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審決分類 審判 訂正 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1290825
審判番号 訂正2014-390087  
総通号数 178 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-10-31 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2014-06-19 
確定日 2014-07-28 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4357010号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4357010号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり一群の請求項ごとに訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第4357010号は、平成9年10月16日に出願された特願平9-283832号であって、平成21年8月14日にその特許権の設定の登録がなされ、平成26年6月19日に本件訂正審判の請求がなされた。

第2 審判請求の要旨
本件審判請求の要旨は、本件特許第4357010号の明細書を、本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり一群の請求項ごとに訂正することを求めるものである。(以下、特許第4357010号の明細書を「願書に添付した明細書」といい、該明細書のうち特に特許請求の範囲を「本件特許請求の範囲」という。)
その訂正内容は、次のとおりである。
<訂正事項1>
本件特許請求の範囲の請求項1及び2にある、
「前記取付片部」を
「前記第一の取付片部」に訂正する。

<訂正事項2>
願書に添付した明細書の段落【0005】及び【0006】にある、
「前記取付片部」を
「前記第一の取付片部」に訂正する。

<訂正事項3>
願書に添付した明細書の段落【0047】にある、
「電飾基板63」を
「電飾基板64」に訂正する。

<訂正事項4>
願書に添付した明細書の段落【0050】にある、
「が設けられている、このミドルプレート310には」を
「が設けられている。このミドルプレート310には」に訂正する。

第3 当審の判断
1 訂正事項1について
本件特許請求の範囲において「前記取付片部」より前の部分に「取付片部」という記載はなく、「前記取付片部」が、どの構成を受けて「前記」としたのか不明瞭な記載であった。
願書に添付した明細書の段落【0074】の「蓋体90(図4参照)側の取付穴95a」、段落【0076】の「取付片部80aの取付穴95aを本体枠99の取付穴131にワンウェイねじ140で止め(図9(A)参照)、そのワンウェイねじ140止め部分を長方形状のホログラムシール105で封印する。これにより、蓋体90とボックス本体110との内部空間に遊技制御基板87aを封止状態で収容した組付け体(遊技制御基板ボックス87b)が構成される。」の記載から、蓋体90とボックス本体110を取付片部80aを用いて封止する際に、取付穴95aは取付片部80aに設けられることが理解できる。
そして、本件特許請求の範囲の「前記取付片部に設けられ、前記固着手段にて前記第一の取付片部を前記基体に止めるときに用いられる蓋体側取付穴」に、願書に添付した明細書に記載された実施例を当てはめると、「固着手段」は実施例における「ワンウェイねじ140」のことであり、以下同様に「第一の取付片部」は「取付片部80a」、「基体」は「ボックス本体110」、「蓋体側取付穴」は「取付穴95a」である。
とすれば、本件特許請求の範囲において「蓋体側取付穴」が設けられると記載されていた「前記取付片部」は、「前記第一の取付片部」のことであることは当業者にとって自明である。
よって、訂正事項1は、「前記取付片部」を「前記第一の取付片部」と訂正することによって、当該記載より前にあるどの構成を受けて「前記」としたかを明らかにするものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正事項1は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項1は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項1は特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

2 訂正事項2について
本件特許請求の範囲における請求項1及び2を訂正事項1のとおりに訂正したことに伴い、整合性を取るために、関連する発明の詳細な説明の記載を訂正したものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正事項2は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項2は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項2は特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

3 訂正事項3について
願書に添付した明細書の段落【0047】において「電飾基板63」と記載されているが、例えば願書に添付した明細書の段落【0052】には、「電飾基板64」と記載され、また、同じく願書に添付した明細書の段落【0092】には「普通図柄表示器17の個数表示LED63」とも記載されており、同じ部材に対して異なる部材番号を対応させているか、同じ部材番号「63」に対して、複数の部材が対応している不明瞭な記載であった。
しかしながら「電飾基板」は、願書に添付した明細書の段落【0047】に記載されているとおり、「遊技制御基板87aからの指令またはデータに基づいてパチンコ遊技機1の前面に設けられる電気的装飾部品(装飾蛍光灯265や装飾LED262,263など)の動作を制御する」ものであるから、「個数表示LED63」と同じ部材番号が付されるものであるとは考えられない。
また、願書に添付した明細書の段落【0099】における「電飾信号回路207は、遊技機に設けられた複数種類の電飾の点灯状態を制御する電飾基板64(図16参照)へランプ制御データD0?D3を送信する。」との記載、ならびに「電飾基板63」との記載は、当該箇所一箇所のみであって、あとはすべて「電飾基板64」であることを考え合わせると、「電飾基板63」は「電飾基板64」であることは当業者にとって自明である。
とすれば、訂正事項3は、「電飾基板63」を「電飾基板64」と訂正することによって、「電飾基板」に付された部材番号を統一するものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正事項3は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項3は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項3は特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

4 訂正事項4について
審判請求人が審判請求書において記した訂正事項4に係る願書に添付した明細書の段落【0050】は「が設けられている、このミドルプレート310には」であるが、その前後を含めた文章全体を検討する。
それは「機構板53が組付けられるパチンコ遊技機1の木枠体下方には、ミドルプレート310が設けられている、このミドルプレート310には、前述したID発信器240と同種のID発信器235が埋め込まれている。」であるが、「ミドルプレート310が設けられている、」の末尾が「読点」であるため、日本語として意味の通らない不明瞭な記載である。
そして、訂正事項4は、「ミドルプレート310が設けられている、」の末尾の「読点」を「句点」と訂正することによって、意味の通る日本語とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正事項4は、願書に添付した明細書又は図面に記載された事項に基づいたものであって、願書に添付した明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものである。
また、訂正事項4は、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項4は特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものである。また、同条第5項及び第6項の規定にも適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機を制御するための制御基板が設けられた遊技機であって、
