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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B65B
管理番号 1283552
審判番号 不服2011-25468  
総通号数 171 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-03-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-11-25 
確定日 2014-01-07 
事件の表示 特願2007-520706「袋製造・充填方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 1月26日国際公開、WO2006/007960、平成20年 5月 1日国内公表、特表2008-513299〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成17年6月30日(パリ条約による優先権主張2004年7月16日、ドイツ)を国際出願日とする出願であって、平成23年7月19日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月25日に拒絶査定を不服として審判請求がなされ、当審において平成24年12月10日付けで拒絶理由を通知し、これに対し、平成25年4月15日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

2.本願発明
本願の請求項1に係る発明は、平成25年4月15日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1により特定される次のとおりのものと認める(以下、「本願発明」という)。
「袋(27)の製造・充填方法であって、
袋を形成する材料がチューブ状材料(4)の形で巻出し装置(2、3、5)から袋形成装置(1)に供給され、
前記袋形成装置(1)の横方向溶着ステーション(13)及び横方向切断ステーション(16)の上流側に位置し、前記チューブ状材料(4)に縦方向継ぎ目を適用するためのステーション(28)であって、このステーション(28)の作業長さが少なくとも後に形成される袋の長さに等しい前記ステーション(28)に前記チューブ状材料(4)を通過させ、
チューブ材料が袋形成装置の各チューブ部分(18)に分離され、
チューブ部分(18)または袋(27)が袋形成装置(1)の中の少なくとも経路の一部においては第1のグリッパ(17)、第2のグリッパ(19)、第3のグリッパ(21)及び第4のグリッパ(25)によって運搬され、
前記袋は少なくとも4つの縦方向継ぎ目(29)を有し、
袋形成装置(1)の中でチューブ状材料(4)に縦方向継ぎ目(29)が形成され、これらの継ぎ目(29)が少なくとも袋(27)の大きな部分にわたってのびており、チューブ状材料(4)がフラットな状態のままであり、
前記第1のグリッパ(17)は、前記第2のグリッパ(19)がチューブ部分(18)をつかんで、袋(27)に充填物を充填する充填ステーション(20)に運ぶ移送地点にチューブ部分(18)を運び、このチューブ部分(18)は、前記第3のグリッパ(21)に移送され、吸引装置(22)により開かれ、充填管(23)により案内される充填物が前記チューブ部分(18)の中に入ることが可能になり、その際に、前記チューブ部分(18)の下端がコンベヤベルト(24)上にあり、前記第4のグリッパ(25)は、充填済みのチューブ部分をヘッド継ぎ目溶着ステーション(26)に運び、このヘッド継ぎ目溶着ステーション(26)では、前記チューブ部分(18)がヘッド溶着継ぎ目により密封され、完成した袋(27)が形成されることを特徴とする前記方法。」

3.引用文献及び引用発明
(1)これに対して、当審の拒絶の理由に引用された引用文献1(特開2001-18901号公報)には、次の事項が記載されている。
(a)「本発明は、請求項1に記載したような、袋を製造、充填、シールする装置に関する。

上記装置が、例えば、ドイツ特許第 DE 93 01 355U号明細書に記載されている。この特許は、片側が開口し且つ好ましくは側方の折り目を有する熱可塑性樹脂の袋を製造、充填、シールする種類の装置が記載されている。この装置は、袋に底側溶着部を形成する第1溶着・切断ステーションと、充填ステーションと、袋をシールする第2溶着ステーションとを有する。第1の把持プライヤー対が、第1溶着ステーションの袋を受入れるための一対の搬送用把持プライヤーとして設けられ、第2の把持プライヤー対が充填ステーションに定置に配列され、第3の把持プライヤー対が、袋を充填ステーションから第2溶着ステーションまで搬送するための一対の搬送用把持プライヤーとして設けられる。」(段落【0001】?【0002】)
(b)「本発明の目的は、機械の処理速度を増大させ、同時に、装置全体をよりコンパクトに作るように、上記種類の装置を改善することにある。

