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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1286813
審判番号 不服2013-756  
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-01-16 
確定日 2014-04-10 
事件の表示 特願2008- 55438「発熱体搭載部品の取付構造」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 9月17日出願公開、特開2009-212390〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯,本願発明
本願は,平成20年3月5日の出願であって,平成24年10月5日付けで拒絶査定がされ,これに対し,平成25年1月16日に拒絶査定に対する不服の審判が請求されると同時に手続補正がされ,その後当審において平成25年7月30日付けで拒絶の理由を通知したところ,平成25年10月4日付けで特許請求の範囲及び明細書を対象とする手続補正がなされるとともに意見書が提出された。

そして,本願の各請求項に係る発明は,平成25年10月4日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ,そのうちの請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,次のとおりである。
「【請求項1】
発熱体が搭載されるものであって,複数の先細りをした錐形状の突起が直並列状に配列されて設けられた取付面を有する発熱体搭載部品と,
この発熱体搭載部品と熱的に結合される取付面を有した放熱部材と,
前記発熱体搭載部品に比して柔らかい材料で形成され,前記発熱体搭載部品の取付面と前記放熱部材の取付面との間に介在されて前記発熱体搭載部品の取付面の複数の突起が,一方の面内に押し込まれた状態で,両面に前記発熱体搭載部品の取付面,及び前記放熱部材の取付面が圧接されて熱的に結合される熱伝導シートと,
を具備することを特徴とする発熱体搭載部品の取付構造。」

2.引用文献及びその記載事項
(1) 当審の拒絶の理由に引用され,本願出願日前に頒布された刊行物である特開平4-243154号公報(以下,「引用例1」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。

1a) 「【請求項1】 高周波平面回路が形成された平面回路部品(1,2)をベース基板(3)上に固着・配置し,該ベース基板(3)の端部に入出力端子(5)を配置してなる高周波平面回路モジュールを,筐体(9)に実装するための構造において,前記ベース基板(3)の前記筐体(9)との当接面側の一部に複数の凹凸部(11)を形成し,該ベース基板(3)の該凹凸部(11)と前記筐体(9)との間に軟質金属(12)を介在させて,該ベース基板(3)を加圧・固定するようにしたことを特徴とする高周波平面回路モジュールの実装構造。」

1b) 「【0014】
【作用】本発明によると,ベース基板の平面回路部品が配置される面と反対側の面の一部に複数の凹凸部を形成し,この凹凸部と筐体との間に軟質金属を介在させてベース基板を筐体に加圧・固定するようにしているので,ベース基板に形成されている複数の凸部に圧力が集中し軟質金属を押し潰し,軟質金属が凹部に入り込み,ベース基板と筐体との間の部分は隙間なく軟質金属により満たされることになる。
【0015】ベース基板の裏面側の一部には凹凸部が形成されているから,従来の如く平坦である場合と比較して,その表面積が大きく,また,ベース基板と筐体との対向部分には軟質金属が充填されることとなるから,ベース基板から筐体への熱の伝導が効率よく行われ,放熱特性が向上する。また,ベース金属と筐体とは直接に,又は軟質金属を介して接触しているので,接地特性が良好となる。」

1c) 「【0023】然して,上記高周波平面回路モジュールを筐体9に実装する際には,薄板状に形成したインジウム(In)等の軟質金属12をこの凹凸部11の部分に位置せしめた状態で金属パッケージ3と筐体9との間に介在せしめ,金属パッケージ3の取付フランジ部をねじ締結する。このとき,軟質金属12は凹凸部11の凸部に圧力が集中することにより押し潰され,凹凸部11の凹部に入り込み,金属パッケージ3と筐体9との間の部分を隙間なく埋めることになる。」

1d) 「【0025】尚,上記凹凸部11の凸部は先端に行くに従って鋭利となるように形成すると良い。また,図3に示されているように,筐体9の金属パッケージ3の凹凸部11が対向する部分に,凹凸部11と同様な凹凸部13を形成することにより,さらに効率的となる。」

