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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C10M
管理番号 1286754
審判番号 不服2013-2504  
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-02-08 
確定日 2014-04-08 
事件の表示 特願2006-165796「排気煙生成が低減する低灰分又は無灰2サイクル潤滑油」拒絶査定不服審判事件〔平成18年12月28日出願公開、特開2006-348297〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2006年6月15日(パリ条約による優先権主張2005年6月15日、アメリカ合衆国)の出願であって、平成24年10月3日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成25年2月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

2.本願発明
本願の請求項1?6に係る発明は、願書に添付された明細書、特許請求の範囲、及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち、請求項1に係る発明の特許請求の範囲は次のとおりである。
「【請求項1】
100℃にて少なくとも6.5mm^(2)/s(cSt)の動粘度及び少なくとも85のJASO M342排気煙指数を有する低灰分2サイクル潤滑油組成物であって、
(a)400?2200の数平均分子量及びポリマー中の二重結合の合計数に基づいて少なくとも60モル%の末端ビニリデン含量を有する、ポリブテン、ポリイソブチレン又はポリブテンとポリイソブチレンの混合物からなる群より選ばれたオレフィン系不飽和ポリマー15?35質量%;
(b)25℃において1?5cP.の粘度を有する通常液体の炭化水素溶媒又は鉱油溶媒 20?30質量%;
(c)2サイクル油用の添加剤パッケージ 1?5質量%; 及び
(d)100℃にて4?15mm^(2)/s(cSt)の粘度を有する鉱油若しくは合成油又はそれらの混合物;
を含む前記組成物。」

3.本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)について
(1)本願発明1は、上記2.に記載したとおりである。
(2)引用例
(2-1)引用例1
特表2000-500797号公報(以下、「引用例1」という。)には、下記の事項が記載されている。
(あ)「【特許請求の範囲】
1.以下の(a)?(e)を含む2サイクルオイル組成物:
(a)ペンタエリトリトール(工業銘柄)と、(i)C_(8)分枝状モノカルボン酸及び(ii)混合C_(8)及びC_(10)直鎖状モノカルボン酸の混合物とのエステルであり、100℃で約6?8cStの粘度を有する第1合成エステルのベースストックオイル10?20重量%、
(b)ジカルボン酸のオキソアルコールエステルであり、100℃で、3?10cStの粘度を有する、第2合成エステルのベースストックオイル18?30重量%、
(c)300?1500の数平均分子量を有するポリブテン30?40重量%、
(d)300℃までの沸点を有する、通常液体の溶剤15?35重量%、
(e)他の潤滑油添加剤0?5重量%。
2.(a)の量が15%で、(b)の量が19?25%で、(c)の量が35%で、かつ(d)の量が25%である請求項1に記載の組成物。
3.(b)が、100℃で約5.3cStの粘度を有するオキソトリデシルアジペートである請求項1又は2に記載の組成物。
4.(c)ポリブテンが950のMnを有する請求項1又は2に記載の組成物。
5.(d)が、91.1?113.9℃の沸点範囲を有するナフテン系溶剤である請求項1又は2に記載の組成物。
6.請求項1又は2に記載の組成物1重量部あたり20?250重量部の燃料を含み、改良された洗浄性を示し、かつ燃焼の際の排気口閉塞が低減される2サイクルエンジン用の燃料潤滑剤混合物。
7.前記組成物1部あたり30?100部の範囲の燃料を含む請求項6に記載の混合物。
8.2サイクルエンジンにおける請求項1に記載の組成物の使用。
9.2サイクルエンジンにおける請求項6に記載の燃料潤滑剤混合物の使用。」(第2ページ第1?末行)
(い)「本発明は、2サイクルオイル配合物中におけるエステルベースストックオイルのブレンドの使用により、種々の改良、最も顕著には、排気口の閉塞の低減及び洗浄性についての改良(2サイクルエンジン試験により測定)を示す潤滑剤が提供されるという知見に基づくものである。」(第3ページ第24?27行)
