• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05K
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H05K
管理番号 1284587
審判番号 不服2012-26115  
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-12-28 
確定日 2014-02-06 
事件の表示 特願2007-298075「基板ユニットの製造方法及びマウンタ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 6月 4日出願公開、特開2009-124019〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成19年11月16日の出願であって、平成24年9月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成24年12月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされたものである。

2.平成24年12月28日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成24年12月28日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
本件補正により、特許請求の範囲はその補正のとおりに補正されたが、そのうち、請求項1に係る発明の特許請求の範囲は次のとおりである。
「【請求項1】
マウンタ装置により電子部品を基板上に搭載して基板ユニットを製造する方法であって、
前記電子部品と前記マウンタ装置上の装着位置とを対応付ける第1のデータ、及び前記装着位置と前記電子部品の前記基板ユニット上の搭載位置とを対応付ける第2のデータを有するマウントデータから第1のマウントデータを読み出すステップと、
前記マウントデータからいずれかの基板ユニットに対応する第2のマウントデータを読み出すステップと、
前記第2のマウントデータ中に記録された、前記第1のデータおよび前記第2のデータのうちの前記いずれかの基板ユニット製造に要する電子部品の前記マウンタ装置上での装着位置を示すデータを、前記第1のマウントデータを参照して変更する第1の変更ステップと、
前記第2のマウントデータ中に記録された、前記第2のデータのうちの各装着位置に対応付ける前記いずれかの基板ユニット上での搭載位置を示すデータを、前記各装着位置を示すデータの前記第1の変更ステップにおける変更前の装着位置に対応づけられていた搭載位置を示すデータに変更する第2の変更ステップと、
前記いずれかの基板ユニット上の前記変更後のマウントデータで指定された搭載位置に、前記電子部品を搭載するステップと、
を備えることを特徴とする、基板ユニット製造方法。」
上記補正は、請求項1についてみると、実質的に、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記第2のマウントデータ中に記録された、前記第1のデータのうちの前記いずれかの基板ユニット製造に要する電子部品の前記マウンタ装置上での装着位置を示すデータを、前記第1のマウントデータを参照して変更する第1の変更ステップ」を「前記第2のマウントデータ中に記録された、前記第1のデータおよび前記第2のデータのうちの前記いずれかの基板ユニット製造に要する電子部品の前記マウンタ装置上での装着位置を示すデータを、前記第1のマウントデータを参照して変更する第1の変更ステップ」に限定するものであって、これは、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。
(1)本願補正発明
本願補正発明は、上記のとおりである。
(2)引用例
(2-1)引用例1
特開昭63-7698号公報(以下、「引用例1」という。)には、下記の事項が図面とともに記載されている。
(あ)「産業上の利用分野
本発明はプリント基板等に電子部品をマウントして、電子回路を組み立てる方法およびその方法の実施に好適な装置に関するものであり、特に組み立てるべき電子回路が変わった場合における段取替の容易化に関するものである。
従来の技術
電子回路の自動組立装置として、マウント装置と移動テーブルとを備えたものが広く使用されている。マウント装置はプリント基板等電子回路基材上に、電子部品のリード線をリード線挿入孔に挿入し、あるいは接着剤等で仮固定することによりマウントする装置であり、移動テーブルは、各々1種類ずつの電子部品を多数保持した部品供給ユニットを複数個並べて交換可能に支持し、その配列方向に沿って移動することにより所定の部品供給ユニットをマウント装置への部品供給位置に位置決めするものである。
