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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06Q
管理番号 1281225
審判番号 不服2012-3609  
総通号数 168 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-02-24 
確定日 2013-11-06 
事件の表示 特願2001-534030「インタラクティブ・ペーパーの分類ボタン」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 5月 3日国際公開、WO01/31521、平成15年 4月 8日国内公表、特表2003-513369〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成12年10月20日(優先権主張 1999年10月25日 豪州)を国際出願日とする特許出願であって,平成23年3月30日付けの拒絶理由通知に対して平成23年7月4日に意見書の提出とともに手続補正がなされ,平成23年10月18日付けの拒絶査定に対して平成24年2月24日に審判請求がなされるとともに手続補正がなされ,平成24年9月11日付けで当審から審尋がなされたものである。
(なお,審尋に対する回答はなかった。)

第2 平成24年2月24日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成24年2月24日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容について。
平成24年2月24日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)により,本件補正前の発明である請求項1?10の発明は,本件補正後の発明である請求項1?10の発明にそれぞれ補正された

2.請求項1に係る本件補正について。
(1)補正の内容について。
本件補正により,特許請求の範囲の請求項1の発明は,以下のとおり補正された。
(なお,下線は,補正の箇所を示すものとして当審で付加したものである。)
<<補正前>>
「プリント情報をユーザに提供するシステムであって,当該システムは,
印刷された識別子を検出するための光学センサと;
データベースから第1情報を得るために,当該第1の情報に関するユーザの要求の受信に応答して,第1の当事者データベースとインタフェースすると共に,当該ユーザに対して当該第1情報を第2情報とともに表示する為の第1プリント媒体であって,且つ当該第2情報の印刷時にプリンターによって印刷された当該第2情報と符号する不可視状態の識別子を含んでいる第1プリント媒体,を印刷するユーザ・プリンター・モジュールであって,当該ユーザ・プリンター・モジュールは,更に,当該第2情報を,少なくとも当該識別子を含んでいる指示データとして指定する為に,当該ユーザによって当該光学センサが使用された際に,当該光学センサから当該指示データを受信し,更に,当該光学センサからの当該指示データの受信に応答して,当該ユーザに対して第3情報を表示する第2プリント媒体を印刷するように構成されているユーザ・プリンター・モジュールと;
第1当事者からの金融上のデビットを,第3情報が導出される第2当事者に対して適用するアカウント手段と;
を含むプリント情報をユーザに提供するシステム。」
(以上「本件補正前発明」という。)
<<補正後>>
「プリント情報をユーザに提供するシステムであって,当該システムは,
印刷された識別子を検出するための光学センサと;
データベースから第1情報を得るために,当該第1の情報に関するユーザの要求の受信に応答して,第1の当事者データベースとインタフェースすると共に,当該ユーザに対して当該第1情報を第2情報とともに表示する為の第1プリント媒体であって,且つ当該第2情報の印刷時にプリンターによって印刷された当該第2情報と符号し不可視状態で該符合する第2情報に重畳された識別子を含んでいる第1プリント媒体,を印刷するユーザ・プリンター・モジュールであって,当該ユーザ・プリンター・モジュールは,更に,当該第2情報を,少なくとも当該識別子を含んでいる指示データとして指定する為に,当該ユーザによって当該光学センサが使用された際に,当該光学センサから当該指示データを受信し,更に,当該光学センサからの当該指示データの受信に応答して,当該ユーザに対して第3情報を表示する第2プリント媒体を印刷するように構成されているユーザ・プリンター・モジュールと;
第1当事者からの金融上のデビットを,第3情報が導出される第2当事者に対して適用するアカウント手段と;
を含むプリント情報をユーザに提供するシステム。」
(以上「本件補正後発明」という。)

(2)補正の目的について。
(ア)本件補正は,本件補正前の,「第2情報の印刷時にプリンターによって印刷された当該第2情報と符号する不可視状態の識別子を含んでいる第1プリント媒体」との事項を,本件補正後の,「第2情報の印刷時にプリンターによって印刷された当該第2情報と符号し不可視状態で該符合する第2情報に重畳された識別子を含んでいる第1プリント媒体」との事項に補正するものである。
(イ)この補正は,識別子が第2情報に重畳されることを特定するものであり,特許請求の範囲を限定的に減縮するものであるから,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(3)独立特許要件について。
前記(2)で判断したとおり,請求項1に係る本件補正は,特許請求の範囲を限定的に減縮することを目的とするものに該当する。
そこで,本件補正後の請求項1に係る発明(以下,「本願補正発明」という。)が,特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について,以下に検討する。

