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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06Q
管理番号 1286442
審判番号 不服2012-14200  
総通号数 173 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-05-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-07-24 
確定日 2014-04-03 
事件の表示 特願2005-280905「マーケティングデータ収集分析システム、サーバシステム及びマーケティングデータ収集分析プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 4月12日出願公開、特開2007- 94592〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願の手続の経緯は,以下のとおりである。
平成17年 9月27日 出願
平成22年11月19日付け 拒絶理由通知
平成23年 1月24日 手続補正書,意見書提出
平成23年 8月 8日付け 拒絶理由通知
平成23年10月14日 意見書提出
平成24年 4月17日付け 拒絶査定
平成24年 7月24日 審判請求書,手続補正書提出
平成25年 3月 7日付け 審尋
平成25年 6月25日付け 拒絶理由通知
平成25年 8月30日 手続補正書,意見書提出

第2 本願発明

本願の請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,平成25年8月30日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

<本願発明>
「複数のユーザークライアントと、これらにネットワークを通じて接続されたサーバとから構成されるマーケティングデータ収集分析システムであって、
前記サーバは、
会員顧客個々の少なくとも年齢、性別を含む属性データを記憶手段に登録する会員顧客データベースと、
サービス提供を申し込んだユーザーに関連する情報を前記記憶手段に登録するユーザーデータベースと、
前記ネットワークを通じて各ユーザークライアントから送られてくるPOSデータを前記記憶手段に登録するPOSデータベースと、
特定のユーザークライアントと特定の期間を指定した併売データ分析指令の入力を受け付ける分析条件入力手段と、
前記分析条件入力手段の受け付けた併売データ分析指令に対して、前記会員顧客データベースとPOSデータベースの登録している前記記憶手段内のデータを検索し、前記特定のユーザークライアントのPOSデータの中から通常期間よりもよく売れた商品群を抽出し、前記よく売れた商品群の中で、同じ会員顧客によって同一買い上げ時点に同時購入されている商品の組み合わせを同時購入商品群として抽出し、さらに同時購入した会員顧客の年齢層及び性別とを抽出し、前記同時購入商品群と前記年齢層及び性別と前記特定期間に属する該当期間の日付と共に該当期間のイベント情報若しくは天候情報を含むカレンダー情報とを関連付けて併売に関連するデータとして抽出するデータ分析手段と、
前記データ分析手段の抽出した前記併売に関連するデータから所定の形式のレポートを作成し、前記特定のユーザークライアントに前記ネットワークを通じて配信するレポート作成手段とを備え、
前記ユーザークライアントは、
POSデータを前記サーバに前記ネットワークを通じて送信する手段と、
前記サーバの配信する併売に関連する所定の形式のレポートを受信して表示する抽出データ表示手段とを備えたことを特徴とするマーケティングデータ収集分析システム。」

第3 引用文献

1.特開2002-24295号公報

当審の拒絶理由通知(平成25年6月25日付け)において引用した特開2002-24295号公報(以下,「引用文献1」という。)には,次の事項が記載されている。(下線は,当審において付与した。)

ア.「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、購入データ取得・利用システムに関し、特に顧客毎の商品の購入情報を収集し、その商品購入情報に基づいて行った所望の分析結果または集計結果を、販売拠点、購入者または生産者が容易かつ迅速に取得し利用することが可能なシステムに関する。」

イ.「【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面に基づき説明する。図1に、本発明の一実施形態に係る購入データ取得・利用システムの全体構成を示す。購入データ取得・利用システムは、サーバーシステム1と、販売拠点(例えば小売業者の小売店舗)、購入者(例えばその小売業者または小売店舗の会員顧客)及び生産者(例えば商品の生産者または小売業者の取引先)側にそれぞれ設置され、これらの主体がそれぞれ使用するクライアントシステム2A,2B,2Cと、公衆回線網または専用線を利用して実現されたインターネット等の通信ネットワーク3を有する。
【0009】クライアントシステム2A,2B,2Cは、それぞれWEBブラウザー等の入力・表示用アプリケーションが動作可能な入力・表示用コンピュータ21A,21B,21Cを備えている。販売拠点、購入者、または生産者は、入力・表示用コンピュータ21A,21B,または21Cを操作して、所望の分析条件または集計条件をサーバーシステム1に送信し、かつ分析結果または集計結果の提供をサーバーシステム1に要求することができる。」

ウ.「【0010】サーバーシステム1は、通信ネットワーク3に接続されるWEBサーバー11と、レポートシステム12と、サーバーコンピュータ13と、購入データ分析システム14と、関連データ集計システム15とを備え、更に、購入品目属性DB31と、販売拠点属性DB32と、購入者属性DB33と、製造者属性DB34と、購入データDB35とを備える。
【0011】・・・(中略)・・・購入者属性DB33には、当該小売業者の顧客会員(購入者)に関する性別、年齢または年代(10代、20代等)、住所または商圏がデータとして予め登録されている。」