上記の記載事項及び図面の記載を総合すると,引用例1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が実質的に記載されている。
「高周波平面回路が形成された平面回路部品(1,2)をベース基板(3)上に固着・配置してなる高周波平面回路モジュールを,筐体(9)に実装するための構造において,前記ベース基板(3)の前記筐体(9)との当接面側の一部に複数の凹凸部(11)を形成し,該ベース基板(3)の該凹凸部(11)と前記筐体(9)との間に軟質金属(12)を介在させて,該ベース基板(3)を加圧・固定するようにしたものであって,
上記凹凸部(11)の凸部は先端に行くに従って鋭利となるように形成されており,
軟質金属(12)は凹凸部(11)の凸部に圧力が集中することにより押し潰され,凹凸部(11)の凹部に入り込み,ベース基板(3)と筐体(9)との間の部分を隙間なく埋めることになり,
ベース基板から筐体への熱の伝導が効率よく行われる,高周波平面回路モジュールの実装構造。」

(2) 当審の拒絶の理由に引用され,本願出願日前に頒布された刊行物である特開昭60-145647号公報(以下,「引用例2」いう。)には,図面とともに次の事項が記載されている。

2a) 「(a)発明の技術分野
本発明はハイパワーモジュールなどの発熱体モジュールの放熱取付方法に関する。」(第1頁左下欄第15?17行)

2b) 「また突起9のなす溝内に熱伝導剤8が圧入充填されて高密度となる。したがって熱伝導剤8の部分の熱伝導が良好になるとともに・・・」(第2頁右下欄第9?11行)

2c) 「なおまた本発明は突起が筋状に平行でなく,筋状に交叉してなす四角錐であっても実施し得るものである。」(第3頁左上欄第16?18行)

(3) 当審の拒絶の理由に引用され,本願出願日前に頒布された刊行物である特開2006-237103号公報(以下,「引用例3」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。

3a) 「【0001】
本発明は,光半導体素子等の電子部品を搭載するとともに,電子部品から発生した熱を良好に放熱するための熱伝導部材およびそれを用いた電子装置に関する。」

3b) 「【0036】
凸部1aの形状は,円柱状,多角柱状,円錐状,多角錐状等でもよく,直線や曲線状に連続した壁状でもよい。また,凹部2aは凸部1aに対応した形状とするのがよく,例えば,円柱状,多角柱状,逆円錐状,逆多角錐状,溝状などが挙げられる。」

(4) 当審の拒絶の理由に引用され,本願出願日前に頒布された刊行物である特開2002-203930号公報(以下,「引用例4」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。

4a) 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,半導体素子用放熱性部品及び半導体装置の改良に係り,詳しくは高発熱量の半導体素子,例えば高出力インバーター等のパワーデバイスの構成に使用される放熱特性等に優れた半導体素子搭載用部品及び半導体装置に関する。」

4b) 「【0018】図4は,放熱性部品の他の実施例を示している。前記図2,図3の放熱性部品(複合基板2の背面2_(2)は層厚方向に直交する向きの平坦面である)と異なり,この複合基板(2)の背面は波状の凹凸(2_(3))を有し,その凸部は下向きに細くなる断面形状を呈している。この凹凸波形の効果として,複合基板(2)から金属基盤層(3)へ移行する領域における組成(金属/セラミックスの混合量比)の層厚方向の変化が緩慢化される。すなわちセラミックス(複合基板2のセラミックス)と金属(複合基板2の含浸金属+金属基盤層3の金属)の体積比「金属/セラミックス」が層厚方向に漸次変化(下側に向かって金属の体積比が漸次増加)する傾斜構造が与えられる。凸部の形状は,刃状,円錐状など任意である。層厚方向の傾斜構造により,層厚方向の熱膨張率の変化が緩やかになり,放熱性部品(1)の熱変形が低減緩和される。」

(5) 当審の拒絶の理由に引用され,本願出願日前に頒布された刊行物である特開2002-270745号公報(以下,「引用例5」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。

5a) 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,フィン付放熱材およびその製造方法に関し,特に,半導体装置等の載置用絶縁板に取り付けられたときに反りが発生せず,しかも,放熱性に優れたフィン付放熱材と,これを低コストに製造できる製造方法に関する。」