移動テーブルは、一直線に沿って部品供給ユニットが配列され直線運動によって部品供給ユニットを位置決めするものと、部品供給ユニットが一円周上に配列され回転運動によって位置決めするものとがあるが、いずれの場合にも相当数の部品供給ユニットが配列され、大形で重量の大きなものとなることが多い。そのため、この移動テーブル上には、電子部品の電子回路基材へのマウント順序に従って部品供給ユニットを配列することが望ましい。このようにすれば、1個の電子回路の組立中に大形で重量の大きい移動テーブルを大きく移動させる必要がなく、マウントのサイクルタイムを短縮して、作業能率を向上させることができるのである。
発明が解決しようとする問題点
しかしながら、この種の電子回路組立装置を使用して複数種類の電子回路を組み立てる場合には、段取替に長時間を要する問題があった。組み立てるべき電子回路が変わる毎に移動テーブル上の部品供給ユニットを各電子回路における電子部品のマウント順序に従って配列し直すことが必要であり、多数の部品供給ユニットの脱着をを行うために長時間を要し、それによって作業能率が低下してしまう問題があったのである。
本発明はこの問題を解決するために、移動テーブルからの電子部品の供給は部品供給ユニットの配列順に行うことにより移動テーブルの移動量を最小限に押えながら、組み立てるべき電子回路が変わった場合における段取替作業を容易にし得る電子回路の組立方法およびその方法の実施に好適な装置を提供することを目的として為されたものである。
問題点を解決するための手段
そのために、本発明に係る電子部品組立方法は、前述のように、マウント装置と移動テーブルとを備えた電子回路組立装置を使用して、複数個の部品供給ユニットからそれらの配列順に電子部品をマウント装置に供給させつつ電子回路を組み立てる方法において、第一プログラムに従う第一電子回路の組立終了後に第二プログラムに従う第二電子回路の組立を行う際、前記移動テーブル上の前記部品供給ユニットの段取替のための脱着が最も少なくて済む順序に前記第二プログラムのマウントシーケンスを変更し、その変更後の第二プログラムに対応した順序に部品供給ユニットを配列した後、前記第二電子回路の組立を行うことを特徴とするものである。
上記第二プログラムのマウントシーケンスの変更は例えば、(a)前記第一プログラムに従って組み付けられる電子部品をマウント順に配列して成る第一部品列と、前記第二プログラムに従ってマウントされる電子部品をマウント順に配列して成る第二部品列とを比較し、両列に共通の部品には共通フラグを立て、(b)第一部品列に属する電子部品のうち共通フラグが立っていないものを消去して空きスペースとし、(c)第二部品列に属する電子部品のうち共通フラグが立っていないものを前記第一部品列の前記空きスペースに順次挿入し、(d)その挿入後においても前記第一部品列に空きスペースが残る場合には各空きスペースに第一部品列の最後尾の電子部品から順次挿入し、(e)得られた第一部品列を変更後の第二部品列とすることによって行うことができる。
また、本発明に係る電子回路組立装置は、第1図に示すように、前記マウント装置および移動テーブルに加えて、(1)複数種類の電子回路を組み立てるための複数のプログラムを記憶するプログラム記憶手段と、(2)複数種類の電子回路を組み立てるための複数のプログラムのうち任意のプログラムを実行する必要が生じた際、移動テーブル上に現に配列されている部品供給ユニットの段取替のための脱着が最も少なくて済む順序にその任意のプログラムのマウントシーケンスを自動で変更するプログラム変更手段と、(3)その変更されたプログラムに従って電子回路の組立を行うために必要な部品供給ユニットの配列替を作業者または自動配列替装置に指示する指示手段と、(4)プログラム変更手段により変更されたプログラムに従ってマウント装置および移動テーブルを制御する制御手段とを含むように構成される。」(第2ページ右上欄第6行?第3ページ左下欄第3行)
(い)「また、マウントヘッド28は一定角度ずつ間欠的に回転するロータの外周部に複数個の真空吸着ヘッド32が昇降可能に取り付けられたものであり、この真空吸着ヘッド32により電子部品を保持して、基板位置決め装置26上のプリント基板にマウントするものである。所定数の電子部品がマウントされたプリント基板は、基板搬入装置22と同様な構造の基板搬出装置24によって搬出される。上記基板位置決め装置26とマウントヘッド28とによってマウント装置が構成されている。」(第4ページ左上欄第18行?右上欄第8行)
(う)「第4図から明らかなように、組立装置本体部10においては電源投入と同時にステップS1(以下、単にS1で表す。他のステップも同じ)の初期設定が行われる。続いて、S2において組み立てるべき電子回路に対応したプログラムの読込みが行われ、続いてS3において段取替作業が終了したか否かの判定が行われる。段取替作業が終了して作業開始ボタンが操作されるとこの判定の結果がYESとなり、S4のマウントサブルーチンが実行される。S2において読み込まれたプログラムが繰返し実行され、所定数の電子回路の組立が行われるのであるが、この組立自体はよく知られたものであるため詳細な説明は省略する。