4.引用例について。
(1)引用例1について。
原査定の拒絶の理由で「引用文献1」として引用された「特開平11-110393号公報」(以下,「引用例1」という。)には,図面とともに,以下の(ア)?(エ)事項が記載されている。
(以下「引用例1摘記事項」という。)
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,情報処理方法および文書検索装置に関し,特に,ファクシミリ(FAX)装置を利用して,ワールドワイドウェブや他の同様な文書リソース供給源などの接続ネットワークに対しての文書アクセスを可能にする情報処理方法および文書検索装置に関する。」
(イ)「【0017】
(途中略)
<ウェブクライアントとしてのファックス機の使用>
図1および図2は発明の一実施例を表す。図1は本発明のシステムの一実施例のブロック図である。図1を参照すると,ファックス機101は電話回線104を通してゲートウェイ102と接続される。ゲートウェイ102もまたウェブ103へのアクセスを提供するインターネット105または他のネットワークまたは文書リソースと接続される。」
(ウ)「【0022】図2は,本発明におけるファックス機101のユーザによって実行される文書検索過程の流れ図である。図2を参照すると,ユーザはゲートウェイ102とファックス機101間で通信を始めることでプロセスを開始する(処理ブロック201)。一実施例において,ユーザはゲートウェイ102へ特定文書のファクシミリ伝達を送信することによりゲートウェイ102と通信を確立する。一実施例において,この文書は空白ページである。
【0023】ゲートウェイ102との通信確立の結果,ユーザは文書107などの文書をゲートウェイ102から受け取るが,それはハードコピーの形でのファックス機からのアウトプットである(処理ブロック202)。ゲートウェイ102からユーザが受け取る第1の文書はこれよりホームページ(HP)ということにする。その文書は複合的なページを有することもある。
【0024】文書を受領するために通信を確立する別の方法が使われることもある。例えば,個人はファックス機101のユーザへ送信される文書を要求するためにゲートウェイ102のオペレーターに口頭であるいは他の方法で通知する。その文書は自動的に,そうでなければ例えばウェブ上の他のユーザにより送信される。同様に自動サービス(例えば日毎の電子新聞)はユーザにいつ特定のページが更新されるのかを通知する。なお,ユーザは他の手段,例えば郵便,航空便や宅配により文書を受け取ってもよい。ゲートウェイ102から受信した文書はユーザにより検索される他の文書へのリンクを含む。一実施例において,リンクはハイパーテキストリンクである。リンクは文書中の機械読み取り可能な情報に符号化されフォーマットされる。機械読み取り可能情報は,バーコードやデジタルペーパーなどのデジタルフォーマットであることもあり,そのような一実施例は「普通紙へのデータ配置方法および装置」と題され1994年8月9日に発行された米国特許第5,337,362号に説明されており,本発明の共同の譲受人に譲渡された。リンクの識別および選択が可能な限り,他種の符号化が本発明で使用されてもよい。
【0025】一実施例において,ゲートウェイ102から受け取った文書は以後の文書検索のために丸の付けられる可能性のあるハイパーテキストリンクやホットスポットを指し示す機械読み取り可能情報を含む。一実施例では,機械読み取り可能情報はイメージもしくは一つのテキストの下に配置される。このようにすると,ユーザはどのリンクがアクティブなのかがすぐにわかる。機械読み取り可能情報は検索されることになるリンクされた文書のユニバーサルリソースロケータ(URL:Universal Resource Locator)を示していてもよい。URLはWWW上の文書を認識し,探し出すが,これは従来技術でよく知られている。図3に,テキストと共にこのテキスト下方のリンクを表すバーコードを示す典型的な文書が示される。別の実施例で,アイコンはリンクを表示するのに使われるようにすることもできる。多くのアイコンが1ページに収まることも可能であり,アイコン自体が機械読み取り可能情報を含むことができる。
【0026】ユーザは,希望の文書を示している文書上で,一つ以上のリンクを選択する(処理ブロック203)。一実施例において,ユーザはリンクに丸を付けることにより文書上のリンクを選択する。リンク選択の手段としてリンクをマークしたり丸で囲ったりするいかなるやり方も本発明では用いられることがある。言い換えれば,リンクを選択するのにそれを四角で囲ったりしてもよい。
【0027】別の一実施例において,文書は希望の文書を認識するのにユーザが書いた希望のリンク,文書,またはいくつかの他の情報への特別な入力場所(例えばボックス)を含む。例えば,文書はユーザがセレクションを書けるようにエントリーボックスのついたフォームを含むこともある。そのような場合には,ゲートウェイ102は選択を決定するためにいくつかの種類の文字認識を実行する。このようにして,本発明はユーザがファックスを通してフォームを埋められるようにする。
【0028】一実施例において,リンクはファックス機101に装備されたキーパッドのようなあるキーパッド上に各リンクと関連する数字をインプットすることにより選択されるようにしてもよい。図3を参照すると,リンクの一つがそのリンクと対応するバーコードを丸で囲むことでユーザにより選択される。リンクに付随するテキストまたはグラフィクスを丸で囲んだり選択する必要はない。ユーザは文書上のリンクを幾つでも選択できる。言い換えれば,ユーザは文書に含まれるいくつものバーコードを丸で囲める。
【0029】選択は,イメージ部分のハイライト(例えば丸で囲まれたリンク)とイメージの特定位置にマークを付けることを含む。ハイライトとマーク位置に基づいて,一つまたはそれ以上の文書が検索される。選択後,ユーザはその文書をファックス機101の中へフィードし,ゲートウェイ102へ文書をファックスし(処理ブロック204),WWW103または電子的にアクセス可能ないかなるソースを通して世界中のどこからでもその文書を検索し,電子的にアクセス可能ないかなるソースまたはファックス機101へ要求のあった文書のレンダリングバージョンをファックスで送り返す。
【0030】ファックス機101はゲートウェイ102によりファックスされて検索された文書のハードコピーを供給する(処理ブロック205)。ユーザは新たに受け取った新しい文書のリンクを選択(例えば,丸で囲む)し,処理ブロック204と205を繰り返すことによりさらなる情報を検索することができる。
<本発明のゲートウェイ>
ゲートウェイ102は文書検索要求を持っているファックス機101から受領したファクシミリ伝達を受信して処理する。ゲートウェイ102は文書上で選択されたリンクに対応する文書を検索することにより要求を満たす。文書検索要求を受信しそれを満たすためのゲートウェイ102の処理理論過程は図4の流れ図に示される。
【0031】ゲートウェイ102の理論処理はユーザがゲートウェイ102へ,リンク(例えば,ハイパーテキスト等)に丸の付けられた文書をファックスすることでスタートする。図4を参照して,ゲートウェイ102は最初にファックスイメージ,例えば図3の文書イメージなどを,例えばファックスモデムを通して受信する(処理ブロック401)。
【0032】ファックスを受信した上で,ゲートウェイ102は,ファックスされたイメージから検索される文書のロケータ/識別子(例えばURL)を決定する(処理ブロック402)。ゲートウェイ102はユーザに選択された機械読み取り可能情報を実行することで決定を行う。一実施例において,ゲートウェイ102はその分野ではよく知られた認識および電子解読の技術を使って選択されたリンクを抽出する。ゲートウェイ102に行われる抽出過程の一実施例は図5と関連付けられて以下に説明される。
