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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04B
管理番号 1281246
審判番号 不服2012-15711  
総通号数 168 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2013-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-08-10 
確定日 2013-11-06 
事件の表示 特願2010-533218「マルチモード通信のためのスイッチ可能レベル電圧源」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 5月14日国際公開、WO2009/061838、平成23年 1月27日国内公表、特表2011-504012〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、2008年11月5日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2007年11月5日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成23年7月5日付けの拒絶理由の通知に対し、平成23年10月11日付けで手続補正がなされ、平成23年11月1日付けの拒絶理由の通知に対し、平成24年3月8日付けで手続補正がなされたが、平成24年4月4日付けで平成24年3月8日付け手続補正が却下されるとともに、同年4月4日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成24年8月10日に審判請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。



第2.平成24年8月10日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成24年8月10日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.補正の内容
上記手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1-18のうち、請求項1の記載は次のとおりである(なお、下線は請求人が付与した。)。

「【請求項1】
トランスミッタ回路に対して電圧を供給するための装置であって、前記回路は、通信チャネル上で送信のための信号を処理し、前記トランスミッタ回路は、より高い周波数へと信号を変換するためのミキサを備え、前記トランスミッタ回路は、増幅器をさらに備え、
前記装置は、
前記トランスミッタ回路のための第1の供給電圧と第2の供給電圧を生成する電圧レギュレータで構成された電圧生成モジュール、を備え、前記第1の供給電圧は、第1のフェーズ中に第1のレベルに、そして第2のフェーズ中に第2のレベルにあり、前記第1のレベルは、前記第2のレベルよりも高く、前記第2の供給電圧は、前記第1のフェーズ中に第3のレベルに、そして第2のフェーズ中に第4のレベルにあり、
前記電圧生成モジュールには、前記フェーズに応じた前記各電圧を生成するための制御信号(Vコントロール)受け付ける入力部分が設けられており、
前記電圧レギュレータは、スイッチモード電圧レギュレータを備え、前記スイッチモード電圧レギュレータは、前記第1のフェーズ中に前記第1のレベルと第3のレベルとを生成し、前記第2のフェーズ中に前記第2のレベルと第4のレベルとを生成するための調整可能なスイッチングサイクルを有する、
装置。」


2.補正の適否
上記請求項1は、補正前の請求項1における「電圧生成モジュール」に関して、「前記電圧生成モジュールには、前記フェーズに応じた前記各電圧を生成するための制御信号(Vコントロール)受け付ける入力部分が設けられており」と限定し、同「電圧レギュレータ」に関して、「前記電圧レギュレータは、スイッチモード電圧レギュレータを備え、前記スイッチモード電圧レギュレータは、前記第1のフェーズ中に前記第1のレベルと第3のレベルとを生成し、前記第2のフェーズ中に前記第2のレベルと第4のレベルとを生成するための調整可能なスイッチングサイクルを有する」と限定するものであるから、この補正は、補正前の請求項に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定の違反)について以下に検討する。


3.本件補正発明
本件補正発明は、上記「1.補正の内容」に記載したとおりのものである。


4.引用文献の記載事項
これに対して、原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日の前に公開された文献である特開平07-250017号公報(以下、「引用文献1」という)には、図面とともに、次のア、イの事項が記載されている(なお、下線は当審が付した。)。

ア.「【請求項1】 アナログ変調方式とデジタル変調方式との両方で動作可能な無線送信機のための電力増幅器であって、
2種類の直流電源電圧を出力するための電源回路と、
前記電源回路から出力された2種類の直流電源電圧のうちのいずれかを選択するためのスイッチ回路と、
前記各方式に応じて前記スイッチ回路の選択を決定するための制御回路と、
前記スイッチ回路からの直流電源電圧を用いて無線周波数信号を増幅するための単一の電力増幅回路とを備えたことを特徴とする電力増幅器。 」
イ.「【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0020】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施例に係るFDMA/TDMAのデュアルモード方式の無線電話送信機用の電力増幅器の構成を示すブロック図である。図1において、1は正電源、2はスイッチ、3はマイクロプロセッサ、4は負電源、5は電力増幅回路である。
【0021】正電源1は、4.8Vと6.0Vとの2種類の直流電源電圧を出力するものである。4.8Vはニッケルカドミウム電池4セルの直列接続により、6.0Vはニッケルカドミウム電池5セルの直列接続により各々生成される。これら2種類の直流電源電圧を出力する正電源1は、電圧レギュレータ回路で構成することも可能である。
【0022】スイッチ2は、正電源1から出力された2種類の直流電源電圧のうちのいずれかを選択するものである。
【0023】マイクロプロセッサ3は、プログラムに従い、各変調方式に応じてスイッチ2の選択を決定するものである。具体的には、マイクロプロセッサ3は、アナログ変調(FDMA)方式の場合には4.8Vを、デジタル変調(TDMA)方式の場合には6.0Vをそれぞれ選択するように、スイッチ2を切り替える。 」

