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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04J
管理番号 1281943
審判番号 不服2013-8522  
総通号数 169 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-05-09 
確定日 2013-12-10 
事件の表示 特願2010-548943「階層パイロット構造を備えた無線通信システムの送信機及び送信方法」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 9月17日国際公開、WO2009/114379、平成23年 5月12日国内公表、特表2011-515048、請求項の数(18)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2009年3月5日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2008年3月10日 米国,2009年2月6日 米国)を国際出願日とする出願であって,平成25年1月22日付けで拒絶査定がされ,これに対し,同年5月9日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同日付けで手続補正がなされたものである。
そして,当審において,平成25年6月14日付けで審査官により作成された前置報告書について,同年8月16日付けで審尋を行ったところ,審判請求人は同年10月4日付けで回答書を提出した。


第2 平成25年5月9日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)の適否
1.補正の内容
(補正事項1)
本件補正は,平成24年8月30日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された
「【請求項1】
無線ネットワーク・インフラストラクチャ・エンティティであって,
送信機と,
前記送信機に接続されたコントローラと
を備え,
前記コントローラは,割当制御チャネルと複数のパイロット要素とを含む時間-周波数資源領域の送信を前記送信機に行わせるように構成されており,
前記割当制御チャネルは,複数の時間-周波数タイルを含み,
各時間-周波数タイルは,複数の副搬送波と,前記複数のパイロット要素のうちの1つ以上のパイロット要素とを含み,
前記時間-周波数タイルそれぞれの前記1以上のパイロット要素は,1つの専用パイロット要素であり,
前記1つの専用パイロット要素は,その1つの専用パイロット要素を一部とする前記時間-周波数タイルの前記複数の副搬送波にのみ機能的に対応する,エンティティ。」
という発明(以下,「補正前の発明」という。)を
「【請求項1】
無線ネットワーク・インフラストラクチャ・エンティティであって,
送信機と,
前記送信機に接続されたコントローラと
を備え,
前記コントローラは,割当制御チャネルと複数のパイロット要素とを含む時間-周波数資源領域の送信を前記送信機に行わせるように構成されており,
前記割当制御チャネルは,複数の時間-周波数タイルを含み,
各時間-周波数タイルは,複数の副搬送波と,前記複数のパイロット要素のうちの1つ以上のパイロット要素とを含み,
前記時間-周波数タイルそれぞれの前記1以上のパイロット要素は,1つの専用パイロット要素であり,
前記1つの専用パイロット要素は,その1つの専用パイロット要素を一部とする前記時間-周波数タイルの前記複数の副搬送波にのみ機能的に対応し,
前記専用パイロット要素のパイロットフォーマットは,異なる移動局速度をサポートするように調整される追加のパイロットフォーマットと,異なる変調及び符号化方式をさらに適切にサポートするように調整された追加のパイロットフォーマットとのうちの少なくとも一方を有する,エンティティ。」
という発明(以下,「補正後の発明」という。)に変更するものであり,また,独立請求項である本件補正前の請求項10についても同様に補正をするものである。

(補正事項2)
本件補正前の請求項19?28を削除するものである。

2.補正の適否
(補正事項1について)
本件補正の補正事項1は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において,補正前の発明の「専用パイロット要素」について,「前記専用パイロット要素のパイロットフォーマットは,異なる移動局速度をサポートするように調整される追加のパイロットフォーマットと,異なる変調及び符号化方式をさらに適切にサポートするように調整された追加のパイロットフォーマットとのうちの少なくとも一方を有する」との限定を付加するものであって,補正前の発明と補正後の発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,特許法第17条の2第3項に違反するところはなく,特許法第17条の2第5項第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
また,特許法第17条の2第4項に違反するところはない。

そこで,補正後の発明が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。

(1)刊行物の記載事項
a.刊行物1
原査定の拒絶の理由及び審尋で引用した国際公開第2007/148610号(以下,「刊行物1」という。)には,「基地局,通信端末,送信方法及び受信方法」として,図面とともに以下の事項が記載されている。

