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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F
管理番号 1286736
審判番号 訂正2014-390018  
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-06-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2014-01-24 
確定日 2014-03-10 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4487084号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4487084号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第4487084号(以下「本件特許」という。)は、平成12年7月14日の特許出願であって、その請求項1?8に係る発明は、平成22年4月9日に特許権の設定登録がなされ、平成26年1月24日に本件訂正審判の請求がなされた。

第2 審判請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の要旨は、本件特許明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求めるものである。
そして、本件特許の訂正の内容は、以下のとおりである。
1 訂正事項1
本件特許明細書の特許請求の範囲の請求項1、3?5、8に「報知形態」とあるのを、「演出ステージ」と訂正する。

2 訂正事項2
本件特許明細書の段落【0011】、【0013】?【0015】、【0017】に「報知形態」とあるのを、「演出ステージ」と訂正する。

第3 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的の適否
訂正事項1は、「報知形態」が発明の実施の形態の「演出ステージ」であると限定するものであるから、特許法第126条第1項第1号に掲げられた特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。

(2)第126条第5?7項(新規事項,実質拡張又は変更,独立特許要件)
訂正事項1は、特許明細書の「本実施例では、内部当選役等を報知する報知形態として複数設定されており、この報知形態はゲーム毎の乱数抽選によって決定される。そして、この報知形態は「演出ステージ」と称され、「リーチ目ステージ」、「完全告知ステージ」、「小役予兆ステージ」、及び「レースステージ」の4種類が設定される。」(段落【0029】)との記載に基づくものである。
したがって、訂正事項1は、本件特許明細書又は図面に記載した事項又は記載した事項から自明の事項であり、本件特許明細書又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、訂正事項1は、本件特許の明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
そして、訂正事項1は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
また、訂正事項1は、訂正された特許請求の範囲に記載された請求項1に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由も見当たらないので、特許法第126条第7項の規定に適合する。

2 訂正事項2について
(1)訂正の目的の適否
訂正事項1は、上記1(1)において検討したように訂正の要件を満たすものである。
そうすると、本件特許明細書において、訂正の要件を満たす訂正事項1に対応して、それぞれ、その内容に整合させる訂正を行う訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とするものに該当する。

(2)第126条第5?6項(新規事項,実質拡張又は変更,独立特許要件)
上記1の(2)において検討したことと同様に、訂正事項2は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

3 一群の請求項について
上記訂正事項1に係る訂正後の請求項1?8は、当該訂正事項1を含む請求項1の記載を他の請求項2?8がそれぞれ引用することを含むものであるから、本件訂正の請求項1?8は、特許法施行規則第46条の2第4号に規定する関係を有する一群の請求項である。
したがって、本件訂正審判は、一群の請求項ごとに請求をするものであるから、特許法第126条第3項の規定に適合する。

また、訂正事項2は、本件訂正の請求項1、3?5、8の記載とそれぞれ関係する特許明細書中の訂正事項であり、請求項2は、本件訂正の請求項1の記載を引用し、請求項6、7は、本件訂正の請求項1、3?5の記載をそれぞれ引用するものである。
したがって、訂正事項2は、特許権全体に対する訂正である。
そうすると、本件訂正審判は、訂正事項2と関係する一群の請求項の全て(本件訂正の請求項1?8)を請求の対象とするものであるから、特許法第126条第4項の規定に適合する。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3?7項の規定に適合するものである。
そして、本件訂正審判の請求に係る訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3?6項の規定に適合するものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
種々の図柄を可変表示する複数の可変表示手段と、
ゲーム毎にサンプリングされる乱数値により内部当選役を決定し、その決定結果に基づいて前記可変表示手段の可変表示動作を停止制御する制御手段と、
前記制御手段により決定された内部当選役を報知する複数の報知手段とを備え、
前記制御手段は、所定のタイミングで、前記複数の報知手段のうちいずれの報知手段を制御するかが対応付けられた複数の演出ステージのうちの1つを選択し、当該選択した1つの演出ステージに対応する報知手段を制御し、
前記報知手段とは別に設けられた、前記複数の演出ステージのそれぞれに対応する演出ステージ報知手段により前記選択した1つの演出ステージを報知することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
請求項1記載の遊技機において、
前記報知手段は、内部当選役を所定確率で報知するものであることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
請求項1又は2記載の遊技機において、
前記報知手段は前記複数の可変表示手段を含み、
前記複数の演出ステージのうち所定の演出ステージにおいては、前記決定結果が所定の内部当選役であるとき、そのことが前記複数の可変表示手段の予め定められた組合せの停止図柄によって報知されることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
請求項1又は2記載の遊技機において、
前記報知手段はランプを含み、
前記複数の演出ステージのうち所定の演出ステージにおいては、前記決定結果が所定の内部当選役であるとき、そのことが前記ランプの点灯によって報知されることを特徴とする遊技機。
【請求項5】
請求項1又は2記載の遊技機において、
前記報知手段は演出用リールを含み、前記複数の演出ステージのうち所定の演出ステージにおいては、前記決定結果が所定の内部当選役であるとき、そのことが前記演出用リールの停止図柄によって報知されることを特徴とする遊技機。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか記載の遊技機において、
前記所定のタイミングは、毎回のゲーム開始時であることを特徴とする遊技機。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか記載の遊技機において、
前記所定のタイミングは、所定のゲーム数を消化した後のゲーム開始時であることを特徴とする遊技機。
【請求項8】
請求項6記載の遊技機において、
前記演出ステージの選択は前記制御手段内の抽選テーブルに基づいて行われ、
