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審決分類 審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) E04B
管理番号 1290575
判定請求番号 判定2014-600012  
総通号数 177 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 2014-09-26 
種別 判定 
判定請求日 2014-04-22 
確定日 2014-08-18 
事件の表示 上記当事者間の特許第3803829号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 (イ)号図面及びその説明書に示す「仕切り垂れ壁」は、特許第3803829号発明の技術的範囲に属しない。 
理由 第1 請求の趣旨
本件判定請求の趣旨は、イ号図面並びにその説明書に示す発明は、特許第3803829号技術的範囲に属するとの判定を求めるものである。

第2 本件特許発明
本件特許第3803829号の請求項1、2に係る発明は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1、2に記載された以下のとおりのものである。
なお、請求項1は、理解を容易にするため、当審が構成要件に分説した。

「【請求項1】
(A)仕切り垂れ壁において、
(B)バー本体(1)の一部に、吊元フック(2)を設け、
(C)一方、仕切り垂れ壁材(3)の上部に係止フック(4)を設け、
(D)前記吊元フック(2)に、垂れ壁材(3)を有する係止フック(4)を係止することにより、バー本体(1)に垂れ壁材(3)を固定することを特徴とする
(E)仕切り垂れ壁。
【請求項2】
仕切り垂れ壁において、バー本体(1)側に、吊元フック(2)を設け、垂れ壁材(3)の上端には、一または複数箇所に、吊り下げフック(4)を有する固定部材(5)を設け、垂れ壁材(3)を固定部材(5)で固定し、該吊り下げフック(4)を、前記吊元フック(2)に、係止・固定することにより、垂れ壁材(3)を、重量によりバー本体(1)に対して垂直に吊るすことを特徴とする仕切り垂れ壁。」
(以下、本件特許の請求項に係る発明を、その項番号により「本件特許発明1」等という。)

第3 イ号物件
イ号物件の構成は、判定請求書、判定請求書に添付されたイ号図面、イ号説明書及び被請求人の判定請求答弁書、判定請求答弁書に添付された乙第1号証、乙第3号証を参酌して、当審において次のとおりのものと特定する。
【イ号物件】
(a)仕切り垂れ壁において、
(b)アルミメインフレーム(1’)の一側面に、吊元フック(2’)を設け、
(c)一方、不燃シート製の垂れ壁材(3’)の上部に係止フック(4’)を設け、
(d)前記吊元フック(2’)に、垂れ壁材(3’)を有する係止フック(4’)を係止すると共に、押圧材(5’)により垂れ壁材(3’)の上部を押圧することにより、アルミメインフレーム(1’)に不燃シート製の垂れ壁材(3’)を固定する
(e)防煙垂壁。

第4 当事者の主張
1.請求人の主張
請求人は、判定請求書において、概略次の理由によりイ号物件は、特許第3803829号の本件特許発明1、2の技術的範囲に属する旨主張している。

(1)請求人が主張するイ号物件の構成dは、「前記吊元フック(2’)に、垂れ壁材(3’)を有する係止フック(4’)を係止することにより、アルミメインフレーム(1’)に不燃シート製の垂れ壁材(3’)を固定することを特徴とする」である。また、イ号物件の他の構成a?c、eについては上記第3での特定と同様である。

(2)本件特許発明1とイ号物件を対比し、構成要件B-bについて、本件特許発明1が、「バー本体(1)の一部に、吊元フック(2)を設け、」ることを構成要件としているに対し、イ号物件は、「アルミメインフレーム(1’)の一側面に、吊元フック(2’)を設け」を構成としており、その吊元フック(2)(2’)の取付けヶ所が異なっているが、本件特許発明1の(B)の構成要件は、吊り元フックは、バー本体の一部に設けると記載されているように、バー本体であればバー本体の何れの位置に設けても構わないものであり、構成要件B-bにおいて、両者は同一である。
その他の構成要件であるA-a、C-c、D-d、E-eについて両者は同一である。

(3)したがって、イ号物件は、本件特許発明1の構成要件A?Eを全て具備する。よって、イ号物件は、本件特許発明1の技術的範囲に属するものである。

2.被請求人の主張
被請求人は、判定請求答弁書において、イ号物件は特許第3803829号の請求項1、2に係る特許発明の技術的範囲に属しない理由を次のように主張している。

(1)イ号物件の構成a、c、dの「垂れ壁材(3’)」は、乙第1号証からも分かるとおり、実際には「アルミ製の型枠で不燃シートを緊張した構造の防煙垂れ壁」である。一方、本件特許発明1の構成要件A、C?Eの「(仕切り)垂れ壁材」は、ガラス製の垂れ壁材を用いた仕切り垂れ壁のみをいうのであって、イ号物件のガラス製垂れ壁材を用いていない仕切り垂れ壁については、本件特許発明1の技術的範囲には含まれない。

(2)イ号物件の構成dにおいて、垂れ壁材(3’)の固定は、本件特許発明1のように単に「前記吊元フックに、垂れ壁材(3)を有する係止フック(4)を係止することにより、バー本体 (1)に垂れ壁材 (3)を固定する」ものではなく、吊元フックに係止フックを係止させた後、押圧材(5’)(ビス・ねじ等、判定請求答弁書添付のイ号図面[乙3]参照)により垂れ壁材の上部を押圧する必要がある。したがって、本件特許発明1の構成要件Dと、イ号物件の構成dとは異なるものである。

(3)イ号物件の構成bにおいて、吊元フックの位置(アルミメインフレームの一側面)は、本件特許発明1の「バー本体(1)の一部」には該当せず、B-bの構成要件において両者は同一ではない。

