• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1290078
審判番号 不服2013-6950  
総通号数 177 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-09-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-15 
確定日 2014-07-24 
事件の表示 特願2010-138761「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 1月 5日出願公開、特開2012- 296〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成22年6月17日の出願であって、平成24年8月14日に手続補正がなされたが、平成25年1月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年4月15日に拒絶査定不服審判請求がなされるとともに、これと同時に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。

第2 本件補正についての補正却下の決定
1 結論
本件補正を却下する。

2 理由
(1)補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1について、補正前(平成24年8月14日付け手続補正後のもの)の

「遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球する入賞を検出する検出手段と当該検出手段により検出された当該入賞に対応して抽選を行う抽選手段とを備える遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する大入賞口の入口を開き又は拡大する特別電動役物と、
前記特別電動役物を連続して作動させることができる役物連続作動装置と、
所定の場合に作動し、当該作動が前記役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている条件装置と、
前記遊技領域に設けられ、前記条件装置が作動した場合に前記役物連続作動装置の作動を開始するためのスイッチと、
画像を表示する画像表示部と、
前記条件装置の作動後に前記画像表示部に表示可能な画像を、当該条件装置が作動したことを契機に前記スイッチが入っていない場合に当該画像表示部に案内する案内手段と、
前記案内手段により前記画像表示部に案内される画像を前記スイッチが入っていない場合に遊技者に選択させるための選択手段と、
前記選択手段により遊技者に選択された前記画像を前記スイッチが入っていない場合に前記画像表示部に表示し、前記スイッチが入ると当該選択手段により遊技者に選択された当該画像の当該画像表示部への表示を終了する画像制御手段と、
を備え、
前記画像制御手段は、前記条件装置の作動後に前記選択手段により遊技者に選択された前記画像を前記画像表示部に表示する場合に、遊技者により遊技球を用いた遊技が所定時間行われずに客待ち状態であることを示す客待ち画像を前記画像表示部に表示しないように制御することを特徴とする遊技機。」

を、

「遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球する入賞を検出する検出手段と当該検出手段により検出された当該入賞に対応して抽選を行う抽選手段とを備える遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する大入賞口の入口を開き又は拡大する特別電動役物と、
前記特別電動役物を連続して作動させることができる役物連続作動装置と、
所定の場合に作動し、当該作動が前記役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている条件装置と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域に向けて発射される遊技球により操作され、前記条件装置が作動した場合に前記役物連続作動装置の作動を開始するためのスイッチと、
画像を表示する画像表示部と、
前記条件装置の作動後に前記画像表示部に表示可能な画像を、当該条件装置が作動したことを契機に前記スイッチが入っていない場合に当該画像表示部に案内する案内手段と、
前記案内手段により前記画像表示部に案内される画像を前記スイッチが入っていない場合に遊技者に選択させるための選択手段と、
前記選択手段により遊技者に選択された前記画像を前記スイッチが入っていない場合に前記画像表示部に表示し、前記遊技領域に向けて発射された遊技球を介して前記スイッチが入ると当該選択手段により遊技者に選択された当該画像の当該画像表示部への表示を終了する画像制御手段と、
を備え、
前記画像制御手段は、前記条件装置の作動後に前記選択手段により遊技者に選択された前記画像を前記画像表示部に表示する場合に、遊技者により遊技球を用いた遊技が所定時間行われずに客待ち状態であることを示す客待ち画像を前記画像表示部に表示しないように制御することを特徴とする遊技機。」

と補正することを含むものであって、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当すると認められる。

(2)独立特許要件についての検討
本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について検討する。

ア 刊行物の記載
(ア)原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である登録実用新案第3111092号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある(下線は、当審にて付した。)。

a 「【請求項1】
遊技球が入球可能な始動口及び大入賞口と、前記始動口ヘの遊技球の入球に起因して抽出された乱数が所定値であることを条件に作動する条件装置と、該条件装置が作動中であることを必須条件として作動し該作動中は前記大入賞口を連続して開放作動させることが可能になる役物連続作動装置とを備えた弾球遊技機において、
狙って遊技球を発射することにより入球させることが可能な位置に役物連続作動装置作動口を設け、
前記役物連続作動装置は、前記条件装置の作動中における前記役物連続作動装置作動口ヘの入球を必須の前提条件にして作動し、所定回数の前記大入賞口の開放により作動を終了する構成であり、
前記条件装置は少なくとも前記役物連続作動装置の作動の終了するときに、その作動を終了する構成であり、
前記条件装置が作動中で、且つ前記役物連続作動装置が非作動状態であることを報知する報知手段を備える
ことを特徴とする弾球遊技機。」

