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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A61K
管理番号 1289537
審判番号 不服2012-4341  
総通号数 176 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-08-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-03-06 
確定日 2014-07-10 
事件の表示 特願2001-296268「水中油型凹凸補正化粧料」拒絶査定不服審判事件〔平成15年 4月 3日出願公開、特開2003- 95870〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成13年9月27日の出願であって、平成23年6月29日付けで拒絶理由通知が通知され、同年8月5日付けで意見書及び手続補正書が提出され、平成24年1月24日付けで拒絶査定され、これに対し、平成24年3月6日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。その後、当審から平成26年2月17日付けで拒絶理由通知が通知され、これに対し、同年4月11日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1、2に係る発明は、平成26年4月11日提出の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定されるとおりのものであり、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「【請求項1】
次の成分(a)及び(b);
(a)平均分子量が5000?30000であるポリエチレングリコ-ルを1?10質量%、
(b)屈折率が1.3?1.5であり、シリカ、ナイロンパウダ-、ポリエチレンパウダ-、ポリスチレンパウダ-、ポリメタクリル酸アルキルパウダ-、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムから選ばれる1種以上の粉体を5?20質量%
を含有し、
シリコーン油を含有させないことを特徴とする水中油型凹凸補正化粧料。」

第3 刊行物の記載事項
本願出願前に頒布された刊行物である特開2000-63231号公報(以下、「刊行物1」という。)には、次の事項が記載されている。下線は当審で付した。
(1a)「【請求項1】 次の成分(a)、(b);
(a)下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるフッ素化合物で処理された粉体
【化1】
(C_(m)F_(2m+1)CH_(2)CH_(2)O)_(n)P(=O)(OH)_(3-n)・・・・(1)
[式中mは6?18の整数、nは1?2を表す。]
【化2】
(C_(m)F_(2m+1)CH_(2)CH_(2)O)_(n)P(=O)[ONH_(2)(CH_(2)CH_(2)OH)_(2)]_(3-n)・・・・(2)
[式中mは6?18の整数、nは1?2を表す。]
(b)分子量2600以上のポリエチレングリコール及び/又は酸化エチレンを40%以上含有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体を含有することを特徴とする水性化粧料。
【請求項2】 成分(a)を1?25%、成分(b)を0.1?5%含有する請求項1記載の水性化粧料。
【請求項3】 更に、成分(c)として、水素添加リン脂質を配合する請求項1又は2記載の水性化粧料。
【請求項4】 水性化粧料が水中油型である請求項1?3のいずれかに記載の水性化粧料。」

(1b)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体の分散安定性に優れ、みずみずしい使用感触を有し、化粧効果の持続性が良好であり、しかも、低刺激性である水性化粧料に関するものである。」

(1c)「【0015】成分(a)に用いられる粉体は、化粧品一般に使用される粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造、等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄コーティング雲母、酸化鉄雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル-メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン-メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N-アシルリジン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
・・・
【0018】本発明の水性化粧料における、成分(a)の含有量は、1?25重量%(以下、単に「%」と略す。)が好ましい。この範囲で用いると、隠蔽性や紫外線遮断能力等の化粧効果が良好であり、みずみずしい使用感触が向上するものである。」

(1d)「【0020】成分(b)のポリエチレングリコールは、酸化エチレンの重合体であるポリエチレングリコールのうち、平均分子量が2600以上のものである。平均分子量2600以上のポリエチレングリコールは、成分(a)の分散を向上させる効果を有し、且つ、高分子量であるため皮膚刺激を生じにくいものである。更に、固体状であるため、水性化粧料中では水に溶解した状態で存在するが、肌に塗布した後は、肌上で水が蒸発し、ほとんど吸湿性を示さない化粧膜となり、化粧崩れを起こしにくいものである。平均分子量が2600未満のものは、成分(a)の分散性の向上効果が十分でなく、肌上で形成される化粧膜が吸湿性を有するために、汗などによる化粧崩れを生じ、好ましくない。ポリエチレングリコールの分子量としては、概ね100000程度までのものが溶解性、べたつきのなさ等の使用感触において好ましい。
【0021】成分(b)のポリエチレングリコールは、例えば、市販品のニッサンPEG#4000(平均分子量=3040)、ニッサンPEG#6000(平均分子量=8311)、ニッサンPEG#11000(平均分子量=10485)、ニッサンPEG#20000(平均分子量=19000)(何れも、日本油脂社製)等を挙げることができ、これらを一種又は二種以上用いることができる。」

