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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06Q
管理番号 1282552
審判番号 不服2011-12267  
総通号数 170 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-06-08 
確定日 2013-12-02 
事件の表示 特願2007-536631「自動エネルギー遮断装置を備えた非接触インテリジェント・カードを使用するエネルギー・メータ用の電気エネルギー前払い方法ならびに前払いおよび制御システム」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 4月20日国際公開、WO2006/041276、平成20年 5月15日国内公表、特表2008-516354〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成17年9月30日(優先権主張 平成16年10月12日 墨国)を国際出願日とする特許出願であって,平成22年6月3日付けの拒絶理由通知に対して,平成22年9月28日に意見書の提出とともに手続補正がなされ,平成23年2月3日付けの拒絶査定に対して平成23年6月8日に審判請求がなされ,平成24年10月18日付けで当審より拒絶理由を通知したところ,平成25年3月5日に意見書の提出とともに手続補正がなされたものである。

第2 本願発明について
本願発明は,平成25年3月5日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?18に記載された事項により特定されるとおりのものである。

第3 当審における拒絶の理由について
当審における平成24年10月18日付けで通知した拒絶理由の概要は,以下のとおりである。
進歩性について>
『【理由1】この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.特開平3-75568号公報
2.特開2000-249730号公報
3.特開平7-210754号公報
4.特開2004-110815号公報
5.特開2003-196615号公報
6.?10.(略)
・請求項1?18
・引用文献1?10
・備考
1.引用文献1には,(特に第5ページ右上欄第15行以降に記載される第4図に係る実施例を参照すれば,)本願の請求項1,6に係る発明(以下「本願発明」という。)に対応する,以下の発明(以下「引用発明」という。)が開示されている。
「(略)」
2.本願発明と引用発明とは,以下の点で相違している。
相違点1.
(途中略)
相違点2.?相違点4.(略)
相違点5.
(途中略)
相違点6.?相違点7.(略)
3.上記相違点について,以下検討する。
相違点1について
(途中略)
相違点2について?相違点4について(略)
相違点5について.
(途中略)
相違点6について?相違点7について(略)
以上のとおりであることから,相違点1ないし相違点7に係る本願発明の構成は,引用発明,引用文献2に記載の技術,及び引用文献3?6,7?9等に開示される周知の技術から当業者が容易に想到することができたものである。
そして,本願発明の作用効果も,引用発明,引用文献2に記載の技術,及び引用文献3?6,7?9等に開示される周知の技術から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって,本願発明は,引用発明,引用文献2に記載の技術,及び引用文献3?6,7?9等に開示される周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 』

<サポート要件について>
『【理由2】この出願は,発明の詳細な説明の記載が下記の点で,特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず,さらに特許請求の範囲の記載が下記の点で,特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない。
(1)(略)
(2)請求項1発明の「メータに記録されたクレジット額の情報をインテリジェント・カードに記録する」との記載事項は,発明の詳細な説明に記載されるいずれの実施例と対応するのか明確ではなく,特許法36条6項1号の要件を満たさないと考えられる。
(3)(略)
以上の指摘は,上記各請求項発明を引用する請求項の発明でも同様に成立する。
以上のとおり,この出願の発明の詳細な説明は,当業者が上記各請求項に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでなく,上記各請求項に係る発明は,発明の詳細な説明に記載したものでなく,明確でもない。
なお,上記各記載不備が解消しても,本願発明は依然として【理由1】により進歩性を有しないことから,特許を受けることができない。』

第4 当審の判断

4-1.サポート要件について。
まず,当審における拒絶理由の【理由2】について判断する。
ア 本願発明について。
本願の請求項1,6に係る発明(以下「請求項1発明」などという。)は,以下のとおりである。
「【請求項1】
非接触前払いインテリジェント・カード(15)と,電子式電気メータ(18)と,少なくとも一つの販売地点端末(20)とを使用する電気エネルギーの使用料の前払い方法であって,
前記非接触前払いインテリジェント・カードは,エネルギー供給業者から使用者が購入したエネルギーの前払いクレジット額が付与されていて,メモリ付のマイクロコントローラを有しており,
前記電子式電気メータ(18)は,メモリ付のマイクロコントローラ(11)を含む電気エネルギー測定カード(9)と,エネルギー供給遮断装置(1,2)に結合された前払い制御非接触カード(3)とを有し,
前記前払い制御非接触カード(3)は,前記非接触前払いインテリジェント・カード(15)のための内部リーダ・ライタ(8)と,無線周波数発生器と,マイクロコントローラ(7)と,交流電源のゼロクロス検出器(6)と,供給遮断コントローラ(5)と,給電源(4)とを有し,
前記電子式電気メータ(18)は,一体に組み込まれて密閉されていて,
前記少なくとも一つの販売地点端末(20)は,サーバ(21)を介してエネルギー供給業者の集金システムと相互に結合された通信インタフェース(27)を有し,該集金システムは,顧客の請求書と使用者が購入した前払いkWhの額に関する情報を格納するためのデータベース(22)を有し,前記kWhは前記電子式電気メータ(18)の耐用期間中は測定され,同時に使用者による改ざん情報も記録されるようにされていて,
前記電気エネルギーの使用料の前払い方法は,
前記電気エネルギー測定カード(9)と前記前払い制御非接触カード(3)との間の通信インタフェースを初期化する工程と,
前記非接触前払いインテリジェント・カード(15)のための前記内部リーダ・ライタ(8)を所定の無線周波数送信プロトコルに従って動作させる工程と,
前記前払い制御非接触カード(3)の前記マイクロコントローラ(7)により,前記電気エネルギー測定カード(9)のマイクロコントローラ(11)のメモリからデータを読み出す工程と,
前記前払い制御非接触カード(3)の前記無線周波数発生器により無線周波数の信号を発生して,前記内部リーダ・ライタ(8)を介して前記電子式電気メータ(18)から送信する工程と,
前記前払い制御非接触カード(3)の前記マイクロコントローラ(7)により,前記非接触前払いインテリジェント・カード(15)が前記電子式電気メータ(18)の検出領域内にあることを検出する工程(220,230)と,
前記電子式電気メータ(18)と前記非接触前払いインテリジェント・カード(15)との間で無線周波数を用いて情報交換を行う工程(100,290,340)と,
前記前払い制御非接触カード(3)の前記マイクロコントローラ(7)により,デジタル署名と前記電子式電気メータ(18)のシリアル番号とに基づいて,前記非接触前払いインテリジェント・カード(15)を認証する工程(260,270)と,
前記前払い制御非接触カード(3)の前記マイクロコントローラ(7)により,前記非接触前払いインテリジェント・カード(15)の前払いされたkWhのクレジット額がゼロより大きいか否かを決定する工程(290)と,
前記前払い制御非接触カード(3)の前記マイクロコントローラ(7)により,前記非接触前払いインテリジェント・カード(15)の前記メモリに記録された前記前払いされたkWhのクレジット額の値に応じて,そのクレジット額の全部あるいは一部を前記電子式電気メータ(18)に転送して引き落とす工程(300)と,
前記前払い制御非接触カード(3)の前記マイクロコントローラ(7)により,前記非接触前払いインテリジェント・カード(15)から引き落とされたkWhのクレジット額を前記電気エネルギー測定カード(9)のマイクロコントローラ(11)のメモリに記憶させる工程と,
前記電気エネルギー測定カード(9)のマイクロコントローラ(11)により,前記電子式電気メータの状態に関する生成された情報を前記非接触前払いインテリジェント・カード(15)に記録する工程(340)であって,該情報は,前記電気エネルギー測定カード(9)のマイクロコントローラ(11)のメモリに格納されており,前記電子式電気メータ(18)の耐用期間中に使用者によって消費されたエネルギーと,前記電子式電気メータ(18)に記録されたクレジット額と,切断回数,反転,誘導,誘導や反転の期間中に積算されたエネルギーを含むメータの改ざんとに関する情報を含む,前記記録する工程と,を含み,
電気エネルギーの消費を少なくするために,前記内部リーダ・ライタは数秒間だけ動作して,その間に,前記非接触前払いインテリジェント・カード(15)が前記電子式電気メータ(18)の検出領域内にあることを検出し,前記非接触前払いインテリジェント・カードの認証工程を行うことを特徴とする前記電気エネルギーの使用料の前払い方法。」

