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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1287376
審判番号 不服2013-2667  
総通号数 174 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-06-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-02-12 
確定日 2014-05-07 
事件の表示 特願2011- 30649「アドホック無線通信網におけるピアツーピア通信」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 8月11日出願公開、特開2011-155653〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成18年10月5日(優先権主張2005年10月5日、米国)を国際出願日とする特願2008-534744号の一部を平成23年2月16日に新たな特許出願としたものであって、 平成24年2月9日付けの拒絶理由の通知に対し、平成24年5月18日付けで手続補正がなされたが、平成24年10月1日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成25年2月12日に審判請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。


第2.平成25年2月12日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成25年2月12日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.補正の内容
上記手続補正(以下、「本件補正」という。)により補正された特許請求の範囲の請求項1-7のうち、請求項6の記載は次のとおりである(なお、下線は請求人が付与した。)。

「【請求項6】
無線通信装置であって、
時間同期を獲得するために無線通信網からのタイミングを取得するための手段と、
前記無線通信網からのタイミングに基づいて決定された指定された時間間隔において他の無線装置からのフレームを監視するための手段と、を具備する無線通信装置。」


2.補正の適否
上記請求項6は、補正前の請求項6における「無線通信網からのタイミングを取得するための手段」に関して、「時間同期を獲得するために無線通信網からのタイミングを取得するための手段」と限定するものであるから、この補正は、補正前の請求項に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、補正後の請求項6に係る発明(以下、「本件補正発明」という)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定の違反)について以下に検討する。


3.本件補正発明
本件補正発明は、上記「1.補正の内容」に記載したとおりのものである。


4.引用文献の記載事項
これに対して、原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日の前に公開された文献である特開2004-336779号公報(以下、「引用文献1」という)には、図面とともに、次のア、イの事項が記載されている(なお、下線は当審が付した。)。

ア.「【0016】
マルチ・ノード・アドホック・ネットワークのための本発明の方法をセンサ・ネットワーク、特に図1のセンサ・ネットワークに関して以下に説明する。ただし、本発明は図1のセンサ・ネットワークにも、また厳密に言えばセンサ・ネットワークにも限定されない。
【0017】
本発明は同期マルチ・ノード・アドホック・ネットワーク内のノードのウェイクアップのスケジューリングとノードのすべての期間を適応可能に設定する方法を提供する。図1のセンサ・ネットワークなどのマルチ・ノード・アドホック・ネットワークの同期化は周知である。例えば、ある周知の技法によれば、センサ・ノード10などの各ノードはグローバル・ポジショニング・センサ(GPS)受信機を含む。この技法によってマイクロ秒オーダでのノード間の同期化が可能になる。マルチ・ノード・ネットワーク内の測距および分散同期化の別の方法も周知である。
【0018】
ネットワークは同期化されているので、ネットワーク内のメッセージ通信のためのスロットとフレームの構造を定義できる。図2は本発明の方法を採用するセンサ・ネットワークが使用するスロットとフレームの構造を示す。図示のように、フレームFはそれぞれ期間がTのN個のスロットS1、S2、...SNを含む(ただしNは2以上の整数である)。したがって、フレームFの期間はT*Nである。さらに詳しく見ると、P個のフレームFが終了するたびに近傍制御期間が挿入される。近傍制御期間については後に詳述する。
【0019】
次いで、図1のセンサ・ネットワークで実施されるノードのウェイクアップのスケジューリングについて図2のスロットとフレームの構造を参照しながら説明する。各センサ・ノード10はアドレスを含む。例えば、アドレスは製造業者によってセンサ・ノード10に割り当てられた一意の識別子である。各センサ・ノードはいずれかの周知のハッシング法を用いてアドレスをフレームF内の1つまたは複数のスロットSにハッシュする(例えば、無線移動局が一意の識別子を特定の呼び出しチャネルにハッシュするためのハッシング法を用いて)。センサ・ノード10がハッシングするスロットSはそのセンサ・ノード10にとってウェイクアップ・スロットになる。したがって、センサ・ノード10のスリープ期間が満了すると、センサ・ノード10はそのウェイクアップ・スロット中ウェイクアップする。このようにして、センサ・ノード10はフレームFのスロットSにランダムに分散される。センサ・ノード10のスリープ期間の決定については以下に詳述する。」