(1e)「【0039】
実施例1?10及び比較例1?6:ファンデーション
表1及び表2に示した組成のファンデーションを以下に示す調製方法により調製し、「粉体の分散安定性」、「みずみずしさ」、「化粧効果の持続性」を下記に示した評価法により評価し、結果を併せて表1及び表2に示した。
【0040】
【表1】

・・・
【0043】実施例1?10及び比較例1?5の調製方法:
A.成分19?40を三本ロールミルにて分散する。
B.成分1?7を加熱溶解する。
C.成分8?18を加熱溶解する。
D.BにCを加えて乳化し、室温まで冷却する。
E.DにAを加えて混合分散する。
F.Eを容器に充填して水中油型ファンデーションを得た。
・・・
【0046】(使用テスト評価方法)実施例1?10及び比較例1?6のファンデーションについて、化粧品専門パネル20人による官能評価を行った。「みずみずしさ」については使用直後の状態を、「化粧効果の持続性」については日常生活6時間後の状態を評価した。・・・
【0047】表1及び表2から明らかなように、実施例1?10の水中油型ファンデーションは、「粉体の分散安定性」、「みずみずしさ」、「化粧効果の持続性」の全ての項目が良好あり、比較例1?6に比べて、優れたものであった。また、実施例1?10の水中油型ファンデーションは、エモリエント感が有り、使用者に何の皮膚トラブルも生じない低刺激性であった。」

第4 引用発明
刊行物1は、「粉体の分散安定性に優れ、みずみずしい使用感触を有し、化粧効果の持続性が良好であり、しかも、低刺激性である水性化粧料に関するもの」((1b))であり、刊行物1において、請求項2を引用する場合の請求項3を引用する請求項4((1a))を書き下すと、
「次の成分(a)、(b);
(a)下記一般式(1)及び/又は(2)で示されるフッ素化合物で処理された粉体
【化1】
(C_(m)F_(2m+1)CH_(2)CH_(2)O)_(n)P(=O)(OH)_(3-n)・・・・(1)
[式中mは6?18の整数、nは1?2を表す。]
【化2】
(C_(m)F_(2m+1)CH_(2)CH_(2)O)_(n)P(=O)[ONH_(2)(CH_(2)CH_(2)OH)_(2)]_(3-n)・・・・(2)
[式中mは6?18の整数、nは1?2を表す。]
(b)分子量2600以上のポリエチレングリコール及び/又は酸化エチレンを40%以上含有するポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体を含有し、
成分(a)を1?25%、成分(b)を0.1?5%を含有し、
更に、成分(c)として、水素添加リン脂質を配合した、
水中油型である水性化粧料」
となる。
そして、その実施例として、【表1】((1e))には、水中油型ファンデーションの組成(重量%)が示されており、実施例1には、スクワラン7%、水素添加大豆リン脂質0.5%、1,3-ブチレングリコール3%、グリセリン2%、メチルパラベン0.1%、ポリエチレングリコール(平均分子量=8311)1%、トリエタノールアミン0.1%、カルボキシビニルポリマー0.1%、フッ素化合物処理酸化チタン12%、フッ素化合物処理ベンガラ0.8%、フッ素化合物処理黄酸化鉄2.5%、フッ素化合物処理黒酸化鉄0.4%、フッ素化合物処理タルク2%、1,3-ブチレングリコール8%、残部が精製水である組成の水中油型ファンデーションが記載されている。
そうすると、刊行物1には、
「スクワラン7%、水素添加大豆リン脂質0.5%、1,3-ブチレングリコール3%、グリセリン2%、メチルパラベン0.1%、ポリエチレングリコール(平均分子量=8311)1%、トリエタノールアミン0.1%、カルボキシビニルポリマー0.1%、フッ素化合物処理酸化チタン12%、フッ素化合物処理ベンガラ0.8%、フッ素化合物処理黄酸化鉄2.5%、フッ素化合物処理黒酸化鉄0.4%、フッ素化合物処理タルク2%、1,3-ブチレングリコール8%、残部が精製水である組成(重量%)の水中油型ファンデーションであって、粉体の分散安定性に優れ、みずみずしい使用感触を有し、化粧効果の持続性が良好で、低刺激性である水中油型ファンデーション」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