b 「【考案が解決しようとする課題】
【0009】
本考案は、遊技球が入球可能な始動口及び大入賞口と、前記始動口ヘの遊技球の入球に起因して抽出された乱数が所定値であること又は前記大入賞口内に設けられた特定領域に遊技球が進入したことを条件に作動する条件装置と、該条件装置が作動中であることを必須条件として作動することにより前記大入賞口を連続して開放させることが可能になる役物連続作動装置とを備えた弾球遊技機において、条件装置が作動したが役物連続作動装置は未作動の期間を利用することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の弾球遊技機は、
遊技球が入球可能な始動口及び大入賞口と、前記始動口ヘの遊技球の入球に起因して抽出された乱数が所定値であることを条件に作動する条件装置と、該条件装置が作動中であることを必須条件として作動し該作動中は前記大入賞口を連続して開放作動させることが可能になる役物連続作動装置とを備えた弾球遊技機において、
狙って遊技球を発射することにより入球させることが可能な位置に役物連続作動装置作動口を設け、
前記役物連続作動装置は、前記条件装置の作動中における前記役物連続作動装置作動口ヘの入球を必須の前提条件にして作動し、所定回数の前記大入賞口の開放により作動を終了する構成であり、
前記条件装置は少なくとも前記役物連続作動装置の作動の終了するときに、その作動を終了する構成であり、
前記条件装置が作動中で、且つ前記役物連続作動装置が非作動状態であることを報知する報知手段を備え
たので、
大入賞口の連続開放作動には条件装置の作動中における役物連続作動装置作動口ヘの入球が必須となる。
【0011】
条件装置は始動口ヘの遊技球の入球に起因して抽出された乱数が所定値であることを条件に作動するので、その作動は抽選による大当たりの発生に相当する。そして、役物連続作動装置が作動することにより大入賞口の連続開放作動が行われるので、これは大当たり遊技の実行に相当する。
【0012】
つまり、大当たりの発生条件が従来の第1種パチンコ機と同じでありながら、役物連続作動装置作動口に入球しなければ大当たり遊技が実行されないので、大当たりの発生から実行開始までに時間的な余裕を作り出せる。
【0013】
従来の第1種パチンコ機では、条件装置が作動すると、いわゆるオープニング演出等に若干の時間は費やすものの、直ちに大入賞口が所定時間開放され、この制限された時間内に大入賞口に入賞させ、しかも大入賞口内の特定領域に入球させなければ連続開放が継続しないので、遊技者が時間に制約されて不利益を被ったり、急がされたりした。
【0014】
しかしながら、請求項1の弾球遊技機では、大当たりが発生しても役物連続作動装置作動口に入球させなければ大入賞口が開放されないので、遊技者の意思により大入賞口の開放時期を自由に選択できる。このため、手持ちの遊技球数が残り少ないときに補充する時間を十分に確保できる。また、大当たりの発生後に休憩してから大入賞口を開放させることもできる。即ち、遊技者が時間に制約されて不利益を被ったり、急がされたりするという課題を好適に解決できる。」

c 「【0023】
役物連続作動装置が条件装置の作動中における役物連続作動装置作動口ヘの入球を必須の前提条件にして作動するとは、条件装置の作動中に役物連続作動装置作動口ヘ遊技球が1球でもあれば役物連続作動装置を作動させるように構成してもよいし、条件装置の作動中における役物連続作動装置作動口ヘの入球に起因して抽出された乱数が所定値である場合に限り役物連続作動装置を作動させるように構成してもよく、条件装置の作動中における役物連続作動装置作動口ヘの入球数を計数して所定数に到達することを条件に役物連続作動装置を作動させるように構成してもよい。また条件装置の作動中における役物連続作動装置作動口ヘの入球と何らかの関係性を持っていれば他の如何なる手段を用いて役物連続作動装置を作動させるように構成しても問題ない。」