前記制御基板を封止状態で収容する基体と該基体の蓋をする蓋体とを備えた基板収容ボックスと、
前記基板収容ボックスに設けられ、該基板収容ボックスに収容された制御基板と前記遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報を遊技機の外部へ送信可能な識別情報送信手段とを含み、
前記基板収容ボックスは、
前記蓋体に設けられ、前記基体と前記蓋体とを固着させるための第一の取付片部と、
前記基体と前記蓋体とを固着させるために前記第一の取付片部に取り付けられる固着手段と、
前記基体に設けられ、前記固着手段が取り付けられる基体側取付穴と、
前記第一の取付片部に設けられ、前記固着手段にて前記第一の取付片部を前記基体に止めるときに用いられる蓋体側取付穴と、
前記第一の取付片部を前記蓋体から切り離して前記基体と前記蓋体との固着状態を解除するために切断される切断部と、
前記第一の取付片部と並設するように前記蓋体に設けられ、前記切断部が切断されることによって前記第一の取付片部が前記蓋体から切り離されて前記基体と前記蓋体との固着状態が解除されても固着手段を取り付けることによって再び前記基体と前記蓋体とを固着させる第二の取付片部とを備え、
前記切断部は、
前記第一の取付片部と前記蓋体を連結する連結部と、
前記第一の取付片部と前記第二の取付片部の相互間を連結する取付連結部とを備え、
前記連結部と前記取付連結部とを切断することで前記第一の取付片部の固着状態を解除可能とし、
前記切断部の切断による前記基体と前記蓋体との固着の解除によって、前記第二の取付片部を用いて前記基体と前記蓋体とを固着させるときに使用する固着手段が取出し可能な状態となることを特徴とする、遊技機。
【請求項2】
遊技機を制御するための制御基板が設けられた遊技機であって、
前記制御基板を封止状態で収容する基体と該基体の蓋をする蓋体とを備えた基板収容ボックスと、
前記制御基板に設けられ、該制御基板と該制御基板が取付けられた遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報を遊技機の外部へ送信可能な識別情報送信手段とを含み、
前記基板収容ボックスは、
前記蓋体に設けられ、前記基体と前記蓋体とを固着させるための第一の取付片部と、
前記基体と前記蓋体とを固着させるために前記第一の取付片部に取り付けられる固着手段と、
前記基体に設けられ、前記固着手段が取り付けられる基体側取付穴と、
前記第一の取付片部に設けられ、前記固着手段にて前記第一の取付片部を前記基体に止めるときに用いられる蓋体側取付穴と、
前記第一の取付片部を前記蓋体から切り離して前記基体と前記蓋体との固着状態を解除するために切断される切断部と、
前記第一の取付片部と並設するように前記蓋体に設けられ、前記切断部が切断されることによって前記第一の取付片部が前記蓋体から切り離されて前記基体と前記蓋体との固着状態が解除されても固着手段を取り付けることによって再び前記基体と前記蓋体とを固着させる第二の取付片部とを備え、
前記切断部は、
前記第一の取付片部と前記蓋体を連結する連結部と、
前記第一の取付片部と前記第二の取付片部の相互間を連結する取付連結部とを備え、
前記連結部と前記取付連結部とを切断することで前記第一の取付片部の固着状態を解除可能とし、
前記切断部の切断による前記基体と前記蓋体との固着の解除によって、前記第二の取付片部を用いて前記基体と前記蓋体とを固着させるときに使用する固着手段が取出し可能な状態となることを特徴とする、遊技機。
【請求項3】
前記基板収容ボックスは、多層構造の樹脂面を少なくともその一部に含み、
前記識別情報送信手段は、前記樹脂面の層間に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項4】
前記識別情報送信手段は、前記基板収容ボックスの表面に貼設されていることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項5】
前記制御基板は、前記遊技機を制御するための制御プログラムが記憶された記憶部を含み、
前記識別情報送信手段は、前記記憶部と一体不可分に構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の遊技機。
【請求項6】
前記制御基板は、少なくともその一部が複数の層が積層した多層構造であり、
前記識別情報送信手段は、前記複数の層の層間に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の遊技機。
【請求項7】
前記識別情報送信手段は、所定の外部機器からの要求に応じて前記識別情報を該外部機器へ送信することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項8】
前記識別情報送信手段は、
前記識別情報の記憶された識別情報記憶部と、
前記外部機器から所定の電磁波を受信したことを条件に前記識別情報記憶部に記憶されている識別情報を送信する制御を行なう制御手段とを含むことを特徴とする、請求項7に記載の遊技機。
【請求項9】
前記識別情報送信手段は、前記外部機器から送信される前記所定の電磁波を用いて電力を生成する電力生成手段を含み、
前記制御手段は、前記電力生成手段で生成された電力の供給を受けて前記制御を行なうことを特徴とする、請求項8に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばパチンコ遊技機やコイン遊技機、スロットマシンなどで代表される遊技機に関し、詳しくは、遊技機を制御するための制御基板が設けられた遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に、パチンコ遊技機やスロットマシンなどの遊技機には、マイクロコンピュータを構成するMPU、ROM、RAMなどの電子素子が実装された多くの制御基板が設けられている。それら多くの制御基板のうち、たとえば、遊技動作を制御する遊技制御基板は、遊技動作を制御するプログラムが格納されているROMを交換することにより、多くの場合、異なる遊技内容を実現することが可能である。このため、たとえば遊技制御基板は、通常、封印シールを貼着して密閉状態を担保する収容部内に収容して設けられることで、不正行為を防止するようになっていた。また、このような収容部は、たとえば遊技機に固定された取付台に対して着脱可能に取付けられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の収容部は、封印シールを巧みに剥がしてボックスを開放し、内部に収容されている制御基板に不正を行なった後に再度封印シールを貼着する不正行為が行なわれていた。また、この不正行為を防止するためにホログラムシールなどの剥離痕跡の残るシールを封印シールとして用いた場合でも、取付台から収容部を取外し、正規外の制御基板を備えた複製品の収容部にすり替える不正が行なわれていた。
【0004】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、前記収容部を開放する不正、および前記制御基板を前記遊技機との対応関係が正しくない不法改造された制御基板とすり替える不正を防止し得る遊技機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、遊技機を制御するための制御基板が設けられた遊技機であって、
前記制御基板を封止状態で収容する基体と該基体の蓋をする蓋体とを備えた基板収容ボックスと、
前記基板収容ボックスに設けられ、該基板収容ボックスに収容された制御基板と前記遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報を遊技機の外部へ送信可能な識別情報送信手段とを含み、
前記基板収容ボックスは、
前記蓋体に設けられ、前記基体と前記蓋体とを固着させるための第一の取付片部と、
前記基体と前記蓋体とを固着させるために前記第一の取付片部に取り付けられる固着手段と、
前記基体に設けられ、前記固着手段が取り付けられる基体側取付穴と、
前記第一の取付片部に設けられ、前記固着手段にて前記第一の取付片部を前記基体に止めるときに用いられる蓋体側取付穴と、
前記第一の取付片部を前記蓋体から切り離して前記基体と前記蓋体との固着状態を解除するために切断される切断部と、
前記第一の取付片部と並設するように前記蓋体に設けられ、前記切断部が切断されることによって前記第一の取付片部が前記蓋体から切り離されて前記基体と前記蓋体との固着状態が解除されても固着手段を取り付けることによって再び前記基体と前記蓋体とを固着させる第二の取付片部とを備え、
前記切断部は、
前記第一の取付片部と前記蓋体を連結する連結部と、
前記第一の取付片部と前記第二の取付片部の相互間を連結する取付連結部とを備え、
前記連結部と前記取付連結部とを切断することで前記第一の取付片部の固着状態を解除可能とし、