(a)「[0005] 一方,将来的な次世代の無線アクセス方式では,広狭様々な周波数帯域が用意され,端末は場所により又は用途に応じて様々な帯域を利用できることが要請されるかもしれない。この場合,端末の受信可能な周波数帯域幅も用途や価格に応じて広狭様々な周波数帯域が用意されうる。この場合にも周波数スケジューリングが適切に行われるならば,周波数利用効率及びスループットの向上を期待することができる。しかしながら既存の通信システムで使用可能な周波数帯域は固定された帯域であることを前提としているので,広狭様々な周波数帯域が基地局側および端末側に用意されている場合に,あらゆる組み合わせを全て許容した上でスケジューリングの内容を端末又はユーザに適切に通知する具体的手法は未だ確立されていない。
[0006] 他方,全端末に共通のある特定のリソースブロックが制御チャネル用に固定的に割り当てられたとすると,端末のチャネル状態はリソースブロック毎に異なるのが一般的であるので,端末によっては制御チャネルを良好に受信できないおそれがある。また,全リソースブロックに制御チャネルが分散された場合には,どの端末もある程度の受信品質で制御チャネルを受信できるかもしれないが,それ以上の受信品質を期待することは困難になってしまう。従って制御チャネルをより高品質に端末に伝送することが望まれる。
[0007] さらに変調方式及びチャネル符号化率が適応的に変更される適応変調符号化(AMC: Adaptive Modulation and Coding)制御が行われる場合には,制御チャネルを送信するのに必要なシンボル数が端末毎に異なる。AMCの組み合わせによって1シンボル当たりに伝送される情報量が異なるからである。また,将来的なシステムでは送信側及び受信側にそれぞれ用意された複数のアンテナで別々の信号を送受信することも検討されている。この場合,各アンテナで通信される信号の各々にスケジューリング情報等の前述の制御情報が必要になるかもしれない。従ってこの場合は制御チャネルを送信するのに必要なシンボル数は端末毎に異なるだけでなく,端末に用いられるアンテナ数に応じても異なる可能性がある。制御チャネルで伝送すべき情報量が端末毎に異なっている場合に,リソースを効率的に使用するには制御情報量の変動に柔軟に対応可能な可変フォーマットを利用する必要があるが,それは送信側及び受信側の信号処理負担を大きくしてしまうことが懸念される。逆に,フォーマットが固定される場合は,最大情報量に合わせて制御チャネル専用のフィールドを確保する必要がある。しかしそのようにすると制御チャネル専用のフィールドに空きが生じたとしてもその部分のリソースはデータ伝送には利用されず,リソースの有効利用の要請に反することになってしまう。従って制御チャネルを簡易かつ高効率に伝送することが望まれる。
[0008] 本発明は,上記問題点の少なくとも1つに対処するためになされたものであり,その課題は,通信システムに割り当てられた周波数帯域が複数の周波数ブロックに分割され,周波数ブロックの各々は1以上のサブキャリアを含むリソースブロックを複数個含み,端末は1以上の周波数ブロックを用いて通信を行う通信システムにおいて,通信可能な帯域幅の異なる様々な端末に制御チャネルを効率的に伝送する基地局,通信端末,送信方法及び受信方法を提供することにある。」(2?3頁)

(b)「[0073] 図7Fは本発明の第5実施例によるデータチャネル及び制御チャネルのマッピング例を示す図である。本実施例でも図3に示されるような基地局が使用されるが,制御チャネルに関する処理要素は図4Eに示されるようになる。
[0074] 本実施例では,特定制御情報と不特定制御情報とが明確に区別される。特定制御情報および不特定制御情報は個々のユーザ毎に誤り訂正符号化され,割り当てられたリソースブロックにマッピングされ(ディストリビュート周波数分割多重化),送信電力が決定される。但し,不特定制御チャネルは周波数ブロックの全域にわたって分散してマッピングされる。即ち不特定制御チャネルは5つのリソースブロックの占める帯域全体にわたって分散している。
[0075] 図示の例ではリソースブロックRB1,RB2はユーザ1(UE1)に割り当てられ,リソースブロックRB3,RB5はユーザ2(UE2)に割り当てられ,リソースブロックRB4はユーザ3(UE3)に割り当てられる。上述したようにこのような割り当て情報は不特定制御チャネルに含まれている。更に,ユーザ1に割り当てられたリソースブロックの内のリソースブロックRB1の先頭に,ユーザ1に関する特定制御チャネルがマッピングされている。ユーザ2に割り当てられたリソースブロックの内のリソースブロックRB3の先頭には,ユーザ2に関する特定制御チャネルがマッピングされている。ユーザ3に割り当てられたリソースブロックRB4の先頭には,ユーザ3に関する特定制御チャネルがマッピングされている。図中,ユーザ1,2,3の特定制御チャネルの占める大きさが不均一に描かれている。これは,特定制御チャネルの情報量がユーザにより異なってよいことを表す。特定制御チャネルはデータチャネルに割り当てられたリソースブロックに限定して局所的にマッピングされる。
[0076] なお,第1乃至第5実施例において,複数のリソースブロックに制御チャネルを分散してマッピングする場合に,所与の周波数帯域中の全てのリソースブロックに制御チャネルがマッピングされることは必須ではない。例えば所与の周波数帯域中の奇数番目のリソースブロックRB1,RB3,・・・にのみ利制御チャネルがマッピングされてもよいし,偶数番目のリソースブロックにのみマッピングされてもよい。基地局及び移動局間で既知の適切な如何なるリソースブロックでもそこに限定して制御チャネルがマッピングされてよい。そのようにすることで,移動局が自局の割当情報を抽出する際のサーチ範囲を適切に狭めることができる。」(20?21頁)