(う)「本発明において使用するポリブテンポリマーは、典型的には、ポリブテンの混合物、通常はC4オレフィンの重合により生じるポリイソブチレン及びポリ-n-ブテンの混合物であり、かつ、約300?1500の数平均分子量を有しており、また、約400?1300の数平均分子量を有するポリブテン又はポリイソブチレンが特に好ましく、約950の数平均分子量を有するポリイソブチレン及びポリブテンの混合物が最も好ましい。数平均分子量(Mn)は、ゲル透過クロマトグラフィーでの測定による。100%ポリイソブチレン又は100%ポリ-n-ブテンからなるポリマーもまた、本発明の範囲内にあり、用語“ポリブテンポリマー”に含まれる。」(第5ページ第16?24行)
以上の事項からみて、引用例1には、次の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されていると認められる。
「以下の(a)?(e)を含む2サイクルオイル組成物:
(a)ペンタエリトリトール(工業銘柄)と、(i)C_(8)分枝状モノカルボン酸及び(ii)混合C_(8)及びC_(10)直鎖状モノカルボン酸の混合物とのエステルであり、100℃で約6?8cStの粘度を有する第1合成エステルのベースストックオイル10?20重量%、
(b)ジカルボン酸のオキソアルコールエステルであり、100℃で、3?10cStの粘度を有する、第2合成エステルのベースストックオイル18?30重量%、
(c)300?1500の数平均分子量を有するポリブテン30?40重量%、
(d)300℃までの沸点を有する、通常液体の溶剤約15?35重量%、
(e)他の潤滑油添加剤0?5重量%。」
(2-2)引用例2
国際公開第02/057397号(以下、「引用例2」という。)には、下記の事項が記載されている。
(か)「CLAIMS:
1. A two-cycle lubricating oil composition having a kinematic viscosity of at least 6.5 mm^(2)/s (cSt) at 100°C and a JASO M342 Smoke Index of at least 85 which comprises an admixture of:
(a) 5 to 20% by weight of a polybutene polymer being a polybutene, polyisobutylene or a mixture of polybutenes and polyisobutylenes having a number average molecular weight of about 400 to 2200;
(b) 30 to 45% by weight of a normally liquid hydrocarbon or mineral oil solvent having a viscosity of 2 to 12 mm^(2)/s (cSt) at 40°C;
(c) O to 10% by weight of an additive package for two cycle lubricating oil additives such additives being present in such amounts to satisfy the JASO M345 standards for two cycle lubricating oil compositions; and
(d) the balance a lubricating oil having a viscosity of 20 to 180 mm^(2)/s (cSt) at 40°C.
2. The composition of claim 1 wherein the (a) ingredient has an Mn of about 950.
3. The composition of claim 1 wherein the (b) ingredient is a paraffin mineral oil solvent having a viscosity of 3-5 mm^(2)/s (cSt) at 40°C.
4. The composition of claim 1 wherein the (c) ingredient comprises a polyisobutenyl succinimide dispersant.
5. The composition of claim 1 wherein the (c) ingredient comprises a metal phenate, sulfonate or salicylate detergent having a Total Base Number 200 or less.
6. The composition of claim 1 wherein there is present about 12-15 wt.% of the (a) ingredient.
7. The composition of claim 1 wherein there is present 35-40 wt.% of the (b) ingredient.
8. The composition of claim 1 wherein there is present 1-7% by weight of the (c) ingredient.」(第12ページ第1行?第13ページ第6行)
