• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する C09D
管理番号 1287763
審判番号 訂正2014-390028  
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-07-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2014-02-04 
確定日 2014-05-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4253840号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4253840号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める。 
理由 1.事件の経緯
本件訂正審判に係る特許第4253840号の経緯は次のとおりである。
2002年5月1日 PCT/JP2002/004369号の国際出願
(特願2003-503718号の出願)
(優先日:平成13年5月2日、平成14年3月6日)
平成14年12月19日 国際公開(WO2002/100959号)
平成20年12月22日 特許査定
平成21年2月6日 本件特許権の設定登録
平成21年4月15日 特許掲載公報発行
平成26年2月4日付け 本件訂正審判の請求
平成26年4月11日付け 手続補正書(訂正審判請求書)の提出
平成26年4月11日付け 上申書の提出

2.審判請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第4253840号の明細書を、本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める、との審決を求めるものである。より詳細には以下のとおりである。

(ア)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に記載の『[前記色相角H°は、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180(a^(*)<0の場合)、又はH°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360(a^(*)>0の場合)により求められる。a^(*)及びb^(*)は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表わす。]』を、『[前記色相角H°は、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180(a^(*)<0の場合)、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360(a^(*)>0かつb^(*)<0の場合)又はH°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))(a^(*)>0かつb^(*)≧0の場合)により求められる。a^(*)及びb^(*)は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表わす。]』に訂正する。
請求項1の記載を引用する請求項2?41も同様に訂正する。

(イ)訂正事項2
明細書の4ぺージ5?8行目に記載の『[前記色相角H°は、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180(a^(*)<0の場合)、又はH°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360(a^(*)>0の場合)により求められる。a^(*)及びb^(*)は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表わす。]』を、 『[前記色相角H°は、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180(a^(*)<0の場合)、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360(a^(*)>0かつb^(*)<0の場合)又はH°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))(a^(*)>0かつb^(*)≧0の場合)により求められる。a^(*)及びb^(*)は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表わす。]』に訂正する。

(ウ)訂正事項3
明細書の5ぺージ9?12行目に記載の『色相角H°は、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180(a^(*)<0の場合)、またはH°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360(a^(*)>0の場合)により求められる。a^(*)及びb^(*)は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表わす。]』を、 『色相角H°は、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180(a^(*)<0の場合)、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360(a^(*)>0かつb^(*)<0の場合)又はH°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))(a^(*)>0かつb^(*)≧0の場合)により求められる。a^(*)及びb^(*)は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表わす。』に訂正する。

(エ)訂正事項4
明細書の44ぺージ22?23行目に記載の『色相角∠H°[=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180(a^(*)<0の場合)、∠H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360(a^(*)>0の場合)]』を、『色相角∠H°[=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180(a^(*)<0の場合)、∠H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360(a^(*)>0かつb^(*)<0の場合)、∠H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))(a^(*)>0かつb^(*)≧0の場合)]』に訂正する。

3.当審の判断
(1)訂正の目的について(特許法第126条第1項ただし書)
訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1及びそれを直接的ないし間接的に引用する請求項2?41において、色相角H°について、「a^(*)<0の場合」と「a^(*)>0の場合」の2通りに分けて記載していたところを、訂正後の特許請求の範囲の請求項1において、「a^(*)>0の場合」を「a^(*)>0かつb^(*)<0の場合」と「a^(*)>0かつb^(*)≧0の場合」との2通りに分け、全体で「a^(*)<0の場合」、「a^(*)>0かつb^(*)<0の場合」、「a^(*)>0かつb^(*)≧0の場合」の3通りに分けて記載するように訂正するものである。

ここで、色相角H°と、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数a^(*)、b^(*)が、以下の図1で表される関係にあり、色相角H°の大きさが、0?90(第1象限)、90?180(第2象限)、180?270(第3象限)、270?360(第4象限)のいずれの範囲にあるかによって、
・第1象限(H°=0?90、a^(*)>0、b^(*)≧0)の場合は、
H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))。
(tan^(-1)(b^(*)/a^(*))は、0?90の値をとるため、補正不要。)
・第2象限(H°=90?180、a^(*)<0、b^(*)≧0)の場合は、
H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180。
(tan^(-1)(b^(*)/a^(*))は、-90?0の値をとるため、第2象限のH°(90?180)に補正するために180の加算が必要。)
・第3象限(H°=180?270、a^(*)<0、b^(*)<0)の場合は、
H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180。
(tan^(-1)(b^(*)/a^(*))は、0?90の値をとるため、第3象限のH°(180?270)に補正するために180の加算が必要。)
・第4象限(H°=270?360、a^(*)>0、b^(*)<0)の場合は、
H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360。
(tan^(-1)(b^(*)/a^(*))は、-90?0の値をとるため、第4象限のH°(270?360)に補正するために360の加算が必要。)
と表されることは、技術常識と認められる(平成26年4月11日付け手続補正書(訂正審判請求書)の図2及びそれに関連する記載も参照のこと。)。


よって、色相角H°は、補正するために加算する角度が、同じ180°である第2象限の場合と第3象限の場合とをまとめて1つの式としたうえで、訂正事項1の記載の順番にならって表すと、次の式で表されることが、技術常識からみて、明らかと認められる。

・a^(*)<0(第2、3象限)の場合
H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180
・a^(*)>0、b^(*)<0(第4象限)の場合
H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360
・a^(*)>0、b^(*)≧0(第1象限)の場合
H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))

そうすると、訂正事項1は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1及びそれを直接的ないし間接的に引用する請求項2?41において、a^(*)>0、b^(*)≧0(第1象限)の場合が、a^(*)>0、b^(*)<0(第4象限)の場合と、まとめて、「H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360」と、あたかも360の加算が必要であるかのように誤って記載されていたところを、訂正後の特許請求の範囲の請求項1において、「H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))」と、上記の技術常識と整合するように記載して、上記請求項における色相角H°についての記載全体を、
『[前記色相角H°は、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180(a^(*)<0の場合)、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360(a^(*)>0かつb^(*)<0の場合)又はH°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))(a^(*)>0かつb^(*)≧0の場合)により求められる。a^(*)及びb^(*)は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表わす。]』
とする訂正事項であって、誤記の訂正に該当するものと認められる。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものと認められる。

また、訂正事項2?4は、明細書の発明の詳細な説明中にも、訂正事項1と同様な誤記があったため、それらについても同様に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものと認められる。

(2)新規事項の追加、特許請求の範囲の拡張・変更、独立特許要件について(特許法第126条第5?7項)
上記(1)に記載したとおり、色相角H°がa^(*)>0、b^(*)≧0(第1象限)の場合H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))と表されることは技術常識であり、当業者にとって明らかなことと認められから、訂正事項1?4は、何ら新たな技術的事項を導入するものではなく、願書に最初に添付された明細書及び図面に記載された事項の範囲内においてしたものであって、特許法第126条第5項の規定に適合するものと認められる。
また、上記(1)に記載したとおりの誤記の訂正に該当すると認められる訂正事項1?4が、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものとは認められないから、訂正事項1?4は、特許法第126条第6項の規定に適合するものと認められる。
そして、訂正事項1?4によって訂正された本件訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1及びそれを引用する各請求項に記載された発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとは認められないから、訂正事項1?4は、特許法第126条第7項の規定に適合するものと認められる。

(3)まとめ
よって、訂正事項1?4は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項?7項の規定に適合するものである。