本発明はこの課題を請求項1の特徴で解決する。請求項1の特徴によれば、第4の把持プライヤー対が、袋を第1の搬送用把持プライヤー対から、これらの把持プライヤー対と直列配置される定置の一対の把持プライヤーを介して受入れ、そして袋を充填ステーションに定置に配列された一対の把持プライヤーに引渡す一対の搬送用把持プライヤーとして設けられる。第4の把持プライヤー対は、充填ステーションに定置に配列され且つ袋の受入れ位置よりも距離(x)高い平面内にある一対の把持プライヤーに袋を引渡す引渡し位置を採用する。

この構成は、種々のプライヤー対、例えば袋を開口させるための追加の吸引機構のような複数の構成要素のために、特に充填ステーションの領域で、定置の把持プライヤーのコンパクトな省スペース構造を可能にする。」(段落【0004】?【0006】)
(c)「図面に示した、熱可塑性樹脂の袋を製造し、充填し、シールし、搬出するための装置は、比較的短い全体長さを有する機械を構成する。すべての処理ステーションは単一の機械フレーム内に配列される。」(段落【0011】)
(d)「機械フレームの一端には、供給ロールに巻かれている熱可塑性樹脂のインフレートフィルムウエブ用の巻出しユニット16が側部材12及び14に設けられている。巻出しユニットが側面にくぼみを有し、インフレートフィルムロール18はこのくぼみに取り付けられるのが好ましい。インフレートフィルムウエブ20はインフレートフィルムロール18から引き出され、一対の前方引きローラ22によって偏向ローラ即ちガイドローラ上に所定のサイクル速度で前方に引かれる。

一対の前方引きローラ22は、ガイドローラから流れてくるインフレートフィルムウエブ20を上下方向に引き、インフレートフィルムウエブ20を横方向溶着・横方向切断機構34の間に押す。この横方向溶着・横方向切断機構は相互作用する2つの溶着ジョーと、切断刃とを在来の仕方で有する(図3参照)。」(段落【0012】?【0013】)
(e)「充填すべき袋及び充填済み袋用の搬送装置を、図6を参照して説明する。…傾斜ブラケットの側面には、図示の把持ジョーによって指示する第1の把持プライヤー対44が設けられている。連結ロッド46がガイドアーム38にヒンジ止めされ、ギヤモータ48によって駆動されるクランク50によって前後に動かされる。このように移動される際、支持体40の回動が非常に大きいので、横方向溶着・横方向切断機構34より下で袋セグメント58を包囲している一対の把持プライヤー44は袋セグメントを弧52に沿って引渡しステーション54まで1サイクル分の長さだけ移動させ、引渡しステーションでは、把持プライヤー44は袋セグメントを定置の一対の把持プライヤー57に引渡す。袋セグメントを、開口リムを上から把持する一対の把持プライヤー56でつかんだ後、一対の把持プライヤー56は袋セグメント58を充填ステーション60まで前進させる。図6では、一対の把持プライヤー57を、袋セグメントを一対の把持プライヤー56に引渡した後の開位置で示す。…スラストロッド66はカムプレート-レバー-カムローラ駆動系によって、一対の把持プライヤー56が袋セグメントを一対の把持プライヤー76まで前進させ且つ搬送するような仕方で駆動される。

把持プライヤー対76は、袋セグメントの開口領域の側面を充填用漏斗79(審決注.図4?6の記載からみて「78」の誤記と認める。)より下でつかむ。別の把持プライヤーの対80が支持体40に設けられ、充填後に再びきつく引張られた充填済み袋の開口リムを溶着ステーション82に進める。溶着ステーション82では、一対の溶着ジョー(図6に図示せず)が袋のきつく張られた開口リムを横方向溶着部で溶着する。