エ.「【0012】ある商品が会員顧客(購入者)に店舗販売された場合、その販売拠点に設置されたクライアントシステム2Aから、若しくはその商品が会員顧客による通信ネットワークを介しての購入申込等によって無店舗販売された場合、その会員顧客(購入者)側に設置されたクライアントシステム2Bから、その商品の購入時期及び購入数量に関するデータ(購入データ)が、その商品の販売拠点属性、購入者属性、購入品目属性を識別するヘッダー(購入ヘッダー)と共に、通信ネットワーク経由にてサーバーシステム1に送信される。特に、前者の販売拠点に設置されたクライアントシステム2Aの場合は、POSシステム等の別の販売情報管理システムから購入データ及び購入ヘッダーを当該クライアントシステム2Aが取得し、サーバーシステム1に送信させることもできる。会員顧客(購入者)が商品を購入すると、購入データと購入ヘッダーがクライアントシステム2Aまたは2Bから通信ネットワーク3経由でサーバーシステム1に送信され、購入者データDB35に記憶されるものである。」

オ.「【0014】サーバーコンピュータ13は、購入品目属性DB31と、販売拠点属性DB32と、購入者属性DB33と、製造者属性DB34からなる属性データベースシステム40と、購入データDB35を管理している。購入データ分析システム14は、サーバーコンピュータ13を介して、属性データベースシステム40に登録されたデータと、購入データDB35に記憶されたデータを取得し、それらのデータに基づいて所望の分析を行うと共に、所望の分析結果毎に対応するオーダー識別子を生成する。」

カ.「【0015】レポートシステム12は、分析結果DB36と、集計結果DB37を備えている。購入データ分析システム14により出力される所望の分析結果及び関連データ集計システム15により出力される集計結果の各データは、分析結果DB36と集計結果DB37にそれぞれ記憶される。所望の分析結果のデータは、WEBサーバー11を介してレポートシステム12に取り込まれ、この際所定のファイル形式(例えばHTML書類等)に変換されて、分析結果DB36に記憶される。」

キ.「【0016】図1及び図2を参照して、以上のように構成された購入データ取得・利用システムの動作例を説明する。第1の例として、複数の小売店舗を有する小売業者が本システムを利用する場合を想定し、販売拠点(小売店舗)のクライアントシステム2Aにおいて所望の分析結果を取得する場合について述べる。まず、顧客が販売拠点において商品を購入する都度、購入された商品の購入データと購入ヘッダーが、クライアントシステム2Aから通信ネットワーク経由でサーバーシステム1に送信される(S101)。送信された購入データと購入ヘッダーは、WEBサーバー11により受信され、更にサーバーコンピュータ13に転送される。サーバーコンピュータ13は、属性データベースシステム40のうちの購入品目属性DB31、販売拠点属性DB32、及び購入者属性DB33を参照し、受信した購入ヘッダーに含まれるこれらの識別情報と関連付ける。そして、受信した購入データ及び購入ヘッダーを購入データDB35に記憶する(S102)。
【0017】ある日時に、販売拠点のクライアントシステム2Aにおいて、所望の条件で分析結果を要求する場合、まず、入力・表示用コンピュータ21Aを操作して所望の分析条件を入力し、サーバーシステム1に送信する(S103)。この送信された分析条件は、WEBサーバー11経由でサーバーコンピュータ13に渡され、更に購入データ分析システム14に渡される。購入データ分析システム14は、サーバーコンピュータ13を動作させて購入データDB35からその分析条件に合致したデータを検索し、分析を行って、分析結果データを出力する(S104)。購入データ分析システム14より出力されたその分析結果データは、WEBサーバー11を介してレポートシステム12に取り込まれ、この際所定のファイル形式(例えばHTML書類等)に変換されて、分析結果DB36に記憶される(S105)。
【0018】一方、購入データ分析システム14は、その分析結果に対応するオーダー識別子を生成する。サーバーコンピュータ13は、WEBサーバー11を介して販売拠点のクライアントシステム2Aにそのオーダー識別子を通知する(S106)。このオーダー識別子は、当該クライアントシステム2Aに対し、その分析結果へのアクセス権を付与するためのものである。
【0019】クライアントシステム2Aにおいて、入力・表示用コンピュータ21Aを操作して、WEBブラウザー上で前記のようにして通知されたオーダー識別子を入力し、上記分析結果の提供を要求するデータを、サーバーシステム1に送信する(S108)。すると、WEBサーバー11は、当該オーダー識別子の正当性を確認後、レポートシステム12を動作させて、そのクライアントシステム2Aに対し、そのオーダー識別子に対応する分析結果のファイル(例えばHTML書類等)へのアクセスを許可する(S109)。こうして、クライアントシステム2Aの要求に基づいて、分析結果のデータがサーバーシステム1からクライアントシステム2Aに送信される(S110)。その結果、クライアントシステム2Aが備える入力・表示用コンピュータ21A上で動作するWEBブラウザーにより、その分析結果を表示させることができる(S111)。」