5b) 「【0014】但し,後者の場合に,放熱性を確保する意味から,無機化合物の粉末あるいは酸化銅の粉末の濃度を受熱層のそれより低く設定しなければならないことは言うまでもない。フィンの形状としては,受熱層上に断面三角形,台形,矩形等の直線状の山を複数並列させた構成,あるいは三角錐,四角錐,円錐等の断面三角形または台形等の独立した突起をアレイ状に配置するなど特に制限はない。」

(6) 当審の拒絶の理由に引用され,本願出願日前に頒布された刊行物である特開2004-63898号公報(以下,「引用例6」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。

6a) 「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,半導体素子やこの素子を用いた半導体モジュールなどの半導体装置から発生する熱を放熱する放熱材及びその製造方法に関する。」

6b) 「【0021】
この図1及び図2に示す放熱材1は,方形薄板形状の受熱層2及び放熱層3から成る本体の放熱層3の上面に,三角錐形のピン状フィン4を多数点在させて作製したものである。このピン状フィン4が設けられた面の裏面,即ち半導体装置又は半導体装置の絶縁板に接合される受熱層2の面は,平滑面となっている。また,図3の拡大断面図に示すように,ピン状フィン4の根本11と先端13にはアール12が設けられており,先端13は,僅かな平滑面となっている。更に,放熱層3及びピン状フィン4は,後述の製造方法で説明する無機材料低濃度複合材49から成り,受熱層2は,無機材料高濃度複合材から成り,受熱層2の表面部分には低融点金属47が被膜及び含浸されている。」

6c) 「【0049】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,金属粉末とこの金属粉末より低い熱膨張率を有する無機化合物粉末とを混合した焼結体であり,この焼結体に,発熱体から発生された熱を吸収する受熱層と,この受熱層と一体化され,受熱層から伝導されてくる熱を外部に放出する放熱層とを備えて成る放熱材において,放熱層の表面に,角錐又は円錐型の突起手段を放熱層と一体に複数設けた。また,受熱層の無機化合物の濃度を,放熱層よりも高くしたので,発熱体の接合面である受熱層は熱膨張率が低く,対向側の放熱層は熱膨張率が高くなり,これによって熱膨張量の差を小さくすることができるので,放熱材の反りを軽減させることができる。また,熱伝導率の高い突起手段により放熱効果が向上する。また,突起手段は放熱層の形成時に同時に形成されるので,効率良く製造することができ,製造コストを低減させることができる。」

6d) 図2を参照すると,三角錐形のピン状フィン4が,縦方向に3個並んだ列と,4個並んだ列とが,交互に配列されたものが記載されている。図8,図16にも,同様なものが記載されている。

3.対比
本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「高周波平面回路が形成された平面回路部品(1,2)」は,その技術的意義及び機能からみて,本願発明の「発熱体」に相当する。
以下,同様に「ベース基板(3)」は「発熱体搭載部品」に,「筐体(9)」は「放熱部材」に,「軟質金属(12)」は「熱伝導シート」に,「ベース基板(3)の前記筐体(9)との当接面側」は「発熱体搭載部品の取付面」に,それぞれ相当する。
引用発明の「凹凸部11の凸部」は,「先端に行くに従って鋭利となるように形成」されているから,本願発明の「複数の先細りをした突起」に相当する。
引用発明では,「ベース基板(3)の該凹凸部(11)と前記筐体(9)との間に軟質金属(12)を介在」させているところ,この筐体(9)の軟質金属側の面は,本願発明の「放熱部材の取付面」に相当する。
引用発明では,平面回路は「ベース基板(3)上に固着・配置」されているから,引用発明の「高周波平面回路モジュールの実装構造」は,本願発明の「発熱体搭載部品の取付構造」に相当する。
引用発明では,「平面回路部品(1,2)をベース基板(3)上に固着・配置し」,「ベース基板(3)の前記筐体(9)との当接面側の一部に複数の凹凸部(11)を形成」しているから,引用発明は本願発明の「発熱体が搭載されるものであって,複数の先細りをした突起が設けられた取付面を有する発熱体搭載部品」との構成を備える。
引用発明では,「ベース基板(3)の該凹凸部(11)と前記筐体(9)との間に軟質金属(12)を介在させて,該ベース基板(3)を加圧・固定」し,「ベース基板から筐体への熱の伝導が効率よく行われ」るようにしているから,引用発明は本願発明の「発熱体搭載部品と熱的に結合される取付面を有した放熱部材」との構成を備える。
引用発明では,「ベース基板(3)の該凹凸部(11)と前記筐体(9)との間に軟質金属(12)を介在させて,該ベース基板(3)を加圧・固定」し,「軟質金属(12)は凹凸部(11)の凸部に圧力が集中することにより押し潰され,凹凸部(11)の凹部に入り込み,ベース基板(3)と筐体(9)との間の部分を隙間なく埋めること」になり,「ベース基板から筐体への熱の伝導が効率よく行われ」るようにしている。
すると,引用発明の軟質金属(12)は,凸部が一方に押し込まれた状態で,ベース基板(3),及び筐体(9)が圧接されて熱的に結合されているといえるから,引用発明は本願発明の「発熱体搭載部品に比して柔らかい材料で形成され,前記発熱体搭載部品の取付面と前記放熱部材の取付面との間に介在されて前記発熱体搭載部品の取付面の複数の突起が,一方に押し込まれた状態で,両面に前記発熱体搭載部品,及び前記放熱部材が熱的に結合される熱伝導シート」との構成を備える。

