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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1286947
審判番号 不服2013-9118  
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-05-17 
確定日 2014-04-17 
事件の表示 特願2009- 19318「パターン重ね合わせ評価方法および荷電粒子顕微鏡」拒絶査定不服審判事件〔平成22年 8月12日出願公開、特開2010-177500〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成21年1月30日の出願であって、平成25年1月8日付けで手続補正がなされたが、同年2月14日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月17日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がなされたものである。
そして、平成25年7月2日付けで審査官により作成された前置報告書について、平成25年7月18日付けで審尋を行ったが、審判請求人から回答書は提出されなかった。

第2 平成25年5月17日付け手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成25年5月17日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容
平成25年5月17日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、補正前の請求項1を以下のとおりの請求項1に補正することを含むものである。
「評価対象試料に形成された第一の露光プロセスを経て形成した第一の評価対象パターンと該第一の評価対象パターンと異なるレイアウト形状を有し該第一の露光プロセスとは異なる第二の露光プロセスを経て形成した第二の評価対象パターンとを含む領域を撮像し評価対象画像を取得する評価対象画像撮像工程と、
前記評価対象画像撮像工程にて取得した評価対象画像から評価対象レイアウト情報を取得する評価対象レイアウト情報取得工程と、
前記評価対象レイアウト情報取得工程にて取得した評価対象レイアウト情報と登録レイアウト情報とを比較し、第一の登録パターン画像と該第一の登録パターン画像に対応する該評価対象画像との第一のマッチング誤差と、第二の登録パターン画像と該第二の登録パターン画像に対応する該評価対象画像との第二のマッチング誤差と、を算出するマッチング工程と、
前記マッチング工程にて算出した該第一のマッチング誤差と該第二のマッチング誤差に基づき該評価対象パターンとのずれ量およびずれ方向を算出する比較工程と、を備え、
該第一の登録パターン画像および該第二の登録パターン画像は、第一の登録パターンと該第一の登録パターンと異なるレイアウト形状を有する第二の登録パターンとを含む領域を撮像し、該撮像した画像から抽出することにより取得され予め登録されており、
該登録レイアウト情報は、予め登録されている該第一の登録パターン画像および該第二の登録パターン画像から取得されて予め登録されていることを特徴とするパターン重ね合わせ評価方法。」

2.補正の目的
請求項1に係る本件補正は、補正前の請求項1の「評価対象画像撮像工程」、「比較工程」および「登録レイアウト情報」を限定したものであるので、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

3.独立特許要件
本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下検討する。

(1)引用例
ア 原査定の拒絶理由において引用され、本願の出願前に頒布された刊行物特開2008-58166号公報(以下「引用例」という。)には下記の記載がある。(下線は摘記箇所を示すために当審において付した。また、段落間に関係する図面を適宜挿入した。)

(ア)「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン測定方法、及び荷電粒子線装置に係り、特に設計データに基づく線図と、荷電粒子線画像との間のずれを測定する方法、及び装置に関する。・・・
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、半導体デバイスの多層化が進み、その重ね合わせ精度が重要な測定項目となっている。上下層のパターン間のずれは、その複合パターンによって形成される半導体素子の性能を左右するものであり、非常に重要な評価項目である。しかしながら、上記特許文献1、特許文献2はそのような多層パターンを構成するパターン間のずれを測定することを志向するものではなかった。
【0005】
本発明の目的は、複数のパターンが理想的に重ね合わせられている設計データを用いて、パターン画像に表れているパターン間のずれを評価する評価方法、及び装置の提供にある。」
(イ)「【実施例1】
【0022】
以下、図2に示すフローを用いて本実施例を説明する。試料として回路設計パターンの比較対象となるウェハとしては、素子分離レイヤーの上に配線レイヤーのそれぞれのパターンが転写されたものを用いた。配線レイヤーについては、エッチング工程が終わった段階とした。リソグラフィー工程の後ではレジストの下に反射防止膜などが存在するため、その下の素子分離レイヤーのパターンを観察することができず二つのレイヤーの重ね合わせ精度を計測することできないからである。
【0023】
測定箇所としては回路設計データにおいて、図3、図4、図5、図6の四カ所とし、SEM像の視野領域としては全ての箇所において、一辺1umの正方領域とした。
【0024】
次に、取得したパターン画像に対応する回路設計データよりテンプレート図形を作成した。一般的に回路設計データは大容量の為評価箇所毎に線分を抽出し、小さなサイズのファイルとして取り扱えるようにした。回路設計データとしてGDSIIフォーマットのファイルを用いたので、このフォーマットを取り扱うことのできる回路設計データのエディターとしてJEDAT社のSX-9000を利用した。
【0025】
図3の評価領域範囲503上における上層パターンの設計データパターン501と、下層パターンの設計データパターン502について、2つのレイヤーの図形をそれぞれ別に表示すると図7と図8のようになる。この線図を単に重ね合わせたものが図5であるが、ウェハ上のパターンではこれが立体的に重ね合わせられているため、このままでは位置合わせを行うためのテンプレートとして利用できなかった。
【0026】
実際は、上のレイヤーである配線パターンの下に存在するパターンが見えない状態になってしまうからである。そこで本実施例に用いるテンプレート図形を作成する為に、図3の箇所を例として以下のように図形演算処理を行った。

