• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特29条の2 特許、登録しない。 A61K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61K
管理番号 1285983
審判番号 不服2011-25098  
総通号数 173 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-11-22 
確定日 2014-03-20 
事件の表示 特願2006-511159「トローチ及び洗口剤」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 9月29日国際公開、WO2005/089784〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の主な経緯
本願は,国際出願日である平成17年3月2日(先の出願に基づく優先権主張 平成16年3月19日)にされたとみなされる特許出願であって,平成20年2月25日に明細書が補正され,平成23年5月23日付けで拒絶理由が通知され(なお,当該拒絶理由の通知の内容について,同年6月2日に,審査官と代理人との間で応対がなされ,同日付けで審査官によって応対記録が作成されている。),同年7月29日に意見書が提出されるとともに特許請求の範囲及び明細書が補正されたが,同年8月18日付けで拒絶査定がされたところ,これに対して,同年11月22日に拒絶査定不服の審判が請求されると同時に特許請求の範囲が補正されたので,特許法162条所定の審査がされた結果,平成24年2月2日付けで同法164条3項の規定による報告がされ,平成25年7月8日付けで同法134条4項の規定による審尋がされ,同年8月27日に回答書が提出されたものである。

第2 本願発明
1 本願の請求項1及び3に係る発明(以下,順に「本願発明1」,「本願発明3」という。また,これらを併せて単に「本願発明」という場合がある。)は,平成23年11月22日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲及び平成23年7月29日付け手続補正書により補正された明細書(以下「本願明細書」という。)の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1及び3に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】 松樹皮から抽出された松樹皮抽出物を含有していることを特徴とするトローチ。
【請求項3】 松樹皮から抽出された松樹皮抽出物と水とを含有してなり,前記松樹皮抽出物の濃度が,0.2(g/L)以上であることを特徴とする洗口剤。」

2 なお,平成23年11月22日にされた補正については,いわゆる補正要件の適否が検討されることとなるが(特許法53条1項,159条1項),当該補正が実質的に本願発明の内容を変更するものではないと判断されること,またいわゆる新規事項を追加するものでもないと判断されることなどの事情を総合考慮し,補正要件の適否を検討することなしに,以下認定・判断をすすめる。(すなわち,本願発明については,上記1のとおり要旨認定がされることで,請求人に有利に解釈されることとなる。)

第3 原査定の拒絶の理由
1 原査定の拒絶の理由は,要するに,本願発明1は,本願の優先日前に頒布された刊行物である下記引用文献3に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法29条2項の規定により特許を受けることができず(以下「理由2」という。),また本願発明3は,本願の優先日前の特許出願であって,その出願後に出願公開がされた下記の特許出願(以下「先願6」という。)の願書に最初に添付された特許請求の範囲又は明細書に記載された発明と同一であり,しかも,本願の発明者が先願6に係る上記の発明をした者と同一ではなく,また本願の出願時において,その出願人が先願6の出願人と同一でもないので,特許法29条の2の規定により特許を受けることができない(以下「理由3」という。),という理由を含むものである。
・ 引用文献3: 特表2001-511153号公報
・ 先願6: 特願2003-419376号(特開2005-179206号)

2 なお,上記1の理由3について,平成23年5月23日付け拒絶理由通知書には,適用条文として「第29条の2」の記載がうかがえるのみではあるが,当該拒絶理由通知書の記載並びに平成23年6月2日に審査官と代理人との間でなされた応対の内容を総合すると,その2頁の「理由2」は誤記であって,特許法29条の2の規定に基づく拒絶理由であることが理解できること,また請求人は,平成23年7月29日付け意見書(3頁)において,当該「理由2」が特許法29条の2の規定に基づく拒絶理由であることを前提に主張・反論していることから,上記1の理由3は適法に請求人に通知されている(特許法50条)といえる。