上記摘記及び図7A?Fの記載並びに当該分野の技術常識を参酌すると,刊行物1には,「制御チャネルをより高品質に端末に伝送することを目的として,制御チャネルを不特定の通信端末で復号される不特定制御チャネルと1以上のリソースブロックが割り当てられた特定の通信端末で復号される特定制御チャネルとを含む制御チャネルとする」という発明(以下,「刊行物1記載発明」という。)が記載されていると認められる。

b.刊行物2
原査定の拒絶の理由及び審尋で引用した欧州特許出願公開第1811734号明細書(以下,「刊行物2」という。)には,「Method and apparatus for controlling transmission and reception of dedicated pilots according to MCS level in a wireless communication system」([当審仮訳]:無線通信システムにおいてMCSレベルに応じて専用パイロットの送信及び受信を制御する方法及び装置)として,図面とともに以下の事項が記載されている。

(a)「 BACKGROUND OF THE INVENTION
1. Field of the Invention
[0001] The present invention generally relates to a wireless communication system. More particularly, the present invention relates to a method and apparatus for controlling transmission and reception of dedicated pilots mapped to part of resources allocated to a data channel in a system that adaptively controls a modulation scheme and an error correction code rate.
(中略)
[0006] Each BS is provided with a scheduler (not shown), for reliable data transmission. The scheduler selects an appropriate Modulation and Coding Scheme (MCS) according to the channel status. The MCS is given in the form of an MCS level. The scheduler selects a low MCS level specifying a low-order modulation and/or a low coding rate such as Quadrature Phase Shift Keying (QPSK) for the MS 112 with a low SINR at the cell boundary, to thereby decrease data rate and ensure reliable transmission. A low coding rate like 1/6 or 1/12 provides almost the same performance as repeated coding that repeats data bits, using more resources for transmission of the same amount of information. In this case, a receiver of the MS 112 increases SINR by combining repeated signal components.
(中略)
[0009] In the illustrated case of FIG. 2, a common pilot channel 230 is allocated to odd-numbered subcarriers/subbands, and a control channel 240 is allocated to even-numbered subcarriers/subbands in a first OFDM symbol. The remaining resources are allocated to data channels for users, including a data channel 250 for user A.
[0010] As described before, compared to data or control information of which the received SINR can be increased by the use of a low MCS level, the pilot channel sends a predetermined amount of pilot symbols and thus there is no way to increase received pilot SINR. For a user in a poor channel status, despite an increased received SINR for data by use of a low MCS level, the degradation of channel estimation performance resulting from low pilot SINR decreases system reception performance.」(2頁1?2欄)
([当審仮訳]:[0001]本発明は,一般に,無線通信システムに関する。特に,本発明は,変調スキーム及び誤り訂正符号レートを適応的に制御するシステムにおけるデータチャネルに割り当てられる資源部分にマップされる専用パイロットの送信及び受信を制御する方法及び装置に関する。
(中略)
[0006]各基地局には,信頼できるデータ送信のために,スケジューラ(不図示)が備えられている。スケジューラは,チャネル状態に応じて適切な変調及び符号化スキーム(MCS)を選択する。MCSはMCSレベルの形で与えられる。セル境界の低SNIRの移動局112に対しては,スケジューラは,データレートを低減して信頼できる送信を確保するために,四位相偏移変調(QPSK)のような低変調度及び/又は低符号化レートの特徴を有する低MCSレベルを選択する。1/6又は1/12のような低符号化レートは,同じ量の情報の送信により多くの資源を使うことにより,データビットを繰り返す反復符号化とほぼ同様の能力を提供する。この例では,移動局112の受信機は,反復信号構造と組み合わせてSINRを増加する。
(中略)
[0009]図2に示された例では,共通パイロットチャネル230は第1OFDMシンボルの奇数番号のサブキャリア/サブバンドに割り当てられ,制御チャネル240は第1OFDMシンボルの偶数番号のサブキャリア/サブバンドに割り当てられる。残りの資源には,ユーザA用のデータチャネル250を含む,ユーザ用のデータチャネルが割り当てられる。
[0010]上述のとおり,低MCSレベルを用いることによって受信SNIRを増加することができるデータ又は制御情報に比べると,パイロットチャネルは予め決められた数のパイロットシンボルを送信するため,受信パイロットSNIRを増加することができない。チャネル状態が不十分なユーザにとって,低MCSレベルを用いることによるデータの受信SNIRの増加にもかかわらず,低パイロットSINRに起因するチャネル推定能力の悪化は,システムの受信能力を低下させる。)