以上の事項等からみて、引用例2には、引用例1と同様に、2サイクル潤滑油組成物であって、ポリイソブチレン、炭化水素溶媒又は鉱油溶媒、添加剤パッケージ、鉱油又は合成油を含む組成物が示されている。
(2-3)引用例3
特開平2-92995号公報(以下、「引用例3」という。)には、下記の事項が記載されている。
(さ)「〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、前記の従来技術の問題点を解消した清浄性及び耐焼付性が共に優れた、排気煙の少ない2サイクルエンジン用潤滑油組成物を捉供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の2サイクルエンジン用潤滑油組成物は、(A)エチレンとα-オレフィンとの共重合体及び炭素数6?18のα-オレフィンの重合体から選ばれる少なくとも1種の重合体40?90重景%、(B)100℃の動粘度が2?600cStのポリブテン0?50重量%、(C)沸点300℃以下の炭化水素系溶剤5?50重量%及び(D)2サイクルエンジン用添加剤2?20重量%からなる混合物を主成分とするものである。」(第2ページ左上欄第1?15行)
(し)「B成分のポリブテンは100℃の動粘度が2?600cStのものが用いられる。このポリブテンは必ずしも必須成分ではなく50重量%以下用いられ、清浄性をさらに向上させる効果を有している。50重量%を超えて使用すると耐焼付性が低下する。したがって、B成分の特に好ましい配合量は5?40重量%である。」(第2ページ左下欄第19行?右下欄第5行)
以上の事項等からみて、引用例3には、引用例1と同様に、2サイクル潤滑油組成物であって、ポリイソブチレン、炭化水素溶媒又は鉱油溶媒、添加剤パッケージ、鉱油又は合成油を含む組成物が示されている。
(2-4)引用例4
特表2002-505694号公報(以下、「引用例4」という。)には、下記の事項が記載されている。
(た)「 補正した請求の範囲
1.清浄力を改良し、排気装置及び触媒のブロッキングを減少させ、低レベルの 排気煙を生成するために、二行程モーターサイクル用潤滑剤の基油として、100℃で4cSt以下の粘度と、-30℃以下好ましくは-39℃以下の流動点とを持ったナフテン系原油から誘導された鉱油の使用。
2.100℃で粘度が約2cStであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
3.潤滑剤がさらに灰分のない油溶性のアミンを清浄剤系統のものとして含んでいることを特徴とする、請求項1又は2に記載の使用。
4.灰分のない油溶性のアミンが少なくとも450、好ましくは900-1500の範囲内の分子量を持っていることを特徴とする、請求項3に記載の使用。
5.灰分のない油溶性のアミンがポリイソブテン・アミンであることを特徴とする、請求項3又は4に記載の使用。
6.灰分のない油溶性のアミンがポリイソブテン・フェノールアミンであることを特徴とする、請求項3又は4に記載の使用。
7.灰分のない油溶性のアミンがポリエーテルアミンであることを特徴とする、請求項3又は4に記載の使用。
8.灰分のない油溶性のアミンが、ポリイソブテン・アミン、ポリイソブテン・フェノールアミン及び/又はポリエーテルアミンの組み合わせたものであることを特徴とする、請求項3-7の何れか1つに記載の使用。
9.潤滑剤が染色できるものであることを特徴とする、前記請求項の何れか1つに記載の使用。」(第16ページ第4行?25行)
(ち)「この発明は、二行程のモーターサイクル用潤滑剤に関するものである。
二行程モーターサイクルエンジン用潤滑剤は、動く部分を潤滑し冷却するためのものである。二行程モーターサイクルのエンジンでは、潤滑剤が燃料充填とともに燃焼して排気装置、排気ガス出口、燃焼室の中及びピストン上に燃焼生成物のデポジットを残す。このデポジットはエンジン機能の低下を招来し、エンジンと排気装置との全体の活動寿命を縮める。
最近の二行程潤滑剤は、増稠剤及び溶剤とともに基油中に均衡のとれた添加剤を含むのが普通である。」(第17ページ第5?12行)
(つ)「基油は、添加剤の担体であって潤滑剤の負荷容量を助けるものである。基油は-12℃以上の流動点を持った鉱油を基材とするのが普通である。潤滑剤は、鉱物性の基油と添加剤だけからなるものでない。なぜならば、それだけではJASOの排気煙テストFCレベル(テストの詳細は後述する)に合格しないと考えられるからである。JASO排気煙テストFCレベルに合格するために、ポリイソブテン(PIB)増稠剤が加えられる。ホリイソブテンは潤滑剤を上記テストに合格させることができる鉱油に比べて、非常に低い排気煙レベルを持っている。」(第17ページ第21?27行)