【0027】
両者の図形の重なる領域を抽出した結果が図9の上層パターンと下層パターンの重合領域901のようになった。下層パターンの設計データパターン502から、重合領域901を差し引いた結果、図10のような画像を得た。

【0028】
図10の差し引き後の下層パターン1001に、上層パターンの設計データパターン501を重ね合わせた結果、図11に示すテンプレート1101を得た。


【0029】
これにより、ウェハ上のパターン画像に相当する回路設計データ図形のテンプレートが作成された。このテンプレートにおいては、上のレイヤーに所属する図形と下のレイヤーに所属する図形の区分がなされている。図8が上のレイヤー線分を図示したもので、図10が下のレイヤー線分を図示したものである。本実施例ではこの領域について各図形を構成する頂点の座標値をSX-9000からテキストファイルにて出力したものをテンプレート図形として利用した。
【0030】
このテキストファイルにおいては、上のレイヤーの図形である図8に説明する上層の設計データパターン501と、図12に説明する下のレイヤーの図形1201のそれぞれに含まれる頂点はそれぞれ区別されて保存された。





【0031】
図3の評価領域範囲503に相当するSEM画像1303を図13に示す。SEM画像領域1303上には、SEM像上の上層パターン1301と、SEM像上の下層パターン1302が表示されている。


【0032】
図13に図示するSEM画像1303には、設計データに比べて、上層パターンと下層パターンがずれて形成された例が説明されている。図14は、SEM画像1303のエッジ成分を抽出したエッジ画像1430を示す図である。上層パターンのSEMエッジ1401と下層パターンのSEMエッジ1402が、エッジ画像1403上に表示されている。

【0033】
次にこのように形成されているSEM像から抽出したエッジをレイヤー単位で分割する。上層パターンのSEMエッジ1401を抽出した画像を図15に、下層パターンのSEMエッジ1402を抽出した画像を図16に示す。

【0034】
SEM画像領域1303から抽出された上層パターンのSEMエッジ1401と、上層パターンの設計データパターン501のそれぞれの中心座標を重ね合わせると図17に図示する合成画像1703となった。両者はそれぞれの座標にずれが存在してしまうため、お互いのマッチング(位置合わせ)を行う必要がある。


【0035】
本例では、その位置合わせ手法の一例として、比較対象となる2つのパターンの重心分布画像を形成し、重心分布画像のマッチングスコアが最大となる位置に基づいてマッチングを行う。
【0036】
ここでは、SEM画像の左下点を原点とし、図18に説明するようにx,y座標を定義したところ、上のレイヤーについては、回路設計データの線分をx方向に関して-88.4nm、y方向に関して-76.2nmずらす事で最適なマッチング位置となると求められた。

【0037】
図19に、求められたマッチング位置にて両線分を重ね合わせた図を示す。同様に、下のレイヤーについてマッチングを行った結果x方向について-4.7nm、y方向については+2.5nmとなった。図20に求められたマッチング位置にて両線分を重ね合わせた図を示す。



【0038】
このように、この評価箇所においては、上のレイヤーのマッチング位置と、下のレイヤーのマッチング位置が異なった。設計データにおける上層パターンと下層パターンの位置関係は理想値であり、上層パターンのSEMエッジと下層パターンのSEMエッジは理想値通りに形成されているわけではないので、回路設計データの線分の位置を、上層或いは下層いずれかのSEMエッジに合わせると、他方がずれるという状態になる。

【0039】
x,y両方向について上のレイヤーと下のレイヤーの重ね合わせずれは上記マッチング結果の差を取ることにより求められ、x方向の重ね合わせずれは、(-88.4nm)-(-4.7nm)=-83.7nm、y方向の重ね合わせずれは、(-76.2nm)-(+2.5nm)=-78.7nmと求められた。

【0040】
本実施例においては、下のレイヤーの位置を基準とした重ね合わせずれを求めた。つまり、SEM像においては下のレイヤーに対して、上記の値だけずれた状態にて上のレイヤーが重ね合わせられているということになる。
【0041】
ここで、回路設計データによる線分に対して、上のレイヤーと下のレイヤーの間でこの重ね合わせずれの分だけずらしたテンプレート図形を作成した結果、図21に図示するような結果となった。図形処理などの方法については、上述と同じ手法を用いた。このテンプレート図形とSEM像をマッチングさせると図22のような結果となった。



