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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する C09D
管理番号 1287738
審判番号 訂正2014-390022  
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-07-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2014-01-28 
確定日 2014-03-20 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4764563号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4764563号に係る特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書の特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める。 
理由 1.事件の経緯
本件特許第4764563号は、平成13年4月11日(優先権主張 平成12年4月11日)に出願された特願2001-112704号の請求項1?11に係る発明について平成23年6月17日に特許権の設定登録がなされ、その後、平成26年1月28日に訂正審判の請求がされたものである。

2.請求の趣旨および訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第4764563号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書の特許請求の範囲のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求めるものである。そして、その訂正の内容は、特許請求の範囲を以下の訂正事項1?2のとおりである。

訂正事項1
特許請求の範囲の請求項4に、主溶媒が水である点を記載する減縮訂正する。また、請求項4を引用する請求項についても同様に減縮訂正をする。

訂正事項2
特許請求の範囲の請求項8に、1,2-アルカンジオ-ルの含有量が0.5?5重量%である点、グリコールモノエーテルの含有量が0.25?5重量%である点を記載する減縮訂正をする。また、請求項8を引用する請求項についても同様に減縮訂正をする。

3.当審の判断
(1)訂正の目的の適否、新規事項の有無、および、拡張・変更の有無
ア 訂正事項1について
(ア)訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項4が引用する請求項1に記載された「水」を「インク組成物の主溶媒」のものとするものであり、「水」を「インク組成物の主溶媒が水である」とする訂正は上位概念から下位概念への変更にあたるから、特許請求の範囲の減縮を行うものである。
よって、訂正事項1のうち請求項4についての訂正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

また、請求項4を直接的ないし間接的に引用する請求項5?11についての訂正も同様に特許請求の範囲の減縮を行うものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ)新規事項の追加
訂正事項1に係る事項は、いずれも訂正前の本件明細書に記載された事項の範囲内で行われるものであり(「インク組成物の主溶媒が水である」との事項については、本件明細書の段落【0046】の「…本発明によるインク組成物において、主溶媒は水である。…」との記載参照。)、訂正の前後で請求項に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題を変更するものではないから、新規事項を追加するものではない。

(ウ)特許請求の範囲の拡張・変更
訂正事項1は、上記(ア)のとおり、特許請求の範囲を減縮するものであり、発明のカテゴリー、対象、目的の変更等をするものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

イ 訂正事項2について
(ア)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の特許請求の範囲の請求項8が引用する請求項1に記載された「グリコールモノエーテル」を「グリコールモノエーテルの添加量がインク組成物全量に対して0.25?5重量%であり」とするとともに、訂正前の特許請求の範囲の請求項8が引用する請求項1に記載された「1,2-アルカンジオール」を「1,2-アルカンジオールの添加量がインク組成物全量に対して0.5?5重量%である」とするものであり、このうち、「グリコールモノエーテル」を「グリコールモノエーテルの添加量がインク組成物全量に対して0.25?5重量%であり」とする訂正はグリコールモノエーテルの添加量についての構成要件の直列的付加にあたり、「1,2-アルカンジオール」を「1,2-アルカンジオールの添加量がインク組成物全量に対して0.5?5重量%である」とする訂正は、1,2-アルカンジオールの添加量についての構成要件の直列的付加にあたるから、いずれも特許請求の範囲を減縮を行うものである。
よって、訂正事項2のうち請求項8についての訂正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、請求項8を直接的ないし間接的に引用する請求項9?11についての訂正も同様に、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ)新規事項の追加
訂正事項2に係る事項は、いずれも訂正前の本件明細書に記載された事項の範囲内で行われるものであり(「グリコールモノエーテルの添加量がインク組成物全量に対して0.25?5重量%であり」との事項については、本件明細書の段落【0016】の「本発明においては、グリコールモノエーテルは、インク組成物全量に対して0.25?10重量%の範囲で添加することが好ましく、より好ましくは0.5?5重量%の範囲である。…」とのグリコールモノエーテルの添加量の下限値として0.25重量%記載され、好ましい添加量の上限値として5重量%が記載されている点参照。「1,2-アルカンジオールの添加量がインク組成物全量に対して0.5?5重量%である」との事項については、本件明細書の段落【0019】の「本発明によるインク組成物は、前記1,2-アルカンジオールを、インク組成物全量に対して0.5?10重量%の範囲で含んでなるものであることが好ましく、より好ましくは、1?5重量%の範囲で含んでなるものである。…」との1,2-アルカンジオールの添加量の下限値として0.5重量%記載され、好ましい添加量の上限値として5重量%が記載されている点参照。)、訂正の前後で請求項に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題を変更するものではないから、新規事項を追加するものではない。