【0033】一実施例で,異なるイメージのビットマップ表示間での解像差に敏感でないバーコードまたは一次元デジタルペーパーが使われる。その「バーコード」は黒と白のスペースを交互に配置するものからなる。情報は黒の幅の相対長さに含まれる。各コードは黒白黒と続く最初の黒スペースの特別なマーカーで始まり,その白スペースの長さはそれを取り囲んでいる黒スペースの長さとほぼ等しい。続きの黒スペースはスタート部分での平均的な幅と比較され,その長さの倍数として解釈される。スタート部分と似たエンディング部分はコードを有効にするために必要である。エンディング部分前の白スペース幅が長いとそのコードは無効になる。機械読み取り可能コードは幅の相対長さに基づいているので,解像度に敏感でなく,またイメージを通しての単一パスで速く計算される。太いコード(例えば,その高さ)は,スキューおよびノイズに対しての感度を鈍らせる余計なものが加わることになる。
【0034】文書が例えばフォームからなる場合,ゲートウェイ102は,検索されることになる文書を認識するためにイメージ上の特定の領域あるいはボックスで認識を実行することが要求される。ゲートウェイ102はまた文書選択過程の一部でユーザにより文書上に配置されたマーク(例えば“x”等)を探し出さなければならないこともある。
【0035】ロケータ/識別子を使って,ゲートウェイ102はインターネット105上で所望の文書を検索する(処理ブロック403)。一実施例において,ゲートウェイ102はユーザから受け取ったファックスから抽出されたURLを使って,文書を探し出して取り出す。なお,ゲートウェイ102が文書を検索するためにロケータ/識別子に加えてイメージ上のマーク(例えば“x”)を使用しなければならないこともある。そのような場合には,ロケータ/識別子が同じでも,マークが異なった場所で作られたのなら,異なった文書が送られる。
【0036】所望の文書が得られたら,ゲートウェイ102はユーザへの伝送のために各文書のイメージを作成する(処理ブロック404)。一実施例で,ゲートウェイ102は文書を解析,レンダリング,フォーマットすることでイメージを作成する。文書解析は,解析された文書のレンダリング及びフォーマティングと同様に,ユーザへファックスされたイメージに含ませるため(追加の文書のユーザ選択を可能にするため)に,検索された文書と関連する識別子/ロケータの機械読み取り可能コード(例えばバーコード,デジタルペーパー等)への変換を含む。殆どの文書にとって,レンダリングは,データをASCIIからラスタビットマップや,ファックス機(および他のマーキングエンジン)により使用されるプロトコルに変換するために必要である。
【0037】イメージが作成されてから,ゲートウェイ102はユーザへファックスでイメージを送信する(処理ブロック405)。ゲートウェイ102から検索文書を受け取った上で,ユーザは上述のようにさらに検索する文書を選択してもよい。この方法で,ファックス機は,自身がインターネット接続を利用しなくても,ウェブ上のいかなる文書をも取り寄せることができる。ゲートウェイ102は要求されたページだけでなくそのページでポイントされた全ての,またはいくつかのページも返信する。一方ゲートウェイ102は長すぎるページを分割し,ページの一部だけを残りの部分のリンクとともに返信する。
【0038】図5は,ゲートウェイ102により行われる抽出過程の一実施例を表す。図5を参照として,ゲートウェイ102はまずそのファックスモデムを通して受信したイメージから丸が付けられた領域を抽出する(処理ブロック501)。一実施例において,丸を付けられた領域は,そこを除いた全イメージを一色(例えば黒)で塗りつぶすことにより抽出される。そのため,丸のつけられた機械読み取り可能情報(例えばバーコード)のみが,イメージ塗りつぶし後に残る。塗りつぶされたイメージ例は図6に示される。ただし,図6上では,塗りつぶし個所はハッチングによって示されている。
【0039】次いで,ゲートウェイ102の理論処理は丸の付けられた領域(塗りつぶされていない領域)が得られるまでピクセルカラーに基づいて文書の丸の付けられた領域を検索する。一旦探し出されると,丸の付けられた領域の情報が抽出される。丸の付けられた領域抽出後,情報は識別子/ロケータやURLを決定するために解読される(処理ブロック502)。このようにして,ファックスで受信されたイメージ上に丸の付けられたバーコードや他の機械読み取り可能コードは解読されて,もう一つのコードが生成される。
【0040】その生成されたコードを使って,ゲートウェイ102はロケータ/識別子(例えばURL)を得る(処理ブロック503)。一実施例において,コードは識別子/ロケータ(例えばURL)からなる。別の実施例において,ゲートウェイ102による解読結果のコードは,識別子/ロケータを含むアクセス可能な記憶場所,リストあるいはテーブルへのポインタとしてゲートウェイ102により使用される。ポインタとして,コードはテーブルやリストへのポインタを表す第一部分と,識別子/ロケータを含むテーブルやリストでのエントリーを示す第二部分を含む。なお,一実施例においては,識別子/ロケータの全てがファックスされたイメージ面上に,識別子/ロケータのリストからどれをユーザが選択したかを示すコードと共に,表されることになる。
<ウェブサーバとしてのゲートウェイの使用>
(以下略)」
(エ)「【0055】要約すると,WWWのいかなる文書でも,本発明のゲートウェイを通して取り出せる。ユーザの必要とするものは本発明のゲートウェイの電話番号のみである。ゲートウェイは局地的領域にサービスを提供するものであり,あるいは,接続可能な全てのファックス機のプロキシマシンとなる。本発明は製品情報を得ることや,家情報,映画等のエンターテイメント情報および株式市場情報を探すことなどのウェブトランザクションのために使用される。コンテンツはユーザ設計であるが,一実施例では,ホームページが製品情報,エンターテイメントおよび,オープンハウス閲覧用のアイコンを含む。各アイコンによって追跡されるページは,製品や映画やレストランその他のリストを含んでいてもよい。
【0056】さらに,各ページは,追加のいくつかの機械読み取り可能情報を含む。一実施例において,ページごとの一つのマークはそのページを認識し,1ビットの機械読み取り可能情報が各アクティブリンクの下にプリントされる。このようにして,URL照会を強固な,ページ依存しない方法で行うことができる。本発明のゲートウェイは,変更や修正をほとんど加えることなく,ファックスを使用している顧客にウェブアクセスを提供したいと望む企業が使用することもできる。企業はゲートウェイを通しての多数のファックス顧客のウェブアクセスを期待することができるであろう。例えば,企業は広告を加えたり,ゲートウェイサービス使用に料金を課したりすることもできる。」
(オ)図3には,「Web Fax gatewaw」との文書(以下「図3の文書」という。)」であって,「・Ricoh California Research Center home page.」のテキスト(以下「図3のテキスト」という。)の下に「 ? ? ? ‐???? ?? 」のバーコード(以下「図3のバーコード」という。)の記載があり,これらテキストとバーコードとが丸で囲われていることが記載され,図6では,この丸で囲われた部分のまわりが塗りつぶされてテキストとバーコードとが抽出されることが記載されている。