予定された量の電子回路の組立が終了したならば、S5において組立作業が終了したか否か、すなわち続いて組み立てるべき電子回路があるか否かが判定され、組み立てるべき電子回路があれば判定の結果がNOとなってプログラムの実行はS2に戻り、次に組み立てるべき電子回路に対応したプログラムがコンピュータ12から読み込まれる。一方、S5の判定結果がYESであれば、S6の終了処理が行われ、組立装置本体部10が作動を停止する。
上記のように電子回路の組立が行われている間に、コンピュータ12においては第5図のフローチャートに基づくプログラムの自動変更が行われる。作業者のターミナル72の操作に応じてS11およびS12が実行され、AファイルがオープンされてAファイルの内容がメモリボード64のメモリ1ヘロードされる。ここにおいて、Aファイルには現に組立が行われている電子回路あるいは先回の組立作業の最後に組み立てられた電子回路に対応したAプログラム(第一プログラム)が格納されているものとする。続いて、S13およびS14が実行され、Bファイルが開かれてその内容がメモリ2にロードされる。Bファイルには次に組み立てられるべき電子回路に対応したBプログラム(第二プログラム)が記憶されているものとする。
AプログラムおよびBプログラムは一般に相当長いものであり、他種類の電子部品がマウントされるのが普通であるが、ここでは理解を容易にするためAプログラムに従ってマウントされる電子部品はイ、ロ、ハ、ニ、ホ、への6種類、Bプログラムに従ってマウントされる電子部品はイ、ハ、ホ、へ、トの5種類であり、オリジナルのBプログラムは第1表に示すものであると仮定する。
第1表
…(略)…
第1表において、部品位置番号は移動テーブル30上に配列された一連の部品供給ユニットの一番端のものの位置から順に付けた番号であり、部品コメントはマウントされる電子部品の種類を表し、シーケンスコメントは同一種類の複数個の電子部品のマウント順序を表すものとする。すなわち、この例では次に組み立てられるべき電子回路には、まず電子部品イが3個取り付けられ、続いて電子部品ハが17個取り付けられることとなる。
上記のようにAプログラムおよびBプログラムがそれぞれメモリ1および2へロードされた後、S15の部品列変更号ブルーチンが実行される。Aプログラムの実行のために移動テーブル30上に配列されている電子部品供給ユニットのうち、Bプログラムの実行にも使用される部品供給ユニットをできる限りそのままの位置に残して、最小限の部品供給ユニットのみの脱着を行えば良いようにBプログラムの部品列、すなわち電子部品のマウント順序が変更されるのである。この変更の具体的な方法については後に詳述する。」(第4ページ右下欄第9行?第5ページ右下欄第19行)
(え)「このようにして配列替されたAプログラムの使用部品列はBプログラムの使用部品列がAプログラムの使用部品列を要因として配列替されたものとなる。」(第6ページ左下欄第5?8行)
(お)引用例1の第1表には、電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータ(以下、「データA」という。)が示されている。
また、上記の(い)(う)等に記載されているように、組み立てるべき電子回路に対応したプログラムの読込みが行われ、段取替作業が終了して作業開始ボタンが操作されると、マウントサブルーチンが実行され、所定数の電子回路の組立が行われる。このとき、この真空吸着ヘッド32により電子部品を保持して、基板位置決め装置26上のプリント基板にマウントするのであるから、電子部品に係る部品供給ユニットの位置と該電子部品をマウントすべきプリント基板上の搭載位置とを関連付けるデータ(以下、「データB」という。)がコンピュータ12等に記憶されていることは明らかである。
なお、このようなデータA、データBは、本願明細書の【0002】に背景技術として記載されているとともに、例えば、特開平10-256797号公報(特に図5)に示されているように技術常識である。
以上の事項及び図面からみて、引用例1には、次の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されているものと認められる。
「組立装置により電子部品を基板上に搭載して電子回路搭載基板を組立てる方法であって、
電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータA、及び前記部品供給ユニットの位置と該電子部品の基板上の搭載位置とを関連付けるデータBを記憶しており、
次に組立てられるべき電子回路に対応する、電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータAを、現に組立てが行なわれている電子回路に対応する、電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータAを要因として配列替し、