(ウ)特許請求の範囲の拡張・変更
訂正事項2は、上記(ア)のとおり、特許請求の範囲を減縮するものであり、発明のカテゴリー、対象、目的の変更等をするものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)独立特許要件
訂正事項1?2は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであるところ、当該訂正事項に係る訂正後の請求項4、8及びそれらの請求項を引用する請求項5?11に記載された発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明であるとはいえないから、特許法第126条第7項の規定に適合する。

4.むすび
したがって、本件訂正審判の請求に係る訂正事項は、いずれも特許法第126条第1項第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
インク組成物
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤と、保湿剤と、グリコールモノエーテルと、1,2-アルカンジオールと、水とを少なくとも含んでなるインク組成物であって、
前記グリコールモノエーテルと1,2-アルカンジオールとの重量比が1:5?5:1の範囲であって、かつ
1,2-アルカンジオールの炭素数が4?10である、インク組成物。
{ただし、前記インク組成物は、下記式(I)で表される化合物を含まない:
【化1】

(上記式中、
EOはエチレンオキシ基を表し、
POはプロピレンオキシ基を表し、
m1、m2、m3、n1、n2、およびn3は0または1以上の自然数を表し、EOおよびPOは、上記式の[]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよく、
式(I)の化合物の混合物の数平均として表した場合、m1+m2+m3+n1+n2+n3が0.5?10の範囲にある)}。
【請求項2】
前記グリコールモノエーテルと1,2-アルカンジオールとの重量比が1:2?2:1の範囲である、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項3】
グリコールモノエーテルがグリコールモノブチルエーテルである、請求項1または2に記載のインク組成物。
【請求項4】
1,2-アルカンジオールの炭素数が6?8であり、インク組成物の主溶媒が水である、請求項1?3のいずれか一項に記載のインク組成物。
【請求項5】
グリコールモノエーテルがグリコールモノブチルエーテルであり、かつ、1,2-アルカンジオールが1,2-ヘキサンジオールであって、該1,2-ヘキサンジオールの添加量がインク組成物全量に対して2.5重量%未満である、請求項1?4のいずれか一項に記載のインク組成物。
【請求項6】
着色剤が水溶性の染料である、請求項1?5のいずれか一項に記載のインク組成物。
【請求項7】
着色剤が分散した顔料である、請求項1?5のいずれか一項に記載のインク組成物。
【請求項8】
ノニオン性界面活性剤をさらに含んでなり、
グリコールモノエーテルの添加量がインク組成物全量に対して0.25?5重量%であり、1,2-アルカンジオールの添加量がインク組成物全量に対して0.5?5重量%である、請求項1?7のいずれか一項に記載のインク組成物。
【請求項9】
ノニオン性界面活性剤がアセチレングリコール系界面活性剤である、請求項8記載のインク組成物。
【請求項10】
インク組成物の液滴を吐出して、前記液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1?9のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、インクジェット記録方法。
【請求項11】
請求項10に記載の記録方法によって記録が行われた、記録物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】
発明の分野
本発明は、吐出安定性に優れたインク組成物に関する。詳しくは、インクジェット記録用プリンターに用いられるインク組成物に関する。
【0002】
背景技術
インクジェット記録は、微細なノズルからインクを小滴として吐出して、文字や図形を被記録体表面に記録する方法である。インクジェット記録方式としては電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して被記録体表面に文字や記号を記録する方法や、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させて、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、被記録体表面に文字や記号を記録する方法などが実用化されている。
【0003】
このようなインクジェット記録に用いられるインクには、印字の乾燥性がよいこと、印字のにじみがないこと、種々の被記録体表面に均一に印字できること、および、多色の場合色が混じり合わないことなどの種々の性能が要求される。
【0004】
このため従来は、インク組成物が記録紙上で素早く乾燥させるか、または隣接した異なる色のインク間の混合を防止するために、記録物への浸透を促進する成分をインク組成物中に添加することが検討されている。
【0005】
例えば、特開平2-14260号公報には、インクの浸透性を促進する成分として低級アルコール類を使用することが記載されている。
【0006】
特開昭57-55975号公報には、インク組成物に界面活性剤を添加することにより、インクの表面張力を低下させて、インクの浸透性を向上させることが記載されている。
【0007】
特開平7-157698号公報には、浸透剤として1,2-アルカンジオールが記載されている。しかしながら、この公報に具体的に開示されているインクは全て着色剤として染料を含むものである。