ク.「【0020】図3は、上記販売拠点において、購入品目「水産」について、1ヶ月間の会員顧客の購買状況(購入数量)を、購入品目属性のうちの品名別、会員顧客(購入者)の年代別(ここでは、20歳未満または年齢不明、20代、30代、40代、50代、60歳以上にそれぞれ区分している)に抽出するよう条件を定めた場合の、1次分析結果の例である。図3において具体的な数値の記載は省略しているが、この表形式の分析結果を取得することにより、販売拠点は、自己の店舗でその期間内にどの年代の会員顧客がどのような「水産」の商品を購入したかを知ることができる。」

ケ.「【0023】販売拠点のクライアントシステム2Aにおいて取得可能な上記分析結果と同様の結果は、生産者のクライアントシステム2Cにおいても取得できるよう構成することができる。この場合、生産者において、その生産者と取引関係にある多数の販売拠点に関し、販売拠点別に固有の詳細な分析結果をサーバーシステムから容易、かつ迅速に取得することができるので、対顧客販売戦略のみならず商品流通戦略の立案、実施、及び結果把握に大いに活用することができる。」

前記ア.?ケ.及び関連する図面の記載によれば,引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているといえる。

<引用発明>
「購入データ取得・利用システムであって,
サーバーシステム(1)と,複数の販売拠点に設置されたクライアントシステム(2A)と,通信ネットワーク(3)とを有し,
クライアントシステム(2A)は,
入力・表示用コンピュータ(21A)を備え,
POSシステムから,商品の購入時期及び購入数量に関する購入データと,その商品の販売拠点属性,購入者属性,購入品目属性を識別する購入ヘッダーとを取得し,通信ネットワーク(3)経由でサーバーシステム(1)に送信し,
所望の分析条件をサーバーシステム(1)に送信して,分析結果の提供をサーバーシステム(1)に要求し,サーバーシステム(1)から受信した分析結果を表示し,
サーバーシステム(1)は,
小売業者の会員顧客に関する性別,年齢または年代等が予め登録された購入者属性DB(33)を含む属性データベースシステム(40)と,
クライアントシステム(2A)から受信した購入データと購入ヘッダーとを記憶する購入データDB(35)と,
属性データベースシステム(40)に登録されたデータと,購入データDB(35)に記憶されたデータを取得し,それらのデータに基づいて所望の分析を行う購入データ分析システム(14)と,
購入データ分析システム(14)の分析結果を,HTMLなどのファイル形式に変換するレポートシステム(12)と,
クライアントシステム(2A)から分析結果の提供を要求するデータを受信すると,レポートシステム(12)を動作させて,分析結果のファイルへのアクセスを許可し,分析結果のデータをクライアントシステム(2A)に送信するウェブサーバ(11)とを備え,
前記分析条件は,例えば,販売拠点が自己の店舗において,購入品目『水産』について,1ヶ月間の会員顧客の購入数量を,品名別,会員顧客の年代別に抽出する条件である,
購入データ取得・利用システム。」

2.特開2002-132874号公報

当審の拒絶理由通知(平成25年6月25日付け)において引用した特開2002-132874号公報(以下,「引用文献2」という。)には,次の事項が記載されている。(下線は,当審において付与した。)

コ.「【0011】なお、データマイニングとは、小売店の販売データや電話の通話履歴、クレジットカードの利用履歴など、企業に大量に蓄積されるデータを解析し、その中に潜む項目間の相関関係やパターンなどを探し出す技術のことである。従来は、こうした取引の生データは、経理処理に必要なだけで活用されていなかったが、情報技術の向上により、潜在的な顧客ニーズが眠る鉱山として採掘(mining)されるようになった。例えば、スーパーの販売データをデータマイニングで分析することにより、「ビールを買う客は一緒に紙オムツを買うことが多い」、「雨の日は肉の売上が良い」など、項目間の相関関係を見つけることができる。また、クレジットカードの利用履歴を解析することにより、不正使用時に特徴的なパターンを見つけ出し、あやしい取引を検出するなどの応用も考えられる。データウェアハウスは、このようなデータマイニング(時系列に蓄積された大量の業務データの中から、各項目間の関連性を分析する)を可能としたシステムである。」

前記コ.によれば,引用文献2には,次の事項が記載されているといえる。

<引用文献2の記載事項>
「スーパーの販売データをデータマイニングで分析することにより,『ビールを買う客は一緒に紙オムツを買うことが多い』,『雨の日は肉の売上が良い』など,項目間の相関関係を見つけること。」