前記切断部の切断による前記基体と前記蓋体との固着の解除によって、前記第二の取付片部を用いて前記基体と前記蓋体とを固着させるときに使用する固着手段が取出し可能な状態となることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の本発明は、遊技機を制御するための制御基板が設けられた遊技機であって、
前記制御基板を封止状態で収容する基体と該基体の蓋をする蓋体とを備えた基板収容ボックスと、
前記制御基板に設けられ、該制御基板と該制御基板が取付けられた遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報を遊技機の外部へ送信可能な識別情報送信手段とを含み、
前記基板収容ボックスは、
前記蓋体に設けられ、前記基体と前記蓋体とを固着させるための第一の取付片部と、
前記基体と前記蓋体とを固着させるために前記第一の取付片部に取り付けられる固着手段と、
前記基体に設けられ、前記固着手段が取り付けられる基体側取付穴と、
前記第一の取付片部に設けられ、前記固着手段にて前記第一の取付片部を前記基体に止めるときに用いられる蓋体側取付穴と、
前記第一の取付片部を前記蓋体から切り離して前記基体と前記蓋体との固着状態を解除するために切断される切断部と、
前記第一の取付片部と並設するように前記蓋体に設けられ、前記切断部が切断されることによって前記第一の取付片部が前記蓋体から切り離されて前記基体と前記蓋体との固着状態が解除されても固着手段を取り付けることによって再び前記基体と前記蓋体とを固着させる第二の取付片部とを備え、
前記切断部は、
前記第一の取付片部と前記蓋体を連結する連結部と、
前記第一の取付片部と前記第二の取付片部の相互間を連結する取付連結部とを備え、
前記連結部と前記取付連結部とを切断することで前記第一の取付片部の固着状態を解除可能とし、
前記切断部の切断による前記基体と前記蓋体との固着の解除によって、前記第二の取付片部を用いて前記基体と前記蓋体とを固着させるときに使用する固着手段が取出し可能な状態となることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記基板収容ボックスは、多層構造の樹脂面を少なくともその一部に含み、
前記識別情報送信手段は、前記樹脂面の層間に設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記識別情報送信手段は、前記基板収容ボックスの表面に貼設されていることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の本発明は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記制御基板は、前記遊技機を制御するための制御プログラムが記憶された記憶部を含み、
前記識別情報送信手段は、前記記憶部と一体不可分に構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の本発明は、請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記制御基板は、少なくともその一部が複数の層が積層した多層構造であり、
前記識別情報送信手段は、前記複数の層の層間に設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記識別情報送信手段は、所定の外部機器からの要求に応じて前記識別情報を該外部機器へ送信することを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の本発明は、請求項7に記載の発明の構成に加えて、前記識別情報送信手段は、
前記識別情報の記憶された識別情報記憶部と、
前記外部機器から所定の電磁波を受信したことを条件に前記識別情報記憶部に記憶されている識別情報を送信する制御を行なう制御手段とを含むことを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の本発明は、請求項8に記載の発明の構成に加えて、前記識別情報送信手段は、前記外部機器から送信される前記所定の電磁波を用いて電力を生成する電力生成手段を含み、前記制御手段は、前記電力生成手段で生成された電力の供給を受けて前記制御を行なうことを特徴とする。
【0014】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、第一の取付片部と固着手段とによって、前記制御基板が収容された前記基体を前記蓋体で閉塞した状態で、該基体と該蓋体とが非可逆的な固着状態とされて、該基体と該蓋体とからなる基板収容ボックスの開封が困難となる。さらに、切断部が備える連結部と取付連結部とを切断することで、前記第一の取付片部を前記蓋体から切り離して前記基体と前記蓋体との固着状態を解除することができる。その後、前記第一の取付片部と並設するように前記蓋体に設けられる第二の取付片部に固着手段を取り付けることによって、再び前記基体と前記蓋体とを固着させることが可能となる。前記第二の取付片部を用いて前記基体と前記蓋体とを固着させるときに使用する固着手段は、前記切断部の切断による前記基体と前記蓋体との固着の解除によって取出し可能な状態となる。さらに、前記基板収容ボックスに設けられた識別情報送信手段の働きにより、該基板収容ボックスに収容された制御基板と前記遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報が遊技機の外部へ送信される。
【0015】
請求項2に記載の本発明によれば、第一の取付片部と固着手段とによって、前記制御基板が収容された前記基体を前記蓋体で閉塞した状態で、該基体と該蓋体とが非可逆的な固着状態とされて、該基体と該蓋体とからなる基板収容ボックスの開封が困難となる。さらに、切断部が備える連結部と取付連結部とを切断することで、前記第一の取付片部を前記蓋体から切り離して前記基体と前記蓋体との固着状態を解除することができる。その後、前記第一の取付片部と並設するように前記蓋体に設けられる第二の取付片部に固着手段を取り付けることによって、再び前記基体と前記蓋体とを固着させることが可能となる。前記第二の取付片部を用いて前記基体と前記蓋体とを固着させるときに使用する固着手段は、前記切断部の切断による前記基体と前記蓋体との固着の解除によって取出し可能な状態となる。さらに、前記制御基板に設けられた識別情報送信手段の働きにより、該制御基板と該制御基板が取付けられた遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報が遊技機の外部へ送信される。
【0016】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、前記基板収容ボックスには、多層構造の樹脂面が少なくともその一部に含まれており、前記識別情報送信手段が前記樹脂面の層間に設けられているため、外部から該識別情報送信手段に手を加えにくくなる。
【0017】
請求項4に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、前記識別情報送信手段は、前記基板収容ボックスの表面に貼設されているために、比較的簡単に基板収容ボックスに該識別情報送信手段を設けることができる。
【0018】
請求項5に記載の本発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記識別情報送信手段は、前記制御基板の前記記憶部と一体不可分に構成されているために、前記識別情報送信手段には手をつけずに制御プログラムの記憶された前記記憶部のみを取り外して不正改造プログラムの記憶された記憶部とすり替えることが不可能となる。
【0019】
請求項6に記載の本発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記制御基板は、少なくともその一部が複数の層が積層した多層構造であり、前記識別情報送信手段は、前記複数の層の層間に設けられているため、外部から該識別情報送信手段に手を加えにくくなる。
【0020】
請求項7に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、識別情報送信手段の働きにより、所定の外部機器からの要求に応じて前記識別情報が該外部機器へ送信される。
【0021】
請求項8に記載の本発明によれば、請求項7に記載の発明の作用に加えて、前記識別情報送信手段は、前記識別情報の記憶された識別情報記憶部と制御手段とを含み、該制御手段の働きにより、前記外部機器から所定の電磁波を受信したことを条件に前記識別情報記憶部に記憶されている識別情報を送信する制御が行なわれる。
【0022】
請求項9に記載の本発明によれば、請求項8に記載の発明の作用に加えて、前記識別情報送信手段は電力生成手段を含み、該電力生成手段の働きにより、前記外部機器から送信される前記所定の電磁波を用いて電力が生成され、前記制御手段による制御にその電力が使用される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機やスロットマシンなどであってもよく、遊技機を制御するための制御基板が設けられた遊技機であれば、すべてに適用することが可能である。