当該抽選テーブルは、今回のゲームにおいて、前回のゲームで選択されている演出ステージを選択する乱数値範囲の幅が他の演出ステージを選択する乱数値範囲の幅と比較して広く規定されていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロコンピュータ等の制御装置を用いて遊技態様を制御する遊技機に関し、特に複数の図柄(シンボル)を可変表示する可変表示手段として、機械的に回転駆動されるリールから成る機械的表示装置或いは液晶、LED、CRT等の電気的表示装置を備えたスロットマシン、ポーカーゲーム機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、スロットマシン或いはパチスロと称される遊技機は、正面の表示窓内に複数の図柄を表わした回転リールを複数配列して構成した機械的可変表示装置、或いはリール上の図柄を画面に表示するように構成した電気的可変表示装置を有する。遊技者のスタート操作に応じて、可変表示装置を駆動させ、各リールを回転させることにより図柄を可変表示させ、一定時間後自動的に或いは遊技者の停止操作により各リールの回転を順次停止させる。この時、表示窓内に現れた各リールの図柄(以下「停止図柄」という)の組み合わせが所定の入賞態様(入賞役)になれば、メダル、コイン等の遊技媒体を払い出すことで遊技者に利益を付与する。
【0003】
現在主流の機種は、複数種類の入賞態様を有している。特に、停止図柄が所定の入賞役に当ったときは、1回のコインの払い出しに終わらず、所定期間、通常の状態である「一般遊技状態」よりも条件の良い遊技状態(特別遊技状態)となる。このような特別遊技状態を発生させる入賞役として、遊技者に相対的に大きい利益を与えるゲームが所定回数行える特別増加入賞(「ビッグボーナス」と称し、「BB」と略記する)がある。尚、1回のコインの払い出しで終わるものを、一般に「小役」と称している。
【0004】
また、現在主流の機種において、回転しているリールが停止した時に入賞役を構成する図柄が有効ライン上に揃うのは、遊技機の内部抽選で入賞役に当たった場合(具体的には、マイクロコンピュータでの乱数抽出による抽選で当選したとき)である。これは、遊技者の停止操作(タイミング)だけで停止時の図柄を決定すると、遊技者の熟練度によって遊技の結果(勝敗)が決まってしまい、遊技者の技量のみが強調されて遊技の健全さが損なわれると共に、遊技店にとっても遊技機からのコインの払出率等の管理が困難になるという問題を解決するためである。
【0005】
従って、遊技者がリールの停止操作できるタイプの遊技機(例えば、停止ボタンを備えたスロットマシン)でも、内部抽選で入賞役に当選(「内部当選」という)しなければ、遊技者がどのように停止操作しても、入賞役を有効ライン上に揃えることはできない。
【0006】
ところで、遊技者の遊技における興味の中心は、どの程度のコインを獲得できるかという点にある。すなわち、遊技者は、多数のコインを獲得可能なBBに入賞するか否かに特に大きな興味を持っている。
【0007】
そこで、遊技機の正面に設けたランプやリールの背後に設けたランプによる点滅のパターン、或いは発生する音の種類や組合せ等で内部抽選でどの入賞役に当選したか(「内部当選役」という)を報知するようにした遊技機が開発されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような報知では、各内部当選役に対応した報知の形態は予め定められているため、ある程度遊技を行えば、その報知の内容が容易に把握できる反面、遊技全体が単調になってしまうということがあった。
【0009】
また、遊技者は、1台の遊技機を長時間継続して行っていれば、その報知形態に飽きてしまい、遊技店内にある、報知の形態の異なる他の遊技機に移り変わりたくなる場合がある。
【0010】
本発明の目的は、複数の報知形態を有し、これらを選択的に採用して報知することで、遊技全体の興趣を高めた遊技機を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の遊技機は、種々の図柄を可変表示する複数の可変表示手段と、ゲーム毎にサンプリングされる乱数値により内部当選役を決定し、その決定結果に基づいて前記可変表示手段の可変表示動作を停止制御する制御手段と、前記制御手段により決定された内部当選役を報知する複数の報知手段とを備え、前記制御手段は、所定のタイミングで、前記複数の報知手段のうちいずれの報知手段を制御するかが対応付けられた複数の演出ステージのうちの1つを選択し、当該選択した1つの演出ステージに対応する報知手段を制御し、前記報知手段とは別に設けられた、前記複数の演出ステージのそれぞれに対応する演出ステージ報知手段により前記選択した1つの演出ステージを報知することを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の態様では、報知手段は、内部当選役を所定確率で報知するものであることを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の態様では、前記報知手段は前記複数の可変表示手段を含み、前記複数の演出ステージのうち所定の演出ステージにおいては、前記決定結果が所定の内部当選役であるとき、そのことが前記複数の可変表示手段の予め定められた組合せの停止図柄によって報知されることを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の態様では、前記報知手段はランプを含み、前記複数の演出ステージのうち所定の演出ステージにおいては、前記決定結果が所定の内部当選役であるとき、そのことが前記ランプの点灯によって報知されることを特徴とする。
【0015】
本発明の第5の態様では、前記報知手段は演出用リールを含み、前記複数の演出ステージのうち所定の演出ステージにおいては、前記決定結果が所定の内部当選役であるとき、そのことが前記演出用リールの停止図柄によって報知されることを特徴とする。
【0016】
ここで、演出ステージが選択される所定のタイミングとしては、毎回のゲーム開始時或いは所定のゲーム数を消化した後のゲーム開始時であるとする。
【0017】
また、前記演出ステージの選択は前記制御手段内の抽選テーブルに基づいて行われ、当該抽選テーブルは、今回のゲームにおいて、前回のゲームで選択されている演出ステージを選択する乱数値範囲の幅が他の演出ステージを選択する乱数値範囲の幅と比較して広く規定されていることを特徴とする。
【0018】
【作用及び効果】
本発明によれば、予め設定された複数の報知形態のうちの1つが選択され、選択された報知形態に基づいて報知手段が制御されるので、それぞれ報知形態の異なる複数の遊技機が1つの遊技機に合体したようになる。これにより、遊技者は、1台の遊技機で継続して遊技を行うだけで、遊技機を変えることなく、複数の遊技機の報知形態を楽しむことができる。
【0019】
報知形態が内部当選役を所定確率で報知するものである場合、この報知形態は、遊技者の興味の的となるため、この形態を変えることで、遊技の興趣を高めることができる。例えば、報知手段による報知を一切行わない報知形態や、ランプの点灯によってBB内部当選を報知する報知形態や、演出用リールの停止図柄によって内部当選役を報知する報知形態等を設定した場合、1つの報知形態では遊技者に飽きられやすいが、報知形態を変えていくことで、遊技者に遊技に対する興味を長時間にわたって持ち続けさせることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、スロットマシンに本発明を適用した場合について説明する。
【0021】
図1に示すスロットマシン1は、遊技媒体としてコイン、メダルまたはトークンなどを用いて遊技する遊技機であるが、以下ではコインを用いるものとして説明する。
【0022】
スロットマシン1の前面にはフロントドア2が設けられ、そのフロントドア2の主パネル表示部2aには縦長矩形の主表示窓4L,4C,4Rが設けられ、この主表示窓4L,4C,4R上には水平に3本、斜めに2本の入賞ライン8が設けられている。これらの入賞ラインは、主表示窓4L,4C,4Rの左右に設けられた有効化ランプ9を結んでいる。また、これらの入賞ライン8は、後述の1-BETスイッチ11、2-BETスイッチ12、最大-BETスイッチ13を操作すること、或いはコイン投入口5にコインを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、有効化ランプ9の点灯で表示される。
【0023】