3.特開2001-84239号公報

当審の拒絶理由通知(平成25年6月25日付け)において引用した特開2001-84239号公報(以下,「引用文献3」という。)には,次の事項が記載されている。(下線は,当審において付与した。)

サ.「【請求項1】 商品販売発生毎に発生時刻と商品種類と販売数量とを販売時データとして記憶保持するとともに、各商品の各時刻における在庫量を管理する販売情報システムに適用され、少なくとも1種類の商品で構成される商品群Aの所定の時間帯内における商品販売数量の分析方法であって、前記各販売時データに基づいて前記時間帯内における所定の時間間隔毎に集計した商品群Aの販売数量と、前記各時間間隔における各商品の在庫量に基づいて判定した商品群A全体の欠品有無とを、前記時間帯の開始時刻から終了時刻までの時系列データとして生成する時系列データ生成ステップと、前記時系列データ生成ステップで生成された複数の時間帯毎の時系列データの集合に対して、2つの時系列データX,Y間の距離を商品群Aの欠品無しの時間間隔についての販売数量の差異に対してクラスタリングを行い、商品群A全体の販売数量の代表パターンとこの代表パターンに属する各時系列データの発生年月日を出力する時系列データクラスタリングステップとを備えた商品販売数量の分析方法。」

シ.「【請求項7】 請求項1又は2記載の商品販売数量の分析方法において、前記時系列データクラスタリングステップが出力する各代表パターンに属する時系列データの出現年月日の集合と、各年月日に関する特徴に基づいて、各代表パターンに属する時系列データが出現しやすい年月日に関する特徴を出力する特徴抽出ステップを備えたことを特徴とする商品販売数量の分析方法。」

ス.「【0076】商品群Aは、ひとつ以上の任意の商品で構成される。例えば、和食系弁当(幕の内弁当やのり弁当など)を商品群Aとしてもよいし、また、一種類の弁当を商品群Aとしてもよい。後者の場合、和食系弁当全部について分析するのであれば、弁当の種類数だけ商品群を設定し、個別に分析を行えばよい。」

セ.「【0142】(第1実施形態の変形例5)第1実施形態では、時系列データクラスタリングステップ11は、各クラスタについての代表パターンとそれに属する時系列データの出現年月日を出力した。この第1実施形態の変形例5に係わる商品販売数量の分析方法においては、さらに、ひとつのクラスタに属すると判定された出現年月日に共通する特徴を見出して出力する。
【0143】この第1実施形態の変形例5においては、図18に示すように、時系列データ生成ステップ10、時系列データクラスタリングステップ11、在庫量把握手段18aの他に、年月日特徴テーブル18b及び特徴抽出ステップ18cで構成される。このうち、時系列データ生成ステップ10、時系列データクラスタリングステップ11は、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
【0144】特徴抽出ステップ18cは、各年月日の特徴を記録した年月日特徴テーブル18bを持つ。ここでは、各年月日の特徴として各年月日の曜日と、近隣に大きな事業所があるとしてその事業所の出勤日/休日の情報を年月日特徴テーブル18bに記憶されている。
【0145】この場合、曜日と上記事業所の出勤日/休日の組合せは、全部で7×2=14通りある。特徴抽出ステップ16cは、時系列データクラスタリングステップ11が出力する各クラスタに含まれる各時系列データについて、その出現年月日に該当する年月日の特徴を参照し、上記14個の組合せの中から該当するものを選び、その組合せについて、そのクラスタが1回出現したと計数する。
【0146】例えば、クラスタ1に属する時系列データ1の出現年月日が、1998年10月15日であるとすると、年月日の特徴は、「木曜でかつ出勤日」となり、「木曜でかつ出勤日」について、クラスタ1が1回出現したと計数される。これを、全クラスタに含まれる全時系列データについて行うことにより、例えば、「木曜日でかつ出勤日」では、クラスタ1の出現回数がC1 回、クラスタ2の出現頻度がC2 回、…というように、特徴の各組合せごとに各クラスタの出現回数を数える。
【0147】この結果、個々の組合せについて、ある特定のクラスタの出現割合が100%に近いとなれば理想的である。つまり、例えば、「木曜日でかつ出勤日には、クラスタ1が出現する」という分析結果が得られる。【0148】仮に、ある組合せについて、2種類以上のクラスタが出現するのであれば、特徴抽出ステップ18cの年月日特徴テーブル18bに内蔵されている年月日の特徴が不充分となる。その場合、その組合せについて、各クラスタに属する時系列データの出現年月日を集め、それらを分ける新たな条件を探すことになる。
【0149】別の問題点として、年月日に関する特徴が多い場合、例えば、曜日と国民の祝日と近隣事業所の出勤日/休日と付近での催し(花見や運動会)などを使用する場合、条件の組合せの数が多くなりすぎる。この場合、ひとつの条件に絞って、各クラスタの出現回数を計数し、ある条件のもとでは2種類以上のクラスタが出現する場合に、他の条件を加えて細分化する方法が有効である。
【0150】このように第1実施形態の変形例5においては、年月日に関するある条件のもとで、どのような販売数量パターンが発生しやすいか、その傾向を出力するので、POSシステムの管理者(ユーザ)にとって商品の販売数量の分析結果をより一層解釈しやすくなる。」