第5 対比・判断
1 本願発明と引用発明とを対比する。
(1ア)引用発明で用いられるポリエチレングリコール(平均分子量=8311)の平均分子量は、本願発明で規定される平均分子量5000?30000の範囲内のものであり、化粧料の成分の配合割合において、重量%は質量%とほぼ近似するといえるので、その配合量の1重量%は、1質量%とほぼ近似し、本願発明で規定される1?10質量%の範囲内のものである。
そうすると、使用するポリエチレングリコールの平均分子量と配合量において、本願発明と引用発明とで差異はない。

(1イ)刊行物の記載(1c)によれば、引用発明の「フッ素化合物処理酸化チタン」、「フッ素化合物処理ベンガラ」、「フッ素化合物処理黄酸化鉄」、「フッ素化合物処理黒酸化鉄」、「フッ素化合物処理タルク」は、粉体であることが明らかであり、その配合量の合計は、12+0.8+2.5+0.4+2=17.7重量%となるから、粉体を合計量で17.7重量%含むといえるが、それら粉体の屈折率は明らかではない。
上記(1ア)で述べたとおり重量%は質量%とほぼ近似するといえるので、引用発明が「フッ素化合物処理酸化チタン12%、フッ素化合物処理ベンガラ0.8%、フッ素化合物処理黄酸化鉄2.5%、フッ素化合物処理黒酸化鉄0.4%、フッ素化合物処理タルク2%」を含有することは、粉体を合計量で17.7重量%含むことであり「粉体を5?20質量%」を含有する点では本願発明と共通する。

(1ウ)引用発明には1,3-ブチレングリコール、グリセリン、メチルパラベン、トリエタノールアミン、カルボキシビニルポリマー等他の成分が含まれるが、本願明細書【0015】?【0017】によれば、本願発明も必要に応じて他の成分を配合することができるものであって、この点は相違点とはならない。

(1エ)ファンデーションは化粧料の一種であるから、引用発明の「水中油型ファンデーション」は、水中油型化粧料である点で、本願発明と一致する。

(1オ)引用発明のファンデーションは、「粉体の分散安定性に優れ、みずみずしい使用感触を有し、化粧効果の持続性が良好で、低刺激性である」と特定されるが、本願発明も粉体を含有する水中油型化粧料である以上、粉体の分散安定性に優れたものが求められるのは当然のことであり、低刺激性であることも化粧料一般に求められる性質である。そして、みずみずしい使用感触や化粧効果の持続性は後述の(1ク)で述べるとおり本願発明においても求められているから、引用発明の上記特定は相違点とはならない。

(1カ)よって、両者は、
「平均分子量が5000?30000であるポリエチレングリコ-ルを1?10質量%、
粉体を5?20質量%、
を含有する水中油型化粧料。」の発明である点で一致し、
次の点で相違する。

<相違点1>
化粧料に含有される粉体が、本願発明は、「屈折率が1.3?1.5であり、シリカ、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリメタクリル酸アルキルパウダー、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムから選ばれる1種以上」であるのに対して、引用発明は、「フッ素化合物処理酸化チタン、フッ素化合物処理ベンガラ、フッ素化合物処理黄酸化鉄、フッ素化合物処理黒酸化鉄、フッ素化合物処理タルク」である点。