以上の記載事項を技術常識に照らし合わせれば、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「アナログ変調方式とデジタル変調方式との両方で動作可能な無線送信機のための電力増幅器であって、
4.8Vと6.0Vとの2種類の直流電源電圧を出力するための電圧レギュレータ回路と、
前記電圧レギュレータ回路から出力された2種類の直流電源電圧のうちのいずれかを選択するためのスイッチ回路と、
アナログ変調(FDMA)方式の場合には4.8Vを、デジタル変調(TDMA)方式の場合には6.0Vをそれぞれ選択するように、前記スイッチ回路の選択を決定するための制御回路と、
前記スイッチ回路からの直流電源電圧を用いて無線周波数信号を増幅するための単一の電力増幅回路とを備えたことを特徴とする電力増幅器。」

また、原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日の前に公開された文献である特開平07-250017号公報(以下、「引用文献2」という)には、図面とともに、次のウの事項が記載されている(なお、下線は当審が付した。)。

ウ.「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は送信回路に関し、詳しくは携帯電話機等の電力増幅器の効率を高めるようにした送信回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の送信回路を図11に従って説明する。電力増幅器20は二つの増幅器を有し、入力側の増幅器に対してVdd1が、出力側に増幅器に対してVdd2が電源電圧として供給される。上記電源電圧Vdd1、Vdd2を制御して電力増幅器20の効率を最大にする値にするために、RAM50、制御部30、DC/DCコンバータ40が設けられる。RAM50には電源電圧Vddと出力電力Puotとの関係式が格納され、制御部30は出力電力Puotと関係式とに基づいてDC/DCコンバータ40を制御し、DC/DCコンバータ40は制御部30から出力される制御信号に基づいて電池60の電圧を降圧して出力する。
【0003】
制御部30は電力増幅器20の出力電力Puotの情報が入力されると、RAM50に格納されている関係式に出力電力Puotの値を代入することにより、電力増幅器20を最大に動作させるための入力電圧Vddを算出する。次に、制御部30はDC/DCコンバータ40の出力電圧が、算出した値になるようにDC/DCコンバータ40を制御する。この結果、DC/DCコンバータ40は電力増幅器20を最も効率よく動作させるのに適
した電源電圧を出力する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002-290247号公報(図1)」

以上の記載事項を技術常識に照らし合わせれば、引用文献2には次の事項(以下、「引用文献2の記載事項」という。)が記載されている。

「携帯電話機等の送信回路における電力増幅器20は二つの増幅器を有し、それぞれの増幅器には、DC/DCコンバータの出力電圧であるVdd1とVdd2が電源電圧として供給されること」


5.対比
引用発明は、「アナログ変調方式とデジタル変調方式との両方で動作可能な無線送信機のための電力増幅器であって、前記スイッチ回路からの直流電源電圧を用いて無線周波数信号を増幅するための単一の電力増幅回路とを備えたことを特徴とする電力増幅器。」である。
そして、引用発明の「無線送信機」はトランスミッタ回路であるといえ、引用発明の「電力増幅器」は「前記スイッチ回路からの直流電源電圧」が供給されているといえる。
このため、引用発明は、本件補正発明と同様に、「トランスミッタ回路に対して電圧を供給するための装置」であるといえる。

引用発明は、「アナログ変調方式とデジタル変調方式との両方で動作可能な無線送信機のための電力増幅器」を備えている。
そして、通常の無線送信機が奏する機能からみて、通信チャネル上で送信のための信号を処理し、より高い周波数へと信号を変換するためのミキサを備えているといえる。
このため、引用発明は、本件補正発明と同様に、「前記回路は、通信チャネル上で送信のための信号を処理し、前記トランスミッタ回路は、より高い周波数へと信号を変換するためのミキサを備え、前記トランスミッタ回路は、増幅器をさらに備え」ているといえる。

引用発明は、「4.8Vと6.0Vとの2種類の直流電源電圧を出力するための電圧レギュレータ回路と、記電圧レギュレータ回路から出力された2種類の直流電源電圧のうちのいずれかを選択するためのスイッチ回路と」を備えている。
このため、引用発明は、本件補正発明と同様に、「前記装置は、前記トランスミッタ回路のための供給電圧を生成する電圧レギュレータで構成された電圧生成モジュール、を備え」ているといえる。

