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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 A62B
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A62B
管理番号 1284854
審判番号 不服2012-25834  
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-12-27 
確定日 2014-03-04 
事件の表示 特願2009-534757「予備画定されたノーズフォーム形状を用いたレスピレータ」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 5月 2日国際公開、WO2008/051726、平成22年 3月18日国内公表、特表2010-508076、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2007年10月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2006年10月26日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成24年4月19日付けで拒絶理由が通知され、これに対し、平成24年8月3日に意見書が提出され、平成24年8月31日付けで拒絶査定がされ、これに対し、平成24年12月27日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともに同日付けで手続補正書が提出され、平成25年3月1日付けで審尋がされ、これに対し、平成25年5月31日付けで回答書が提出され、さらに、平成25年9月30日付けで当審の拒絶理由が通知され、これに対し、平成26年1月28日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。


第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成26年1月28日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認める。
「レスピレータ(30)であって、
(a)人の鼻及び口を覆ってフィットするように適合し、内面(34)を有するマスク本体(32)と、
(b)ノーズフォーム(10)と、を備え、
前記ノーズフォーム(10)は、
(i)中央部分(14)と、
(ii)前記中央部分(14)に関して反対側上に対称的に配置された第1及び第2側部接触部分(16,18)であって、当該レスピレータ(30)が着用された状態において前記中央部分(14)よりも下方に突出する第1及び第2側部接触部分(16,18)と、
(iii)前記中央部分(14)、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分(16,18)に亘って拡がる後方側面(24)であって、当該レスピレータ(30)が着用された状態において着用者の顔側に位置する後方側面(24)と、
(iv)前記後方側面(24)の反対側に位置する前方側面(26)と、
(v)前記後方側面(24)の上縁と前記前方側面(26)の上縁とに繋がったマスク接触表面(12)であって、前記マスク本体(32)の前記内面(34)に固定されたマスク接触表面(12)と、
(vi)前記マスク接触表面(12)の反対側に位置し、前記中央部分(14)、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分(16,18)に亘って延びる鼻接触表面(20)であって、当該レスピレータ(30)が着用された状態において着用者の鼻に接触し得る鼻接触表面(20)と、を有しており、
前記鼻接触表面(20)は、前記後方側面(24)から前記前方側面(26)に向かう方向に沿って前記第1側部接触部分(16)と前記第2側部接触部分(18)との間隔が拡がるように、傾斜している、
レスピレータ(30)。」


第3 拒絶理由の概要
1.原査定の拒絶理由の概要
本願の請求項1ないし2に係る発明は、本願の優先日前に日本国内において、頒布された以下の引用刊行物に記載された発明に基づいて、本願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用刊行物:特開昭52-84896号公報
2.当審で通知した拒絶理由の概要
(1)理由1
本願は、特許請求の範囲における請求項1の記載が、ノーズフォームについて不明であり、請求項1に係る発明を明確に把握できないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

(2)理由2
本願の請求項1に係る発明は、本願の優先日前に日本国内において、頒布された以下の刊行物1ないし5に記載された発明に基づいて、本願の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

刊行物1:実願昭49-60702号(実開昭50-148898号)のマイクロフィルム
刊行物2:実願昭61-17548号(実開昭62-130655号)のマイクロフィルム
刊行物3:特開平9-239050号公報
刊行物4:特開2003-236000号公報
刊行物5:特開昭52-84896号公報


第4 当審の判断
1.原査定の拒絶理由について
(1)引用刊行物の記載事項
引用刊行物(特開昭52-84896号公報)には、図面と共に以下の事項が記載されている。

・「少なくとも1個のろ過材料層(審決注:「ろ過」は当審で置き換えた。以下同様。)を含む主体部材を具え、該主体が、上下および両側縁を有し、かつ着用者の顔面にマスクを固着して鼻と口とを蔽うため対向する両側縁から横に延在する装置を固着する外科医用マスクにおいて、
前記主体の上縁に沿って延在し、かつマスク着用者が用いる視力の助けの近傍において前記主体を通しての蒸気の流れを防止するため十分な幅を有する、着用者の鼻およびほほ骨の輪郭に合う、変形のできる、独立気泡フォーム材料の細長い細条と、
前記細条に対し所望の輪郭を維持するのに助力しかつ封止に関係して着用者の顔に前記細条を保持するための変形のできる装置と、から成ることを特徴とする外科医用マスク。」(特許請求の範囲の第1項)