<相違点2>
本願発明は「シリコーン油を含有させない」のに対して、引用発明はそのような特定がない点。

<相違点3>
本願発明は「凹凸補正化粧料」であるのに対して、引用発明は「ファンデーション」である点。

2 以下、相違点について検討する。
(2ア)<相違点1>について
下記周知文献Aに記載されるとおり、化粧料において、シワ隠蔽等のためのファンデーションの仕上がり制御技術として凹凸隠し技術があり、その1つとして、最適な屈折率と粒径をもつ球状微粒子粉末を用いて凹凸に基づく明るさの差を縮める方法はこの出願前周知である。そして、下記周知文献B?Dに示されるとおり、上記凹凸隠し技術で用いられる粉末の屈折率は、皮膚の屈折率とほぼ一致する1.3?1.7程度であることも周知であり、周知文献B((B3))には、そのような粉末の好適例として、有機物質のポリスチレンや、無機物質のシリカが挙げられている。
また、化粧料の原料成分の粉体として屈折率が1.35?1.44であるシリカを配合すること、一般的に化粧料に配合されるプラスチックポリマーの屈折率が1.4?1.5の範囲であることは、いずれも本願出願前周知である(下記周知文献G((G1)(G3))、周知文献H参照)。
一方、刊行物1には、「粉体の分散安定性に優れ、みずみずしい使用感触を有し、化粧効果の持続性が良好であり、しかも、低刺激性である水性化粧料」((1b))に関して、使用しうる「粉体は、化粧品一般に使用される粉体であれば、・・・特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる」((1c))と記載され、粉末の具体例の中に「二酸化珪素」(当審注:シリカと同義である。)、「炭酸マグネシウム」、「硫酸バリウム」、「ナイロンパウダー」、「ポリメチルメタクリレート」、「ポリエチレンパウダー」、「ポリスチレンパウダー」も含まれている。
そうすると、引用発明の、粉体の分散安定性に優れ、みずみずしい使用感触を有し、化粧効果の持続性が良好で、低刺激性である水中油型ファンデーションにおいても、上記周知の、ファンデーションの仕上がり制御技術である凹凸隠し技術で用いられる所定の屈折率の粉体を用いてみようとすることは当業者が普通に思いつくことであり、引用発明の「フッ素化合物処理酸化チタン、フッ素化合物処理ベンガラ、フッ素化合物処理黄酸化鉄、フッ素化合物処理黒酸化鉄、フッ素化合物処理タルク」に代えて、所定の屈折率の粉体を用いることに、当業者が格別の創意を要したものとは認められない。その際、粉体の屈折率を1.3?1.5とすることは、凹凸隠し効果を企図するに当たっての粉体の屈折率の最適範囲を求めたに過ぎず、使用する粉体を「シリカ、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリメタクリル酸アルキルパウダー、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムから選ばれる1種以上」と特定することは、刊行物1に例示される粉体の中から最適範囲内の屈折率を持つことが周知である粉体を選択して列記したものに過ぎない。
そして、本願明細書全体の記載をみても、屈折率を1.3?1.5(特に上限を1.5)と数値限定したことにより、上記限定範囲を超える、例えば1.55の、屈折率である粉体を用いた場合に比べて、本願発明が格別顕著な効果を奏することは確認できない。
したがって、引用発明において<相違点1>にかかる構成とすることは、周知文献B?D、周知文献G、Hの記載を参考にして、当業者が格別の困難性なくなし得ることである。

周知文献A:鈴木正人 監修、「機能性化粧品III」、株式会社シーエムシー、2000年1月1日第1刷発行、364-370頁
下線は、当審で付した(以下、同じ)。
(A1)「2.2 凹凸隠し技術
シワや毛穴といった肌の凹凸もまたファンデーションの隠蔽力のみでは隠せないばかりか,かえって経時で目立たせてしまう場合がある。
肌の凸部分(皮丘)では光が多く当たり明るく見え,逆に凹部位(皮溝)は光が届かず暗く見えることになり、結果として小ジワや毛穴のような形態的欠点は明るさの差としてその存在を認識していることになる。この問題を解決したのがソフトフォーカスの考え方である。この理論を達成するためには,2つの要素,つまり1(当審注:○の中に1)凹凸境界部分の鮮映性を抑制し境界を見えにくくしぼかすこと,2(当審注:○の中に2)凹凸間の明度差を減少させることが重要である。
・・・さらに最近では,微粒子酸化チタンや酸化亜鉛を内包したシリカの表面を酸化ジルコニウムや酸化アルミニウムで被覆した球状複合粉体を用いることにより,毛穴隠蔽効果を向上させる方法^(6))や最適な屈折率と粒径をもつ球状微粒子粉末と球状粉体とを複合化したオーダードミクスチュアを用い,凹凸に基づく明るさの差を縮める方法^(7))が考案されている。」(365頁下から5行-366頁23行)

(A2)「文献
・・・
7) 特開平8-217637」(369頁下から9行-370頁1行)