【0024】
図1は、本発明に係る遊技機の一例のパチンコ遊技機1およびプリペイドカードユニット35の正面図である。
【0025】
プリペイドカードユニット35には、カード利用可表示ランプ47が設けられており、プリペイドカードユニット35が使用可能な状態にある旨が、このカード利用可表示ランプ47の点灯または点滅により遊技者に知らされる。このプリペイドカードユニット35は、遊技機設置島に設置されている複数台のパチンコ遊技機1の間に挿入された状態で設置されており、左右どちらの遊技機に接続されているかが連結台方向表示器49により表示される。
【0026】
遊技者がカード残高の記録された共通カードをカード挿入口50から挿入すると、その共通カードに記録されているカード残高が読取られる。そして、遊技者が貸玉操作を行なうことにより、予め入力設定されている貸出単位額分の残高が減額されるとともに、その貸出単位額分の打玉がパチンコ遊技機1の上皿87内に貸出される。
【0027】
プリペイドカードユニット35には端数表示スイッチ48が設けられており、この端数表示スイッチ48を押圧操作することにより、たとえばカード残高やエラーが発生した場合のエラーコードなどの情報をパチンコ遊技機1に設けられた情報表示器(図示省略)に表示可能である。図中51はカードユニット錠であり、このカードユニット錠51に所定のキーを挿入して解錠操作することにより、プリペイドカードユニット35の前面側を開成できるように構成されている。
【0028】
パチンコ遊技機1の遊技盤3には、遊技領域が形成されている。パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作するための打球操作ハンドル82が設けられており、この打球操作ハンドル82を遊技者が操作することにより、上皿87内に貯留されているパチンコ玉を1個ずつ発射することができる。発射されたパチンコ玉は、区画レール2の間を通って遊技領域内に導かれる。
【0029】
遊技領域の中央には、複数種類の識別情報としての特別図柄を可変表示させることが可能な可変表示装置4が設けられている。可変表示装置4の下方には、可変入賞球装置10が設けられている。この可変入賞球装置10は、ベース板60を遊技盤3に固定することにより取付けられている。可変入賞球装置10は、後述するソレノイド61aが励磁されることにより開閉板61が開成して打玉が入賞可能な遊技者にとって有利となる第1の状態と、ソレノイド61aが消磁されることにより開閉板61が閉成して打玉が入賞不可能な遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能に構成されている。可変入賞球装置10には、遊技状態に応じて点灯または点滅表示する6個のLED62が設けられている。
【0030】
可変表示装置4の左側方部分および右側方部分には、それぞれワープ入口21が設けられている。このワープ入口21に進入した打玉は、可変表示装置4の裏面側を通って下方に流下してワープ出口8から再度遊技領域に放出される。このため、ワープ出口8から放出された打玉は、始動口9に比較的入賞しやすい状態となる。可変表示装置4の左側方部分に設けられたワープ入口21に進入した打玉の通過経路には、普通図柄始動ゲート23が設けられている。この普通図柄始動ゲート23には、玉の通過を検出するための通過球検出器23aが設けられている。
【0031】
遊技領域に打込まれた打玉が普通図柄始動ゲート23に進入すれば、その通過球が通過球検出器23aにより検出され、その検出出力に基づいて普通図柄表示器17が可変開始される。
【0032】
普通図柄表示器17はたとえば7セグメント表示器で構成されており、普通図柄と呼ばれる識別情報が可変表示される。この普通図柄表示器17の表示結果が予め定められた特定の識別情報(たとえば7)となれば、後述するソレノイド20aが励磁されて、始動口9に設けられた左右1対の可動片20が所定期間だけ開成し、打玉がより始動入賞しやすい状態となる。この始動口9に入賞した始動入賞球は後述する始動球検出器9aにより検出され、その検出出力に基づいて可変表示装置4が可変開始される。
【0033】
この可変表示装置4は、たとえば液晶表示可能なCRT表示機4(図14参照)で構成されており、可変表示部5が設けられている。この可変表示部5は、左可変表示部と中可変表示部と右可変表示部とに3分割されており、すべての可変表示部が一斉に可変開始することにより複数種類の特別図柄からなる識別情報が上から下に向かってスクロール表示され、まず左可変表示部が停止制御され、次に右可変表示部が停止制御され、最後に中可変表示部が停止制御される。
【0034】
この可変表示装置4が可変停止された状態で、特別図柄が予め定められた特定の特別図柄の組合せ(たとえば777)となることにより、表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合には、特定遊技状態(大当たり状態)が発生して可変入賞球装置10が第1の状態に制御されて遊技者にとって有利な状態となる。
【0035】
可変入賞球装置10内には、特定入賞領域が設けられており、この特定入賞領域に入賞した入賞球が後述する特定球検出スイッチ61cにより検出される。また可変入賞球装置10内に入賞したすべての入賞球が球数検出スイッチ61bにより検出される。具体的には、特定球検出スイッチ61cにより検出された特定入賞球と、特定入賞領域以外の通常入賞領域に入賞した通常入賞球とが球数検出スイッチ61bにより検出される。第1の状態となった可変入賞球装置10内に進入した打玉が所定個数(たとえば9個)球数検出スイッチ61bにより検出された場合または所定期間(たとえば30秒間)経過した場合のうちのいずれか早い方の条件が成立した場合に可変入賞球装置10の第1の状態が終了して第2の状態となる。なお球数検出スイッチ61bによる検出個数は、7セグメント表示器よりなる個数表示器63により表示される。そして、可変入賞球装置10が第1の状態となっている期間中に進入した打玉が特定入賞領域に入賞し、可変入賞球装置10が第2の状態になった後に特定球検出スイッチ61cにより検出されれば、再度可変入賞球装置10を第1の状態にする繰返し継続制御が実行される。この繰返し継続制御の実行上限回数はたとえば16回と定められている。繰返し継続制御において、可変入賞球装置10が第1の状態にされている状態がラウンドと呼ばれる。繰返し継続制御の実行上限回数が16回の場合には、第1ラウンドから第16ラウンドまでの16ラウンド分、可変入賞球装置10が第1の状態にされ得る。
【0036】
可変表示装置4が可変表示中に打玉が再度始動口9に始動入賞して始動球検出器9aにより検出されれば、その始動入賞球が記憶され、可変表示装置4が可変停止した後、再度可変開始可能な状態になってから前記始動入賞記憶に基づいて可変表示装置4が再度可変開始される。この始動入賞記憶の上限は、たとえば「4」と定められている。現時点における始動入賞記憶個数が始動記憶表示器6により表示される。
【0037】
遊技領域には、さらに風車19、通常の入賞口7,11,15、および、打込まれた打玉がいずれの入賞領域や可変入賞球装置にも入賞しなかった場合にアウト玉として回収するアウト口16が設けられている。さらに、遊技盤3には、飾り図柄表示用のサイドランプ22が設けられている。
【0038】
始動口9、可変入賞球装置10、通常の入賞口7,11,15などの各種入賞領域に打玉が入賞すると、その入賞口に応じた所定個数の景品玉が上皿87に払出される。上皿87の下方には、上皿玉抜きレバー84を操作することにより上皿87から排出される打玉を貯留しておくための下皿86が設けられている。下皿86に貯留された打玉は、下皿玉抜きレバー85を操作することにより排出できる。
【0039】
遊技盤3の上部の左右には、ステレオ音の音声などの効果音を発生するためのスピーカ81,81が設けられている。また、図中83は、パチンコ遊技機1の前面側の枠である前面枠を開閉できないようにするための鍵であり、266は該前面枠の開放を検出するスイッチである。
【0040】
その他、パチンコ遊技機1には、装飾LED262、装飾蛍光灯263,264,265が設けられている。これらは、遊技状態に応じて点灯または点滅するものであり、特定遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知するとともに遊技の雰囲気を盛り上げるものである。また、景品玉が不足したことを報知する玉切れLED260や、入賞玉の発生に基づいて所定個数の景品玉が払出されたことを報知するための払出LED261が設けられている。
【0041】
さらに遊技盤3には、ID発信器240が埋め込まれている。ID発信器240の埋め込み状況を説明するための断面図を図26に示す。
【0042】