【0008】
【発明の概要】
本発明者等は、今般、インク組成物において、グリコールモノエーテルと1,2-アルカンジオールとを用い、かつ、そのグリコールモノエーテルと1,2-アルカンジオールとの間の割合を特定の範囲内とすることにより、優れた吐出安定性を有するインク組成物が得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づくものである。
したがって、本発明は、インクジェット記録装置に用いた場合に優れた性能を有するインク組成物、とりわけ優れたインク吐出安定性を有するインク組成物の提供をその目的としている。
【0009】
そして、本発明によるインク組成物は、着色剤と、保湿剤と、グリコールモノエーテルと、1,2-アルカンジオールと、水とを少なくとも含んでなるインク組成物であって、前記グリコールモノエーテルと1,2-アルカンジオールとの重量比が1:5?5:1の範囲であるものである。
また、本発明によるインク組成物において、着色剤は水溶性の染料または分散した顔料から選択されるものである。
本発明の一つの好ましい態様によれば、インク組成物は、ノニオン性界面活性剤をさらに含んでなる。
【0010】
【発明の具体的説明】
インク組成物
本発明によるインク組成物は、インク組成物を用いた記録方式に用いられる。インク組成物を用いた記録方式とは、例えば、インクジェット記録方式、ペン等による筆記具による記録方式、その他各種の印字方式が挙げられる。本発明によるインク組成物は、インクジェット記録方法に好ましく用いられる。
【0011】
本発明によるインク組成物は、1,2-アルカンジオールとグリコールモノエーテルとを組み合わせて含んでなり、1,2-アルカンジオールのみを含んでなる場合に比べて、より少ない1,2-アルカンジオールの添加量で同等の浸透性をインクに付与できる。これにより、インク組成物に加えられる1,2-アルカンジオールの量を相対的に減少させることができ、1,2-アルカンジオール以外の他の成分をより加えることができる。これは、インクの設計または改良を図る観点において有利である。また、本発明によるインク組成物は、吐出安定性に優れる。その理由は定かではないが、インク組成物の吐出ノズルの濡れ性が適切なものになるからではないかと予想される。後記する実施例にあるように、本発明によるインク組成物によれば、ノズル付近のインクの付着が生じない。これによりインク滴の飛行曲がりが効果的に防止されるものと思われる。
【0012】
本発明において、グリコールモノエーテルと1,2-アルカンジオールとは、浸透剤として主として機能すると考えられる。
本発明によるインク組成物においては、グリコールモノエーテルと1,2-アルカンジオールとの比率(重量比)が1:5?5:1の範囲となるようにグリコールモノエーテルと1,2-アルカンジオールとが存在することが必要であり、好ましくは該重量比は1:2?2:1の範囲である。このような範囲内にあることは、優れた吐出安定性を保持しつつ、1,2-アルカンジオール添加量を低減させる観点から有利である。
【0013】
グリコールモノエーテル
本発明において、グリコールモノエーテルとは、モノおよびポリエチレングリコール、モノおよびポリプロピレングリコール等のグリコール類のモノエーテル化合物より選択されるものであり、下記式(i)で表される化合物より選択されるものであることが好ましい。
R-O-[C_(x)H_(2x)-O]_(y)-H (i)
[前記式中、
Rは炭素数1?6のアルキル基、フェニル基、またはベンジル基、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、またはブチル基であり、 xは1?3、好ましくは2または3であり、 yは1?8、好ましくは1?5、より好ましくは1?3である]。
【0014】
前記グリコールモノエーテルは、具体的には例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-iso-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-iso-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、1-メチル-1-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-iso-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-iso-プロピルエーテル等が挙げられる。
【0015】
このうち、本発明においては、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、またはジプロピレングリコールモノブチルエーテルが、1,2-アルカンジオールとの相溶性が高く、好ましい。
【0016】
本発明においては、グリコールモノエーテルは、インク組成物全量に対して0.25?10重量%の範囲で添加することが好ましく、より好ましくは0.5?5重量%の範囲である。0.25重量%以上であると、1,2-アルカンジオールと併用して充分な浸透性を得ることができ、また10%未満であると、他の添加剤と合わせて印字可能なインク粘度に容易に調整することができ、有利である。
【0017】
1,2-アルカンジオール
本発明において1,2-アルカンジオールは、好ましくは、その炭素数が4?10の1,2-アルカンジオールである。1,2-アルカンジオールは二種以上を混合して添加してもよい。
【0018】
本発明の好ましい態様において、1,2-アルカンジオールは、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオールおよびそれらの混合物からなる群より選択される。より好ましくは、1,2-アルカンジオールは、その炭素数が6?8であるもの、すなわち、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、または1,2-オクタンジオールであることが好ましい。これらは、記録媒体への浸透性に優れている点で有利である。
本発明のさらに好ましい態様において、前記1,2-アルカンジオールは、1,2-ヘキサンジオールである。
【0019】
本発明によるインク組成物は、前記1,2-アルカンジオールを、インク組成物全量に対して0.5?10重量%の範囲で含んでなるものであることが好ましく、より好ましくは、1?5重量%の範囲で含んでなるものである。0.5重量%以上であれば充分な浸透性を得ることができ、また、10重量%以下であれば他の添加剤と合わせて印字可能なインク粘度に調整しやすくなるので、有利である。