主パネル表示部2aの内側には、可変表示手段として3つの主リール3L,3C,3Rが回転自在に設けられている。これら3つの主リール3L,3C,3Rの各々の外周面には、複数種類の図柄(以下、シンボルという)から成るシンボル列が描かれている。各主リール3L,3C,3R上のシンボルは、主表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。
【0024】
主表示窓4L,4C,4Rの下方には、水平面を有する台座部10が形成されている。台座部10には、その左側から、1回の押しボタン操作によりクレジットされているコインのうち1枚だけを遊技に賭けるための1-BETスイッチ11、2枚だけを遊技に賭けるための2-BETスイッチ12、及び1回の遊技に賭けることが可能な最大枚数のコインを賭けるための最大-BETスイッチ13が設けられている。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ライン8が有効化される。また、台座部10の右側にはコイン投入口5が設けられている。
【0025】
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者の操作により主リール3L,3C,3Rを回転させ、主表示窓4L,4C,4Rにおけるシンボルの変動表示を開始するためのスタートレバー6が、所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。このスタートレバー6の操作により1ゲームが開始し、主リール3L,3C,3Rが全て停止した時、或いは後述の演出用リール23が停止した時に1ゲームが終了する。
【0026】
台座部10の前面部中央には、回転する3列の主リール3L,3C,3Rをそれぞれ停止させるために、遊技者が操作する3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。各停止ボタンは、光源を内蔵しているか或いは光の照射により、点灯可能に構成されている。従って、停止ボタン7L,7C,7Rは、各光源の点灯、点滅、消灯などの動作により、種々の演出及び情報の表示が可能である。
【0027】
スタートレバー6の左側には、遊技者が獲得したコインのクレジット/払出しを押し操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14による切り換えにより、正面下部のコイン払出口15からコインが払い出され、払い出されたコインはコイン受け部16に溜められる。このコイン受け部16の後方には、音発生手段として内部に収納されたスピーカ62(図3)から発生した音を外部へ出すための透音口17が設けられている。
【0028】
主パネル表示部2aの正面の主表示窓4L,4C,4Rの上方には、横長矩形の演出用表示窓22が設けられる。演出用表示窓22の内側には、報知手段としての役割を果たす演出用リール23が左右方向に回転可能に設けられている。この演出用リール23の外周面には複数種類のシンボルが描かれ、これらのシンボルは、演出用表示窓22を通して観察できるようになっている。
【0029】
右の主表示窓4Rの右側には、報知手段としての役割を果たすWINランプ18と3つの演出ステージ報知ランプ(完全告知ステージ報知ランプ19,小役予兆ステージ報知ランプ20,レースステージ報知ランプ21)とが設けられている。本実施例では、内部当選役等を報知する報知形態として複数設定されており、この報知形態はゲーム毎の乱数抽選によって決定される。そして、この報知形態は「演出ステージ」と称され、「リーチ目ステージ」、「完全告知ステージ」、「小役予兆ステージ」、及び「レースステージ」の4種類が設定される。そこで、WINランプ18は、BBに入賞した場合、或いは演出ステージが「完全告知ステージ」であるときのBB内部当選時に点灯する。完全告知ステージ報知ランプ19は、演出ステージとして「完全告知ステージ」が選択されたときに点灯し、小役予兆ステージ報知ランプ20は演出ステージとして「小役予兆ステージ」が選択されたときに点灯し、レースステージ報知ランプ21は演出ステージとして「レースステージ」が選択されたときに点灯する。一方、これら3つの演出ステージ報知ランプ19?21がいずれも点灯しない場合は、演出ステージとして「リーチ目ステージ」が選択されたときである。演出ステージの具体的内容については後述する。
【0030】
主表示窓4L,4C,4Rの下方には、7セグメントLEDで構成されるクレジット数表示部24、馬番表示カウンタ25及び入賞配当枚数表示部26が設けられる。クレジット数表示部24は、現在クレジットされているコイン数を表示する。馬番表示カウンタ25は、演出ステージが「レースステージ」であるときに後述の馬番が表示される。入賞配当枚数表示部26は、払い出されたコイン数を表示する。
【0031】
図2は、スロットマシン1における回路構成を示す。この図2に示すように、制御手段としての主制御回路28及び副制御回路29と、制御手段に電気的に接続される各種周辺装置(アクチュエータ)とで構成される。主制御回路28は、スロットマシン1の主な遊技処理動作を制御し、副制御回路29は、主制御回路28により送信された指令(「コマンド」という)に基づいて演出用リール,スピーカ等のアクチュエータを制御する。
【0032】
主制御回路28は、基板上に配置されたメインマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。メインマイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU(「メインCPU」という)31と、記憶手段であるROM(「メインROM」という)32及びRAM(「メインRAM」という)33とを含む。メインCPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及び乱数サンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、メインマイクロコンピュータ30内で、すなわちメインCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及び乱数サンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
【0033】
メインマイクロコンピュータ30のメインROM32には、スタートレバー6を操作する毎に行われる乱数抽出による抽選処理により、内部当選役、すなわち、どの入賞役に内部当選したかを判定するために原則として遊技状態に対応して設けられた入賞判定テーブル、後述のシンボルテーブル等が格納されている。
【0034】
各種アクチュエータは、メインCPU31から送信される駆動指令等の制御信号をI/Oポート(「メインI/Oポート」という)38を介して受信し、各アクチュエータの動作を制御する各種駆動回路に接続されている。
【0035】
主リール3L,3C,3Rを回転駆動する主ステッピングモータ3LS,3CS,3RSは、主モータ駆動回路44に接続され、有効化ランプ9、WINランプ18、完全告知ステージ報知ランプ19、小役予兆ステージ報知ランプ20及びレースステージ報知ランプ21は、ランプ駆動回路45に接続され、クレジット数表示部24、馬番表示カウンタ25及び入賞配当枚数表示部26は、表示部駆動回路48に接続され、コインを収納するホッパー(払い出しのための駆動部を含む)40は、ホッパー駆動回路47に接続されている。
【0036】
副制御回路29は、メインマイクロコンピュータ30から送信されたコマンドに基づいて演出用リール,スピーカ等のアクチュエータの動作を制御する。副制御回路29の構成及び副制御回路29により制御されるアクチュエータについては、図3を参照して後述する。
【0037】
メインマイクロコンピュータ30が制御信号を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、コイン投入口5に投入されたコインを検出する投入コインセンサ5S、スタートレバー6の操作を検出するスタートスイッチ6S、コインを賭けるための1-BETスイッチ11、2-BETスイッチ12、最大-BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生するリール停止信号回路46、リール回転センサからのパルス信号を受けて各主リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をメインCPU31へ供給する主リール位置検出回路39、コイン検出部40Sの計数値(ホッパー40から払い出されたコインの枚数)が指定された枚数データに達した時、コイン払出完了を示す信号を発生する払出し完了信号回路50がある。これらも、メインI/Oポート38を介してメインCPU31に接続されている。