イ.「【0022】
次に、同期マルチ・ノード・アドホック・ネットワーク内のノードのスリープ期間を適応可能に設定する方法を、図1のセンサ・ネットワークについて図2を参照しながら説明する。一実施例では、センサ・ノード10はM個のスリーパ・クラス(Mは2以上の整数)の1つに属することができる。各スリーパ・クラスはそれに関連する事前定義されたスリープ期間と、それに関連する事前定義されたネットワーク動作特性とを有する。事前定義されたネットワーク動作特性は、例えば、特定のスリーパ・クラスのノードが中継ノードとして動作できるか否かを含む。中継ノードは他のセンサ・ノード10からのメッセージを受信して中継するセンサ・ノード10である。
【0023】
一実施例では、スリーパ・クラスが下位であるほど、スリープ期間は短く、おそらくは、ネットワーク動作特性がセンサ・ノード10に課す処理負荷も重くなる。すなわち、スリーパ・クラスが下位であるほど、センサ・ノード10はより頻繁にウェイクアップしおそらくはより重い処理負荷を課される(例えば、中継ノードとして動作する)のでより多くのエネルギーを消費することになる。例えば、一実施例では、所定のスリーパ・クラスより下位のセンサ・ノード10は中継ノードとして動作する。
【0024】
センサ・ノード10が初めて操作を開始すると、センサ・ノード10はデフォルトのスリーパ・クラスで開始する。一実施例では、デフォルトのスリーパ・クラスは最下位のスリーパ・クラスである。ただし、センサ・ノード10は動作中にそのスリーパ・クラスを適応可能に変更する。これはセンサ・ノード10のスリープ期間、おそらくは処理負荷、またエネルギー消費を適応可能に変更する効果を生む。」

以上の記載事項を技術常識に照らし合わせれば、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「同期化のための周知な手段、例えば、グローバル・ポジショニング・センサ(GPS)受信機を含み、
いずれかの周知のハッシング法(例えば、無線移動局が一意の識別子を特定の呼び出しチャネルにハッシュするためのハッシング法)を用いてアドレスをハッシングするスロットSをそのセンサ・ノードにとってのウェイクアップ・スロットとして、スリープ期間が満了するとそのウェイクアップ・スロット中ウェイクアップし、
スリープ期間はそのセンサ・ノードが属するスリーパ・クラスにおいて事前に定義されたスリープ期間となる
同期マルチ・ノード・アドホック・ネットワークのセンサ・ノード。」


5.対比
引用発明は、「同期マルチ・ノード・アドホック・ネットワークのセンサ・ノード」であるから、「無線通信装置」であるといいえる。

引用発明の「同期化のための周知な手段、例えば、グローバル・ポジショニング・センサ(GPS)受信機を」は、タイミングを取得するための手段であって、このタイミングの取得は時間同期を獲得するために行われているといえることから、「時間同期を獲得するためにタイミングを取得するための手段」であるといいえる。

引用発明は、「同期化のための周知な手段、例えば、グローバル・ポジショニング・センサ(GPS)受信機を含」んでいることから、スリープ期間やウェイク・アップスロットなどからなるウェイクアップが繰り返させる時間間隔は、同期化により取得したタイミングに基づいて決定されているといえる。
また、ウェイクアップスロットにおいて、受信動作が行われることから、他の無線装置からのメッセージを監視しているといえる。
さらに、ウェイクアップが繰り返させる時間間隔の一部である「スリープ期間はそのセンサ・ノードが属するスリーパ・クラスにおいて事前に定義され」ることから、「指定された時間間隔」であるといえる。
このため、引用発明は、取得した「タイミングに基づいて決定された指定された時間間隔において他の無線装置からの」メッセージ「を監視するための手段」を備えているといいえる。

本件補正発明における「フレーム」は、発明の詳細な説明における開示された実施例の「ビーコンムレーム」や「探索要求」に対応し、「ビーコンムレーム」や「探索要求」は「メッセージ」の下位概念に属する技術概念であることに鑑みると、本件補正発明と引用発明を対比すると、次の点で一致する。

「無線通信装置であって、
時間同期を獲得するためにタイミングを取得するための手段と、
タイミングに基づいて決定された指定された時間間隔において他の無線装置からのメッセージを監視するための手段と、を具備する無線通信装置。」

また、次の点で相違する。

(1)相違点1
本件補正発明は、タイミングを無線通信網から取得しているに対して、引用発明は、グローバル・ポジショニング・センサ(GPS)から取得している点。

(2)相違点2
本件補正発明は、監視する他の無線装置からメッセージが「フレーム」であるのに対して、引用発明は特定されていない点。


6.当審の判断
(1)相違点1について
引用発明におけるタイミングを取得する構成としてはグローバル・ポジショニング・センサ(GPS)から取得する構成が開示されている一方で、「マルチ・ノード・アドホック・ネットワークの同期化は周知である」とも記載されている。

