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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H04W
管理番号 1286794
審判番号 不服2012-6216  
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-04-06 
確定日 2014-04-09 
事件の表示 特願2008-509133「無線通信システムにおいてパケットを暗号化及び再配列すること」拒絶査定不服審判事件〔平成18年11月 2日国際公開、WO2006/116620、平成20年11月13日国内公表、特表2008-539678〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成18年4月26日(パリ条約に基づく優先権主張 2005年4月26日 米国、2006年3月21日 米国、2006年4月25日 米国)の出願であって、平成24年4月6日に査定不服審判が請求され、平成25年4月9日付けで当審から拒絶理由が通知され、これに対して平成25年9月13日に意見書が提出されると共に、手続補正がなされたものである。


第2.本願発明
本願の請求項54に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成25年9月13日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項54に記載された事項により特定される、次のものである。

「【請求項54】
無線通信のための動作をプロセッサに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能記録媒体であって、
無線通信システムにおいて、少なくとも一つの基地局からパケットを受信する手順、
前記パケットの暗号化に使用された暗号化アルゴリズムに用いられるフルシーケンス番号を使用して、前記受信されたパケットを復号化する手順
をプロセッサに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能記録媒体。」


第3.引用発明
平成25年4月9日付けの当審拒絶理由に引用された刊行物1(米国特許公開第2002/0164029号明細書)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。なお、下線は、当審が付加した。

(a)段落番号[0010]
「Of course, such synchronization is not a problem in AM and UM transmissions, as the FNs 76 are explicitly included with the transmitted PDUs 75. The FN 76 associated with each PDU 63, 75 is used to form a count-c value 66c for that PDU 63, 75. The count-c value 66c is a 32-bit number that comprises a hyper-frame number (HFN) 66h as the most significant 32-n bits (as the FN 76 is an n-bit number) , and an FN 66f of the PDU 63, 75 to be encrypted as the least significant n bits. The HFN 66h is initially set to zero, or a specific value specified by the radio access network, and is incremented upon detection of rollover in the PDU 63, 75 FN 76. For example, if the HFN 66h has a value of zero, and a PDU 63, 75 has an associated FN 76 of 255, count-c 66c would have a value of 255 that is used to encrypt the PDU 63 to generate the encrypted PDU 75. A subsequent PDU 63, 75 would have an FN 76 of zero, due to rollover, and the encryption engine 66 would thus increment the HFN value 66h to one. Count-c 66c, used to encrypt this subsequent PDU 63, would thus be 256. The HFN 66h is used in all transmission modes, AM, UM and TM. Although the FN values 76 may or may not be transmitted with the PDUs 75, depending on the transmission method employed, the HFN value 66h is never transmitted. The FNs 76 and HFN 66h thus must both remain synchronized on both the reception and transmission sides for the PDUs 75 to undergo a proper encryption/decryption cycle. Note that item 76 has been used to indicate an n-bit FN value. In terms of encryption and decryption, however, it is more correct to say that each item 76 associated with a PDU 75 is, in fact, a count-c value 66c that includes the HFN 66h for that particular FN 76. That is, within one transport block set 74, due to roll-over, one group of preceding FNs 76 may have associated with them an HFN 66h that is a unit less than the HFNs 66h associated with the succeeding FNs 76. It is the responsibility of the layer 2 interface 60 to ensure that each PDU 75 has associated with it the correct HFN 66h/FN 76 pair to generate a correct count-c 66c to properly encrypt or decrypt a PDU 75. 」
(当審訳:フレーム番号FNs76が、伝送されたPDUs75に明示的に含まれているので、このような同期は、アクノレッジモードAMや非アクノレッジモードUMでは、もちろん問題にならない。各PDU63,75に関連したフレーム番号FN76が、該PDU63,75のためのCOUNT-C値66cを形成するために使用される。COUNT-C値66cは32ビットの数であり、それは、MSB32-nビットとしてのハイパーフレーム番号(HFN)66hと、LSBのnビットとしての、暗号化されたPDU63,75のフレーム番号FN66fとから構成される。(なお、フレーム番号FN76はnビットである。)ハイパーフレーム番号HFN66hは、最初、ゼロ値または無線アクセス網によって規定される特別な値に設定される。そして、PDU63,75のロールオーバーの検出時にインクリメントされる。例えば、ハイパーフレーム番号HFN66hが値ゼロを有し、PDU63,75が255の値のフレーム番号FN76に関連していれば、COUNT-C66cは値255を有し、その値は、PDU63を暗号化して、暗号化されたPDU75を生成するために使用される。後続のPDU63,75は、ロールオーバのために、値ゼロのフレーム番号FN76を有し、暗号化エンジン66は、ハイパーフレーム番号HFN66hをインクリメントして値1にする。この後続のPDU63を暗号化するために使用されたCOUNT-C66cは、256であろう。ハイパーフレーム番号HFN66hは、AM,UM及びTMのすべての伝送モードで使用される。フレーム番号FN76が、PDUs75と共に伝送されても、或いは伝送されなくても、採用された伝送モードに応じて、ハイパーフレーム番号値HFN66hは伝送されない。適当な暗号化と複合化のサイクルを経るために、フレーム番号FNs76とハイパーフレーム番号HFN66hは、このようにPDUs75の受信側と送信側との両方で、同期していなければならない。アイテム76は、nビットのフレーム番号FN値を示すために使用されるということを記憶しておく必要がある。しかし、暗号化と復号化の点からは、あるPDU75に関連した各アイテム76は、事実、該特別なフレーム番号FN76にとってのハイパーフレーム番号HFN66hを含むCOUNT-C値66cであるという方がより正しい。すなわち、一つのトランスポートブロックセット74の中では、ロールオーバのために、先行のフレーム番号FNs76の一グループは、後続のフレーム番号FNs76に関連したハイパーフレーム番号HFNs66hよりも小さい一つのハイパーフレーム番号HFN66hに関連していても良い。各PDU75を正しいハイパーフレーム番号HFN66hとフレーム番号FN76の組みに関連付けることにより、PDU75を適切に暗号化または復号化する、正しいCOUNT-C66cを発生させることを保証することは、第2層インターフェース60の責任である。)