【0038】
乱数発生器36は、所定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数は、各遊技状態毎にメインROM32内に格納されている入賞判定テーブルにおいて、どの数値範囲に属するかが判定される。
【0039】
主リール3L,3C,3Rの回転が開始されれば、主ステッピングモータ3LS,3CS,3RSの各々に供給される駆動パルスの数がメインCPU31において計数され、その計数値はメインRAM33の所定エリアに書き込まれる。各主リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが出力され、このリセットパルスがリール位置検出回路50によって検出されたとき、メインRAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にリセットされる。このように、計数値が“0”にリセットされたとき、メインCPU31においてリールの基準位置が把握される。
【0040】
上記のようなリール主3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれたシンボルとを対応づけるために、シンボルテーブル(図示せず)が、ROM32内に格納されている。このシンボルテーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置をリールの基準位置として、後述の図4に示すように各主リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられたシンボルを示すシンボルコードとが対応づけられている。
【0041】
更に、メインROM32内には、入賞シンボル組合せテーブルが格納されている。この入賞シンボル組合せテーブルでは、入賞となるシンボルの組合せと、入賞役のコイン配当枚数と、その入賞役を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。入賞シンボル組合せテーブルは、左の主リール3L、中央の主リール3C、及び右の主リール3Rの停止制御時と、全ての主リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。メインROM32には、このスロットマシン1で遊技が実行される際のプログラム(シーケンスプログラム)も格納されている。
【0042】
前述の乱数サンプリングに基づく抽選処理において内部当選役が決定した場合、メインCPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作した時にリール停止信号回路46から送られる信号に応じて、内部当選役に対応したシンボルの組み合わせを入賞ラインに沿って表示することを許可する信号を主モータ駆動回路44に送る。そして、メインCPU31は、主リール3L,3C,3Rが上記入賞役に対応したシンボルの組み合わせが入賞ラインに沿って並ぶように停止したか否かを判別する。この判別が“YES”であれば、入賞シンボル組合せテーブルに基づいて、払い出し指令信号をホッパー駆動回路47に供給してホッパー40から所定個数のコインの払出しを行う。その際、コイン検出部40Sは、ホッパー40から払出されるコインの枚数を計数し、その計数値が指定された枚数データに達した時に、コイン払出し完了信号回路50によりコイン払出完了信号がメインCPU31に入力される。これにより、メインCPU31は、ホッパー駆動回路47を介してホッパー40の駆動を停止し、コインの払い出し処理を終了する。
【0043】
図3は、副制御回路29及びこれに接続したアクチュエータについての詳細を示す。
【0044】
副制御回路29は、主制御回路28が配置された基板とは別の基板上に配置され、サブマイクロコンピュータ51を主たる構成要素とし、これにアクチュエータを駆動する駆動回路等を加えて構成されている。サブマイクロコンピュータ51は、主制御回路28から送信されたコマンドに従って制御動作を行うCPU(サブCPUという)52と、記憶手段であるプログラムROM53及び制御RAM54とを含む。副制御回路29は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及び乱数サンプリング回路を備えていないが、サブCPU52の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。
【0045】
サブマイクロコンピュータ51のプログラムROM53には、演出用リール23を制御するためのデータ(回転数、回転方向等)等が格納されている。
【0046】
制御RAM54は、主制御回路28より受信した各種コマンドに含まれる情報としての内部当選役、入賞役等が適宜格納される。
【0047】
図3の回路において、サブマイクロコンピュータ51からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとしては、演出用リール23を回転駆動するサブステッピングモータ23S、及び増幅器であるパワーアンプ61に接続したスピーカ62がある。更に、音源IC63及び演出用モータ駆動回路64がI/Oポート55を介してサブCPU52に接続されている。これらは、それぞれサブCPU52から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。本実施例において、前述のWINランプ18及び演出用リール23のほか、スピーカ62も報知手段を構成する。
【0048】
本実施例において、サブマイクロコンピュータ51が制御信号を発生するために必要な入力信号は、主制御回路28により送信されるコマンドのみである。ここで、コマンドは、主制御回路28から副制御回路29への一方向に送信され、副制御回路29から主制御回路28へは送信されない。すなわち、副制御回路29は、主制御回路28に対してデータを送信することはない。
【0049】
演出用リール23の回転が開始した後、サブステッピングモータ23Sの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値は制御RAM54の所定エリアに書き込まれる。演出用リール23からは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスは演出用リール位置検出回路66を介してサブCPU52に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、制御RAM54で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、制御RAM54内には、演出用リール23について一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
【0050】
上記のような演出用リール23の回転位置とシンボルとを関連づけるために、シンボルテーブル(図示せず)がプログラムROM53に格納されている。このシンボルテーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、演出用リール23の一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられたシンボルを示すシンボルコードとが対応づけられている。
【0051】
図4は、左主リール3L、中主リール3C及び右主リール3Rのそれぞれの外周面上に貼付けられる3つのリールシート(左リールシート27L,中リールシート27C,右リールシート27R)を示している。これらのリールシート27L,27C,27R上には、7種類のシンボルで構成される21個のシンボルがそれぞれ配されている。本実施例では、7種類のシンボルとして、“赤7”71、“白7”72、“G1”73、“Winning Run”74、“勝負服”75、“カップ”76、“チェリー”77を設定している。
【0052】
また、各リールシート27L,27C,27R上の各シンボルには、一番上に配置されたシンボル(“赤7”71)を“1”として“21”までコードナンバーが順次付される。
【0053】