周知文献B:国際公開第00/24372号(特表2003-524605号公報 参照)
訳文は、ファミリーである特表2003-524605号公報による。
(B1)「本発明の目的は、本質的に皮膚の感触と外観の即時的改善を付与するのに好適な局所適用組成物を提供することである。本発明のもうひとつの目的は、毛孔及び皮膚の色調のムラのような皮膚の欠点を望ましくカバーし、一方、自然な皮膚の外観(例えば受容できない皮膚の白化を伴なわない)を維持する、例えばポリメチルシルセスキオキサンのような粒子状物質を含む局所適用組成物を提供することである。本発明のもうひとつの目的は、付加的に皮膚の外観及び/又は状態を長期的に調節するのに有用な、特に皮膚のきめ又は色調の不規則性(例えば毛孔、細い線、しわ、皮膚の色調のムラ)を調節する局所適用組成物を提供することである。」(2頁14?22行)

(B2)「粒子状物質
本発明の組成物は、本組成物に分散し、中央値粒度が約2?約30μmである粒子状物質であって、屈折率が約1.3?約1.7の第1粒子状物質を含む。中央値粒度は、本粒子状物質がニート形態、すなわち本質的に純粋で、本発明のキャリアと結合する前の粉末形態で測定する。しかし粒度を測定する各方法では、粒度分布を測定するために、精製油のような不活性キャリアに分散した粒子状物質が必要なこともある。
屈折率は従来の方法で測定される。例えば、本発明に応用できる屈折率測定方法は、ジェイ・エイ・ディーン(J. A. Dean)編の「ランゲ化学ハンドブック(Lange's Handbook of Chemistry)(第14版、マックグロウヒル(McGraw Hill)、ニューヨーク、1992年)の第9節「屈折率測定法」に記載されており、参考として本明細書に全て組み入れる。屈折率は、好ましくは約1.35?約1.6の範囲であり、この範囲は皮膚の屈折率とほぼ一致している。」(5頁1?15行)

(B3)「 第1及び第2粒子状物質は、無機又は有機であることができ、好ましくはこれらは有機又はオルガノシリコーン、より好ましくはオルガノシリコーンポリマーである。好ましい粒子は、自由流動性の中実の物質である。「中実の(solid)」が意味するものは、粒子が中空ではないということである。中空粒子の中央の空隙は、屈折率及びそれによる皮膚又は組成物に対する粒子の可視の効果に対する有害反応を示し得る。好適な有機粒子状物質としては、上述のポリメチルシルセスキオキサン、ポリアミド、ポリテン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びポリ(塩化ビニリデン)で作られたものが挙げられる。上述した物質のモノマーに由来するコポリマーもまた使用できる。無機物質としては、シリカ及び窒化ホウ素が挙げられる。」(6頁9?18行)

周知文献C:特開平8-217636号公報(原査定の引用文献3、周知文献Aで引用された文献7)
(C1)「【請求項1】 次の成分(A)及び(B):
(A)体積累積平均粒径が0.1μmを超え2μm以下であり、かつ屈折率が2以下である微粉末、(B)フッ素変性シリコーンを含有することを特徴とする化粧料。」

(C2)「【0011】また、成分(A)は、肌に塗布したときに特にぼかし効果が得られ、これにより、毛穴や小じわ等の凹凸を目立たなくする効果が優れたものとなることから、屈折率が2.0以下、好ましくは1.3?2.0、特に好ましくは1.4?1.8であることが必要である。2.0を超えるとこれらの効果が得られない。また、成分(A)の微粉末は、本発明の効果を損わない範囲で、通常の化粧料用顔料に用いられる処理剤、例えばシリコーン、金属石鹸、レシチン、アミノ酸、コラーゲン、フッ素化合物等で表面処理したものを用いることもできる。」

周知文献D:特開平10-338616号公報(原査定の引用文献4)
(D1)「【請求項1】 (A)平均粒径が5?30μmの球状粉体、及び(B)平均粒径が0.1μmを超え1μm以下の球状粉体を合計で10?30重量%、並びに(C)油分を含有することを特徴とする液状化粧料。」

(D2)「【0009】また、これらの球状粉体は、肌に塗布したときに特にぼかし効果が得られ、これにより、毛穴や小じわ等の凹凸を目立たなくする効果が優れたものとなることから、屈折率が2.0以下、特に1.3?2.0、さらに1.4?1.8のものが好ましい。」