(て)「また、この二行程モーターサイクル用潤滑剤は増稠剤を含むことができる。増稠剤はポリイソブテンであることが好ましく、そのポリイソブテンは450以上の分子量を持っていることが好ましく、中でも950以上の分子量を持っていることがさらに好ましい。増稠剤は反応性のポリイソブテンであることがさらに好ましく、その反応性のポリイソブテンは450以上の分子量を持っていることが好ましく、950以上の分子量を持っていることがさらに好ましい。反応性のポリイソブテンは、末端不飽和部の少なくとも80%がアルファ位置にあるという点で、標準的なポリイソブテンと異なっている。適当な通常のポリイソブテンはハイビス(Hyvis)07とハイビス10であり、適当な反応性ポリイソブテンはウルトラビス(Ultravis)5とウルトラビス10であり、これらはすべてBPケミカルズから販売されている。ポリイソブテン増稠剤は、これを二行程潤滑剤に添加すると、排気煙やデポジット生成に悪い影響を与えないで粘度を増大させる。潤滑剤の粘度を大きくするために、高粘度の鉱物性基油を使用することができるが、そのような基油は排気煙とデポジット生成に悪い影響を与える。」(第19ページ第22行?第20ページ第7行。なお、「ハイビス(Hyvis)」、「ウルトラビス(Ultravis)」は登録商標である。)
(2-5)引用例5
特開平7-150162号公報(以下、「引用例5」という。)には、下記の事項が記載されている。
(な)「【請求項1】 300?2000の分子量(Mn)を有するポリブテンポリマーまたはポリマーの混合物からなる2-ストロークエンジン油において、740cm^(-1)でのポリマーにおける-CH_(2) CH_(2) -n-ブテン単位の赤外吸光度と、4315cm^(-1)と4345cm^(-1)との間のC-H上音吸光度との比として規定されるポリマー骨格におけるn-ブテンの比率が700以下のMnの数値を有するポリブテンにつき<0.2であり、Mn=>700のポリブテンにつき<0.12であることを特徴とする2-ストロークエンジン油。
【請求項2】 300?2000の数平均分子量(Mn)を有するポリブテンポリマーまたはポリマーの混合物からなり、740cm^(-1)でのポリマーの赤外吸光度と4335cm^(-1)における吸光度との比により規定されるポリマー骨格におけるn-ブテンの比率が700以下のポリマーのMnにて<0.2であり、>700のポリマーのMnにて<0.12であることを特徴とする請求項1に記載の2-ストロークエンジン油。
【請求項3】 ポリブテンポリマーが実質的に塩素を含まない請求項1または2に記載の2-ストロークエンジン油。
【請求項4】 ポリブテンポリマーが、ポリマーにおける不飽和結合の60%以上をビニリビン(……=CH_(2) )型とする請求項3に記載の2-ストロークエンジン油。
【請求項5】 ポリブテンが310?1300の範囲のMnにつき2?674 cStの範囲の粘度を有する請求項1?4のいずれかに記載の2-ストロークエンジン油。
【請求項6】 エンジン油に存在するポリブテンの量が15?80%w/wの範囲である請求項1?5のいずれかに記載の2-ストロークエンジン油。
【請求項7】 エンジン油が20?70%w/wの範囲のレベルにて鉱油を含有する請求項1?6のいずれかに記載の2-ストロークエンジン油。
【請求項8】 エンジン油が低灰分の添加物と炭化水素希釈剤とを含有して、油の取扱性を向上させると共に油と燃料との混和性を向上させる請求項1?7のいずれかに記載の2-ストロークエンジン油。
【請求項9】 エンジン油が合成エステル、ポリ-α-オレフィンおよびアルキル化ベンゼンを含有して高性能製品を生成する請求項1?8のいずれかに記載の2-ストロークエンジン油。」
(に)「【0008】…相対的n-ブテン含有量を次のように計算した:
740cm^(-1)における吸光度/4335cm^(-1)における吸光度
これが下記する計算に用いた方法である。
【0009】これを実施するため、比較的低いn-ブテン含有量を有し或いはこれを実質的に含まないポリブテン(PIB)を本出願人によるEP-A-0 145 235号に記載された方法により作成し、すなわち予備生成した三弗化硼素-エタノール複合体をイソブテンの重合につき触媒として使用する(そこに記載された方法を参考のためここに引用する)。この方法は、n-ブテン含有量が低いだけでなく実質的に塩素を含まないポリマーを与えた。この種の方法における生成物は、実施例に使用したウルトラビス(登録商標)級のポリブテン(BPケミカルス・リミテッド社から市販)である。n-ブテン含有量が低い或いは実質的にこれを含まないポリブテンは、供給原料および/または工程条件を慎重に選択して他の方法により作成することもできる。比較目的で、使用した比較的高いn-ブテン含有量を有するポリブテンは市販のハイビス(登録商標)級(これもBPケミカルス・リミテッド社から入手しうる)とした。」
(ぬ)「【0014】さらに本発明の特徴は、ここで用いるPIBポリマーが実質的に塩素を含まなくてもよいことである。塩素もしくはその誘導体が排気ガス中に存在することは望ましくなく、したがって塩素フリーのPIBを使用することが最も望ましい。たとえばそれぞれハイビス(登録商標)5およびハイビス(登録商標)10から作成された2-ストロークエンジン油は-97ppmおよび-45ppmの塩素を有したのに対し、ウルトラビス(登録商標)5およびウルトラビス(登録商標)10から得られたものはそれぞれ<5ppmの塩素を有することが判明した。これは、塩素含有化合物をウルトラビス(登録商標)級のポリブテンの製造に使用しないという事実に起因する。したがって、ポリブテンにおける塩素のレベルは検出レベルよりも低く、実質的に塩素を含まないと考えられる。」