前記サ.?セ.によれば,引用文献3には,次の事項が記載されているといえる。

<引用文献3の記載事項>
「商品販売発生毎に発生時刻と商品種類と販売数量とを販売時データとして記憶保持するとともに,各商品の各時刻における在庫量を管理する販売情報システムに適用され,少なくとも1種類の商品で構成される複数の商品群Aの所定の時間帯内における商品販売数量の分析方法であって,
前記各販売時データに基づいて前記時間帯内における所定の時間間隔毎に集計した,弁当などの商品群Aの販売数量と,前記各時間間隔における各商品の在庫量に基づいて判定した商品群A全体の欠品有無とを,前記時間帯の開始時刻から終了時刻までの時系列データとして生成する時系列データ生成ステップと,
前記時系列データ生成ステップで生成された複数の時間帯毎の時系列データの集合に対して,2つの時系列データX,Y間の距離を商品群Aの欠品無しの時間間隔についての販売数量の差異に対してクラスタリングを行い,商品群A全体の販売数量の代表パターンとこの代表パターンに属する各時系列データの発生年月日を出力する時系列データクラスタリングステップと,
前記時系列データクラスタリングステップが出力する各代表パターンに属する時系列データの出現年月日の集合と,曜日,出勤日/休日,花見や運動会等の催しの各年月日に関する特徴に基づいて,各代表パターンに属する時系列データが出現しやすい年月日に関する特徴を出力する特徴抽出ステップを備え,
年月日に関するある条件のもとで,どのような販売数量パターンが発生しやすいか,その傾向を出力することを特徴とする商品販売数量の分析方法。」

4.特開平10-247197号公報

当審の拒絶理由通知(平成25年6月25日付け)において引用した特開平10-247197号公報(以下,「引用文献4」という。)には,次の事項が記載されている。(下線は,当審において付与した。)

ソ.「【0002】
【従来の技術】まず、データマイニングの一つの例としてバスケット分析について説明する。これは同時購買の傾向を示すルールをレシートの集合の中から抽出していくもので、そのルールとしては、例えば「パンを買う時は、同時に牛乳を買う」といったものが挙げられ、通常「パン→牛乳」といった形で該当する商品から成る論理式で記述される。しかし、パンを含んでいるが、牛乳は含んでいないレシートも存在することが考えられ、全てのレシートがこのルールを満たす訳ではない。従って、あらゆるルールの候補の中で成り立つレシートの割合が高いルールのみが抽出されることになる。このルールの抽出、棄却の目安となる指標としては「ルールを満たすレシート数のレシート全体に対する割合」(支持度)と、「ルールの左辺に該当する商品を含むレシート数に対するルールの左辺と右辺に該当する商品を全て含むレシート数の割合」(確信度)があり、前者はルールの一般性、後者はルールの正確さを示している。バスケット分析ではこの二つの指標に対する閾値を予め決めておき、候補となるルールの指標がその閾値を越えるか否かによってルールとしての抽出の有無を決定する。
【0003】この様なルールは、様々な属性を持ったテーブルからも生成することができる。属性として、レシートID、天気、性別、商品を持つテーブルからは「天気=晴,性別=男→商品=牛乳」といったルールを抽出することができる。この抽出方法も上のバスケット分析と同様であり、ルールの抽出、棄却はこの例では「天気=晴,性別=男,商品=牛乳」なるレシート数の全体に対する割合(支持度)と、「天気=晴,性別=男」なるレシート数に対する「天気=晴,性別=男,商品=牛乳」なるレシート数の割合(確信度)の二つの指標に対する閾値を設け、これらを上回るか否かで判断される。」

前記ソ.によれば,引用文献4には,次の事項が記載されているといえる。

<引用文献4の記載事項>
「レシートの集合の中からルールを抽出するデータマイニングにおいて,
レシートID、天気、性別、商品を持つテーブルから,『天気=晴,性別=男→商品=牛乳』(晴れの時に男性は牛乳を購入する)といったルールを生成し,
全レシート数に対する,晴れの時に男性が牛乳を購入したレシートの数の割合である支持度と,晴れの時に男性が購入したレシート数に対する,晴れの時に男性が牛乳を購入したレシート数の割合である確信度とが閾値を上回ると,そのルールを抽出し,閾値を下回るとそのルールを棄却する,データマイニング。」