4.むすび
以上のとおりであって、本件訂正審判の請求に係る訂正事項はいずれも、特許法第126条第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項?7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
インクセット及びインクジェット記録方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角H°が約80°?約110°の範囲であるイエローインク、該色相角H°が約330°?約360°の範囲であるマゼンタインク及び該色相角H°が約230°?約260°の範囲であるシアンインクの3色インクと、下記インク(A)及び/又は下記インク(B)とを備えるインクセットであって、
インク(A):前記色相角H°が約0°?約80°の範囲であるインク
インク(B):前記色相角H°が約260°?約330°の範囲であるインク
[前記色相角H°は、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180(a^(*)<0の場合)、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360(a^(*)>0かつb^(*)<0の場合)又はH°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))(a^(*)>0かつb^(*)≧0の場合)により求められる。a^(*)及びb^(*)は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表す。]
前記シアンインクに含有される顔料が、C.I.ピグメントブルー1,2,3,15:3,15:4,15:34,16,22,60及びC.I.バットブルー4,60から選ばれる一種又は二種以上であり、
前記インク(A)に含有される顔料が、C.I.ピグメントオレンジ5,62及びC.I.ピグメントレッド17,49:2,112,149,177,178,188,255,264からなる群から選ばれる1種又は2種以上である、インクセット。
【請求項2】
前記インク(A)と前記インク(B)の明度が、前記マゼンタインクと前記シアンインクの明度よりも低く、かつ、前記インク(A)と前記インク(B)の彩度が、前記マゼンタインクと前記シアンインクの彩度よりも高い、請求項1に記載のインクセット。
【請求項3】
前記イエローインクは、400nm?500nmに吸収面積が30abs・nm以上、350abs・nm以下である吸収スペクトルを有し、
前記マゼンタインクは、500nm?600nmに吸収面積が20abs・nm以上、200abs・nm以下である吸収スペクトルを有し、
前記シアンインクは、600nm?700nmに吸収面積が50abs・nm以上、400abs・nm以下である吸収スペクトルを有し、
前記インク(A)は、500nm?600nmにおける吸収面積が、前記マゼンタインクの500nm?600nmにおける吸収面積と同等以上であり、
前記インク(B)は、500nm?600nmにおける吸収面積が、前記シアンインクの600nm?700nmにおける吸収面積と同等以上である、請求項1に記載のインクセット。
【請求項4】
前記インク(A)の500nm?600nmにおける吸収面積が、前記マゼンタインクの500nm?600nmにおける吸収面積の1.0倍以上、3.5倍以下である請求項3に記載のインクセット。
【請求項5】
前記インク(B)の500nm?600nmにおける吸収面積が、前記シアンインクの600nm?700nmにおける吸収面積の1.0倍以上、3.0倍以下である請求項3に記載のインクセット。
【請求項6】
前記イエローインクは、400nm?500nmに吸収面積が30abs・nm以上、350abs・nm以下である吸収スペクトルを有し、
前記マゼンタインクは、500nm?600nmに吸収面積が20abs・nm以上、200abs・nm以下である吸収スペクトルを有し、
前記シアンインクは、600nm?700nmに吸収面積が50abs・nm以上、400abs・nm以下である吸収スペクトルを有し、
前記インク(A)は、当該インク(A)の400nm?500nmにおける吸収面積が、当該インク(A)の500nm?600nmにおける吸収面積の0.5倍以上、2.0倍以下であり、
前記インク(B)は、当該インク(B)の500nm?600nmにおける吸収面積が、当該インク(B)の600nm?700nmにおける吸収面積の0.5倍以上、5.0倍以下である、請求項1に記載のインクセット。
【請求項7】
前記マゼンタインクと前記シアンインクそれぞれの顔料固形分濃度が2重量%以下であり、かつ、前記インク(A)と前記インク(B)と前記イエローインクそれぞれの顔料固形分濃度が2重量%以上である、請求項1?6のいずれかに記載のインクセット。
【請求項8】
前記イエローインク、前記マゼンタインク及び前記シアンインクそれぞれにおける顔料固形分濃度が0.1重量%以上、2重量%以下であり、かつ、前記インク(A)及び前記インク(B)それぞれの顔料固形分濃度が2重量%以上、6重量%以下である、請求項1?6のいずれかに記載のインクセット。
【請求項9】
前記イエローインク、前記マゼンタインク、前記シアンインク、前記インク(A)、及び前記インク(B)それぞれの顔料固形分濃度が2重量%以上である、請求項1?6のいずれかに記載のインクセット。
【請求項10】
前記インクに含有される色材が顔料である請求項1?6のいずれかに記載のインクセット。
【請求項11】
前記インク(A)に含有される顔料が、C.I.ピグメントレッド149,177,178,264からなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項1に記戟のインクセット。
【請求項12】
前記インク(B)に含有される顔料が、C.I.ピグメントブルー60及びC.I.ピグメントバイオレット3,19,23,32,36,38からなる群から選ばれる1種又は2種以上である、請求項10に記載のインクセット。
【請求項13】
前記顔料が、C.I.ピグメントバイオレット19,23,C.I.ピグメントブルー60からなる群から選ばれる1種又は2種である、請求項12に記載のインクセット。
【請求項14】
前記マゼンタインクに含有されている顔料が、C.I.ピグメントレッド5,7,12,48(Ca),57(Ca),57:1,112,122,123,168,184,202,209及びC.I.ピグメントバイオレット19から選ばれる一種又は二種以上である、請求項10に記載のインクセット。
【請求項15】
前記顔料が、C.I.ピグメントレッド122,202,209及びC.I.ピグメントバイオレット19から選ばれる一種又は二種以上である、請求項14に記載のインクセット。
【請求項16】
前記シアンインクに含有されている顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3,15:4から選ばれる一種又は二種である、請求項1に記載のインクセット。
【請求項17】
前記イエローインクに含有されている顔料が、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,12,13,14,16,17,73,74,75,83,93,95,97,98,109,110,114,128,129,138,139,147,150,151,154,155,180,185から選ばれる一種又は二種以上である、請求項10に記載のインクセット。
【請求項18】
前記顔料が、C.I.ピグメントイエロー74,110,128,147から選ばれる一種又は二種以上である、請求項17に記載のインクセット。
【請求項19】
更に、ブラックインクを備える、請求項10に記載のインクセット。
【請求項20】
前記イエローインクの記録媒体上での光学濃度(OD値)が1.7?2.4である請求項1又は2に記載のインクセット。
【請求項21】
前記マゼンタインクの記録媒体上での光学濃度(OD値)が1.0?2.6である請求項1又は2に記載のインクセット。
【請求項22】
前記シアンインクの記録媒体上での光学濃度(OD値)が2.0?2.7である請求項1又は2に記載のインクセット。
【請求項23】
前記インク(A)は、前記イエローインクのI_(Y)重量と前記マゼンタインクのJ_(1M)重量とを記録媒体上で混合して得られる色相角H°_((Y+M))の彩度C^(*)_((Y+M))を、(I_(Y)+J_(1M))重量未満の使用量で得られるインクである請求項1又は2に記載のインクセット。
〔前記彩度C^(*)は、C^(*)={(a^(*))^(2)+(b^(*))^(2)}^(1/2)により求められる。〕
【請求項24】
前記インク(B)は、前記マゼンタインクのJ_(2M)重量と前記シアンインクのKc重量とを記録媒体上で混合して得られる色相角H°_((M+C))の彩度C^(*)_((M+C))を、(J_(2M)+K_(C))重量未満の使用量で得られるインクである請求項1又は2に記載のインクセット。
【請求項25】
前記インク(A)の彩度C*^(*)_(A)が、前記イエローインクの彩度C^(*)_(Y)及び/又は前記マゼンタインクの彩度C^(*)_(M)よりも高い請求項1又は2に記載のインクセット。
【請求項26】
前記インク(B)の彩度C^(*)_(B)が、前記マゼンタインクの彩度C^(*)_(M)及び/又は前記シアンインクの彩度C^(*)_(C)よりも高い請求項1又は2に記載のインクセット。
【請求項27】
前記インク(A)の記録媒体上での彩度C^(*)_(A)が80以上である請求項1又は2に記載のインクセット。
【請求項28】
前記インク(B)の記録媒体上での彩度C^(*)_(B)が、80以上である請求項1又は2に記載のインクセット。
【請求項29】
前記インク(A)の記録媒体上での色相範囲が、a^(*)=約60?約80、b^(*)=約20?約80の範囲、又はa^(*)=約30?約60、b^(*)=約60?約100の範囲である請求項1又は2に記載のインクセット。
【請求項30】
前記インク(B)の記録媒体上での色相範囲が、a^(*)=約50?約70、b^(*)=約-70?約-50の範囲、又はa^(*)=約40?約60、b^(*)=約-80?約-60の範囲である請求項1又は2に記載のインクセット。
【請求項31】
前記イエローインクの記録媒体上での色相範囲がa^(*)=約-30?約20、b^(*)=約70?約130の範囲であり、前記マゼンタインクの該色相範囲がa^(*)=約60?約90、b^(*)=約-40?約-10の範囲であり、前記シアンインクの該色相範囲がa^(*)=約-50?約-20、b^(*)=約-70?約-40の範囲である請求項1又は2に記載のインクセット。
【請求項32】
前記記録媒体は、PM写真用紙である請求項1又は2に記載のインクセット。
【請求項33】
請求項1に記載のインクセットを用いて記録媒体に文字及び/又は画像を形成するインクジェット記録方法。
【請求項34】
請求項33に記載のインクジェット記録方法であって、
前記インク(A)及び/又は前記インク(B)と、少なくとも、前記イエローインク、前記マゼンタインク、前記シアンインク、前記ブラックインクのいずれか1種とにより混色部分を形成するインクジェット記録方法。
【請求項35】
請求項33に記載のインクジェット記録方法であって、
複数色の前記インクの液滴をそれぞれ吐出させ、該液滴を記録媒体上で混合して、該記録媒体上に1色又は2色以上の混色部分を形成する場合、前記インク(A)又は前記インク(B)以外のインクの少なくとも2種と、前記インク(A)又は前記インク(B)とにより該混色部分を形成するインクジェット記録方法。
【請求項36】
