ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04R 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04R |
---|---|
管理番号 | 1284049 |
審判番号 | 不服2012-15035 |
総通号数 | 171 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2014-03-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2012-08-03 |
確定日 | 2014-01-29 |
事件の表示 | 特願2009-514656「超音波センサ、特に自動車用超音波センサ」拒絶査定不服審判事件〔平成19年12月21日国際公開、WO2007/144065、平成21年11月19日国内公表、特表2009-540706〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2007年5月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2006年6月14日、ドイツ連邦共和国)を国際出願日とする出願であって、平成23年6月22日付けで拒絶理由が通知され、同年12月27日付けで手続補正されたが、平成24年3月27日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年8月3日に拒絶査定不服の審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正され、平成25年2月13日付けで審尋がなされたが、回答書が提出されず期間経過となったものである。 第2 補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成24年8月3日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.本願発明と補正後の発明 上記手続補正(以下、「本件補正」という。)は本件補正前の平成23年12月27日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された 「筐体を有し、前記筐体の一部内、または上面に装着されたダイヤフラムを有し、さらに前記ダイヤフラムと筐体の一部との間に、少なくとも部分的に延びる分離体を有する自動車用超音波センサであって、 前記分離体および前記筐体の一部は係止手段を有し、この係止手段により、前記分離体と前記筐体の一部とが、互いに接続され、 複数の係止手段が、前記筐体の一部、および前記分離体の周囲に沿って設けられ、前記複数の係止手段は、前記分離体上に設けられた係止突起と、前記筐体に設けられた係止孔要素とを有していることを特徴とする超音波センサ。」 という発明(以下、「本願発明」という。)を、 「筐体を有し、前記筐体の一部内、または上面に装着されたダイヤフラムを有し、さらに前記ダイヤフラムと筐体の一部との間に、少なくとも部分的に延びる分離体を有する自動車用超音波センサであって、 前記分離体および前記筐体は係止手段を有し、この係止手段により、前記分離体と前記筐体とが、互いに接続され、 複数の係止手段が、前記筐体の一部、および前記分離体の外周に沿って設けられ、前記複数の係止手段は、前記分離体上に設けられた係止突起と、前記筐体に開けられた係止孔要素とを有していることを特徴とする超音波センサ。」 という発明(以下、「補正後の発明」という。)に変更することを含むものである。 2.新規事項の有無、補正の目的要件について 本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された、「筐体の一部は係止手段を有し」に関し、「筐体は係止手段を有し」とし「の一部」を削除したが、補正の前後で実質的な差異はない。また、「周囲」に関し、「外周」と限定し、「設けられた」に関し、「開けられた」と限定して、特許請求の範囲を減縮するものであるから、特許法第17条の2第3項(新規事項)及び同改正前の特許法第17条の2第5項第2号(補正の目的)の規定に適合している。 3.独立特許要件について 本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、上記補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて以下に検討する。 (1)補正後の発明 上記「1.本願発明と補正後の発明」の項で補正後の発明として認定したとおりである。 (2)引用発明 原審の拒絶理由に引用された特開2006-54647号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 イ.「【技術分野】 【0001】 本発明は、超音波振動子を有する超音波センサに関し、この超音波センサは、例えば車両のバンパーに取り付けて車両後方あるいはコーナー部の障害物を検出する車両用障害物検出装置に用いることができる。」(3頁) ロ.「【0030】 a)まず、図1に基づいて、本実施例の超音波センサに用いられる超音波振動子(超音波マイク)の構成を説明する。 図1(a)は超音波振動子1の正面図、(b)は右側面図、(c)は裏面図である。