• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B65D
管理番号 1285107
審判番号 不服2011-12543  
総通号数 172 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-04-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-06-13 
確定日 2014-03-17 
事件の表示 特願2006-523518「傾斜させられたフラットウェブを備えたカバーリング」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 3月 3日国際公開、WO2005/019047、平成19年 2月15日国内公表、特表2007-502751〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本件出願は、平成16年8月18日(優先権主張2003年8月19日、ドイツ連邦共和国)を国際出願日とする出願であって、平成22年3月11日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月16日に手続補正がなされ、平成23年2月7日付けで拒絶をすべき旨の査定がされた。
これに対し、同年6月13日に本件審判の請求とともに手続補正がなされ、平成24年5月8日に回答書が提出され、同年5月24日付けで拒絶理由が通知され、同年11月29日に手続補正がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成24年11月29日に補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認められる。

「ボディ(20)に折畳み結合するための、かつ封止される閉鎖層(1)の縁部側の接合部を有する、カバーリングと閉鎖層(1)とから成るカバーであって、閉鎖層(1)がカバーリングの、当該カバーリングに固有の内側空間を架橋していて、ボディ(20)に折畳み結合された状態ではボディ(20)を閉鎖している形式のものにおいて、
(i)当該カバーリングが環状のフラットウェブ(3c)を有しており、該フラットウェブがその全周に沿って半径方向外向きに環状の溝を介して当該カバーリングの縁部縁取り部(2)に移行しており、前記縁部縁取り部とフラットウェブとの間に前記環状の溝(N3)が延在しており、前記フラットウェブが前記環状の溝の底部から立てられており、かつ半径方向内向きにロール成形部(4)を有しており、
(ii)フラットウェブが閉鎖層の縁部の封止に適しており、封止される閉鎖層(1)の平面に対して0とは異なる角度(α3)を成すように延在し、前記角度が25°?35°であり、かつロール成形部(4)は閉鎖層(1)のための変向箇所を形成し、該閉鎖層(1)は当該ロール成形部から平坦な位置に方向付けられており、
(iii)周方向に延在する封止ストリップ(30)が、閉鎖層の縁部の封止として閉鎖層を接合するために、フラットウェブ(3c)に備えられており、周方向に延在する封止ストリップ(30)が、フラットウェブ(3)の延在方向に幅を有しており、前記幅が、フラットウェブの幅の2分の1の大きさよりも大きい、
ことを特徴とするカバー。」

3.刊行物記載の発明
これに対し、本願優先日前に頒布された刊行物であって、拒絶理由において引用された米国特許第5725120号明細書(以下「刊行物1」という。)には、次のように記載されている。訳文は、当審による仮訳である。

ア.第1欄第38?48行
「This invention provides, in combination, a lid of polymeric material and a metal container body having side wall portion at one end of which an annular portion extends from the side wall to define a mouth of the container, said lid comprising a centre panel surrounded by a peripheral annular flange which extends outwardly and axially towards the side wall to define a seal with the annular portion of the side wall; characterised in that, the lid is made of an elastic barrier plastic material so that the lid may deform elastically during thermal processing and return to its original shape after thermal processing.」
「本発明は、ポリマー材料の蓋と側壁部をもつ金属容器本体を組み合わせて提供する。この側壁の一端にある環状部分は、側壁から伸びて容器の口を画定している。また、前記蓋は、外周環状フランジにより囲まれているセンター・パネルを含んでいる。このフランジは、外側へ軸方向に側壁に向かって伸びて側壁の環状部分との封止材を画定している。また、以下を特徴とする:蓋は、熱処理中に蓋が弾性的に変形し、熱処理後に元の形状に戻るように弾性バリア・プラスチック材料から製造されている。」