第4 対比

本願発明と引用発明とを対比する。

・引用発明の「サーバーシステム(1)」は,本願発明の「サーバ」に相当する。

・引用発明の「複数の販売拠点に設置されたクライアントシステム(2A)」は,本願発明の「複数のユーザークライアント」に相当する。

・引用発明の「サーバーシステム(1)と,複数の販売拠点に設置されたクライアントシステム(2A)と,通信ネットワーク(3)」とを有する「購入データ取得・利用システム」は,本願発明の「複数のユーザークライアントと、これらにネットワークを通じて接続されたサーバとから構成されるマーケティングデータ収集分析システム」に相当する。

・引用発明の「購入者属性DB(33)」は、「小売業者の会員顧客に関する性別、年齢または年代等」が予め登録される。また,DB(データベース)が,記憶手段にデータを登録することは自明である。
したがって,引用発明の「購入者属性DB(33)」は,本願発明の「会員顧客個々の少なくとも年齢、性別を含む属性データを記憶手段に登録する会員顧客データベース」に相当する。

・引用発明の「購入データDB(35)」は,クライアントシステム(2A)から送信されたPOSシステムの購入データと購入ヘッダーとを記憶するから,本願発明の「前記ネットワークを通じて各ユーザークライアントから送られてくるPOSデータを前記記憶手段に登録するPOSデータベース」に相当する。

・引用発明の「サーバーシステム(1)」は,クライアントシステム(2A)から「所望の分析条件」を受信するから,分析条件入力手段を有するといえる。
また,その分析条件は,「例えば,販売拠点が自己の店舗において,購入品目「水産」について,1ヶ月間の会員顧客の購入数量を,品名別,会員顧客の年代別に抽出する条件」であるから,特定のユーザークライアントと特定の期間を指定するものである。
この分析条件入力手段と,本願発明の「特定のユーザークライアントと特定の期間を指定した併売データ分析指令の入力を受け付ける分析条件入力手段」は,「特定のユーザークライアントと特定の期間を指定した販売データ分析指令の入力を受け付ける分析条件入力手段」の点で共通する。

・引用発明において,「販売拠点が自己の店舗において,購入品目「水産」について,1ヶ月間の会員顧客の購入数量を,品名別,会員顧客の年代別に抽出する」ような分析条件が受信された場合,購入データ分析システム(14)は,「自己の店舗」すなわち「特定のユーザクライアント」のPOSデータの中からデータを抽出することは明らかである。
したがって,引用発明の「属性データベースシステム(40)に登録されたデータと,購入データDB(35)に記憶されたデータを取得し,それらのデータに基づいて所望の分析を行う購入データ分析システム(14)」と,本願発明の「前記分析条件入力手段の受け付けた併売データ分析指令に対して、前記会員顧客データベースとPOSデータベースの登録している前記記憶手段内のデータを検索し、前記特定のユーザークライアントのPOSデータの中から通常期間よりもよく売れた商品群を抽出し、前記よく売れた商品群の中で、同じ会員顧客によって同一買い上げ時点に同時購入されている商品の組み合わせを同時購入商品群として抽出し、さらに同時購入した会員顧客の年齢層及び性別とを抽出し、前記同時購入商品群と前記年齢層及び性別と前記特定期間に属する該当期間の日付と共に該当期間のイベント情報若しくは天候情報を含むカレンダー情報とを関連付けて併売に関連するデータとして抽出するデータ分析手段」は,「前記分析条件入力手段の受け付けた販売データ分析指令に対して,前記会員顧客データベースとPOSデータベースの登録している前記記憶手段内のデータを検索し,前記特定のユーザークライアントのPOSデータの中から販売に関連するデータとして抽出するデータ分析手段」の点で共通する。

・引用発明の「購入データ分析システム(14)の分析結果を,HTMLなどのファイル形式に変換するレポートシステム(12)」,及び,「分析結果のファイルへのアクセスを許可し,分析結果のデータをクライアントシステム(2A)に送信するウェブサーバ(11)」と,本願発明の「前記データ分析手段の抽出した前記併売に関連するデータから所定の形式のレポートを作成し、前記特定のユーザークライアントに前記ネットワークを通じて配信するレポート作成手段」は,「前記データ分析手段の抽出した前記販売に関連するデータから所定の形式のレポートを作成し,前記ユーザークライアントに前記ネットワークを通じて配信するレポート作成手段」の点で共通する。

・引用発明の「クライアントシステム(2A)」は,「POSシステムから商品の購入時期及び購入数量に関する購入データと,その商品の販売拠点属性,購入者属性,購入品目属性を識別する購入ヘッダーとを取得し,通信ネットワーク経由でサーバーシステム(1)に送信」するとともに,「所望の分析条件をサーバーシステム(1)に送信して,分析結果の提供をサーバーシステム(1)に要求し,サーバーシステム(1)から受信した分析結果を表示」する。
したがって、引用発明の「クライアントシステム(2A)」と,本願発明の「前記ユーザークライアントは、
POSデータを前記サーバに前記ネットワークを通じて送信する手段と、
前記サーバの配信する併売に関連する所定の形式のレポートを受信して表示する抽出データ表示手段とを備えた」は,
「前記ユーザークライアントは,
POSデータを前記サーバに前記ネットワークを通じて送信する手段と,
前記サーバの配信する販売に関連する所定の形式のレポートを受信して表示する抽出データ表示手段とを備えた」点で共通する。