前記記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される知覚色度指数a^(*)及びb^(*)が、それぞれ、a^(*)=約-50?約50、b^(*)=約-50?約50の範囲にある前記混色部分を形成する場合、少なくとも、前記イエローインク、前記マゼンタインク及び前記シアンインクの3色のインクと、前記インク(A)及び/又は前記(B)とにより該混色部分を形成する請求項33に記載のインクジェット記録方法。
【請求項37】
前記混色部分の色相が、白色と黒色との間の色相群の1色である請求項36に記載のインクジェット記録方法。
【請求項38】
前記記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される知覚色度指数a^(*)及びb^(*)が、それぞれ、a^(*)=約-40?約90、b^(*)=約-40?約100の範囲にある前記混色部分を形成する場合、少なくとも、前記イエローインク及び前記マゼンタインクの2色のインクと、前記インク(A)とにより該混色部分を形成する請求項33に記載のインクジェット記録方法。
【請求項39】
前記混色部分の色相がミイエロー色とマゼンタ色との間の色相群の1色である請求項38に記載のインクジェット記録方法。
【請求項40】
前記記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される知覚色度指数a^(*)及びb^(*)が、それぞれ、a^(*)=約-50?約100、b^(*)=約-10?約-80の範囲にある前記混色部分を形成する場合、少なくとも、前記マゼンタインク及び前記シアンインクの2色のインクと、前記インク(B)とにより該混色部分を形成する請求項33に記載のインクジェット記録方法。
【請求項41】
前記混色部分の色相が、マゼンタ色とシアン色との間の色相群の1色である請求項40に記載のインクジェット記録方法。
【発明の詳細な説明】
技術分野
本発明は、少なくともイエロー、マゼンタ及びシアンの3色のインクと、これら以外の特色インクとを備えたインクセットに関し、特に顔料インクセット及びこれを用いたインクジェット記録方法に関する。
背景技術
顔料インクは、一般に、染料インクに比して印刷物の画像堅牢性に優れており、サインやデスプレイ市場向けのワイドフォーマットのカラーインクジェット記録用インク等、その特性を活かした種々の用途において使用されている。このカラーインクジェット記録においては、通常、減法混色の3原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の3色の顔料インクを備えた3色インクセット、あるいはこれにブラック(K)を加えた4色インクセットを用いて種々の色相を表現することが行われている。
しかし、前記3色又は4色インクセットは、色再現範囲が狭い、2次色以上の印刷部分(混色部分)の彩度が低下する等の問題があり、銀塩写真や製版印刷等に匹敵する高画質の印刷物を提供し得るレベルには至っていない。
また、彩度の低下の問題に対しては、これを高めるべく、YMCの各色インクの顔料濃度を増加する方法や、YMCの各色インクの記録媒体への打ち込み量を増加する方法等が採られてきたが、何れの方法も光沢感の低下を招き、記録媒体として光沢紙を用いても写真調の風合いが得られないという欠点があった。また、3原色(YMC)インクだけで彩度を効率的に広げるためには、減法混色に適した理想的な分光特性を持ったYMCインク用の顔料種を選択しなければならず、更に耐光性、耐ガス性等に優れた顔料種となるとその数は限られており、このような限られた顔料種の中で、上記のように顔料濃度の増加により彩度を高めようとしても、3原色の色相変化や、インクジェットプリンタのノズルの目詰り等を起こすおそれがあり、効果的ではない。
また、色再現範囲の広い顔料インクセットとして、特開2000-351928号公報には、YMCの3色の顔料インクに加えて、それぞれ特定の顔料を含有するオレンジ、グリーン及びバイオレットのうちの少なくとも1色を備えたカラープリント用カラーインクジェットインクセットが開示されているが、このインクセットは、彩度の再現範囲が十分に広いとは言えず、光沢感の低下を招かずに彩度を高めることはできなかった。特に、粒状性の低下を招かずに朱色の彩度を高めることはできなかった。また、WO99/05230号公報には、YMCKの4色の顔料インクに加えてオレンジ及びグリーンの2色の特色顔料インクを備えたインクセットが開示されているが、このインクセットは、パステル調の色のような明度が高く彩度の低い色の再現性には優れるものの、それ以外の色に関しては、前記インクセットと同様、彩度の再現範囲が不十分で、光沢感の低下を招かずに彩度を高めることはできなかった。
このように、従来の顔料インクセットは、光沢感の低下を招くことなく、色再現範囲が広く彩度が高い高画質の印刷物を提供することができなかった。
また、写真等(L版等)の比較的小さなサイズでは、特に、粒状性に優れ、かつ彩度が高い印刷物の提供が望まれている。
また、従来の顔料インクセットを用いてインクジェット記録された印刷物は、照明する光源が変わると色相が変化する現象、いわゆるメタメリズムを起こすという問題があった。
このメタメリズムは、特にYMCの3色のインクにより形成されたコンポジットブラックやグレー系の色相部分で顕著に見られ、画質低下の一因となっている。
従って、本発明の目的は、色再現範囲が広く、彩度が高く、粒状性が良く、光沢感のある印刷物の提供が可能で、インクジェット記録用インクセットとしての信頼性も高いインクセットを提供することにある。
また、本発明の別の目的は、該インクセットを用いたインクジェット記録方法であって、メタメリズムの低減された高画質の印刷物の提供が可能なインクジェット記録方法を提供することにある。
発明の開示
本発明者らは、YMCの3色の顔料インクを備えるインクセットを用いたインクジェット記録方法について種々検討した結果、粒状性と光沢を向上させるには、インク中の顔料固形分の低減化が必要であることがわかった。しかし、この手段を現状のYMCの3色のインクに適用すると、2次色の発色が顕著に低下することがわかった。そこで、これらのインクに加えて、更に特色インクとして、記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角H°が特定の範囲にある顔料インクを1種又は2種備えた顔料インクセットを用いることにより、粒状性と光沢の低下を招くことなく、彩度の再現範囲を広げることができることを知見した。また、この顔料インクセットを用い、2次色以上の混色部分を形成する場合は、該特色インクを使用することにより、低彩度な色からインク(A)及び/又は下記インク(B)を印字できる(粒状性が良いため)ようになり、メタメリズムを低減できることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、少なくとも、記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角H°が約80°?約110°の範囲であるイエローインク、該色相角H°が約330°?約360°の範囲であるマゼンタインク及び該色相角H°が約230°?約260°の範囲であるシアンインクの3色インクと、下記インク(A)及び/又は下記インク(B)とを備えるインクセットを提供することにより前記目的を達成したものである。
インク(A):前記色相角H°が約0°?約80°の範囲であるインク。
インク(B):前記色相角H°が約260°?約330°の範囲であるインク。
[前記色相角H°は、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180(a^(*)<0の場合)、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360(a^(*)>0かつb^(*)<0の場合)又はH°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))(a^(*)>0かつb^(*)≧0の場合)により求められる。a^(*)及びb^(*)は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表わす。]
また、本発明は、前記インクセットを用いて、記録媒体に文字及び/又は画像を形成するインクジェット記録方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
発明を実施するための最良の形態
以下、まず、本発明のインクセットについて、その好ましい実施形態に基づき説明する。本実施形態のインクセットは、少なくとも記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角H°が約80°?約110°の範囲であるイエローインク、該色相角H°が約330°?約360°の範囲であるマゼンタインク及び該色相角H°が約230°?約260°の範囲であるシアンインクの3色インクと、インク(A)及び/又はインク(B)の特色インクからなる。
前記記録媒体は、PM写真用紙であることが好ましい。PM写真用紙としては、例えばPM写真用紙<光沢>KA420PSKが好適に挙げられる。各インクの色材は顔料インクであることが好ましいが、これに限定するものではない。
前記特色インクの一つであるインク(A)は、記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角H°が約0°?約80°の範囲であるインクである。
前記特色インクの他の一つであるインク(B)は、記録媒体上でのCIELAB色空間において定義される色相角H°が約260?約330°の範囲であるインクである。
色相角H°は、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180(a^(*)<0の場合)、H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360(a^(*)>0かつb^(*)<0の場合)又はH°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))(a^(*)>0かつb^(*)≧0の場合)により求められる。a^(*)及びb^(*)は、CIELAB色空間において定義される知覚色度指数を表わす。
前記インク(A)と前記インク(B)の明度は、前記マゼンタインクと前記シアンインクの明度よりも低く、かつ、前記インク(A)と前記インク(B)の彩度は、前記マゼンタインクと前記シアンインクの彩度よりも高いことが好ましい。
このように定義することにより、高明度部分の彩度は、CMYインクで高めることが可能であり、低明度部分の彩度は、インク(A)及び/又はインク(B)が加わることで高めることが可能である。
前記イエローインクは、400nm?500nmに吸収面積が30abs・nm以上、350abs・nm以下である吸収スペクトルを有することが好ましい。イエローインクの400nm?500nmにおける吸収面積は30abs・nm以上、250abs・nm以下であることがより好ましく、30abs・nm以上、200abs・nm以下であることがさらに好ましい。
前記マゼンタインクは、500nm?600nmに吸収面積が20abs・nm以上、200abs・nm以下である吸収スペクトルを有することが好ましい。マゼンタインクの500nm?600nmにおける吸収面積は20abs・nm以上、150abs・nm以下であることがより好ましく、20abs・nm以上、60abs・nm以下であることがさらに好ましい。
前記シアンインクは、600nm?700nmに吸収面積が50abs・nm以上、400abs・nm以下である吸収スペクトルを有することが好ましい。シアンインクの600nm?700nmにおける吸収面積は50abs・nm以上、300abs・nm以下であることがより好ましく、50abs・nm以上、100abs・nm以下であることがさらに好ましい。