配列替されたデータA、及びデータBに基づいて、電子部品を基板上の搭載位置に搭載する方法。」
(3)対比
本願補正発明と引用例1発明とを比較すると、
後者の「組立装置」は前者の「マウンタ装置」に相当し、同様に、「組立てる」は「製造する」に、「電子回路搭載基板」は「基板ユニット」に、「組立装置に配列された部品供給ユニットの位置」は「マウンタ装置上の装着位置」に、「該電子部品の基板上の搭載位置」は「前記電子部品の前記基板ユニット上の搭載位置」に、「データA」は「第1のデータ」に、「データB」は「第2のデータ」に、「電子回路搭載基板を組立てる方法」は「基板ユニット製造方法」に、それぞれ相当する。
後者の「電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータA、及び前記部品供給ユニットの位置と該電子部品の基板上の搭載位置とを関連付けるデータBを記憶しており、」と前者の「前記電子部品と前記マウンタ装置上の装着位置とを対応付ける第1のデータ、及び前記装着位置と前記電子部品の前記基板ユニット上の搭載位置とを対応付ける第2のデータを有するマウントデータから第1のマウントデータを読み出すステップ」は、「前記電子部品と前記マウンタ装置上の装着位置とを対応付ける第1のデータ、及び前記装着位置と前記電子部品の前記基板ユニット上の搭載位置とを対応付ける第2のデータを記憶し、」という点で一致する。
後者の「次に組立てられるべき電子回路に対応する、電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータAを、現に組立てが行なわれている電子回路に対応する、電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータAを要因として配列替し、」と前者の「前記第2のマウントデータ中に記録された、前記第1のデータおよび前記第2のデータのうちの前記いずれかの基板ユニット製造に要する電子部品の前記マウンタ装置上での装着位置を示すデータを、前記第1のマウントデータを参照して変更する第1の変更ステップ」は、「次回の基板ユニット製造に要する電子部品のマウンタ装置上での装着位置を示すデータを、今回の基板ユニット製造に要する電子部品のマウンタ装置上での装着位置を示すデータを参照して変更し、」という点で一致する。
後者の「配列替されたデータA、及びデータBに基づいて、電子部品を基板上の搭載位置に搭載する」と前者の「前記いずれかの基板ユニット上の前記変更後のマウントデータで指定された搭載位置に、前記電子部品を搭載するステップ」は、「次回の基板ユニット上の搭載位置に、前記電子部品を搭載する」という点で一致する。
したがって、本願補正発明の用語に倣って整理すると、両者は、
「マウンタ装置により電子部品を基板上に搭載して基板ユニットを製造する方法であって、
前記電子部品と前記マウンタ装置上の装着位置とを対応付ける第1のデータ、及び前記装着位置と前記電子部品の前記基板ユニット上の搭載位置とを対応付ける第2のデータを記憶し、
次回の基板ユニット製造に要する電子部品のマウンタ装置上での装着位置を示すデータを、今回の基板ユニット製造に要する電子部品のマウンタ装置上での装着位置を示すデータを参照して変更し、
次回の基板ユニット上の搭載位置に、前記電子部品を搭載する、基板ユニット製造方法。」である点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点1]
本願補正発明は、
「前記電子部品と前記マウンタ装置上の装着位置とを対応付ける第1のデータ、及び前記装着位置と前記電子部品の前記基板ユニット上の搭載位置とを対応付ける第2のデータを有するマウントデータから第1のマウントデータを読み出すステップと、
前記マウントデータからいずれかの基板ユニットに対応する第2のマウントデータを読み出すステップと、
前記第2のマウントデータ中に記録された、前記第1のデータおよび前記第2のデータのうちの前記いずれかの基板ユニット製造に要する電子部品の前記マウンタ装置上での装着位置を示すデータを、前記第1のマウントデータを参照して変更する第1の変更ステップと、
前記第2のマウントデータ中に記録された、前記第2のデータのうちの各装着位置に対応付ける前記いずれかの基板ユニット上での搭載位置を示すデータを、前記各装着位置を示すデータの前記第1の変更ステップにおける変更前の装着位置に対応づけられていた搭載位置を示すデータに変更する第2の変更ステップ」を備えるのに対し、
引用例1発明は、
「電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータA、及び前記部品供給ユニットの位置と該電子部品の基板上の搭載位置とを関連付けるデータBを記憶しており、
次に組立てられるべき電子回路に対応する、電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータAを、現に組立てが行なわれている電子回路に対応する、電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータAを要因として配列替」する点。