引用発明は、「4.8Vと6.0Vとの2種類の直流電源電圧を出力」し、「アナログ変調(FDMA)方式の場合には4.8Vを、デジタル変調(TDMA)方式の場合には6.0Vをそれぞれ選択」している。
そして、引用発明における「アナログ変調(FDMA)方式の場合」を「第2のフェーズ」、同「デジタル変調(TDMA)方式の場合」を「第1のフェーズ」と言い得るものといえる。
このため、引用発明は、本件補正発明と同様に、「供給電圧は、第1のフェーズ中に第1のレベルに、そして第2のフェーズ中に第2のレベルにあり、前記第1のレベルは、前記第2のレベルよりも高」いといえる。

引用発明は、「4.8Vと6.0Vとの2種類の直流電源電圧を出力するための電圧レギュレータ回路と、記電圧レギュレータ回路から出力された2種類の直流電源電圧のうちのいずれかを選択するためのスイッチ回路と」を備え、「制御回路」が「アナログ変調(FDMA)方式の場合には4.8Vを、デジタル変調(TDMA)方式の場合には6.0Vをそれぞれ選択するように、前記スイッチ回路の選択を決定」している。
そして、引用発明のスイッチ回路は、「制御回路」からの「アナログ変調(FDMA)方式の場合には4.8Vを、デジタル変調(TDMA)方式の場合には6.0Vをそれぞれ選択するよう」に制御されており、該作用からみて、引用発明は、該制御のための制御信号が「制御回路」から入力しており、該入力のための入力が設けられていると判断するのが妥当である。
このため、引用発明は、本件補正発明と同様に、「前記電圧生成モジュールには、前記フェーズに応じた前記各電圧を生成するための制御信号(Vコントロール)受け付ける入力部分が設けられて」いるといえる。

したがって、本件補正発明と引用発明を対比すると、次の点で一致する。


「トランスミッタ回路に対して電圧を供給するための装置であって、前記回路は、通信チャネル上で送信のための信号を処理し、前記トランスミッタ回路は、より高い周波数へと信号を変換するためのミキサを備え、前記トランスミッタ回路は、増幅器をさらに備え、
前記装置は、
前記トランスミッタ回路のための供給電圧を生成する電圧レギュレータで構成された電圧生成モジュール、を備え、前記供給電圧は、第1のフェーズ中に第1のレベルに、そして第2のフェーズ中に第2のレベルにあり、前記第1のレベルは、前記第2のレベルよりも高く、
前記電圧生成モジュールには、前記フェーズに応じた前記各電圧を生成するための制御信号(Vコントロール)受け付ける入力部分が設けられる、
装置。 」

また、次の点で相違する。

(1)相違点1
本件補正発明は、電圧レギュレータが生成する供給電圧が「第1の供給電圧と第2の供給電圧」であり、「前記第2の供給電圧は、前記第1のフェーズ中に第3のレベルに、そして第2のフェーズ中に第4のレベルにあり、」「前記第1のフェーズ中に前記第1のレベルと第3のレベルとを生成し、前記第2のフェーズ中に前記第2のレベルと第4のレベルとを生成する」構成であるのに対して、引用発明は該構成となっていない点。

(2)相違点2
本件補正発明は、「前記電圧レギュレータは、スイッチモード電圧レギュレータを備え、前記スイッチモード電圧レギュレータは、調整可能なスイッチングサイクルを有する」構成であるのに対して、引用発明は該構成となっていない点。


6.当審の判断
(1)相違点1について
引用文献2には、従来技術として、「携帯電話機等の送信回路における電力増幅器20二つの増幅器を有し、それぞれの増幅器には、DC/DCコンバータの出力電圧であるVdd1とVdd2が電源電圧として供給される」構成が記載されているとともに、引用文献1のような携帯電話機等の送信回路において、低歪みで増幅を行うために複数の増幅器による多段階で増幅を行うことや、効率よく駆動するために増幅器毎の信号強度に応じて異なった電源電圧を供給して駆動することは周知な事項である。
また、低歪みで増幅することや効率よく駆動することは増幅器が有する一般的な課題であり、引用発明の電力増幅器においても、このような課題が内在しているものといえる。
そして、引用発明に引用文献2の記載事項を適用することで、アナログ変調方式での動作である第1のフェーズ中に第1のレベルと第3のレベルが供給電圧として供給され、デジタル変調方式での動作である第2のフェーズ中に第2のレベルと第4のレベルが供給電圧として供給される構成となることは明らかである。
このため、上記のような一般的な課題を解決するために、引用発明に引用文献2の記載事項を適用し、電圧レギュレータが生成する供給電圧が「第1の供給電圧と第2の供給電圧」であり、「前記第2の供給電圧は、前記第1のフェーズ中に第3のレベルに、そして第2のフェーズ中に第4のレベルにあり、」「前記第1のフェーズ中に前記第1のレベルと第3のレベルとを生成し、前記第2のフェーズ中に前記第2のレベルと第4のレベルとを生成する」ようにすることは、当業者であれば容易になし得る事項であるというべきである。