本発明において吸収面積(abs・nm)とは、各波長(nm)における各吸収(abs)を面として合計した値である。例えば、400nm?500nmにおける吸収スペクトルの吸収が1absであった場合、400nm?500nmにおける吸収面積は、1[abs]×(500-400)[nm]=100abs・nmとなる。
前記インク(A)の500nm?600nmにおける吸収面積は、前記マゼンタインクの500nm?600nmにおける吸収面積と同等以上であることが好ましい。
前記インク(A)の500nm?600nmにおける吸収面積は、前記マゼンタインクの500nm?600nmにおける吸収面積の1.0倍以上、3.5倍以下であることが好ましく、1.5倍以上、3.0倍以下であることがさらに好ましい。
前記インク(A)の400nm?500nmにおける吸収面積は、当該インク(A)の500nm?600nmにおける吸収面積の0.5倍以上、2.0倍以下であることが好ましく、0.5倍以上、1.0倍以下であることがさらに好ましい。
前記インク(A)の400nm?500nmにおける吸収面積は、40abs・nm以上、200abs・nm以下であることがより好ましく、40abs・nm以上、100abs・nm以下であることがさらに好ましい。
前記インク(A)の500nm?600nmにおける吸収面積は、20abs・nm以上、200abs・nm以下であることがより好ましく、20abs・nm以上、150abs・nm以下であることがさらに好ましい。
前記インク(B)の500nm?600nmにおける吸収面積は、前記シアンインクの600nm?700nmにおける吸収面積と同等以上であることが好ましい。
前記インク(B)の500nm?600nmにおける吸収面積は、前記シアンインクの600nm?700nmにおける吸収面積の1.0倍以上、3.0倍以下であることが好ましく、1.0倍以上、2.0倍以下であることがさらに好ましい。
前記インク(B)の500nm?600nmにおける吸収面積は、当該インク(B)の600nm?700nmにおける吸収面積の0.5倍以上、5.0倍以下であることが好ましく、3.0倍以上、4.0倍以下であることがさらに好ましい。
前記インク(B)の500nm?600nmにおける吸収面積は、50abs・nm以上、350abs・nm以下であることがより好ましく、50abs・nm以上、200abs・nm以下であることがさらに好ましい。
前記インク(B)の600nm?700nmにおける吸収面積は、20abs・nm以上、150abs・nm以下であることがより好ましく、20abs・nm以上、100abs・nm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態のインクセットは、400nm?500nmに吸収面積が30abs・nm以上、350abs・nm以下である吸収スペクトルを有するイエローインクと、500nm?600nmに吸収面積が20abs・nm以上、200abs・nm以下である吸収スペクトルを有するマゼンタインクと、600nm?700nmに吸収面積が50abs・nm以上、400abs・nm以下である吸収スペクトルを有するシアンインクと、下記インク(A)及び/又は下記インク(B)とを備えるものであってもよい。
インク(A):500nm?600nmにおける吸収面積が、前記マゼンタインクの500nm?600nmにおける吸収面積と同等以上であるインクインク(B):500nm?600nmにおける吸収面積が、前記シアンインクの600nm?700nmにおける吸収面積と同等以上であるインク前記インク(A)の500nm?600nmにおける吸収面積が、前記マゼンタインクの500nm?600nmにおける吸収面積の1.0倍以上、3.5倍以下であってもよい。また、前記インク(B)の500nm?600nmにおける吸収面積が、前記シアンインクの600nm?700nmにおける吸収面積の1.0倍以上、3.0倍以下であってもよい。
本実施形態のインクセットは、400nm?500nmに吸収面積が30abs・nm以上、350abs・nm以下である吸収スペクトルを有するイエローインクと、500nm?600nmに吸収面積が20abs・nm以上、200abs・nm以下である吸収スペクトルを有するマゼンタインクと、600nm?700nmに吸収面積が50abs・nm以上、400abs・nm以下である吸収スペクトルを有するシアンインクと、下記インク(A)及び/又は下記インク(B)とを備えるものであってもよい。
インク(A):インク(A)の400nm?500nmにおける吸収面積が、当該インク(A)の500nm?600nmにおける吸収面積の0.5倍以上、2.0倍以下であるインク
インク(B):インク(B)の500nm?600nmにおける吸収面積が、当該インク(B)の600nm?700nmにおける吸収面積の0.5倍以上、5.0倍以下であるインク
本発明の好ましい実施形態においては、前記マゼンタインクと前記シアンインクそれぞれの顔料固形分濃度は光沢度及び彩度の観点から、2重量%以下であり、かつ、前記インク(A)と前記インク(B)と前記イエローインクそれぞれの顔料固形分濃度が2重量%以上であることが好ましい。このような濃度とすることにより、光沢度、彩度、及び粒状性に優れる。前記マゼンタインク及び前記シアンインクそれぞれの顔料固形分濃度は光沢度、彩度及び粒状性向上の観点から、0.1重量%以上2重量以下であることがより好ましく、1.5重量%以上2重量%以下であることがさらに好ましい。前記インク(A)、前記インク(B)、前記イエローインクにおける前記各顔料(固形分)の含有量は、彩度40あたりの粒状性と印字濃度とインクジェット記録用インクとしての信頼性とのバランスの観点から、それぞれ、インク全重量に対して、好ましくは2?6重量%、更に好ましくは2?4重量%である。
本発明の好ましい実施形態においては、前記イエローインク、前記マゼンタインク及び前記シアンインクそれぞれにおける顔料固形分濃度は0.1重量%以上、2重量%以下であり、かつ、前記インク(A)及び前記インク(B)それぞれの顔料固形分濃度が2重量%以上、6重量%以下であることが好ましい。このような濃度とすることにより、光沢度と彩度、特に光沢度に優れた記録物を得ることができる。前記イエロー、マゼンタ及びシアンの3色のインクにおける前記各顔料の含有量は、光沢度と彩度向上の観点から、それぞれインク全重量に対して、好ましくは0.1?2重量%、さらに好ましくは1.5?2重量%である。前記インク(A)及び(B)それぞれにおける前記各顔料の含有量は、彩度40あたりの粒状性と印字濃度とインクジェット記録用インクとしての信頼性とのバランスの観点から、それぞれ、インク全重量に対して、好ましくは2?6重量%、さらに好ましくは2?4重量%である。
本発明の好ましい実施形態においては、前記イエローインク、前記マゼンタインク、前記シアンインク、前記インク(A)、及び前記インク(B)それぞれの顔料固形分濃度は2重量%以上であることが好ましい。このような濃度とすることにより、記録媒体上に少ないインク付着量で高い彩度を得ることができるので、色再現性に優れる。よって、インク吸収層が薄く、安価な光沢紙に記録した場合は、インクのあふれが少ないために、光沢に優れる。また、大判サイズに記録する場合において、ある程度の粒状性があることにより、メリハリがあって、はっきりとした画像を得ることができる。
前記インクに含有される色材は顔料であることが好ましい。
本実施形態に係るインクに含有される顔料としては、無機顔料及び有機顔料を使用することができ、それぞれ単独又は複数種混合して用いることができる。前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン及び酸化鉄の他に、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラックが使用できる。また、前記有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等が使用できる。
具体的には下記の顔料が挙げられる。
前記インク(A)に含有される顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ5,43及び62並びにC.I.ピグメントレッド17,49:2,112,149,177,178,188,255及び264からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好適に用いられる。
これらのうち、特にC.I.ピグメントレッド149,177,178及び264からなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。この場合には、インク(A)は、「インク(A)単色で形成できる色」と、「イエローインクとマゼンタインクの2色だけを混合して形成される色相角と彩度が同じ色」の明度が近い程、粒状性と光沢とを向上させることができる。
前記インク(B)に含有される顔料としては、C.I.ピグメントブルー60並びにC.I.ピグメントバイオレット3,19,23,32,36及び38からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好適に用いられる。
これらのうち、特にC.I.ピグメントブルー60及びC.I.ピグメントバイオレット19,23からなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。この場合には、インク(B)は、「インク(B)単色で形成できる色」と、「シアンインクとマゼンタインクの2色だけを混合して形成される色相角と彩度が同じ色」の明度が近い程、粒状性と光沢とを向上させることができる。
前記イエローインクに含有される顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,12,14,16,17,73,74,75,83,93,95,97,98,109,110,114,128,129,138,139,147,150,151,154,155,180,185等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち、特にC.I.ピグメントイエロー74,110,128及び147からなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
前記マゼンタインクに含有される顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5,7,12,48(Ca),48(Mn),57(Ca),57:1,112,122,123,168,184,202,209;C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち、特にC.I.ピグメントレッド122,202,209及びC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
前記シアンインクに含有される顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1,2,3,15:3,15:4,15:34,16,22,60;C.I.バットブルー4,60等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。これらのうち、特にC.I.ピグメントブルー15:3及び/又は15:4を用いることが好ましく、とりわけ、C.I.ピグメントブルー15:3を用いることが好ましい。