・「前記の変形できる独立気泡フォーム材料の細条が、対称的であり、かつ最小厚みの中央部分と、該中央部分に隣接しかつ対向した両側における最大厚みの第1及び第2の中間部分と、さらに中間の厚みをそれぞれ有し、前記中間部分から間隔を置いて設けた第1および第2の末梢部分とによって形成されることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の外科医用マスク。」(特許請求の範囲の第2項)

・「本発明は外科医用マスクに係り、特に外科医用マスクの着用者によって用いられる視力の助けが曇らないようにするための蒸気障壁を有する外科医用マスクに関するものである。」(2頁左上欄2?5行)

・「本発明の目的は、マスクの着用者によって用いられる視力の助けを曇らせないようにするための新規にして進歩した装置を提供することである。
本発明の他の目的は、着用者の眼の近傍において外科医用マスクを通して上昇する着用者の息の量を実質的に減少するための新規にして進歩した装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、着用者の眼の近傍における着用者の息の上昇を防止するため着用者の顔に対して外科医用マスクを密封するための新規にして進歩した装置を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、着用者の眼の近傍の周囲のマスクの下からの着用者の息の上昇を実質的に防止する輪郭づけている封止を外科医用マスクにそのマスクの上縁に沿って設けることである。
新規にして進歩した外科医用マスクは、本発明の原理に従って、マスクの上縁に着用者の顔との間に挿入された細長いクッション素子、および変形についてその形状を維持しかつ封止を形成するためクッション素子を圧縮するのに十分な保持力を有するマスクの上縁に沿って固着された変形のできる材料の細条を含む。クッション素子は、着用者の息の蒸気流体が着用者の眼の近傍に到達しないようにするためにマスクの上部の十分な部分を被覆する。クッション素子は、より良い封止特性を与えかつ下方の視覚を容易にするため輪郭づけられる。」(2頁左下欄7行?同頁右下欄13行)

・「先ず第1図において、矩形でありかつ1個または2個以上の高能率ろ過材料層を含む本体11から形成される外科医用マスク10が示される。このろ過材料層の構造は、空気伝染の細菌の通過を防止しつつ空気の吸入と吐出ができるようになっている。このマスク10は、ろ過材料の軟かい内張りと丈夫な薄い外被とを具えた積層型である。それは折り畳むとひだ12?14を形成することができ、これらのひだは広げると着用者にマスクがよく合うように着用者の鼻と顔の周りに広がるための十分な空間を提供する。」(2頁右下欄17行?3頁左上欄7行)

・「第2図に明らかに示すとおりこのクッション細条21は、対称的であり、例えば、0.25?0.4cmの最小の厚みの中央部分Aを含み、これに隣接して、例えば、それぞれ1.0?1.3cmの最大厚みの左右の中間部分BおよびB’、およびそれぞれ約0.4?0.6cmの厚みを有する末梢部分CおよびC’がある。このクッション細条21は、好ましくはその一側面23が平らであり、その一側面が、好ましくは適当なアレルギーを起させない接着剤によって、縁どり細条16に対し隣接しかつ平行にマスク10の内側上縁においてろ過材料に貼り付けられている。
このクッション細条21は、マスク10の上縁の略略全長に沿って延在し、着用者の鼻および口と着用者の眼の近傍との間において有効な湿気障壁を形成するのに十分な幅を有する。約1.6cmの幅が、視力の助けを曇らせないようにするため、マスクの上部を通してかまたは皮膚とマスクとの間を通してか何れからも蒸気の流れを制限するのに十分であることが見出された。このクッション細条21は一般に矩形の断面形状を有し、好ましくは着用者の鼻とほほ骨の輪郭に合うため高い圧縮性を有する。クッション23の中央部分Aおよび左右の中間部分BおよびB’は、かくして使用時には着用者の鼻とほほ骨との橋の近傍の周りに輪郭づけられる。
第3図に示すとおり、マスク10は通常の型では着用者Wに固着される。マスク10(第1図)の側線を形成する細長い結び細条18および19は、着用者Wの顔面にマスク10を保持する。結び細条18および19が十分にしっかりと締められるため、展性のある材料の細条22が変形される時、クッション細条21は、着用者の眼の下において着用者の顔面の上部を横切ってぴったり合う輪郭づけられた形状に保持されてマスク10の上縁と着用者の顔面との間の湿気封止を作るだろう。
フォーム細条の形状および寸法は、元来このフォームの圧縮性の函数である。非常に略いフォームであるならば細条をはっきり輪郭づけなければならないのに対して、高い圧縮性のあるフォームを用いるならば、輪郭づけることは殆どあるいは全く必要がない。楽なやり方で結び細条18および19はによって、第3図に示すようにマスクを顔に着け、かつ展性のある材料の細条22によって可能な程度に完全にマスクが作られている時は、フォームと輪郭づくりとのどんな組合せを選ぼうとも、このマスクは、凝視が前方真直に向けられる時、眼の光軸から下方に45°向いた線よりさらに前方には突き出ない。これは細孔の境界線であり、眼の光軸から60°の線が限度であるのが好ましい。
クッション23の末梢部分CおよびC’は、BおよびB’部分から厚みが漸減し、マスク10の中央における印加圧縮力を増大しかつこの区域における着用者の下方への視覚を容易にするため減少した厚みを有する。着用者の顔にマスク10を保持する力は、かくしてそのような輪郭および密封を与えることによってマスク10の上縁を横切ってさらに均一に分布される。」(3頁左上欄18行?4頁左上欄2行)