第4 合議体の認定,判断(理由2について)
1 引用発明3
(1) 査定の理由で引用された引用文献3には,次の記載がある。(下線は審決で付記。以下同じ。)
ア 「23.虫歯および歯周病の処置および/または予防のための組成物であって,
(a)抗酸化効果を提供するのに有効な量の,抗酸化効果を有する植物抽出物;
(b)栄養欠乏の補償に有効な量の吸収性カルシウム;および
(c)治療的および/または保護的効果を提供するのに有効な量の,過剰カルシウム沈着を実質的に誘導しない,ビタミンD3誘導体またはアナログ,
を含有する,組成物。
24.治療的および/または保護的効果を提供するのに有効な量で存在する,以下の各成分:
マツ樹皮抽出物;
茶ポリフェノール;
吸収性カルシウム;および
22-オキシ-ビタミンD3,
を含有する,請求項23に記載の組成物。」(7頁3?16行)
イ 「なお別の特定の実施態様において,治療組成物および栄養組成物ならびにこれらの組成物を使用する処置方法が,歯の疾患および歯周病のために提供される。本発明の組成物は,種々の経路によって歯および歯肉の疾患に関連する症状および状態を有する個体に投与され得,好ましい組成物は,経口投与のための組成物である。歯および歯肉の疾患の予防のための栄養組成物が提供される。歯のおよび歯周部の疾患のために本明細書中で提供される処方には,糖尿病の合併症の処置または予防のためのさらなる恩恵を提供するために糖尿病患者によって使用されるために適合された処方が含まれる。」(12頁12?19行)
ウ 「V.虫歯および歯周病の予防および処置における使用のための特定の処方物は,以下を含む:
1.以下を含む処方VA(非糖尿病性):
(i)プロアントシアニジンの主要供給源(例えば,コケモモ抽出物,ブドウ種抽出物,またはマツ樹皮抽出物)を含む抗酸化効果を有する植物抽出物。低いプロアントシアニジン含有量のバイオフラボノイド(例えば,イチョウ)もまた,主要供給源を補充するために使用され得;植物物質および抽出物の組合せもまた,使用され得る;
(ii)吸収性カルシウム(例えば,クエン酸カルシウム,リンゴ酸カルシウムまたはその混合物);および
(iii)ビタミンD3の供給源,好ましくは過剰カルシウム沈着をほとんど誘導しないか,または実質的に全く誘導しないビタミンD3誘導体またはアナログ。
2.以下を含む,処方VB(非糖尿病性):
マツ樹皮抽出物;
茶ポリフェノール;
吸収性カルシウム,好ましくはクエン酸/マレイン酸カルシウム;および
ビタミンD3,好ましくは過剰カルシウム沈着をほとんど誘導しないか,または実質的に全く誘導しないその誘導体(例えば,22-オキサ-ビタミンD3)。」(27頁下から5行?28頁13行)
エ 「本発明の組成物は,丸薬,錠剤,カプセル,粉末,トローチ,溶液,懸濁液,注射投薬形態などを含む,種々の栄養性形態および投薬形態で提供され得る。本発明の組成物は,経口,静脈内,および種々の注射形態および種々の吸収形態(例えば,舌下腺)により個体に投与され得る。本発明の処方の活性成分は,所望される投薬形態を処方するために,補形薬,賦形剤,緩衝剤などを組合せられ得る。一般には,好ましい投薬形態は,経口投与についてこれらに適切である。創傷治癒組成物および神経症害の処置についての組成物が,局所的適用のための提供される。」(33頁16?23行)