上記(ア)?(エ)の各引用例1摘記事項,及び図面に関する(オ)の記載を参照すれば,引用例1には以下の発明(以下「引用例1発明」という。)が記載されている。
「ファクシミリ装置を利用して,WWW等のネットワークで文書へのアクセスを可能にするものであって,
ファックス機101は電話回線104を通してゲートウェイ102と接続され,ゲートウェイ102はウェブ103へのアクセスを提供するインターネット105などと接続され,
ユーザは,ゲートウェイ102からファックス機101で文書107を受け取り,この文書は日毎の電子新聞などであり,他の文書へのリンクを含み,
このリンクはハイパーテキストリンクであって文書中で機械読み取り可能に符号化されるバーコードであってテキスト下方にあり,
ユーザは,文書上でテキストとバーコードを丸で囲み選択し,丸の囲みがある文書をファックス機101の中へフィードしゲートウェイ102へ文書をファックスし,
ゲートウェイ102は,ファックスされたイメージの丸の囲みから,検索する文書のURLなどの識別子を決定し,選択されたリンクを抽出し,抽出されたURLを使って,文書を探し出して取り出し,イメージを作成し,ユーザへファックスで送信すること,
文書は,図3の文書であって,テキストの下のバーコードからリンク先が得られるものでよく,
文書は,製品情報を探すために使用され,文書が製品情報のアイコンを含み,各アイコンによって追跡されるページは,製品のリストを含んでいてもよい,
ファクシミリ装置を利用した文書アクセス。」