・「以上要するに、本発明は、外科医用マスクには、マスク着用者によって用いられる視力の助けまたは光学装置を曇らせないための蒸気障壁を設ける。この蒸気障壁は、マスクの上縁と着用者の顔面との間に挿入した細長い軟質の独立気泡フォーム材料から成る輪郭づけた細条を具える。この挿入材料は、それ自体着用者の顔面に合わせて輪郭づくられかつ着用者の顔面一面に延在し、着用者が用いかつ曇り易いめがね、光学ルーペまたは他の光学機器に着用者の鼻と口から排出する蒸気流体が接触しないようにする封止および蒸気障壁を形成する。」(4頁右上欄11行?同頁左下欄2行)

そして、第1図ないし第3図の図示内容も合わせると、クッション細条21は、中央部分Aと、前記中央部分Aに関して反対側上に対称的に配置された第1の中間部分B及び第2の中間部分B‘であって、外科医用マスク10が着用された状態において前記中央部分Aよりも後方に突出する第1の中間部分B及び第2の中間部分B‘と、前記中央部分A、並びに前記第1の中間部分B及び前記第2の中間部分B‘に亘って拡がる上方側面と、前記上方側面の反対側に位置する下方側面と、前記上方側面の前縁と前記下方側面の前縁とに繋がったマスク接触表面であって、本体11の内面に貼り付けられたマスク接触表面と、前記マスク接触表面の反対側に位置し、前記中央部分A、並びに前記第1の中間部分B及び前記第2の中間部分B‘に亘って延びる鼻接触表面であって、当該外科医用マスク10が着用された状態において着用者の鼻に接触しうる鼻接触表面と、を有していることがみてとれる。

よって、これらの事項及び図示内容を本願発明の表現にならって整理すると、引用刊行物には、次の事項からなる発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認めることができる。
「外科医用マスク10であって、
(a)着用者の鼻及び口を蔽ってよく合うようにし、内面を有する本体11と、
(b)クッション細条21と、を具え、
前記クッション細条21は、
(i)中央部分Aと、
(ii)前記中央部分Aに関して反対側上に対称的に配置された第1の中間部分B及び第2の中間部分B‘であって、当該外科医用マスク10が着用された状態において前記中央部分Aよりも後方に突出する第1の中間部分B及び第2の中間部分B‘と、
(iii)前記中央部分A、並びに前記第1の中間部分B及び前記第2の中間部分B‘に亘って拡がる上方側面と、
(iv)前記上方側面の反対側に位置する下方側面と、
(v)前記上方側面の前縁と前記下方側面の前縁とに繋がったマスク接触表面であって、前記本体11の前記内面に貼り付けられたマスク接触表面と、
(vi)前記マスク接触表面の反対側に位置し、前記中央部分、並びに前記第1の中間部分B及び前記第2の中間部分B‘に亘って延びる鼻接触表面であって、当該外科医用マスク10が着用された状態において着用者の鼻に接触しうる鼻接触表面と、を有している、
外科医用マスク10。」