以上のことから,本願発明と引用発明とは次の点で一致する。
「発熱体が搭載されるものであって,複数の先細りをした突起が設けられた取付面を有する発熱体搭載部品と,
この発熱体搭載部品と熱的に結合される取付面を有した放熱部材と,
前記発熱体搭載部品に比して柔らかい材料で形成され,前記発熱体搭載部品の取付面と前記放熱部材の取付面との間に介在されて前記発熱体搭載部品の取付面の複数の突起が,一方に押し込まれた状態で,両面に前記発熱体搭載部品,及び前記放熱部材が熱的に結合される熱伝導シートと,
を具備する発熱体搭載部品の取付構造。」

一方で,両者は次の点で相違する。
[相違点1]
突起について,本願発明では,「錐形状」で「直並列状に配列」されているのに対して,引用発明では,その形状及び配列状態が明確でない点。

[相違点2]
本願発明の熱伝導シートは,「突起が,一方の面内に押し込まれた状態で,両面に前記発熱体搭載部品の取付面,及び前記放熱部材の取付面が圧接されて熱的に結合される」ものであるのに対して,引用発明の軟質金属(本願発明の「熱伝導シート」に相当。)は,凸部(本願発明の「突起」に相当。)が,一方に押し込まれた状態ではあるものの,「面内」に押し込まれた状態であるかどうかは明らかではなく,また,ベース基板(3),及び筐体(9)が圧接されて熱的に結合されてはいるものの,ベース基板(3)の筐体(9)との当接面側(本願発明の「発熱体搭載部品の取付面」に相当。),及び筐体(9)の軟質金属側の面(本願発明の「放熱部材の取付面」に相当。)が圧接されているものかどうかは,明らかではない点。

