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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由)(定型) H01F
管理番号 1289148
審判番号 不服2012-24977  
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-08-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-12-17 
確定日 2014-06-25 
事件の表示 特願2011- 2988「高性能バルク金属磁気構成部品」拒絶査定不服審判事件〔平成23年 7月14日出願公開、特開2011-139075〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 本願は、平成23年 1月11日(遡及出願平成13年 7月24日)の出願であって、その請求項に係る発明は、特許請求の範囲の請求項に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
これに対して、平成25年 9月19日付けで当審より以下の拒絶理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人からは何らの応答もない。

(当審拒絶理由通知)
「 この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



請求項1?19に対して
刊行物一覧
1.特開2000-45053号公報(平成12年2月15日公開)
2.特開平1-119620号公報
3.国際公開00/28556号(平成12年5月18日公開(特表2002-529929号公報参照))
4.特開昭62-124704号公報
5.特開平11-144932号公報
6.特開平11-251131号公報
7.特開平4-138131号公報
8.特開閉4-138132号公報

備考
刊行物1(特開2000-45053号公報)には鉄損の低い方向性珪素鋼板について、結晶粒からなる方向性珪素鋼板であり、Si濃度が5?8wt%の部分が、鋼板の上下両面表層から板厚深さ方向に板厚の10%以上あることが記載されている。

刊行物2(特開平1-119620号公報)には鉄-ニッケル(Fe-Ni)系磁性合金薄板について、第1表の例10?例13にはB系パーマロイ(40?50%Ni、残Fe)のコア損失と平均結晶粒径が示されている。
1頁右欄の[発明の技術的背景と問題点]の項には、パーマロイは熱処理によりその磁性は非常に敏感に変化する性質を有し、また、結晶粒径によっても磁性は著しく変化すること、Fe-Ni系磁性材料の中で高周波磁界の下で用いる磁性材料は、実効透磁率が高くてコア損失の小さいことが要求されることが記載されている。

刊行物3(国際公開00/28556号)にはバルクアモルファス金属磁気構成要素について、10頁16行?13頁5行(公表特許公報の段落【0022】?【0028】)には、Fe80B11Si9の組成で積層形成された多面形状のバルクアモルファス金属磁気構成要素は、(1)60Hzの周波数および1.1Tの磁束密度で動作させたときコアロスが0.59W/kg、(2)1,000Hzの周波数及び1.0Tの磁束密度で動作させたときコアロスが11.51W/kg、(3)20,000Hzの周波数及び0.30Tの磁束密度で動作させたとき70W/kgのコアロスであることが記載されている。
刊行物4(特開昭62-124704号公報)には磁気特性および層間絶縁性に優れた巻コアおよびその製造方法について、2頁左上欄14?末行には、一般の磁性材料の鉄損を表す式が記載されている。

刊行物5(特開平11-144932号公報) には圧粉磁心用磁性粉の絶縁被膜形成方法について、段落【0002】【0003】には、鉄損Wは過電流損失とヒステリシス損失の和で示されることが記載されている。

刊行物6(特開平11-251131号公報)には圧粉磁心用磁性粉磁心について、段落【0002】【0003】には、鉄損Wは過電流損失とヒステリシス損失の和で示されることが記載されている。

刊行物7(特開平4-138131号公報)にはMRI用磁界発生装置について、複数枚のけい素鋼板を磁極片の対向方向に積層して一体化したブロック状磁極片用部材を複数個用いて磁極片を形成したことが記載されている。

刊行物8(特開閉4-138132号公報)にはMRI用磁界発生装置について、複数枚のけい素鋼板を磁極片の対向方向と直交する方向に積層して一体化した磁極片用部材を複数個用いて磁極片を形成したことが記載されている。


「Siを含む鉄ベースの合金」を基本とする、本件特許出願の請求項1,7?13に記載された発明は、刊行物1,3?8に記載された事項から容易に発明することができたものである。

「Fe-Niベースの合金」を基本とする、本件特許出願の請求項2?5,14?19に記載された発明は、刊行物2,3?6に記載された事項から容易に発明することができたものである。

特に合金組成に限定のない、本件特許出願の請求項6に記載された発明は、刊行物1?8に記載された事項から容易に発明することができたものである。

以上 」


そして、上記の拒絶理由は妥当なものと認められるので、本願は、この拒絶理由によって拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-01-28 
結審通知日 2014-01-29 
審決日 2014-02-13 
出願番号 特願2011-2988(P2011-2988)
審決分類 P 1 8・ 121- WZF (H01F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 酒井 朋広  
特許庁審判長 石井 研一
特許庁審判官 関谷 隆一
乾 雅浩
発明の名称 高性能バルク金属磁気構成部品  
代理人 夫馬 直樹  
代理人 小林 泰  
代理人 小野 新次郎  
代理人 星野 修  
代理人 富田 博行  

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