(2)対比
そこで、本願発明と引用発明とを、その機能・作用を考慮して対比する。

・後者の「外科医用マスク10」は前者の「レスピレータ」に相当し、以下同様に、「着用者」は「人」に、「本体11」は「マスク本体」に、「クッション細条21」は「ノーズフォーム」にそれぞれ相当する。
そして、後者の「(a)着用者の鼻及び口を蔽ってよく合うようにし、内面を有する本体11と、(b)クッション細条21と、を具え」という態様は、前者の「(a)人の鼻及び口を覆ってフィットするように適合し、内面を有するマスク本体と、(b)ノーズフォームと、を備え」という態様に相当する。

・後者の「中央部分A」は前者の「中央部分」に相当し、後者の「第1の中間部分B及び第2の中間部分B‘」は前者の「第1及び第2側部接触部分」に相当する。
そして、後者の「前記中央部分Aに関して反対側上に対称的に配置された第1の中間部分B及び第2の中間部分B‘であって、当該外科医用マスク10が着用された状態において前記中央部分Aよりも後方に突出する第1の中間部分B及び第2の中間部分B‘」と、前者の「前記中央部分に関して反対側上に対称的に配置された第1及び第2側部接触部分であって、当該レスピレータが着用された状態において前記中央部分よりも下方に突出する第1及び第2側部接触部分」とは、「前記中央部分に関して反対側上に対称的に配置された第1及び第2側部接触部分であって、当該レスピレータが着用された状態において前記中央部分よりも所定の方向に突出する第1及び第2側部接触部分」との概念で共通する。

・後者の「前記中央部分A、並びに前記第1の中間部分B及び前記第2の中間部分B‘に亘って拡がる上方側面」と、前者の「前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って拡がる後方側面であって、当該レスピレータが着用された状態において着用者の顔側に位置する後方側面」とは、「前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って拡がる一方の側面」との概念で共通する。

・後者の「前記上方側面の反対側に位置する下方側面」と、前者の「前記後方側面の反対側に位置する前方側面」とは、「前記一方の側面の反対側に位置する他方の側面」との概念で共通する。

・後者の「貼り付けられた」は、前者の「固定された」に相当し、後者の「前記上方側面の前縁と前記下方側面の前縁とに繋がったマスク接触表面であって、前記本体11の前記内面に貼り付けられたマスク接触表面」と、前者の「前記後方側面の上縁と前記前方側面の上縁とに繋がったマスク接触表面であって、前記マスク本体の前記内面に固定されたマスク接触表面」とは、「前記一方の側面の一側縁と前記他方の側面の一側縁とに繋がったマスク接触表面であって、前記マスク本体の前記内面に固定されたマスク接触表面」との概念で共通する。

・後者の「前記マスク接触表面の反対側に位置し、前記中央部分、並びに前記第1の中間部分B及び前記第2の中間部分B‘に亘って延びる鼻接触表面であって、当該外科医用マスク10が着用された状態において着用者の鼻に接触しうる鼻接触表面」は、前者の「前記マスク接触表面の反対側に位置し、前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って延びる鼻接触表面であって、当該レスピレータが着用された状態において着用者の鼻に接触し得る鼻接触表面」に相当する。

したがって、両者は、
「レスピレータであって、
(a)人の鼻及び口を覆ってフィットするように適合し、内面を有するマスク本体と、
(b)ノーズフォームと、を備え、
前記ノーズフォームは、
(i)中央部分と、
(ii)前記中央部分に関して反対側上に対称的に配置された第1及び第2側部接触部分であって、当該レスピレータが着用された状態において前記中央部分よりも所定の方向に突出する第1及び第2側部接触部分と、
(iii)前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って拡がる一方の側面と、
(iv)前記一方の側面の反対側に位置する他方の側面と、
(v)前記一方の側面の一側縁と前記他方の側面の一側縁とに繋がったマスク接触表面であって、前記マスク本体の前記内面に固定されたマスク接触表面と、
(vi)前記マスク接触表面の反対側に位置し、前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って延びる鼻接触表面であって、当該レスピレータが着用された状態において着用者の鼻に接触し得る鼻接触表面と、を有している、
レスピレータ。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
第1及び第2側部接触部分が中央部分よりも突出する所定の方向が、本願発明では下方であるのに対し、引用発明では後方(着用者の顔側)である点。

[相違点2]
中央部分、並びに第1及び第2側部接触部分に亘って拡がる一方の側面が、本願発明では、後方側面であって、レスピレータが着用された状態において着用者の顔側に位置する後方側面であるのに対して、引用発明では、上方側面である点。