d 「【考案を実施するための最良の形態】
【0044】
……
[実施例1]
弾球遊技機の一種であるパチンコ機1は、図1に示すように、長方形の外枠2に軸支された前面枠3を備えている。
【0045】
前面枠3に設けられた円形の窓4には板ガラス5が二重にはめ込まれており、その背後に遊技盤10(図2参照)が収納されている。
窓4の下方には上皿6が配され、上皿6の前面部にはCR精算表示装置7が取り付けられている。
……
【0047】
図2に示すように、遊技盤10には外レール11aと内レール11bとによって囲まれた略円形の遊技領域13が形成されている。
その遊技領域13の中央部にはセンターケース14が設置されており、窓部分に液晶表示装置32(図3参照)の表示画面26を臨ませている。
【0048】
センターケース14の下方には、役物連続作動装置作動口となるゲート17とチューリップ式の可変入賞装置で始動口となる普通電動役物36とを備える複合装置19が設置されている。また、その下方には大入賞口40を有するアタッカー式の大入賞装置12が設置されている。遊技釘、風車などの図示は省略したが、狙って遊技球を発射することによりゲート17に入球させることが可能である。
【0049】
一方、センターケース14の左右には普通図柄始動口となるゲート38が配置されている。遊技球がゲート38を通過すると普通図柄抽選が行われ、それが当たりであると普通電動役物36が開放される。普通電動役物36の開放は規定時間になるか規定個数の入賞が発生すれば終了する。
【0050】
……
パチンコ機1の制御系は図3に示す通り、遊技制御基板30を中心にして構成されている。詳細は後述するが、遊技制御基板30は条件装置及び役物連続作動装置として機能する。
【0051】
遊技制御基板30は、遊技制御プログラムを記憶したROM及び演算等の作業領域として働くRAMを内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、この他各基板又は各種スイッチ類及び各種アクチュエータ類との入出力を行う外部入出力回路も設けられている。
【0052】
遊技制御基板30には、下皿8が満杯状態になったことを検出する満タンスイッチ43、球タンクが空状態になったことを検出する補給スイッチ44、各普通入賞口への入賞球をそれぞれ検出するその他入賞口スイッチ48、普通電動役物36への入賞球を検出する始動口スイッチ36a、遊技球がゲート38を通過したことを検出する普通図柄始動スイッチ38a、遊技球が大入賞口40の内部に設けられている特定領域を通過したことを検出する役物連続作動スイッチ40a、大入賞口40への入賞球を計数するためのカウントスイッチ40b、遊技球がゲート17を通過したことを検出する作動口スイッチ17a等の検出信号が入力される。
【0053】
遊技制御基板30は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して賞球制御基板31、発射制御基板49、画像制御基板33に出力し、また大入賞口40を開閉するための大入賞口ソレノイド40cや普通電動役物36を開閉する普通役物ソレノイド36d等の動作を制御する。……
【0058】
画像制御基板33は遊技制御基板30から送られてくるデータに基づいて画像を生成し、該生成した画像を液晶表示装置32に表示させることで液晶表示装置32の表示を制御するが、画像制御基板33の役割、機能はこれのみではないので以下に詳しく説明する。
……
【0066】
画像制御基板33は、遊技制御基板30から送信されてくるデータを受信し、それらを画像制御用、電飾制御用及び効果音制御用のデータに振り分けて、画像制御用のデータは自身で使用し、電飾制御用と効果音制御用のデータは各々電飾制御基板35と効果音制御基板34に送信する。また、遊技制御基板30から送られてきたデータに基づいて画像制御基板33が生成したデータを電飾制御用又は効果音制御用のデータとして電飾制御基板35又は効果音制御基板34に送信することもある。
【0067】
画像制御基板33は、CPU33a、CPU33bの2個のCPUを搭載している。このCPU33a及びCPU33bは、前述したように8ビットワンチップマイコンであるが、8ビットワンチップマイコンでなくともよい。また、CPUは1個でもよい。
【0068】
CPU33aは、遊技制御基板30から送信されたデータの上記画像制御用、電飾制御用又は効果音制御用とする振り分け、遊技制御基板30からのデータに基づいたデータの生成、その生成したデータの同振り分けを行い、画像制御用データはCPU33bに、電飾制御用は電飾制御基板35に、効果音制御用は効果音制御基板34に送信する。
【0069】
CPU33bは画像処理を行なうものであり、CPU33aから受信した画像制御用のデータに従って液晶表示装置32の表示を制御する。
画像制御基板33は、上述の2つのCPU33a、33bの他、各々に画像制御プログラム及び画像データ等を格納するROM、画像データ等を一時的に格納するRAM及び周知のVDPを有する。
……
【0074】
次に、パチンコ機1の動作を説明する。
図4に示すように、保留記憶処理においては遊技制御基板30は、普通電動役物36に入球(始動入賞が発生)して特別図柄始動スイッチの始動検出信号が入力されると(S1:YES)、保留記憶の個数が上限個数に達していない限り(S2:YES)、当否抽選用乱数と大当たり図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数などの各種乱数を該当のカウンタから読み込んで(S3)、それらを保留記憶する(S4)。