各主リール3L,3C,3Rには、前述したリセットパルスが発生する基準位置として定めた所定位置から一定の回転ピッチ毎に21個のリールポジションが設定され、各リールポジションには、上記基準位置を“1”として、所定間隔でナンバー(「リールポジションナンバー」という)が順次付与される。各リールシート27L,27C,27Rは、この“1”?“21”のリールポジションナンバーと各シンボルに付されたコードナンバーとが一致するようにリールの外周面に貼り付けらる。ここで、各主リール3L,3C,3Rは、リールシート27L,27C,27Rが図4の矢印方向に移動するように回転駆動される。
【0054】
実施例のスロットマシン1において、遊技者は、次に説明する種々の遊技状態で遊技を行うことができる。
【0055】
特別遊技状態としての「BB遊技状態」(ビックボーナス遊技状態)は、遊技者にとって最も有利な遊技状態であり、前述のように有効化された入賞ライン(以下「有効入賞ライン」という)に沿って“赤7(図4のシンボル71)-赤7-赤7”又は“白7(図4のシンボル72)-白7-白7”が並ぶこと(以下「BB入賞」という)により発生する。このBB遊技状態は、次に述べる「RB遊技状態」及び「小役」の入賞可能性がある遊技状態(以下、「BB一般遊技状態」という)により構成される。「BB遊技状態」において、「RB遊技状態」は、最大2回発生する。また、「BB一般遊技状態」において、例えば最大30回、ゲームを行うことができる。
【0056】
「RB遊技状態」(レギュラーボーナス遊技状態)は、「一般遊技状態」において、有効入賞ラインに沿って、“G1(図4のシンボル73)-G1-G1”が並ぶこと(以下「RB入賞」という)により発生する。この「RB遊技状態」は、コインを1枚賭けることにより所定のシンボル組合せ“Winning Run(図4のシンボル74)-Winning Run-Winning Run”が揃い、15枚のコインを獲得できるボーナスゲーム(JACゲームという)に当たりやすい遊技状態である。「RB遊技状態」では、例えば最大12回のJACゲームを行うことができ、その入賞可能回数は、例えば8回である。
【0057】
なお、「RB遊技状態」は、上述の「BB一般遊技状態」において、有効入賞ラインに沿って“Winning Run-Winning Run-Winning Run”が並ぶこと(いわゆる「JACイン」)によっても発生する。
【0058】
再遊技(リプレイ)は、「BB遊技状態」以外の遊技状態において、“Winning Run-Winning Run-Winning Run”が有効入賞ラインに沿って並ぶことにより発生する。「再遊技」入賞が発生すると、投入したコインの枚数と同数のコインが自動投入されるので、遊技者は、コインを消費することなく遊技を行うことができる。
【0059】
「小役」としては、「勝負服の小役入賞」、「カップの小役入賞」、及び「チェリーの小役入賞」の3つがある。
【0060】
有効入賞ラインに沿って“勝負服(図4のシンボル75)-勝負服-勝負服”が並ぶことにより、「勝負服の小役入賞」となる。この「勝負服の小役入賞」は、「一般遊技状態」及び「BB一般遊技状態」のいずれにおいて成立しても6枚のコインが払出される。
【0061】
有効入賞ラインに沿って“カップ(図4のシンボル76)-カップ-カップ”が並ぶことにより、「カップの小役入賞」となる。この「カップの小役入賞」は、「一般遊技状態」において成立した場合は10枚のコインが払出され、「BB一般遊技状態」において成立した場合は1枚のコインが払出される。
【0062】
左リール3Lの有効入賞ライン上に“チェリー(図4のシンボル77)”が停止表示した場合は、中リール3C及び右リール3Rの停止図柄にかかわらず「チェリーの小役入賞」となる。この「チェリーの小役入賞」は、「一般遊技状態」及び「BB一般遊技状態」のいずれにおいて成立しても2枚のコインが払出される。
【0063】
実施例のスロットマシン1においては、遊技状態として、上述のとおり、「BB一般遊技状態」、「RB遊技状態」、及びこれらの遊技状態以外の通常の遊技状態である「一般遊技状態」がある。ここで、「一般遊技状態」においては、「BB」、「再遊技」及び「小役」に内部当選及び入賞が可能である。また、「一般遊技状態」において、「BB」に内部当選しているときには、通常の一般遊技状態において参照されるものと異なる入賞判定テーブルが参照され、「BB」の内部当選に加えて「再遊技」及び「小役」の内部当選が可能である。
【0064】
図5は、演出用リール23の外周に配される7個のシンボル(“2番馬”80,“3番馬”81,“4番馬”82,“5番馬”83,“6番馬”84,“7番馬”85,“1番馬”86)からなるシンボル列を示す。各シンボルは、演出用リール23の一定の回転ピッチ毎に順次付与される“1”?“21”のコードナンバーのうちのいずれかに対応して設けられている。この図5に示す例では、2番馬80はコードナンバー“2”に、3番馬81はコードナンバー“5”に、4番馬82はコードナンバー“8”に、5番馬83はコードナンバー“11”に、6番馬84はコードナンバー“14”に、7番馬85はコードナンバー“17”に、1番馬86はコードナンバー“20”に、それぞれ対応している。
【0065】
演出用リール23は、演出用表示窓22において、シンボル列が図の矢印方向、すなわち「正回転」として左方向、又は「逆回転」として右方向に、それぞれ移動するように回転駆動される。
【0066】
この演出用リール23は、演出ステージとして「小役予兆ステージ」又は「レースステージ」が選択された場合のみ駆動される。演出ステージとして「小役予兆ステージ」が選択された場合は、スタートレバー6操作時、第1停止操作時(停止ボタンの1番目の押し操作時)、又は第2停止操作時(停止ボタンの2番目の押し操作時)のいずれかのタイミングで回転駆動を開始し、演出ステージとして「レースステージ」が選択された場合は、第3リール停止後に遊技操作が無効化されたときに回転駆動を開始する。
【0067】
そして、この演出用リール23の回転駆動が停止したときの停止態様、すなわち、演出用表示窓22内に停止表示されるシンボルの種類によって内部当選役を報知することとしている。具体的には後述する。
【0068】
本実施例に係るスロットマシン1は、上述のとおり、「リーチ目ステージ」、「完全告知ステージ」、「小役予兆ステージ」、「レースステージ」の4種類の「演出ステージ」が設定される。これらは、ゲーム毎(ゲーム開始時又はゲーム終了後)に乱数抽選によって決定される。以下、各ステージについて説明する。
【0069】
「リーチ目ステージ」が選択された場合は、ボーナス(BB又はRB)に内部当選したことの報知が専ら主リール3L,3C,3Rによる「リーチ目」によって行われる。すなわち、報知手段であるWINランプ18や演出用リール23等による報知は一切行われない。ここで、「リーチ目」とは、ボーナス内部当選中にボーナス入賞となる図柄を揃えられなかった場合に、表示窓4L,4C,4R内に現れる図柄の組合せのことである。従って、このリーチ目として予め定められた図柄の組合せが表示窓4L,4C,4R内に現れたとき、遊技者は、ボーナスに内部当選していることを知る。
【0070】
具体的には、ボーナス内部当選中になされた遊技者による停止操作が、ボーナス入賞となる図柄を有効入賞ライン上に引き込めるタイミングでなかったとき、メインCPU31は、リーチ目として予め定められた図柄の組合せを表示窓4L,4C,4R内に停止表示するような制御を行う。
【0071】
そして、この「リーチ目ステージ」が選択されている間は、そのことを遊技者に報知するために、完全告知ステージ報知ランプ19、小役予兆ステージ報知ランプ20及びレースステージ報知ランプ21は全て消灯される。
【0072】
「完全告知ステージ」が選択された場合は、ボーナスに内部当選したとき、WINランプ18の点灯が必ず行われる。従って、このWINランプ18の点灯により、遊技者は、ボーナスに内部当選していることを知る。
【0073】
そして、この「完全告知ステージ」が選択されている間は、そのことを遊技者に報知するために、完全告知ステージ報知ランプ19が点灯される。
【0074】
「小役予兆ステージ」が選択された場合は、遊技中、演出用リール23が回転駆動され、その停止態様によって内部当選役の予兆が行われる。
【0075】