【0020】
本発明の好ましい態様によれば、グリコールモノエーテルがグリコールモノブチルエーテルであり、かつ、1,2-アルカンジオールが1,2-ヘキサンジオールである組み合わせが好ましい。このとき、該1,2-アルカンジオールの添加量は2.5重量%未満であることが好ましく、このような添加量であることにより、インク組成物に充分な浸透性が確保でき、また優れた印字安定性を示すことができる。
なおここで、グリコールモノブチルエーテルとは、前記した式(i)において、それぞれRがブチル基、xが2または3、およびyが1?3であるような化合物のことをいい、具体的には例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、またはジプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
【0021】
着色剤
本発明において着色剤は、インク組成物中で溶解または分散することができるものであって、インクジェト記録装置により印刷した場合に記録媒体上に多数の色の印刷物を印刷することができるものである。
本発明によるインク組成物にあっては、着色剤は、染料または顔料から適宜選択することができる。また、染料と顔料とは必要に応じて適宜組み合わせて使用しても良い。
本発明における着色剤としては、水性媒体に溶解もしくは分散させることができる、有機性の染料または顔料のような有色物質であることが好ましい。これらは、重量当たりの発色濃度が高く、色彩が鮮やかなためインクに用いるのに適している。
【0022】
本発明における染料としては、特に制限されないが、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、および可溶性建染染料などの通常インクジェット記録に使用する各種染料を有利に使用することができる。
【0023】
本発明において使用可能な染料としては、具体的には例えば下記のものが例示できる。
イエロー系の染料の具体例としては、C.I.アシッドイエロー1、3、11、17、19、23、25、29、36、38、40、42、44、49、59、61、70、72、75、76、78、79、98、99、110、111、127、131、135、142、162、164、165、C.I.ダイレクトイエロー1、8、11、12、24、26、27、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、110、132、142、144、C.I.リアクティブイエロー1、2、3、4、6、7、11、12、13、14、15、16、17、18、22、23、24、25、26、27、37、42、C.I.フードイエロー3、4等が挙げられる。
【0024】
また、マゼンタ系の染料の具体例としては、C.I.アシッドレッド1、6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、37、42、51、52、57、75、77、80、82、85、87、88、89、92、94、97、106、111、114、115、117、118、119、129、130、131、133、134、138、143、145、154、155、158、168、180、183、184、186、194、198、209、211、215、219、249、252、254、262、265、274、282、289、303、317、320、321、322、C.I.ダイレクトレッド1、2、4、9、11、13、17、20、23、24、28、31、33、37、39、44、46、62、63、75、79、80、81、83、84、89、95、99、113、197、201、218、220、224、225、226、227228、229、230、231、C.I.リアクティブレッド1、2、3、4、5、6、7、8、11、12、13、15、16、17、19、20、21、22、23、24、28、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、46、49、50、58、59、63、64、C.I.フードレッド7、9、14等が挙げられる。
【0025】
シアン系の染料の具体例としては、C.I.アシッドブルー1、7、9、15、22、23、25、27、29、40、41、43、45、54、59、60、62、72、74、78、80、82、83、90、92、93、100、102、103、104、112、113、117、120、126、127、129、130、131、138、140、142、143、151、154、158、161、166、167、168、170、171、182、183、184、187、192、199、203、204、205、229、234、236、249、C.I.ダイレクトブルー1、2、6、15、22、25、41、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、120、123、158、160、163、165、168、192、193、194、195、196、199、200、201、202、203、207、225、226、236、237、246、248、249、C.I.リアクティブブルー1、2、3、4、5、7、8、9、13、14、15、17、18、19、20、21、25、26、27、28、29、31、32、33、34、37、38、39、40、41、43、44、46、C.I.フードブルー1、2等が挙げられる。
【0026】
さらに、ブラック系の染料の具体例としては、C.I.アシッドブラック1、2、7、24、26、29、31、48、50、51、52、58、60、62、63、64、67、72、76、77、94、107、108、09、110、112、115、118、119、121、122、131、132、139、140、155、156、157、158、159、191、C.I.ダイレクトブラック17、19、22、32、38、51、56、62、71、74、75、77、94、105、106、107、108、112、113、117、118、132、133、146、154、168、C.I.リアクティブブラック1、3、4、5、6、8、9、10、12、13、14、18、C.I.フードブラック2等が挙げられる。
【0027】