[相違点3]
一方の側面の反対側に位置する他方の側面が、本願発明では後方側面の反対側に位置する前方側面であるのに対して、引用発明では、上方側面の反対側に位置する下方側面である点。

[相違点4]
マスク接触表面が、本願発明では、後方側面の上縁と前方側面の上縁とに繋がっているのに対して、引用発明では、上方側面の前縁と下方側面の前縁とに繋がっている点。

[相違点5]
鼻接触表面に関し、本願発明では、後方側面から前方側面に向かう方向に沿って第1側部接触部分と第2側部接触部分との間隔が拡がるように、傾斜しているのに対して、引用発明では、そのような特定はされていない点。

(3)判断
上記相違点について検討する。
[相違点1ないし4について]
レスピレータにおいて、マスク本体に固定されるマスク接触表面を上方に有し、また、該マスク接触表面と反対側の下方に鼻接触表面を有するノーズフォームを備えることを記載または示唆する証拠は、原査定の拒絶理由には示されていない。また、そのようなことが本願の優先日前に周知の技術であったとしても、当該周知の技術を適用しようとするには、引用発明に係るマスク本体の基本構造を改変する必要があることから、引用発明に上記周知の技術を適用する動機付けがあるとは認められない。
そうすると、上記相違点1ないし4に係る本願発明の構成は、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものとはいえない。

[相違点5について]
レスピレータのノーズフォームにおいて、鼻接触表面の鼻を挟む関係にある二つの部分の間隔が、後方(着用者の顔側)から前方に向かう方向に沿って拡がるようにすることを記載または示唆する証拠は、原査定の拒絶理由には示されていないし、そのようなことが本願の優先日前に周知の技術であるともいえない。
そうすると、上記相違点5に係る本願発明の構成は、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものとはいえない。

そして、本願発明は、上記相違点1ないし5に係る本願発明の構成を備えることにより、本願明細書の段落【0008】に記載されているような、「ノーズフォームが人の鼻に、よりよく合うように適用され、顔のこの区域に良好なフィットをもたらす」、「着用者の鼻を覆うぴったりとしたフィットを達成するための、フォームの変形の必要性が低減する。」、「マスク本体の鼻領域で漏れの生じる可能性もまた低減することがある。」及び「ノーズクリップを使用することなく、ぴったりとしたフィットを達成できることがある。」という各効果を奏するものである。

したがって、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることはできないから、原査定の拒絶理由によって本願を拒絶することはできない。

2.当審で通知した拒絶理由について
2-1.理由1について
当審で通知した拒絶理由の理由1に対して、平成26年1月28日付けで提出された手続補正書により、概ね以下の内容の請求項1についての補正がなされた。
(1)マスク接触表面に関する記載を、マスク接触表面に関する説明であることを明確にする補正(請求項1の(v)の記載を参照。)。
(2)「前方」及び「後方」の方向が特定できるようにする補正(請求項1の(iii)及び(iv)の記載を参照。)。
(3)ノーズフォーム(10)の、「前方側部(26)」、「後方側部(24)」、「マスク接触表面(12)」、「中央部分(14)」、「第1側部接触部分(16)」、「第2側部接触部分(18)」及び「鼻接触表面(20)」についての位置関係を明確し、ノーズフォームの形状を特定する補正(請求項1の(i)?(vi)の記載を参照。)。
(4)ノーズフォーム(10)がマスク本体(32)にどのように固定されるのかを明確にし、ノーズフォーム(10)の使い方を明確にする補正(請求項1の(v)の記載を参照。)。
(5)鼻接触表面(20)の形状を特定する補正(請求項1の(vi)の記載を参照。)。

これら補正事項により、ノーズフォーム(10)自体の形態、及びノーズフォーム(10)とマスク本体(32)との関連構成は、明確になった。
よって、本願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たすものとなったので、当審で通知した拒絶理由の理由1によって拒絶することはできない。