上記(ア)ないし(イ)から、引用例には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「半導体デバイスの上下層のパターン間のずれを、理想的に重ね合わせられている設計データを用いて、評価する評価方法であって、
ウェハ上のパターン画像に相当する回路設計データ図形のテンプレートが作成され、このテンプレートにおいては、上のレイヤーに所属する図形と下のレイヤーに所属する図形の区分がなされ、
SEM画像1303のエッジ成分を抽出したエッジ画像1403のエッジをレイヤー単位で上層パターンのSEMエッジ1401を抽出した画像と下層パターンのSEMエッジ1402を抽出した画像に分割し、
SEM画像領域1303から抽出された上層パターンのSEMエッジ1401と、上層パターンの設計データパターン501のそれぞれの中心座標を重ね合わせると、回路設計データの線分をx方向に関して-88.4nm、y方向に関して-76.2nmずらす事で最適なマッチング位置となると求められ、同様に、下のレイヤーについてマッチングを行った結果x方向について-4.7nm、y方向については+2.5nmとなり、
設計データにおける上層パターンと下層パターンの位置関係は理想値であり、上層パターンのSEMエッジと下層パターンのSEMエッジは理想値通りに形成されているわけではないので、x,y両方向について上のレイヤーと下のレイヤーの重ね合わせずれは上記マッチング結果の差を取ることにより求められる、
半導体デバイスの上下層のパターン間のずれを評価する評価方法」

(2)対比
本願補正発明と引用発明を対比する。

ア 引用発明の「SEM画像1303」は、半導体デバイスのウエハ上の上下層のパターン画像であるので、本願補正発明の「評価対象試料に形成された第一の露光プロセスを経て形成した第一の評価対象パターンと該第一の評価対象パターンと異なるレイアウト形状を有し該第一の露光プロセスとは異なる第二の露光プロセスを経て形成した第二の評価対象パターンとを含む領域を撮像した評価対象画像」に相当し、引用発明の評価方法は、本願補正発明の「評価対象試料に形成された第一の露光プロセスを経て形成した第一の評価対象パターンと該第一の評価対象パターンと異なるレイアウト形状を有し該第一の露光プロセスとは異なる第二の露光プロセスを経て形成した第二の評価対象パターンとを含む領域を撮像し評価対象画像を取得する評価対象画像撮像工程」を具備する。

イ 本願補正発明のレイアウト情報は、本願明細書の記載(段落【0023】等)から、パターンの輪郭線およびパターン間の相対位置座標のことであるから、引用発明において「SEM画像1303のエッジ成分を抽出したエッジ画像1430のエッジをレイヤー単位で上層パターンのSEMエッジ1401を抽出した画像と下層パターンのSEMエッジ1402を抽出した画像に分割」することは、本願補正発明の「前記評価対象画像撮像工程にて取得した評価対象画像から評価対象レイアウト情報を取得する評価対象レイアウト情報取得工程」に相当する。

ウ 引用発明は、「ウェハ上のパターン画像に相当する回路設計データ図形のテンプレートが作成され、このテンプレートにおいては、上のレイヤーに所属する図形と下のレイヤーに所属する図形の区分がなされ」るので、引用発明の「テンプレート」は本願補正発明の「登録レイアウト情報」に相当し、本願補正発明の「該登録レイアウト情報は、予め登録されている該第一の登録パターン画像および該第二の登録パターン画像から取得されて予め登録されている」との構成を具備する。

エ 本願補正発明の「前記マッチング工程にて算出した該第一のマッチング誤差と該第二のマッチング誤差に基づき該評価対象パターンとのずれ量およびずれ方向を算出する比較工程」との構成において、「該評価対象パターンとのずれ量およびずれ方向」とは本願明細書の記載から「該第一の評価対象パターンと該第二の評価対象パタンーン画像とのずれ量とずれ方向」を意図した記載であることは明らかである。
よって、引用発明は、「SEM画像領域1303から抽出された上層パターンのSEMエッジ1401と、上層パターンの設計データパターン501のそれぞれの中心座標を重ね合わせると、回路設計データの線分をx方向に関して-88.4nm、y方向に関して-76.2nmずらす事で最適なマッチング位置となると求められ、同様に、下のレイヤーについてマッチングを行った結果x方向について-4.7nm、y方向については+2.5nmとなり、・・・x,y両方向について上のレイヤーと下のレイヤーの重ね合わせずれは上記マッチング結果の差を取ることにより求められる」ものであるから、本願補正発明の「前記評価対象レイアウト情報取得工程にて取得した評価対象レイアウト情報と登録レイアウト情報とを比較し、第一の登録パターン画像と該第一の登録パターン画像に対応する該評価対象画像との第一のマッチング誤差と、第二の登録パターン画像と該第二の登録パターン画像に対応する該評価対象画像との第二のマッチング誤差と、を算出するマッチング工程と、 前記マッチング工程にて算出した該第一のマッチング誤差と該第二のマッチング誤差に基づき該評価対象パターンとのずれ量およびずれ方向を算出する比較工程」、を具備する。