図26を参照して、ID発信器240は、遊技盤3表面を形成するメラミン化粧板241と、該メラミン化粧板241が接着されているベニア板242との間に位置し、ベニア板242に設けられた嵌め込み部に嵌め込まれてベニア板242に接着され、固定されている。ID発信器240は、図19で後述するように、たとえば非接触型のICカ-ド内に埋め込まれて使用されるICチップと同種のICチップで構成されており、ICチップのメモリ(EEPROM)内には、たとえば、遊技盤3の種類を識別可能な識別情報(IDコード)が記憶されている。このIDコードは、たとえば各遊技場を管理する第三者管理機関、または各遊技場で秘密に管理されている。ID発信器240は、各パチンコ遊技機1に対応してその外部に配設されたID識別装置250(図18参照)からの送信要求に応じて、内部に記憶されているIDコードをID識別装置250へ送信する。したがって不正な遊技盤3とのすり替えが行なわれれば、所定のIDコードが送信されなくなるために、ID発信器240からのIDコードの送信の有無およびIDコードの正否を確認することにより、不正な、遊技盤3のすり替え行為の有無を容易に把握可能となる。
【0043】
図2は、図1に示したパチンコ遊技機1とプリペイドカードユニット35の背面図である。パチンコ遊技機1の裏面には、機構板53がコの字状に介在自在に設けられている。機構板53には、発射した入賞玉に基づいて所定個数の賞球を払出す玉タンク54、玉タンク54内の玉を賞球払出装置59に送る玉整列レール55、カーブ樋57、通路体58、賞球払出装置59、入賞球検出スイッチ74および入賞玉排出ソレノイド73を備えた入賞玉処理装置72、遊技制御基板87aを収容した遊技制御基板ボックス87b、電飾基板64を収容した電飾基板ボックス65、ユニット中継基板75を収容した中継基板ボックス76、ターミナル基板67を収容したターミナル基板ボックス68が設けられている。
【0044】
機構板53の中央には窓開口56が開設され、該窓開口56からは、遊技盤3の裏面に取付けられた入賞玉集合カバー体66が貫通されている。入賞玉集合カバー体66には、中継基板78と、可変表示装置(CRT表示機)4とが設けられている。中継基板78には、遊技盤3上の各種電気部品が接続されるとともに、後述する遊技制御基板87aが接続されている。一方、可変表示装置4には、画像表示制御基板216(図15参照)が設けられている。可変表示装置4は、画像表示制御基板216の画像表示制御信号に基づいて可変表示部5(図1参照)に各種特別図柄、キャラクタ、その他の画像を表示する。
【0045】
また、遊技制御基板ボックス87b内に収容されている遊技制御基板87aは、CPU、RAM、およびROMを備え、可変表示装置4や可変入賞球装置10などの遊技装置の遊技動作を制御する。たとえば、遊技制御基板87aは、画像表示制御基板216と配線により接続されており、可変表示部5に表示させるべき画像を指定するための信号を画像表示制御基板216へ送信する。
【0046】
遊技制御基板ボックス87bは、遊技制御基板87aを収容するボックス本体110(図7参照)と、遊技制御基板87aを収容した状態で蓋をする蓋体90(図4参照)とから構成されている。蓋体90とボックス本体110とは、蓋体90の表面を構成する上板92(図4参照)に設けられた取付片部80a?80cにより互いに組み付けられて非可逆的な固着状態となり、第三者が不正目的で遊技制御基板ボックス87bを開封できないように構成されている。なお、蓋体90には、後述するように、ID発信器240と同種のID発信器231(図8参照)が設けられている。
【0047】
図中71は打球ユニットであり、遊技者が打球操作ハンドル82(図1参照)を操作することにより作動して、打玉を1つずつ遊技領域内に発射するためのものである。また、電飾基板64は、遊技制御基板87aからの指令またはデータに基づいてパチンコ遊技機1の前面に設けられる電気的装飾部品(装飾蛍光灯265や装飾LED262,263など)の動作を制御するものである。ユニット中継基板75は、パチンコ遊技機1とプリペイドカードユニット35との配線を中継するものである。
【0048】
また、パチンコ遊技機1の裏面には、さらに、賞球基板69を収容した賞球基板ボックス77が設けられている。この賞球基板69は、賞球払出装置59の動作を制御するものである。
【0049】
なお、上記各種基板および装置には、所定の配線を接続するためのコネクタが設けられている。ターミナル基板ボックス68に収容されるターミナル基板67は、コネクタを通じて、パチンコ遊技機1に設けられる各種電気的装置、たとえば、上記した各基板および打球発射装置71にも電源を供給するとともに、パチンコ遊技機1の内部での信号線の中継、あるいはパチンコ遊技機1と外部との信号線の中継を行なう。
【0050】
機構板53が組付けられるパチンコ遊技機1の木枠体下方には、ミドルプレート310が設けられている。このミドルプレート310には、前述したID発信器240と同種のID発信器235が埋め込まれている。ID発信器235の埋め込み状況を説明するための断面図を図25に示す。
【0051】
図25を参照して、ミドルプレート310は表面板236と裏面板237ととを貼り合わせて形成されており、表面板236の所定箇所にID発信器235を嵌め込むための嵌め込み部238が形成されている。ID発信器235は、この嵌め込み部238に嵌め込まれて裏面板237に接着され、固定されている。
【0052】
さらに、画像表示制御基板216、電飾基板64、賞球基板69には、それぞれ、ID発信器224、ID発信器245、ID発信器246が取付けられている。画像表示制御基板216の回路構成を示す図15、電飾基板64の回路構成を示す図16、賞球基板69の回路構成を示す図17には、それぞれ、ID発信器224、ID発信器245、ID発信器246の取付け位置が示されている。
【0053】
ここで、さらに、図27および図28を参照して、ID発信器224、ID発信器245、ID発信器246の各基板への取付け状況を説明する。図27は、画像表示制御基板216、電飾基板64、賞球基板69の断面図であり、図28は、さらにその別実施形態を示す図である。なお、これら図27、図28は、括弧書きに示すように、図22の説明で後述する遊技制御基板87aの別実施形態を示す断面図としても参照される。
【0054】
まず、図27を参照して、画像表示制御基板216、電飾基板64、賞球基板69は、表面および裏面にプリント配線187dの施されたプリント配線基板であって、基板裏面部187bの上に中間層にあたる電源プリント層187cが積層され、電源プリント層187c上にID発信器224、ID発信器245、またはID発信器246が載置され、さらにその上部からICチップ格納部187の形成された基板表面部187aが積層されて形成された多層構造から成る。ID発信器224,245,246は、画像表示制御基板216、電飾基板64、賞球基板69の製造の段階で、基板表面部187aと基板裏面部187bとの間に電源プリント層187cを介在させて作成されているために、不正を企てる第三者が外部からID発信器224,245,246に手を加えにくくなる。このため、ID発信器224,245,246が不正改造などされることを極力防止できる。
【0055】
これらID発信器224,245,246およびミドルプレート310に埋め込まれたID発信器235は、ID発信器240と同様に、たとえば非接触型のICカ-ド内に埋め込まれて使用されるICチップと同種のICチップで構成されている。それぞれのメモリ(EEPROM)内には、たとえば、パチンコ遊技機1に対応するミドルプレート310、画像表示制御基板216、電飾基板64、賞球基板69の種類をそれぞれ識別可能な識別情報(IDコード)が記憶されている。このIDコードは、ID発信器240と同様に秘密に管理され、各パチンコ遊技機1に対応してその外部に配設されたID識別装置250(図18参照)からの送信要求に応じて内部に記憶されているIDコードをID識別装置250へ送信する。このIDコードを確認することにより、画像表示制御基板216、電飾基板64、賞球基板69の不正なすり替え行為の有無を容易に判断可能となる。
【0056】
次に図28を参照して、別実施形態について説明する。この別実施形態では、ID発信器224,245,246がそれぞれ、画像表示制御基板216、電飾基板64、賞球基板69の表面(基板表面部187aの表面)に貼設され、ID発信器224,245,246が各基板から容易に取り外されてしまうのを防止するためにID発信器224,245,246の上から基板種類名の記載された基板名シール188が強力に貼付されている。この別実施形態によれば、図27に示した構成に比較して、ID発信器224,245,246をそれぞれ画像表示制御基板216、電飾基板64、賞球基板69へ取付けることが容易となる。このため、実施化が容易である。なお、基板名シール188としては剥離困難なものを用いて、さらに基板名シール188を無理に剥がした場合には、ID発信器224,245,246が破壊されてしまうように構成するのが望ましい。
【0057】
次に、図3?図9を参照して、遊技制御基板87aと遊技制御基板ボックス87bの構成について説明する。
【0058】