2-2.理由2について
(1)刊行物1の記載事項
刊行物1には、図面と共に以下の事項が記載されている。

・「この考案は防毒防塵用マスクに関するもので、微粒子状の活性炭を浸潤、充填、混入して作った活性炭フィルターを活用してマスク体内部に内設し、さらにマスク体内部を呼吸する鼻室と発声する口室に区分する為、船首形を彎曲面に刳った如きに製作したスポンジと活性炭フィルターの併合フィルターをマスク体内部に形成接着をしてありこの船首形を彎曲面に刳った如きのフィルターは口部人中周辺に合わされて遮蔽し防毒防塵するマスクでマスク体口辱部の発声個所に鳩目穴を設けて作業中マスク内部の声が相手側に発声をわかり易く伝え聞き取れ易く工夫されている発声の楽な防毒防塵用マスクである又呼気された息がマスク体内部に湿気を及ぼすこともなく衛生的である。
この考案は微粒子状の活性炭を浸潤、充填、混入して作った活性炭フィルター1をスポンジマスク体2の内部に内設せしめさらにマスク体内部を呼吸する鼻室8と発声する口室9の二室に区分する為、船首形を彎曲面に刳った如きに作ったスポンジと活性炭フィルターの併合フィルター3をマスク体内部に形成接着して口部人中周辺に合わせて遮蔽し防毒防塵するものであり、これにマスク体辱部の発声個所に鳩目穴4及び金具5を設け、作業中マスク内部の声が相手側に発声をわかり易くする為に工夫されている発声の楽な防毒防塵用マスクである。従って従来の聞き取れにくい欠点が少なく、又呼気された息もマスク体内部に湿気を起こさないものである。この考案は微粒子状の活性炭を浸潤、充填、混入して作った活性炭フィルター1をスポンジマスク体2の内部に内設せしめ別個に作った船首形を彎曲面に刳った如きのスポンジと活性炭フィルターの併合フィルター3を設けさらにマスク体辱部の発声個所に鳩目穴4及び金具5を設け、マスク体内外部に薄い布7マスク上端に山形スポンジ6を設けた発声の楽な防毒防塵用マスクである。
この様な構造を特徴としたマスクであるから発声も相手側に聞き取れ易く、又マスク体内部を湿気ることもなく衛生でかつ活性炭の作用で各種の有毒ガス、粉塵、悪臭などを良く吸着し除去することが出来るので健康的であるマスクの考案である。」(明細書1頁11行?4頁1行)

そして、第一図ないし第五図の図示内容も合わせると、山形スポンジ6は、中央部分と、前記中央部分に関して反対側上に対称的に配置された第1及び第2側部接触部分であって、防毒防塵用マスクが着用された状態において前記中央部分よりも下方に突出する第1及び第2側部接触部分と、前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って拡がる後方側面であって、当該防毒防塵用マスクが着用された状態において着用者の顔側に位置する後方側面と、前記後方側面の反対側に位置する前方側面と、前記後方側面の上縁と前記前方側面の上縁とに繋がったマスク接触表面であって、マスク体の内面に固定されたマスク接触表面と、前記マスク接触表面の反対側に位置し、前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って延びる鼻接触表面であって、当該防毒防塵用マスクが着用された状態において着用者の鼻に接触し得る鼻接触表面と、を有していることが一応みてとれる。
また、マスク体が、人の鼻及び口を覆ってフィットするように適合し、内面を有することは明らかである。

よって、これらの事項及び図示内容を本願発明の表現にならって整理すると、刊行物1には、次の事項からなる発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認めることができる。
「防毒防塵用マスクであって、
(a)人の鼻及び口を覆ってフィットするように適合し、内面を有するマスク体と、
(b)山形スポンジ6と、を備え、
前記山形スポンジ6は、
(i)中央部分と、
(ii)前記中央部分に関して反対側上に対称的に配置された第1及び第2側部接触部分であって、当該防毒防塵用マスクが着用された状態において前記中央部分よりも下方に突出する第1及び第2側部接触部分と、
(iii)前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って拡がる後方側面であって、当該防毒防塵用マスクが着用された状態において着用者の顔側に位置する後方側面と、
(iv)前記後方側面の反対側に位置する前方側面と、
(v)前記後方側面の上縁と前記前方側面の上縁とに繋がったマスク接触表面であって、前記マスク体の前記内面に固定されたマスク接触表面と、
(vi)前記マスク接触表面の反対側に位置し、前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って延びる鼻接触表面であって、当該防毒防塵用マスクが着用された状態において着用者の鼻に接触し得る鼻接触表面と、を有している、
防毒防塵用マスク。」