[相違点2]
本願補正発明は、
「前記いずれかの基板ユニット上の前記変更後のマウントデータで指定された搭載位置に、前記電子部品を搭載するステップ」を備えるのに対し、
引用例1発明は、
「配列替されたデータA、及びデータBに基づいて、電子部品を基板上の搭載位置に搭載する」点。
(4)判断
(4-1)相違点1について
引用例1発明は、電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータA、及び前記部品供給ユニットの位置と該電子部品の基板上の搭載位置とを関連付けるデータBを記憶している。両データはともに、電子部品を基板へ搭載するために必要な情報であるから、合わせて一つのデータを構成するものとして呼称し、取り扱うことは自然であり、適宜なし得る事項である。その場合、その呼称は合理的な範囲で任意であって、両データは基板への搭載のために必要な情報であるから、「マウントデータ」という呼称も自然であり格別のものではない。また、その記憶手段・装置の種類・場所についても、本願の請求項1には特に限定がなく、特に問題ではない。
引用例1発明は、次に組立てられるべき電子回路に対応する、電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータAを、現に組立てが行なわれている電子回路に対応する、電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータAを要因として配列替している。このように、電子部品と組立装置に配列された部品供給ユニットの位置とを関連付けるデータAを配列替したとき、電子部品を基板上の搭載位置に適切に搭載するためには、その配列替に対応して、部品供給ユニットの位置と該電子部品の基板上の搭載位置とを関連付けるデータBを変更すべきことは技術的にみて当然・必然であり、当業者に自明である。そして、このようなデータAの配列替やデータBの変更にあたって、各データを読み出して処理を行なうことは普通に行われていることである。
本願補正発明は、「第2のデータ」だけでなく、「前記第1のデータおよび前記第2のデータのうちの…電子部品の前記マウンタ装置上での装着位置を示すデータを、…変更」しているが、引用例1発明において、上記のようにデータBを変更するにあたって、配列替したデータAを参照するように構成するか、あるいは、例えば、配列替したデータAをデータB内にいったん読み込んで、それを参照しつつデータBの変更処理を行なうように構成するかは、記憶手段の容量や処理の速度・便宜等を考慮して適宜設計する事項にすぎない。

なお、本願補正発明の上記の「前記第1のデータおよび前記第2のデータのうちの…電子部品の前記マウンタ装置上での装着位置を示すデータを、…変更」という事項に関連して、平成24年2月13日付け意見書には、「前述した請求項1の補正は、例えば段落0037の『図8の(A)はマウントデータの変更前と変更後の配列データを示す図である。また、図8の(B)はマウントデータの変更前と変更後のNCデータを示す図である。』等の記載から明らかです。」と説明し、また、審判請求の理由では、「(2)補正について …請求項1の補正『前記第1のデータおよび前記第2のデータのうちの前記いずれかの基板ユニット製造に要する電子部品の前記マウンタ装置上での装着位置を示すデータ』は、第1の変更ステップで第1のデータとともに第2のデータの装着位置データを変更することを明確にしたもので、…」と説明している。しかし、図8(B)には配列データは特に示されていない。また、本願の請求項1では、「第2のデータ」について、「前記装着位置と前記電子部品の前記基板ユニット上の搭載位置とを対応付ける第2のデータ」と記載されているにすぎず、「第2のデータ」が「電子部品の前記マウンタ装置上での装着位置を示すデータ」を含むのかどうか、必ずしも明らかではない。以上の点はひとまず措くとしても、引用例1発明において、データBを変更するにあたって、配列替したデータAを参照するように構成するか、あるいは、配列替したデータAをデータB内にいったん読み込んで、それを参照しつつデータBの変更処理を行なうように構成するかは適宜設計する事項にすぎないことは、上述したとおりである。

(4-2)相違点2について
引用例1発明は、配列替されたデータA、及びデータBに基づいて、電子部品を基板上の搭載位置にマウントするものであるが、上記のように変更されたデータBに基づいて電子部品を基板に搭載すべきことは技術的にみて至極当然のことであり、当業者に自明である。
(4-3)効果について
本願補正発明の効果についても、それは、引用例1に記載された発明に基づいて当業者が予測し得たものであって、格別のものではない。
(4-4)まとめ