まず、遊技制御基板87aは、図7に示すように、長方形状のプリント配線基板によって構成されており、その上面の大部分はROMなどの電子部品142を実装する電子部品実装領域として形成される一方、幅方向一側の領域がコネクタ88を実装する領域として形成されている。また、遊技制御基板87aには、幅方向一側の両端に止め穴143が穿設される一方、幅方向他側の両端には係合穴144が穿設されている。なお、遊技制御基板87aの上面および下面における止め穴143の外周には、図示しないメッキ部が設けられている。
【0059】
次に、遊技制御基板ボックス87bは、遊技制御基板87aを内部に収容するボックス本体110(図7参照)と、該ボックス本体110の蓋をするための蓋体90(図4参照)との組付け体からなり、この組付け体が取付台150(図3参照)を介して機構板53(図2参照)に取付けられる。
【0060】
さらに、蓋体90は、図4に示すように、透視性を有する上板92と、金属製の蓋枠96と、透視性および導電性を有する導電板100とから構成されており、ボックス本体110は、図7に示すように、透視性を有する底板111と、金属製の本体枠99とから構成されている。
【0061】
まず、蓋体90について説明する。蓋体90の一部を構成する上板92は、たとえばポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリエチレンなどの樹脂を主材料として構成された透明合成樹脂の長方形板からなる。この長方形板は、複数種類あるいは単一種類の樹脂を複数積層させて形成されており、その内部層間には、ID発信器231(図8参照)が設けられている。ここで、ID発信器231の取付け状況を説明するための断面図を図29に示し、さらにその別実施形態を図30に示す。
【0062】
まず、図29を参照して、上板92は、上板表面部92a、静電気の発生による遊技制御用CPUの誤動作を防止することを目的として設けられる静電気防護メッシュ92c、上板裏面部92bが順次積層されて形成された多層構造から成る。なお、各層間は上板92の透明性を阻害しない所定の接着剤で接着されている。ID発信器231は、電気防護メッシュ92cを介して、上板表面部92aに形成されたICチップ格納部92dと上板裏面部92bとで挟み込まれるようにして上板92内部に設けられている。
【0063】
このID発信器231は、図1に示したID発信器240と同様のICチップで構成されている。ID発信器231のメモリ(EEPROM)内には、たとえば、遊技制御基板ボックス87bが設けられたパチンコ遊技機1に対応する遊技制御基板87aの種類を識別可能な識別情報(IDコード)が記憶されており、ID発信器240と同様、秘密に管理されている。このID発信器231は、ID発信器240と同様に、各パチンコ遊技機1に対応してその外部に配設されたID識別装置250(図18参照)からの送信要求に応じて内部に記憶されているIDコードをID識別装置250へ送信する。このIDコードを確認することにより、遊技制御基板87aが遊技制御基板ボックス87bごと不正改造されたものとすり替えられているか否かを容易に判断可能となる。また、ID発信器231は上板92の透明性により外部から視認可能であるために、不正なすり替え行為そのものを抑止することができる。さらに、ID発信器231は上板92を構成する樹脂層間に設けられて上板92の製造の段階で、上板表面部92aと上板裏面部92bとの間に静電気防護メッシュ92cを介在させて加熱し圧着しているために、不正を企てる第三者が外部からID発信器231に手を加えにくくなる。このため、ID発信器231が不正改造などされることを極力防止できる。
【0064】
次に図30を参照して、別実施形態について説明する。この別実施形態では、ID発信器231が上板92の表面(上板表面部92a)に貼設され、ID発信器231が容易に取り外されてしまうのを防止するためにID発信器231の上から基板名シール226が強力に貼付されている。基板名シールには、遊技制御基板87aの基板種類名が記載されている。
【0065】
この別実施形態によれば、図29に示した構成に比較して、ID発信器231の上板92への取付けが容易となる。このため、実施化が容易である。なお、基板名シール226としては剥離困難なものを用いて、さらに基板名シール226を無理に剥がした場合には、ID発信器231が破壊されてしまうように構成するのが望ましい。
【0066】
次に、図4を参照して、上板92の下面側の外周端部には、上板92と蓋枠90と導電板100とを組付けるための溶着突起92eが所定間隔をおいて複数突設されている。また、上板92の長手方向の両端側には、複数の取付片部80a?80cが並設されている。この取付片部80a?80cは、ボックス本体110(図7参照)と蓋体90とを非可逆的に固着するためのものである。取付片部80a?80cは、各々、上板92の側壁を構成する部分と、上板92の上壁を構成する部分とを有した断面L字状をなし、上板92の側壁構成部分においては、各取付片部分80a?80c間を連結する連結部94a?94cが一体成形され、上板92の上壁構成部分においては、各取付片部80a?80c間を連結する連結部93a?93c(図8参照)が一体成形されている。なお、各取付片部80a?80c間には、スリット状の溝が形成されており、連結部93a?93c、94a?94cは、取付片部80a?80cの外壁面から突出した状態で設けられている(図9参照)。また、図4および図8に示すように、取付片部80a?80cの上壁構成部分には、それぞれ取付穴95a?95cが穿設されており、取付片部80cの隣接部でありかつ上板92の幅方向一側の両端隅角部には、取付穴95dが穿設されている。さらに上板92の上面には、凹部97aおよび凹部98aが形成されており、凹部97aには、パチンコ遊技機1の機種名を記した機種名シール97bが貼着され、凹部98aには、遊技制御基板ボックス87bを交換した際に書込む「交換者」,「交換日」の各項目を記した交換履歴シール98bが貼着されている。機種名シール97bと交換履歴シール98bの詳細な構成を図8に示す。
【0067】
なお、上記した各取付穴95a?95dの上方部分は、ボックス本体110との組付け状態で組付け用のビスを蓋枠96の外壁面に入り込ませるような凹型状をなしている(図9(A)参照)。このため、ビスの頭部を切断してビス止めを解除する不正行為が防止できる。また、各連結部93a?93c、94a?94cには、それぞれ遊技制御基板ボックス87bの開放手順を遊技場係員などに示唆するための刻印「1?3」が施されている(図8、図12参照)。具体的には、取付片部80aに対応する連結部93a,94aには「1」の刻印が施され、取付片部80bに対応する連結部93b,94bには「2」の刻印が施され、取付片部80cに対応する連結部93c,94cには「3」の刻印が施されている。遊技場の係員などは、これらの刻印にしたがって連結部93a?93c、94a?94cを切断し、遊技制御基板ボックス87bを開放する。開放手順については後述する。
【0068】
次に蓋枠96について説明する。蓋枠96は開口部107を有し、該開口部107以外となる残りの上面領域には、上板92側の複数の溶着突起92eを個々に挿通する挿通穴106が複数穿設されている。また、蓋枠96の外周縁部には、全周にわたって側壁が垂下形状されている。蓋枠96の長手方向両端の側壁は、ボックス本体110との組付け状態で後述する取付片130(図9参照)の先端部分と当接する当接壁108(図9参照)として形成されている。蓋枠96の幅方向一側の側壁は、遊技制御基板ボックス87b内に収容される遊技制御基板87aの電子部品実装領域とコネクタ実装領域とを蓋枠96の内外に仕切る仕切り壁として形成されている。
【0069】
次に導電板100について説明する。導電板100は、上板92と同様に透明合成樹脂の長方形板からなり、その上面側には黒色塗装を施した導電性繊維101が全域に接合して設けられている。導電板100の外周端部には、蓋枠96に穿設された穿設穴106と同様に、上板92側の溶着突起92eを個々に挿通する挿通穴102が複数穿設されている。ここで、導電性繊維について簡単に説明すると、導電性繊維には、大きく分けて金属製(銅、黄銅、ニッケル、アルミニウムなど)のフィラメントを網状に織ったものと、合成繊維に導電性粒子(銅、カーボンなど)を塗布または含浸させたものとがあり、いずれの種類の導電性繊維においても、電磁シールド効果および光線透過率の見地から、50?250メッシュ(特に、100?200メッシュが良い)程度で、その開口率10?90%(特に、30?80%が良い)であることが望ましい。そして、メッシュという構造上、どうしても透視性が悪くなるが、本実施形態では、これを抑制するために、導電性繊維101を金属色を避けた濃色(実施形態では、黒色)にすることで透視性を向上させている。
【0070】