この超音波振動子1は、中空状のハウジング3の中に充填物5が充填されて構成されており、この充填物5を取り除いた状態の側面断面図、裏面図を、図1(d)、(e)に示す。尚、図1(d)は、図1(e)のA-A断面図である。 【0031】 前記超音波振動子1は、導電性のハウジング3の中に圧電素子7を有して構成されている。ハウジング3の内部には、図1(d)に示すように、内部空間9が形成されており、圧電素子7がハウジング3における振動部(振動板)3aの内側表面に貼り付けられている。この振動部3aの外側表面、すなわち振動面3bは、円形状になっている。 【0032】 前記圧電素子7には、リード11の一端がはんだ付けされている。また、ハウジング3には、内部側面に切り欠き13が形成されており、この切り欠き13に、リード11の他端がはんだ付けされている。このことによって、ハウジング3を介して圧電素子7の両端に交流信号を印加することができる。」(6?7頁) ハ.「【0036】 b)次に、図3に基づいて、前記超音波振動子1が嵌め込まれるクッション部材17について説明する。 図3(a)はクッション部材1の正面図、(b)は右側面図、(c)は裏面図、(d)は上面図、(e)は図3(c)のB-B断面図である。 【0037】 クッション部材17は、シリコンゴムからなる円筒状の部材であり、その軸方向に超音波振動子1の外形形状と同様な円柱状の貫通孔19が設けられている。従って、この貫通孔19に、その軸中心を合わせるようにして超音波振動子1が嵌め込まれる。 【0038】 また、貫通孔19の後端側(図3(e)の右側)には、超音波振動子1の側壁部4を凹ませて形成した左右一対の平面部15に当接するように、貫通孔19の内周面から軸中心に向かって左右一対の段部21が張り出している。従って、超音波振動子1をクッション部材17に嵌め込む際に、平面部15と段部21の平面部21aとが当接することにより、クッション部材17に対する超音波振動子1の周方向(回動方向)に関する位置決めがなされる。 ・・・(中略)・・・ 【0040】 特に本実施例では、クッション部材17の後端側の端面には、一対のクッション側係止部23が対向するように軸方向に沿って立設されている。このクッション側係止部23は、クッション部材17の湾曲に従って同様に湾曲しており、貫通孔19の直径L1より短い幅L2に設定されている。クッション側係止部23は、脚部25及びその先端に設けられた爪部27からなり、爪部27は径方向外側に突出している。 【0041】 また、クッション部材17の外周面の先端側には、後述する様に、ケース29(図4参照)に対するクッション部材17の周方向への位置決めを行うために、即ちクッション部材17の周方向への回動を防止するために、3箇所に直方体状のクッション側案内部(案内用凸部)31、33が設けられている。このうち、左右の案内用凸部33は、中央の案内用凸部31よりは軸方向に長い形状である。 【0042】 この3箇所の案内用凸部31、33の配置は、軸方向からみて、ケース29に対するクッション部材17の位置が1つに定まる様に、中心角が60度の間隔となるように設けられている。 【0043】 c)次に、図4に基づいて、前記超音波振動子1を内嵌した前記クッション部材17が嵌め込まれるケース29について説明する。 図4(a)はケース29の正面図、(b)は右側面図、(c)は裏面図、(d)は上面図、(e)は図4(c)のC-C断面図である。 【0044】 ケース29は、硬質のプラスチック製で、後端側が開口した直方体状の基部35と、基部35の先端側に立設された円筒状の嵌合部37とから構成されており、基部35の内部空間38と嵌合部37の軸中心を貫く貫通孔(嵌合孔)39とは連通している。 【0045】 前記嵌合部37の先端側には、前記クッション部材17の外周面に設けられた案内用凸部31、33の形状に合わせて、3箇所に嵌合側案内部(案内用切り欠き)41、43が設けられている。この案内用切り欠き41、43は、案内用凸部31、33が嵌り込んで摺動可能な切り欠きであり、案内用凸部31、33と同様に、中心角が60度の間隔で配置されている。 【0046】 また、嵌合孔39の内周面の後端側には、前記クッション側係止部23の爪部27が係止するために、一対のケース側係止部(係止用凸部)45が形成されている。この係止用凸部45は、嵌合孔39の内周面から軸中心に向かって湾曲して突出する凸部であり、クッション側係止部23と同様な幅となるように、図4(a)の上下方向のみに設けられている。 ・・・(中略)・・・ 【0048】 d)次に、図5に基づいて、超音波センサの全体構成を、その組み付け方法とともに説明する。 図5(a)は超音波センサの分解図、(b)は超音波センサの縦断面図、(c)は超音波センサの斜視図である。 【0049】 本実施例の超音波センサは、超音波振動子1とクッション部材17とケース29の嵌合部27とを、同軸に一体に組み付けたものである。つまり、超音波振動子1をクッション部材17の貫通孔19に嵌めこみ、そのクッション部材17を嵌合部37の嵌合孔39に嵌め込んだものである。以下、順を追ってその組み付け手順等を説明する。 【0050】 前記超音波センサを組み付ける場合には、まず、クッション部材17の貫通孔19の先端側から、超音波振動子1のリード11を先にして嵌め込む。 このとき、超音波振動子1の側壁部4の平面部15とクッション部材17の内周面の平面部21aとが当接することにより、クッション部材17に対する超音波素子1の回動方向の位置決めが行われる。 ・・・(中略)・・・ 【0052】 次に、上述した様に一体化したクッション部材17及び超音波振動子1及びダンパ部材22(以下超音波部品55と総称する)を、ケース29の嵌合部37の嵌合孔39の先端から挿入する。 【0053】 このとき、クッション部材17の外周面に設けられた案内用凸部31、33が、嵌合部37に設けられ案内用切り欠き41、43に嵌合して、前記一体化した超音波部品55を挿入する際に、案内用凸部31、33が案内用切り欠き41、43内を摺動する。これにより、一体化した超音波部品55は、回動することなく軸方向に沿って移動する。 【0054】 そして、クッション部材17のクッション側係止部23が嵌合孔39の係止凸部45に当たると、クッション側係止部23が内側にしなって若干曲がった後に、その爪部27が係止凸部45を乗り越えて、クッション側係止部23自身の弾性によって戻り、爪部27と係止凸部45とが係止する。同時に、クッション部材17の後端面のうち、クッション側係止部23が無い部分がケース29の張出部49の先端面に当接する。これによって、一体化した超音波部品55の軸方向への移動が阻止される。」(7?9頁) ニ.「【0064】 (2)また、図6(b)に示す様に、クッション部材81の軸方向の位置決めのために、クッション部材81にクッション側係止部83を立設するとともに、嵌合孔85の内周に凹部87(又は貫通孔)を設けてもよい。」(10頁) 上記引用例の記載及び図面並びにこの分野における技術常識を考慮すると、上記イ.の【0001】における「本発明は、超音波振動子を有する超音波センサに関し、この超音波センサは、例えば車両のバンパーに取り付けて車両後方あるいはコーナー部の障害物を検出する車両用障害物検出装置に用いることができる。」との記載、上記ハ.の【0049】における「本実施例の超音波センサは、超音波振動子1とクッション部材17とケース29の嵌合部27とを、同軸に一体に組み付けたものである。つまり、超音波振動子1をクッション部材17の貫通孔19に嵌めこみ、そのクッション部材17を嵌合部37の嵌合孔39に嵌め込んだものである。」との記載、及び図5(a)(b)(c)によれば、超音波センサは、車両用で、ケース(29)と、超音波振動子(1)と、クッション部材(17)とを有し、超音波振動子(1)とケース(29)の一部との間にクッション部材(17)を有し、超音波振動子(1)は、ケース(29)の一部内に装着されている。ここで、上記ロ.の【0031】における「前記超音波振動子1は、導電性のハウジング3の中に圧電素子7を有して構成されている。ハウジング3の内部には、図1(d)に示すように、内部空間9が形成されており、圧電素子7がハウジング3における振動部(振動板)3aの内側表面に貼り付けられている。この振動部3aの外側表面、すなわち振動面3bは、円形状になっている。」との記載、及び図1(d)によれば、超音波振動子(1)は、振動部(振動板)(3a)を有している。 また、上記ハ.の【0040】における「特に本実施例では、クッション部材17の後端側の端面には、一対のクッション側係止部23が対向するように軸方向に沿って立設されている。このクッション側係止部23は、クッション部材17の湾曲に従って同様に湾曲しており、貫通孔19の直径L1より短い幅L2に設定されている。クッション側係止部23は、脚部25及びその先端に設けられた爪部27からなり、爪部27は径方向外側に突出している。」との記載、同ハ.の【0046】における「嵌合孔39の内周面の後端側には、前記クッション側係止部23の爪部27が係止するために、一対のケース側係止部(係止用凸部)45が形成されている。この係止用凸部45は、嵌合孔39の内周面から軸中心に向かって湾曲して突出する凸部であり、クッション側係止部23と同様な幅となるように、図4(a)の上下方向のみに設けられている。」との記載、図3(e)及び図4(d)によれば、クッション部材(17)およびケース(29)は、クッション部材(17)上に爪部(27)が設けられ、また、ケース(29)に係止用凸部(45)が設けられている。なお、これら爪部(27)および係止用凸部(45)をまとめて係止手段と称することは任意である。そして、この係止手段により、クッション部材(17)とケース(29)とは、互いに嵌め込まれるものである。 また、図3(e)及び図4(d)によれば、前述の係止手段は、複数設けられ、ケース(29)の一部、およびクッション部材(17)の外周に沿って設けられていることが見て取れる。 したがって、上記引用例には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「ケース(29)を有し、前記ケース(29)の一部内に装着された、振動部(振動板)(3a)を有する超音波振動子(1)を有し、さらに前記超音波振動子(1)とケース(29)の一部との間に、クッション部材(17)を有する車両用超音波センサであって、 前記クッション部材(17)および前記ケース(29)は、係止手段を有し、この係止手段により、前記クッション部材(17)と前記ケース(29)とが、互いに嵌め込まれ、 複数の係止手段が、前記ケース(29)の一部、および前記クッション部材(17)の外周に沿って設けられ、前記複数の係止手段は、前記クッション部材(17)上に設けられた爪部(27)と、前記ケース(29)に設けられた係止用凸部(45)とを有している超音波センサ。」 (3)対比・判断 補正後の発明と引用発明とを対比する。 a.引用発明の「ケース(29)」は、補正後の発明の「筐体」に相当する。 b.