周知文献G:特開昭63-166819号公報
(G1)「平均の厚みが0.1μm?2μm、下記で定義する平均の大きさが1μm?100μmで、屈折率が1.35?1.44の合成薄片状金属酸化物を配合して成るメークアップ化粧料。
ここで平均の大きさとは、100個の薄片についての(薄片の最長さしわたし径+最短さしわたし径)/2の値の平均値をいう。」(特許請求の範囲)

(G2)「(従来の技術)
メークアップ化粧料には、適度な光沢と透明感を持って皮膚を被覆し、展延性(のび)、付着性(つき)を向上させ、汗や脂等の分泌物による化粧くずれを防止するため、そして使用時の感触をよくし、製品の成型性を上げるために種々の基剤が、また、色彩を施すために着色料が用いられている。」(1頁右下欄4?11行)

(G3)「本発明の合成薄片状金属酸化物としては屈折率1.35?1.44のものが適用される。
これは通常化粧料に用いられる油類の屈折率が1.5?1.6であるため、この値から著しく離れると、透明感が損なわれるからである。
このような屈折率を示す金属酸化物としては、シリカが挙げられる。
シリカの屈折率は、製法、結晶形等によって異なり、トリジマイトで1.47、クリストバライトで1.48、水晶で1.55程度であるが、融点以下の低温で合成した非晶質品は1.35?1.44の値をとる。」(2頁左下欄13行?右下欄4行)

周知文献H:特開平8-225316号公報
(H1)「【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】・・・一般に、化粧料や塗料で使われるオイルやビヒクルあるいはプラスチックなどのポリマーは屈折率が1.4?1.5の範囲にあり、これよりも大きな屈折率を有する粒子が混在すると、光は粒子とビヒクルとの界面で散乱現象を起こすことが知られており、上記の白色顔料による散乱現象が基材の色むら等を隠すのに有効だからである。しかし、これら白色顔料はその屈折率により光散乱性が高すぎ、透明性に劣るため、例えば化粧料に配合した場合、白浮きや、厚化粧に見える原因となってしまう。」

(2イ)<相違点2>について
引用発明は、その組成において、シリコーン油を含まないから、<相違点2>は実質的な相違点ではない。

(2ウ)<相違点3>について
前記(2ア)で検討したとおり、引用発明において「フッ素化合物処理酸化チタン、フッ素化合物処理ベンガラ、フッ素化合物処理黄酸化鉄、フッ素化合物処理黒酸化鉄、フッ素化合物処理タルク」に代えて「屈折率1.3?1.5であり、シリカ、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリメタクリル酸アルキルパウダー、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムから選ばれる1種以上の粉体」を用いることに格別の困難性がないのであるから、引用発明において屈折率1.3?1.5の粉体を用いた結果、引用発明は凹凸隠し効果を奏するものとなることは自明であり、それを凹凸補正化粧料と称することは当業者の適宜なし得ることである。

3 本願発明の効果について
(3ア) 本願明細書(【表1】及び【表2】の判定結果、【0033】等)によれば、本願発明の効果は、「化粧膜のヨレの無さ」、「保湿感」、「エモリエント感」、「肌の凹凸の目立ちにくさ」、「自然な仕上がり感」が挙げられる。

(3イ)化粧膜のヨレについて
刊行物1(1e)に「(使用テスト評価方法)実施例1?10比較例1?6のファンデーションについて、化粧品専門パネル20人による官能評価を行った。「みずみずしさ」については使用直後の状態を、「化粧効果の持続性」については日常生活6時間後の状態を評価した。・・・実施例1?10の水中油型ファンデーションは、「粉体の分散安定性」、「みずみずしさ」、「化粧効果の持続性」の全ての項目が良好・・・であった。」とあるように、刊行物1には、引用発明のファンデーションの使用テスト評価にあたって評価項目の一つとして「化粧効果の持続性」を挙げ、日常生活6時間後の状態を評価して、その結果、「化粧効果の持続性」も良好であったことが記載されている。
ところで、下記周知文献Eに示されるとおり、化粧後長時間経過により生じる「よれ」の現象は、本願出願前周知の事項であるから、上記6時間後の「化粧効果の持続性」の評価にあたり、「よれ」が生じていた場合には良好であったと評価されないことは当然のことである。したがって、6時間後の「化粧効果の持続性」の評価も良好であった引用発明のファンデーションでは、「よれ」が生じていなかったことは明らかである。
そうすると、「化粧膜のヨレの無さ」については、引用発明の「化粧効果の持続性」の評価にあたり、当業者であれば普通に気付く効果である。