オ 「プロアントシアニジンを含むバイオフラボノイドは,フリーラジカルを除去し,そしていくつかの無機質をキレート化して,それらが酸化するのを防ぐ。これらのバイオフラボノイドは,それらを抽出し得るほとんどの植物中で見い出される。市販のプロアントシアニジンを含む植物抽出物は以下を含む:ブドウ種子抽出物(またロイコアントシアニジンと呼ばれる),マツ樹皮抽出物(「Pycnogenol」(商標,Horphag)を含む),およびコケモモ抽出物。イチョウ(Ginkgo Biloba)およびほかの植物は抗酸化効果をまた補充し得る,より低いプロアントシアニジン含量のバイオフラボノイドを提供し得る。これらの物質および抽出物は,カテキン,タンニン,オリゴマーおよびプロアントシアニジンのかなり複雑な混合物を含み,これらのうちの少なくともいくつかは,脂質過酸化から膜を保護し,そしてスーパーオキシドを阻害する。それらは,フリーラジカル,スーパーオキシド,および脂質ペルオキシドを調節することにおいて,ほとんどの抗酸化栄養素よりもしばしばより効果的である親水性抗酸化剤である。…
オリゴマープロアントシアニジン(OPC)は,10%の塩酸の水溶液中で煮沸した場合,赤色アントシアニジンを産生する10以下のカテキンのポリマー鎖である。プロアントシアニジンは縮合タンニンを含まないが,コラーゲンに対して極めて高い親和性を有するほぼ60%カテキン形態で構成される。カテキンはコラーゲンと強固に結合し,架橋によりその構造を改変し,そして酵素分解(例えば,コラゲナーゼによって,または脂質過酸化およびスーパーオキシドラジカルによって)に対してそれを抵抗性にする。プロアントシアニジンは毛細血管抵抗性および毛細血管透過性を阻害し,従って血管損傷および悪化を改善する。」(40頁下から3行?41頁下から8行)
カ 「緑茶抽出物である茶ポリフェノールは,2?3%の少量のプロアントシアニジンを含む。それにもかかわらず,これは,脂質ペルオキシド,スーパーオキシドおよびヒドロキシルラジカルの強力な抗酸化剤である。これは比較的高濃度の(-)エピガロカテキンガレート(EGCg)(縮合タンニンポリフェノール)を含む。抗酸化機能に加えて,茶ポリフェノールはまた,抗血小板活性,抗コレステロール血症活性,抗高血圧症活性,抗高血糖症活性および抗変異原性活性を有する。茶ポリフェノールはまた,アンギオテンシン変換酵素インヒビターとして作用する際に,チオフラビンジガレートを補助するが,カプトプリルの望まれていない酸化促進剤特性を有しない。
上述されるバイオフラボノイドの5つの供給源(コケモモ,ブドウ種子抽出物(ロイコアントシアニジン),イチョウ,マツ樹皮ピンクキナ皮抽出物(「Pycnogenol」)および緑茶抽出物(茶ポリフェノール))は,他の成分および本発明の処方における抗酸化薬と組合わせてと同様に網膜症ならびに他の糖尿病合併症を改良するために必要とされる微小血管性利益を促進する,有意な相補的かつ相乗的化学機能を有する。」(43頁14行?下から2行)