(b)「[0019] The present invention controls transmission of dedicated pilots for use in channel estimation of data, according to the MCS level of the transmitted data. Especially as data is sent using a lower MCS level, dedicated pilots are sent using more resources. It is said that a low MCS level is used in the case where a relatively low-order modulation scheme such as QPSK is used, a relatively low coding rate is used, or a low-order modulation scheme and a low coding rate are used.
[0020] While the present invention is described in the context of downlink communications in an Orthogonal Frequency Division Multiple Access (OFDMA) wireless communication system, it is to be clearly understood to those skilled in the art that transmission of dedicated pilots in the present invention can be implemented in other mobile communication systems with a similar technological background and channel configuration with a slight modification, and remain within the scope of the present invention.
[0021] FIG. 3 illustrates transmission of dedicated pilots in an OFDM system according to the present invention. A data channel, a control channel, and a pilot channel are multiplexed and mapped to time-frequency resources.
[0022] Referring to FIG. 3, the horizontal axis represents a time domain and the vertical axis represents a frequency domain. The time domain covers a subframe 310 and the frequency domain covers a total frequency band. A basic transmission unit in frequency is a subband 320 including one subcarrier or a set of subcarriers. A pilot channel 330 and a control channel 340 are mapped to resources in a first OFDM symbol in the manner described before with reference to FIG 2. Dedicated resources for user A are allocated separately to a data channel 350 and a dedicated pilot channel 360. The pilot channel 330 sent in the first OFDM symbol is called a common pilot channel distinguishably from the dedicated pilot channel 360. Because the dedicated pilot channel 360 occupies part of the dedicated resources that otherwise might be further allocated to the data channel 350, data bits of the data channel 350 can be punctured, taking into account the amount of resources allocated to the dedicated pilot channel 360 during generation of the data channel 350.
[0023] When a low MCS level is used, there is a limit to the gain that can be achieved by reducing the coding rate of the data channel. Therefore, channel estimation performance is increased by using part of the dedicated resources allocated to a specific user for transmission of a dedicated channel signal to the user, thereby increasing the reception performance of a data channel in accordance with the present invention. The amount of pilot symbols sent on the dedicated pilot channel is determined according to the amount of resources allocated for the dedicated pilot channel, corresponding to the MCS level of the data channel. The amount of resources allocated for the dedicated pilot channel is determined using a predetermined formula or referring to a predetermined look-up table.
[0024] FIG. 4 illustrates an exemplary look-up dedicated pilots listing the percentage of dedicated pilots relative to dedicated resources with respect to MCS levels. Each MCS level specifies one of modulation schemes QPSK and 16-ary Quadrature Amplitude Modulation (16QAM), and one of coding rates, 1/24, 1/12, 1/6, 1/3, 1/2, and 3/4. Referring to FIG. 4, 8.3% (=1/12), 6.7% (=1/6)([当審注]:「6.7% (=1/6)」は,「16.7% (=1/6)」の誤記と認められる。), and 33.3% (=1/3) of dedicated resources are allocated to the dedicated pilot channel, respectively, for MCS levels 3, 2 and 1 specifying relatively low coding rates of 1/6, 1/12 and 1/24 and a relatively low-order modulation scheme like QPSK.
[0025] The configurations of a transmitter for transmitting dedicated pilots and a receiver for receiving the dedicated pilots in accordance with the present invention will be described below. For notational simplicity, downlink resources are allocated to one user in the following description. Yet, it is clear that the same description can be applied to a plurality of users on the uplink or the downlink without a great modification.