周知文献E:特開平7-187952号公報
(E1)「【0003】而して、本発明者らは、先に、それ自身では延展性は劣るが、付着性に優れた特定の粒度分布を有するマイカを単分散微小球状粉体と組合わせて粉体化粧料に配合することによって、優れた付着性と延展性を示す化粧料を得ることに成功した(特開平4-230306号)。しかしながら、この化粧料も、化粧後長時間を経過すると、顔料が動きの激しい部分や皮溝等に集まる、いわゆる「よれ」を生じ、化粧くずれを生ずるという欠点があった。」

(3ウ)ここで、請求人は平成26年4月11日提出の意見書で
「本発明における「化粧膜のヨレ」とは、化粧料の肌との馴染みの悪さから、経時的に肌から分泌される汗や皮脂により、化粧膜が肌上で不均一となり、肌の皮溝部分に集まってくる現象をいいます(本願明細書段落番号0003など参照)。
一方、刊行物1における「化粧崩れ」とは、化粧料が汗などの水分を吸湿することにより、化粧料の変色や剥がれなどが起きる現象をいいます(刊行物1明細書段落番号0004、0020など参照)。(中略)少なくとも、本発明と刊行物1に記載の発明との間では、両者は全く異なる現象として位置づけられています。」
と主張しているので、検討しておく。
請求人の述べるとおり、「化粧膜のヨレ」と「化粧料の変色や剥がれ」とは異なる現象として捉えられるものといえる。
しかしながら、前記周知文献G((G2))に「汗や脂等の分泌物による化粧くずれ」とあるように皮脂の分泌を原因とする現象を化粧くずれと表現したり、前記周知文献Eのように、「化粧膜のヨレ」を化粧後長時間経過後の化粧くずれの一つとして記載する文献が散見されることや、社会通念上、化粧膜のヨレが生じている状態を、”化粧が崩れている”と表現することが普通であることからすれば、「化粧崩れ」が、「化粧料の変色や剥がれ」のみを表し、「化粧膜のヨレ」のことは包含されないとまではいえない。
そして、仮に化粧料の技術分野では「化粧崩れ」と「化粧膜のヨレ」とは異なる現象として位置づけられているとしても、刊行物1では、「化粧効果の持続性」の観点で効果を確認しており、この「化粧効果の持続性」の観察にあたって、化粧膜のヨレが生じていれば気付くのが当然である。
したがって、請求人の上記主張を検討しても、「化粧膜のヨレの無さ」の効果の予測性についての判断は左右されない。

(3エ)保湿感について
ポリエチレングリコール(以下、「PG」と記す。)が、皮膚表面に保護膜をつくって皮膚の乾燥を防ぎ、みずみずしい肌にするためにも用いられることは周知の事項である(必要であれば、下記周知文献F参照)。引用発明にはそのような周知の機能をもつPGが含まれるのであるから、引用発明が保湿感を有するものであることは、当業者であれば自明である。

周知文献F:日本化粧品技術者会 編、「化粧品事典」丸善、平成17年4月25日第3刷発行、769頁左欄「ポリエチレングリコール」の項
(F1)「平均分子量200?600のものは無色透明な液体で,平均分子量1000以上のものは固体である.平均分子量200のものはグリセリンに匹敵する吸湿性を示すが,平均分子量4000になるとほとんど吸湿性は示さない.高分子量のものは刺激も少ないので,クリーム,乳液・・・などに使用される.皮膚表面に保護膜をつくって皮膚の乾燥を防ぎ,みずみずしい肌にするために用いる.」(769頁左欄8-17行)

(3オ)エモリエント感について
刊行物1の【0047】((1e))には「実施例1?10の水中油型ファンデーションは、エモリエント感が有り」と記載されており、引用発明もエモリエント感を有するものである。

(3カ)肌の凹凸の目立ちにくさと自然な仕上がり感について
上記(2ア)で検討したとおり、特定の屈折率の粉体を用いることにより、皮膚の白化を伴なわずに凹凸隠し効果が得られることは周知技術であるから、引用発明において周知技術を採用すれば、肌の凹凸の目立ちにくさと自然な仕上がり感が得られることは当業者であれば自明のことである。