オ 上記アないしエから、本願補正発明と引用発明とは、
「評価対象試料に形成された第一の露光プロセスを経て形成した第一の評価対象パターンと該第一の評価対象パターンと異なるレイアウト形状を有し該第一の露光プロセスとは異なる第二の露光プロセスを経て形成した第二の評価対象パターンとを含む領域を撮像し評価対象画像を取得する評価対象画像撮像工程と、
前記評価対象画像撮像工程にて取得した評価対象画像から評価対象レイアウト情報を取得する評価対象レイアウト情報取得工程と、
前記評価対象レイアウト情報取得工程にて取得した評価対象レイアウト情報と登録レイアウト情報とを比較し、第一の登録パターン画像と該第一の登録パターン画像に対応する該評価対象画像との第一のマッチング誤差と、第二の登録パターン画像と該第二の登録パターン画像に対応する該評価対象画像との第二のマッチング誤差と、を算出するマッチング工程と、
前記マッチング工程にて算出した該第一のマッチング誤差と該第二のマッチング誤差に基づき該評価対象パターンとのずれ量およびずれ方向を算出する比較工程と、を備え、
該登録レイアウト情報は、予め登録されている該第一の登録パターン画像および該第二の登録パターン画像から取得されて予め登録されているパターン重ね合わせ評価方法。」である点で一致し、以下の点で相違する。

相違点:
本願補正発明は、「該第一の登録パターン画像および該第二の登録パターン画像」が、「第一の登録パターンと該第一の登録パターンと異なるレイアウト形状を有する第二の登録パターンとを含む領域を撮像し、該撮像した画像から抽出することにより取得され予め登録されて」いるのに対し、引用発明は、「ウェハ上のパターン画像に相当する回路設計データ図形のテンプレートが作成され、このテンプレートにおいては、上のレイヤーに所属する図形と下のレイヤーに所属する図形の区分がなされ」ている点。

(3)判断
相違点について
一般に、SEM画像のテンプレート画像として実際のSEM画像を用いることは周知慣用手段であったと認められる(例えば、特開平11-251224号公報の段落【0025】?【0027】参照)。
引用発明において、設計データを用いてテンプレートを作成するのに変えて、この周知慣用手段を採用し、引用発明を本願補正発明の上記相違点に係る構成とすることは当業者が容易に想到できたことである。
よって、本願補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)むすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について

1.本願発明
平成25年5月17日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願特許請求の範囲は、平成25年1月8日付け手続補正書に記載されたとおりのものであると認められるところ、請求項1に係る発明は次のものである。
「評価対象試料に形成された第一の評価対象パターンと第二の評価対象パターンとを撮像して、第一の評価対象パターン画像と第二の評価対象パターン画像とを取得する評価対象画像撮像工程と、
前記評価対象画像撮像工程にて撮像した該第一の評価対象パターン画像と該第二の評価対象パターン画像とから評価対象レイアウト情報を取得する評価対象レイアウト情報取得工程と、
予め第一の登録パターンと第二の登録パターンとを撮像して取得した第一の登録パターン画像と第二の登録パターン画像とから求めた登録レイアウト情報と、前記評価対象レイアウト情報取得工程にて取得した評価対象レイアウト情報とを比較し、該第一の評価対象パターン画像と該第二の評価対象パターン画像とのずれ量とずれ方向とを求める比較工程と、を備えるパターン重ね合わせ評価方法。」(以下「本願発明」という。)

2.引用例
上記「第2 [理由] 3.(1) 」に記載のとおりのものである。

3.対比・判断
本願発明は、本願補正発明において、「評価対象画像撮像工程」、「比較工程」および「登録レイアウト情報」を限定する発明特定事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに限定を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2 [理由] 3.(3)」で検討したとおり、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
したがって、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-02-14 
結審通知日 2014-02-18 
審決日 2014-03-05 
出願番号 特願2009-19318(P2009-19318)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
P 1 8・ 575- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 秀樹  
特許庁審判長 神 悦彦
特許庁審判官 伊藤 昌哉
田部 元史
発明の名称 パターン重ね合わせ評価方法および荷電粒子顕微鏡  
代理人 ポレール特許業務法人  

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