イ.第4欄第37行?第5欄第11行
「FIG. 6 shows a fourth embodiment of the lid and can body in which the lid 31 has been thermoformed from a sheet of barrier plastics to comprise a flat centre panel 32, an annular wall 33 upstanding from the periphery of the centre panel, and an inclined peripheral flange 34 provided with a pull lug 35 bent over the centre panel to lie flat.
The peripheral flange 34 is bonded to a ring of metal comprising an annular inclined surface 42 to which the peripheral flange is bonded, a chuck wall portion 38 upstanding from the lower edge of the inclined surface, and a seam portion 38 folded into the double seam 39 which connects the ring to a side wall 40 of a can body. The inclined surface 42 is in the form of a frustoconical annulus of metal the inner edge of which is curled back on itself so that the raw edge and upper part of the curl 42A are aligned with the lower outer portion 42 to present a smooth frustoconical surface to the flange of the lid. As shown in FIG. 6 the curl is triangular in cross section.
As shown in FIGS. 6 and 7 the flange of the lid covers the curl free edge so that bonding of the lid to the ring protects the free edge from corrosion by the product packed or the storage environment. In FIG. 6 the lid panel distends to accommodate increased pressure in a closed can by elastic deformation or bulging of the centre panel 32 and pulling in of material of the wall 33.
In FIG. 7 the lid 31A is provided with an annular channel portion 41 which joins the flat centre panel 32 to the peripheral flange 34 which is inclined at about 120°to the side wall 40. As shown in FIG. 7 the curl 42A is flattened to a fold.
One advantage of using this metal ring 36 that the double seam protects the peelable bond of lid and inclined flange surface, from abuse during transit and stacking. If desired the ring may be made of thin metal so that it is inherently flexible to bend upwards to align with tensile forces arising in a distending lid so that peel forces do not develop at the bond between the lid and ring. However, flexibility of the metal ring is made less important by inclining the inclined surfaces 42, 42A of the ring and flange 34 of the lid at an angle expected to put the bond in shear during periods of maximum distention of the lid during thermal processing.」
「図6は、蓋および缶本体の第4の実施態様を示している。この場合、蓋31はバリア・プラスチックのシートから熱成形されて、平坦なセンター・パネル32、センター・パネルの外周から立ち上がる環状壁33、センター・パネル上に折り返されて平坦になっているプルリング35を備えた傾斜外周フランジ34を構成している。
外周フランジ34は、金属リングに接合される。このリングは、表面に外周フランジが接合される環状傾斜表面42、傾斜斜面の下側エッジから立ち上がっているチャック壁部分38、リングを本体の側壁40に接続するダブル・シーム39に折り込まれているシーム部分38(当審注:38は誤記と思われる)を含んでいる。傾斜表面42は錐台円錐金属環の形状であり、その内側エッジはカールされてそれ自身の上に戻されることによりカール42Aの原エッジおよび上部が下側外側部分42と整列されて、蓋のフランジに対し滑らかな錐台円錐表面を作っている。図6に示すとおり、カールは、横断面において三角形である。
図6および7に示すように、蓋のフランジがカールの自由端を被覆しているので、蓋のリングに対する接合は、詰め込まれる製品または貯蔵環境による腐食から自由端を保護する。図6において、蓋のパネルは膨張してセンター・パネル32の弾性変形または隆起および壁33の材料の延伸により密閉缶中の増大圧力を収容する。
図7において、蓋31Aは、平坦なセンター・パネル32を外周フランジ34(それは側壁40に対して約120°傾いている)に接続する環状チャネル部41を備えている。図7に示すように、カール42Aは平らにされて、ひだを作る。
この金属リング36を使用する1つの利点、ダブル・シームが蓋と傾斜フランジ表面の剥離可能な接合を運送および積み重ね中の酷使から保護することである。望ましい場合、リングを薄い金属製とすることにより、それが弾性により本来的に上方に曲がって膨張する蓋の中に生ずる引っ張り力と協調し、それにより剥離力が蓋とリング間の接合の中に発生しないようにすることもできる。しかし、金属リングの弾力性の重要性は、蓋のリングおよびフランジ34の傾斜表面42、42Aを熱処理中の蓋の最大膨張期間中に接合部に剪断力を加えると期待される角度に傾けることにより下げることができる。」