図6は、「小役予兆ステージ」において、演出用リール23の停止態様が予兆する内部当選役の具体例を示す。ここで、一般遊技中(一般遊技状態において、BBに内部当選していない状態)を例に説明すると、演出用リール23が停止した時に演出用表示窓22の中央位置に3番馬81が停止表示された場合は、チェリーの小役又はボーナスに内部当選していることを予兆する。同様に、同じ位置に4番馬82が停止表示された場合は、リプレイ又はボーナスに内部当選していることを予兆し、5番馬83が停止表示された場合は、カップの小役又はボーナスに内部当選していることを予兆し、6番馬84が停止表示された場合は、勝負服の小役又はボーナスに内部当選していることを予兆し、1番馬86又は2番馬80が停止表示された場合は、ハズレ又はボーナスに内部当選していることを予兆する。
【0076】
また、演出用リール23が停止した時に演出用表示窓22の左位置に3番馬81が、右位置に4番馬82が、それぞれ停止表示された場合は、チェリーの小役、リプレイ又はボーナスに内部当選していることを予兆する。同様に、左位置に4番馬82が、右位置に5番馬83が、それぞれ停止表示された場合は、カップの小役、リプレイ又はボーナスに内部当選していることを予兆し、左位置に5番馬83が、右位置に6番馬84が、それぞれ停止表示された場合は、カップの小役、勝負服の小役又はボーナスに内部当選していることを予兆し、左位置に1番馬86が、右位置に2番馬80が、それぞれ停止表示された場合は、全小役又はボーナスに内部当選していることを予兆する。
【0077】
この「小役予兆ステージ」において、演出用リール23の回転駆動は、スタート時(主リール3L,3C,3Rの回転がスタートした時)、第1停止時(1番目にリールが停止制御された時)、及び、第2停止時(2番目にリールが停止制御された時)のいずれかで行われる。また、この回転は、「正回転」又は「逆回転」のどちらか一方で行われる。
【0078】
そして、この「小役予兆ステージ」が選択されている間は、そのことを遊技者に報知するために、小役予兆ステージ報知ランプ20が点灯される。
【0079】
なお、この「小役予兆ステージ」において、演出用リール23の回転開始のタイミングや停止のタイミングによって、或いは、演出用リール23の回転方向によって、ボーナス内部当選の期待度を異ならせるようにしてもよい。
【0080】
「レースステージ」が選択された場合は、第3停止後(3番目にリールが停止制御された後)、すなわち主リールの最終停止後に、馬番表示カウンタ25に数字が表示され、演出用リール23の回転駆動が開始する。この演出用リール23の回転駆動によれば、演出用表示窓22に種類の異なる馬が次々と現れるので、馬のレースを行っているような表示となる。そして、演出用リール23の回転駆動が停止したときに演出用表示窓22の中央位置に表示される馬(馬図柄)がレースの勝馬(勝馬図柄)となる。
【0081】
ここで、馬番表示カウンタ25に表示される数字は、遊技者が賭けた馬の馬番を示し、この馬番と勝馬の番号が一致したとき、これによりボーナス内部当選を報知するものとする。なお、馬番表示カウンタ25に表示される馬番は、遊技者が実際に選んだ馬ではなく、乱数抽選により決定される。もちろん、遊技者が実際に馬を選んで賭けるようにしてもよい。
【0082】
この「レースステージ」では、演出用リール23の回転駆動中、馬レースの臨場感を出すために、スピーカより各種効果音が出力される。回転駆動(レース)の開始前、すなわち、主リールの最終停止後にはファンファーレ音が出力される。また、レース中は、“パカッパカッ”といった馬が走っているような効果音がスピーカより出力され、演出用リール23の回転駆動が停止するとき、すなわち勝馬の決定するレース終了時は、“ワー、オー”等の歓声が沸き上がっているかのような効果音がスピーカより出力される。
【0083】
そして、この「レースステージ」が選択されている間は、そのことを遊技者に報知するために、レースステージ報知ランプ21が点灯される。
【0084】
なお、「リーチ目ステージ」以外の「完全告知ステージ」、「小役予兆ステージ」或いは「レースステージ」であっても、上述の「リーチ目」による報知は行われる。
【0085】
図7?図9は、主制御回路28で行われる処理(メイン処理)の手順を示す。
【0086】
まず図7に示すように、スロットマシン1の電源がONされた直後では、最初に遊技開始時の初期化(メインRAM33の記憶データの消去、通信データの初期化)を行い(ST1)、演出ステージ番号“0”をメインRAM33の所定領域にセットする(ST2)。ここで、演出ステージ番号“0”がセットされた場合は、演出ステージとして、「リーチ目ステージ」がセットされる。
【0087】
次に、前回の遊技終了時のメインRAM33に記憶されているデータの消去を行い(ST3)、続いて、コインの自動投入の要求の有無、すなわち1-BETスイッチ11、2-BETスイッチ12、又は最大BETスイッチ13のいずれかからの入力の有無を確認する(ST4)。これらの入力が確認されたとき(ST4で“YES”のとき)は、投入要求分のコインを自動投入し(ST6)、入力が確認されないとき(ST4で“NO”のとき)は、コイン投入口5からのコインの投入を待つ(ST5)。コインの投入が確認されれば(ST5で“YES”)、続いて、スタートスイッチ6Sからの入力の有無を確認する(ST7)。
【0088】
スタートスイッチ6Sからの入力を確認すれば(ST7で“YES”)、前回のゲーム開始から所定時間(この例では4.1秒)経過しているかどうかを判別し(ST8)、“YES”のときは「確率抽選処理」に使用する乱数値を抽出し(ST10)、前回のゲーム開始から所定時間経過していないとき(ST8で“NO”)は、所定時間の経過を待って(ST9)、ST10の処理に移る。そして、1ゲームの時間を監視する1ゲーム監視用タイマをセットする(ST11)。
【0089】
続いて、図8のST12に移り、「確率抽選処理」を行う。この「確率抽選処理」では、上記ST10の処理で抽出された乱数値をメインROM32に記憶されている入賞確率テーブルと照合することによりBB、RB、各種小役のいずれかの内部当選役或いはハズレを決定する。そして、「確率抽選処理」で決定した内部当選役を情報とした「内部当選役コマンド」を副制御回路29に送信する(ST13)。なお、「内部当選役コマンド」には、現在の遊技状態も情報として含む。
【0090】
次に、演出選択処理を行う(ST14)。この演出選択処理では、今回のゲームでの演出ステージについて選択する。詳細は、図10を参照して後述する。そして、選択された演出ステージに基づき、演出ステージ報知ランプについての点灯処理を行う(ST15)。具体的には、演出ステージとして「完全告知ステージ」が選択されれば完全告知ステージ報知ランプ19の点灯処理を行い、演出ステージとして「小役予兆ステージ」が選択されれば小役予兆ステージ報知ランプ20の点灯処理を行い、演出ステージとして「レースステージ」が選択されればレースステージ報知ランプ21の点灯処理を行う。
【0091】
演出ステージ報知ランプについての点灯処理がなされた後、主リール3L,3C,3Rの回転駆動を開始し、遊技者による停止ボタン7L,7C,7Rの押し操作に応じて、各主リール3L,3C,3Rが停止制御される(ST16?ST19)。すなわち、遊技者による左停止ボタン7Lの押し操作があれば、これに応じて左リール3Lが停止制御され、中停止ボタン7Cの押し操作があれば、これに応じて中リール3Cが停止制御され、右停止ボタン7Rの押し操作があれば、これに応じて右リール3Rが停止制御される。
【0092】
また、3つの停止ボタン7L,7C,7Rの操作順序は遊技者の任意で一つずつ行われる。ここで、遊技者による1番目の押し操作を「第1停止操作」、2番目の押し操作を「第2停止操作」、3番目の押し操作を「第3停止操作」ということとし、1番目に停止制御されたリールを「第1停止リール」、2番目に停止制御されたリールを「第2停止リール」、最後に停止制御されたリールを「第3停止リール」ということとする。
【0093】
停止ボタン7L,7C,7Rのいずれかからの入力信号を確認すれば(ST16で“YES”)、ST18の処理に移り、停止ボタン7L,7C,7Rのいずれかからの入力信号が確認されないとき(ST16で“NO”のとき)は、自動停止タイマが“0”となったことを確認して(ST17で“YES”)、ST18の処理に移る。
【0094】
ST18の処理では、上記確率抽選処理(ST12)で決定した内部当選役、停止要求されているリールの回転位置、停止ボタンの押されたタイミング等に応じてリールの滑りコマ数を決定する。そして、決定した滑りコマ数に基づき停止要求されているリールを停止制御する(ST19)。
【0095】
