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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A61B |
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管理番号 | 1286013 |
審判番号 | 不服2013-2397 |
総通号数 | 173 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2014-05-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2013-02-07 |
確定日 | 2014-04-08 |
事件の表示 | 特願2007- 77687「光画像計測装置」拒絶査定不服審判事件〔平成20年10月 9日出願公開、特開2008-237238、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成19年3月23日を出願日とする出願であって,平成24年5月28日付けで拒絶理由が通知され,同年6月29日付けで手続補正がなされ、同年11月7日付けで拒絶査定がなされ、平成25年2月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに,同日付けにて手続補正(以下,「本件補正」という。)がなされたものである。 さらに,同年8月27日付けで審尋がなされ,回答書が同年11月1日付けで請求人より提出されたものである。 第2 本件補正の適否 1 補正後の本願発明(下線は補正箇所を示す。) 本件補正により,補正前の特許請求の範囲の請求項1は, 「 【請求項1】 被検眼の深度方向に沿う複数の断面のそれぞれにおける断層画像を形成する光画像計測装置であって、 光源から出力された光を参照光と信号光とに分割し、前記被検眼を経由した信号光と参照光とを重畳して干渉光を生成する干渉計と、 前記信号光で前記被検眼を走査する走査ユニットと、 前記干渉光を検出して検出信号を出力する光検出素子と、 前記検出信号に基づいて前記被検眼の断層画像を形成する画像形成部と、 前記複数の断面のうちの一の断面における断層画像と、前記一の断面の走査線に隣接する走査線に対応する他の断層画像とに基づいて演算することにより、前記一の断面における新たな断層画像を形成する画像処理手段と を備えることを特徴とする光画像計測装置。」 と補正された。 本件補正は,補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「前記一の断面以外の一つ以上の断面のそれぞれにおける他の断層画像とに基づいて演算することにより、前記一の断面における新たな断層画像を形成する画像処理手段」について、「前記一の断面の走査線に隣接する走査線に対応する他の断層画像とに基づいて演算することにより、前記一の断面における新たな断層画像を形成する画像処理手段」と「画像処理手段」の演算内容を限定した補正を含むものである。 したがって,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前(以下,「平成18年法改正前」という。)の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで,本件補正後の前記請求項1に係る発明(以下「補正発明」という。)が,特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。 2 引用刊行物およびその記載事項(下線は当審で付与した。) (1)本願の出願前に頒布され,原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特許2952687号(以下、「刊行物1」という。)には、「画像処理装置」について、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付与した。)。 (1-ア) 「【特許請求の範囲】 【請求項1】複数のスライス画像における一スライス画像に対し、該一スライス画像における所定の画素の値及び該所定の画素の近傍に位置する画素の値を用いて演算することにより平滑化処理を行う第1の平滑化手段と、前記複数のスライス画像に対し、一スライス画像における所定の画素の値及び該一スライス画像の近傍に位置するスライス画像の画素であって該所定の画素の位置に対応する位置の画素の値を用いて演算することにより平滑化処理を行う第2の平滑化手段と、前記第1の平滑化手段により平滑化された画像又は前記第2の平滑化手段により平滑化された画像を選択する選択手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。」 (1-イ) 「[産業上の利用分野] この発明は、MRやCTにおいて画像の平滑化等の処理を行う画像処理方法及び装置に関し、特に、人体のような1つの軸方向に連続する構造をもつ被写体に有用である。 [従来の技術] 従来、MRやCTにおける画像では、画素のS/N比を良くしてコントラスト分解能を上げるため、1枚の画像内で各画素に例えば3×3または5×5の空間フィルタをかけて画像の平滑化処理をしていた。 [発明が解決しようとする課題] しかし、前記従来の方法では、1つの画素のデータ(輝度)にその近傍にある複数の画素のデータを反映させるため、画像のコントラスト分解能を上げることはできるが、その反面、空間分解能は劣化してしまう問題がある。 特に、人体の体軸に垂直な断面像を得る場合には、人体は体軸方向には連続する構造を持つが、体軸には垂直な方向には骨,内蔵,筋肉などの種々の組織が分布しているため、前記従来の方法により体軸に垂直な断面画像内で平滑化すると、各画素のデータに異なる組織でのデータを反映させることになる。従って、この場合は、空間分解能が劣化するのみならず画像の信頼性も低下する問題がある。 そこで、この発明の目的は、空間分解能の劣化を極力低く抑えながらコントラスト分解能を上げることも可能な画像処理装置を提供することにある。」(1頁1欄15行?2頁3欄11行) (1-ウ) 「[実施例] 以下、添付図面に基づいてこの発明の実施例を説明する。なお、これによりこの発明が限定されるものではない。 第5図は、この発明の一実施例のMRI装置1を示すブロック図である。 計算機2は、操作卓13からの指示に基づき、全体の作動を制御する。 シーケンスコントローラ3は、記憶しているシーケンスに基づいて、磁場駆動回路4を作動させ、マグネットアセンブリ5の静磁場コイル,勾配磁場コイルで静磁場,勾配磁場を発生させる。またゲート変調回路7を制御し、RF発振回路6で発生したRF信号を変調して、RF電力増幅器8からマグネットアセンブリ5の送信コイルに加える。 マグネットアセンブリ5の受信コイルで得られたNMR信号は、前置増幅器9を介して位相検波器10に入力され、さらにAD変換器11を介して計算機2に入力される。 計算機2は、AD変換機11から得たNMR信号のデータに基づき、イメージを再構成し、表示装置12で表示する。 この発明の画像処理方法は、計算機2に記憶された手順により実施される。また、この発明の画像処理装置は、計算機2により構成される。 第1図はこの発明の画像処理装置としての計算機2の作動を示す概念図である。 第1平滑化手段21は、原スライスGを各目的スライス内で平滑化処理するもので、第1図のように、5枚の原スライスGを取れば5枚の平滑化スライスH1が得られる。第2平滑化手段22は、目的スライスと、例えばその両側の各2枚の補助スライスの間で平滑化処理するもので、5枚の原スライスGから1枚の平滑化スライスH2が得られる。両平滑化手段21,22は、セレクト信号に応じて、切り換え手段23によって任意に切り換え可能である。 第1平滑化手段21は、例えば第2図(a)に示すように、目的スライスS0の画像を平滑化する場合、目的スライスS0上で中心画素P0の周囲にある8個の画素のデータa?d,f?iを、中心画素P0のデータeに反映させる。例えば、第2図(b)に示す3×3のノイズ除去用オペレータOPを用いると、各データa?iに第2図(b)に示す重み付けがなされ、且つ、重み付けられた結果が加算平均されるので、中心画素P0での平滑化データが得られる。そこで、この処理を目的スライスS0上の全ての画素について行なえば、目的スライスS0の画像の平滑化を行なうことができる。 前記オペレータOPは、中心画素P0のデータにその近傍の8個の画素データの2倍の重み付けしているので、平滑化と同時にノイズの除去をも行なう。 このときの中心画素P0の平滑化後のデータEは、 E=(1/10)×(a+b+c+d+2e+f+g+h+i) で求められる。 第3図は第2平滑化手段22の処理を示す概念図である。 第2平滑化手段22では、目的スライスS0上の画素P0のデータに、目的スライスS0の両側に設定した各2枚の補助スライスS1,S2,S-1,S-2の画素のデータを反映させて平滑化を行う。つまり、目的スライスS0上の画素P0のデータγと、当該画素P0に対応するすなわち互いに重なり合う位置にある各補助スライスS1,S2,S-1,S-2上の画素P1,P2,P-1,P-2のデータβ,α,δ,εに、適当なオペレータを作用させる。 このオペレータにより、各データγ,β,α,δ,εに所定の重み付けがなされ、目的スライスS0の画像の平滑化が行なわれる。」(2頁3欄43行?3頁5欄6行) 上記(1-ア)?(1-ウ)の記載と第1?13図、特に(1-ア)を参照すると,上記刊行物1には, 次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「複数のスライス画像における一スライス画像に対し、該一スライス画像における所定の画素の値及び該所定の画素の近傍に位置する画素の値を用いて演算することにより平滑化処理を行う第1の平滑化手段と、 前記複数のスライス画像に対し、一スライス画像における所定の画素の値及び該一スライス画像の近傍に位置するスライス画像の画素であって該所定の画素の位置に対応する位置の画素の値を用いて演算することにより平滑化処理を行う第2の平滑化手段と、 前記第1の平滑化手段により平滑化された画像又は前記第2の平滑化手段により平滑化された画像を選択する選択手段とを備えた画像処理装置。」 (2)本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2006-132996号公報には、「歯科測定用フーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィー装置」について、図面とともに次の事項が記載されている。 (2-ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 光源と、 前記光源から出射した光源光を、参照ミラーに照射する参照光と被計測試料に照射する計測光とに分ける光分割部と、 前記被計測試料で反射した前記計測光と、前記参照ミラーで反射した参照光とを干渉させて干渉光とする干渉部と、 前記干渉光を分光する回折素子と、 前記回折素子で分光された前記干渉光のスペクトルを計測する光検出部と、 前記光検出部で検出されたスペクトルをフーリエ逆変換することによって、前記被計測試料の前記計測光の照射方向における情報を求める演算部とを備え、 前記被計測試料は、生体の顎口腔領域組織または、顎口腔領域の人工組成物である歯科測定用フーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィー装置。」 (2-イ)「【0001】 本発明は、非破壊断層計測技術の1つである光コヒーレンストモグラフィー(低コヒーレンスな光をプローブとして用いる断層計測)装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、歯科の診断において、顎口腔領域を撮影するために、X線撮影装置、口腔内カメ ラ、歯科用カメラ、X線CT、MRI等が使用されてきた。」 (2-ウ)「【0004】 口腔内カメラは、口腔内組織の表面のみを撮像するので、歯等の内部情報が得られない。X線CTは、X線撮影装置と同様人体に有害である上に、分解能が悪く、装置も大型かつ高価である。MRIは、分解能が悪く、装置が大型かつ高価である上に、水分のない歯の内部構造は撮影できない。 【0005】 ところで、光コヒーレンストモグラフィー装置(以下、OCT装置と称する)は、人体に無害で、被写体の3次元情報が高分解能で得られるため、角膜や網膜の断層計測等の眼科の分野で応用されている(例えば、特許文献1?4参照)。」 (2-エ)「【発明が解決しようとする課題】 【0010】 しかしながら、OCT装置は実際の歯科診療に使用されていない。OCT装置を歯科診断に使用することは、少なくとも現時点では実用的ではなく、歯科測定用のOCT装置は製品として存在していない。なぜならば、OCT装置では、1枚の断層像を得るのに奥行き方向を含む2次元の機械的走査が必要であるため、撮像に時間がかかる上に、装置が複雑で高価となり、耐久性も劣っているためである。すなわち、OCT装置を実際の歯科測定に適用することが困難であるという課題があった。」 (2-オ)「【0027】 本発明にかかる歯科測定用光コヒーレンストモグラフィー装置は、被計測物体表面上に該計測光または可視光パターンを投影し、2次元撮像装置によって計測部位の表面画像をモニタするか、またはさらに断層計測画像と同期記録する態様とすることが好ましい。 【0028】 以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。 【0029】 (実施の形態1) 図1は、実施の形態1におけるフーリエドメイン光コヒーレンストモグラフィー装置(以下、FD-OCT装置と称する)の構成の一例を表す図である。 【0030】 FD?OCT装置は、被計測試料で反射した計測光と参照ミラーで反射した参照光との干渉光を分光して得られたスペクトルを検出し、このスペクトルから被計測試料の計測光照射方向の情報を、フーリエ逆変換を用いて求めることを特徴とするOCT装置である。 【0031】 図1に示すように、FD-OCT装置は、OCTユニット100、計測ヘッド201および計算機27で構成されている。OCTユニット100には、光源16、ファイバカップラ19、参照ミラー24、回折素子25、CCDカメラ26が設けられている。計測ヘッド201には、ガルバノミラー20、対物レンズ21が設けられている。計算機27は、光源16、CCDカメラ26、ガルバノミラー20と通信できるように接続されている。計算機27は、例えば、パーソナルコンピュータ等であり、CPU等の演算部、ハードディスク等の記録部を少なくとも備えている。 【0032】 なお、OCTユニット100、計測ヘッド201、計算機27の構成は、図1に示す構成に限られない。例えば、計算機27の機能をOCTユニット100内に組み込むことができる。 【0033】 本実施の形態において、被計測試料22は、生体の顎口腔領域組織または、顎口腔領域の人工組成物である。」 (2-カ)「【0110】 (実施の形態9) 実施の形態9におけるOCT装置は、以下に説明する部分以外の部分は、実施の形態1?3にかかるFD-OCT装置または従来のOCT装置を適用することができるので、その説明を省略する。 【0111】 OCT装置においては、計測により得られた画像が、例えば、計算機27に備えられたモニタ等により表示される。しかしながら、OCTのOCTの断層画像はそのまま表示したのではいくつかの違和感のある画像となる。本実施の形態におけるOCT装置では、以下のような表示を行うことによって、見やすい画像が提供される。 ・・・ 【0118】 また、撮影画像には、ノイズが含まれている場合がある。そのため、複数の断層画像をまたは複数の画像を積分平均して時間的なノイズ除去を行い空間的分解能を向上させたものを表示することが好ましい。また、縦方向(x方向)走査による複数の断層画像を積分平均してx方向の空間的なノイズ除去を行ったものを表示してもよい。さらに、複数の断層画像を積分平均してxおよび/またはy方向のノイズを除去したものを表示してもよい。」 