ウ.Fig.6
金属リングと蓋31とから成るカバーの蓋31が、金属リングに固有の内側空間を架橋しており、カバーが側壁40に折畳み結合された状態で側壁40を閉鎖していること。

エ.第5欄第61行?第6欄第10行
「FIG. 10 shows a container body 70 drawn from sheet metal and closed by a dished lid 71 of polymeric material. As shown in FIG. 10, the container is filled with a product 72 so that as the lidded container and product are heated during thermal processing the product expands to increase pressure in the container. Under the influence of heat and increased pressure the lid 71 of polymeric material starts to bulge in the middle and develops complete eversion (shown dashed) to increase the volume of the lidded container by about 10% so abating internal pressure and preventing development of a peel force on the seal between the annular flange 72 of the lid and annular portion of the body 74. Avoidance of peel forces on the seal permits use of a peelable seal 75 between the lid and annular portion so a consumer will find the container easy to open by peeling the lid from the can.」
「図10は、シート・メタルから絞り加工し、ポリマー材料のくぼんだ蓋71により閉じられた容器本体70を示している。図10に示すように、この容器が製品72により満たされ、蓋をされた容器および製品が熱処理中に加熱されると、製品の膨張により容器内の圧力が上昇する。熱および上昇した圧力の影響の下で、ポリマー材料の蓋71は中央部で膨れ始め、完全な外転(点線で示されている)を行って蓋付き容器の容積を約10%増大させることにより内圧を低下させるとともに蓋の環状フランジ72と本体74の環状部分間の封止材における剥離力の発生を防止する。封止材上の剥離力の回避は、蓋と環状部分間における剥離可能封止材75の使用を可能にする。それにより利用者は、蓋を缶から剥がすことにより容易に開くことができる容器を見出すこととなる。」

オ.Fig.10
周方向に延在する剥離可能封止材75が、蓋の縁部の封止として蓋を接合するために、本体74の環状部分に備えられており、周方向に延在する剥離可能封止材75が、本体74の環状部分の延在方向に幅を有しており、前記幅が、本体74の環状部分の幅と略同等であること。

上記記載を、特にFig.6?7を参照しつつ、技術常識を踏まえ、本願発明に照らして整理すると、上記刊行物1には、次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されている。
「本体の側壁40に折畳み結合するための、かつ封止される蓋31の縁部側の接合部を有する、金属リングと蓋31とから成るカバーであって、蓋31が金属リングの、当該金属リングに固有の内側空間を架橋していて、側壁40に折畳み結合された状態では側壁40を閉鎖している形式のものにおいて、
(i)当該金属リングが環状傾斜表面42を有しており、該環状傾斜表面42がその全周に沿って半径方向外向きに環状の溝を介して当該金属リングのチャック壁部分38に移行しており、前記チャック壁部分38と環状傾斜表面42との間に前記環状の溝が延在しており、前記環状傾斜表面42が前記環状の溝の底部から立てられており、かつ半径方向内向きにカール42Aを有しており、
(ii)外周フランジ34は側壁40に対して約120°傾いており、かつカール42Aは蓋31のための変向箇所を形成し、該蓋31は当該カール42Aから壁33及び環状チャネル部41を介して平坦な位置に方向付けられている、
カバー。」

また、エ、オによれば、以下の事項(以下「刊行物1事項」という。)も記載されている。
「容器本体70の蓋71であって、周方向に延在する剥離可能封止材75が、蓋71の縁部の封止として蓋71を接合するために、本体74の環状部分に備えられており、周方向に延在する剥離可能封止材75が、本体74の環状部分の延在方向に幅を有しており、前記幅が、本体74の環状部分の幅と略同等であることにより、剥離力の発生を防止するもの。」