「【請求項6】
電気エネルギー供給に関する前払いおよび制御のためのシステムであって,
エネルギー供給業者から使用者が購入した前払いのクレジット額をチャージできる非接触前払いインテリジェント・カードと,
電子式電気メータとを有し,
前記電子式電気メータは,
前記電子式電気メータの使用者によって消費された電気エネルギーを記録するエネルギー測定モジュールと,
前記エネルギー測定モジュールの動作を制御するマイクロコントローラと,メータの耐用期間の間に使用者によって消費されたエネルギーおよび前記電子式電気メータの改ざんに関する前記エネルギー測定モジュールで生成される情報を含む情報を記録するメモリと 信号送信/受信部と,
非接触前払いインテリジェント・カードのリーダ・ライタと
を有し,
さらに前記電子式電気メータは,
信号を送信することにより,前記電子式電気メータの検出領域内に非接触前払いインテリジェント・カードがあることを検出し,
前記非接触前払いインテリジェント・カードとの間で直接信号の送受信を行って互いに情報を交換し,
前記非接触前払いインテリジェント・カードの認証を行い,
前記非接触前払いインテリジェント・カードが前払いされたゼロより大きなクレジット額を有するか否かを決定し,
前記非接触前払いインテリジェント・カードから前払いクレジット額を引き落として前記メモリに格納するように構成されていて,
さらに非接触前払いインテリジェント・カードは,前記電子式電気メータの状態に関する情報を前記電子式電気メータから受け取って記録するように動作し,
前記情報は,前記電子式電気メータの耐用期間中に使用者によって消費されたエネルギーと,前記電子式電気メータに記録されたクレジット額と,切断回数,反転,誘導,誘導や反転の期間中に積算されたエネルギーを含む前記電子式電気メータの改ざんとに関する情報を含み,
電気エネルギーの消費を少なくするために,前記リーダ・ライタは数秒間だけ動作して,その間に,前記非接触前払いインテリジェント・カード(15)が前記電子式電気メータ(18)の検出領域内にあることを検出し,前記非接触前払いインテリジェント・カードの認証を行うことを特徴とする前記システム。」

イ 本願発明の発明特定事項について。
請求項1発明の記載によれば,請求項1発明は,「電気エネルギー測定カードのマイクロコントローラにより電子式電気メータの状態に関する生成された情報を非接触前払いインテリジェント・カードに記録する工程であって,電子式電気メータに記録されたクレジット額の情報を記録する工程」との事項を有することが特定される。
また,請求項6発明の記載によれば,請求項6発明は,「非接触前払いインテリジェント・カードは,電子式電気メータの状態に関する情報を電子式電気メータから受け取って記録するように動作し,電子式電気メータに記録されたクレジット額の情報ギーを含む」との事項を有することが特定される。
つまり,本願発明は,非接触前払いインテリジェント・カードが電子式電気メータに記録されたクレジット額を記録することを特定する。(以下「クレジット額に係る事項」とう。)