4.判断
上記相違点について検討する。
[相違点1]について
引用例2記載のものの「発熱体モジュール」及び「突起」は,本願発明の「発熱体」及び「突起」に相当することから,引用例2には,発熱体の冷却のための突起において「四角錐」,すなわち「錐形状」とすることが記載されているといえる。(記載事項2a)?2c)を参照。)
引用例3記載のものの「電子部品」及び「凸部1a」は,本願発明の「発熱体」及び「突起」に相当することから,引用例3には,発熱体の冷却のための突起において「円錐状」または「多角錐状」,すなわち「錐形状」とすることが記載されているといえる。(記載事項3a)?3b)を参照。)
引用例4記載のものの「半導体素子」及び「凸部」は,本願発明の「発熱体」及び「突起」に相当することから,引用例4には,発熱体の冷却のための突起において「円錐状」,すなわち「錐形状」とすることが記載されているといえる。(記載事項4a)?4b)を参照。)
引用例5記載のものの「半導体装置」及び「突起」は,本願発明の「発熱体」及び「突起」に相当することから,引用例5には,発熱体の冷却のための突起において「三角錐」,「四角錐」及び「円錐」,すなわち「錐形状」とすることが記載されているといえる。(記載事項5a)?5b)を参照。)
また,引用例5には,突起をアレイ状に配置することが記載されているから,引用例5には,突起を「直並列状に配列」することが記載されているといえる。(記載事項5b)を参照。)
引用例6記載のものの「半導体素子」及び「ピン状フィン」は,本願発明の「発熱体」及び「突起」に相当することから,引用例6には,発熱体の冷却のための突起において「角錐」または「円錐」,すなわち「錐形状」とすることが記載されているといえる。(記載事項6a)?6c)を参照。)
また,引用例6には,突起が縦方向に3個並んだ列と,4個並んだ列とが,交互に配列されているから,突起が「直並列状に配列」されたものが記載されているといえる。(記載事項6d)を参照。)
その他に,原査定の拒絶の理由に引用され,本願出願日前に頒布された刊行物である国際公開第03/007376号(以下,「引用例7」という。)には,「技術分野 本発明は,パワーモジュールおよびパワーモジュールを備える空気調和機に関し,特に,発熱量の多い回路部品を実装するパワーモジュールの放熱効率を向上させるための放熱構造および商用交流電源をインバータ回路を用いて任意の周波数の交流に変換する際のインバータ回路のモジュール化に関する。」(第1頁第5?9行),「図15に示す ・・・(中略)・・・ この接合面544は,アルミ基板441の突起442が嵌合する複数の凹部543が形成されており,アルミ基板441の凹凸部444と密着状態で接合することが可能となっている。」(第19頁第11?15行)と記載されており,また,Fig.10及びFig.15を参照すると,アルミ基板441の突起442が,縦方向に4個並んだ列が横方向に5列配列したものが記載されている。
ここで,「パワーモジュール」及び「突起442」は,本願発明の「発熱体」及び「突起」に相当し,突起442が,縦方向に4個並んだ列が横方向に5列配列されているから,上記引用例7には,発熱体の冷却のための突起において,突起が「直並列状に配列」されたものが記載されているといえる。

以上のように,発熱体の冷却のための突起において,突起を錐形状とすること,及び,突起を直並列状に配列することは慣用の技術といえる。
すると,引用発明において,突起を「錐形状」で「直並列状に配列」されたものとすることにより,本願発明の上記相違点1に係る構成とすることは,上記慣用の技術から当業者が容易になし得たものといえる。

[相違点2]について
発熱体を熱伝導部材を介して放熱を行うものでは,その熱の伝導を,いかに効率よく行うかは,一般的かつ自明の課題であるところ,熱の伝導がより効率よく行われるようにするためには,引用発明において,軟質金属が凹凸部(11)の凹部に入り込む際に,隙間なく入り込むようにすればよいことは明らかである。
このようにした場合には,凸部は軟質金属(12)の「面内」に押し込まれた状態となり,また,軟質金属(12)は「ベース基板(3)の前記筐体(9)との当接面側」と「筐体(9)の軟質金属側の面」とによって圧接された状態になり,結果的に,本願発明でいうところの,熱伝導シートは「複数の突起が,一方の面内に押し込まれた状態で,両面に前記発熱体搭載部品の取付面,及び前記放熱部材の取付面が圧接されて熱的に結合」されたものとなる。
すると,引用発明において,本願発明の上記相違点2に係る構成とすることは,当業者が容易になし得たものといえる。

そして,本願発明により得られる作用効果も,引用発明及び慣用の技術から当業者であれば予測できる程度のものであって,格別のものとはいえない。
以上のことから,本願発明は,引用発明及び慣用の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおり,本願発明(請求項1に係る発明)は,引用発明び慣用の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-02-06 
結審通知日 2014-02-12 
審決日 2014-02-25 
出願番号 特願2008-55438(P2008-55438)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 関根 崇  
特許庁審判長 丸山 英行
特許庁審判官 小関 峰夫
平田 信勝
発明の名称 発熱体搭載部品の取付構造  
代理人 白根 俊郎  
代理人 福原 淑弘  
代理人 幸長 保次郎  
代理人 中村 誠  
代理人 竹内 将訓  
代理人 岡田 貴志  
代理人 特許業務法人スズエ国際特許事務所  
代理人 峰 隆司  
代理人 佐藤 立志  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 堀内 美保子  
代理人 野河 信久  
代理人 砂川 克  
代理人 河野 直樹  
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