• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1283423
審判番号 不服2011-13146  
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-06-21 
確定日 2014-01-08 
事件の表示 特願2006-507128「放出制御トラマドールの漸増投薬処方」拒絶査定不服審判事件〔平成16年9月23日国際公開,WO2004/080447,平成18年8月31日国内公表,特表2006-519849〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,2004年3月11日(パリ条約による優先権主張 2003年3月11日,アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって,平成22年6月8日付けの拒絶理由通知に対して,その指定期間内である同年12月21日付けで手続補正されたが,平成23年2月17日付けで拒絶査定され,これに対して同年6月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに,同日付けで手続補正がなされたものである。

第2 平成23年6月21日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

平成23年6月21日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1.補正事項

本件補正は,特許請求の範囲の請求項1を次のように補正することを含むものである。

・補正前:
「 【請求項1】
4?10日間、75mg?125mgのトラマドールを1日1回投与し;次に、4?10日間、175mg?225mgのトラマドールを1日1回投与し;次に、少なくとも1日、及び場合によりそれ以降に、275mg?325mgのトラマドールを1日1回投与することを含む、軽度から中程度の疼痛を治療するための放出制御製剤での薬剤の製造におけるトラマドールの使用。」

・補正後:
「 【請求項1】
4?10日間、75mg?125mgのトラマドールを1日1回投与し;次に、4?10日間、175mg?225mgのトラマドールを1日1回投与し;次に、少なくとも1日、及び場合によりそれ以降に、275mg?325mgのトラマドールを1日1回投与することを含む、軽度から中程度の疼痛を治療するための放出制御製剤での薬剤の製造におけるトラマドールの使用であって、
前記放出制御製剤がそれぞれ経口製剤であり、
前記トラマドールが、それぞれの経口製剤中、トラマドールヒドロクロライドの形で存在し、
それぞれの経口製剤が、24時間又はそれ以上、トラマドールヒドロクロライドのインビトロ放出を提供するものである、前記使用。」

2.補正の目的について

上記の補正事項は,補正前の「放出制御製剤」について,「前記放出制御製剤がそれぞれ経口製剤であり、前記トラマドールが、それぞれの経口製剤中、トラマドールヒドロクロライドの形で存在し、それぞれの経口製剤が、24時間又はそれ以上、トラマドールヒドロクロライドのインビトロ放出を提供するものである」ことを限定するものであって,産業上の利用分野及び解決しようとする課題を変更するものではないから,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下,単に「特許法」という。)第17条の2第4項第2号に掲げられる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。
そこで,補正後の請求項1に係る発明(以下,「本願補正発明」という。)について,特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(同法第17条の2第5項で準用する同法126条第5項の規定に適合するか)について検討する。