ウ 発明の詳細な説明の記載におけるクレジット額に係る事項に関する記載について。
発明の詳細な説明(【0017】段落以降)には,「クレジット額」に関する直接の記載はなく,「クレジット」などに関連する以下の記載があるので,以下に順次検討する。
(ア)「【0025】 図1は,本発明の好適な形態に従うエネルギー測定用前払いシステムの簡略図である。図1に示されるように,エネルギー測定用前払いシステムは,中央ステーションおよび/又は供給業者の集金オフィスに位置する販売地点端末20を含むことが望ましい。販売地点端末20は,インテリジェント・カードのリーダ・ライタ・モジュール23を備えており,それは,従来のタイプの非接触カードでもよいし,あるいは,特別に開発されたものでよい。販売地点端末20は,サーバ21を介してそれ自身を顧客への請求書に関する情報および供給業者のデータベース22に記録された情報を維持管理する集金システムに接続する通信インタフェース27を有する。インタフェース27において使用される通信方法は,例えば,インターネット,イントラネット又は専用リンクを使用するMODEMを介したものでよい。データベース22は,ユーザが購入した前払い量kWhのほか,エネルギー・サービス会社の立場で行動を取るために,また解析のためにユーザによって為された改ざんも記録する。kWhは,メータの寿命の間測定される。」
<検討ア>
上記(ア)の記載によれば,サーバ21のデータベース22には,ユーザが購入した前払い量kWhのほか,エネルギー・サービス会社の立場で行動を取るために,また解析のためにユーザによって為された改ざんも記録すること,kWhは,メータの寿命の間測定されることが記載される。
しかし,データベース22が販売地点端末や非接触前払いインテリジェント・カードを介して電子式電気メータに記録されたクレジット額を記録することは記載されていない。
(イ)「【0027】電気エネルギー供給サービスの採用又は更改の時点で,エネルギー供給会社は,本発明の前払いシステムを備えた電子式メータをユーザの家19に設置し,販売地点20において前払いされた一定量kWhを予めロードした再利用可能な前払い非接触インテリジェント・カード15を引き渡す。好適な形態で,前払い非接触インテリジェント・カード15は,マイクロコントローラのメモリに記録された情報で個人専用のものとなる。それらの情報には,メータ番号,契約番号,最後にロードした日付,セキュリティ・キー[例えば,デジタル署名のほか,Mifare(登録商標)暗号化システムに指定されたものによって,(例えば,好適な形態では,Aキーを使用して前払いされた一定量のkWhを引き落としさせ,またBを使用して一定量の前払いされたkWhをカードのセクタにロードしたり引き落としさせたりするように],あるいは,三重の暗号化システムDES等),前払いされたkWh量のデータ,前払いされたkWh量が含まれ,それらは,引き落としによってメータに転送される。特定の好適な形態で,前払い非接触カードのマイクロコントローラのメモリは,メータの寿命の間にユーザが消費したエネルギーおよびメータ改ざんに関して電子式メータによって生成された情報を受入れおよび記録することができる。」
<検討イ>
上記(イ)の記載によれば,非接触前払いインテリジェント・カード15は,マイクロコントローラのメモリに記録された情報で個人専用のものとなること,その情報は,メータ番号,契約番号,最後にロードした日付,セキュリティ・キー,前払いされたkWh量のデータ,前払いされたkWh量が含まれ,それらは,引き落としによってメータに転送されること,前払い非接触カードのマイクロコントローラのメモリは,メータの寿命の間にユーザが消費したエネルギーおよびメータ改ざんに関して電子式メータによって生成された情報を受入れおよび記録することが記載される。
しかし,非接触前払いインテリジェント・カードが電子式電気メータに記録されたクレジット額を記録することは記載されていない。
(ウ)「【0028】 エネルギー供給を開始させるために,ユーザは,非接触前払いインテリジェント・カード15を非接触電子式メータのリーダ・ライタ18近くに置く。電子式メータの前記リーダ・ライタは,前払いカード15の認証を行って,購入された前払いkWh量のすべて又は一部を引き落としさせる。メータ18に引き落としする量をカード15中の購入された前払いkWh量のすべてにするか,あるいは,一部にするかの判断は,引き落としによってメータに転送すべき前払いkWhの量に関してカードに記録されている値又は前記引き落とし値に対してクレジットが小さい場合に依存する。(以下略)」
<検討ウ>
上記(ウ)の記載によれば,メータ18に引き落としする量をカード15中の購入された前払いkWh量のすべてにするか,あるいは,一部にするかの判断は,引き落としによってメータに転送すべき前払いkWhの量に関してカードに記録されている値又は前記引き落とし値に対してクレジットが小さい場合に依存することが記載される。
しかし,非接触前払いインテリジェント・カードが電子式電気メータに記録されたクレジット額を記録することは記載されていない。
(エ)「【0035】別のやり方では,非接触インテリジェント前払いカード15に記録されるメータ履歴データに関連する情報もこの測定カード9のマイクロコントローラ11のフラッシュ・メモリに記録される。従って,電子式メータ18とインテリジェント・カード15との間の情報交換は,シリアル・インタフェースを介して測定カードのマイクロコントローラおよび前払い制御カード3のマイクロコントローラ7によって特別に行われる。言い換えると,マイクロコントローラ11は,そのフラッシュ・メモリに情報を記録する要素であり,一方,マイクロコントローラ7は,カード15の存在を検出し,シリアル・インタフェースを介してマイクロコントローラ11のフラッシュ・メモリに記録されているデータを読み,更に,前払いカードのリーダ・ライタ8を介して前払いカード15のデータを読んで,1つのシステムから他のものへ情報を転送する媒介として働く。」
<検討エ>
上記(エ)の記載によれば,非接触インテリジェント前払いカード15に記録されるメータ履歴データに関連する情報が,測定カード9のマイクロコントローラ11のフラッシュ・メモリに記録されること,電子式メータ18とインテリジェント・カード15との間の情報交換は,シリアル・インタフェースを介して測定カードのマイクロコントローラおよび前払い制御カード3のマイクロコントローラ7によって特別に行われること,マイクロコントローラ11は,そのフラッシュ・メモリに情報を記録する要素であり,マイクロコントローラ7は,カード15の存在を検出してマイクロコントローラ11のフラッシュ・メモリに記録されているデータを読み,前払いカードのリーダ・ライタ8を介して前払いカード15のデータを読んで,1つのシステムから他のものへ情報を転送する媒介として働くことが記載される。
しかし,非接触前払いインテリジェント・カードが電子式電気メータに記録されたクレジット額を記録することは記載されていない。
(オ)「【0044】マイクロコントローラ7がエネルギー測定カード9に記録されているデータを読み出す操作を実行すると(ブロック100),これは,ユーザの前払い残量に関してリレーの状態を検証および変更する。ブロック100で得られた情報に基づいて,マイクロコントローラ7は,供給のこの前払いされた残量が0よりも大きいことを検証し(ブロック110),もしそのクレジットがゼロより大きくなければ,それは,リレー1が開いているか否かを検証する(ブロック120)。」
<検討オ>
上記(オ)の記載によれば,クレジットがゼロより大きくなければ,リレー1が開いているか否かを検証することが記載される。
しかし,非接触前払いインテリジェント・カードが電子式電気メータに記録されたクレジット額を記録することは記載されていない。
(カ)「【0050】フィールド内にカードが検出されると,システムは,無線周波数によるデータ送信プロトコル(例えば,標準ISO 14443-3Aに規定され,更に標準ISO 14443-4Aにも規定された)に従ってそのカードを選ぶ(ブロック250)。ブロック250でカードを選んだあと,マイクロコントローラ7は,前払いされたkWh量の引き落としのデジタル署名およびメータのシリアル番号によってカードを認証する(ブロック260)。マイクロコントローラは,次にインテリジェント・カードがメータに対応しているか否かを検証し(ブロック270),カードがこのメータに対応していない場合,マイクロコントローラ7は,不活性状態に戻って,割り込みコマンド待機中の最大エネルギーを節約し(ブロック80),ブロック90から180で説明したルーチンを再開する。しかし,カードがこのメータに対応していた場合,それは,カードの残りを読み出す(ブロック280)。この時点で,マイクロコントローラ7は,前払いインテリジェント・カードがクレジットを有するか否かを検証し(ブロック290),ブロック290の決定が否定的な場合,マイクロコントローラ7は,不活性状態に戻って,割り込みコマンド待機中の最大エネルギーを節約し(ブロック80),ブロック90から180で説明したルーチンを再開する。ブロック290の検証結果が肯定的であると判断された場合,マイクロコントローラは,非接触前払い制御カードによって,エネルギー測定カード9のマイクロコントローラ11のフラッシュ・メモリ中にインテリジェント・カード15のクレジットを引き落としすることを許可する(ブロック300)。1回の引き落としですべての前払いクレジットを引き落とししないことも可能である。引き落としするクレジットは,カード中に「引き落としによって転送すべき前払いkWh量」という変数で記録された量に依存する。ブロック300でクレジットを引き落としした直後に,システムは,メータ中の残りのクレジットを読み出し(ブロック310),カード15から引き落としされたクレジットをメータに残っているクレジットに加える(ブロック320)。ブロック320で実行された操作の結果の新しい前払いクレジット値は,マイクロコントローラ11によってエネルギー・メータのフラッシュ・メモリに送られる(ブロック330)。新しいクレジット値を受信したあと,あるいは,それと同時に,マイクロコントローラ11は,インテリジェント・カード15に対して測定モジュール10において生成されたメータの寿命の間にユーザによって消費されたエネルギーおよびメータ改ざん(例えば,切断,反転,誘導の存在等)に関する情報を送信する(ブロック340)。インテリジェント・カード15に情報を送信したあとで,マイクロコントローラ7は,不活性状態に戻って,割り込みコマンド待機中の最大エネルギーを節約し(ブロック80),ブロック90から180で説明したルーチンを再開する。」
<検討カ>
上記(カ)の記載によれば,クレジットを引き落としした直後に,システムは,メータ中の残りのクレジットを読み出し,カード15から引き落としされたクレジットをメータに残っているクレジットに加え,新しい前払いクレジット値を,マイクロコントローラ11によってエネルギー・メータのフラッシュ・メモリに送ること,クレジット値を受信したあとか同時に,マイクロコントローラ11は,インテリジェント・カード15に対して測定モジュール10において生成されたメータの寿命の間にユーザによって消費されたエネルギーおよびメータ改ざん(例えば,切断,反転,誘導の存在等)に関する情報を送信することが記載される。
しかし,非接触前払いインテリジェント・カードが電子式電気メータに記録されたクレジット額を記録することは記載されていない。