そして、原査定で引用された特表2003-503920号公報の【要約】の
「リモート通信端末間にアドホック通信セッションを確立するシステム及び方法が開示されている。基地局は、基地局の識別情報及びシステム・クロックについての情報を含むビーコン信号を送信する。範囲内にあるリモート端末は、基地局にロックし、それらのクロックを基地局のクロックに同期させ、それらのホップ・シーケンス及びホップ・シーケンスの位相をビーコン信号の情報に基づいて設定する。アドホック通信セッションを確立するために、マスター端末は最初に、基地局とのリンクを確立し、基地局が所望のスレーブ端末とのリンクを確立する。基地局は、マスター端末がスレーブ端末との直接的通信セッションを確立できるようにする情報を、リモート端末間で交換する。 」
なる記載(なお、下線は当審が付した。)、
或いは、特表2004-530349号公報の段落【0003】、【0016】、【0021】の
「【0003】
WLANには基本的にインフラベース(infrastructure-based)とアドホック(ad hoc)の2つの変形がある。図1は、他のネットワークとのアクセスを提供できるインフラネットワークの典型例を示す。このインフラベースの無線ネットワークでは、通信は基本的に無線ノード間で直接行われるのでなく、無線ノードとアクセスポイント(AP)との間でのみ行われる。図2(a)及び図2(b)は、異なるエンドユーザ装置を有するアドホック無線ネットワークを示す。このアドホック無線ネットワークでは、各ノードは他のノードと、互いが同じ無線領域にいる場合、あるいは第3のノードがメッセージを転送することができる場合に、通信可能である。 」
「【0016】
本発明の好適な実施例によると、各ネットワークフレームは、AP14からBSSのすべてのアクティブなSTAへビーコンを送信することから始まる。図5を参照するに、ビーコンフィールドには、各STAへのタイムスロットの割り当てに関する情報が示されている。その情報には、AP14についての情報だけでなく同期情報も含まれる。これにより新たなSTAがAP14と連携することができる。このタイムスロット割り当て情報に基づき、各基地局は保留になっているトラフィックをいつ送信すべきか、そして/または発信済のトラフィックをいつ受信すべきかについて決定することができる。例えば、図5において、ビーコンは、(T1, T2)間のタイムスロットがSTA1のSTA2への送信のためであり、(T2, T3)間のタイムスロットがSTA3のSTA4への送信のためであり、(T4, T5)間のタイムスロットがランダムアクセス(RA)のためのものであるということを知らせる。これにより各STAは割り当てられたタイムスロットの始めに保留中のトラフィックの送信を開始し、このタイムスロットの終わりまでに送信を完了させる。ネットワークフレームのサイズは、サポートされているアプリケーションに依存して異なりうる。例えば、もしネットワークによりサポートされているインタラクティブボイスアプリケーション(interactive voice application)があれば、ネットワークフレームのサイズあるいはビーコン送信間隔は典型的には20ミリセカンド未満になるであろう。しかしながら、放送映像アプリケーションのみがサポートされていれば、ネットワークフレームサイズは100ミリセカンドになりうる。このように、ネットワーク状況に依存して時間の経過とともに、ネットワークフレームサイズは調整される。」
「【0021】
図7を参照するに、アクティブなSTAはAP14からビーコンフレーム通知を受信し、次のネットワークフレームにおいてどの時点でどのSTAに送信すべきかを決定するためにこのビーコンフレーム通知を処理する。それから、各アクティブノードは各STAのAP14への受信信号強度レベルを示すリターン信号を送信する。好ましくは、各アクティブノードはそれが割り当てられているタイムスロットにおいて、あるいは、もし割り当てがされていなければ、ランダムアクセスピリオドにおいて、リターン信号をAPに送信する。その後、AP14は受信した各アクティブSTAの信号強度レベルを反映させるために前述のテーブルを更新し、すべてのSTAに新たにタイムスロットを割り当てる。更新された情報に基づき、AP14はどの基地局が互いに隠れているか確認することができる。もし受信した信号の質が設定されている限界以下まで劣化しているか、あるいは(詳細については後述される)ある条件が満たされるとき、AP14からアクティブSTAへの次のフレームメッセージが、複数のピアツウピア送信のための時間割り当てを指定するために送信される。各ビーコンフレームを受信すると、各アクティブSTAはそのビーコン信号を処理し、同時送信のための時間割り当てを決定する。 」
なる記載(なお、下線は当審が付した。)を参酌すると、
「アドホック・ネットワークにおいて、他の無線通信装置からの着信を監視する間欠受信のための同期を無線通信網から取得すること」は、周知な事項であるといえる。

さらに、「RCR STD-28」として規格されたPHSは、無線通信装置間で通信を行うことが可能なシステムであるとともに、他の無線通信装置からの着信を監視する間欠受信のための同期化手段として、基地局、即ち、無線通信網から取得するシステムであり、「無線通信装置間で通信を行うことが可能なシステムにおいて、他の無線通信装置からの着信を監視する間欠受信のための同期化手段として無線通信網から取得する構成」は周知な構成であるいえる。