【0075】
保留記憶された保留データに対する当否抽選は図5?7に示す図柄変動処理において行われる。
図5に示すように、遊技制御基板30は、条件装置用図柄が停止中か(変動していないか)否かを判断し(S11)、肯定判断なら条件装置作動フラグが0か否かを判断する(S12)。
【0076】
条件装置作動フラグが0でない場合の処理については後述するとして、条件装置作動フラグが0であり(S12:YES)、保留記憶(図4、S3?S4参照)が有れば(S13:YES)、保留シフトにより、保留記憶されたデータの中で最も古いものを当否抽選用の一時記憶に移して、2番目以下の記憶位置をそれぞれ1段ずつシフトする(S14)。
【0077】
続いて、当否抽選用の一時記憶に移されたデータの当否抽選用乱数が所定値か否かつまり当たりか外れかを判断する(S15)。
当否抽選用乱数が所定値なら(S15:YES)、大当たり図柄決定用乱数に基づいて条件装置作動用当たり確定図柄(例えば777のように3桁同一の図柄の組合せ)を選択し(S16)、変動パターン決定用乱数に基づいて条件装置作動用当たり変動パターンを選択する(S17)。
【0078】
当否抽選用乱数が所定値でないときは(S15:NO)、条件装置作動用外れ確定図柄(例えば715のように3桁同一とはならない図柄の組合せ)を選択し(S18)、条件装置作動用外れ変動パターンを選択する(S19)。
【0079】
S20の各種コマンド処理においては、条件装置作動用当たり確定図柄(S16)と条件装置作動用当たり変動パターン(S17)又は条件装置作動用外れ確定図柄(S18)と条件装置作動用外れ変動パターン(S19)を指定するデータが含まれている変動開始コマンドを中継基板37経由で画像制御基板33に送信する。
……
【0082】
このコマンドを受けた画像制御基板33は、そのコマンドから好適な演出が可能となるように画像制御用、電飾制御用及び効果音制御用のデータを生成し、画像制御用のデータは自身で使用し、電飾制御用と効果音制御用のデータは各々電飾制御基板35と効果音制御基板34に送信して、演出を開始する。
【0083】
画像制御基板33は画像制御用のデータに従って画像を生成し、その画像を液晶表示装置32に表示させることで、条件装置作動用図柄の変動表示を行わせ、条件装置作動用当たり変動パターンで指定された変動時間にわたって変動表示と表示演出を行って条件装置作動用当たり確定図柄を確定表示させるか、条件装置作動用外れ変動パターンで指定された変動時間にわたって変動表示と表示演出を行って条件装置作動用外れ確定図柄を確定表示させる。
……
【0087】
電飾制御基板35は液晶表示装置32での変動表示と並行的に電飾制御を行い、効果音制御基板34は液晶表示装置32での変動表示と並行的に効果音の出力制御を行う。
上述の当否抽選用乱数が所定値(当否抽選が当たり)であると(S15:YES)、条件装置作動用当たり確定図柄の確定表示に伴って条件装置作動フラグが1にセットされる。そのための条件装置処理は図8に示すとおりである。遊技制御基板30は、条件装置作動用の図柄変動が終了したか否かを、画像制御基板33に送った条件装置作動用当たり変動パターン又は条件装置作動用外れ変動パターンによって規定されている変動時間に基づいて判断する(S61)。図柄変動終了なら(S61:YES)、確定コマンドを送信する(S62)。このコマンドを受信すると画像制御基板33は液晶表示装置32の図柄を確定表示させる。
【0088】
遊技制御基板30は、この確定図柄が所定図柄(条件装置作動用当たり確定図柄)なら(S63:YES)、条件装置作動フラグを1にセットし(S64)、各種コマンドを送信する(S66)。
【0089】
つまり、当否抽選用乱数が所定値なら(S15:YES)、液晶表示装置32において条件装置作動用当たり確定図柄が確定表示されて、条件装置作動フラグが1にセットされる(S64)。この条件装置作動フラグが1にセットされていると遊技制御基板30は条件装置として作動する。
【0090】
また、条件装置作動フラグが1にセットされているが役物連続作動装置作動フラグは1にセットされていない状態、即ち当否抽選で大当たりが発生したが(S15:YES)、大入賞口40の開放(大当たり遊技)は未開始であることの報知が行われる。
【0091】
具体的には、遊技制御基板30は、条件装置作動フラグ=1だが役物連続作動装置作動フラグ≠1の状態になると報知指令信号を送信する。この信号は中継基板37経由で画像制御基板33に送信され、画像制御基板33は、受信した報知指令信号に基づいて報知画像データを生成し、該生成した報知画像を液晶表示装置32に表示させる。
……
【0095】
そして、役物連続作動装置作動フラグ=1になれば、上記の報知は終了する。
……
【0107】
遊技制御基板30は、この確定図柄が所定図柄(役物連続作動装置作動用当たり確定図柄)なら(S73:YES)、役物連続作動装置作動フラグを1にセットし(S74)、各種コマンドを送信する(S75)。役物連続作動装置作動フラグが1にセットされていると、遊技制御基板30は役物連続作動装置として作動する。また、役物連続作動装置作動フラグが1にセットされると、液晶表示装置32における条件装置作動フラグが1にセットされている状態であることの表示は終了される。」