本実施形態のインクセットは、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の前記インクと2色の前記特色インクの1種又は2種を備えるものであるが、必要に応じて、ブラックインクを更に追加することもできる。ブラックインクに含有される顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄顔料等の無機顔料;アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料等が挙げられる。特に、カーボンブラックを用いることが好ましく、好ましいカーボンブラックの例として、三菱化学製のNo.2300,No.900,MCF88,No.33,No.40,No.52,MA7,MA8,MA100,No.2200B等、コロンビア製のRaven5750,Raven5250,Raven5000,Raven3500,Raven1255,Raven700等、キャボット社製のRegal 400R,Regal 400R,Regal 1660R,Mogul、1,Monarch700,Monarch800,Monarch880,Monarch900,Monarch1000,Monarch1100,Monarch1300,Monarch1400等、テグッサ社製のColor Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black FW18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex 35,Printex U,Printex V,Printex 140U,Specil Black 6,Specil Black5,Specil Black 4A,Specil Black 4等が挙げられる。
また、前記ブラックインク中における前記顔料(固形分)の含有量は、好ましくは0.1?4重量%、更に好ましくは1?3重量%である。
また、前記インク(A)は、その明度が、前記イエローインクの明度及び/又は前記マゼンタインクの明度より低いことが好ましい。前記インク(A)の記録媒体上での明度は、35以上65以下が好ましく、40以上50以下が更に好ましい。
また、前記インク(B)は、その明度が、前記マゼンタインクの明度及び/又は前記シアンインクの明度より低いことが好ましい。前記インク(B)の記録媒体上での明度は、5以上65以下が好ましく、5以上15以下が更に好ましい。
また、前記イエローインク、前記マゼンタインク、及び前記シアンインクの記録媒体上での光学濃度(OD値)は、それぞれ1.7以上、1.0以上、2.0以上であることが好ましい。
記録媒体上での明度が45以上であれば、粒状性の観点からOD値に上限をつける必要はないが、例えば、前記イエローインクの記録媒体上でのOD値が1.7?2.4であることが好ましく、極めて高い光沢を得るためには1.7?1.9であることが特に好ましい。前記マゼンタインクの記録媒体上でのOD値は、1.0?2.6であることが好ましく、極めて優れた粒状性を得るためには1.2?2.0であることが特に好ましい。
前記シアンインクの記録媒体上でのOD値は、2.0?2.7であることが好ましく、極めて優れた粒状性を得るためには2.0?2.5であることが特に好ましい。
前記インク(A)は、前記イエローインクのI_(Y)重量と前記マゼンタインクのJ_(1M)重量とを記録媒体上で混合して得られる色相角H°_((Y+M))の彩度C^(*)_((Y+M))を、(I_(Y)+J_(1M))重量未満の使用量で得られるインクであることが好ましい。彩度C^(*)は、C^(*)={(a^(*))^(2)+(b^(*))^(2)}^(1/2)により求められる。
前記インク(B)は、前記マゼンタインクのJ_(2M)重量と前記シアンインクのKc重量とを記録媒体上で混合して得られる色相角H°_((M+C))の彩度C^(*)_((M+C))を、(J_(2M)+K_(C))重量未満の使用量で得られるインクであることが好ましい。
また、前記インク(A)は、その彩度C^(*)_(A)が、前記イエローインクの彩度C^(*)_(Y)及び/又は前記マゼンタインクの彩度C^(*)_(M)よりも高い(C^(*)_(A)>C^(*)_(Y)及び/又はC^(*)_(A)>C^(*)_(M))ことが好ましい。
色相角0°?30°の高彩度な色(朱色)を発色させるためには、色相角が40°±10°のインク(A)を備えるとよい。
また、前記インク(B)は、その彩度C^(*)_(B)が、前記マゼンタインクの彩度C^(*)_(M)及び/又は前記シアンインクの彩度C^(*)_(C)よりも高い(C^(*)_(B)>C^(*)_(M)及び/又はC^(*)_(B)>C^(*)_(C))ことが好ましい。
前記インク(A)の記録媒体上での彩度C^(*)_(A)としては、80以上が好ましく、90以上が更に好ましい。
前記インク(B)の記録媒体上での彩度C^(*)_(B)としては、好ましくは80以上、更に好ましくは90以上である。
また、前記イエローインク、前記マゼンタインク及び前記シアンインクの記録媒体上での彩度C^(*)_(Y)、C^(*)_(M)、C^(*)_(C)は、それぞれ、好ましくは70?120であり、より好ましくは80?110であり、さらに好ましくは80?90である。
また、前記インク(A)の記録媒体上での色相範囲は、a^(*)=約60?約80、b^(*)=約20?約80の範囲、又はa^(*)=約30?約60、b^(*)=約60?約100の範囲であることが好ましい。
また、前記インク(B)の記録媒体上での色相範囲は、a^(*)=約50?約70、b^(*)=約-70?約-50の範囲、又はa^(*)=約40?約60、b^(*)=約-80?約-60の範囲であることが好ましい。
また、前記イエローインクの記録媒体上での色相範囲は、a^(*)=約-30?約20、b^(*)=約70?約130の範囲であることが好ましく、前記マゼンタインクの色相範囲は、a^(*)=約60?約90、b^(*)=約-40?約-10の範囲であることが好ましく、前記シアンインクの色相範囲は、a^(*)=約-50?約-20、b^(*)=約-70?約-40の範囲であることが好ましい。
前記各インクにおいては、Duty100%のインク重量は10?20mg/inch^(2)であることが好ましく、12?18mg/inch^(2)であることがより好ましく、14?16mg/inch^(2)であることがさらに好ましい。
前記マゼンタインクと前記シアンインクの記録媒体上での顔料固形分が0.2mg/inch^(2)のときの明度が45以上であることが好ましい。
前記インクに含有される色材は顔料であることが好ましい。
本実施形態に係るインクには、顔料の分散安定性を高める観点から、分散剤を含有させることが好ましい。分散剤としては、この種の顔料インクにおけるものと同様のものを特に制限なく用いることができ、例えば、高分子分散剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤などが挙げられる。高分子分散剤の例としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸-アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-アクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン-メタクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン-マレイン酸共重合体、酢酸ビニル-エチレン共重合体、酢酸ビニル-脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル-マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル-クロトン酸共重合体、酢酸ビニルアクリル酸共重合体などが挙げられる。また、カチオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩などが挙げられ、アニオン性界面活性剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウムなどが挙げられ、ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。特に、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体を用いることが好ましい。
前記分散剤は、前記インク中において、前記顔料に対して、固形分換算で好ましくは、0.1?10重量%、更に好ましくは、0.3?6重量%含有される。
また、本実施形態に係るインクには、インクの乾燥を防いでインクジェットプリンタのヘッドでの目詰りを防止する観点から、高沸点有機溶媒を含有させることができる。
高沸点有機溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1.2.6-ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;尿素、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、1.3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、糖アルコール等の糖類などが挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
前記高沸点有機溶媒は、前記インク中、好ましくは、0.1?30重量%、更に好ましくは、0.5?20重量%含有される。
また、本実施形態に係るインクには、インクの乾燥時間を短縮する観点から、低沸点有機溶媒を含有させることができる。低沸点有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、又はイソブタノール、n-ペンタノール等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。特に、一価アルコールが好ましい。また、本実施形態に係るインクには、記録媒体への濡れ性を高めて浸透性を高める観点から、浸透促進剤を含有させることができる。浸透促進剤としては、例えば、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の各種界面活性剤;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロレングリコールモノブチルエーテル、プロレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル;1.2-ペンタンジオール、1.2-ヘキサンジオール等のジオールが挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。特に、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル又は1.2-ヘキサンジオールを用いることが好ましい。
前記浸透促進剤は、前記インク中、好ましくは、1?20重量%、更に好ましくは、1?10重量%含有される。
前記浸透促進剤として、下記の一般式(1)で表わされるアセチレングリコール系化合物やポリシロキサン系化合物を使用することもできる。該アセチレングリコール系化合物としては、市販されているものを用いることができ、例えば、サーフィノール82,440,465,STG(商品名、エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ社製),オルフィンY,オルフィンE1010(商品名、日信化学工業製)などが挙げられ、これらの1種又は2種以上が用いられる。特に、サーフィノール465を用いることが好ましい。また、該ポリシロキサン系化合物としては、市販品としてBYK348(ビックケミージャパン製)等を用いることができる。
該アセチレングリコール系化合物及び/又はポリシロキサン系化合物は、前記インク中、好ましくは、0.1?5重量%、更に好ましくは、0.5?2重量%含有される。