3.独立特許要件について

(1)引用例

原査定の拒絶の理由で「引用文献2」として引用された,インターネットウェブサイト上の情報は,その内容から見て,「ウェブエムディー・エル・エル・シー(WebMD LLC)」社が運営する医学ニュースを扱うサイト「メドスケープ(Medscape)」における,2002年10月27日付けの「持続放出トラマドールが慢性膝関節痛の症状を軽減する」と題された医学ニュース記事(以下,単に「引用例」という。)であって,前記日付から,本願優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものと認められ,当該引用例には,以下の事項が記載されている。なお,原文は英文のため訳文で記し,便宜のため当審により段落記号を各段落の冒頭に角括弧([ ])付きで付した。
「博士エマ・ヒット(Emma Hitt, PhD)
[a]2002年10月27日(ニュー・オーリンズ)??膝の骨関節炎の患者において,トラマドール(アルトラム(Ultram))の1日1回の持続放出(ER)製剤が,慢性痛の症状を改善するようであると,新たな研究が示した。この研究結果は,当地土曜日の米国リウマチ学会(ACR)第66回年次大会において発表された。
[b]アルトラム(Ultram)として販売される,現在のトラマドールの形態は,短い半減期であり,4?6時間毎に投与することを必要とする。対照的に,1日1回のトラマドールERは「患者利便性の利点を提供し,ピークからトラフの変動を最小化するはずである」と,バージニア州シャンティリーにあるバイオベール・テクノロジーズ(Biovail Technologies)社の上級著者兼研究者のケニース・アルバート(Kenneth Albert)博士は言った。
[c]トラマドールERの米国食品医薬品局への承認申請が,2003年半ばにできるように「目標に向かっている」とアルバート(Albert)博士はメドスケープ(Medscape)に話した。
[d]トラマドールERのプラセボと比較した有効性を評価するために,Albert博士と同僚らは,X線写真で確認された膝の骨関節炎の患者246人に対する無作為化試験を実施した。全ての患者は,少なくとも50歳で,30分間未満の朝のこわばり又は捻髪音,若しくは両方を経験している。
[e]患者は,2日から7日のウォッシュアウト期間を受け,その期間中いかなる鎮痛薬の摂取も中止した。膝関節の痛みが,0から100mmスケールの視覚的アナログ尺度(VAS)で40mmの水準に達した時,患者は,無作為化されてトラマドールER(n=124)又はプラセボ(n=122)を処方された。
[f]トラマドールERは,まず1日1回100mgの用量で投与され,これは1週間後に1日1回200mgに増量された。必要なときには,1日あたり300mg又は400mgのその後の用量が投与された。全体として,平均試験用量は1日あたり275mgであった。
[g]関節炎痛及び機能的能力の様々な測定が評価され,これには関節痛強度VAS,WOMAC VAS,こわばり,身体機能下位尺度スコア,患者及び医師による治療の全般評価,及び,睡眠の質が含まれた。
[h]12週間を通して,関節痛強度VASにおけるベースラインからの平均減少は,プラセボを投与された患者での16.1mmと比較し,トラマドールERを投与された患者においては30.1mmであった(P<.001)と,研究者らは報告する。
[i]関節痛及び障害の他の測定でも,プラセボに比較してトラマドールERで改善があり,差違の有意水準はP<.001からP<.05の範囲であった。プラセボからの差違は早くも第1週に明らかだったと,彼らは指摘する。
[j]安全性については,「副作用の90%超は,重症度において軽度又は中等度に等級付けられた」と,研究者らは報告する。しかしながら,副作用の発生率は,プラセボを投与された患者に比べてトラマドールERを投与された患者において有意に大きく,吐き気,嘔吐,倦怠感及び目まいを含んでいた。
[k]ACR会員でありメイン州バンゴーのリウマチ専門開業医のシドニー・ブロック(Sidney Block)医学博士は,メドスケープ(Medscape)に,この研究はトラマドールERが有効でプラセボよりも痛みを軽減することを確かに示していると話した。彼がさらに指摘することには,持続放出型は,トラマドールの現在の形態と比較して,より均一な用量や目まい及びふらつきのような副作用の低減可能性をもたらす見込みだ。
[l]しかしながら,ブロック(Block)博士は,この研究はトラマドールERの有効性をトラマドール又は他の医薬と直接比較していないと指摘しており,「例えば,我々は,その有効性を,コデイン,非ステロイド系抗炎症薬,及び,他の鎮痛薬のそれとどのように比較すればよいのかわからない。」ということだ。
[m]「トラマドールERは使われるだろう」と彼は言うが,「だが,私の予測では,その使用はコストのために限られるだろう」。食生活や生活様式を変える試みや,アセトアミノフェン,グルコサミン及びナプシル酸プロポキシフェン(ダルボセット(Darvocet))のようなより費用のかからない治療が,トラマドールの使用の前に指し示されると,彼は言った。
[n]この研究はバイオベール・コーポレーション(Biovail Corporation)社の資金によるものである。
[o]ACR第66回年次大会:抄録331。2002年10月26日発表。
[p]医学博士ガリー・ディー・ボージン(Gary D. Vogin, MD),校閲
[q]博士エマ・ヒット(Emma Hitt, PhD)はメドスケープ(Medscape)のフリーランス・ライターである。」

(2)対比

ア.引用例には,「トラマドールの1日1回の持続放出(ER)製剤」が「慢性痛の症状を改善する」(段落a)という研究結果について記載されており,さらに,引用例には,当該研究は,「膝の骨関節炎の患者246人に対する無作為化試験」(段落d)に基づくものであり,当該試験では,「膝関節の痛みが,0から100mmスケールの視覚的アナログ尺度(VAS)で40mmの水準に達した」(段落e)後に,患者を無作為化して,処方を行ったことが記載されている。また,トラマドールの投与については,「124」人の患者に対して(段落e),「トラマドールERは,まず1日1回100mgの用量で投与され,これは1週間後に1日1回200mgに増量された。必要なときには,1日あたり300mg又は400mgのその後の用量が投与された。全体として,平均試験用量は1日あたり275mgであった。」(段落f)と記載されている。
これらのことから,引用例には,「トラマドールの1日1回の持続放出製剤であって,まず1日1回100mgで投与し,1週間後に1日1回200mgで投与し,その後必要なときには1日あたり300mg又は400mgで投与する,0から100mmスケールの視覚的アナログ尺度(VAS)で40mmの水準に達するような慢性膝関節痛の症状を軽減するための前記製剤であって,かつ,124人の平均試験用量が1日あたり275mg程度である前記製剤。」についての発明が記載されていると認められ,これを本願補正発明の表現に則していうと,「100mgのトラマドールを1日1回投与し;1週間後に,200mgのトラマドールを1日1回投与し;その後,必要なときに1日あたり300mg又は400mg投与することを含む,0から100mmスケールの視覚的アナログ尺度(VAS)で40mmの水準に達するような慢性膝関節痛の症状を軽減するための1日1回の持続放出製剤での薬剤の製造におけるトラマドールの使用であって,かつ,124人の平均試験用量が1日あたり275mg程度である前記使用。」となる(以下,「引用発明」という。)。