[0026] FIG. 5 is a block diagram of a transmitter for transmitting dedicated pilots according to the present invention.
[0027] Referring to FIG. 5, a scheduler 510 allocates available resources for a current scheduling period to a user and selects an appropriate MCS level for the user according to channel information 511 of the user. Resource allocation information indicating the selected MCS level is provided to a pilot channel generator 521, a control channel generator 522, and a data channel generator 523 in a scheduler output signal 512.
[0028] The scheduler output signal 512 includes dedicated pilot allocation information indicating the number and positions of dedicated pilots decided by the scheduler 510 as well as resource allocation information for each channel. If the positions of the dedicated pilots are determined such that they are sequentially disposed, starting from the top (e.g. the first channel) of the dedicated resources allocated to a data channel or starting from the bottom (e.g. the last subcarrier) of the dedicated resources, information about the positions of the dedicated pilots may not be included in the dedicated pilot allocation information. For notational simplicity, it is assumed herein that the start of the dedicated pilots is preset and the dedicated pilot allocation information indicates the amount of the dedicated pilots. The dedicated pilot allocation information may further indicate whether or not dedicated pilots are sent depending on whether the amount of dedicated pilots is 0 or a non-zero value.」(4頁5欄?5頁7欄)
([当審仮訳]:[0019]本発明は,送信されたデータのMCSレベルに応じて,データのチャネル推定に使用される専用パイロットの送信を制御する。特に,低MCSレベルを使用してデータが送信されると,専用パイロットはより多くの資源を用いて送信される。QPSKのような比較的低変調度が用いられた場合,比較的低符号化レートが用いられた場合,又は低変調スキーム及び低符号化レートが用いられた場合,低MCSレベルが使用されたといわれる。
[0020]本発明は直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)無線通信システムにおける下りリンク通信の文脈で説明されるが,本発明の専用パイロットの送信は,同様の技術的背景及びチャネル構成に多少の改変を有する他の移動体通信システムに適用可能であり,本発明のスコープ内のものであることは,当業者にとって明らかに理解可能である。
[0021]図3は,本発明のOFDMシステムにおける専用パイロットの送信を示す。データチャネル,制御チャネル及びパイロットチャネルは,多重化され,時間-周波数資源にマップされる。
[0022]図3を参照すると,水平軸は時間領域を示し,垂直軸は周波数領域を示している。時間領域はサブフレーム310をカバーし,周波数領域は総周波数帯域をカバーする。周波数における基本送信単位は,1又は複数のサブキャリアを含むサブバンド320である。パイロットチャネル330及び制御チャネル340は,前に図2を参照して説明したように,第1OFDMシンボルの資源にマップされる。ユーザAに対する専用資源は,データチャネル350及び専用パイロットチャネル360とに分離して割り当てられる。第1OFDMシンボルで送信されるパイロットチャネル330は,専用パイロットチャネル360と識別できるように,共通パイロットチャネルと呼ばれる。専用パイロットチャネル360は,もしそうでなければデータチャネル350が更に割り当てられる専用資源の一部を占るため,データチャネル350の生成の期間中,専用パイロット360に割り当てられる資源の総数を考慮して,データチャネル350のデータビットはパンクチャーされ得る。
[0023]低MCSレベルが用いられると,データチャネルの符号化レートを低減することにより達成可能なゲインには限界がある。このため,特定ユーザに対して当該ユーザが専用チャネル信号を送信するために割り当てられた専用資源の一部を使用することにより,チャネル推定能力は増加し,これにより本発明のデータチャネルの受信能力は増加する。専用パイロットチャネルで送信されるパイロットシンボルの数は,データチャネルのMCSレベルに応じて専用パイロットチャネルに割り当てられた資源の総数により決定される。専用パイロットチャネルに割り当てられる資源の総数は,予め定められた公式又は予め定められた参照表を使用して決定される。
[0024]図4は,MCSレベルに関して,専用資源に対する相対的な専用パイロットのパーセンテージを表にした例示的な専用パイロット参照表である。各MCSレベルは,QPSK,16値直角位相振幅変調(16QAM)の変調スキームの一つ,1/24,1/12,1/6,1/3,1/2及び3/4の符号化率の一つを特定する。図4を参照すると,1/6,1/12,1/24という比較的低符号化率で,QPSKのような比較的低変調度にものを特定する,MCSレベル3,2,1 について,それぞれ8.3%(=1/12),16.7%(=1/6),33.3%(=1/3)の専用資源が専用パイロットに割り当てられる。
[0025]本発明の専用パイロットを送信するための送信機及び専用パイロットを受信するための受信機の構成を以下に述べる。表記を簡単にするために,以下の説明では,下りリンク資源は1人のユーザに割り当てられる。しかし,同様の説明が,大きな改変なしに,上りリンク又は下りリンクの複数のユーザに適用され得ることは明らかである。
[0026]図5は,本発明の専用パイロットを送信するための送信機のブロック図である。
[0027]図5を参照すると,スケジューラ510は現在のスケジューリング期間に使用可能な資源をユーザに割り当て,ユーザのチャネル情報511に応じてユーザにとって適切なMCSレベルを選択する。スケジューラ出力信号512の中の選択されたMCSレベルを示す資源割り当て情報は,パイロットチャネル生成器521,制御チャネル生成器522及びデータチャネル生成器523に与えられる。
[0028]スケジューラ出力信号512は,各チャネルに対する資源割り当て情報と同様に,スケジューラ510により決定された専用パイロットの数及び位置を示す専用パイロット割り当て情報を含む。もし,データチャネルに割り当てられる専用資源の先頭から,又は当該専用資源の末尾(例えば,最後のサブキャリア。)から,専用パイロットの位置が連続的に配置されるように決定された場合は,専用パイロットの位置に関する情報は専用パイロット割り当て情報に含まれないかもしれない。表記を簡単にするために,ここでは専用パイロットの開始位置はプリセットされ,専用パイロット割り当て情報は専用パイロットの数を示すものと仮定する。専用パイロット割り当て情報は,更に,専用パイロットの数が0又は非0値により,専用パイロットが送信されるか否かを示す。)