(式中、0≦m+n≦50、R^(1)?R^(4)は、それぞれ独立に、炭素数1?6のアルキル基を表わす。)
本実施形態に係るインクには、前記顔料の他、必要に応じて、分散剤、高沸点有機溶媒、低沸点有機溶媒、浸透促進剤を含有させ、バランスとして水を含有させる。水は、イオン交換水、言外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純粋又は超純水を用いることが好ましい。特に、これらの水を、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理した水は、長期間に亘ってカビやバクテリアの発生が防止きれるので好ましい。
本実施形態に係るインクには、必要に応じて、水溶性ロジン類等の定着剤、安息香酸ナトリウム等の防黴剤・防腐剤、アロハネート類等の酸化防止剤・紫外線吸収剤、キレート剤、pH調整剤等の添加剤を含有させることができ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
本実施形態に係るインクには、従来公知の装置、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、バスケットミル、ロールミル等を使用して、従来の顔料インクと同様に調製することができる。調製に際しては、メンブレンファイターやメッシュフィルター等を用いて粗大粒子を除去することが好ましい。
本実施形態のインクセットは、ノズルからインクの液滴を吐出させ、該液滴を記録媒体に付着させて文字及び/又は画像を形成する記録媒体方法であるインクジェット記録方法に用いられることが好ましく、特にオンデマンド型のインクジェット記録方法に用いられることが好ましい。オンデマンド型のインクジェット記録方法吐しては、例えば、プリンターヘッドに配設された圧電素子を用いて記録を行う圧電素子記録方法、プリンターヘッドに配設された発熱抵抗素子のヒーターなどによる熱エネルギーを用いて記録を行う熱ジェット記録方法等が挙げられ、何れのインクジェット記録方法にも好適に使用できる。
本実施形態のインクセットは、イエロー、マゼンタ及びシアンの減法混色の3原色のインク以外に、更に2色の前記特色インクの1種又は2種を備えているので、色再現範囲が広く、彩度が高く、光沢感のある印刷物を提供することができる。
具体的には、記録媒体として光沢紙を用いた場合、印刷物の光沢感を損なわない程度にインクの打ち込み量を制限して、本実施形態のインクセットにより、高彩度高光沢の印刷物を得ることができる。従来のインクセットでは、このように光沢低下防止のためインクの打ち込み量が制限された印刷条件では、高彩度の印刷物を得ることができなかった。
また、記録媒体としてマット系記録媒体や普通紙(被記録面に繊維が露呈している記録媒体)を用いた場合、滅法混色の3原色のインクセットのインクの打ち込み量の制限でも、本実施形態のインクセットを用いることにより、高彩度の印刷物を得ることができる。
また、本実施形態のインクセットは、色再現性が広いにもかかわらず、前記各インクの顔料濃度が、インクジェットプリンタのノズルの目詰り等を起こすほど高くないので、インクジェット記録用インクセットとして信頼性が高い。
次に、本発明のインクジェット記録方法について、その好ましい実施形態である前記インクセットを用いた実施形態に基づいて説明する。
本実施形態のインクジェット記録方法は、複数色の前記インクの液滴をそれぞれ吐出させ、該液滴を記録媒体上で混合して、該記録媒体上に1色又は2次色以上の混色部分を形成する場合、前記インク(A)及び前記インク(B)以外のインクの少なくとも2種と、該インク(A)及び/又は該インク(B)とにより該混色部分を形成するインクジェット記録方法である。
即ち、本実施形態のインクジェット記録方法は、記録媒体上で2次色以上の混色部分を形成する場合、前記イエロー、マゼンタ及びシアンの3色のインクの少なくとも2種と、2色の前記特色インクの1種又は2種を用いることを特徴するもので、記録媒体に単色でインクを打ち込む場合は、通常のインクジェット記録方法と同様である。
具体的には、前記知覚色度指数a^(*)及びb^(*)が、それぞれ、a^(*)=約-50?約50、b^(*)=約-50?約50の範囲にある混色部分、即ち、白色と黒色との間の色相群の1色(例えば、グレー色)の混色部分を形成する場合、少なくとも、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の前記インクと、前記インク(A)及び/又は前記インク(B)とを用いる。前記インクセットが、前記5種類のインク以外のインク、例えば、ブラック、ライトマゼンタ、ライトシアン等の色のインクを備えている場合は、それらを適宜用いても良い。上記のように白色と黒色との間の色相群の1色の混色部分を形成する場合、前記特色インク[前記インク(A)及び/又は前記インク(B)]の単位面積当たりのインク打ち込み量は、該混色部分の形成に用いられるインク総打ち込み量に対して、好ましくは10?90重量%更に好ましくは、30?50重量%である。
また、前記知覚色度指数a^(*)及びb^(*)が、それぞれ、a^(*)=約-40?約90、b^(*)=約-40?約100の範囲にある混色部分、即ち、イエロー色とマゼンタ色との間の色相群の1色(例えば、オレンジ色や赤色)の混色部分を形成する場合、少なくとも、イエロー及びマゼンタの2色の前記インクと、前記インク(A)とを用いる。この場合、該インク(A)の単位面積当たりのインク打ち込み量は、該混色部分の形成に用いられるインクの総打ち込み量に対して、好ましくは、10?90重量%、更に好ましくは、30?50重量%である。
また、前記知覚色度指数a^(*)及びb^(*)が、それぞれ、a^(*)=約-50?約100、b^(*)=約-10?約-80の範囲にある混色部分、即ち、マゼンタ色とシアン色との間の色相群の1色(例えば、バイオレット色や青色)の混色部分を形成する場合、少なくとも、マゼンタとシアンの2色の前記インクと、前記インク(B)とを用いる。この場合、該インク(B)の単位面積当たりのインク打ち込み量は、該混色部分の形成に用いられるインクの総打ち込み量に対して、好ましくは、10?90重量%、更に好ましくは、30?50重量%である。
本実施形態のインクジェット記録方法によれば、2次色以上の混色部分を形成する場合、上述の如き組み合わせで前記各インクを用いるので、照明する光源が変わっても色相がほとんど変化しない印刷物、即ち、メタメリズムの低減された高画質の印刷物を提供することができる。
具体的に説明すると、例えば、イエロー、マゼンタ及びシアンのYMCの3色の前記インクのみを用いて混色部分を形成すると、特に該混色部分の彩度C^(*)が低い場合、該混色部分の分光特性は、図1に実線で示すように、ピークトップが3つ現れたものとなり、照明する光源によって色相が異なって見えてしまう(メタメリズム現象)。これに対し、本実施形態のインクジェット記録方法のように、例えば、YMCの前記インクに加えて、更に前記インク(A)及び/又は(B)を用いて混色部分を形成することにより、該混色部分の分光特性は、前記3つのピークトップと、これらのピークトップの谷間を埋める新たなピークトップ(点線部)とを有するものとなり、あたかもピークトップが一つになった状態となるので、メタメリズムが低減する。
また、本実施形態のインクジェット記録方法は、この種の記録方法において通常用いられる記録媒体は特に制限なく適用できるが、特に普通紙に対して有効である。即ち、普通紙は、多量の水分が接触すると、その接触部分におけるセルロース繊維間の水素結合が破壊され、該接触部分が伸長して紙シワ等の変形を起こす性質があり、前記特開2000-351928号公報に記載の従来のインクセットを用いたインクジェット記録方法では、特に2次色以上の混色部分で、紙シワが発生していたところ、本実施形態のインクジェット記録方法によれば、該混色部分の形成時におけるインクの打ち込み量が比較的少量で、高発色の文字及び/又は画像を形成できるので、紙シワ等の変形や、紙の裏面への着色を抑制することができる。
本発明は、前記実施形態に制限されず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
本発明のインクセットは、少なくとも、イエロー、マゼンタ及びシアンの3色のインクと、特色インクとして、前記インク(A)及び/又は(B)とを備えるインクセットであればよく、これらのインク以外に、例えば、上述のブラックインクは勿論のこと、本発明に係る前記イエローインク、前記マゼンタインク及び前記シアンインク以外のイエローインク、マゼンタインク、シアンインクの1種又は2種以上を備えていてもよい。また、本発明のインクジェット記録方法は、前記インク(A)及び/又は前記インク(B)と、少なくとも、前記イエローインク、前記マゼンタインク、前記シアンインク及び前記ブラックインクの何れか1色とにより混色部分を形成するインクジェット記録方法であってもよい。
〔実施例〕
以下に、本発明の実施例及び試験例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、かかる実施例により何等制限されるものではない。
〔実施例1〕
イエロー、マゼンタ、シアンの3原色インク、並びに下記の特色インクA1、特色インクB1を、それぞれ常法に従い調製した。即ち、着色剤成分を分散剤成分と共に分散させた後、他の成分を加えて混合し、一定以上の大きさの不溶成分を濾過して、インクを調製した。得られたインクを組み合わせてインクセット1とした。