イ.そこで,本願補正発明と引用発明とを対比すると,引用発明における「持続放出製剤」及び「慢性膝関節痛」は,本願発明における「放出制御製剤」及び「疼痛」に相当する。また,「0から100mmスケールの視覚的アナログ尺度(VAS)で40mmの水準に達する」ような痛みとは,「中程度の疼痛」が含まれるものである。
また,引用例に記載の試験は,「1日1回」投与の「トラマドールER」を使用しているのであるから,「1日あたり300mg又は400mg」の投与も,1日1回であること明らかである。さらに,「平均試験用量が1日あたり275mg程度」であることから,1日あたり300mg又は400mgのトラマドールが投与された患者は実際にいて,しかも,その数は少なくないこともわかる。そうすると,引用発明における300mg又は400mgのトラマドールの投与は,「1日1回」であって,しかも,それは「少なくとも1日,及び場合によりそれ以降に」実際に投与されたものといえる。
したがって,本願補正発明と引用発明は,いずれも,

「7日間、100mgのトラマドールを1日1回投与し;次に、200mgのトラマドールを1日1回投与し;次に、少なくとも1日、及び場合によりそれ以降に、さらに増量した用量のトラマドールを1日1回投与することを含む、中程度の疼痛を治療するための放出制御製剤での薬剤の製造におけるトラマドールの使用」

であることで一致し,以下の点で相違している。

[相違点1]本願補正発明では,放出制御製剤について,「前記放出制御製剤がそれぞれ経口製剤であり、前記トラマドールが、それぞれの経口製剤中、トラマドールヒドロクロライドの形で存在し、それぞれの経口製剤が、24時間又はそれ以上、トラマドールヒドロクロライドのインビトロ放出を提供するものである」ことが特定されるのに対し,引用発明では,それが特定されていない点。

[相違点2]本願補正発明では,200mgのトラマドールの投与が,「4?10日間」であり,かつ,「さらに増量した用量」が「275mg?325mg」であるのに対し,引用発明では,200mgのトラマドールの投与期間は特定されておらず,また,「さらに増量した用量」は「300mg又は400mg」である点。

(3)判断

ア.相違点1について

引用例では,市販品の「アルトラム(Ultram)」を引き合いに出し,それと比較して,「対照的に,1日1回のトラマドールERは「患者利便性の利点を提供し,ピークからトラフの変動を最小化するはずである」」(段落b)と記載されている。「アルトラム(Ultram)」が「錠剤(tablet)」であることは,本願優先日前に当業者の技術常識である(米国特許第5306438号明細書,25欄13?14行参照。)から,そのような市販製剤の「アルトラム(Ultram)」と比較される「トラマドールER」,すなわち,引用発明における「持続放出製剤」についても,「経口製剤」であると解される。
また,「アルトラム(Ultram)」が「トラマドールヒドロクロライド」を有効成分とすることも,本願優先日前に当業者の技術常識である(THE MERCK INDEX, THIRTEENTH EDITION, 2001, p.1706(項目9642)参照。)から,引用発明におけるトラマドールの形態を,「トラマドールヒドロクロライド」に特定することは,当業者にとって想到容易である。
そして,引用発明の「持続放出製剤」は「1日1回」の投与であるから,当該製剤は,1日1回の投与でも有効な血中濃度が維持されるように「持続放出」されなければならないことは当業者に明らかであり,したがって,その指標として,製剤が,擬似的生体内環境で試験することが通常である「インビトロ放出」の試験において,「24時間又はそれ以上」の放出であることを特定することも,当業者にとって想到容易である。
したがって,相違点1は,当業者が容易になし得たことである。