本発明において、着色剤として染料を使用する場合には、該インク組成物へのその添加量は、好ましくは0.5?15重量%であり、より好ましくは0.7?10重量%である。0.5重量%以上であると、インクジェット記録装置に用いた場合に、最低限の印字濃度を得ることができ、また、15重量%以下であると、他の添加剤と合わせて印字可能なインク粘度に調整し易く、有利である。
【0028】
本発明において使用可能な顔料としては、特に制限はなく、無機顔料、または有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、酸化チタンおよび酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが使用できる。
【0029】
本発明において、顔料は、アルカリ性溶媒で分散した状態として用いられる。このようなものとしては、カラーインデックスにおいて顔料に分類されるものを、分散剤によりアルカリ性のpH域で分散安定化したもの、または、顔料表面に官能基を付与する処理を行って分散したものが挙がられる。
【0030】
本発明において使用可能な顔料としては、具体的には例えば下記のものが例示できる。
例えば、カラー系のものとして、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、14C、15、16、17、24、34、35、37、42、53、55、65、73、74、75、81、83、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、128、129、138、150、151、153、154、180等が挙げられる。
【0031】
また、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、48(Ca)、48(Mn)、48:2、48:3、48:4、49、49:1、50、51、52、52:2、53:1、53、55、57(Ca)、57:1、60、60:1、63:1、63:2、64、64:1、81、83、87、88、89、90、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、163、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、209、219等も挙げられる。
【0032】
さらに、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、16、17:1、22、25、56、60、C.I.バットブルー 4、60、63、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19(キナクリドンレッド)、23、38等も挙げられる。その他顔料表面を樹脂等で処理したグラフトカーボン等の加工顔料等も使用できる。
【0033】
また黒色系のものとしては、例えばカーボンブラックおよびC.I.ピグメントブラック1が挙げられる。前記したカーボンブラックの具体例としては、三菱化学製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B等が、コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、Raven700等が、キャボット社製のRegal 400R、Regal330R、Regal660R、Mogul L、Monarch700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1、ColorBlack FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、ColorBlack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black4A、Special Black 4等が挙げられる。
【0034】
本発明において使用可能な分散剤としては、例えば、スチレン-アクリル酸樹脂、スチレン-アクリル酸-アクリル酸エステル樹脂、スチレン-マレイン酸樹脂、スチレン-マレイン酸半エステル樹脂、アクリル酸-アクリル酸エステル樹脂、イソブチレン-マレイン酸樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等が挙げられる。
【0035】
顔料の分散は、従来から知られている方法にて行うことができる。前記した分散剤と顔料を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア水、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン、アミノメチルプロパノール等によりアルカリ性とした水中に混合し、これを、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、ジェットミル、オングミルなどの分散機を用いて顔料を分散させる。このとき、顔料の平均粒子径は25?1000nm、好ましくは50?250nmに調製する。さらにこのとき、目詰まりの原因となる粗大粒子や異物を取り除くために、金属フィルターやメンブランフィルターなどを用いた濾過あるいは遠心分離を行なうのが好ましい。
【0036】
本発明のインク組成物において、着色剤として顔料を使用する場合、該インク組成物へのその添加量は、好ましくは0.5?15重量%であり、より好ましくは0.7?12重量%である。
【0037】
本発明においては、着色剤として、前記した染料および顔料の各群から単独種を選択して用いてもよく、また前記各群内もしくは各群間から複数種選択してこれらを組み合わせて使用してもよい。
【0038】
保湿剤
本発明における保湿剤としては、インク組成物において使用すると、インクの乾燥を抑制してインクジェット記録装置の吐出ノズルでのインク固化を防止することができるものであれば、いずれのものも使用可能である。
本発明において用いられる保湿剤としては、水溶性有機溶剤のなかで保湿性まはた吸湿性のある材料であることが好ましく、具体的には例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール1,6-ヘキサンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等のポリオール類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。また、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、1,3-ジメチルイミダゾリジノン類等の尿素類、ε-カプロラクタム等のラクタム類、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の固体グリセリン類、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等の糖類などのような水溶性の吸湿材料も好適に例示することができる。