e 図2ないし図9は、次のものである。

















(イ)原査定の拒絶の理由に引用された、本願出願前に頒布された刊行物である特開2004-351000号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある。

「【0047】
<中座表示機能>
待機表示中およびデモ表示中に左スイッチ73が操作されたときには待機画面およびデモ画面に換えて中座メニュー選択画面が表示される。この中座メニュー選択画面は実質的な遊技停止状態で左スイッチ73が操作されることを条件に表示されるものであり、左スイッチ73は実質的な遊技停止時に有効化されるものである。この中座メニュー選択画面は中座画面の表示内容を示す静止画面から構成されたものであり、具体的にはメッセージ「▲1▼食事休憩」・「▲2▼トイレ休憩」・「▲3▼買物休憩」を表示することで行われる。
【0048】
中座メニュー選択画面の表示後に左スイッチ73が操作されたときには左スイッチ73の操作毎に食事休憩画面→トイレ休憩画面→買物休憩画面→食事休憩画面→・・・が循環的に切換え表示される。これら食事休憩画面・トイレ休憩画面・買物休憩画面は静止画面からなるものであり、具体的にはメッセージ「只今、食事中です」・「トイレに行っています」・「只今、買物中です」を表示することで行われる。尚、食事休憩画面・トイレ休憩画面・買物休憩画面は中座画面に相当するものである。」

イ 引用発明
(ア)上記ア(ア)aによれば、引用文献1には、
「遊技球が入球可能な始動口及び大入賞口と、前記始動口ヘの遊技球の入球に起因して抽出された乱数が所定値であることを条件に作動する条件装置と、該条件装置が作動中であることを必須条件として作動し該作動中は前記大入賞口を連続して開放作動させることが可能になる役物連続作動装置とを備えた弾球遊技機において、
狙って遊技球を発射することにより入球させることが可能な位置に役物連続作動装置作動口を設け、
前記役物連続作動装置は、前記条件装置の作動中における前記役物連続作動装置作動口ヘの入球を必須の前提条件にして作動し、所定回数の前記大入賞口の開放により作動を終了する構成であり、
前記条件装置は少なくとも前記役物連続作動装置の作動の終了するときに、その作動を終了する構成であり、
前記条件装置が作動中で、且つ前記役物連続作動装置が非作動状態であることを報知する報知手段を備える、弾球遊技機。」
が記載されているものと認められる。

(イ)上記ア(ア)cによれば、上記(ア)の「役物連続作動装置」は、条件装置の作動中に、役物連続作動装置作動口に遊技球が1球でも入球すれば作動するように構成してもよいものと認められる。