(ね)「【0024】上記2種の組成物のJASO煙試験が示したところでは、ポリマー骨格における低n-ブテン含有量のウルトラビス(登録商標)5ポリブテンはハイビス(登録商標)5を有する対応の組成物よりも煙放出の減少が大であった。試験の結果を下表3に示す。」
(の)「【0026】JASO煙試験が示したところでは、ポリマー骨格における低n-ブテン含有量のウルトラビス(登録商標)10ポリブテンを含有する組成物は比較的高いn-ブテン含有量を有するハイビス(登録商標)10を含有した対応の組成物よりも煙放出の減少が大であった。この煙試験の結果を下表3に示す:」
(は)「【0037】このように、これら組成物の両者につき行なったJASO煙試験が示したところでは、ポリマー骨格中に低n-ブテン含有量を有するウルトラビス(登録商標)PB25ポリブテンを含有した組成物はポリマー骨格中に比較的高いn-ブテン含有量を有するハイビス(登録商標)PB25ポリブテンを含有した対応の組成物よりも煙放出の減少が大であった。」
(ひ)「【0042】このように、JASO煙試験が示したところでは、ポリマー骨格中にn-ブテンを実質的に含まないPPIB5ポリブテンを含有した組成物はポリマー骨格中に比較的高いn-ブテン含有量を有するハイビス(登録商標)5ポリブテンを含有した対応の組成物よりも煙放出の減少が大であった。
【0043】
【発明の効果】本発明の2-ストロークエンジン油によれば、2-ストロークエンジンからの排気ガスにおける目に見える煙を減少させるだけでなく、低レベルの炭素沈着物しか形成しない等の効果を得ることができる。」
(3)対比
本願発明1と引用例1発明とを対比すると、
後者の「2サイクルオイル組成物」は前者の「2サイクル潤滑油組成物」に相当し、
後者の「(a)ペンタエリトリトール(工業銘柄)と、(i)C_(8)分枝状モノカルボン酸及び(ii)混合C_(8)及びC_(10)直鎖状モノカルボン酸の混合物とのエステルであり、100℃で約6?8cStの粘度を有する第1合成エステルのベースストックオイル10?20重量%、(b)ジカルボン酸のオキソアルコールエステルであり、100℃で、3?10cStの粘度を有する、第2合成エステルのベースストックオイル18?30重量%」は、それを構成する(a)、(b)のベースストックオイルの粘度がいずれも前者の粘度の条件を充足していることからみて、後者の「(d)100℃にて4?15mm^(2)/s(cSt)の粘度を有する鉱油若しくは合成油又はそれらの混合物」に相当する。
後者の「(c)300?1500の数平均分子量を有するポリブテン30?40重量%」と、前者の「(a)400?2200の数平均分子量及びポリマー中の二重結合の合計数に基づいて少なくとも60モル%の末端ビニリデン含量を有する、ポリブテン、ポリイソブチレン又はポリブテンとポリイソブチレンの混合物からなる群より選ばれたオレフィン系不飽和ポリマー15?35質量%」は、「ポリブテンを含むポリマー」である点で一致する。
後者の「(d)300℃までの沸点を有する、通常液体の溶剤15?35重量%」と、前者の「(b)25℃において1?5cP.の粘度を有する通常液体の炭化水素溶媒又は鉱油溶媒 20?30質量%」は、「通常液体の溶媒」である点で一致する。
後者の「(e)他の潤滑油添加剤0?5重量%」と前者の「(c)2サイクル油用の添加剤パッケージ 1?5質量%」は、「2サイクル油用の添加剤」である点で一致する。
したがって、本願発明1の用語に倣って整理すると、両者は、
「2サイクル潤滑油組成物であって、
(a)ポリブテンを含むポリマー;
(b)通常液体の溶媒;
(c)2サイクル油用の添加剤;及び
(d)100℃にて4?15mm^(2)/s(cSt)の粘度を有する鉱油若しくは合成油又はそれらの混合物;
を含む前記組成物。」である点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点1]
本願発明1の2サイクル潤滑油組成物は、「(a)400?2200の数平均分子量及びポリマー中の二重結合の合計数に基づいて少なくとも60モル%の末端ビニリデン含量を有する、ポリブテン、ポリイソブチレン又はポリブテンとポリイソブチレンの混合物からなる群より選ばれたオレフィン系不飽和ポリマー15?35質量%」を含むのに対して、
引用例1発明の2サイクルオイル組成物は、「(c)300?1500の数平均分子量を有するポリブテン30?40重量%」を含む点。
[相違点2]
本願発明1の2サイクル潤滑油組成物は「(b)25℃において1?5cP.の粘度を有する通常液体の炭化水素溶媒又は鉱油溶媒 20?30質量%」を含むのに対し、
引用例1発明の2サイクルオイル組成物は「(d)300℃までの沸点を有する、通常液体の溶剤約15?35重量%」を含む点。
[相違点3]
本願発明1の2サイクル潤滑油組成物は「(c)2サイクル油用の添加剤パッケージ 1?5質量%」を含むのに対し、