なお、本実施形態では、透明合成樹脂板に導電性繊維101を接合することで導電板100を構成しているが、導電板の構成はこれに限定するものではなく、透明合成樹脂板に導電性繊維を埋設して導電板(俗にCRTフィルタなどとも言う)を構成してもよい。この場合、その透明合成樹脂板を濃色とすることにより透視性を向上させることができる。また、透明導電層の形成によって導電板を構成してもよい。この透明導電層について簡単に説明すると、透明導電層は、金、白金、銀、アルミニウム、ニッケル、バラジウム、錫、あるいはアンチモンなどの金属や酸化インジウムあるいは酸化錫などの金属酸化物、またはこれらの混合物を真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの手法により導電性と透視性とを有する厚みの層として樹脂材などの表面に形成されるものである。
次に図5および図6を参照して、溶着突起92eによる蓋体90の組付け手順について説明する。図5は、蓋体90の断面図であり、図6は、蓋体90の裏面図(導電板100側からみた平面図)である。蓋体90は、図5および図6に示すように、蓋枠96の挿通穴106および導電板100の挿通穴102を挿通した上板92の溶着突起92eが超音波溶着されることで、上板92、蓋枠96、および導電板100の組付け体として構成される。また、このような溶着突起92eの溶着により、導電板100の導電性繊維101は、蓋枠96と確実に導通される。なお、溶着突起92eの溶着において、上板92(溶着突起92e)と導電板100とを同一素材で形成した場合には、溶着突起92eの溶着部分が導電板100に混じり合い、より一層強固な溶着が可能になる。また、蓋体90の組付け方法は、超音波溶着以外にも熱溶着したり、溶剤または接着剤を用いてもよい。また、このような蓋体90の組付け状態において、上板92の上面と蓋枠96の側面との間には、長方形状のホログラムシール104(図8参照)が貼着され、これによって蓋体90の組付け状態が担保されるようになっている。
【0071】
次に、図7を参照して、ボックス本体110について説明する。ボックス本体110は、前述したように、底板111と、本体枠99とから構成されている。
【0072】
まず、底板111は、透明合成樹脂の長方形板からなり、その上面部には、遊技制御基板87aの下面を支承するためのフランジ片112が四隅近傍部および幅方向両端の中央部に立設されている。なお、幅方向一側の二隅近傍部に立設されたフランジ片112には、後述する係合片124との干渉を逃がすためのスリット部113が形成されている。一方、幅方向他側の二隅近傍部に立設されたフランジ片112の近傍には、後述する取付片122を貫通する貫通穴114が穿設されている。また、長手方向一側のほぼ中央部には、切欠き部115が穿設されている。この切欠き部115は、遊技制御基板ボックス87bを取付台150に取付けた状態で係合突起154(図3参照)との干渉を逃がすための切欠きである。
【0073】
次に本体枠99について説明する。本体枠99は、下面に開口部117を有するとともに、その外周縁部には全周にわたって側壁を有する形状となっている。開口部117の内周縁部には、その幅方向両側に断面L字状をなす係合片118が所定の条設長さで形成され、内周縁部の長手方向一側には、係止穴120を穿設した係止片119が形成されている。また、開口部117以外となる残りの下面領域には、複数の軽減穴121が穿設されている。下面領域における幅方向一側の両端には、取付穴123を穿設した取付片122が形成され、下面領域における幅方向他側の両端には、係合突起125を備えた係合片124が形成されている。また、係合片118は、後述する取付台150への取付時に取付台150側の係合レール151(図3参照)と係合しやすいように先端部分が若干下方に折曲されている。
【0074】
また、本体枠99の幅方向一側壁には、複数の放熱穴128が穿設されている。本体枠99の幅方向の両側壁には、その長手方向の両端部に補強片129が延設されている。この補強片129は、延設部分から内向側に折曲されることで本体枠99の長手方向両側壁を内側から押さえ、本体枠99の強度を向上するようになっている。また、側壁間の隙間を塞ぐので、側壁間を広げて不正に改造されてしまうことが防止される。なお、このような補強片129は、本体枠99に限らず蓋枠96(図4参照)側に設けてもよい。本体枠99の長手方向の両側壁の上端部分は、内向側に折曲された取付片130として形成されており、取付片130には、蓋体90(図4参照)側の取付穴95a?95dと個々に対応する取付穴131?134が穿設されている。取付穴132?134の近傍には、それぞれ装備用のワンウェイねじ145を挿通状態で装備しておく装備穴135?137が穿設されている。
【0075】
蓋体90およびボックス本体110は、以下に示す組付けによって遊技制御基板87aを収容した遊技制御基板ボックス87bとして構成される。まず、遊技制御基板87aと底板111とを重畳して本体枠99に装着し、遊技制御基板87aの係合穴144に係合片124の係合突起125を挿通する。次に、遊技制御基板87aの止め穴143を取付片122の取付穴123にビス139で共締めする。これにより、遊技制御基板87aが底板111を挟んで本体枠99にビス止めされた状態となる。なお、このような遊技制御基板87aの取付固定において、止め穴143と取付穴123との穴位置を合わせる際、遊技制御基板87aが若干ずれることで係合突起125と係合穴144とが係合し、ビス止めされない遊技制御基板87aの幅方向一側も固定される。
【0076】
次に、上面が開放しているボックス本体110に蓋体90を被せる。そして、図4および図7に示すA・B方向において、取付片部80aの取付穴95aを本体枠99の取付穴131にワンウェイねじ140で止め(図9(A)参照)、そのワンウェイねじ140止め部分を長方形状のホログラムシール105で封印する。これにより、蓋体90とボックス本体110との内部空間に遊技制御基板87aを封止状態で収容した組付け体(遊技制御基板ボックス87b)が構成される。
【0077】
また、蓋体90とボックス本体110との組付け状態において、各装備穴135?137(図7参照)に挿通されたワンウェイねじ140は、図9(B)に示すように、その上方から蓋体90が覆い被さるようにして取付けられることで、装備穴135?137からはずれることなく遊技制御基板ボックス87b内に収容されている。すなわち、このような収容状態で、蓋体90の各取付片部80b、80cおよび取付穴95d近傍の上壁面が個々にワンウェイねじ140の飛び出しを阻止している。なお、ワンウェイねじ140の装備方法は、実施形態中に記載のものに限定しない。たとえば、遊技制御基板ボックス87bの組付け状態で、ワンウェイねじ140の頭部を蓋体90(取付片部など)によって完全に押さえ込む構成としたり、あるいはワンウェイねじ140の径と装備穴135?137の径をほぼ同じ構成としてもよい。このような構成とした場合には、遊技制御基板ボックス87bの閉塞状態で、装備されたワンウェイねじ140のがたつきを抑えることができる。
【0078】
ここで、図10および図11を参照して、ワンウェイねじ140について説明する。図10(A)は、ワンウェイねじ140の平面図であり、図10(B)は、ワンウェイねじ140の斜視図である。また、図11(A)は、ワンウェイねじ用特殊ドライバをその先端側から見た平面図であり、図11(B)は、ワンウェイねじ用特殊ドライバを図示a方向から見た一部平面図である。
【0079】
ワンウェイねじ140は、ねじ締め方向にしか回らない特殊なねじであり、一旦締めつけるとねじを破壊しない限り取外すことができない。具体的には、図10(A),(B)に示すように、その頭部141に設けられたねじ溝が当接面部142と凹部143と中心穴部144とから構成されている。そして、図11(A),(B)に示す特殊マイナスドライバ145でねじ締めを行なう場合には、ドライバ145の中心軸部146を中心穴部144に差込み、この状態からドライバ145の当接片部147を当接面部142に当接させて一方向(図10(A)の時計回り方向)に頭部141を回転させることでネジ締めを行なう。一方、ドライバ145で頭部141を他方向(図10(A)の反時計回り方向)に回転させてねじ140を取外そうとした場合には、ドライバ145が凹部143に入り込んで滑ってしまい頭部141を回転させることができずにねじ140の取外しが行なえない。なお、通常のマイナスドライバでも頭部141を一方向に回転させてねじ140を締めることは可能であるが、特殊マイナスドライバ145のように、中心軸部146をワンウェイねじ140の中心穴部144に差し込んでワンウェイねじ140との位置決めを行なった方が締付け作業が容易に行なえる。
【0080】
また、上記した蓋体90およびボックス本体110の組付けを行なうワンウェイねじ140は、螺着状態で蓋枠96の外壁面に入り込む構成となっている。このため、ワンウェイねじ140の止め部分を封印するホログラムシール105は、突起のない平坦面上に貼付され、ホログラムシール105の剥がれおよび損傷が防止できるとともに、ホログラムシール105に対する不正行為の判別が容易になる。ホログラムシールは、ホログラム層と光反射層と接着剤層とを備え、ホログラム層に形成されるホログラム図柄を偽造困難な図柄に構成することで、不正行為に伴うシールの貼替えを防止するようになっている。このホログラム図柄は、ホログラムシールの表面に入射したコヒーレント光(レーザ光)がホログラム層のエンボス面を透かして光反射層に入り、光反射層からホログラム干渉光としてホログラムシールの外側に反射されることで形成される。また、ホログラムシールを剥がした場合は、もう一度貼り直してもホログラム図柄は元の形状にならないので、剥がした痕跡が残る。