(3キ)以上検討したとおり、<相違点1>、<相違点3>にかかる構成をとることにより奏される、本願明細書記載の本願発明の効果は、いずれも、刊行物1及び周知技術から予測し得るものである。

4 本願発明におけるPGの平均分子量5000?30000との数値範囲の限定について
(4ア)本願発明では使用するPGの平均分子量を5000?30000と数値限定しており、その限定理由は、本願明細書【0006】の
「平均分子量が5000未満のポリエチレングリコールでは、密着性が低く、化粧膜のヨレを防止する効果が得られず、また平均分子量が30000を超えるポリエチレングリコールでは、塗布時の伸び広がりが悪くなり、保湿感が得られ難くなるため好ましくない。」なる記載によれば、上記数値限定の下限は、化粧膜のヨレ防止効果から、上限は、塗布時の伸び広がりが悪くなり、保湿感が得られ難くなることがないようにすることから決定されたものと解される。

(4イ)一方、引用発明では、前記(1ア)で述べたとおり、平均分子量が上記数値範囲内であるPGを用いているが、引用発明ではPGの平均分子量の数値範囲の特定はない。
そこで、刊行物1の記載をみると、(1d)に
「平均分子量2600以上のポリエチレングリコールは、成分(a)の分散を向上させる効果を有し、且つ、高分子量であるため皮膚刺激を生じにくいものである。更に、固体状であるため、水性化粧料中では水に溶解した状態で存在するが、肌に塗布した後は、肌上で水が蒸発し、ほとんど吸湿性を示さない化粧膜となり、化粧崩れを起こしにくい・・・ポリエチレングリコールの分子量としては、概ね100000程度までのものが溶解性、べたつきのなさ等の使用感触において好ましい。」
との記載がある。かかる記載によれば、PGの平均分子量が2600以上であれば肌に塗布後に吸湿性を示さない固体状の化粧膜となり、化粧崩れを起こしにくく、100000程度までであればべたつきのなさ等の使用感触において好ましいことがわかる。
そうすると、刊行物1には、使用するPGの平均分子量に着目し、化粧崩れの起こしにくさや使用感触の観点からはPGの平均分子量は2600?100000程度が好ましいことが開示されているといえる。
してみると、刊行物1において好ましいとされるPGの平均分子量の範囲の中から、前記(3イ)(3エ)で検討した化粧効果の持続性や保湿感等の観点から種々実験検討することにより最適範囲を求めることは当業者が通常行うことである。

(4ウ)5000?30000との数値限定自体について
本願明細書記載の【実施例】において、実施例では平均分子量6000または20000のものを使用しているのに対して、比較例では平均分子量400のものを使用している。
ところで、PGが、平均分子量200?600のものは無色透明な液体で、平均分子量1000以上のものは固体であることは周知の事項である(必要であれば、前記周知文献F参照)。
そうすると、液体である平均分子量400のPGと、固体である平均分子量6000または20000のPGとでは性質に大きな違いがあるから、各々を用いた化粧料において化粧膜のヨレの無さに違いがあるであろうことは予測されるが、同じく固体である平均分子量2600のPGと、平均分子量5000のPGを用いた場合とで、化粧膜のヨレの無さに大きな違いがあるか否かは本願明細書の【実施例】の記載からは明らかではない。すなわち、本願明細書の記載からは、平均分子量5000以上とする点に臨界的意義があることを確認できない。
しかも、この点について当審からの拒絶理由通知で指摘したにも拘わらず、請求人からは、PGの平均分子量の下限を5000とすることによる、2600と比較しての顕著な効果についての立証もない。
してみると、平均分子量の下限を5000以上とすることは、当業者が適宜なし得ることと言わざるを得ない。
平均分子量の上限を30000とすることについても同様である。
そして、平均分子量を5000?30000と限定したことよる効果も、当業者が予測し得る範囲内のものである。

第6 むすび
以上のとおり、本願の請求項1にかかる発明は、引用発明及び刊行物1に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-05-12 
結審通知日 2014-05-13 
審決日 2014-05-27 
出願番号 特願2001-296268(P2001-296268)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A61K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 弘實 謙二  
特許庁審判長 郡山 順
特許庁審判官 小川 慶子
関 美祝
発明の名称 水中油型凹凸補正化粧料  
代理人 渡邊 薫  

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