモータと、真空ピックアップヘッドによりソースコンベア上の部品をピックアップし、レシーブコンベア上のバックシートに該部品を置くための2つのトランスファーユニットとを有し、
前記トランスファーユニットは共通の軸線に関して整列配置され、それぞれのトランスファーユニットが円軌道を描くように、個々のサーボモータにより回転駆動され、
該サーボモータは、該トランスファーユニットの真空ピックアップヘッドがソースコンベア上で該部品をピックアップするときに、第一の速度を有し、レシーブコンベア上で該部品をバックシートに置く時に第二の速度を有するように駆動し、
該サーボモータは、トランスファーユニットのシャフト、またはスリーブに設けたプーリとベルトを介して連結されている装置。」

4.当審の判断
本願発明と引用発明を対比すると、引用発明の「ソースコンベア」、「レシーブコンベア」、「バックシート」、「置く」、「トランスファーユニット」、「トランスファーユニットが円軌道を描く」は本願発明の「受取り領域」、「適用領域」、「キャリア」、「適用する」、「転送装置」、「転送装置が周回走行路で動く」に相当し、引用発明の「プログラマブルコントローラにより制御される2つの独立したサーボモータ」は、制御手段としてのプログラマブルコントローラに接続されたプログラム可能な駆動装置であって、本願発明の「プログラム可能なモータ」に相当し、引用発明の「トランスファーユニットの真空ピックアップヘッドがソースコンベア上で部品をピックアップするときに、第一の速度を有し、レシーブコンベア上で部品をバックシートに置く時に第二の速度を有する」ことは、これが真空ピックアップヘッド(の吸着面)とコンベアの間に相対運動を生じない、部品の受け渡しであることより(上記3.(1)(c)参照)、本願発明の「転送装置が部品を取り上げる時に受取り領域内で第一の表面速度を有するように維持し、及び転送装置が部品をキャリアに適用する時に適用領域内で第二の表面速度を有するように維持」することに相当する。
また、引用発明の「それぞれのトランスファーユニットが円軌道を描くように、個々のサーボモータにより回転駆動され」ることと本願発明の「転送装置はその転送装置が周回走行路で動くためにプログラム可能なモータのそれぞれに連結されており」は、「それぞれの転送装置はその転送装置が周回走行路で動くためにプログラム可能なモータにより回転駆動され」る限りにおいて一致する。
したがって、本願発明と引用発明は、
「第一の速度で受取り領域を通って走行している部品を受け取り、第二の速度で適用領域を通って走行しているキャリアに該部品を適用するための装置において、該装置が:
2つの独立したプログラム可能なモータと、
該受取り領域で該部品を受け取り、該適用領域で該部品を適用するための、2つの転送装置であって、それぞれの転送装置はその転送装置が周回走行路で動くために該プログラム可能なモータにより回転駆動され、前記転送装置は共通の軸線に関して整列配置されている転送装置と、を有し、
該プログラム可能なモータは、該転送装置が該部品を取り上げる時に該受取り領域内で第一の表面速度を有するように維持し、及び該転送装置が該部品を該キャリアに適用する時に該適用領域内で第二の表面速度を有するように維持する装置。」
である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点]
本願発明では、「プログラム可能なモータは、共通の軸線と同軸の静止中心軸上に配置され」たものであって、「転送装置はプログラム可能なモータのそれぞれに連結されており、プログラム可能なモータと転送装置は共通の軸線に関して整列配置されている」のに対して、引用発明では、プログラム可能なモータは、トランスファーユニットのシャフト、またはスリーブに設けたプリーとベルトを介して連結されている点。

そこで、上記相違点について検討すると、複数の回転駆動される要素を共通の軸線に関して整列配置した装置において、要素に回転駆動するそれぞれのモータを連結し、モータを前記共通の軸線と同軸の静止中心軸上に配置されたものとし、モータと要素が共通の軸線に関して整列配置されるように構成して、要素の駆動機構をコンパクトなものとすることは周知技術であり(例えば、上記拒絶理由で引用した特開2000-69741号公報の段落【0020】?【0025】及び図7、特開平3-194198号公報の第1頁右欄第10行?第2頁左上欄第14行参照)、引用発明のモータの構成として当該周知技術を適用して、プログラム可能なモータが共通の軸線と同軸の静止中心軸上に配置されており、転送装置はプログラム可能なモータのそれぞれに連結され、プログラム可能なモータと転送装置は共通の軸線に関して整列配置されているものとすることは当業者が容易になし得たことである。

また、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものであり、格別顕著なものと認められない。

したがって、本願発明は引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
なお、請求人は平成25年4月4日付け意見書において、「請求項1-14に係る発明は、プログラム可能なモータと転送装置が共通の軸線上に一連に配置されていることにより、図11や図16から明らかに分かるように、モータが転送装置の内部に入り込み、非常にコンパクトな構成となっています。
本願発明の構造は、一連に配置した回転軸から腕を出して、その先端にシェルセグメントを設けている構造であるために、3以上のモータを配置した場合であっても、シェルセグメントや腕の設計により、シェルセグメントや腕同士が干渉することを回避できます。
これに対して引用文献1のものを参照すると明らかなように、引用文献1のものはシェルセグメントや腕の干渉を避けるため、コの字状に構成したシェルセグメントと腕を、互いに向かい合わせて互いに入り込むように構成しています。このような向かい合わせの構造では、使用できるシェルセグメントや腕は1対のものが最大限であり、つまり連装できるモータは最大限2個であり、到底本願発明のように9個のモータで駆動する装置とすることはできません。」(「四 拒絶理由3について」の「(1)請求項1?14について」参照)と主張しているが、特許請求の範囲の記載に基づくものではなく、仮に、本願発明を3以上のモータを配置したものとして考えたとしても、シェルセグメントを3つ以上整列配置することも(例えば、上記拒絶理由で引用した特表平9-509128号公報の第13頁第8行?第14頁第5行及びFIG.3B,FIG.4参照)、3つ以上のモータを共通の軸線と同軸の静止中心軸上に配置することも(例えば、特開2000-167792号公報の段落【0039】及び第3図参照)、いずれも周知技術にすぎず、3つ以上のシェルセグメントを3つ以上のモータで駆動するように、シェルセグメントや腕の設計を行うことは当業者が適宜なし得た程度のことにすぎないと認められ、当該主張は採用しない。

5.むすび
以上より、本願発明は、当審で通知した上記拒絶の理由によって拒絶をすべきものであり、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-04-24 
結審通知日 2013-05-07 
審決日 2013-05-21 
出願番号 特願2002-513402(P2002-513402)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A41B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 柿崎 拓森藤 淳志  
特許庁審判長 栗林 敏彦
特許庁審判官 紀本 孝
熊倉 強
発明の名称 サーボモータを利用して部品を移動中のウエブ上に置く方法及び装置  
代理人 森 秀行  
代理人 堀田 幸裕  
代理人 磯貝 克臣  
代理人 岡田 淳平  
代理人 永井 浩之  
代理人 勝沼 宏仁  

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