上記摘記及び図3の記載並びに当該分野の技術常識を参酌すると,刊行物2には,「データチャネルの送信にチャネル状態に応じて適切な変調及び符号化スキーム(MCSレベル)を選択し,低MCSレベルが用いられると,特定ユーザに対して当該ユーザが専用チャネル信号を送信するために割り当てられた専用資源の一部を専用パイロットの送信に使用することにより,チャネル推定能力は増加させ,これによりデータチャネルの受信能力は増加する」という発明(以下,「刊行物2記載発明」という。)が記載されていると認められる。

c.刊行物3
原査定の拒絶の理由及び審尋で引用したMark Cudak et al.,Proposed Frame Structure for IEEE 802.16m,2008年1月16日,pp.1-13(以下,「刊行物3」という。)には,3?4頁に0.5秒?2秒のハイパーフレームが20msのスーパーフレームを複数含み,当該スーパーフレームは4個の5msのフレームからなり,第1番目のフレームには同期及びスーパーフレーム構成情報が含まれ,当該フレームは8個のサブフレームを含み,当該サブフレームは6個のOFDMAシンボルと18個のサブキャリアからなる基本割当可能単位である資源タイルからなることが示されている。また,8頁には,データシンボル及びアンテナ/ストリーム対応のパイロットP_(1)?P_(4)が割り当てられた資源タイルが示されている。ここで,当該パイロットの位置では他の空間ストリームはヌルであることが示されている。
したがって,刊行物3には,「6個のOFDMAシンボルと18個のサブキャリアからなる基本割当可能単位である資源タイルにおいて,アンテナ1?4又はストリーム1?4専用のパイロットP_(1)?P_(4)を割り当てる」という発明(以下,「刊行物3記載発明」という。)が記載されていると認められる。

d.刊行物4
審尋で引用した特開2008-35288号公報(以下,「刊行物4」という。)には,「無線通信装置及び通信方法」として,図面とともに以下の事項が記載されている。

(a)「【0025】具体的に,パイロットシンボル設定部107は,所定の移動速度を示す閾値α乃至βと,パイロットシンボルの時間軸方向の間隔が異なる3種類の無線信号フレームのシンボル構成を示す割当パターンS1乃至S3とを,予め記憶している。ここで,上述した閾値α乃至βにおいて,閾値αよりも閾値βの方が大きい閾値である。また,割当パターンS1乃至S3において,割当パターンS2は,割当パターンS1よりもパイロットシンボルの時間軸方向の間隔(シンボル区間の間隔数)が広く配置されており,かつ割当パターンS3よりもパイロットシンボルの時間軸方向の間隔が狭く配置されている。
【0026】図3乃至5には,本実施形態に係る割当パターンS1乃至S3における無線信号フレーム中に割り当てられるプリアンブルシンボルPと,パイロットシンボルPLと,データシンボルDとのシンボル構成が示されている。図3に示すように,割当パターンS1では,パイロットシンボルPLが,時間軸方向のシンボル区間の数“2”毎の間隔で配置されている。また,図4に示すように,割当パターンS2には,パイロットシンボルPLが,時間軸方向のシンボル区間の数“3”毎の間隔で配置されている。また,図5に示すように,割当パターンS3には,パイロットシンボルPLが,時間軸方向のシンボル区間の数“4”毎の間隔で配置されている。なお,上述した,割当パターンS1乃至S3における時間軸方向のパイロットシンボルの間隔(シンボル区間の数)は,一例であり,上述した間隔に限定されるものではない。また,本実施形態において,パイロットシンボル設定部107は,図3乃至図5の割当パターンS1乃至S3に示すように,同一のシンボル区間の全てのサブキャリアにパイロットシンボルの割り当てを設定する。
【0027】また,パイロットシンボル設定部107は,現在,移動端末200との無線通信で用いられている割当パターンS1乃至S3を記憶する。そして,パイロットシンボル設定部107は,測定部105によって測定された移動速度Vが,閾値βよりも上回る「V>β」である場合,割当パターンS1を選択する。また,閾値αよりも上回り,かつ閾値β以下「α<V≦β」である場合,割当パターンS2を選択する。また,閾値α以下「V≦α」である場合,割当パターンS3を選択する。また,パイロットシンボル設定部107は,現在,移動端末200との無線通信で用いられている割当パターンS1乃至S3(例えば,割当パターンS1)と,選択した割当パターンS1乃至S3(例えば,割当パターンS2)とを比較し,それぞれが異なる場合,無線信号に割り当てるパイロットシンボルとデータシンボルとを,選択した割当パターンS1乃至S3(例えば,割当パターンS2)で割り当てるように設定する。このようにして,パイロットシンボル設定部107によって設定された割当パターンS1乃至S3(例えば,割当パターンS2)が,設定結果となる。また,パイロットシンボル設定部107は,設定した割当パターンS1乃至S3を記憶すると共に,設定した当該割当パターンS1乃至S3をパイロットシンボル通知部109へ通知する。なお,パイロットシンボル設定部107は,比較したそれぞれの割当パターンS1乃至S3が同じである場合,パイロットシンボル通知部109へ通知しないように構成されていてもよい。また,本実施形態では,パイロットシンボル設定部107は,閾値α乃至βの2つと,割当パターンS1乃至S3の3つとを記憶する場合を例に説明するが,かかる閾値の数と割当パターンの数とはこれに限定されるものではない。」(6?7頁)