(2)刊行物2の記載事項
刊行物2には、図面と共に以下の事項が記載されている。

・「〔問題点を解決するための手段〕
本考案のマスクは、これらの問題を解消する目的を持ってなされたもので、口鼻部に略対応するごとく前面へ膨出する形状に保形されたマスク本体の裏面上縁部に、鼻およびその左右両側の頬の一部に密着する起伏面が形成されたスポンジ部材を貼着し、該マスク本体の左右両端にそれぞれ複数の紐通し用輪奈を縫着した構成とした。
〔作用〕
本考案のマスクは、その本体が口鼻部に略対応する形状になり、かつその使用形態において、裏面上縁部のスポンジ部材が鼻の左右両側の窪みとマスク本体との間を塞ぐようになるため、該本体の縁部と顔面との間には、塵埃や病菌等の通過を許す隙間がほとんど生じない。また、前記本体両端部には紐通し用としての輪奈を縫着したため、前記口鼻部への本体の固定手段である紐を通し易い構造になっている。」(明細書3頁1行?4頁3行)
・「第1図ないし第3図において、符号(11)は適宜裁断および縫合を施すことによって顔面における凸部である口鼻部と略対応するごとく前面(11a)へ膨出する形状に保形されたマスク本体で、表布(12)の裏側に適当な厚みをもったフィルター(13)が一体的に縫着されてなるものである。該フィルター(13)には樹脂処理を施した不織布が用いられ、従来のガーゼマスクでは取ることができない0.3ミクロン程度の粉塵等も捕集可能となっている。マスク本体(11)の裏面(11b)上縁部には、鼻(a)からその左右両側における頬の一部(b)(第3図参照)へかけて密接するようになる起伏面(15)を有するスポンジ部材(14)が貼着されている。(17)は使用の際当該マスクを口鼻部に固定するためのゴム紐(18)を通す紐通し用輪奈で、布の小片よりなり、マスク本体(11)の左右両端(16a)(16b)にそれぞれ1対づつ縫着されている。なお、該縫着部位は、ゴム紐(18)の弾性による当該マスクの顔面への密接力が輪奈(17)を介して均一的に付与されるよう考慮して選定される。
〔考案の効果〕
以上説明したとおり、本考案マスクは、マスク本体を前面へ膨出する形状とすることによって口鼻部周囲に対する密接度を向上させるとともに、鼻の両側部分とマスク本体との間の隙間を該本体の裏面上縁部のスポンジ部材によって塞ぐよう構成したため、呼吸による空気の流通はその大部分がマスク本体を介して行われるようになり、該本体には優れた濾過機能を有するフィルターを取着したため、きわめて効率的に塵埃や病菌を捕集することができる。また、紐通し部は輪奈状としたため、耳に掛けるための紐を通し易いばかりでなく、該輪奈の縫着部位の選定によって、前記口鼻部周囲に対する当該マスクの均一的な密接力を得ることができる等、その実用的効果はきわめて大きい。」(明細書4頁7行?6頁12行)

そして、第1図ないし第3図の図示内容も合わせると、スポンジ部材14は、中央部分と、前記中央部分に関して反対側上に対称的に配置された第1及び第2側部接触部分であって、マスクが着用された状態において前記中央部分よりも後方に突出する第1及び第2側部接触部分と、前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って拡がる上方側面と、前記上方側面の反対側に位置する下方側面と、前記上方側面の前縁と前記下方側面の前縁とに繋がったマスク接触表面であって、マスク本体の内面に貼着されたマスク接触表面と、前記マスク接触表面の反対側に位置し、前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って延びる起伏面15とされた鼻接触表面であって、当該マスクが着用された状態において着用者の鼻に接触し得る鼻接触表面と、を有していることが一応みてとれる。

よって、これらの事項及び図示内容を本願発明の表現にならって整理すると、刊行物2には、次の事項からなる発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認めることができる。
「マスクであって、
(a)顔面における凸部である口鼻部と略対応するごとく前面11aへ膨出する形状に保形され、内面を有するマスク本体と、
(b)スポンジ部材14と、を備え、
前記スポンジ部材14は、
(i)中央部分と、
(ii)前記中央部分に関して反対側上に対称的に配置された第1及び第2側部接触部分であって、当該マスクが着用された状態において前記中央部分よりも後方に突出する第1及び第2側部接触部分と、
(iii)前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って拡がる上方側面と、
(iv)前記上方側面の反対側に位置する下方側面と、
(v)前記上方側面の前縁と前記下方側面の前縁とに繋がったマスク接触表面であって、前記マスク本体の前記内面に貼着されたマスク接触表面と、
(vi)前記マスク接触表面の反対側に位置し、前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って延びる起伏面15とされた鼻接触表面であって、当該マスクが着用された状態において着用者の鼻に接触し得る鼻接触表面と、を有している、
マスク。」