引用発明の「クッション部材(17)」は、ケース(29)と分離している部材であるから、「分離体」ということができる。 c.引用発明の「振動部(振動板)(3a)を有する超音波振動子(1)」は、超音波振動子(1)の振動板(英語ではdiaphragm)を有するから、「ダイヤフラム」ということができる。 d.引用発明の「車両用」は、超音波センサが用いられるのは主として自動車であるから、「自動車用」ということができる。 e.引用発明の「互いに嵌め込まれ」は、クッション部材(17)とケース(29)とが互いに嵌め込まれ接続されるから、「互いに接続され」ということができる。 f.引用発明の「爪部(27)」と、補正後の発明の「係止突起」とは、いずれも「係止部材」という点で一致する。 g.引用発明の「係止用凸部(45)」と、補正後の発明の「係止孔要素」とは、いずれも、「係止要素」という点で一致する。 したがって、補正後の発明と引用発明は、以下の点で一致ないし相違している。 (一致点) 「筐体を有し、前記筐体の一部内、または上面に装着されたダイヤフラムを有し、さらに前記ダイヤフラムと筐体の一部との間に、分離体を有する自動車用超音波センサであって、 前記分離体および前記筐体は係止手段を有し、この係止手段により、前記分離体と前記筐体とが、互いに接続され、 複数の係止手段が、前記筐体の一部、および前記分離体の外周に沿って設けられ、前記複数の係止手段は、前記分離体上に設けられた係止部材と、前記筐体に開けられた係止要素とを有している超音波センサ。」 (相違点1) 「分離体」の態様に関し、 補正後の発明は、「少なくとも部分的に延びる」ものであるのに対し、引用発明は、当該「少なくとも部分的に延びる」との特定がない点。 (相違点2) 「係止部材」に関し、 補正後の発明は、「係止突起」であるのに対し、引用発明は、「爪部(27)」である点。 (相違点3) 「係止要素」に関し、 補正後の発明は、「係止孔要素」であるのに対し、引用発明は、「係止用凸部(45)」である点。 そこで、まず、上記相違点1について検討する。 引用発明は、「クッション部材(17)」であるところ、上記引用例の図5(b)によれば、クッション部材(17)は、ケース(29)の先端部(左端部)からクッション部材(17)の先端部(左端部)まで延びる部分(延設部)が見て取れる。係る延設部の長さは超音波を受信する状況に応じて当業者が適宜決定できるものであるから、補正後の発明のように「少なくとも部分的に延びる」ことは格別なことではない。 次に、上記相違点2及び3について検討する。 上記ニ.の【0064】における「図6(b)に示す様に、クッション部材81の軸方向の位置決めのために、クッション部材81にクッション側係止部83を立設するとともに、嵌合孔85の内周に凹部87(又は貫通孔)を設けてもよい。」との記載、及び図6(b)によれば、クッション部材(17)にクッション側係止部(83)を設け、ケース(29)に貫通孔を設けてもよいことが記載されているから、「係止部材」に関し、補正後の発明のように「係止突起」とすること(相違点2)、また、「係止要素」に関し、補正後の発明のように「係止孔要素」とすること(相違点3)は当業者が容易になし得ることである。 そして、補正後の発明の作用効果も、引用発明から当業者が容易に予測できる範囲のものである。 以上のとおり、補正後の発明は引用発明に基づいて容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4.結語 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1.本願発明 平成24年8月3日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願発明は、上記「第2 補正却下の決定 1.本願発明と補正後の発明」の項で「本願発明」として認定したとおりである。 2.引用発明 引用発明は、上記「第2 補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項中の「(2)引用発明」の項で認定したとおりである。 3.対比・判断 本願発明は上記補正後の発明から当該本件補正に係る限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の構成に当該本件補正に係る限定を付加した補正後の発明が、上記「第2 補正却下の決定」の項中の「3.独立特許要件について」の項で検討したとおり、引用発明に基づいて容易に発明できたものであるから、本願発明も同様の理由により、容易に発明できたものである。 4.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2013-08-20 |
結審通知日 | 2013-08-27 |
審決日 | 2013-09-12 |
出願番号 | 特願2009-514656(P2009-514656) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(H04R)
P 1 8・ 121- Z (H04R) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | ▲吉▼澤 雅博 |
特許庁審判長 |
酒井 伸芳 |
特許庁審判官 |
石丸 昌平 萩原 義則 |
発明の名称 | 超音波センサ、特に自動車用超音波センサ |
代理人 | 竹沢 荘一 |
代理人 | 森 浩之 |
代理人 | 中馬 典嗣 |