(ウ)上記ア(ア)dによれば、上記(ア)の「弾球遊技機」は、
a 遊技制御基板30は、条件装置及び役物連続作動装置として機能してもよく、
b 始動口となる普通電動役物36を備え、遊技制御基板30は、普通電動役物36に入球して特別図柄始動スイッチの始動検出信号が入力されると、当否抽選用乱数をカウンタから読み込んで保留記憶し、当否抽選用乱数が所定値か否かつまり当たりか外れかを判断してもよく、
c 大入賞口40を有するアタッカー式の大入賞装置12が設置され、遊技制御基板30は、大入賞口40を開閉するための大入賞口ソレノイド40cの動作を制御してもよいものと認められる。

(エ)上記ア(ア)dによれば、上記(ア)の「報知手段」は、
a 画像制御基板33であって、画像制御基板33が生成した報知画像を液晶表示装置32に表示させてもよく、
b 役物連続作動装置が作動する際に報知画像を終了してもよいものと認められる。

(オ)上記(ア)ないし(エ)より、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「遊技球が入球可能な始動口及び大入賞口と、始動口ヘの遊技球の入球に起因して抽出された乱数が所定値であることを条件に作動する条件装置と、該条件装置が作動中であることを必須条件として作動し該作動中は大入賞口を連続して開放作動させることが可能になる役物連続作動装置とを備えた弾球遊技機において、
狙って遊技球を発射することにより入球させることが可能な位置に役物連続作動装置作動口を設け、
役物連続作動装置は、条件装置の作動中における役物連続作動装置作動口ヘの入球を必須の前提条件にして作動し、所定回数の大入賞口の開放により作動を終了する構成であり、
条件装置は少なくとも役物連続作動装置の作動の終了するときに、その作動を終了する構成であり、
条件装置が作動中で、且つ役物連続作動装置が非作動状態であることを報知する報知手段を備え、
役物連続作動装置は、条件装置の作動中に、役物連続作動装置作動口に遊技球が1球でも入球すれば作動し、
遊技制御基板30は、条件装置及び役物連続作動装置として機能し、
始動口となる普通電動役物36を備え、遊技制御基板30は、普通電動役物36に入球して特別図柄始動スイッチの始動検出信号が入力されると、当否抽選用乱数をカウンタから読み込んで保留記憶し、当否抽選用乱数が所定値か否かつまり当たりか外れかを判断し、
大入賞口40を有するアタッカー式の大入賞装置12が設置され、遊技制御基板30は、大入賞口40を開閉するための大入賞口ソレノイド40cの動作を制御し、
報知手段は、画像制御基板33であり、画像制御基板33が生成した報知画像を液晶表示装置32に表示させ、役物連続作動装置が作動する際に報知画像を終了する、弾球遊技機。」

ウ 対比・判断
本願補正発明と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明の「遊技球」、「始動口」、「大入賞口」、「液晶表示装置32」及び「弾球遊技機」は、本願補正発明の「遊技球」、「始動口」、「大入賞口」、「画像表示部」及び「遊技機」に、それぞれ相当する。

(イ)引用発明は、「始動口となる普通電動役物36」に入球すると、「特別図柄始動スイッチ」の「始動検出信号」が「遊技制御基板30」に入力されるから、引用発明の「特別図柄始動スイッチ」は、本願補正発明の「検出手段」に相当し、引用発明は、本願補正発明の「遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球する入賞を検出する検出手段」を備えるとの特定事項を備えるものといえる。

(ウ)引用発明の「遊技制御基板30」は、「普通電動役物36に入球して特別図柄始動スイッチの始動検出信号が入力されると、当否抽選用乱数をカウンタから読み込んで保留記憶し、当否抽選用乱数が所定値か否かつまり当たりか外れかを判断」するから、本願補正発明の「抽選手段」に相当し、引用発明は、本願補正発明の「当該検出手段により検出された当該入賞に対応して抽選を行う抽選手段」を備えるとの特定事項を備えるものといえる。

(エ)引用発明の「大入賞口40を有するアタッカー式の大入賞装置12」は、「遊技制御基板30」により、「大入賞口40を開閉するための大入賞口ソレノイド40cの動作を制御」するものであるから、本願補正発明の「特別電動役物」を備えていると認められ、引用発明は、本願補正発明の「前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する大入賞口の入口を開」く「特別電動役物」を備えるとの特定事項を備えるものといえる。