【0039】
これらの保湿剤は、他のインク組成物の成分と合わせて、インク粘度が25℃において25mPa・s以下になる添加量で加えることができる。
【0040】
ノニオン系界面活性剤
本発明の好ましい態様によれば、インク組成物は、ノニオン系界面活性剤をさらに含んでなる。ノニオン性界面活性剤の使用は、インク組成物を、少ないインク量でも、記録紙上で充分に広げるために有利である。また、ノニオン性界面活性剤の使用は、イオン性の界面活性剤に比較して発泡の少ないインク組成物を得ることができる点で有利である。
【0041】
このようなノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、および、後述するアセチレングリコール系界面活性剤等が挙げられる。これらは単独使用または二種以上を併用することができる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ニッサンノニオンK-211、K-220、P-213、E-215、E-220、S-215、S-220、HS-220、NS-212、NS-220(以上いずれも日本油脂株式会社製)等が挙げられる。
【0042】
本発明の好ましい態様によれば、インク組成物はノニオン系界面活性剤としてアセチレングリコール系界面活性剤をさらに含んでなることが好ましい。
本発明において、アセチレングリコール系界面活性剤の好ましい具体例としては、下記の式(a)で表される化合物が挙げられる。
【0043】
【化1】

[上記式中、0≦m+n≦50、R^(1*)、R^(2*)、R^(3*)、およびR^(4*)は独立してアルキル基(好ましくは炭素数1?6のアルキル基)を表す]
【0044】
上記の式(a)で表される化合物の中で特に好ましくは2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3オールなどが挙げられる。上記の式(a)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤として市販品を利用することも可能であり、その具体例としてはサーフィノール61、82、104、440、465、485、またはTG(いずれもAir Products and Chemicals.Inc.より入手可能)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(商品名)(以上、日信化学社製)が挙げられる。これらのアセチレングリコール系界面活性剤は、2種以上を混合して添加してもよい。
【0045】
ノニオン系界面活性剤の添加量はインク組成物に対して0.1?5重量%程度の範囲であるのが好ましく、より好ましくは0.5?2重量%程度の範囲である。0.1重量%以上であると、グリコールモノエーテルと1,2-アルカンジオール類とからなる浸透剤と併用することは、記録紙上にインクが着弾させたときに、紙の横方向にインクを広げる上で有利である。また5重量%以下であると、他の添加剤と合わせて、印字可能なインク粘度に調整することが容易となる。
【0046】
水およびその他の成分
本発明によるインク組成物において、主溶媒は水である。ここで、水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水などの純水、もしくは超純水が好ましく使用することができる。また、紫外線照射、過酸化水素の添加により殺菌した水を用いることで、長期保存に際しカビ、バクテリアなどの発生を防止できるので好ましい。
本発明によるインク組成物は、さらに上記した以外の他の水溶性有機溶媒をさらに含んでいても良い。
【0047】
本発明によるインク組成物は、さらにノズルの目詰まり防止剤、防腐剤・防かび剤、酸化防止剤・紫外線吸収剤、導電率調整剤、pH調整剤、表面張力調整剤、溶解助剤、粘度調整剤、酸素吸収剤などの他の任意成分をさらに含んでなることができる。
【0048】
pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノールなどのアルカリ金属の水酸化物あるいはアミン類が挙げられる。
【0049】
酸化防止剤・紫外線吸収剤としては、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L-アスコルビン酸およびその塩等、チバガイギー社製のTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024など、さらにはランタニドの酸化物等が挙げられる。
【0050】
防腐剤・防かび剤としては、例えば安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2-ピリジンチオール-1-オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2-ジベンゾチアゾリン-3-オン(ICI社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL-2、プロキセルTN)などの中から選ぶことができる。
【0051】
記録方法
本発明によれば、前記インク組成物を記録媒体に付着させて印字を行う記録方法が提供される。ここで、インク組成物を用いる前記記録方法としては、例えば、インクジェット記録方法、スクリーン印刷、ペン等による筆記具による記録方法、その他各種の印刷方法が挙げられる。
【0052】
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物の液滴を吐出し該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行うインクジェット記録方法が提供される。