(2)引用例2について。
原査定の拒絶の理由で「引用文献4」として引用された「特開平10-254802号公報」(以下,「引用例2」という。)には,次の(ア)?(カ)の事項が記載されている。
(以下「引用例2摘記事項」という。)
(ア)「【要約】(修正有)【課題】通信方法に制限されることなく,通信の相手先を一元的に指定すること。
【解決手段】二次元バーコード・リーダ2を用いて,識別タグ12を走査し,二次元バーコードに記録されている通信相手先の識別情報を読み出す。どの種類の通信を行うのかを,ディスプレイ上のアイコンをマウス4を用いてクリックして選択する。これにより,選択したソフトウェアが起動され(ステップ306),通信が行われる(ステップ307)。この際に,希望すれば,アクセスしている相手先の識別情報を,二次元バーコード化することもできる(ステップ308,309)。」
(イ)「【0017】図3には,本発明の実施例による通信システムの概略図が示されている。この通信システムは,例えば,モデムやターミナル・アダプタを有し通信機能を備えているパーソナル・コンピュータ(以下では,単にパソコンと称する)1から構成される。このパソコン1には,二次元バーコード・リーダ2,キーボード3,マウス4,プリンタ5,スキャナ6,マイクロフォン7,及びスピーカ8が,接続されている。なお,プリンタ5の代わりに,より本格的な印刷用製版システム(図示せず)を用いてもよい。更に,このパソコン1は,電話回線9を介して,インターネット10に接続されている。二次元バーコード・リーダ2は,識別タグ12上に印刷された通信相手先を識別するための情報が記録された二次元バーコード11を走査して,記録された識別情報を読み取る。
【0018】二次元バーコード11は,デザイン等を配慮して,蛍光インク等を用いて印刷されたステルス・コードであってもよく,その際には,赤外光から紫外光までの任意の波長の光を照射することができる二次元バーコード・リーダを用いる。そうすることにより,印刷場所が限られた地図の上などに,地図の記載を邪魔しない態様で,二次元バーコードを印刷することもできる。」
(ウ)「【0020】また,二次元バーコード11に近接する場所に,記号(マーク)等を付すことにより,その二次元バーコードに含まれる個人識別情報を示唆してもよい。本発明では,基本的には,二次元バーコードによって,既に述べた4種類の個人識別情報を表している。しかし,4種類すべての情報を含むのではなく,例えば,二次元バーコードに,URLと電話番号との2種類の情報だけを表し,その旨を,特定の記号によって示すことが可能である。近接する位置に記号が付されている二次元バーコードを,拡大して,図4に示してある。図4の上段では,二次元バーコードの左上の4つの記号により,この二次元バーコードに含まれている個人識別情報が示されている。この例では,4つの情報すべてが含まれているわけである。この図の下段には,二次元バーコードがステルス化されている例が示されている。説明上,破線枠があるが,実際は存在しない。枠内に,二次元バーコードがステルス・インクで印刷されている。更に,この二次元バーコードが,流通業界などで用いられている従来型のバーコードとは異なり,本発明による通信相手先の識別目的のものであることを示してもよい。
【0021】(途中略)
【0022】本発明の通信システムによると,ある特定のWWWホームページにアクセスしているときには,その相手先の有する識別情報が記録されている二次元バーコードを,上述した付加的な記号も含めて,プリンタ5を用いてプリントアウトすることもできる。あるいは,具体的に相手先を指定して,その相手先に対応する二次元バーコードをプリントアウトすることもできる。この場合には,電話番号,ファックス番号,電子メール・アドレスなどのURL以外の識別情報は,パソコン1に内蔵されたハードディスク上に記憶されているデータベースに含まれるかもしくは,任意に,発信者,住所,特記事項等の入力が可能である。本発明の通信システムに含まれるプリンタ5が二次元バーコードを印刷する能力を有していることにより,例えば,自分自身にアクセスしてほしいと考えている個人や企業が,二次元バーコードを配布して,そのようなアクセスを促進することができる。広告主などが,この場合の個人や企業に相当する。」
(エ)「【0029】図7には,本発明の通信システムを用いて,通信を行うプロセスが示されている。プロセスは,ステップ301で開始される。ステップ302では,二次元バーコード・リーダ2を用いて,識別タグ12を走査し,二次元バーコードに記録されている通信相手先の識別情報を読み出す。読み出された相手先情報は,パソコン1のディスプレイ上に表示される。この表示を見て,ユーザは,この相手先を希望するのかどうかをステップ303で確認する。これでよい場合には,ステップ305に進む。希望の相手先でない場合には,再び識別コードを走査するか,または,具体的な識別情報をキーボード3から入力する(ステップ304)。ステップ305では,どの種類の通信を行うのかを,ディスプレイ上のアイコンをマウス4を用いてクリックして選択する。これにより,選択したソフトウェアが起動され(ステップ306),通信が行われる(ステップ307)。この際に,希望すれば,アクセスしている相手先の識別情報を,二次元バーコード化することもできる(ステップ308,309)。」
(オ)図7には,ステップ308に,「この相手先の識別情報を二次元バーコード化するか?」と記載され,ステップ309に,「プリンタ5を用いて印刷する。」と記載されている。
(カ)「【0034】次に,本発明の通信システムの別の応用例として,新聞の連合折込広告作成システムについて説明する。このシステムの概要は,図8に示されている。ここで「連合」とは,1枚の折込チラシに複数の広告主による広告が掲載されているものを意味する。この募集システムにおいては,広告企画会社が,折込日,地域及び枚数等の広告条件に関する案を提示して,WWWのホームページ上で,連合折込広告での広告主を募集する。連合折込広告を介して自社のホームページの広告を行いたいと考えているA社は,この募集に応じ,掲載を希望する連合折込広告における広告画面,自社のホームページのURL等を,企画会社にオンラインで転送する。この場合に,企画会社とA社との間では,広告の内容が企画会社が承認し得るものであるかどうかなど,広告画面の内容に関する打ち合わせも行われる。
【0035】その合意に基づき,企画会社は,A社の広告を,同様に応募した他の広告主による広告と共に,連合折込広告として,編集及び作成する。その際に,例えばホームページのURLや電話番号等を符号化した二次元バーコードを,A社の広告に付すことは,既に述べた別の実施例と同様である。広告料の支払い等の会計処理は,企画会社と広告主との間で,オンラインで電子的に決済されることが好ましい。」