ST19の停止制御が行われた後、全リールが停止したかどうかを確認し(ST20)、“NO”であればST16の処理に戻り、“YES”であれば、続いて図9のST21に移る。
【0096】
図9を参照し、ST21では、各主リール3L,3C,3Rの停止態様が上記確率抽選処理(ST12で決定した内部当選役の入賞を示す図柄の組合せ(入賞役)と合致しているかどうかを検索し、合致していれば、当該入賞役を示す入賞フラグをメインRAM33に記憶する。この入賞フラグが正常にメインRAM33に記憶されていれば(ST22で“YES”)、ST24の処理に移り、入賞フラグが正常にメインRAM33に記憶されていなければ(ST22で“NO”)、「イリーガルエラー」の表示を行う(ST23)。
【0097】
ST24では、入賞役を副制御回路側に知らせるための「入賞役コマンド」を副制御回路29に送信する。続いて、入賞フラグおよび遊技状態に応じて、コインのクレジットおよび払出しを行う(ST25)。
【0098】
次に、ST14の演出選択処理で選択されたロック時間中、遊技者による遊技操作を無効とする「操作無効化処理」を行う(ST26)。この「操作無効化処理」の詳細については、図14を参照して後述する。
【0099】
次に、遊技状態がBB遊技状態中またはRB遊技状態中のいずれかである場合(ST27で“YES”)、BB遊技状態中であれば、「RB最大発生可能回数」又は「BB一般ゲーム可能回数」のいずれかの終了条件を満たしているかどうかをチェックし、RB遊技状態中であれば、「RBゲーム入賞可能回数」又は「RBゲーム可能回数」のいずれかの終了条件を満たしているかどうかをチェックする(ST28)。このST28において、BBの終了条件を満たしているときは(ST29で“YES”)、BB遊技状態終了時のメインRAM33の記憶内容を消去し(ST30)、コインの清算動作および遊技の打ち止め動作を行う打ち止め処理を行う(ST31)。
【0100】
図10は、ST14(図8)で行われた「演出選択処理」の手順を示す。
【0101】
この「演出選択処理」では、まず、この演出選択処理に必要な乱数値を抽出し(ST40)、ここで抽出された乱数値と現在選択されている演出ステージ番号とに基づき、「演出ステージ番号選択テーブル」(図11)を参照して、今回のゲームの演出ステージ番号を選択する(ST41)。なお、電源投入直後のゲームでは、演出ステージ番号は“0”にセットされている。
【0102】
図11は、「演出ステージ番号選択テーブル」を示す。この図11に示すように、「演出ステージ番号選択テーブル」は、現在選択されている演出ステージ番号と同じ演出ステージ番号が今回のゲームの演出ステージ番号として選択されやすいように構成されている。このような「演出ステージ番号選択テーブル」の構成とすることで、同一の演出ステージが一定期間続行される。すなわち、頻繁に演出ステージが変わることはない。なお、この「演出ステージ番号選択テーブル」で、演出ステージ番号“0”が選択された場合は、今回のゲームは「リーチ目ステージ」となり、演出ステージ番号“1”が選択された場合は、今回のゲームは「完全告知ステージ」となり、演出ステージ番号“2”が選択された場合は、今回のゲームは「小役予兆ステージ」となり、演出ステージ番号“3”が選択された場合は、今回のゲームは「レースステージ」となる。
【0103】
再び、図10のフローチャートを参照し、ST41において選択された演出ステージ番号が“1”かどうか判別し(ST42)、“1”であれば(ST42で“YES”)、続いて、既にWINランプ18が点灯しているかどうか判別し(ST43)、ここで“YES”であれば、ST50の処理に移る。一方、WINランプ18が点灯していない場合(ST43で“NO”の場合)は、続いて、内部当選役がBB又はRBであるかどうか判別し(ST44)、ここで“NO”の場合は、ST50の処理に移り、“YES”の場合は、WINランプ点灯要求をメインRAM33の所定領域にセットして(ST45)、ST50の処理に移る。
【0104】
ST42で“NO”の判別がなされた場合は、続いて、ST41において選択された演出ステージ番号が“3”であるかどうかを判別する(ST46)。ここで“NO”の場合は、ST50の処理に移り、“YES”の場合は、「レースステージ」において必要な、馬番表示カウンタに表示する馬番及びロックの有無を選択する「馬番・ロック有無選択処理」を行う(ST47)。この「馬番・ロック有無選択処理」で“ロック有り”が選択されたときは(ST48で“YES”)、ロック時間を選択する「ロック時間選択処理」を行う(ST49)。ここで、「ロック」とは、主リール3L,3C,3Rの全停止後、操作を無効とすることをいい、「ロック時間」とは、操作の無効を継続する時間をいう。
【0105】
そして、この「演出選択処理」で決定された、ステージ番号、馬番、ロックの有無及びロック時間を情報として含む「演出コマンド」を副制御回路に送信し(ST50)、「演出選択処理」を終了する。
【0106】
図12は、ST47の「馬番・ロック有無選択処理」において参照される「馬番・ロック有無選択テーブル」について示す。「馬番・ロック有無選択テーブル」は、この図12に示すように、現在の遊技状態が、通常の一般遊技状態中であるか、或いは、ボーナスに内部当選している一般遊技状態中であるかどうかによって分けられている。そして、「馬番・ロック有無選択処理」では、現在の遊技状態及び内部当選役に応じて、この「馬番・ロック有無選択テーブル」の所定の欄が参照され、ST40で抽出された乱数値に基づいて、馬番表示カウンタに表示する馬番及びロックの有無が選択される。ここで、通常の一般遊技状態中に参照される「馬番・ロック有無選択テーブル」は、図12に示すように、「ロックなし」が選択されやすいような構成となっている。
【0107】
図13は、ST49の「ロック時間選択処理」において参照される「ロック時間選択テーブル」について示す。この図13に示すように、「ロック時間選択テーブル」には、「4.5秒」、「12.5」秒及び「21秒」の3種類のロック時間が設定され、ST40で抽出された乱数値に基づいて、1つのロック時間が選択される。
【0108】
図14は、ST26(図9)で行われた「操作無効化処理」の手順を示す。
【0109】
まず、ST47の「馬番・ロック有無選択処理」で“ロック有り”が選択されたかどうか、すなわち、ロック要求の有無を確認し(ST50)、ここで“NO”の場合は「操作無効化処理」を終了し、“YES”の場合は、ST47の「馬番・ロック有無選択処理」で選択された馬番を馬番表示カウンタ25に表示する処理を行う(ST51)。そして、ST49の「ロック時間選択処理」で選択された時間を、ロック時間を管理するタイマーにセットし(ST52)、操作を無効化する(ST53)。
【0110】
次に、メインRAM33の所定領域にWINランプ点灯要求がセットされているかどうか判別し(ST54)、ここで“YES”であれば、WINランプ点灯処理を行う(ST55)。
【0111】
そして、ST52でセットされたロック時間が経過し、タイマが“0”になったかどうか判別し(ST56)、“YES”であれば、この「操作無効化処理」を終了する。
【0112】
以上が、主制御回路28で行われるメイン処理の手順である。
【0113】
次に、副制御回路29で行われる処理について説明する。
【0114】
図15は、副制御回路29で行われる「演出処理」の手順を示す。ここでは、主制御回路28より受信した「演出コマンド」に指定された情報に基づき処理される。
【0115】
まず、この「演出処理」に必要な乱数値を抽出する(ST60)。次に、演出ステージ番号が“0”かどうか判別し(ST61)、“NO”であればST62に移り、“YES”であれば、この「演出処理」を終了する。このように、演出ステージ番号が“0”の場合(ST61で“YES”の場合)は「リーチ目ステージ」が選択され、これは、主リール3L,3C,3Rの「リーチ目」による演出のみが行われる演出ステージであるため、副制御回路29では演出処理が行われない。
【0116】
次に、演出ステージ番号が“1”かどうか判別し(ST62)、“NO”であればST63に移り、“YES”であれば、この「演出処理」を終了する。このように、演出ステージ番号が“1”の場合(ST62で“YES”の場合)は、「完全告知ステージ」が選択され、これは、WINランプ点灯によるボーナス内部当選の報知が行われる演出ステージであるため、副制御回路29では演出処理が行われない。
【0117】
次に、演出ステージ番号が“2”かどうか判別し(ST63)、“NO”であればST68に移り、“YES”の場合は、演出用リール23による演出が行われる「小役予兆ステージ」であるため、演出用リール23の動作についての各種設定処理が行なわれる。