充填ステーション60の下方にポスト84を備えたコンベヤベルト86が設けられ、コンベヤベルト86は一方向に回る駆動ローラ88及びガイドローラ90の上を動き、充填済み袋92を、充填と同期させたタイミングで充填ステーション60及び溶着ステーション82から搬出する。」(段落【0014】?【0016】)
(f)「最後に、図4は、空気ピストンシリンダー装置116によって揺動されて開く在来の一対の吸引機構118を示す。袋を下降させた後、袋を、充填用漏斗78に順応させるべく吸引機構によって横に取出す。一対の吸引機構の形態はすでに従来技術に属し、従って、ここでは詳細に説明しない。」(段落【0020】)
(g)「【符号の説明】

44 第1の把持プライヤー対

56 第4の把持プライヤー対

76 第2の把持プライヤー対
80 第3の把持プライヤー対」(第5頁左上欄下から3行?右上欄下から4行)
(h)図3、図6より、インフレートフィルムウエブ20がフラットな状態で供給されて、装置の横方向溶着・横方向切断機構34を通過して各袋セグメント58に分離され、(吸引機構118により開かれ、)充填用漏斗78により充填物を充填されて充填済み袋92になる点、また、図6より、袋セグメント58に充填用漏斗78により充填物を充填して充填済み袋92にする際に、袋セグメント58の下端がコンベアベルト86の上にある点がみてとれる。

上記(b)及び(f)より、吸引機構118は袋セグメント58を開口させるために設けられ、袋セグメント58を充填用漏斗78に順応させるものと認められ、以上の記載事項及び図面によれば、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認めることができる。
「袋の製造・充填方法であって、
袋を形成する材料がインフレートフィルムウエブ20の形で巻出しユニット16から装置に供給され、
装置の中でインフレートフィルムウエブ20はフラットな状態のままであり、
前記インフレートフィルムウエブ20が前記装置の横方向溶着・横方向切断機構34を通過して各袋セグメント58に分離され、
袋セグメント58または袋が装置の中の少なくとも経路の一部において第1の把持プライヤー対44、第4の把持プライヤー対56、第2の把持プライヤー対76及び第3の把持プライイヤー対80によって運搬される方法において、
前記第1の把持プライヤー対44が袋セグメント58を引き渡しステーション54に運び、そこから前記第4の把持プライヤー対56が袋に充填物を充填する充填ステーション60に運び、この袋セグメント58は、そこで前記第2の把持プライヤー対76に移送され、吸引機構118により開かれ、充填用漏斗78により充填物を充填され、その際に、前記袋セグメント58の下端がコンベヤベルト86上にあり、前記第3の把持プライヤー対80が充填済みの袋セグメント58を溶着ステーション82に運び、この溶着ステーション82で開口リムが溶着される方法。」