(オ)引用発明において、「遊技制御基板30は、条件装置及び役物連続作動装置として機能し」、「条件装置」は、「始動口ヘの遊技球の入球に起因して抽出された乱数が所定値であることを条件に作動」し、「役物連続作動装置」は、「条件装置の作動中に役物連続作動装置作動口に遊技球が1球でも入球すれば作動」し、「作動中は大入賞口を連続して開放作動させることが可能になる」から、引用発明の「条件装置」及び「役物連続作動装置」は、本願補正発明の「条件装置」及び「役物連続作動装置」にそれぞれ相当し、引用発明は、本願補正発明の「前記特別電動役物を連続して作動させることができる役物連続作動装置と、所定の場合に作動し、当該作動が前記役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている条件装置と」を備えるとの特定事項を備えるものといえる。

(カ)引用発明の「役物連続作動装置作動口」は、「狙って遊技球を発射することにより入球させることが可能な位置」に設けられ、「役物連続作動装置は、条件装置の作動中に役物連続作動装置作動口に遊技球が1球でも入球すれば作動」するから、本願補正発明の「スイッチ」に相当し、引用発明は、本願補正発明の「前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域に向けて発射される遊技球により操作され、前記条件装置が作動した場合に前記役物連続作動装置の作動を開始するためのスイッチ」を備えるとの特定事項を備えるものといえる。

(キ)引用発明の「画像制御基板33」は、「前記条件装置が作動中で、且つ前記役物連続作動装置が非作動状態であることを」、「報知画像」を生成し、「液晶表示装置32に表示」することにより報知するとともに、「役物連続作動装置が作動する際に報知画像を終了する」から、本願補正発明の「案内手段」及び「画像制御手段」に相当し、引用発明は、本願補正発明の「画像を表示する画像表示部と、前記条件装置の作動後に前記画像表示部に表示可能な画像を、当該条件装置が作動したことを契機に前記スイッチが入っていない場合に当該画像表示部に案内する案内手段」及び「『前記画像を前記スイッチが入っていない場合に前記画像表示部に表示し、前記遊技領域に向けて発射された遊技球を介して前記スイッチが入ると』『当該画像の当該画像表示部への表示を終了する画像制御手段』」を備えるとの特定事項を備えるものといえる。

(ク)以上によれば、両者は以下の点で一致する。
<一致点>
「遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球する入賞を検出する検出手段と当該検出手段により検出された当該入賞に対応して抽選を行う抽選手段とを備える遊技機であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球する大入賞口の入口を開く特別電動役物と、
前記特別電動役物を連続して作動させることができる役物連続作動装置と、
所定の場合に作動し、当該作動が前記役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている条件装置と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域に向けて発射される遊技球により操作され、前記条件装置が作動した場合に前記役物連続作動装置の作動を開始するためのスイッチと、
画像を表示する画像表示部と、
前記条件装置の作動後に前記画像表示部に表示可能な画像を、当該条件装置が作動したことを契機に前記スイッチが入っていない場合に当該画像表示部に案内する案内手段と、
前記画像を前記スイッチが入っていない場合に前記画像表示部に表示し、前記遊技領域に向けて発射された遊技球を介して前記スイッチが入ると当該画像の当該画像表示部への表示を終了する画像制御手段と、
を備える遊技機。」

(ケ)他方、両者は以下の点で相違する。
<相違点1>
本願補正発明では、案内手段により画像表示部に案内される画像をスイッチが入っていない場合に遊技者に選択させるための選択手段を備え、画像制御手段は、選択手段により遊技者に選択された画像をスイッチが入っていない場合に画像表示部に表示し、スイッチが入ると選択手段により遊技者に選択された画像の画像表示部への表示を終了するのに対し、引用発明では、画像制御基板33により液晶表示装置32に表示される画像を遊技者に選択させるための選択手段を備えていない点。

<相違点2>
本願補正発明では、画像制御手段は、条件装置の作動後に選択手段により遊技者に選択された画像を画像表示部に表示する場合に、遊技者により遊技球を用いた遊技が所定時間行われずに客待ち状態であることを示す客待ち画像を画像表示部に表示しないように制御するのに対し、引用発明では、そのような構成を有しているか不明な点。