引用例1発明の2サイクルオイル組成物は「(e)他の潤滑油添加剤0?5重量%」を含む点。
[相違点4]
本願発明1の2サイクル潤滑油組成物は「100℃にて少なくとも6.5mm^(2)/s(cSt)の動粘度及び少なくとも85のJASO M342排気煙指数を有する低灰分2サイクル潤滑油組成物」であるのに対し、
引用例1発明の2サイクルオイル組成物はそのような事項を備えるかどうか、明確でない点。

なお、引用例2、3についても、その各引用例に記載された発明と本願発明1とを対比すると、引用例1発明についての上記の一致点、及び、相違点1?4とほぼ同様の点で一致し、相違する。

(4)判断
(4-1)相違点1について
引用例1発明は、引用例1(特に上記(い))に記載されているように、2サイクルエンジンに使用される潤滑剤においてその分解生成物等による排気口の閉塞の低減、及びその洗浄性の改良を課題とする発明であり、引用例1の第10ページの表をみると、その実施例のオイル1は、エンジン試験のすべてのテストに適合し、オイル2も排気煙テスト等に適合している。
引用例1発明の「ポリブテン」に関して、引用例1(特に上記(う))には、約400?1300の数平均分子量を有するポリブテン又はポリイソブチレンが特に好ましく、約950の数平均分子量を有するポリイソブチレン及びポリブテンの混合物が最も好ましいことが記載されている。このようなポリブテンないしポリイソブチレンの効果・機能について、引用例1には特に記載されていないが、清浄性向上や排気煙低減等の効果を有することは、例えば、引用例3(特に上記(し))、引用例4(特に上記(つ))に示されているように、広く知られている。
このような「ポリブテン」としては種々のものが知られている。本願明細書にも、「本発明に有用な高反応性ポリブテンポリマー(以後、“HR-PIB”と呼ぶ)としては、二重結合の全モルに基づいて、少なくとも60モル%の末端ビニリデン含量を有する、Mn 400?2200、好ましくは約800?1500、例えば、約1000の、ポリブチレン、ポリイソブチレン又はそれらの混合物が含まれる。末端ビニリデン含量は、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも85%である。以下の発行特許: 米国特許第4,152,499号; 同第5,962,604号、同第6,562,913号、同第6,683,138号、同第6,710,140号は、そのまま、特に、高反応性ポリイソブチレンの製造法に関する教示について本願明細書に含まれるものとする。HR-PIBは、他の供給源もあるが、商品名Glissopal[R](BASF製)及びUltravis[R](BP-Amoco製)として市販されている。」と記載されているとおりである。さらに、例えば、引用例4(特に上記(て))には、二行程モーターサイクル用潤滑剤の増稠剤として、450以上の分子量、中でも950以上の分子量を持っているポリイソブテンが好ましく、末端不飽和部を有する反応性のポリイソブテンであることがさらに好ましいこと、このようなポリイソブテン増稠剤は、排気煙やデポジット生成に悪い影響を与えることなく粘度を増大させることができ、潤滑剤の粘度を大きくするために、高粘度の基油を使用するより低粘度の基油にポリイソブテン増稠剤を添加する方が好適であることが記載されており、反応性のポリイソブテンの例としてウルトラビス5、ウルトラビス10が例示されている。また、引用例5(特に上記(ね)(の))には、2-ストロークエンジン油において、ウルトラビス(登録商標)5ポリブテンはハイビス(登録商標)5を有する対応の組成物よりも煙放出の減少が大であったこと、ウルトラビス(登録商標)10ポリブテンを含有する組成物はハイビス(登録商標)10を含有した対応の組成物よりも煙放出の減少が大であったことが記載されている。以上を合わせ考えると、引用例1発明の2サイクルオイル組成物において、例えば、粘度の調整、あるいは排気煙の低減という観点から、ポリブテンに代えて引用例4、5に示されているウルトラビス等の反応性のポリイソブテンを使用することは、当業者が容易に想到し得たものと認められる。そして、本願明細書の「【0004】…HR-PIBは、他の供給源もあるが、商品名…及びUltravis[R](BP-Amoco製)として市販されている。」との記載を参酌すると、以上のようにしたものは、含有率の点を除いて、実質的に、相違点1に係る本願発明1の上記事項を具備しているといえる。
その含有率は、潤滑油・剤としての所要の性能・特性等を考慮して適宜設定・選択する事項にすぎない。なお、引用例4の配合5の例では33%、引用例5の表2の例では30.0%であり、これは、本願発明1の数値範囲を満たしている。
(4-2)相違点2について
本願発明1の「(b)25℃において1?5cP.の粘度を有する通常液体の炭化水素溶媒又は鉱油溶媒 20?30質量%」に関して、本願明細書には「【0004】…本発明に有用な溶媒は、…ExxonMobil Chemical Companyから“Exxsol D80”として販売されている鉱油や、…として販売されている鉱油が好ましい。」と記載されている。