(4)したがって、イ号物件の構成a?eは、いずれも、本件特許発明1の構成要件A?Eを充足しない。よって、イ号物件は本件特許発明1の技術的範囲に属しない。

第5 本件特許発明1について
イ号物件が本件特許発明1の構成要件A?Dを充足するか否かについて、以下に対比・判断する。
(1)構成要件A、B、C、Eの充足性について
イ号物件の構成aの「仕切り垂れ壁」は本件特許発明1の構成要件Aと文言上同じあり、それ自体明確に理解できる構成で有り、イ号物件の構成aは本件特許発明1の構成要件Aを充足する。
また、イ号物件の構成eの「防煙垂壁」は、本件特許発明1の構成要件Eの「仕切り垂れ壁」と文言上の相違はあるが、本件特許公報の[0002]には、「・・所定以上の建築物には防煙垂壁を不燃材料で設けることが義務づけられ、多数の仕切り垂れ壁(防煙垂壁ともいう)が設けられている。」と記載され、「防煙垂壁」は「仕切り垂れ壁」ということができる。したがって、イ号物件の構成eは本件特許発明1の構成要件Eを充足する。
イ号物件の構成cの「不燃シート製の垂れ壁材(3’)」は、不燃材料で構成され、前述した[0002]の記載によれば、「仕切り垂れ壁材(3)」であるといえる。そして、イ号物件の構成cの「係止フック(4’)」は「該垂れ壁材(3’)」の上部に設けたものであるので、イ号物件の構成cは本件特許発明1の構成要件Cを充足する。
イ号物件の構成bの「吊り元フック(2’)」の設ける位置が「アルミメインフレーム(1’)の一側面」であるのに対し、本件特許発明1の構成要件Bは「バー本体(1)の一部」である。アルミメインフレームがバー本体であることは技術常識であり、また、「一部」とはどこに設けるかの限定がないことから、「一側面」は「一部」を充足する。したがって、イ号物件の構成bは本件特許発明1の構成要件Bを充足する。

(2)構成要件Dの充足性について
バー本体(1)に垂れ壁材(3)を固定する構成に関して、
本件特許発明1の構成要件Dでは、「前記吊元フック(2)に、垂れ壁材(3)を有する係止フック(4)を係止することにより、バー本体(1)に垂れ壁材(3)を固定する」ものである。当該構成要件Dは、「吊元フック(2)」に「係止フック(4)」を係止することにより固定(完成可能と)するものであるが、このような係止することに加えて、他の固定に関与する手段を排除しているものではない。例えば、本件特許公報【0014】には、「 さらに、バー本体(1)と吊り下げられた垂れ壁材(3)との左右隙間部は、それぞれ、バックアップ材(7)と、シーリング材(8)とで固定するものである。」と記載されているように、このような部材も前記固定に関与はしている。
一方、イ号物件の構成dでは、「 前記吊元フック(2’)に、垂れ壁材(3’)を有する係止フック(4’)を係止すると共に、押圧材(5’)により垂れ壁材(3’)の上部を押圧することにより、アルミメインフレーム(1’)に不燃シート製の垂れ壁材(3’)を固定する」ものである。当該構成dは、「吊元フック(2’)」に「係止フック(4’)」を係止することに加えて、押圧材(5’)により垂れ壁材(3’)の上部を押圧する手段により、固定するものである。そして、イ号図面を参照すると、イ号物件の構成dは、「吊元フック(2’)」は「係止フック(4’)」に対し、底部に幅がある構成のため、係止しても「遊嵌状態」となり、押圧材(5’)による押圧を加えて(初めて)固定を完成させるものである。したがって、イ号物件の構成dは、バー本体(1)に垂れ壁材(3)を固定する構成に関して、押圧材による押圧は不可欠である。

以上のとおり、バー本体(1)に垂れ壁材(3)を固定する構成に関して、本件特許発明1の構成要件Dは「吊元フック(2)」に「係止フック(4)」を係止することにより固定を完成可能とするものであるが、イ号物件の構成dは、「吊元フック(2’)」に「係止フック(4’)」を係止するだけでは固定されず、押圧材(5’)による押圧を加えて、固定を完成させるものであり、イ号物件の構成dと本件特許発明1の構成要件Dとは固定手段において相違する。

したがって、イ号物件の構成dは、本件特許発明1の構成要件Dを充足していない。

(3)以上のとおり、イ号物件は、本件特許発明1の構成要件Dを充足していないから、本件特許発明1の技術的範囲に属しない。

第6 本件特許発明2について
本件特許発明2は、本件特許発明1の構成要件Dと同様の発明特定事項を有するものであるので、本件特許発明2についても、イ号物件が構成要件Dを充足しないことに変わりなく、上記「第5」と同様に、イ号物件は、本件特許発明2の技術的範囲に属しない。

第7 むすび
以上のとおり、イ号物件は、本件特許発明1、2の技術的範囲に属しない。
よって、結論のとおり判定する。
 
別掲
 
判定日 2014-08-05 
出願番号 特願2003-298877(P2003-298877)
審決分類 P 1 2・ 1- ZB (E04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 五十幡 直子  
特許庁審判長 中川 真一
特許庁審判官 西田 秀彦
本郷 徹
登録日 2006-05-19 
登録番号 特許第3803829号(P3803829)
発明の名称 仕切り垂れ壁およびその設置方法  
代理人 三橋 真二  
代理人 三原 靖雄  
代理人 伊藤 隆大  
代理人 萩尾 保繁  
代理人 前島 一夫  
代理人 島田 哲郎  
代理人 青木 篤  

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