したがって、本願発明と引用発明は,以下の点で一致する。

<一致点>
「複数のユーザークライアントと,これらにネットワークを通じて接続されたサーバとから構成されるマーケティングデータ収集分析システムであって,
前記サーバは,
会員顧客個々の少なくとも年齢,性別を含む属性データを記憶手段に登録する会員顧客データベースと,
前記ネットワークを通じて各ユーザークライアントから送られてくるPOSデータを前記記憶手段に登録するPOSデータベースと,
特定のユーザークライアントと特定の期間を指定した販売データ分析指令の入力を受け付ける分析条件入力手段と,
前記分析条件入力手段の受け付けた販売データ分析指令に対して,前記会員顧客データベースとPOSデータベースの登録している前記記憶手段内のデータを検索し,前記特定のユーザークライアントのPOSデータの中から販売に関連するデータとして抽出するデータ分析手段と,
前記データ分析手段の抽出した前記販売に関連するデータから所定の形式のレポートを作成し,前記ユーザークライアントに前記ネットワークを通じて配信するレポート作成手段とを備え,
前記ユーザークライアントは,
POSデータを前記サーバに前記ネットワークを通じて送信する手段と,
前記サーバの配信する販売に関連する所定の形式のレポートを受信して表示する抽出データ表示手段とを備えたことを特徴とするマーケティングデータ収集分析システム。」

そして,本願発明と引用発明は,以下の点で相違する。

<相違点1>
本願発明は「サービス提供を申し込んだユーザーに関連する情報を前記記憶手段に登録するユーザーデータベース」を備えるのに対し,引用発明は上記ユーザーデータベースを備えていない点。

<相違点2>
販売データ分析指令が,本願発明では「併売データ分析指令」であるのに対し,引用発明では「併売データ」の分析指令ではない点。

<相違点3>
データ分析手段が,本願発明では「前記分析条件入力手段の受け付けた併売データ分析指令に対して、前記会員顧客データベースとPOSデータベースの登録している前記記憶手段内のデータを検索し、前記特定のユーザークライアントのPOSデータの中から通常期間よりもよく売れた商品群を抽出し、前記よく売れた商品群の中で、同じ会員顧客によって同一買い上げ時点に同時購入されている商品の組み合わせを同時購入商品群として抽出し、さらに同時購入した会員顧客の年齢層及び性別とを抽出し、前記同時購入商品群と前記年齢層及び性別と前記特定期間に属する該当期間の日付と共に該当期間のイベント情報若しくは天候情報を含むカレンダー情報とを関連付けて併売に関連するデータとして抽出する」ものであるのに対し,
引用発明では,「併売データ分析指令」に対するものではなく,「通常期間よりもよく売れた商品群を抽出し、前記よく売れた商品群の中で、同じ会員顧客によって同一買い上げ時点に同時購入されている商品の組み合わせを同時購入商品群として抽出し、さらに同時購入した会員顧客の年齢層及び性別とを抽出し、前記同時購入商品群と前記年齢層及び性別と前記特定期間に属する該当期間の日付と共に該当期間のイベント情報若しくは天候情報を含むカレンダー情報とを関連付けて併売に関連するデータとして抽出する」ものでもない点。

<相違点4>
「販売に関連する所定の形式のレポート」が,本願発明では「併売」に関連するものであるのに対し、引用発明では「併売」に関連するものではない点。

第5 判断

<相違点1>について
引用文献1には,次の事項が記載されている。
「【0030】以上の実施形態において、入力・表示用コンピュータ21A,21Bまたは21Cは、必ずしも各クライアントシステム2A,2B,2Cと一体化して物理的に販売拠点の店舗内、購入者の自宅若しくは施設内、生産者の施設内に設置されている必要はなく、これらクライアントシステムとは独立して、通信ネットワーク3に接続されていてもよい。この場合、不正なアクセスを防止するために、販売拠点、購入者、または生産者に対し、サーバーシステムが別途発行するID及びパスワードと、オーダー識別子またはサマリー識別子の入力を、サーバーシステムが必ず要求するよう構成することができる。」
上記のようなID及びパスワードを,「サービス提供を申し込んだユーザーに関連する情報」を登録したユーザーに発行することは,クライアント-サーバーシステムの技術分野において周知技術である。また,ユーザーに関連する情報をデータベースに登録して管理することも周知技術である。
したがって,引用発明に上記周知技術を適用して,「サービス提供を申し込んだユーザーに関連する情報を記憶手段に登録するデータベース」を備えることは,容易に想到し得ることである。