(2)相違点2について
スイッチング電圧レギュレータは周知な電圧レギュレータであるとともに、スイッチサイクルによりスイッチング電圧レギュレータが生成する電圧レベルを調整することも周知な事項である。例えば、特開2002-064339号公報の段落【0002】には、「【従来の技術】従来、携帯型電話機や携帯型無線通信機などに用いられる高周波電力増幅装置では、バッテリーの電圧をスイッチング電源回路によって規定電圧に降圧して高周波電力増幅回路に供給してこれを駆動している。」と記載され、同段落【0142】には、「即ち、第2の実施形態における電源回路12は外部からの制御信号によって出力電圧Voutの設定値を変化できるようにすると共に出力電圧(設定電圧)が高いときは低周波数におけるPWM(pulse width modulation)によるスイッチング制御を行い、出力電圧(設定電圧)が低いときはPFM(pulse frequency modulation)によるスイッチング制御を行い、出力電圧を設定値に維持するようにしたものである。」と記載されている。
このため、引用発明の電圧レギュレータとして、周知な電圧レギュレータである、調整可能なスイッチングサイクルを有するスイッチモード電圧レギュレータを用いること、すなわち、「前記電圧レギュレータは、スイッチモード電圧レギュレータを備え、前記スイッチモード電圧レギュレータは、調整可能なスイッチングサイクルを有する」ようにすることは、当業者が容易になし得る事項であるというべきである。

また、本件補正発明の構成によってもたらされる効果は、引用発明、引用文献2の記載事項、及び、周知な事項から当業者ならば容易に予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。


7.むすび
以上のとおり、本件補正発明は、引用発明、引用文献2の記載事項、及び、周知な事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。



第3.本願発明について
1.本願発明
平成24年8月10日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成23年10月11日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1ないし22に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、次のとおりのものである(なお、下線は請求人が付与した。)。
なお、平成24年3月8日付け手続補正は平成24年4月4日付けで却下されている。

「【請求項1】
トランスミッタ回路に対して電圧を供給するための装置であって、前記回路は、通信チャネル上で送信のための信号を処理し、前記トランスミッタ回路は、より高い周波数へと信号を変換するためのミキサを備え、前記トランスミッタ回路は、増幅器をさらに備え、
前記装置は、
前記トランスミッタ回路のための第1の供給電圧と第2の供給電圧を生成する電圧レギュレータで構成された電圧生成モジュール、を備え、前記第1の供給電圧は、第1のフェーズ中に第1のレベルに、そして第2のフェーズ中に第2のレベルにあり、前記第1のレベルは、前記第2のレベルよりも高く、前記第2の供給電圧は、前記第1のフェーズ中に第3のレベルに、そして第2のフェーズ中に第4のレベルにある、装置。」


2.引用文献の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び2、引用発明、並びに、引用文献2の記載事項は、前記「第2.平成24年8月10日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「4.引用文献の記載事項」に記載したとおりである。


3.対比・判断
本願発明は、前記「第2.平成24年8月10日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「3.本件補正発明」で検討した本件補正発明における「電圧生成モジュール」及び「電圧レギュレータ」についての限定事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の特定事項を付加したものに相当する本件補正発明が前記「第2.平成24年8月10日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「6.当審の判断」に記載したとおり、引用発明、引用文献2の記載事項、及び、周知な事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明、引用文献2の記載事項、及び、周知な事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。



第4.まとめ
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用発明、引用文献2の記載事項、及び、周知な事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。
 
審理終結日 2013-06-05 
結審通知日 2013-06-11 
審決日 2013-06-24 
出願番号 特願2010-533218(P2010-533218)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04B)
P 1 8・ 575- Z (H04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石田 昌敏  
特許庁審判長 江口 能弘
特許庁審判官 近藤 聡
佐藤 聡史
発明の名称 マルチモード通信のためのスイッチ可能レベル電圧源  
代理人 井関 守三  
代理人 福原 淑弘  
代理人 佐藤 立志  
代理人 砂川 克  
代理人 堀内 美保子  
代理人 峰 隆司  
代理人 幸長 保次郎  
代理人 中村 誠  
代理人 野河 信久  
代理人 河野 直樹  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 白根 俊郎  
代理人 竹内 将訓  
代理人 岡田 貴志  

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