上記(ア)?(オ)の各引用例2摘記事項を参照すれば,引用例2には以下の発明が記載されている。
(以下「引用例2発明A」という。)
「パソコン1に,二次元バーコード・リーダ2が接続され,識別タグや付加的な記号とともに印刷された通信相手先を識別するための情報が記録された二次元バーコード11を二次元バーコード・リーダ2で走査し,記録された識別情報を読み取るものであって,二次元バーコード11は,蛍光インク等を用い,これを任意の波長の光を照射できる二次元バーコード・リーダ2で走査してよく,さらに付加的な記号とともに二次元バーコード11をプリンタ5で印刷してよい。」
上記(カ)の引用例2摘記事項を参照すれば,引用例2には以下の発明が記載されている。
(以下「引用例2発明B」という。)
「広告料の支払い等の会計処理を企画会社と広告主との間でオンラインで電子的に決済すること。」

5.対比。
本願補正発明と引用例1発明とを対比する。
(ア)引用例1発明のファックス機101は,ユーザが希望する文書の情報を受信して印刷するものであって,電子新聞などを提供する者が,ユーザに対して,日毎の電子新聞などの文書を提供するとともに,ユーザが丸で囲んで指定するためのテキストと,テキストの下に印刷されるリンク先の情報を含むバーコードとをファックス機101で印刷して提供する。
ここで,引用例1発明は,ユーザが,図3の文書を受信して印刷し,図3のキーワードと図3のバーコードとを丸で囲んで指定するものや,ユーザが製品情報のアイコンを含む文書を受信し,アイコンにより追跡されるページが製品のリストを含むものなどが含まれるところ,システムがなすこれらの処理は共通であるから,以下,日毎の電子新聞で対比する。
(イ)引用例1発明の,「日毎の電子新聞などの文書の情報」と「ユーザが丸で囲んで指定するためのテキスト」とは,本願補正発明の「第1情報」と「第2情報」とに相当し,ファックス機101が印刷するこれら両情報の印刷文書である電子新聞は,本願補正発明の,「第1情報を第2情報とともに表示する為の第1プリント媒体」に相当する。
(ウ)引用例1発明の,電子新聞などを提供する者は,本願補正発明の「第1の当事者」に相当し,「第1の当事者」は,多数のユーザが要求する電子新聞である「第1情報」を提供するため,少なくとも電子新聞のデータベースを有し,ユーザの要求に応じてユーザとインタフェースする。
(エ)ここで,テキストの下に印刷されるリンク先の情報を含むバーコード(例えば「図3のバーコード」。)は,ユーザが,さらにテキストの情報(例えば「図3のテキスト」である「Ricoh California Research Center home page」など。)を希望する際,ユーザが指定することにより,ネットワーク上の該当するURLから情報を得るためのものであるから,本願補正発明の,「識別子」に相当する。この識別子であるバーコードは,第2の情報であるテキストの下でテキストと併せて提供される。
(オ)このように,引用例1発明のファックス機は,電子新聞の提供者にユーザが要求することにより,日毎に電子新聞を提供するものであるから,本願補正発明の「ユーザ・プリンター・モジュール」に相当する。
(カ)以上(ア)?(オ)のことから,引用例1発明と本願補正発明とは,後記する点で相違するものの,「データベースから第1情報を得るために,第1の情報に関するユーザの要求の受信に応答して,第1の当事者データベースとインタフェースすると共に,ユーザに対して第1情報を第2情報とともに表示する為の第1プリント媒体であって,且つ第2情報の印刷時にプリンターによって印刷された第2情報と符号する第2情報と併せて提供される識別子を含んでいる第1プリント媒体,を印刷するユーザ・プリンター・モジュール」を有する点で共通する。
(キ)引用例1発明は,ユーザが,「文書上でテキストとバーコードを丸で囲み選択し,丸の囲みがある文書をファックス機101の中へフィードしてゲートウェイ102へ文書をファックスし,ゲートウェイ102は,ファックスされたイメージの丸の囲みから,検索する文書のURLなどの識別子を決定し,選択されたリンクを抽出し,抽出されたURLを使って,文書を探し出して取り出し,イメージを作成し,ユーザへファックスで送信する」ものである。
(ク)引用例1発明の,「ユーザへ送信されるイメージ化された文書」は,ユーザが選択したバーコードから識別子を決定してリンク先のURLを抽出し,ゲートウェイ102がWWWで探し出してとりだして送信したものであるから,後記する点で相違するものの,本願補正発明の,「第3情報を表示する第2プリント媒体」に相当する。
(ケ)そして,引用例1発明のファックス機101は,ゲートウェイ102が,少なくともバーコードを含んでいるリンク先を指示するデータとして指定するために,ユーザが丸で囲んだ指示のデータを受信し,ユーザが指示したデータの受信に応答して,ユーザに対してリンク先のURLの文書をイメージ化してファックス送信したものを受信する。
(コ)してみると,引用例1発明と本願補正発明とは,後記する点で相違するものの,「ユーザ・プリンター・モジュール」は,「更に,第2情報を,少なくとも識別子を含んでいる指示データとして指定する為に,ユーザによって指示された指示データを受信し,更に,指示データの受信に応答して,ユーザに対して第3情報を表示する第2プリント媒体を印刷するように構成されているユーザ・プリンター・モジュール」である点で共通する。
(サ)以上,(ア)?(コ)のことから,引用例1発明と本願補正発明とは,後記する点で相違するものの,「プリント情報をユーザに提供するシステム」であって,この「システム」が,上記の「ユーザ・プリンター・モジュール」を有するものである点で共通する。

してみると,引用例1発明と本件補正発明とは,後記する点で相違するものの,
[一致点]
「プリント情報をユーザに提供するシステムであって,当該システムは,
データベースから第1情報を得るために,第1の情報に関するユーザの要求の受信に応答して,第1の当事者データベースとインタフェースすると共に,ユーザに対して第1情報を第2情報とともに表示する為の第1プリント媒体であって,且つ第2情報の印刷時にプリンターによって印刷された第2情報と符号する第2情報と併せて提供される識別子を含んでいる第1プリント媒体,を印刷するユーザ・プリンター・モジュールであって,ユーザ・プリンター・モジュールは,更に,第2情報を,少なくとも識別子を含んでいる指示データとして指定する為に,ユーザによって指示された指示データを受信し,更に,指示データの受信に応答して,ユーザに対して第3情報を表示する第2プリント媒体を印刷するように構成されているユーザ・プリンター・モジュール,
を含むプリント情報をユーザに提供するシステム。」
の発明である点で一致し,次の点で相違する。
[相違点1]
本願補正発明の「システム」が,「印刷された識別子を検出するための光学センサ」を有し,「識別子」が「不可視状態の識別子」であって,「ユーザによって光学センサが使用された際に,光学センサから指示データを受信し,更に,光学センサからの指示データの受信に応答」して,ユーザに対して第3情報を表示するものであるのに対して,引用例1発明は,ユーザが囲んだバーコードのイメージから識別子を得て文書を送信するものである点。
[相違点2]
本願補正発明の「識別子」が,「符号する第2情報に重畳された識別子」であるのに対して,引用例1発明は,そのようなものではない点。
[相違点3]
本願補正発明が,「第1当事者からの金融上のデビットを,第3情報が導出される第2当事者に対して適用するアカウント手段」を有するのに対して,引用例1発明は,そのようなものではない点。