4.対比・判断
本願発明と刊行物1発明とを対比する。
刊行物1発明における「本体の側壁40」は本願発明における「ボディ(20)」に相当し、同様に、「蓋31」は「閉鎖層(1)」に、「金属リング」は「カバーリング」に、「環状傾斜表面42」は「環状のフラットウェブ(3c)」に、「チャック壁部分38」は「縁部縁取り部(2)」に、「カール42A」は「ロール成形部(4)」に、相当する。
刊行物1発明における「外周フランジ34は側壁40に対して約120°傾いて」いることは、側壁40(ボディ)と蓋31(閉鎖層)は直交するから、外周フランジ34が密着する環状傾斜表面42は蓋31平面と約30°の角度をなすこととなり、本願発明の「フラットウェブが封止される閉鎖層(1)の平面に対して0とは異なる角度(α3)を成すように延在し、前記角度が25°?35°であ」ることに含まれる。
刊行物1発明における「蓋31はカール42Aから壁33及び環状チャネル部41を介して平坦な位置に方向付けられ」ることと、本願発明における「閉鎖層(1)はロール成形部から平坦な位置に方向付けられ」ることとは、「閉鎖層はロール成形部から壁及び環状チャネル部を介し又は介さず平坦な位置に方向付けられ」ることである限りにおいて一致する。

そうすると、本願発明と刊行物1発明とは、以下の点で一致する。
「ボディに折畳み結合するための、かつ封止される閉鎖層の縁部側の接合部を有する、カバーリングと閉鎖層とから成るカバーであって、閉鎖層がカバーリングの、当該カバーリングに固有の内側空間を架橋していて、ボディに折畳み結合された状態ではボディを閉鎖している形式のものにおいて、
(i)当該カバーリングが環状のフラットウェブを有しており、該フラットウェブがその全周に沿って半径方向外向きに環状の溝を介して当該カバーリングの縁部縁取り部に移行しており、前記縁部縁取り部とフラットウェブとの間に前記環状の溝が延在しており、前記フラットウェブが前記環状の溝の底部から立てられており、かつ半径方向内向きにロール成形部を有しており、
(ii)フラットウェブが、封止される閉鎖層の平面に対して0とは異なる角度を成すように延在し、前記角度が30°であり、かつロール成形部は閉鎖層のための変向箇所を形成し、該閉鎖層は当該ロール成形部から壁及び環状チャネル部を介し又は介さず平坦な位置に方向付けられている、
カバー。」

そして、以下の点で相違する。
相違点1:フラットウェブについて、本願発明は「閉鎖層の縁部の封止に適し」たものであるが、刊行物1発明は明らかでない点。
相違点2:閉鎖層について、本願発明は「ロール成形部から平坦な位置に方向付けられている」ものであるが、刊行物1発明は「ロール成形部から壁及び環状チャネル部を介し平坦な位置に方向付けられている」ものである点。
相違点3:本願発明は「(iii)周方向に延在する封止ストリップが、閉鎖層の縁部の封止として閉鎖層を接合するために、フラットウェブに備えられており、周方向に延在する封止ストリップが、フラットウェブの延在方向に幅を有しており、前記幅が、フラットウェブの幅の2分の1の大きさよりも大きい」ものであるが、刊行物1発明は明らかでない点。

相違点1について、検討する。
刊行物1発明の環状のフラットウェブ(環状傾斜表面42)は、上記3.ア.に「本発明は、ポリマー材料の蓋と側壁部をもつ金属容器本体を組み合わせて提供する。この側壁の一端にある環状部分は、側壁から伸びて容器の口を画定している。また、前記蓋は、外周環状フランジにより囲まれているセンター・パネルを含んでいる。このフランジは、外側へ軸方向に側壁に向かって伸びて側壁の環状部分との封止材を画定している。」と記載されているように、閉鎖層(蓋31)の縁部を封止しており、「閉鎖層の縁部の封止に適したもの」であると言える。
よって、この点は、実質的相違点ではない。