(3)対比・判断
そこで、本願発明と引用発明1とを、その機能・作用を考慮して対比する。

・後者の「防毒防塵用マスク」は前者の「レスピレータ」に相当し、以下同様に、「マスク体」は「マスク本体」に、「山形スポンジ6」は「ノーズフォーム」にそれぞれ相当する。

したがって、両者は、
「レスピレータであって、
(a)人の鼻及び口を覆ってフィットするように適合し、内面を有するマスク本体と、
(b)ノーズフォームと、を備え、
前記ノーズフォームは、
(i)中央部分と、
(ii)前記中央部分に関して反対側上に対称的に配置された第1及び第2側部接触部分であって、当該レスピレータが着用された状態において前記中央部分よりも下方に突出する第1及び第2側部接触部分と、
(iii)前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って拡がる後方側面であって、当該レスピレータが着用された状態において着用者の顔側に位置する後方側面と、
(iv)前記後方側面の反対側に位置する前方側面と、
(v)前記後方側面の上縁と前記前方側面の上縁とに繋がったマスク接触表面であって、前記マスク本体の前記内面に固定されたマスク接触表面と、
(vi)前記マスク接触表面の反対側に位置し、前記中央部分、並びに前記第1及び前記第2側部接触部分に亘って延びる鼻接触表面であって、当該レスピレータが着用された状態において着用者の鼻に接触し得る鼻接触表面と、を有している、
レスピレータ。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点]
鼻接触表面に関し、本願発明では、後方側面から前方側面に向かう方向に沿って第1側部接触部分と第2側部接触部分との間隔が拡がるように、傾斜しているのに対して、引用発明1では、そのような特定はされていない点。

上記相違点について検討する。
当審で通知した拒絶理由の理由1で引用された特開平9-239050号公報(以下、「刊行物3」という。)、特開2003-236000号公報(以下、「刊行物4」という。)及び特開昭52-84896号公報(以下、「刊行物5」という。)には、レスピレータにおいて、鼻の形状に応じた凹凸を設けたノーズフォームを設けることが記載されているとはいえるものの、レスピレータのノーズフォームにおいて、鼻接触表面の鼻を挟む関係にある二つの部分の間隔が、後方(着用者の顔側)から前方に向かう方向に沿って拡がるようにすることは記載も示唆もされていないし、そのようなことが本願の優先日前に周知の技術であるともいえない。
そうすると、上記相違点に係る本願発明の構成は、引用発明1及び刊行物3ないし5に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。

そして、本願発明は、上記相違点に係る本願発明の構成を備えることにより、本願明細書の段落【0008】に記載されているような、「ノーズフォームが人の鼻に、よりよく合うように適用され、顔のこの区域に良好なフィットをもたらす」、「着用者の鼻を覆うぴったりとしたフィットを達成するための、フォームの変形の必要性が低減する。」、「マスク本体の鼻領域で漏れの生じる可能性もまた低減することがある。」及び「ノーズクリップを使用することなく、ぴったりとしたフィットを達成できることがある。」という各効果を奏するものである。

したがって、平成26年1月28日付け手続補正書により補正されたものである本願発明は、引用発明1及び刊行物3ないし5に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえなくなった。

さらに、引用発明2についても、鼻接触表面に関し、後方側面から前方側面に向かう方向に沿って第1側部接触部分と第2側部接触部分との間隔が拡がるように、傾斜していることは特定されていないところ、同様に、本願発明は、引用発明2及び刊行物3ないし5に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえなくなった。

そうすると、もはや、当審で通知した拒絶理由の理由2によって本願を拒絶することはできない。


第5 むすび
以上のとおりであるから、原査定の拒絶理由並びに当審で通知した拒絶理由の理由1及び理由2によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2014-02-19 
出願番号 特願2009-534757(P2009-534757)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (A62B)
P 1 8・ 121- WY (A62B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小原 一郎村山 達也  
特許庁審判長 新海 岳
特許庁審判官 槙原 進
平城 俊雅
発明の名称 予備画定されたノーズフォーム形状を用いたレスピレータ  
代理人 長谷川 芳樹  
代理人 柳 康樹  
代理人 清水 義憲  

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