上記摘記及び図3?5の記載並びに当該分野の技術常識を参酌すると,図3?5に示されるパターンはパイロットシンボルの時間軸方向の間隔及び総数が異なるものであるから,刊行物4には,「OFDMA無線通信システムにおいて,パイロットシンボルの時間軸方向の間隔及び総数が異なる割り当てパターンを移動速度に応じて選択する」という発明(以下,「刊行物4記載発明」という。)が記載されていると認められる。

e.刊行物5
審尋で引用した国際公開第2007/125889号(以下,「刊行物5」という。)には,「パイロット信号送信方法,無線通信システム,それらに用いられる装置及びプログラム」として,図面とともに以下の事項が記載されている。

(a)「[0081] 背景技術において説明した通り,フェージングの時間変動は移動局の移動速度によって異なり,移動速度が速いほどフェージング変動ピッチは速くなる。すなわち,単位時間内でのチャネル変動が大きいことを意味するため,時間軸方向に蜜にパイロット信号を多重し,チャネル推定精度を向上させる必要がある。一方,フェージング変動ピッチが遅い場合は,単位時間内でのチャネル変動が小さいことを意味するため,時間軸方向に多重するパイロット信号は少なくてよく,パイロット信号の存在しない区間は内挿補間をすることでチャネル推定を行えばよい。」(15頁)

上記摘記及び図10の記載並びに当該分野の技術常識を参酌すると,刊行物5には,「OFDMを用いた伝送方式において,チャネル推定精度を向上させるため,移動局の移動速度に応じて時間軸方向のパイロット信号の密度を変える」という発明(以下,「刊行物5記載発明」という。)が記載されていると認められる。

(2)対比
以下,補正後の発明の下記a.,b.の構成について,各刊行物に記載された発明から容易に想到し得たものか否か検討する。

a.「前記割当制御チャネルは,複数の時間-周波数タイルを含み,各時間-周波数タイルは,複数の副搬送波と,前記複数のパイロット要素のうちの1つ以上のパイロット要素とを含み,前記時間-周波数タイルそれぞれの前記1以上のパイロット要素は,1つの専用パイロット要素であり」について

(a)まず,本件明細書の【0033】の「幾つかの実施形態では,時間-周波数資源ブロックの周波数範囲は,時間-周波数タイルの周波数範囲の整数倍である。また,他の実施形態では,時間-周波数資源ブロックの時間範囲は,時間-周波数タイルの時間範囲の整数倍である。」,本件の図2の「「資源ブロック」基本割当可能単位 18副搬送波×6シンボル」との記載によれば,補正後の発明の「複数の時間-周波数タイル」は,基本割当可能単位である「資源ブロック」とは異なる概念のものと認められる。
一方,刊行物1には,特定制御情報チャネル及び不特定制御情報チャネル,パイロットチャネル,データチャネルを備える,ユーザ対応のリソースブロックが記載されているにすぎず,また,パイロットに関する特段の言及もないから,刊行物1記載発明には,時間-周波数タイル及び専用パイロット要素の概念は見いだせない。
したがって,刊行物1記載発明は,補正後の発明の上記a.の構成を有していない。

(b)刊行物2には,基本割当可能単位である「資源ブロック」とは異なる概念である補正後の発明の「複数の時間-周波数タイル」は見当たらず,また,刊行物2の[0009]の記載によれば,制御チャネル240は第1OFDMシンボルの偶数番号のサブキャリア/サブバンドに割り当てられるものであるから,刊行物2記載発明は「割当制御チャネルは,複数の時間-周波数タイルを含」むものとはいえない。したがって,刊行物2記載発明は,補正後の発明の上記a.の構成を有していない。

(c)刊行物3には,10頁に「Control Mini-Tile(CMT)」の記載はあるものの,「割当制御チャネル」について明らかにされておらず,補正後の発明の上記a.の構成は教示されていない。なお,刊行物3の4頁に「Resource Tile」(資源タイル)の記載があるが,これは基本割当可能単位であるから,本件明細書及び図2の「資源ブロック」に相当するものである。
また,刊行物4,5には「複数の時間-周波数タイル」及び「専用パイロット要素」について言及されていないから,補正後の発明の上記a.の構成は教示されていない。

(d)したがって,刊行物1?5から,補正後の発明の「前記割当制御チャネルは,複数の時間-周波数タイルを含み,各時間-周波数タイルは,複数の副搬送波と,前記複数のパイロット要素のうちの1つ以上のパイロット要素とを含み,前記時間-周波数タイルそれぞれの前記1以上のパイロット要素は,1つの専用パイロット要素であり」なる構成を容易に想到し得たとはいえない。

b.「前記専用パイロット要素のパイロットフォーマットは,異なる移動局速度をサポートするように調整される追加のパイロットフォーマットと,異なる変調及び符号化方式をさらに適切にサポートするように調整された追加のパイロットフォーマットとのうちの少なくとも一方を有する」について

(a)刊行物1には,移動局速度,変調及び符号化方式とパイロットフォーマットとの関係について何ら言及されていない。
したがって,刊行物1記載発明は,補正後の発明の上記b.の構成を有していない。