相違点2について、検討する。
刊行物1発明の「壁及び環状チャネル部」の技術的意義について検討する。
上記3.イ.には、以下の記載がある。
「図6および7に示すように、蓋のフランジがカールの自由端を被覆しているので、蓋のリングに対する接合は、詰め込まれる製品または貯蔵環境による腐食から自由端を保護する。図6において、蓋のパネルは膨張してセンター・パネル32の弾性変形または隆起および壁33の材料の延伸により密閉缶中の増大圧力を収容する。」
すなわち、「壁及び環状チャネル部」は、缶内部の圧力変動の吸収のためのものである。
また、上記3.イ.には、以下の記載もある。
「望ましい場合、リングを薄い金属製とすることにより、それが弾性により本来的に上方に曲がって膨張する蓋の中に生ずる引っ張り力と協調し、それにより剥離力が蓋とリング間の接合の中に発生しないようにすることもできる。しかし、金属リングの弾力性の重要性は、蓋のリングおよびフランジ34の傾斜表面42、42Aを熱処理中の蓋の最大膨張期間中に接合部に剪断力を加えると期待される角度に傾けることにより下げることができる。」
すなわち、缶内部の圧力変動は、蓋のリングおよびフランジ34に傾斜表面42、42Aを設けたことに伴う金属リングの弾力性によっても、吸収している。
以上から、「壁及び環状チャネル部」は、圧力変動が小さい場合、必須のものではない。
そして、「壁及び環状チャネル部」を形成することは、構造が複雑となり、製造工数の増加につながるから、必要でなければ設けないことが自然である。
しかも、平坦な閉鎖層を、壁及び環状チャネル部を介することなくカバーリングに取り付けるものは、原審で引用した特開平8-11881号公報、米国特許第5069355号明細書にみられるごとく周知である。
よって、刊行物1発明において、その使用条件に応じて、周知技術を踏まえ、平坦な閉鎖層を、壁及び環状チャネル部を介することなくカバーリングのロール成形部に取り付け、相違点2に係るものとすることに、困難性は認められない。

相違点3について、検討する。
刊行物1事項は、上記のとおりであり、「剥離可能封止材75」は本願発明の「封止ストリップ」に、「蓋71」は「閉鎖層」に、「本体74の環状部分」は「フラットウェブ」に、相当する。
刊行物1事項を本願発明に照らし、書き改めると以下のとおりである。
「容器本体の閉鎖層であって、周方向に延在する封止ストリップが、閉鎖層の縁部の封止として閉鎖層を接合するために、フラットウェブに備えられており、周方向に延在する封止ストリップが、フラットウェブの延在方向に幅を有しており、前記幅が、フラットウェブの幅と略同等であることにより、剥離力の発生を防止するもの」
剥離力の発生の防止は、容器本体の閉鎖層においては、自明の課題であるから、刊行物1発明に、刊行物1事項を適用することは、必要に応じてなしうる事項にすぎない。
そして、刊行物1事項の「幅が、本体74の環状部分の幅と略同等である」ということは、本願発明の「幅が、フラットウェブの幅の2分の1の大きさよりも大きい」ことに含まれるから、刊行物1発明に刊行物1事項を適用した結果、相違点3に係るものとなる。

また、これら相違点を総合しても、格別な技術的意義が生じるとは認められない。

5.むすび
本願発明は、刊行物1発明、刊行物1事項、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、本願は拒絶されるべきものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-12-20 
結審通知日 2012-12-21 
審決日 2013-01-09 
出願番号 特願2006-523518(P2006-523518)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B65D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 高橋 裕一  
特許庁審判長 千葉 成就
特許庁審判官 野村 亨
刈間 宏信
発明の名称 傾斜させられたフラットウェブを備えたカバーリング  
代理人 村山 靖彦  
代理人 志賀 正武  
代理人 渡邊 隆  
代理人 実広 信哉  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