したがって、本願補正発明は、引用例1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
本願補正発明について以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、本件補正における他の補正事項を検討するまでもなく、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明
平成24年12月28日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?10に係る発明は、平成24年2月13日付け手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?10に記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち、請求項1は次のとおりである。
「【請求項1】
マウンタ装置により電子部品を基板上に搭載して基板ユニットを製造する方法であって、
前記電子部品と前記マウンタ装置上の装着位置とを対応付ける第1のデータ、及び前記装着位置と前記電子部品の前記基板ユニット上の搭載位置とを対応付ける第2のデータを有するマウントデータから第1のマウントデータを読み出すステップと、
前記マウントデータからいずれかの基板ユニットに対応する第2のマウントデータを読み出すステップと、
前記第2のマウントデータ中に記録された、前記第1のデータのうちの前記いずれかの基板ユニット製造に要する電子部品の前記マウンタ装置上での装着位置を示すデータを、前記第1のマウントデータを参照して変更する第1の変更ステップと、
前記第2のマウントデータ中に記録された、前記第2のデータのうちの各装着位置に対応付ける前記いずれかの基板ユニット上での搭載位置を示すデータを、前記各装着位置を示すデータの前記第1の変更ステップにおける変更前の装着位置に対応づけられていた搭載位置を示すデータに変更する第2の変更ステップと、
前記いずれかの基板ユニット上の前記変更後のマウントデータで指定された搭載位置に、前記電子部品を搭載するステップと、
を備えることを特徴とする、基板ユニット製造方法。」

3-1.本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)について
(1)本願発明1
本願発明1は上記のとおりである。
(2)引用例
引用例1、及び、その記載事項は上記2.に記載したとおりである。
(3)対比・判断
本願発明1は実質的に、上記2.で検討した本願補正発明の「前記第2のマウントデータ中に記録された、前記第1のデータおよび前記第2のデータのうちの前記いずれかの基板ユニット製造に要する電子部品の前記マウンタ装置上での装着位置を示すデータを、前記第1のマウントデータを参照して変更する第1の変更ステップ」を「前記第2のマウントデータ中に記録された、前記第1のデータのうちの前記いずれかの基板ユニット製造に要する電子部品の前記マウンタ装置上での装着位置を示すデータを、前記第1のマウントデータを参照して変更する第1の変更ステップ」に拡張したものに相当する。
そうすると、本願発明1の構成要件をすべて含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、上記2.に記載したとおり、引用例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1は、実質的に同様の理由により、引用例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4)むすび
したがって、本願発明1は引用例1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

4.結語
以上のとおり、本願発明1が特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである以上、本願の請求項2?10に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-11-14 
結審通知日 2013-11-19 
審決日 2013-12-06 
出願番号 特願2007-298075(P2007-298075)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H05K)
P 1 8・ 575- Z (H05K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川内野 真介中尾 麗  
特許庁審判長 山岸 利治
特許庁審判官 島田 信一
森川 元嗣
発明の名称 基板ユニットの製造方法及びマウンタ装置  
代理人 青木 篤  
代理人 伊坪 公一  
代理人 小林 龍  
代理人 樋口 外治  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