エ クレジット額に係る事項に関する発明の詳細な説明の記載について。
上記,ウの<検討ア>?<検討カ>で検討したとおりであるから,発明の詳細な説明には,クレジット額に係る事項である,「非接触前払いインテリジェント・カードが電子式電気メータに記録されたクレジット額を記録すること」ことは記載されていない。

オ 審判請求人の主張について。
(ア)審判請求人は,平成25年3月5日の意見書で以下の主張をしている。
『理由2に対する意見:
(途中略)
理由2の(2)でご指摘の,請求項1に係る発明の「メータに記録されたクレジット額の情報をインテリジェント・カードに記録する」という事項は,本願明細書の実施例の説明中の0035段落に記載の根拠があります。すなわち,0035段落の記載「別のやり方では,非接触インテリジェント前払いカード15に記録されるメータ履歴データに関連する情報もこの測定カード9のマイクロコントローラ11のフラッシュ・メモリに記録される。従って,電子式メータ18とインテリジェント・カード15との間の情報交換は,シリアル・インタフェースを介して測定カードのマイクロコントローラおよび前払い制御カード3のマイクロコントローラ7によって特別に行われる。言い換えると,マイクロコントローラ11は,そのフラッシュ・メモリに情報を記録する要素であり,一方,マイクロコントローラ7は,カード15の存在を検出し,シリアル・インタフェースを介してマイクロコントローラ11のフラッシュ・メモリに記録されているデータを読み,更に,前払いカードのリーダ・ライタ8を介して前払いカード15のデータを読んで,1つのシステムから他のものへ情報を転送する媒介として働く。」の下線部が該当すると考えます。
(以下略)』
(イ)【0035】段落については,前記「ウ(エ)」の「<検討エ>」で検討したとおりであり,非接触インテリジェント前払いカード15に記録されるメータ履歴データに関連する情報が,測定カード9のマイクロコントローラ11のフラッシュ・メモリに記録されること,電子式メータ18とインテリジェント・カード15との間の情報交換は,シリアル・インタフェースを介して測定カードのマイクロコントローラおよび前払い制御カード3のマイクロコントローラ7によって特別に行われること,マイクロコントローラ11は,そのフラッシュ・メモリに情報を記録する要素であり,マイクロコントローラ7は,カード15の存在を検出してマイクロコントローラ11のフラッシュ・メモリに記録されているデータを読み,前払いカードのリーダ・ライタ8を介して前払いカード15のデータを読んで,1つのシステムから他のものへ情報を転送する媒介として働くことが記載されるものの,非接触前払いインテリジェント・カードが電子式電気メータに記録されたクレジット額を記録することは記載されていない。
(ウ)以上のことから,審判請求人の主張を採用することはできない。

カ サポート要件についての結論。
以上,ア?オのことから,少なくとも当審の拒絶理由通知で指摘した請求項1発明に関し,請求項1発明を特定する,クレジット額に係る事項である,「非接触前払いインテリジェント・カードが電子式電気メータに記録されたクレジット額を記録する」との事項は,発明の詳細な説明に記載したものではない。
なお,請求項6発明も同様である。

よって,本件出願は,特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

仮に,上記の事項が発明の詳細な説明に記載したものであるとして,以下に進んで請求項6発明の進歩性を判断する。

4-2.進歩性について。
請求項6発明は,前記「4-1.ア」の「【請求項6】」に記載されるとおりのものである。
1.各引用例について
ア 《引用例1について》
当審の拒絶理由の通知で引用した引用例1には,以下のことが記載されている。
(以下「引用例1摘記事項」という。)
(ア)「3.発明の詳細な説明
[発明の目的]
(産業上の利用分野)
本発明は,例えば磁気カードまたはICカードのような携帯可能記憶媒体を所謂プリペイドカードとして使用し,該携帯可能記憶媒体に記憶された金額に相当する量の資源,例えば電力,ガス,水道水等を供給する携帯可能記憶媒体を使用した料金精算方式に関する。」
(1ページ左上欄10行?18行)
(イ)「第4図は本発明の他の実施例に係わる携帯可能記憶媒体を使用した料金精算方式の全体システム構成図である。同図に示す携帯可能記憶媒体を使用した料金精算方式は,例えばICカードのような情報を記憶するとともに該情報を電子的に処理し得る携帯可能記憶媒体(以下,この実施例ではICカードとして説明する)を使用するものである。
第4図に示す料金精算方式は,第1図の場合と同様に電力を需要家に供給する場合についての電力会社1,需要家側装置3,料金カード販売書5および国7の関係を示し,また需要家側装置3も同様に電力量計21,回路遮断器23,精算器250および税表示器27を有しているが,需要家側装置3を構成する精算器250は前記精算器25と同じ機能を有するもICカードに適合するように変更構成されている点が異なるのみで,その詳細な構成は前述した第3図とほぼ同じである。また,第5図は需要家側装置3の構成を示している。
なお,前述した第1図に示す料金精算方式は,マスターカード11,お客様カード13および料金カード15からなる3種類の磁気カードを使用しているが,第4図に示す料金精算方式は,1種類のICカード17のみ使用し,このICカード17は需要家のみ使用し,電力会社1は使用しないようになっている。従って,このICカード17は前述したように料金単価変更のためのマスターカード11,契約電流の変更のためのお客様カード13および料金カード15の3つの機能を1つで兼用しているとともに,更に需要家における使用電力量の実績の収集,すなわちロードサーベイを行うためにも使用されるようになっている。
このようなICカード17を使用した料金精算方式において,需要家が電力を使用開始するために,電力会社1に使用開始申し込みを行うと,電力会社1から需要家にお客様識別番号等を記憶したICカード17が発行されるので,需要家はこのICカード17をもって料金カード販売所5に行き,料金カード販売所5において料金を払って電力を使用するための金額を記憶してもらう。それから,需要家はこのICカード17を自分の需要家側装置3の精算器250のカードリーダ/ライタ39に挿入し,該ICカード17に記憶されているお客様識別番号や金額,すなわち購入した金額を精算器250のRAM55に読み込んで記憶する。 このようにICカード17を精算器250のカードリーダ/ライタ39に挿入して金額等を精算器250のRAM55に記憶した後は,需要家はこの記憶した金額までの電力を使用することができる。そして,この使用した電力量は電力量計21によって計測表示されるとともに,この使用電力損に対する消費税が税表示器27によって表示され,この使用電力量と消費税は電力会社1に通知される。」
(5ページ右上欄7行?6ページ左上欄2行。)
(ウ)「更に,需要家が使用した電力量データは,精算器250のカレンダ/時計装置45のカレンダ機能の基に日時データとして逐次各需要家の需要家側装置3の精算器250のRAM55に一時的に蓄積されるように構成されている。従って,該精算器250のRAM55に記憶された需要家の使用電力量データは,需要家が例えば上述した料金の補填を行うためにICカード17を精算器250のカードリーダ/ライタ39に挿入した際に,該ICカード17のメモリに記憶されるようになっている。そして,このようにICカード17に記憶された使用電力量データは,需要家が料金補填を行うために該ICカード17を料金カード販売所5に持って行った際に,該ICカード17から料金カード販売所5のデータ処理装置等に転送されるようになっている。料金カード販売所5は,このように各需要家のICカード17から収集してデータ処理装置等に記憶した使用電力量データを電力会社1に送り,これにより電力会社1においては各需要家の使用電力量の実績データの収集,すなわち日負荷曲線,月負荷曲線または毎月の使用電力量,支払い金額等の検針データを得,ロードサーベイを行うことができる。このように本料金精算方式におけるICカード17の利用は,このICカード17を従来-殻内な演算処理媒体としてではなく,所要の情報の入れ替え等,言わば情報の更新記録媒体として利用する点において,極めて有用なのである。なお,この場合,電力会社1において,各需要家の使用電力量をチエツクすることにより例えばICカードへの補填料金または電力料金の単価の改ざん等を監視することができる。」
(6ページ左下欄2行?右下欄13行)