(b)図2からは、first station 40(第1局40)がencryption engine 47(暗号化エンジン47)を有し、second station 50(第2局50)がdecryption engine 57(復号化エンジン57)を有していることが見て取れる。また暗号化された信号は、第1局40から第2局50へ送信されていることが見て取れる。

(c)段落番号[0004]に「protocol data units (PDUs) 18」と記載されているから、刊行物1におけるPDUは、プロトコルデータユニットを意味している。

(d)図3の「RLC layer」は「radio link control layer」であるから、刊行物1の通信システムは無線通信システムである。


したがって、刊行物1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「第1局40で暗号化エンジン47により信号を暗号化し、第2局50で復号化エンジン57により復号化する無線通信システムであって、
各PDU75を正しいハイパーフレーム番号HFN66hとフレーム番号FN76の組みに関連付けることにより、正しいCOUNT-C66cが発生して、プロトコルデータユニットPDU75を適切に暗号化または復号化するために使用され、
32ビットのCOUNT-C値66cは、上位(32-n)ビットのハイパーフレーム番号(HFN)66hと、下位nビットのフレーム番号FN66fとから構成されており、
暗号化と復号化の点からは、あるプロトコルデータユニットPDU75に関連した各アイテム76は、該特別なフレーム番号FN76にとってのハイパーフレーム番号HFN66hを含むCOUNT-C値66cである、
無線通信システム。」


第4.本願発明と引用発明の一致点・相違点

引用発明において、第1局40及び第2局50が、各々、プロセッサを有しており、各プロセッサを暗号化エンジン47或いは復号化エンジン57として動作させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能記録媒体を使用していることは、技術常識から明らかである。

引用発明のプロトコルデータユニットPDUが、本願発明の「パケット」に相当する。

引用発明では、各PDU75を正しいハイパーフレーム番号HFN66hとフレーム番号FN76の組みに関連付けることにより、正しいCOUNT-C66cが発生して、プロトコルデータユニットPDU75を適切に暗号化または復号化するために使用され、また、暗号化と復号化の点からは、あるプロトコルデータユニットPDU75に関連した各アイテム76は、該特別なフレーム番号FN76にとってのハイパーフレーム番号HFN66hを含むCOUNT-C値66cであるから、暗号化エンジン47における暗号化のためにCOUNT-C値66cが使用され、また復号化エンジン57における復号化のために、暗号化の際に使用されたCOUNT-C値66cが使用されていることが明らかである。

したがって、引用発明のCOUNT-C値66cが、本願発明の「フルシーケンス番号」に相当し、本願発明と引用発明で使用されるコンピュータ読取可能記録媒体とは、「無線通信システムにおいて、パケットを受信する手順、前記パケットの暗号化に使用された暗号化アルゴリズムに用いられるフルシーケンス番号を使用して、前記受信されたパケットを復号化する手順をプロセッサに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能記録媒体」である点で一致している。

よって、本願発明と引用発明で使用されるコンピュータ読取可能記録媒体の一致点・相違点は、次のとおりである。

[一致点]
「無線通信のための動作をプロセッサに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能記録媒体であって、
無線通信システムにおいて、パケットを受信する手順、
前記パケットの暗号化に使用された暗号化アルゴリズムに用いられるフルシーケンス番号を使用して、前記受信されたパケットを復号化する手順
をプロセッサに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能記録媒体。」である点。

[相違点]
本願発明では、パケットを少なくとも一つの基地局から受信するのに対して、引用発明では、第2局50はどこからプロトコルデータユニットPDUを受信するのか不明な点。


第5.相違点についての検討

[相違点について]
特開2004-248253号公報の段落番号【0006】-【0009】、図3及び図4に背景技術として記載されているように、「送信側RNCにおいてCOUNT-Cを使用して平文ブロックを暗号化して送信し、受信側UEにおいてCOUNT-Cを使用して暗号文ブロックを復号化すること。」は、周知である。
したがって、引用発明において第1局40をRNCとし、第2局50をUEとすることは、容易に想到できたことである。このように構成すれば、第2局50であるUEが受信するプロトコルデータユニットPDUが基地局から送信されることは明らかである。

そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


第6.むすび
以上のとおり、本願の請求項54に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2013-10-30 
結審通知日 2013-11-05 
審決日 2013-11-22 
出願番号 特願2008-509133(P2008-509133)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川崎 優  
特許庁審判長 江口 能弘
特許庁審判官 近藤 聡
佐藤 聡史
発明の名称 無線通信システムにおいてパケットを暗号化及び再配列すること  
代理人 河野 哲  
代理人 村松 貞男  
代理人 高倉 成男  
代理人 佐藤 立志  
代理人 竹内 将訓  
代理人 中村 誠  
代理人 堀内 美保子  
代理人 福原 淑弘  
代理人 幸長 保次郎  
代理人 砂川 克  
代理人 白根 俊郎  
代理人 野河 信久  
代理人 河野 直樹  
代理人 井関 守三  
代理人 峰 隆司  
代理人 岡田 貴志  
代理人 蔵田 昌俊  
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