<相違点2>?<相違点4>について
前記<相違点2>?<相違点4>は,いずれも,分析の内容に関する相違点であるから,併せて検討する。

(1)購入データの分析システムの分野において,どのような商品群が同時購入(併売)されたかを分析することは,周知である。同時購入された商品群を販売スペースの近い場所に配置するなど,同時購入されやすい状況・環境を作り出せば,売上げを増やせるからである。引用文献2には,販売データから「ビールを買う客は一緒に紙オムツを買うことが多い」という相関関係を見つけることが記載され,また,引用文献4には「まず、データマイニングの一つの例としてバスケット分析について説明する。これは同時購買の傾向を示すルールをレシートの集合の中から抽出していくもので、そのルールとしては、例えば「パンを買う時は、同時に牛乳を買う」といったものが挙げられ」(段落【0002】)が記載されているが,いずれも,購入データから同時購入(併売)された商品群を分析するものである。
しがって,引用発明の購入データ取得・利用システムにおいても,併売の分析が行えるように,相違点2に係る「併売データ分析指令」の入力を受け付けるようにすることは格別困難ではない。

(2)購入データの分析において,通常期間よりよく売れた商品群に着目して,その要因を分析することは周知である。特定の商品群の売上げが,天候やイベントに関連して通常期間より増える現象はよく知られており,小売業者は,その関連性をもとに販売活動を行うからである。
引用文献2には,販売データをデータマイニングで分析することにより,「雨の日は肉の売上が良い」という相関関係を見つけることが記載され,また,引用文献3には,弁当など商品群について,販売数量の時系列データの出現年月日を,催し(花見や運動会)などの各年月日に関する特徴と関連付けることが記載され(弁当は,花見や運動会のときによく売れる。),引用文献4には,「天候=晴」や「商品=牛乳」をルールに含め,このルールを満たすレシート数の全体に対する割合が,閾値を上回ることを条件として,ルールを抽出することが記載されている。これらは,いずれも,よく売れた商品群とそのときの天候・イベントなどの関連を分析しているにほかならならない。
したがって,併売の分析を行う際にも,通常期間よりもよく売れた商品群を抽出し,その商品群の中で同時購入されている商品群や,よく売れたときの天候,イベント,その日付を関連付けることは格別困難ではない。

(3)また,特定の商品群が,どのような属性(年齢層,性別など)の顧客に購入されたかを分析することも周知である。個々の商品群に対する需要が,顧客の属性(年齢,性別)に応じて異なることは周知であり,小売業者は,顧客の属性に合わせて,需要の高い商品群を販売しようとするからである。
引用発明は,「購入品目「水産」について,1ヶ月間の会員顧客の購入数量を,品名別,会員顧客の年代別に抽出」し,また,引用文献4には,「性別=男」と「商品=牛乳」をルールに含めることが記載されているが,これらは,いずれも,ある商品あるいは商品群がどのような属性(年齢層,性別)の顧客に購入されているかを分析するものである。
したがって,併売データ分析を行う際にも,同時購入された商品群に対し,その商品群を購入している顧客の年齢層,性別を関連付けることも格別困難ではない。

(4)前記(1)?(3)を総合すると,引用発明において,周知の併売データ分析を行うために,「併売データ分析指令」の入力を受け付け,その指令に対して,小売業者が関心を持つ商品群として周知である「通常期間よりもよく売れた商品群」を抽出し,その商品群の中で「同じ会員顧客によって同一買い上げ時点に同時購入されている商品の組み合わせを同時購入商品群」として抽出し,さらに,周知の顧客属性分析を行って「同時購入した会員顧客の年齢層及び性別とを抽出」し,さらに,周知の,よく売れた商品群の要因分析を行って「前記同時購入商品群と前記年齢層及び性別と前記特定期間に属する該当期間の日付と共に該当期間のイベント情報若しくは天候情報を含むカレンダー情報とを関連付けて併売に関連するデータとして抽出」し,分析結果である「前記併売に関連するデータ」からレポートを作成して,前記相違点2?4に係る構成とすることは容易に想到し得ることである。

そして,本願発明の作用効果も,周知の併売分析,通常期間よりよく売れた商品群と天候,イベントとの関連付け,購入された商品群と購入者の年齢層,性別との関連付け,それぞれの作用効果から予測されることであり,引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって,本願発明は,引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第6 まとめ

以上のとおり,本願発明は,引用発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから,他の請求項について検討するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-01-28 
結審通知日 2014-02-04 
審決日 2014-02-18 
出願番号 特願2005-280905(P2005-280905)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小林 正和  
特許庁審判長 手島 聖治
特許庁審判官 西山 昇
須田 勝巳
発明の名称 マーケティングデータ収集分析システム、サーバシステム及びマーケティングデータ収集分析プログラム  
代理人 三好 秀和  

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