イ 《引用例1発明について》
上記(ア)?(ウ)の各摘記事項,及び各摘記事項で参照される各図面の記載によれば,引用例1には,以下の発明が記載されている。
(以下「引用例1発明」という。)
「携帯可能記憶媒体(ICカード)に記憶された金額に相当する量の電力を供給するICカードを使用した料金精算システムであって,
需要家が使用するICカードと,電力会社1,需要家側装置3,料金カード販売所5とからなり,
需要家側装置3は電力量計21,回路遮断器23,精算器250を有し,精算器250はICカードに適合し,ICカード17は需要家の使用電力量の実績の収集,すなわちロードサーベイを行うためにも使用され,
ICカード17を使用した料金精算は,
需要家が電力を使用開始するために,電力会社1に使用開始申し込みを行うと,電力会社1から需要家にお客様識別番号等を記憶したICカード17が発行され,需要家はこのICカード17をもって料金カード販売所5で料金を払って電力を使用するための金額を記憶し,
需要家はICカード17を自分の需要家側装置3の精算器250のカードリーダ/ライタ39に挿入し,ICカード17に記憶されているお客様識別番号や購入した金額を精算器250のRAM55に読み込んで記憶し,
ICカード17を精算器250のカードリーダ/ライタ39に挿入して金額等を精算器250のRAM55に記憶した後は,需要家はこの記憶した金額までの電力を使用することができ,
需要家が使用した電力量データは,精算器250のカレンダ/時計装置45のカレンダ機能の基に日時データとして逐次各需要家の需要家側装置3の精算器250のRAM55に一時的に蓄積され,精算器250のRAM55に記憶された需要家の使用電力量データは,需要家がICカード17を精算器250のカードリーダ/ライタ39に挿入した際に,ICカード17のメモリに記憶され,ICカード17に記憶された使用電力量データは,需要家が料金補填を行うためにICカード17を料金カード販売所5に持って行った際に,該ICカード17から料金カード販売所5のデータ処理装置等に転送される,
電力料金精算システム。」

ウ 《引用例2について》
当審の拒絶理由の通知で引用した引用例2には,以下のことが記載されている。
(以下「引用例2摘記事項」という。)
(ア)「【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明に至った側面は,バイパス線を用いた電力の不正使用及び外部EMFによる電力の不正盗用を検出できる電力需給計器を提供すると共に,電力の不正使用の検出情報を電力会社に効率的にフィードバックできる低コストで実現可能な電力需給計器を提供することである。本発明は,電力の不正利用を検出し,また電力需給計器と電力会社の間で,電力の不正使用の検出に関する情報を転送する手段と装置を有する電力需給計器をより低いコストで実現し提供する。また,電力の不正使用の検出情報を転送する装置を用いることによって,同じ装置で,シリアル番号や累積電力量測定値など他の計器の情報も転送することができるため,検針員を派遣することも陳腐化してしまうことになる。」
(イ)「【0042】主電力送配電網の停電が検出されると,不揮発性メモリ[160]に累積瞬間電力が記憶される。電力需給計器[10]は,消費電力量の測定に加え,電力の不正使用を検出し,その情報を電力会社にフィードバックする手段を備えている。電力の不正使用を検出する第1の手段は,バイパス検出回路[1830]を用いて,バイバス線[30]の接続を検出するものである。バイパス線[30]が存在する場合,バイパス線検出回路[1830]がメイン・コントローラ[1850]に信号を送り,不揮発性メモリ[160]の累積バイパス線カウンタ[162]をインクリメントさせる。電力の不正使用を検出する第2の手段は,外部EMF検出回路[1840]を用い,強力な外部EMF[32]を検出するものである。強力な外部EMF[32]が存在する場合,外部EMF検出回路[1840]がメイン・コントローラ[1850]に信号を送り,不揮発性メモリ[160]の累積外部EMFカウンタ[164]をインクリメントさせる。この場合,消費電力量の料金支払いの時期であれば,スマートカード[20]をスマートカード読取器[120]に挿入することによって,電力需給計器[10]と電力会社の間で情報の転送が行われる。この情報には,電力需給計器不正変更検出カウンタ[161],累積バイバス線カウンタ[162],累積外部EMFカウンタ[162]等電力の不正使用に関するデータと共に,電力需給計器のシリアル番号[166]及び累積電力量測定値[168]が含まれる。」

エ 《引用例2開示事項について》
上記(ア)(イ)の各摘記事項によれば,引用例2には,以下のことが開示されている。
(以下「引用例2開示事項」という。)
「消費電力量を測定する電力需給計器が,電力の不正使用を検出して情報を電力会社にフィードバックするものであり,電力の不正使用の検出は,バイパス検出回路でのバイバス線の接続を検出と,外部EMF検出回路を用いた強力な外部EMFの検出であり,スマートカードをスマートカード読取器に挿入することによって,電力需給計器と電力会社の間で情報の転送が行われること。」