イ.相違点2について

引用発明において,200mgへ増量後,「必要なときに」行われるとされるさらなる増量までの期間については,患者における,主作用である疼痛軽減の発現具合や,副作用の発現具合をみながら,当業者が適宜決めうる程度のものである。また,1日1回100mgの用量での投与開始から,1日1回200mgの用量に増量するまでに,1週間すなわち7日間をとっていることからすれば,1日1回200mgの用量に増量後1日あたり300mgの用量までさらに増量する際に同様の期間を採用するのも,当業者にとって想到容易である。
「さらに増量した用量」については,引用発明における増量方法として,1日あたり200mgから同300mgを経ずに直ちに同400mgに増量する患者ばかりであったと考えるのは合理的でないから,引用発明において,「300mg又は400mg」のうち,まずは,300mgに増量することとするのは,当業者にとって想到容易である。
したがって,相違点2についても,当業者が容易になし得たことである。

ウ.効果について

引用例においては,試験結果として,トラマドールの主作用については,「12週間を通して,関節痛強度VASにおけるベースラインからの平均減少は,プラセボを投与された患者での16.1mmと比較し,トラマドールERを投与された患者においては30.1mmであった(P<.001)」(段落h)こと,及び,「関節痛及び障害の他の測定でも,プラセボに比較してトラマドールERで改善があり,差違の有意水準はP<.001からP<.05の範囲であった。プラセボからの差違は早くも第1週に明らかだった」(段落i)ことが記載され,引用発明の製剤が,疼痛の治療に有効であったことが示されている。
また,トラマドールの副作用については,「副作用の90%超は,重症度において軽度又は中等度に等級付けられた」(段落j)ことが記載されるとともに,研究結果に対するコメントとして,「持続放出型は,トラマドールの現在の形態と比較して,より均一な用量や目まい及びふらつきのような副作用の低減可能性をもたらす見込みだ。」(段落k)と記載されている。そうすると,引用発明の製剤は,副作用が発生しても中程度以下の水準であり,また,持続放出型でない「現在の形態」と比較して副作用が低減される可能性が期待されるものとして引用例に示されているといえる。
これらのことからすれば,本願明細書0029段落に記載された「有害な副作用の著しい軽減」及び「第1日目の300mg q.d.の開始用量よりも著しく優れた耐性」という効果は,当業者が引用例から予測可能な範囲内のものである。

(4)小括

よって,本願補正発明は,引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであって,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

なお,請求人は、平成25年6月18日提出の審尋に対する回答書において,万一上記反論にも拘わらず拒絶理由が解消されていないのであれば,補正あるいは釈明の機会が欲しい旨を主張しているが,既に,審判請求時及び審尋に対する回答書提出時において,補正又は釈明の機会はあったところ,それらに加えて,どのような補正又は釈明をするのか何ら具体性を伴わずに単に希望しているに過ぎないから,応じるには及ばないものである。

4.むすび

以上のとおり,本件補正は,特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するから,同法第159条第1項の規定において準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3 本願発明について

1.本願発明

本件補正は上記のとおり却下されたから,本願請求項1に係る発明は,本件補正前の平成22年12月21日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される,以下のとおりのものである。

「 【請求項1】
4?10日間、75mg?125mgのトラマドールを1日1回投与し;次に、4?10日間、175mg?225mgのトラマドールを1日1回投与し;次に、少なくとも1日、及び場合によりそれ以降に、275mg?325mgのトラマドールを1日1回投与することを含む、軽度から中程度の疼痛を治療するための放出制御製剤での薬剤の製造におけるトラマドールの使用。」
(以下,「本願発明」という。)

2.引用例

原査定の拒絶の理由に引用された引用例,及び,その記載事項は,上記第2の3.(1)の項目に記載したとおりである。

3.対比・判断

本願補正発明は,上記第2の2.の項目において検討したとおり,本願発明における「放出制御製剤」について,「前記放出制御製剤がそれぞれ経口製剤であり、前記トラマドールが、それぞれの経口製剤中、トラマドールヒドロクロライドの形で存在し、それぞれの経口製剤が、24時間又はそれ以上、トラマドールヒドロクロライドのインビトロ放出を提供するものである」ことを限定したものであるから,本願発明は,本願補正発明をそのまま包含するものである。
そうすると,本願補正発明が,上記第2の3.(2)?(4)の項目で述べたように引用例に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとされるのであるから,本願発明も,同様の理由により引用例に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび

以上のとおりであるから,本願請求項1に係る発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,その余の点について論及するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-07-25 
結審通知日 2013-07-30 
審決日 2013-08-26 
出願番号 特願2006-507128(P2006-507128)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A61K)
P 1 8・ 121- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 関 景輔伊藤 基章  
特許庁審判長 村上 騎見高
特許庁審判官 中村 浩
渕野 留香
発明の名称 放出制御トラマドールの漸増投薬処方  
代理人 鈴木 康仁  
代理人 片山 英二  
代理人 杉山 共永  
代理人 大森 規雄  
代理人 小林 浩  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