エ 検討
(ア)相違点1について
引用文献1には、「【0014】しかしながら、請求項1の弾球遊技機では、大当たりが発生しても役物連続作動装置作動口に入球させなければ大入賞口が開放されないので、遊技者の意思により大入賞口の開放時期を自由に選択できる。このため、手持ちの遊技球数が残り少ないときに補充する時間を十分に確保できる。また、大当たりの発生後に休憩してから大入賞口を開放させることもできる。」(上記ア(ア)b)と記載されていることに照らせば、引用発明は、条件装置の作動中において、役物連続作動装置作動口ヘの入球前に遊技者が休憩できるようにすることを念頭に置いたものである。
他方、上記ア(イ)によれば、引用文献2には、中座メニュー選択画面において、スイッチ(本願補正発明の「選択手段」に相当。)の操作により、「食事休憩」、「トイレ休憩」及び「買物休憩」のメッセージを表示することが記載されている。
そして、引用発明は、「条件装置が作動中で、且つ役物連続作動装置が非作動状態であることを報知する報知手段」を備え、「報知画像を液晶表示装置32に表示させ」るものであるところ、上記引用文献2に記載の構成を適用して、相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得ることである。

(イ)相違点2について
遊技者の休憩中に、客待ち画像を画像表示部に表示しないように制御することは、周知の技術である(例えば、特開2004-201902号公報の段落【0124】には、確率変動状態で遊技者が食事等で一時的に席を離れたとしても、客待ち状態への移行を禁止することが記載されている。また、特開2007-296016号公報の段落【0149】には、遊技者が遊技台を一時的に離れた休憩中に、液晶パネルにデモンストレーション演出画像を表示させることなく、デモコマンド受信時処理を終了することが記載されている。)。
そして、引用発明において、「報知画像を液晶表示装置32に表示させ」る際に、上記周知の技術を適用して、相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得ることである。

(ウ)本願補正発明の効果について
本願補正発明によってもたらされる効果を全体としてみても、引用発明、引用文献2に記載の事項及び周知の技術から当業者が当然に予測できる程度のものであって、格別顕著なものとはいえない。

(エ)審判請求書の主張について
請求人は、審判請求書において、本願補正発明の「遊技領域に向けて発射された遊技球により、遊技領域に設けられるスイッチが入ることで客待ち画面を表示しないようにする制御を終える」という構成については、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1ないし5に開示されていない旨主張する。
しかし、本願補正発明においては、「遊技領域に向けて発射された遊技球により、遊技領域に設けられるスイッチが入ることで客待ち画面を表示しないようにする制御を終える」ことは、特定されていない。
また、「遊技領域に向けて発射された遊技球により、遊技領域に設けられるスイッチが入ることで客待ち画面を表示しないようにする制御を終える」ことを想定しても、引用発明は、役物連続作動装置が作動する際に報知画像を終了するものであるから、上記周知技術の適用にあたり、役物連続作動装置が作動すること、すなわち遊技球によりスイッチが入ることで、客待ち画面を表示しないようにする制御を終えることは、当業者が適宜なし得ることである。
よって、請求人の主張は、採用できない。

オ 小括
以上のとおり、本願補正発明は、当業者が引用文献1及び2に記載された発明及び周知技術に基いて、容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(3)補正却下の決定のむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成24年8月14日に補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項によって特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2、2(1)において、本件補正前の請求項1として示したとおりのものである。

2 判断
本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに限定を付したものが本願補正発明であるところ、本願補正発明が、上記第2、2(2)において検討したとおり、当業者が引用文献1及び2に記載された発明及び周知技術に基いて、容易に発明をすることができたものであることに照らせば、本願発明が、当業者が引用文献1及び2に記載された発明及び周知技術に基いて、容易に発明をすることができたものであることは明らかである。

3 むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が引用文献1及び2に記載された発明及び周知の技術に基いて、容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-05-21 
結審通知日 2014-05-27 
審決日 2014-06-10 
出願番号 特願2010-138761(P2010-138761)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 廣瀬 貴理  
特許庁審判長 長崎 洋一
特許庁審判官 平城 俊雅
中田 誠
発明の名称 遊技機  
代理人 尾形 文雄  
代理人 伊與田 幸穂  
代理人 古部 次郎  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