オ 《引用例3について》
当審の拒絶理由の通知で引用した引用例3には,以下のことが記載されている。
(以下「引用例3摘記事項」という。)
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,非接触型プリペイドカードを利用して使用できるガスメータ,電気メータ,水道メータ,給湯メータ,カロリーメータ等に適用される。」
(イ)「【0013】
【実施例】図1に本発明を実施したガスメータにおける非接触型プリペイドカード方式メータを示す。
【0014】1は非接触型プリペイドカードであって,このプリペイドカード1には,電源発生部2,無線送信部3,無線受信部4,プリペイ金額を記憶させた記憶部5,前記記憶部5に記憶されている金額をとり込み,これを前記無線送信部3を経由してメータ側に送信することを制御し,且つメータ側から逆信されて来た残金を無線受信部4を経由して記憶部5に記憶させる制御部6が構成されている。」

カ 《引用例3開示事項について》
上記(ア),(イ)の各摘記事項によれば,引用例3には,以下のことが開示されている。
(以下「引用例3開示事項」という。)
「電気メータなどに適用される非接触型プリペイドカードであって,プリペイドカードには,無線送信部,無線受信部,プリペイ金額を記憶させた記憶部を有し,記憶部に記憶されている金額をとり込み,これを無線送信部を経由してメータ側に送信し,メータ側から逆信されて来た残金を無線受信部を経由して記憶部に記憶させる制御部を有すること。」

キ 《引用例4について》
当審の拒絶理由の通知で引用した引用例4には,以下のことが記載されている。
(以下「引用例4摘記事項」という。)
(ア)「【要約】【課題】非接触ICカードが通信エリア内に進入した状態の検出を迅速に行って即時応答性を高めると共に,通信制御手段の処理負荷を小さくすること。」
(イ)「【0011】請求項5記載の手段によれば,基準搬送波信号の送信が間欠的に行われるから,通信エリア内に非接触ICカードが進入するまでの待機期間における消費電力を抑制できることになる。」

ク 《引用例4開示事項について》
上記(ア),(イ)の各摘記事項によれば,引用例4には,以下のことが開示されている。
(以下「引用例4開示事項」という。)
「非接触ICカードが通信エリア内に進入した状態の検出を迅速に行って即時応答性を高めると共に,通信制御手段の処理負荷を小さくするため,基準搬送波信号の送信を間欠的に行うこと。」

ケ 《引用例5について》
当審の拒絶理由の通知で引用した引用例5には,以下のことが記載されている。
(以下「引用例5摘記事項」という。)
(ア)「【0002】【発明が解決しようとする課題】非接触式のICカードと例えば電波信号を用いて通信を行なうカードリーダでは,一般に,ICカードが通信エリア内に位置したことを検出するため電波信号の送信を間欠的に行なっている。」
(イ)「【0008】【課題を解決するための手段】請求項1記載のカードリーダによれば,非接触式のICカードが通信手段の通信エリア付近に位置したことを検出するためのカード検出手段を備える。そして,通信制御手段は,カード検出手段によりICカードが通信手段の通信エリア付近に位置したことを検出すると,通信手段による通信を開始させるように制御する。即ち,単にICカードを検出するだけのカード検出手段は,通信手段が空中伝搬信号を用いてICカードと実際に通信を行った結果により検出する動作よりも少ない消費電力で検出が可能である。従って,ICカードが通信エリア付近に確実に位置した場合に通信手段による通信を開始させることで,電力の消費量を削減することができる。」
コ 《引用例5開示事項について》
上記(ア),(イ)の各摘記事項によれば,引用例5には,以下のことが開示されている。
(以下「引用例5開示事項」という。)
「非接触式のICカードが通信エリア内に位置したことを検出するため電波信号の送信を間欠的に行うこと,ICカードが通信手段の通信エリア付近に位置したことを検出すると通信手段による通信を開始させることで電力の消費量を削減すること。」


2.対比
(1)引用例1発明と,請求項6発明とを対比する。
(ア)引用例1発明の「電力会社」と「需要家」とは,それぞれ請求項6発明の,「エネルギー供給業者」と「使用者」に相当する。
(イ)引用例1発明のICカードに記憶される「金額」は,需要家が料金カード販売所5で料金を払い,記憶需要家側装置3で需要家が記憶されたこの金額までの電力を使用することができるものであるから,請求項6発明の,「前払いのクレジット額」に相当する。
(ウ)そして,引用例1発明の「ICカード」は,需要家が購入した前払いのクレジット額を記憶し,需要家が使用した電力量データを記憶するものであるから,請求項6発明の,「非接触前払いインテリジェント・カード」とは,後記する点で相違するものの,「前払いインテリジェント・カード」である点で共通する。
(エ)引用例1発明の「需要家側装置3」は,電力量計21,回路遮断器23,精算器250を有し,精算器250のカードリーダ/ライタ39に挿入されたICカードの情報を読み出し,ICカードへ情報を書き込むものであるから,後記する点で相違するものの,請求項6発明の「電子式電気メータ」に相当する。
(オ)引用例1発明の需要家側装置3は,電力量計21を有し,需要家が使用した電力量データを精算器250のRAM55に蓄積するものであるから,RAM55に蓄積するためのマイクロコントローラを有する。
してみると,引用例1発明と請求項6発明とは,後記する点で相違するものの,「電子式電気メータは,電子式電気メータの使用者によって消費された電気エネルギーを記録するエネルギー測定モジュールと,エネルギー測定モジュールの動作を制御するマイクロコントローラと,メータの耐用期間の間に使用者によって消費されたエネルギーの情報を記録するメモリ」を有する点で共通する。
(カ)引用例1発明の需要家側装置3は,精算器250のカードリーダ/ライタ39を有し,ICカードとの間で情報の送受信をする。
そして引用例1発明の需要家側装置3は,お客様識別番号を有し,購入した金額を精算器250のRAM55に読み込んで記憶し,需要家はこの記憶した金額までの電力を使用することができることから,需要家側装置3は,ICカードのお客様を識別するための処理,つまり認証を行う。
してみると,引用例1発明と請求項6発明とは,後記する点で相違するものの,「電子式電気メータは,信号送信/受信部と,前払いインテリジェント・カードのリーダ・ライタとを有し,前払いインテリジェント・カードとの間で直接信号の送受信を行って互いに情報を交換し,前払いインテリジェント・カードの認証を行い,前払いインテリジェント・カードが前払いされたゼロより大きなクレジット額を有するか否かを決定し,前払いインテリジェント・カードから前払いクレジット額を引き落としてメモリに格納する」点で共通する。
(キ)引用例1発明のICカード17は需要家の使用電力量の実績の収集,すなわちロードサーベイを行うためにも使用され,需要家が使用した電力量データは,精算器250のカレンダ/時計装置45のカレンダ機能の基に日時データとして逐次各需要家の需要家側装置3の精算器250のRAM55に一時的に蓄積され,精算器250のRAM55に記憶された需要家の使用電力量データは,需要家がICカード17を精算器250のカードリーダ/ライタ39に挿入した際に,ICカード17のメモリに記憶され,ICカード17に記憶された使用電力量データは,需要家が料金補填を行うためにICカード17を料金カード販売所5に持って行った際に,該ICカード17から料金カード販売所5のデータ処理装置等に転送される。
してみると,引用例1発明と請求項6発明とは,後記する点で相違するものの,「前払いインテリジェント・カードは,電子式電気メータの状態に関する情報を電子式電気メータから受け取って記録するように動作し,この情報は,電子式電気メータの耐用期間中に使用者によって消費されたエネルギーとに関する情報を含む」点で共通する。
(ク)以上のことから,引用例1発明と請求項6発明とは,「エネルギー供給業者から使用者が購入した前払いのクレジット額をチャージできる前払いインテリジェント・カードと,電子式電気メータ」とを有する「電気エネルギー供給に関する前払いおよび制御のためのシステム」である点で共通する。