【0118】
まず、演出用リール23の回転方向を選択する「回転方向選択処理」を行い(ST64)、続いて、演出用リール23の回転開始のタイミングを選択する「回転開始タイミング選択処理」を行い(ST65)、そして、演出用リール23の停止図柄を選択する「演出用リール停止図柄選択処理」を行う(ST66)。以上の選択結果に基づき、演出用リール23の回転処理を行う(ST67)。
【0119】
ST64の「回転方向選択処理」では、「正回転」としての左方向と「逆回転」としての右方向が1/2の確率で選択される。また、ST65の「回転開始タイミング選択処理」では、演出用リール23の回転開始のタイミングとして、「スタート時」、「第1停止時」及び「第2停止時」のいずれかが1/3の確率で選択される。
【0120】
図16及び図17は、ST66の「演出用リール停止図柄選択処理」で参照される「演出用リール停止図柄選択テーブル」を示す。図16に示す「演出用リール停止図柄選択テーブル」は、通常の一般遊技状態中に参照され、図17に示す「演出用リール停止図柄選択テーブル」は、ボーナスに内部当選している一般遊技状態中に参照される。
【0121】
そして、この「演出用リール停止図柄選択処理」では、内部当選役とST60で抽出された乱数値とに基づいて、演出用リールの停止図柄が選択される。具体的には、図6に示した停止態様のうちのいずれかが選択される。
【0122】
再び図15を参照し、ST68において、演出ステージ番号が“3”かどうかを判別し、“NO”であればST61に戻り、“YES”の場合は、主リール3L,3C,3Rの全停止後に演出用リール23による演出が行われる「レースステージ」であるため、この「レースステージ」での演出についての各種設定処理が行なわれる。
【0123】
まず、主リール3L,3C,3Rが全停止したときに主制御回路28より送信される「全停止コマンド」を受信したかどうか判別し(ST69)、「全停止コマンド」の受信を確認すれば(ST69で“YES”)、「演出コマンド」よりロックの要求があるかどうかを判別する(ST70)。ここで“NO”のときは、この「演出処理」を終了し、“YES”であれば、演出用リール23の最終停止時に表示する馬図柄を選択する「最終停止図柄選択処理」を行う(ST71)。
【0124】
そして、演出用リール23を回転させ、馬番表示カウンタ25に表示されている馬番の馬図柄を一旦停止表示した後(ST72)、演出用リール23の回転を開始させる(ST73)。そして、所定時間(ロック時間)経過後、演出用リール23をST71で選択された図柄で停止させる(ST74)。
【0125】
図18は、ST71の「最終停止図柄選択処理」で参照される「勝ち負け選択テーブル」を示す。この図18に示すように、「勝ち負け選択テーブル」は、現在の遊技状態が、通常の一般遊技状態中であるか、或いは、ボーナスに内部当選している一般遊技状態中であるかどうかによって分けられている。そして、「最終停止図柄選択処理」では、まず、現在の遊技状態及び受信した演出コマンドの指定情報に含まれる馬番と内部当選役に応じて「勝ち負け選択テーブル」の所定の欄が参照される。そして、ST60で抽出された乱数値に基づいて、“勝ち”又は“負け”のいずれかがが選択される。ここで、この図18に示すように、通常の一般遊技状態中に参照される「勝ち負け選択テーブル」は、“負け”が選択されやすいような構成となっている。
【0126】
「勝ち負け選択テーブル」により、“勝ち”が選択された場合は、馬番表示カウンタに表示される馬番と同じ馬番の馬図柄が演出リール23の最終停止図柄として選択され、一方、“負け”が選択された場合は、馬番表示カウンタに表示される馬番と異なる馬番の馬図柄が演出リール23の最終停止図柄として選択される。
【0127】
図19は、「勝ち負け選択テーブル」により“負け”が選択された場合に、最終停止図柄として表示する馬図柄(勝馬図柄)を選択するための「勝馬図柄選択テーブル」を示す。ここでは、“負け”が決定した馬番に応じて「勝馬図柄選択テーブル」の所定の欄が参照され、ST60で抽出された乱数値に基づいて、最終停止図柄としての勝馬図柄が選択される。
【0128】
以上の実施例では、ゲーム毎に毎回、今回の演出ステージをどれにするかの抽選を行っているが、演出ステージ毎のゲーム数を予め設定しておき、そのゲーム数消化後に演出ステージについての抽選を行うようにしてもよい。
【0129】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、スロットマシン1の主パネル表示部2aに、機械的可変表示手段としての主リール3L,3C,3Rに代えて液晶,LED,CRT等の等の電気的表示装置を設け、主リール3L,3C,3Rの動作を擬似的に表示するようにしてもよい。
【0130】
また、演出用リール23についても、機械式のリールに代えて、液晶、LED、CRT等の電気的表示手段を用いるようにしてもよい。
【0131】
また、実施例のようなスロットマシンの他、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のスロットマシンの正面斜視図。
【図2】実施例のスロットマシンに用いられる回路構成を示すブロック図。
【図3】実施例のスロットマシンに用いられる副制御回路の構成を示す図。
【図4】主リールの外周に配される複数種類のシンボルからなるシンボル列を示す図。
【図5】演出用リールの外周に配される7個のシンボルからなるシンボル列を示す図。
【図6】小役予兆ステージにおいて演出用リールの停止態様が予兆する内部当選役の具体例を示す図。
【図7】主制御回路で行われるメイン処理の手順を示すフローチャート。
【図8】図7の続きを示すフローチャート。
【図9】図8の続きを示すフローチャート。
【図10】演出選択処理の手順を示すフローチャート。
【図11】演出ステージ番号選択テーブルを示す図。
【図12】馬番・ロック有無選択テーブルを示す図。
【図13】ロック時間選択テーブルを示す図。
【図14】操作無効化処理の手順を示すフローチャート。
【図15】演出処理の手順を示すフローチャート。
【図16】通常の一般遊技状態中に参照される演出用リール停止図柄選択テーブルを示す図。
【図17】ボーナスに内部当選している一般遊技状態中に参照される演出用リール停止図柄選択テーブルを示す図。
【図18】勝ち負け選択テーブルを示す図。
【図19】勝馬図柄選択テーブルを示す図。
【符号の説明】
1…スロットマシン、2…フロントドア、3L,3C,3R…主リール、3LS,3CS,3RS…主ステッピングモータ、4L,4C,4R…主表示窓、5…コイン投入口、5S…投入コインセンサ、6…スタートレバー、6S…スタートスイッチ、7L,7C,7R…停止ボタン、8…入賞ライン、9…有効化ランプ、10…台座部、11…1-BETスイッチ、12…2-BETスイッチ、13…最大-BETスイッチ、14…C/Pスイッチ、15…コイン払出口、16…コイン受け部、17…透音口、18…WINランプ、19…完全告知ステージ報知ランプ、20…小役予兆ステージ報知ランプ、21…レースステージ報知ランプ、22…演出用表示窓、23…演出用リール、23S…サブステッピングモータ、24…クレジット数表示部、25…馬番表示カウンタ、26…入賞配当枚数表示部、28…主制御回路、29…副制御回路、30…メインマイクロコンピュータ、51…サブマイクロコンピュータ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2014-02-28 
出願番号 特願2000-214799(P2000-214799)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
P 1 41・ 851- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小林 英司  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 吉村 尚
瀬津 太朗
登録日 2010-04-09 
登録番号 特許第4487084号(P4487084)
発明の名称 遊技機  
代理人 瀧本 十良三  
代理人 塩澤 克利  
代理人 鹿股 俊雄  
代理人 塩澤 克利  
代理人 鹿股 俊雄  
代理人 瀧本 十良三  

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