なお、前記各インクにおいては、Duty100%のインク重量を14?16mg/inch^(2)とした。
〔実施例2〕
前記インクセット1(実施例1)において、特色インクA1、特色インクB1に代えて、下記の特色インクA2、特色インクB2を備えた以外は、前記インクセット1と同じ構成のインクセット2を製造した。


〔実施例3〕
前記インクセット1(実施例1)において、特色インクA1、特色インクB1に代えて、下記の特色インクA3、特色インクB3を備えた以外は、前記インクセット1と同じ構成のインクセット3を製造した。

〔実施例4〕
前記インクセット1(実施例1)において、特色インクA1、特色インクB1に代えて、下記の特色インクA4、特色インクB4を備えた以外は、前記インクセット1と同じ構成のインクセット4を製造した。

〔実施例5〕
前記インクセット4(実施例4)において、イエローインクのC.I.ピグメントイエロー74に代えて、C.I.ピグメントイエロー128を使用した以外は、前記インクセット4と同じ構成のインクセット5を製造した。
〔実施例6〕
前記インクセット1(実施例1)において、イエローインクのC.I.ピグメントイエロー74に代えて、C.I.ピグメントイエロー147を使用した以外は、前記インクセット1と同じ構成のインクセット6を製造した。
〔実施例7〕前記インクセット1
(実施例1)において、イエローインクのC.I.ピグメントイエロー74に代えて、C.I.ピグメントイエロー110を使用した以外は、前記インクセット1と同じ構成のインクセット7を製造した。
〔実施例8〕
前記インクセット1(実施例1)において、特色インクA1のC.I.ピグメントレッド178を2.0重量%使用する代わりに、C.I.ピグメントオレンジ43を3重量%使用した以外は、前記インクセット1と同じ構成のインクセット8を製造した。
〔実施例9〕
前記インクセット1(実施例1)において、特色インクB1のC.I.ピグメントバイオレット23を2.0重量%使用する代わりに、C.I.ピグメントブルー60を3重量%使用した以外は、前記インクセット1と同じ構成のインクセット9を製造した。
〔比較例1〕
下記組成の3色のインクを、実施例1と同様の方法でそれぞれ調製し、これらを組み合わせてインクセット10とした。


〔試験例〕
(Gamut体積の評価)
前記の実施例1?9及び比較例1に記載の各インクセットを用いてインクジェットプリンタPM900C(セイコーエプソン社製)により、PM写真用紙(セイコーエプソン社製)に対して720×720dpi、duty100%(単色の場合),120%(前記6色のインクを任意に混ぜた場合、ただし、比較例は前記4色のインクを任意に混ぜた場合)にて印字し、記録物を得た。得られた記録物のガマット体積を測定した。
ガマット体積の測定は、グレタグ社製グレタス・マクベスSPM50を用いて、D50光源、フィルターなし、視野角2°にて測定し、CIEで規定のL^(*)a^(*)b^(*)表色系で、L^(*)=1,a^(*)=1,b^(*)=1からなる立方体の体積を1とした場合の体積を求めた。その結果を下記の基準に基づいて評価し、その結果を表1に示す。
評価A:約650,000以上。
評価B:約650,000以下。
(粒状性の評価)
前記の実施例1?9及び比較例1に記載の各インクセットを用いてインクジェットプリンタPM900C(セイコーエプソン社製)により、PM写真用紙(セイコーエプソン社製)に対して、duty5%,10%で印字し、その部分を目視で判断し、その結果を表1に示す。
評価A:粒を確認し難い。
評価B:粒を容易に確認できる。
(光沢付与性の評価)
前記の実施例1?9及び比較例1に記載の各インクセットを用いてインクジェットプリンタPM900C(セイコーエプソン社製)により、PM写真用紙(セイコーエプソン社製)に対して、duty80%で印字し、その部分に約2m離れたところから蛍光灯をあて、蛍光灯の輪郭が確認できるかを目視で判断し、その結果を表1に示す。
評価A:照明の形状が認識できる。
評価B:照明の形状が認識できない。

〔実施例10〕
イエロー、マゼンタ、シアンの3原色インク、並びに2色の特色インクA1及びB1を、それぞれ常法に従い調製した。即ち、着色剤成分を分散剤成分と共に分散させた後、他の成分を加えて混合し、一定以上の大きさの不溶成分を濾過して、インクを調製した。得られたインクを組み合わせてインクセット11とした。


〔実施例11〕
前記インクセット11(実施例10)において、特色インクA1及びB1に代えて、下記2色の特色インクA2及びB2を備えた以外は、前記インクセット11と同じ構成のインクセット12を製造した。

〔実施例12〕
前記インクセット11(実施例10)において、特色インクA1及びB1に代えて、下記2色の特色インクA3及びB3を備えた以外は、前記インクセット11と同じ構成のインクセット13を製造した。


〔実施例13〕
下記組成の5色のインクを、実施例10と同様の方法でそれぞれ調製し、これらを組み合わせてインクセット14とした。


〔実施例14〕
前記インクセット14(実施例13)において、特色インクA4及びB4に代えて、下記2色の特色インクA5及びB5を備えた以外は、前記インクセット14と同じ構成のインクセット15を製造した。

〔実施例15〕
下記組成の5色のインクを、実施例10と同様の方法でそれぞれ調製し、これらを組み合わせてインクセット16とした。


〔実施例16〕
前記インクセット16(実施例15)において、特色インクA6及びB6に代えて、下記2色の特色インクA7及びB7を備えた以外は、前記インクセット16と同じ構成のインクセット17を製造した。