一方、引用例1発明の「(d)300℃までの沸点を有する、通常液体の溶剤約15?35重量%」に関して、引用例1(特に第6ページ第6?17行)には、「本発明に有用な溶剤」として上記と同じものが例示されている。引用例1発明の上記溶剤として、引用例1に例示されている上記のものを用いることは、適宜なし得る事項である。
また、その含有率は、潤滑油としての所要の性能・特性等を考慮して適宜設定・選択する事項にすぎない。なお、引用例1発明の含有率は、本願発明1の含有率と相当の範囲で重複している。
(4-3)相違点3について
本願発明1の「(c)2サイクル油用の添加剤パッケージ 1?5質量%」に関して、本願明細書には「【0004】…前記添加剤は、特定の用途のためにこのような潤滑油に通常含まれる添加剤のいずれであってもよい。」と記載されている。
一方、引用例1発明の「(e)他の潤滑油添加剤0?5重量%」に関して、引用例1(第6ページ第18?20行)には「本発明は、更に、特定目的のための従来の潤滑油添加剤の1以上を5重量%まで含み、これらは、特定目的のために潤滑油に通常含まれる添加剤のいずれのものであってもよい。」と記載されている。
また、添加剤を添加剤パッケージとして使用することは、例えば、引用例2(上記(か)の(c)成分)、引用例4(特に第17ページ第17行)に記載されているように周知の技術であって、引用例1発明の添加剤を「添加剤パッケージ」とすることは適宜なし得る事項にすぎない。
また、その含有率は、潤滑油・剤としての所要の性能・特性等を考慮して適宜設定・選択する事項にすぎない。なお、引用例1発明の含有率は、本願発明1の含有率と相当の範囲で重複している。
(4-4)相違点4について
引用例1発明の2サイクルオイル組成物の動粘度がどの程度かは必ずしも明らかではないが、(a)上記したように、引用例1発明の基油の粘度は本願発明1の基油の粘度を充足していること、(b)引用例1?5には、2サイクルエンジン用潤滑油に関する技術であることが記載されていること、(c)2サイクルエンジン用潤滑油が具備すべき排気煙指数等の特性・性状は、通常、種々の規格に基づいて所与のものであり、当業者にとって特別なものではないこと、以上からすると、引用例1発明の2サイクルオイル組成物の動粘度、ないし、上記のように引用例1発明に他の引用例の事項を組み合わせて生成された2サイクルオイル組成物の動粘度は、本願発明1の2サイクル潤滑油組成物と格別異なるものではないと認められる。
また、潤滑油の動粘度は、用途や使用環境等に応じた所要性能・特性を考慮して適宜設定・選択される事項であり、さらに、本願発明1では「少なくとも6.5mm^(2)/s(cSt)の動粘度」であって、上限値が特に限定されていない点に留意すると、本願発明1の上記数値範囲を満たす値にすることに格別の困難性があるとは認められない。
「JASO M342排気煙指数」の要求値は適宜設定・選択すべき事項にすぎない。また、引用例1の第10ページの表をみると、引用例1発明の実施例であるオイル1、オイル2は本願発明1の「JASO M342排気煙指数」を満たしている。
本願発明1の「低灰分」の定量的意義は必ずしも明らかではないが、引用例1発明の「2サイクルオイル組成物」等の潤滑油が一般に低灰分であることが望ましいことは明らかであり、格別のことではない。引用例1発明もその組成からみると、金属成分を高い灰分となる量含有するものでない。

以上に関して、請求人は、審判請求の理由の「(2)引用例1?5に対して進歩性を有する理由」において、概要、次のように主張している。すなわち、
(A)「それよりも、引用文献4は、その請求項1の記載から明らかなように、100℃で8cSt以下の粘度と-30℃以下の流動点を持つ基油、つまり、粘度と流動点が極めて低い基油を用いることを特徴としており、かつ請求項5に示されているように、これに洗浄剤系のものとして灰分のない油溶性アミンを組み合わせることを特徴とするものであって、本発明とは発明の特徴が大きく異なっている。」と主張している。
しかし、単に低い、高いといっても、明確な基準が設定されていない限り、技術的客観的にみて有意義な区別に基づく主張ではなく、両者は、必ずしも、互に相容れない排他的な技術事項であるというものではない。実際、本願発明1では「(d)100℃にて4?15mm^(2)/s(cSt)の粘度を有する鉱油若しくは合成油又はそれらの混合物」であるのに対し、引用例4(第12?14ページ、第26?28ページ)の配合5、配合7及び配合11は8cStの基油を使用しており、これは、本願発明1の上記数値範囲を満たしているとともに、引用例4(第2ページ第2?4行、第5ページ第26?28行、第18ページ第28行?第19ページ第2行)には、「100℃で8cSt以下の粘度」の基油を使用する発明が開示されており、これは、本願発明1の上記数値範囲と相当の範囲で重複している。また、本願発明1の上記数値範囲の上下限値の技術的意義について特に説明がなく、かつ、該上下限値に格別顕著な技術的意義があるとも認められない。