(2)同じく、当審の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2003-200506号公報)には、次の事項が記載されている。
(a)「図1(h)に示すヒダ付き扁平袋P1を袋単体として製袋される工程を説明してから、このヒダ付き扁平袋を連続的に量産することができる請求項1の発明の実施の形態にかかるヒダ付き扁平袋の製造方法について図2乃至図6を参照して説明するものとする。
…図1(e)に示すようにヘム付き、サイドガセット入りの扁平筒とし、次いで図1(f),(g)に示すように四枚重ねの両側縁にリブ付けヒートシールを施して四つのリブ6a,6b,6c,6dを設け、次いで図1(h)に示すように下端にボトムヒートシール7を施してなり、上端が袋開口となっている。このヒダ付き扁平袋P1は、立体的に開くと、図1(i)に示すように、ヒダ1より下側部分に関し、両側に三角形のポケット状のボトムガセット8が入って平面展開して底面部9が形成され、ヒダ1が底面部9の周縁に垂下していてかつヒダ1が前面部2と右側面部4と左側面部5と後面部3に対して同一平面をなし独立した外観を呈さないのでタイトな包装形態を感じさせ、ヒダ1が底面部9を隠し安定した自立性角底袋となる。被包装品を充填し、図1(j)に示すように、トップガセット10が入った寄せ棟型の上面部11を形成してトップヒートシール12を施す。なお、トップガセット10を入れることに限定されない。」(段落【0015】)
(b)「図2は、図1に示すヒダ付き扁平袋P1を量産できるヒダ付き扁平袋の製造方法を実施するための製袋装置の概略の全体平面図を示す。図3乃至図6は同製袋装置を四つに分けた各部分の概略の斜視図を示す。
…。符号18はフォーマー、符号19a,19bは折り曲げガイド、符号20a,20bはフィルム誘導用コロ、符号21はバー形背貼りヒートシーラー、符号22a,22bはフリー回転自在なサイドガセット折り込みロールである。符号23は包材引き込みロールであり、上下一対に設けられていてサイドガセット入りの扁平筒部分を挟んでヒダの配列ピッチに等しい間欠送りとなるように下流方向へ引っ張るようになっている。符号24a,24bはリブ付け用ヒートシーラーである。符号25はボトムヒートシーラーであり、上下一対に設けられていてサイドガセット入りの扁平筒部分を挟んでボトムヒートシールを施す。符号26は包材引き込みロールであり、上下一対に設けられていてサイドガセット入りの扁平筒部分を挟んでヒダの配列ピッチに等しい間欠送りとなるように前記包材引き込みロール23と同期して引っ張るようになっている。符号27はカッターである。図4において、符号Wは接続テープの原反ロールである。原反ロールWから繰り出される接続テープTは、フォーマー18の上で端縁同士を隙間無く合わされる包材Fの内側より目張りするように張り込まれる。」(段落【0016】)

4.対比・判断
本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「インフレートフィルムウエブ20」、「巻出しユニット16」、「装置」、「横方向溶着・横方向切断機構34」、「第1の把持プライヤー対44」、「第4の把持プライヤー対56」、「第2の把持プライヤー対76」、「第3の把持プライイヤー対80」、「吸引機構118」、「充填用漏斗78」、「溶着ステーション82」は、本願発明の「チューブ状材料」、「巻出し装置」、「袋形成装置」、「横方向溶着ステーション及び横方向切断ステーション」、「第1のグリッパ」、「第2のグリッパ」、「第3のグリッパ」、「第4のグリッパ」、「吸引装置」、「充填管」、「ヘッド継ぎ目溶着ステーション」にそれぞれ相当する。
また、引用発明の「袋セグメント58」が本願発明の「チューブ部分」と同様に、「チューブ状材料」から袋と同じ長さに分離された部分であり(本願明細書の段落【0002】、【0007】参照)、第1?4のグリッパによって運搬され、吸引装置により開かれ、充填管により充填されること、また、本願発明の「充填済みのチューブ部分」が「ヘッド溶着継ぎ目により密封され、完成した袋が形成される」ので「チューブ部分」はヘッド領域を密封する(本願明細書の段落【0019】参照)前の袋体と認められることから、引用発明の「袋セグメント58」は、本願発明の「チューブ部分」に相当すると認める。
すると、引用発明の「(そこから前記第4の把持プライヤー対56が袋に充填物を充填する充填ステーション60に運ぶ)引き渡しステーション54」は、本願発明の「第2のグリッパがチューブ部分をつかんで、袋に充填物を充填する充填ステーションに運ぶ移送地点」に相当し、同じく「そこで前記第2の把持プライヤー対76に移送され、吸引機構118により開かれ、充填用漏斗78により充填物を充填され」は、(本願発明の充填ステーションで行われる)「第3のグリッパに移送され、吸引装置により開かれ、充填管により案内される充填物が前記チューブ部分の中に入る」に相当し、同じく「前記第3の把持プライヤー対80が充填済みの袋セグメント58を溶着ステーション82に運び、この溶着ステーション82で開口リムが溶着される」は「第4のグリッパは、充填済みのチューブ部分をヘッド継ぎ目溶着ステーションに運び、このヘッド継ぎ目溶着ステーションでは、前記チューブ部分がヘッド溶着継ぎ目により密封され、完成した袋が形成される」に相当する。
したがって、両者は、
「袋の製造・充填方法であって、
袋を形成する材料がチューブ状材料の形で巻出し装置から袋形成装置に供給され、
チューブ材料が袋形成装置の各チューブ部分に分離され、
チューブ部分または袋が袋形成装置の中の少なくとも経路の一部においては第1のグリッパ、第2のグリッパ、第3のグリッパ及び第4のグリッパによって運搬され、
袋形成装置の中でチューブ状材料がフラットな状態のままであり、
前記第1のグリッパは、前記第2のグリッパがチューブ部分をつかんで、袋に充填物を充填する充填ステーションに運ぶ移送地点にチューブ部分を運び、このチューブ部分は、前記第3のグリッパに移送され、吸引装置により開かれ、充填管により案内される充填物が前記チューブ部分の中に入ることが可能になり、その際に、前記チューブ部分の下端がコンベヤベルト上にあり、前記第4のグリッパは、充填済みのチューブ部分をヘッド継ぎ目溶着ステーションに運び、このヘッド継ぎ目溶着ステーションでは、前記チューブ部分がヘッド溶着継ぎ目により密封され、完成した袋が形成される方法。」
である点で一致し、次の点で相違している。