(2)以上(ア)?(ク)のことから,引用例1発明と請求項6発明とは,以下の点で一致し,また相違する。
[一致点]
「電気エネルギー供給に関する前払いおよび制御のためのシステムであって,
エネルギー供給業者から使用者が購入した前払いのクレジット額をチャージできる前払いインテリジェント・カードと,
電子式電気メータとを有し,
電子式電気メータは,
電子式電気メータの使用者によって消費された電気エネルギーを記録するエネルギー測定モジュールと,
エネルギー測定モジュールの動作を制御するマイクロコントローラと,メータの耐用期間の間に使用者によって消費されたエネルギー情報を記録するメモリと
信号送信/受信部と,
前払いインテリジェント・カードのリーダ・ライタと
を有し,
さらに電子式電気メータは,
前払いインテリジェント・カードとの間で直接信号の送受信を行って互いに情報を交換し,
非接触前払いインテリジェント・カードの認証を行い,
非接触前払いインテリジェント・カードが前払いされたゼロより大きなクレジット額を有するか否かを決定し,
非接触前払いインテリジェント・カードから前払いクレジット額を引き落としてメモリに格納するように構成されていて,
さらに非接触前払いインテリジェント・カードは,電子式電気メータの状態に関する情報を電子式電気メータから受け取って記録するように動作し,
この情報は,電子式電気メータの耐用期間中に使用者によって消費されたエネルギーを含む,
ことを特徴とするシステム。」

[相違点1]
請求項6発明では,「前払いインテリジェント・カード」が,「非接触前払いインテリジェント・カード」であり,「電子式電気メータ」が,「信号を送信することにより,電子式電気メータの検出領域内に非接触前払いインテリジェント・カードがあることを検出」するものであり,「電気エネルギーの消費を少なくするために,リーダ・ライタは数秒間だけ動作して,その間に,非接触前払いインテリジェント・カードが電子式電気メータの検出領域内にあることを検出し,非接触前払いインテリジェント・カードの認証を行う」ものであるのに対し,引用例1発明は,そのような構成になっていない点。
[相違点2]
請求項6発明では,メモリへの記録が,「電子式電気メータの改ざんに関するエネルギー測定モジュールで生成される情報」を含み,「前払いインテリジェント・カード」が,「電子式電気メータから受け取って記録する情報」が,「電子式電気メータに記録されたクレジット額と,切断回数,反転,誘導,誘導や反転の期間中に積算されたエネルギーを含む電子式電気メータの改ざんとに関する情報」を含むのに対し,引用例1発明は,そのような構成になっていない点。

3.判断
ア [相違点1]について。
(ア)「前払いインテリジェント・カード」として「非接触カード」を採用することは,周知の事項である。
例えば,引用例3開示事項?引用例5開示事項によれば,引用例3?5には,「非接触カード」である「前払いインテリジェント・カード」が開示されている。
したがって,引用例1発明の前払いインテリジェント・カードであるICカードを,「非接触前払いインテリジェント・カード」とすることは当業者が容易に想到することができたものである。
(イ)検出領域内に非接触前払いインテリジェント・カードがあることを検出すること,リーダ・ライタを数秒間だけ動作させることは,いずれも周知の事項である。
例えば,引用例4開示事項によれば,引用例4には,非接触ICカードが通信エリア内に進入した状態の検出を迅速に行って即時応答性を高めると共に,通信制御手段の処理負荷を小さくするため,基準搬送波信号の送信を間欠的に行うことが開示され,引用例5開示事項によれば,引用例5には,非接触式のICカードが通信エリア内に位置したことを検出するため電波信号の送信を間欠的に行うこと,ICカードが通信手段の通信エリア付近に位置したことを検出すると通信手段による通信を開始させることで電力の消費量を削減することが開示される。
したがって,引用例1発明の,電子式電気メータである需要家側装置と,前払いインテリジェント・カードであるICカードとを,「信号を送信することにより,電子式電気メータの検出領域内に非接触前払いインテリジェント・カードがあることを検出」するよう構成し,電気エネルギーの消費を少なくするために,「リーダ・ライタを数秒間だけ動作して,その間に,非接触前払いインテリジェント・カードが電子式電気メータの検出領域内にあることを検出し,非接触前払いインテリジェント・カードの認証を行う」よう構成することには何ら困難性がなく,当業者が容易に想到することができたものである。