〔比較例2〕
下記組成の3色のインクを、実施例10と同様の方法でそれぞれ調製し、これらを組み合わせてインクセット18とした。

〔比較例3〕
下記組成の3色のインクを、実施例10と同様の方法でそれぞれ調製し、これらを組み合わせてインクセット19とした。



〔比較例4〕
下記組成の3色のインクを、実施例10と同様の方法でそれぞれ調製し、これらを組み合わせてインクセット20とした。



〔試験例〕
(印刷物の作成及びその色彩等の測定)インクジェットプリンタ(商品名「MC-2000」、セイコーエプソン(株)製)を用いて、記録媒体(商品名「PM写真用紙」、セイコーエプソン(株)製)に対して、前記インクセット11?20それぞれにより、1440×720dpiで100%dutyを印刷し、印刷物を得た。「duty」とは、下記式(A)で定義され、算出される値Dの単位を示すものである。100%dutyとは、画素に対する単色の最大インク重量を意味する。

このようにして得られた前記各印刷物の光学濃度(OD)を、グレタグ社製「SPM-50」を用い、光源D65、視野角2度で測定し、各印刷物についてのCIELAB色空間において定義されるL^(*)a^(*)b^(*)、並びに色相角∠H°[=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+180(a^(*)<0の場合)、∠H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))+360(a^(*)>0かつb^(*)<0の場合)、∠H°=tan^(-1)(b^(*)/a^(*))(a^(*)>0かつb^(*)≧0の場合)]及び彩度C^(*)[=〔(a^(*))^(2)+(b^(*))^(2)〕^(1/2)]をそれぞれ求めた。
評価色:1色のインクで形成される100%dutyの単色と図2に示すサークルの隣接する2色のインクの各50%dutyで形成される100%dutyの混色とした。
(特色インクの有効性)
実施例のインクセットにより作成した前記各印刷物において、YMCの3原色インクの何れか2色により形成された100%dutyの混色部分の色相角∠H°と彩度C^(*)とを測定した。そして、これと同じ色相角∠H°及び彩度C^(*)を得るために要した特色インクの打ち込み量を測定した。それらの結果を下記表2?5に示す。

表2?5から明らかなように、YMCの3原色インクの何れか2色を用いて形成される100%dutyの色相角∠H°の彩度C^(*)を、本発明に係る特色インクA又はBによれば、60%duty以下で得ることができる。
(色再現性の評価)
前記各印刷物における評価色のa^(*)値とb^(*)値によって描かれるグラフの原点を含む側の面積を求め、これを彩度面積とした。それらの結果を下記表6に示す。彩度面積の値が大きいほど、インクセットの色再現範囲が広いことを示す。
(光沢付与性の評価)
前記各印刷物について、村上色彩技術研究所社製「GP-200」を用い、12V50W、入射光束絞りφ1mm、反射光束絞りφ1.5mm、ND10フィルター、入射角度45度、煽り角度0度で、標準鏡面板を85として、光沢度を測定した。前記評価色についての光沢度の最高値の平均値を求め、これを平均光沢度とした。その結果を下記表6に示す。平均光沢度の値が大きいほど、インクセットの光沢付与性が優れることを示す。

表6に示す結果から明らかなように、実施例10?16のインクセットは、前記特色インク(A)及び(B)を備えているので、比較例2?4の3原色のインクからなるインクセットよりも、彩度面積を得ることができ、色再現性に優れるものであることが判る。更に、実施例10?12のインクセットは、イエローインクの記録媒体上での光学濃度(OD値)が1.7?1.9であり、マゼンタインクの記録媒体上での光学濃度(OD値)が1.2?2.0であり、シアンインクの記録媒体上での光学濃度(OD値)が2.0?2.5であるので、光沢感にも優れた印刷物を提供することができることが判る。
〔実施例17〕
C.I.ピグメントイエロー74を6.0重量%(固形分)、分散剤を1.8重量%とした以外は実施例1のイエローインクと同一組成のイエローインクと、C.I.ピグメントレッド202を6.0重量%(固形分)、分散剤を1.8重量%とした以外は実施例1のマゼンタインクと同一組成のマゼンタインクと、C.I.ピグメントブルー15:3を4.0重量%(固形分)、分散剤を1.2重量%とした以外は実施例のシアンインクと同一組成のシアンインクと、C.I.ピグメントレッド178を6.0重量%(固形分)、分散剤を1.8重量%とした以外は実施例1の特色インクA1と同一組成のレッドインクと、C.I.ピグメントバイオレント23を6.0重量%(固形分)、分散剤を1.8重量%とした以外は実施例1の特色インクB1と同一組成のバイオレットインクを、それぞれ実施例1と同様にして調製し、これらを組み合わせてインクセット21とした。
〔試験例〕
(ISO400による評価)
ISO400規定に従い、任意の画像を印刷して評価した。評価は、インクセット21と、上記インクセット1?10の双方について行った。評価基準は、評価A:照明の形状が認識できる。
評価B:照明の形状が認識できない。
評価の結果、インクセット21及びインクセット1?9(実施例1?9)においては「A」であり、インクセット10(比較例1)においては「B」であった。これより、レッドインク及びバイオレットインクにおける顔料含有量を増やすことにより、低Dutyで画像形成ができ、光沢が向上したことが分かった。
また、インクセット21について、粒状性及び光沢付与性についても上述と同様にして評価したところ、粒状性は「B」であり、光沢付与性は「B」であった。
〔実施例18〕
<マゼンタインク▲1▼>
1.5重量%(固形分)のC.I.ピグメントレッド202を、2.0重量%(固形分)のC.I.ピグメントバイオレット19に代えた以外は、実施例1のマゼンタインクと同一組成のマゼンタインク▲1▼を製造した。
<シアンインク▲2▼>
1.5重量%(固形分)のC.I.ピグメントブルー15:3を、1.5重量%(固形分)のC.I.ピグメントブルー15:4に代えた以外は、実施例1のシアンインクと同一組成のシアンインク▲2▼を製造した。
<バイオレットインク▲3▼>
2.0重量%(固形分)のC.I.ピグメントバイオレット23を、3.0重量%(固形分)のC.I.ピグメントバイオレット23に代えた以外は、実施例1の特色インクB1と同一組成のバイオレットインク▲3▼を製造した。
<バイオレットインク▲4▼>
2.0重量%(固形分)のC.I.ピグメントバイオレット23を、3.5重量%(固形分)のC.I.ピグメントブルー60に代えた以外は、実施例1の特色インクB1と同一組成のバイオレットインク▲4▼を製造した。
<レッドインク▲5▼>
2.5重量%(固形分)のC.I.ピグメントレッド149を、3.5重量%(固形分)のピグメントレッド149に代えた以外は、実施例4の特色インクA4と同一組成のレッドインク▲5▼を製造した。
(各インクの吸収面積の測定)
日立自記分光光度計U3300形を用いて、スキャンスピード600nm/min、スリット2.0nm、ホトマル電圧自動制御、サンプリング間隔自動の測定条件で、測定した。
ベースラインは、サンプル側、リファレンス側ともに、縦1cm×横1cm×高さ4cmの4mL容量のセキエイセルに純水を加えて設定し、測定した。
サンプル測定は、リファレンス側のセルをそのままにし、サンプル側のセルに以下のようにして調整したインク希釈液を入れ、測定した。各インク1.00gを1Lビーカーに移し、直ちに純水を加えて、合計1kgにし、希釈液を得た。
その結果を表7に示す。

産業上の利用可能性
本発明のインクセット及びインクジェット記録方法によれば、色再現範囲が広く、彩度が高く、粒状性が良く、光沢感のある印刷物を提供することができる。また、本発明のインクジェット記録方法によれば、メタメリズムの低減された高画質の印刷物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のインクジェット記録方法により得られた混色部分の分光特性を示す模式図である。
図2は、実施例において、印刷物を作成する際の混色の組み合わせを示す図である。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2014-05-01 
出願番号 特願2003-503718(P2003-503718)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (C09D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 中野 孝一  
特許庁審判長 新居田 知生
特許庁審判官 山田 靖
菅野 芳男
登録日 2009-02-06 
登録番号 特許第4253840号(P4253840)
発明の名称 インクセット及びインクジェット記録方法  
代理人 渡辺 和昭  
代理人 上柳 雅誉  
代理人 宮坂 一彦  
代理人 上柳 雅誉  
代理人 渡辺 和昭  
代理人 宮坂 一彦  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