本発明において、インクジェット記録方法は、インク組成物を微細なノズルより液滴として吐出して、その液滴を記録媒体に付着させる方法であればいかなる方法も使用することができる。このような方法としては、例えば、電歪素子の応答による機構のインクジェットヘッドを用いた方法、すなわちインク液に電歪素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、それによる機械的変形によりインク滴を噴射させて印字を行う方法、熱エネルギーの作用によりインク液を急激に体積膨張させる方法、および、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方法が挙げられる。また、静電吸引方式の方法も挙げられる。この方法は、ノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印可し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する方法、またはインク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方法である。
【0053】
本発明においては、以上のような種々のインクジェット記録方法において、10m/s以下の比較的低速のインク吐出速度で印刷を行い、かつ本発明によるインク組成物を使用することによって、吐出ノズルへのインク付着を防止して安定にインクジェット記録を行うことができる。
【0054】
さらに本発明によれば、前記の記録方法により記録された記録物も提供される。
【0055】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0056】
下記のようにしてインク組成物1?11を調製した。
インク組成物1
ブラック系染料であるC.I.ダイレクトブラック32を6g、グリセリンを10g、ジエチレングリコールを5g、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを1g、1,2-ペンタンジオールを5g、pH調整剤としての水酸化カリウムを0.1g、およびアミノメチルプロパノールを0.5g混合して、超純水を加えて全量を100gとして混合液を得た。この混合液を2時間攪拌して、孔径約1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)により濾過して、インク組成物1を調製した。
【0057】
インク組成物2
シアン系染料であるC.I.ダイレクトブルー86を3g、グリセリンを5g、トリエチレングリコールを10g、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを3g、1,2-ペンタンジオール3gを、およびpH調整剤としての水酸化カリウムを0.1g混合して、超純水を加えて全量を100gとして混合液を得た。この混合液を2時間攪拌して、孔径約1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)により濾過して、インク組成物2を調製した。
【0058】
インク組成物3
イエロー顔料であるC.I.ピグメントイエロー74を100g、水溶性樹脂分散剤であるジョンクリルJ-62(ジョンソンポリマー社製)を150g、水酸化カリウムを6g、および水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行った。得られた分散原液を孔径約8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)により濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度10重量%まで希釈して、イエロー顔料分散液3を調製した。
得られたイエロー顔料分散液3を30g、グリセリンを15g、エチレングリコールモノブチルエーテルを1.5g、および1,2-ペンタンジオールを4g混合して、超純水を加えて全量を100gとして混合液を得た。さらにpH調整剤であるトリエタノールアミンによりその混合液のpHを9.5に調整した後、この混合液を2時間攪拌して、孔径約1.2μmのメンブランフィルタ(商品名、日本ミリポア・リミテッド製)により濾過して、インク組成物3を調製した。
【0059】
インク組成物4
シアン顔料であるC.I.ピグメントブルー15を100g、水溶性樹脂分散剤であるジョンクリルJ-62(ジョンソンポリマー社製)を100g、水酸化カリウムを4.5g、および水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行った。得られた分散原液を孔径約8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度10重量%まで希釈して、シアン顔料分散液4を調製した。
得られたシアン顔料分散液4を30g、グリセリンを10g、ジエチレングリコールを5g、トリエチレングリコールモノエチルエーテルを2g、および1,2-ヘキサンジオールを3g混合して、超純水を加えて全量を100gとして混合液を得た。さらにpH調整剤であるトリエタノールアミンによりその混合液のpHを9.5に調整した後、この混合液を2時間攪拌して、孔径約1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド社製)により濾過して、インク組成物4を調製した。
【0060】
インク組成物5
ブラック顔料であるカーボンブラックのカラーブラックS170(デグザ社製)を100g、水溶性樹脂分散剤であるジョンクリルJ-62(ジョンソンポリマー社製)を150g、水酸化カリウムを6g、および水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行った。得られた分散原液を孔径約8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度10重量%まで希釈して、ブラック顔料分散液5を調製した。
得られたブラック顔料分散液5を50g、グリセリンと8g、トリエチレングリコールを6g、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを2g、および1,2-ヘキサンジオールを2g混合して、超純水を加えて全量を100gとして混合液を得た。さらにpH調整剤であるトリエタノールアミンによりその混合液のpHを9.5に調整した後、この混合液を2時間攪拌して、孔径約1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)により濾過して、インク組成物5を調製した。
【0061】
インク組成物6