(2) 上記(1)の摘記,特に上記(1)ア及びウから,引用文献3には,次の発明(引用発明3)が記載されていると認める。
「虫歯および歯周病の処置および/または予防のための組成物であって,
(a)抗酸化効果を提供するのに有効な量の,プロアントシアニジンの主要供給源であるマツ樹皮抽出物,及び茶ポリフェノール(b)栄養欠乏の補償に有効な量の吸収性カルシウム及び(c)治療的および/または保護的効果を提供するのに有効な量の,過剰カルシウム沈着を実質的に誘導しない,22-オキシ-ビタミンD3,を含有する組成物」

2 対比
本願発明1と引用発明3を対比すると,両発明の一致点,相違点はそれぞれ次のとおりである。
・ 一致点
松樹皮から抽出された松樹皮抽出物を含有している組成物である点。
・ 相違点1
組成物の形態について,本願発明1は「トローチ」と特定するのに対し,引用発明3は形態を具体的に特定していない点。

3 相違点1についての判断
(1) 歯周病の予防を目的の一つとする引用発明3について,引用文献3には,その投薬形態の例として,「トローチ」の記載がある(上記1(1)エ)。さすれば,引用発明3において,その形態として「トローチ」を想到するのは,当業者であれば容易である。

(2) 請求人は,引用文献3には,剤形をトローチとすることで,口腔内血流改善効果,口臭低減効果などの複数の効果を得ることができるといった本願発明1の効果を奏することについて記載も示唆もない旨主張する(意見書2頁,請求書5頁)。
しかし,引用文献3には,引用発明3が口腔内で使用されたときに奏する効果について,歯及び歯肉・歯周部の疾患の予防が例として挙げられており(上記1(1)イ),引用発明3も本願発明1と同様に,口腔内で奏する効果として複数の効果を有するものである。しかも,松樹皮抽出物であるプロアントシアニジンが口臭低減効果を奏することは本願の優先日において周知の技術事項であるから(例えば,特開2001-120214号公報の【0004】,【0007】及び【実験例】参照。),引用文献3に明示がなくとも,引用発明3が歯周病予防効果のほかに口臭低減効果をも併せて奏することは,当業者であれば容易に理解する。その意味においても,引用発明3は,口腔内で奏する効果として複数の効果を奏するものであるといえる。
なお,請求人は本願発明1の効果の例として口腔内血流改善効果を挙げているところ,プロアントシアニジンが血流改善効果を奏することは本願の優先日において周知の技術事項であるから(例えば,特開2003-128560号公報の【0008】,久郷晴彦「驚異の成分 フランス海岸松エキス」(平成12年12月1日,株式会社コスモトゥーワン)の3?7頁及び16?25頁参照。),プロアントシアニジンの主要供給源であるマツ樹皮抽出物を含有する引用発明3の投薬形態が「トローチ」であるとき,当該トローチの使用によって口腔内の血流が改善するといった効果は,当業者が予期し得る程度のものにすぎない。
請求人の上記主張は,採用の限りでない。

4 小活
以上のとおり,本願発明1は,引用発明3に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるといえる。

第5 合議体の認定,判断(理由3について)
1 引用発明6
(1) 査定の理由で引用された先願6の特許請求の範囲及び明細書には,次の記載がある。
「【請求項1】 松樹皮,ローズバッツ,ライチ種子から選ばれる少なくとも1種の植物の抽出物を含有することを特徴とする口腔用組成物。」(【特許請求の範囲】)
「本発明は,松樹皮,ローズバッツ,ライチ種子から選ばれる少なくとも1種の植物の抽出物を,病原菌や免疫細胞が放出するプロテアーゼを阻害することができるプロテアーゼ阻害剤として含有する口腔用組成物に関する。」(【0001】)
「【発明が解決しようとする課題】
本発明は,上記事情に鑑みなされたもので,優れたプロテアーゼ阻害活性を有し,歯周病の予防,改善に有効な口腔用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために,種々の物質についてプロテアーゼ活性阻害作用を検討した結果,松樹皮,ローズバッツ,ライチ種子の抽出物が優れたプロテアーゼ活性阻害効果を有することを見出し,更にこれを配合した口腔用組成物が優れた抗炎症効果を有することを見出し,本発明を完成した。」(【0008】?【0009】)
「本発明に用いられる松樹皮抽出物は,ヨーロッパアカマツを原料とし,その樹皮を溶剤で抽出することにより得られ,オイゲニイン等のポリフェノールの一種であるプロアントシアニジンを多く含有する。…」(【0013】)
「本発明の口腔用組成物に配合する,松樹皮,ローズバッツ,ライチ種子の抽出物の少なくとも1種の配合量は,プロテアーゼ阻害効果,炎症改善及び組織破壊抑制効果の点では対象組成物全体の0.01?5質量%が好ましく,より好ましくは0.1?3質量%である。
本発明の口腔用組成物は,練歯磨等の歯磨類や,洗口剤,マウスウォッシュ,トローチ,チューインガム,義歯洗浄剤等の口腔清浄剤として調製,適用することができ,他の成分としては,口腔用組成物の種類に応じた適宣な成分が用いられる。…」(【0014】?【0015】)
「【実施例】
…なお,下記の例で%は特にことわらない限り,質量%を示す。また,試験例及び実施例で用いた松樹皮,ローズバッツ,ライチ種子の抽出物及びローズマリーエキスは以下のものを使用した。」(【0021】)
「[実施例7] 洗口液
松樹皮抽出物 0.5%
ライチ抽出物 0.5
プロピレングリコール 5
グリセリン 5
エタノール 5
サッカリンナトリウム 0.1
香料 0.2
精製水 残
合計 100.0% 」(【0036】)