また、本願発明1は、(a)(b)(c)(d)を含む組成物であって、その文言からすると、それ以外の成分を含まないという趣旨であるとは解されない。仮にそうであるとしても、油溶性アミンを添加するかどうかは、排気煙の清浄性等の所要性能に応じた適宜の設計にすぎない。
(B)次に、「従って、本発明以前において、当業者は、この特定のオレフィン系不飽和ポリマーを低灰分2サイクル潤滑油組成物の成分として用いると、潤滑油組成物の他の成分と反応して過剰の発煙成分を生じると考えており、低灰分2サイクル潤滑油組成物の成分として用いようとはしなかったものである。このような当業者の予想に反して、通常のポリイソブチレン(PBI)の代替物として、低灰分2サイクル潤滑油組成物の成分として用いることができたことは、当業者の予想を越えたことであり、本発明は進歩性を有するものである。」と主張している。
しかし、上記したように、引用例5には、2-ストロークエンジン油においてウルトラビス(登録商標)を使用することが開示されており、当業者は用いようとしなかったとか、当業者の予想に反する旨の上記主張はにわかに措信し難い。その主張の典拠も特に示されていない。
そして、具体的にどのような成分と反応するおそれがあるから併用できないと認識するものであるか等の具体的な論拠は示されていないこと、引用例4、5には実際に使用した例が示されていることを考慮すると、請求人の主張に直ちに首肯することはできない。
(C)さらに、「又、引用例5は、請求項1に記載されているように、特殊なポリブテンに関するものである。」と主張している
しかし、特殊かどうかはともかく、本願発明1はそのようなものを特に除外していない。

(4-5)効果について
本願明細書には、「【0013】この表のデータを検討することにより、HR-PIBを含有する低灰分2サイクル油の粘度及び排気煙指数の性能は、対応する量のPIBを含有する通常の低灰分2行程サイクル(two-stroke)油とほとんど同じであることが明らかにされる。従って、このデータは、HR-PIBが低灰分2行程サイクル油の配合及び製造にとってPIBの有用な代替物であることを証明している。」と記載されており、本願明細書の【0012】に記載されている「本発明」は、粘度及び排気煙指数の点で、「通常の低灰分2行程サイクル(two-stroke)油」と「ほとんど同じ」であって、「有用な代替物」であるとしているにすぎない。本願発明1は、少なくとも、このような「本発明」を含んでいる。そのような効果であれば、引用例1?5に記載された発明から当業者が予測しえた効果と認められる。
また、本願明細書には、「【0002】…燃料節約と環境清浄度に対する世界的な要求は、粘度及び煙生成についてますます厳しい規格を満たすように2サイクル油の製造業者を駆り立ててきた。多くの場合、これらの新しい規格は、通常、より多額な費用のかかる出発物質を使って新しい改良された2サイクル油を製造することにより満たされている。従って、燃料節約と環境清浄度に対する新しい規格を満たす代替的出発物質が求められている。」と記載されており、この記載からすると、本願発明1は、単に、排気煙指数等の性能が従来のものと「ほとんど同じ」であることにとどまらず、新たな厳しい規格に応じてさらに優れているものを当然に志向していると解され、それが当業者に通常の理解であるといえる。そして、上述したように、引用例4(特に上記(て))には、ウルトラビス5、ウルトラビス10等の末端不飽和部を有する反応性のポリイソブテンであることがさらに好ましいこと、また、引用例5(特に上記(ね)(の))には、ウルトラビス(登録商標)5、ウルトラビス10を有する組成物は煙放出の減少が大であったこと等が記載されていることに留意すると、以上のような本願発明1の効果は、引用例1?5に記載された発明及び周知の事項に基づいて当業者が予測し得る程度のものであるといわざるを得ない。
(5)むすび
以上のとおり、本願発明1は、引用例1?5に記載された発明及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

4.結語
以上のとおり、本願発明1は、引用例1?5に記載された発明及び周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そして、本願発明1が特許を受けることができないものである以上、請求項2?6に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-10-30 
結審通知日 2013-11-05 
審決日 2013-11-26 
出願番号 特願2006-165796(P2006-165796)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C10M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 品川 陽子  
特許庁審判長 山岸 利治
特許庁審判官 新居田 知生
森川 元嗣
発明の名称 排気煙生成が低減する低灰分又は無灰2サイクル潤滑油  
代理人 箱田 篤  
代理人 浅井 賢治  
代理人 熊倉 禎男  

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