6.当審の判断。
[相違点1]について。
(ア)引用例2発明Aによれば,引用例2には,「パソコン1に,二次元バーコード・リーダ2が接続され,識別タグや付加的な記号とともに印刷された通信相手先を識別するための情報が記録された二次元バーコード11を二次元バーコード・リーダ2で走査し,記録された識別情報を読み取るものであって,二次元バーコード11は,蛍光インク等を用い,これを任意の波長の光を照射できる二次元バーコード・リーダ2で走査してよく,さらに付加的な記号とともに二次元バーコード11をプリンタ5で印刷してよい。」との発明が開示される。
(イ)ここで,引用例1発明は,ユーザが「ファクシミリ」を利用し,「文書中のバーコードに符号化されたリンク先の識別子を得る」べく,「文書のテキストと下方のバーコードの領域をマルで囲み指定すれば,ゲートウェイがこの領域のイメージから識別子を得る」ものである。
これに対して,引用例2発明Aは,ユーザが「パソコンとバーコードリーダ」とを用い,「文書中のバーコードに符号化された通信相手先の識別情報を得る」べく,「識別タグや付加的な記号とともに印刷されたバーコードを走査して通信相手先を識別するための識別情報を得る」ものである。
(ウ)引用例1発明も引用例2発明Aも,「文書中のバーコードに符号化されたリンク先(通信相手先)の識別子(識別情報)を得る」ための技術である点で共通することから,引用例1発明の「識別子」を得るための構成を引用例2発明の「識別記号」を得るための構成とすることは当業者が容易に想到することができたものである。
(エ)つまり,引用例1発明の「文書中のバーコードに符号化されたリンク先の識別子を得る」ための「ファクシミリ」と「ゲートウェイ」とにより「文書のリンク先の領域をマルで囲み指定し,ゲートウェイがこの領域のイメージから識別子を得る」との構成を,引用例2発明Aの「パソコンとバーコードリーダ」との構成により「文書中の識別タグや付加的な記号とともに印刷されたバーコードをバーコードリーダで走査して符号化された通信相手先の識別情報を得る」との構成とすることには何ら困難性がなく,当業者が容易に想到することができたものである。
(オ)さらに,引用例2発明Aによれば,バーコードは蛍光インク等を用いて印刷されたものであってよいことから,「識別子(識別情報)」を「不可視状態」とすることにも何ら困難性がなく,当業者が容易に想到することができたものである。
(カ)以上のとおりであるから,引用例1発明の「識別子」を得るための構成を引用例2発明の「識別記号」を得るための構成とすること,そして,「印刷された識別子を検出するための光学センサ」を有する「システム」の構成とし,「識別子」を「不可視状態の識別子」とし,「ユーザによって光学センサが使用された際に,光学センサから指示データを受信し,更に,光学センサからの指示データの受信に応答」して,ユーザに対して第3情報を表示するよう構成することには何ら困難性がなく,当業者が容易に想到することができたものである。
[相違点2]について。
不可視のバーコードを印刷に重ねて印刷することは周知の事項である。
例えば,引用例2の【0018】段落には,蛍光インクを,「印刷場所が限られた地図の上などに,地図の記載を邪魔しない態様で,二次元バーコードを印刷する」ことが記載されている。
例えば,当審の審尋で提示した特開平9-16704号公報の【0018】段落には,「透明体のバーコード12を,それに対応するイメージ情報に重ねて印刷」することが記載されている。
してみると,「識別子」を,「符号する第2情報に重畳された識別子」とすることには何ら困難性がなく,当業者が容易に想到することができたものである。
[相違点3]について。
引用例1の【0056】段落には,「企業はゲートウェイを通しての多数のファックス顧客のウェブアクセスを期待」したり,「広告」を加えることが記載されている。
つまり,引用例1発明は,第1の当事者が多数の文書をユーザに配信し,ユーザが製品情報のアイコンを丸で囲み送信すると,第2の当事者が第3情報である製品のリストを送信することが想定される。
ここで,引用例2発明Bによれば,引用例2には,「広告料の支払い等の会計処理を企画会社と広告主との間でオンラインで電子的に決済すること。」との事項が開示される。
このような広告掲載料を当事者間でオンライン電子決済するための口座引き落としは周知の事項であるから,当事者からの金融上のデビットを他の当事者に対して適用するアカウント手段を設けること,つまり,「第1当事者からの金融上のデビットを,第3情報が導出される第2当事者に対して適用するアカウント手段」を設けることにはなんら困難性がなく,当業者が容易に想到することができたものである。

以上のとおりであるから,[相違点1]?[相違点3]に係る本願補正発明の構成は,引用例1発明,引用例2発明及び周知の事項から当業者が容易に想到することができたものである。
そして,本願補正発明の作用効果も,引用例1発明,引用例2発明及び周知の事項から当業者が予測できる範囲のものである。