3 対比・判断 補正発明と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「スライス画像」は、補正発明の「断層画像」に相当することは明らかである。 そして、引用発明の「一スライス画像の近傍に位置するスライス画像」は、「一スライス画像における所定の画素の値及び該一スライス画像の近傍に位置するスライス画像の画素であって該所定の画素の位置に対応する位置の画素の値を用いて演算することにより平滑化処理を行う」のであるから、引用発明の「近傍に位置する」は補正発明の「隣接する」を含むものであるといえる。 そうすると、引用発明の「複数のスライス画像に対し、一スライス画像における所定の画素の値及び該一スライス画像の近傍に位置するスライス画像の画素であって該所定の画素の位置に対応する位置の画素の値を用いて演算することにより平滑化処理を行う第2の平滑化手段」は、補正発明の「複数の断面のうちの一の断面における断層画像と、前記一の断面の走査線に隣接する走査線に対応する他の断層画像とに基づいて演算することにより、前記一の断面における新たな断層画像を形成する画像処理手段」に相当する。 イ 補正発明の「光画像計測装置」は、画像処理装置を含むものであることは明らかである。 引用発明の「画像処理装置」と補正発明の「光画像計測装置」とは「画像処理装置」の点で共通する。 そうすると,両者は, (一致点) 「複数の断面のうちの一の断面における断層画像と、前記一の断面の走査線に隣接する走査線に対応する他の断層画像とに基づいて演算することにより、前記一の断面における新たな断層画像を形成する画像処理手段と を備える画像処理装置」である点で一致し,以下の点で相違するといえる。 (相違点) 補正発明が、画像処理装置に加えて「被検眼の深度方向に沿う複数の断面のそれぞれにおける断層画像を形成する光画像計測装置であって、 光源から出力された光を参照光と信号光とに分割し、前記被検眼を経由した信号光と参照光とを重畳して干渉光を生成する干渉計と、 前記信号光で前記被検眼を走査する走査ユニットと、 前記干渉光を検出して検出信号を出力する光検出素子と、 前記検出信号に基づいて前記被検眼の断層画像を形成する画像形成部を備える光画像計測装置」であるのに対して、引用発明が画像の取得手段を特定していない点。 (1)相違点についての検討 ア 刊行物1の上記摘記事項(1-イ)には「この発明は、MRやCTにおいて画像の平滑化等の処理を行う画像処理方法及び装置に関し、特に、人体のような1つの軸方向に連続する構造をもつ被写体に有用である。」と記載され、引用発明の技術分野を人体においては、MRやCTでの撮像部位に特定している。 ところで、眼の網膜は多数の薄い層からなるため、その断面画像には高い解像度が要求され、また、視細胞の傷は直接視力に影響するので、眼の検査には人体の他の部分と比較して高い安全性が要求されるので、眼を対象とした検査装置としてはMRやCTは一般には用いられていない。 そうすると、OCTの眼の検査装置は、本願出願時において周知であるものの、引用発明は、眼を検査対象にしていないといえる。 イ 一方、刊行物2の上記摘記事項(2-カ)には、「【0118】 また、撮影画像には、ノイズが含まれている場合がある。そのため、複数の断層画像をまたは複数の画像を積分平均して時間的なノイズ除去を行い空間的分解能を向上させたものを表示することが好ましい。また、縦方向(x方向)走査による複数の断層画像を積分平均してx方向の空間的なノイズ除去を行ったものを表示してもよい。さらに、複数の断層画像を積分平均してxおよび/またはy方向のノイズを除去したものを表示してもよい。」と記載され、刊行物2には「OCTの分野において、その画像を平滑化する」ことが記載されているものの、上記(2-イ)には「・・・【0002】 従来、歯科の診断において、顎口腔領域を撮影するために、X線撮影装置、口腔内カメラ、歯科用カメラ、X線CT、MRI等が使用されてきた。」と記載されており、刊行物2記載のものも、眼を検査対象にしていないといえる。 ウ そうすると、引用発明および刊行物2記載のものにおいて、眼を検査対象とする課題も動機付けも見つからない。 また、引用発明に刊行物2記載のものを組み合わせ、眼を検査対象にすることは、当業者が容易に想到することができたということはできない。 そして、上記相違点に係る補正発明の構成によって、補正発明は、明細書【0176】に記載された顕著な作用効果を奏する。 第3 まとめ 以上のとおり、補正発明は、引用発明および刊行物2記載のものに基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることができないから、原査定の理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2014-03-25 |
出願番号 | 特願2007-77687(P2007-77687) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(A61B)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 宮川 哲伸 |
特許庁審判長 |
岡田 孝博 |
特許庁審判官 |
信田 昌男 森林 克郎 |
発明の名称 | 光画像計測装置 |
代理人 | 特許業務法人三澤特許事務所 |