(b)刊行物2記載発明は,MSCレベルに基づいて専用パイロットのパーセンテージが変わることになるのであるから,異なる変調及び符号化方式に応じた追加のパイロットフォーマットといえる。しかし,刊行物2記載発明は,データチャネルの送信に低MCSレベル(低変調度のQPSKや低符号化レート)を用いた結果として,本来データチャネル用の資源を専用パイロットに割り当て可能となるものである。そして,本件明細書の【0048】の記載によれば,異なる変調及び符号化方式を「さらに適切にサポートする」ためには,「時間-周波数チャネル追跡のためのパイロット密度は,QPSKより64QAMの場合,より大きくする必要がある」ところ,刊行物2の図4の記載によれば専用パイロットのパーセンテージ(すなわち,密度。)はQPSKより16QAMの方が小さいのであるから,刊行物2記載発明は「異なる変調及び符号化方式をさらに適切にサポートするように調整された」ものとはいえない。
また,刊行物2には,移動局速度とパイロットフォーマットとの関係については何ら言及されていない。
したがって,刊行物2記載発明は,補正後の発明の上記b.の構成を有していない。

(c)刊行物3には,移動局速度,変調及び符号化方式とパイロットフォーマットとの関係について何ら言及されていない。
したがって,刊行物3には,補正後の発明の上記b.の構成は教示されていない。

(d)刊行物4記載発明,刊行物5記載発明によれば,「異なる移動局速度をサポートするように調整されるパイロットフォーマット」は周知技術であるといえ,また,移動速度が上がると,チャネル状態が悪化し,通信品質を確保しにくくなることがあるため,低変調度の符号化方式や低符号化レートを採用する傾向があることは技術常識といえる。このため,刊行物1記載発明又は刊行物2記載発明に当該周知技術の組合せることの可否について,以下に検討する。
刊行物1記載発明は,専用パイロット要素に係る構成を有していないから,「専用パイロット要素のパイロットフォーマット」なる概念がないので,組合せの動機付けが存在しない。
また,本件明細書の【0047】の記載によれば,「異なる移動局速度をサポートする」ためには,「より高速のユーザ用に調整されるパイロット・フォーマットは,RB内のチャネル応答のより良い時間追跡を可能にする高密度化パイロット・レイアウト」,「より低速のユーザ用に調整されるパイロット・フォーマットには,パイロット構造を効率化し得る低密度化パイロット・レイアウト」とする必要があるところ,移動速度が上がるとチャネル状態が悪化して通信品質を確保しにくくなることがあるために低変調度の符号化方式や低符号化レートを採用する傾向があるとはいえ,必ずしも移動局速度とMCSレベルは対応するものではなく,また,刊行物2の図4の記載によれば専用パイロットを存在させ得るのはMCSレベルが3以下の場合のみである。そして,刊行物2の図3に例示されるものは,専用パイロットを最終OFDMシンボルに連続的に配置するものであるから,時間追跡を可能にするパイロットレイアウトとはいえない。そして,仮に,同じMCSレベルにおける専用パイロットの配置において,移動速度に応じて時間追跡を可能にするように分散配置し得るとしても,同じMCSレベルでは専用パイロットのパーセンテージは同じであって移動速度に応じて密度が変わるものではないから,刊行物4記載発明,刊行物5記載発明に基づくものではない。したがって,刊行物2記載発明に上記周知技術を適用する動機付けを欠くとともに阻害要因がある。

(e)したがって,刊行物1?5から,補正後の発明の「前記専用パイロット要素のパイロットフォーマットは,異なる移動局速度をサポートするように調整される追加のパイロットフォーマットと,異なる変調及び符号化方式をさらに適切にサポートするように調整された追加のパイロットフォーマットとのうちの少なくとも一方を有する」なる構成を容易に想到し得たとはいえない。

以上のとおりであるから,その余の点を判断するまでもなく,補正後の発明は,刊行物1?5に記載された発明に基いて,当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。補正後の請求項10に係る発明についても同様である。
よって,本件補正の補正事項1は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合する。

(補正事項2について)
本件補正の補正事項2は,請求項を削除するものであるから,特許法第17条の2第3項及び同第4項に違反するところはなく,特許法第17条の2第5項第1号の「第36条第5項に規定する請求項の削除」を目的とするものに該当する。

3.むすび
本件補正は,特許法第17条の2第3項?第6項の規定に適合する。


第3 本願発明
本件補正は上記のとおり,特許法第17条の2第3項?第6項の規定に適合するから,本願の請求項1?18に係る発明は,本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?18に記載された事項により特定されるとおりのものである。
そして,本願については,原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2013-11-22 
出願番号 特願2010-548943(P2010-548943)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04J)
最終処分 成立  
前審関与審査官 高野 洋  
特許庁審判長 田中 庸介
特許庁審判官 新川 圭二
菅原 道晴
発明の名称 階層パイロット構造を備えた無線通信システムの送信機及び送信方法  
代理人 本田 淳  
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