(2) 上記(1)の摘記,特に実施例7の記載から,先願6の明細書には,次の発明(引用発明6)が記載されていると認める。
「松樹皮抽出物0.5質量%,ライチ抽出物0.5質量%,プロピレングリコール5質量%,グリセリン5質量%,エタノール5質量%,サッカリンナトリウム0.1質量%,香料0.2質量%及び残部が精製水からなる洗口液」

2 対比
本願発明3と引用発明6を対比すると,引用発明6の「洗口液」は本願発明3の「洗口剤」に,「精製水」が「水」にそれぞれ相当するのは明らかである。
そうすると,本願発明3と引用発明6との一致点,相違点(相違点2)はそれぞれ次のとおりである。
・ 一致点
松樹皮から抽出された松樹皮抽出物と水とを含有してなる洗口剤
・ 相違点2
松樹皮抽出物の濃度について,本願発明3は「0.2(g/L)以上」であると特定するのに対し,引用発明6は「0.5質量%」と特定する点

3 相違点2についての判断
引用発明6の洗口液を構成する精製水の割合は,計算すると,83.7重量%である。このことから,引用発明6はその大部分が精製水(水)からなるものであるといえる。
さすれば,引用発明6の「0.5質量%」は,洗口液100mlあたり0.5gと概ね近似でき,これは洗口液1リットルあたり5gと換算される値である。
したがって,引用発明6の松樹皮抽出物の濃度は0.2(g/L)以上である蓋然性が高く,相違点2は実質的な相違点でないといえる。

4 小活
以上のとおり,本願発明3は,先願6の願書に最初に添付された特許請求の範囲又は明細書に記載された発明と同一である。しかも,本願の発明者(高垣欣也ら)が先願6に係る上記の発明をした者(木川真理ら)と同一ではなく,また本願の出願時において,その出願人(請求人に同じ。)が先願6の出願人(ライオン株式会社)と同一でもない。
よって,本願発明3は,特許法29条の2の規定により特許を受けることができないものであるといえる。

第6 むすび
したがって,本願発明1は,引用文献3に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法29条2項の規定により特許を受けることができず,また本願発明3は,先願6の願書に最初に添付された特許請求の範囲又は明細書に記載された発明と同一であり,しかも,本願の発明者が先願6に係る上記の発明をした者と同一ではなく,また本願の出願時において,その出願人が先願6の出願人と同一でもないので,特許法29条の2の規定により特許を受けることができない。
原査定の拒絶の理由は,妥当である。
そうすると,本願の他の請求項について検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-01-07 
結審通知日 2014-01-14 
審決日 2014-01-28 
出願番号 特願2006-511159(P2006-511159)
審決分類 P 1 8・ 16- Z (A61K)
P 1 8・ 121- Z (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鶴見 秀紀  
特許庁審判長 田口 昌浩
特許庁審判官 須藤 康洋
岩下 直人
発明の名称 トローチ及び洗口剤  
代理人 廣田 浩一  
代理人 松田 奈緒子  
代理人 流 良広  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