ブラック系染料であるC.I.ダイレクトブラック32を6g、グリセリンを10g、ジエチレングリコールを5g、ジエチレングリコールモノメチルエーテルを1g、1,2-ペンタンジオールを4g、ノニオン界面活性剤であるニッサンノニオンNS-220(日本油脂株式会社製)を1.5g、pH調整剤としての水酸化カリウムを0.1g、およびアミノメチルプロパノールを0.5g混合して、超純水を加えて全量を100gとして混合液を得た。この混合液を2時間攪拌して、孔径約1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド社製)により濾過して、インク組成物6を調製した。
【0062】
インク組成物7
シアン系染料であるC.I.ダイレクトブルー86を3g、グリセリンを5g、トリエチレングリコールを10g、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを2g、1,2-ペンタンジオールを2g、アセチレングリコール系界面活性剤としてのサーフィノール440(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製)を1g、およびpH調整剤としての水酸化カリウムを0.1g混合して、超純水を加えて全量を100gとして混合液を得た。この混合液を2時間攪拌して、孔径約1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)により濾過して、インク組成物7を調製した。
【0063】
インク組成物8
ブラック顔料として顔料表面に官能基を付与する処理を行って分散したカーボンブラックのボンジェットブラックCW-1(オリエント化学工業株式会社製)を10g、グリセリンを5g、トリエチレングリコールを10g、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを2g、1,2-ペンタンジオールを2g、アセチレングリコール系界面活性剤としてのサーフィノール440(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製)を1g、およびpH調整剤としてのトリエタノールアミンを0.5g混合して、超純水を加えて全量を100gとして混合液を得た。この混合液を2時間攪拌して、孔径約1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)にて濾過して、インク組成物8を調製した。
【0064】
インク組成物9
シアン顔料であるC.I.ピグメントブルー15を100g、水溶性樹脂分散剤であるジョンクリルJ-62(ジョンソンポリマー社製)を100g、水酸化カリウムを4.5g、および水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散を行った。得られた分散原液を孔径約8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度10重量%まで希釈して、シアン顔料分散液9を調製した。
得られたシアン顔料分散液9を30g、グリセリンを10g、ジエチレングリコールを5g、トリエチレングリコールモノエチルエーテルを2g、1,2-ヘキサンジオールを2g、およびアセチレングリコール系界面活性剤としてのサーフィノール440(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製)を1g混合して、超純水を加えて全量を100gとして混合液を得た。さらにpH調整剤としてトリエタノールアミンにより、混合液のpHを9.5に調整した後、この混合液を2時間攪拌して、孔径約1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)により濾過して、インク組成物9を調製した。
【0065】
インク組成物10(比較例)
ジエチレングリコールモノメチルエーテル1gと1,2-ペンタンジオール5gの代わりに、1,2-ヘキサンジオール6gを添加した以外は、前記したインク組成物1と同様にして、インク組成物10を調製した。
【0066】
インク組成物11(比較例)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル2gと1,2-ヘキサンジオール2gの代わりに、1,2-ヘキサンジオール7gを添加した以外は、前記したインク組成物5と同様にして、インク組成物11を調製した。
【0067】
評価試験 インク組成物1?11について、圧電素子式オンデマンド型インクジェット記録装置MJ-930C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、中性普通紙ゼロックス-P(富士ゼロックス株式会社製)にそれぞれ印刷を行った。
得られた印刷物について、印刷品質、および印字の抜け、インク滴の飛行曲がりなどを、各インク組成物について確認した。
【0068】
いずれのインク組成物についても、記録紙上の印刷品質は良好であった。
インク組成物1?9については、連続して300頁の印刷を行っても、印字の抜けやインク滴の飛行曲がりなどの乱れは発生しなかった。
これに対して比較例であるインク組成物10および11については、印刷品質はインク組成物1?9と同等であったが、連続して印刷すると徐々にインク滴の飛行曲がりが発生して、安定して300頁の印刷を行うことができなかった。なお、インク滴の飛行曲がりが発生したインクジェット記録装置の吐出ノズルを顕微鏡観察すると、ノズル付近にインクの付着があり、このためにインク滴の飛行曲がりが発生したものと推定された。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2014-03-11 
出願番号 特願2001-112704(P2001-112704)
審決分類 P 1 41・ 851- Y (C09D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 原 健司菅原 洋平木村 敏康  
特許庁審判長 新居田 知生
特許庁審判官 菅野 芳男
星野 紹英
登録日 2011-06-17 
登録番号 特許第4764563号(P4764563)
発明の名称 インク組成物  
代理人 宮坂 一彦  
代理人 上柳 雅誉  
代理人 宮坂 一彦  
代理人 渡辺 和昭  
代理人 上柳 雅誉  
代理人 渡辺 和昭  
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