したがって,本願補正発明は,引用例1発明,引用例2発明及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

7.本件補正についてのむすび。
本件補正は,改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1.本願発明について。
平成24年2月24日の手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明は,平成23年7月4日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
(以下,「本願発明」という。)
「プリント情報をユーザに提供するシステムであって,当該システムは,
印刷された識別子を検出するための光学センサと;
データベースから第1情報を得るために,当該第1の情報に関するユーザの要求の受信に応答して,第1の当事者データベースとインタフェースすると共に,当該ユーザに対して当該第1情報を第2情報とともに表示する為の第1プリント媒体であって,且つ当該第2情報の印刷時にプリンターによって印刷された当該第2情報と符号する不可視状態の識別子を含んでいる第1プリント媒体,を印刷するユーザ・プリンター・モジュールであって,当該ユーザ・プリンター・モジュールは,更に,当該第2情報を,少なくとも当該識別子を含んでいる指示データとして指定する為に,当該ユーザによって当該光学センサが使用された際に,当該光学センサから当該指示データを受信し,更に,当該光学センサからの当該指示データの受信に応答して,当該ユーザに対して第3情報を表示する第2プリント媒体を印刷するように構成されているユーザ・プリンター・モジュールと;
第1当事者からの金融上のデビットを,第3情報が導出される第2当事者に対して適用するアカウント手段と;
を含むプリント情報をユーザに提供するシステム。」

2.原査定の拒絶の理由について。
原査定の拒絶の理由の概要は以下のとおりである。
【拒絶理由】
『A.この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

(引用文献等については引用文献等一覧参照)
(1)請求項:1?10
引用文献:1?5
備考:
引用文献1(第22?44,55?58段落等参照)には,電子新聞など印刷された第1の文書をユーザがファックス機等により受け取ること,当該第1の文書には他の文書へのリンクも含まれていて当該リンクは機械読み取り可能な情報であるバーコード等の場合もあること,当該第1の文書に含まれるリンクであるバーコード等の識別子をユーザが1つ以上選択すると,当該選択された1つ以上の識別子に対応する文書をWWW等により取得してユーザのファックス機で印刷出力することによりユーザが閲覧可能であること,第1の文書としては製品情報やエンターテイメント等の情報の他,広告情報を加えることも可能であること,第1の文書の一実施例として,製品情報やエンターテイメントおよびオープンハウス閲覧用のアイコンを含み,各アイコンによって追跡されるページは製品や映画やレストランその他のリストを含んでいてもよいことが,それぞれ開示されている。
(途中略)
スキャナペンやバーコードスキャナ等の光学センサを利用して紙に記載されているバーコード等を識別して当該識別したコードに対応する情報を取得することは,引用文献3(第23?31段落等参照)や引用文献4(第34?44段落等参照)にあるように知られている技術であるから,引用文献1に記載された発明において当該技術を採用し,第1の文書に含まれるバーコード等のリンクの識別方法としてスキャナペン等の光学センサを採用することは,当業者であれば容易になし得たことである。
なお,ステルスインク等を用いて不可視状態とした識別子表現を利用する技術も,たとえば引用文献4(第18?20段落等及び図4等参照)にあるように知られている。
また,広告情報の提供に応じて広告料の支払いをオンラインで行うことはたとえば引用文献4(第34?40段落等参照)にあるように周知である。
(途中略)
したがって,引用文献1?5に記載された発明に基づいて請求項1?10に係る発明の構成とすることは,当業者であれば容易になし得たことである。
引 用 文 献 等 一 覧
1.特開平11-110393号公報
2.(略)
3.(略)
4.特開平10-254802号公報
5.(略)』
【拒絶査定】
『この出願については,平成23年 3月30日付け拒絶理由通知書に記載した理由によって,拒絶をすべきものです。
なお,意見書及び手続補正書の内容を検討しましたが,拒絶理由を覆すに足りる根拠が見いだせません。
(以下略)』

3.引用例について。
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された「特開平11-110393号公報」(以下「引用例1」という。)には,前記「第2」の「4.(1)」で摘記した各事項が記載されており,引用例1発明は,前記「第2」の「4.(1)」のとおりである。

4.対比。
本願発明は,本願補正発明から前記「第2」の「2.(2)(ア)」の補正事項の構成を省いたものである。
とすると,本願発明と引用例1発明とを対比すると,前記「第2」の「5.」の検討を踏まえれば,両者は,前記「第2」の「5.」の[一致点]の点で一致し,[相違点1]と[相違点3]の点で相違する。

5.判断 。
[相違点]について。
[相違点1]と[相違点3]に係る事項は,前記「第2」の「6.」の「[相違点1]について。」と「[相違点3]について。」で検討したとおりであり,これら相違点に係る発明の構成とすることは,引用例1発明,引用例2発明及び周知の事項から当業者が容易に想到することができたものである。
そして,本願発明の作用効果も,引用例1発明,引用例2発明及び周知の事項から当業者が予測できる範囲のものである。

6.むすび。
以上のとおり,本願発明は,引用例1発明,引用例2発明及び周知の事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-06-05 
結審通知日 2013-06-11 
審決日 2013-06-24 
出願番号 特願2001-534030(P2001-534030)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田内 幸治関 博文  
特許庁審判長 清田 健一
特許庁審判官 西山 昇
手島 聖治
発明の名称 インタラクティブ・ペーパーの分類ボタン  
代理人 雨宮 康仁  
代理人 森川 泰司  
代理人 木村 満  
代理人 桜田 圭  
代理人 毛受 隆典  
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