[相違点]
本願発明では、「袋形成装置の横方向溶着ステーション及び横方向切断ステーションの上流側に位置し、前記チューブ状材料を通過させてチューブ状材料に縦方向継ぎ目を適用するためのステーションであって、このステーションの作業長さが少なくとも後に形成される袋の長さに等しい前記ステーション」に前記チューブ状材料を通過させ、「袋は少なくとも4つの縦方向継ぎ目を有し、袋形成装置の中でチューブ状材料に縦方向継ぎ目が形成され、これらの継ぎ目が少なくとも袋の大きな部分にわたってのびて」いるのに対して、引用発明では、「横方向溶着・横方向切断機構34」の上流側に位置する「(インフレートフィルムウェブ20を通過させて)インフレートフィルムウェブ20に縦方向継ぎ目を適用するためのステーション」を有しておらず、袋に「縦方向継ぎ目」が形成されていない点。

以下、上記相違点について検討する。
袋形成装置の横方向溶着・切断ステーション(ボトムヒートシーラー25、カッター27)上流側に位置し、チューブ状材料に縦方向継ぎ目(リブ)を適用するための作業長が少なくとも袋の長さに等しいステーション(リブ付け用ヒートシーラ-24a、24b)にチューブ状材料を通過させて4つの縦方向継ぎ目(リブ6a、6b、6c、6d)を形成し、(側方の折り目を有する)サイドガセット付袋を製造する点は引用文献2に記載された事項であり(上記3.(2)参照)、引用文献1には「片側が開口し且つ好ましくは側方の折り目を有する熱可塑性樹脂の袋を製造、充填、シールする」ことが示唆されているから(上記3.(1)(a)参照)、引用発明において、横方向溶着・横方向切断機構34の上流側に位置し、縦方向継ぎ目を適用するためのステーションにインフレートフィルムウェブ20を通過させて、袋の大きな部分にわたってのびている4つの縦方向継ぎ目を形成し、少なくとも4つの縦方向継ぎ目を有するサイドガセット付袋を製造して、充填、シールすることは当業者が容易になし得たことである。

また、本願発明の作用効果も、引用発明及び引用文献2に記載された事項から当業者が予測できる範囲のものであり、格別顕著なものと認められない。

5.むすび
したがって、本願発明は、引用発明及引用文献2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、当審で通知した拒絶の理由によって拒絶をすべきものであり、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2013-08-05 
結審通知日 2013-08-12 
審決日 2013-08-26 
出願番号 特願2007-520706(P2007-520706)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B65B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 会田 博行  
特許庁審判長 栗林 敏彦
特許庁審判官 熊倉 強
紀本 孝
発明の名称 袋製造・充填方法および装置  
代理人 大塚 文昭  
代理人 弟子丸 健  
代理人 熊倉 禎男  
代理人 井野 砂里  

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