イ [相違点2]について。
(ア)引用例2開示事項によれば,引用例2には,電力の不正使用データ記録して電力会社へ転送するためにスマートカードを用いることが記載されている。
(イ)してみると,引用例1発明のICカードがRAMに記録される需要家の使用電力量の実績を収集して転送するする際,引用例2開示事項を適用することにより,RAMの記録に改ざんに関するエネルギー測定モジュールで生成された情報を含むよう構成し,この電力の不正使用データをICカードを介して電力会社へ転送するよう構成することには何ら困難性がなく,当業者が容易に想到することができたものである。
(ウ)さらに引用例2開示事項によれば,引用例2には,電力の不正使用を検出して電力会社にフィードバックする際の電力の不正使用の検出を,バイパス検出回路でのバイバス線の接続の検出と,外部EMF検出回路を用いた強力な外部EMFの検出とし,スマートカードをスマートカード読取器に挿入することにより電力需給計器と電力会社の間で情報の転送が行われるようにすることが記載されている。
(エ)ここで本願の発明の詳細な説明には,以下の記載がある。
『【0021】用語「切断(Disconnection)」は,ユーザへの電気エネルギー供給を遮断することなく電気エネルギー・メータを不活性化する行為を意味し,それによってメータが不活性化されている間のユーザのエネルギー消費をメータが記録できないようにする。用語「反転(Inversion)」は,接続ソケット中のメータの機械的な位置を交換して,実際に消費されるものよりも少なく計測する,あるいは,割引する行為を意味する。用語「誘導(Derivation)」は,ここでは,メータの外部に設置された最小電気抵抗のブリッジを意味し,それは,ユーザによって消費される電流の一部がメータのセンサを通過しないようにして,ユーザによって消費される真の量よりも少ない電流が感知されるようにするために為される。これらのブリッジは,広く「ブリッジ」のように広く知られている。』
(オ)本願の発明の詳細な説明の上記(エ)の記載を参照すれば,引用例2開示事項の「バイバス線の接続」は請求項6発明の「誘導」に対応し,「強力な外部EMF」は請求項6発明の「切断」に対応する。そして,このような「誘導」「切断」による不正使用のほか,「反転」による電力の不正使用もまた良く知られている。(以下「周知の事項A」という。)
してみると,周知の事項Aを勘案すれば,電力の不正使用データを電力会社へ転送する際,ICカードが需要家側装置から受け取って記録する情報を,需要家装置に記録された,切断回数,反転,誘導を含む改ざんに関する情報とすることは,必要に応じて当業者が適宜なし得る設計的事項である。
(エ)電力会社は不正使用の程度を把握したいことが知られている。(以下「周知の事項B」という。)
してみると,周知の事項Bを勘案すれば,引用例1発明のICカードがRAMに記録される需要家の使用電力量の実績を収集して転送するする際,誘導や反転の期間中に積算されたエネルギーの情報を記録して収集するよう構成することも,必要に応じて当業者が適宜なし得る設計的事項である。
(オ)電力会社は需要家のクレジットの状況を把握したいことが知られている。(以下「周知の事項C」という。)
例えば,引用例3の【0014】段落には,メータ側から逆信されて来た残金を無線受信部を経由して記憶部に記憶させることが記載されている。
してみると,周知の事項Cを勘案すれば,引用例1発明のICカードがRAMに記録される需要家の使用電力量の実績を収集して転送するする際,クレジット額を記録して収集するよう構成することも,必要に応じて当業者が適宜なし得る設計的事項である。
以上,(ア)?(オ)のことから,メモリへの記録を,「電子式電気メータの改ざんに関するエネルギー測定モジュールで生成される情報」を含むよう構成し,「前払いインテリジェント・カード」が「電子式電気メータから受け取って記録する情報」を,「電子式電気メータに記録されたクレジット額と,切断回数,反転,誘導,誘導や反転の期間中に積算されたエネルギーを含む電子式電気メータの改ざんとに関する情報」を含むよう構成することには何ら困難性がなく,当業者が容易に想到することができたものである。

以上,ア?イで判断したとおり,請求項6発明における上記[相違点1],[相違点2]に係る発明特定事項は当業者が容易に想到することができたものであり,相違点を総合しても,想到することが困難な格別の事項は見いだせない。
そして,本願発明の作用効果も,引用例1発明,引用例2?5開示事項,及び周知の事項から当業者が予測できる範囲のものである。

ウ 審判請求人の主張について。
(ア)審判請求人は,平成25年3月5日の意見書で以下の主張をしている。
『引用文献の各号には,内部リーダ・ライタ(8)を搭載する電子式電気メータ(18)内部に,前払い制御非接触カード(3)と,電気エネルギー測定カード(9)とを一体に搭載した構成については,開示がありません。特に,(I-2)の発明の特徴の欄で説明したような,
特徴A:「電気エネルギー測定カード(9)のマイクロコントローラ(11)により,電子式電気メータ(18)の耐用期間中にユーザによって消費された電力量(エネルギー)と,電子式電気メータ(18)に記録されたクレジット額と,切断回数,反転,誘導,誘導や反転の期間中に積算されたエネルギーを含むメータの改ざんとに関する情報を非接触前払いインテリジェント・カード(15)に記録する」という処理をする構成と,
特徴B:「電子式電気メータ(18)に搭載の前払い制御非接触カード(3)は,非接触前払いインテリジェント・カード(15)のための内部リーダ・ライタ(8)と,無線周波数発生器と,マイクロコントローラ(7)と,交流電源のゼロクロス検出器(6)と,供給遮断コントローラ(5)と,給電源(4)と」を含む電子式電気メータは引例各号には見られません。』(4ページ下から12行?5ページ上から2行)
(イ)上記主張(ア)の『特徴B』のゼロクロス検出器に関し,請求項6発明ではそのような特定はされていないことから,請求人のゼロクロス検出器に関する主張を採用することはできない。
(ウ)また,審判請求人の,『この後者の特徴Bの構成により,前払い制御非接触カード(3)のマイクロコントローラ(7)により,電子式電気メータのメモリの前払いされたクレジット額を読み出し(100),前払いされたクレジット額が0よりも大きいか否かを検証し(110),エネルギー供給遮断装置(1)の状態を検証して,それが開いているか閉じているかを判断し(120,140),読み出された前払いされたクレジット額に基づいて,エネルギー供給遮断装置を開閉させる信号を発生させる(130,150)ものです。』(5ページ3行?8行)との主張について,発明の詳細な説明にはそのような事項が記載されているものの,請求項6発明は,前記「4-1.ア」の「【請求項6】」に記載されるとおりのものであり,これを超える事項に係る主張は特許請求の範囲の記載に基づかないものであるから,審判請求人の主張を採用することはできない。
(エ)特徴Aに関して審判請求人は,『引用文献2には,バイパス線を用いた電力の不正使用を検出して,電力の不正使用の検出情報を電力会社にフィードバックできる装置が開示されています。バイパス線による不正使用は,本願明細書で説明する「誘導」という名称で示す不正使用に類似の場合でありますが,上記の本発明の特徴である「切断回数」と「反転」と「誘導や反転の期間中に積算されたエネルギー」とを含むメータの改ざん情報を,電力計に内蔵した電気エネルギー測定カードから非接触前払いインテリジェント・カード(スマートカード)側に転送記録するような構成は引用文献2には開示されておりません。引用文献2に記載のバイパス線による不正使用の検出だけでは,メータ不正使用への対策と管理とが不十分であることは否めません。すなわち,引用文献2には本願発明の上記特徴Aについては教示が無いといえます。』(5ページ24行?33行)と主張しているところ,特徴点Aに関する[相違点2]に係る事項が当業者想到容易であったことは,前記「イ[相違点2]について。」で判断したとおりであり,審判請求人の主張を採用することはできない。
(オ)その他審判請求人は,各引用例に特徴Bが開示されないことを主張(5ページ34行?6ページ28行)し,各引用例に特徴A,Bの開示がないことを主張(6ページ29行?7ページ5行)するが,いずれも採用することができない。

進歩性についての結論。
以上,ア?ウのことから,請求項6発明は,引用例1発明,引用例2?5開示事項,及び周知の事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第5 むすび
以上のとおり,本件出願は,特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないものである。
また,請求項6発明は,引用例1発明,引用例2?5開示事項,及び周知の事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,本願は,その余の請求項について判断するまでもなく拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-07-10 
結審通知日 2013-07-12 
審決日 2013-07-23 
出願番号 特願2007-536631(P2007-536631)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 篠原 功一  
特許庁審判長 清田 健一
特許庁審判官 手島 聖治
石川 正二
発明の名称 自動エネルギー遮断装置を備えた非接触インテリジェント・カードを使用するエネルギー・メータ用の電気エネルギー前払い方法ならびに前払いおよび制御システム  
代理人 林 鉐三  
代理人 浅村 皓  
代理人 浅村 肇  
代理人 清水 邦明  

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