してみると、引用発明1におけるタイミングを取得する構成として、いずれの周知な同期化手段を用いるかは設計的事項にすぎず、引用発明1において、周知なタイミング取得手段である、タイミングを無線通信網から取得する手段を採用することは、当業者が容易になしえる事項である。

(2)相違点2について
引用発明では、監視する他の無線装置からメッセージについて如何なるメッセージであるのか具体的な特定なされていないものの、アドホック・ネットワークにおいて、ビーコンフレームが送信された否かを間欠受信により監視することは周知な事項であるといえる。

たとえば、特開2004-320153号公報の段落【0004】?【0005】には、以下の事項が記載されている(なお、下線は当審が付した。)。
「【0004】
そこで、IEEE802.11規格では、パケットロス防止のために、送信側の通信端末は、スリープ状態にある通信端末宛のデータをバッファリングしておく。一方、スリープ状態にある通信端末は、ほぼ一定周期で送信されるビーコンフレームのタイミングで起動し、ビーコンフレームに付与されている「データバッファリング中」の目印が確認できると、起動状態になり、データを受信することが行われる。
【0005】
このようにして、ビーコンフレームを起点として、スリープ状態から起動状態に遷移する。通常、一旦起動状態になると、一定時間起動状態を維持した後に再度スリープ状態とする方法が用いられている。 」

また、特開2005-080158号公報の【要約】には、以下の事項が記載されている(なお、下線は当審が付した。)。
「【要約】
【課題】無線通信装置において、消費電力を抑え、かつ標準的な通信プロトコルで無線データ通信を行うことを可能にすること。
【解決手段】他の通信端末と無線ネットワークを形成する無線通信装置STAnは、無線モジュール4、無線モジュールを介して他の通信端末とデータの交換を行うメインCPU1とを備える。無線モジュール4は、マスタ通信端末から受信するビーコンフレームに基づいて、自端末宛のデータが存在するか否かを判断し、自端末宛のデータが存在しない場合には、メインCPU1を休眠状態にするとともに、次回のビーコンフレームを受信するまでの期間中に自己も休眠状態に移行する。また、自端末宛のデータが存在する場合には、メインCPU1を休眠状態から動作状態に切り換え、次回のビーコンフレームを受信するまでの期間に、他の通信端末から受信する自端末宛のデータをメインCPU1に与える。」

してみると、引用発明1において、特定の時間間隔において監視する他の無線装置からのメッセージを、ビーコンフレームなどのフレームとすることは、当業者であれば、何ら困難性はなくなしえる事項であるといえる。

また、本件補正発明の構成によってもたらされる効果は、引用発明及び周知な事項から当業者ならば容易に予測することができる程度のものであって、格別のものとはいえない。


7.むすび
以上のとおり、本件補正発明は、引用発明及び周知な事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。



第3.本願発明について
1.本願発明
平成25年2月12日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成24年5月18日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?7に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項6に係る発明(以下、「本願発明」という)は、次のとおりのものである。

「【請求項6】
無線通信装置であって、
無線通信網からのタイミングを取得するための手段と、
前記無線通信網からのタイミングに基づいて決定された指定された時間間隔において他の無線装置からのフレームを監視するための手段と、を具備する無線通信装置。」


2.引用文献の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び引用発明は、前記「第2.平成25年2月12日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「4.引用文献の記載事項」に記載したとおりである。


3.対比・判断
本願発明は、前記「第2.平成25年2月12日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「3.本件補正発明」で検討した本件補正発明における「無線通信網からのタイミングを取得するための手段」についての限定事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の特定事項を付加したものに相当する本件補正発明が前記「第2.平成25年2月12日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「6.当審の判断」に記載したとおり、引用発明及び周知な事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知な事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。



第4.まとめ
以上のとおり、本願の請求項6に係る発明は、引用発明及び周知な事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。
 
審理終結日 2013-11-26 
結審通知日 2013-12-03 
審決日 2013-12-17 
出願番号 特願2011-30649(P2011-30649)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲高▼橋 真之石田 紀之  
特許庁審判長 水野 恵雄
特許庁審判官 佐藤 聡史
近藤 聡
発明の名称 アドホック無線通信網におけるピアツーピア通信  
代理人 河野 直樹  
代理人 岡田 貴志  
代理人 竹内 将訓  
代理人 野河 信久  
代理人 砂川 克  
代理人 峰 隆司  
代理人 中村 誠  
代理人 堀内 美保子  
代理人 福原 淑弘  
代理人 井上 正  
代理人 井関 守三  
代理人 幸長 保次郎  
代理人 佐藤 立志  
代理人 赤穂 隆雄  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 白根 俊郎  

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