【0081】
以上のように、遊技制御基板ボックス87bは、蓋体90とボックス本体110とのワンウェイねじ140止め部分をホログラムシール105で封印することにより、遊技制御基板87aの被覆状態を担保している。また、遊技制御基板ボックス87b内に設けられた導電板100によって電磁シールド効果を奏し得るようになっている。さらに、遊技制御基板ボックス87bは、その上壁面を構成する上板92と導電板100、および下壁面を構成する底板111をそれぞれ透視性を有する素材から形成することで、遊技制御基板87aの実装面(上面)およびハンダ面(下面)を外部から透視できるようにしている。このため、遊技制御基板87aに不正な工作(たとえば、ジャンパー配線を接続したり、電子部品を実装したりする不正工作)が施された場合には、直ちにその不正工作がわかるようになっている。
【0082】
次に、遊技制御基板ボックス87bを機構板53に取付けるための取付台150について図3を参照して説明する。取付台150は、図3に示すように、合成樹脂(金属でもよい)によって形成された長方形板からなり、その基板中央には断面逆L字状をなす1対の係合レール151が所定間隔をおいて条設されている。なお、係合レール151の条設方向は、取付台150の長辺部に沿った左右方向となっている。取付台150の各長辺部(前後端縁)には、基板面に対して直交するガイド面152が突設されている。取付台150の右側端部には、弾性変形する解除レバー153が形成されており、解除レバー153の近傍には、ボックス本体110側の係止穴120と係合する係合突起154が穿設されている。また、取付台150の基板面には、機構板53側の取付ボス(図示しない)に取付台150をビス止めするための止め穴155が穿設されている。
【0083】
取付台150は、止め穴155を介して機構板53にビス止めされることで機構板53上の所定部位に取付けられる。また、この取付台150に遊技制御基板ボックス87bを取付けるときには、取付台150に対して遊技制御基板ボックス87bを左側方からスライド装着させる。このとき、取付台150側の係合レール151は、遊技制御基板ボックス87b側の係合片118(図7参照)と係合した状態にあり、ガイド片152は、遊技制御基板ボックス87bのスライド移動を案内する。その後、このような遊技制御基板ボックス87bのスライド移動によって取付台150側の解除レバー153が下方に弾性変形し、ついには、遊技制御基板ボックス87b側の係止穴120が取付台150側の係合突起154と係合して遊技制御基板ボックス87bが装着される。
【0084】
次に、図12を参照して、遊技制御基板ボックス87bを遊技制御基板87aの検査(出荷納入後にROMが正規のものが否かを検査する)のために開放し、その後再度閉塞状態に復元する手順を説明する。まず、図12(A)に示す遊技制御基板ボックス87bの閉塞状態において、取付片部80aのワンウェイねじ140止め部分に貼着されたホログラムシール105を剥がした後、刻印「1」を目印に各連結部93a、94aをニッパーなどの切断工具で切断する。すると、取付片部80aは、ワンウェイねじ140によってボックス本体110に固着された状態のまま、蓋体90から完全に分離される。これにより、ボックス本体110に対する蓋体90の固着がすべて解除されて、遊技制御基板ボックス87bの開放が可能になる。そして、図12(B)に示すように、ボックス本体110から蓋体90を取外して遊技制御基板87bの検査を行なう。また、このような蓋体90の取外し(連結部94a、93aの切断)によって、各装備穴135?137に挿通されたワンウェイねじ140は、取出し可能な状態となり、このうち装備穴135に挿通されたワンウェイねじ140を遊技制御基板ボックス87bの復元用に取出す。その後、遊技制御基板ボックス87bを閉塞するときには、図12(C)に示すように、蓋体90をボックス本体110に被せた状態で、取出したワンウェイねじ140を刻印「2」を目印に取付片部80bの取付穴95bに螺着する。これにより、取付片部80bの取付穴95bとこれに対応する本体枠99の取付穴132とがワンウェイねじ140によって共締めされて、蓋体90とボックス本体110とが非可逆的な固着状態となる。そして、この取付片部80bのワンウェイねじ140止め部分に新しいホログラムシール105を貼着することで、遊技制御基板ボックス87bが再度閉塞状態に復元される。
【0085】
その後、遊技制御基板ボックス87bを再度検査(2回目の検査)する際には、刻印「2」を目印に各連結部93b、94bを切断する。これにより、取付片部80bを蓋体90から分離させて遊技制御基板ボックス87bを開放する。後は同様に、各連結部93b、94bの切断に伴って取出したワンウェイねじ140(装備穴136のワンウェイねじ140)を刻印「3」を目印に取付片部80cの取付穴95cに螺着して新しいホログラムシール105を貼着する。これにより、遊技制御基板ボックス87bが再度閉塞状態に復元される。それ以降、遊技制御基板ボックス87bを検査(3回目の検査)する場合には、刻印「3」を目印に各連結部93c、94cを切断することで、取付片部80cを蓋体90から分離させて遊技制御基板ボックス87bを開放する。また、遊技制御基板ボックス87bの復元時には、各連結部93c、94cの切断に伴って取出したワンウェイねじ140(装備穴137のワンウェイねじ140)を最後に残った取付穴95dに螺着して新しいホログラムシール105を貼着する。
【0086】
ところで、上記した遊技制御基板ボックス87bの閉塞状態においては、連結部93a?93c、94a?94cを切断して取付片部80a?80cと上板92(図4参照)との連結を解除しない限り、遊技制御基板ボックス87bが開放できないようになっている。したがって、遊技制御基板87の検査以外で連結部94a?94c、93a?93cが切断されるような場合は、この切断により遊技制御基板87に不正が行なわれたことが即座にかつ確実に判別できるため、遊技制御基板ボックス87bの防犯効果を高めることができる。また、遊技制御基板ボックス87bの構成では、上板92の溶着突起92eを切り離しても、導電板100が遊技制御基板87a上に落ち込むため、溶着突起92eを切り離した隙間から遊技制御基板87aに細工をしようとしても導電板100がそれを阻止する。また、ホログラムシール105を剥がした場合には、ホログラムシール105の痕跡がしっかりと残るため不正が行なわれたことが即座にわかる。
【0087】
次に、パチンコ遊技機1の制御に用いられる制御回路について説明する。図13および図14は、遊技制御基板87aに設けられた各種制御回路の構成を示すブロック図である。
【0088】
図13および図14を参照して、制御回路は、基本回路200、アドレスデコード回路201、入力回路202、LED回路203、情報出力回路204、初期リセット回路205、定期リセット回路206、電飾信号回路207、ソレノイド回路208、設定スイッチ209、CRT回路210、賞球個数信号出力回路211、ランプ回路212、音声合成回路213、音量増幅回路214、電源回路215を含む。
【0089】
基本回路200は、遊技制御プログラムに従ってパチンコ遊技機1の各種機器を制御する。基本回路200の内部には、マイクロコンピュータ(マイコン)200aが設けられている。マイクロコンピュータ200aには、遊技制御プログラムを記憶しているROM200c(Read Only Memory)、遊技制御プログラムに従って制御動作を行なうためのCPU(Central Processing Unit)200b、CPUのワーク用メモリとして機能するRAM(Random Access Memory)200d、その他図示を省略するがI/O(Input/Output)ポート、クロック発生回路などが設けられている。
【0090】
入力回路202は、始動口9に始動入賞した打玉を検出するための始動玉検出器9aと、可変入賞球装置10の特定入賞領域に入賞した打玉を検出するための特定球検出スイッチ61cと、可変入賞球装置10の大入賞口に入賞した打玉を検出するための球数検出スイッチ61bと、普通図柄始動ゲート23を通過した打玉を検出するための通過球検出器23aとそれぞれ接続される。入力回路202は、始動玉検出器9aから出力される始動入賞信号など、各検出器から出力される検出信号を基本回路200へ送信する。
【0091】
さらに入力回路202には、入賞玉処理装置72(図2参照)から当たり玉信号A,Bが入力される。この当たり玉信号A,Bは、入賞玉処理装置72で入賞玉が検出されることに基づいて出力される信号である。このパチンコ遊技機1では、パチンコ玉の入賞位置に応じて払出される景品玉数が2種類定められているために、払出すべき景品玉数を特定するために当たり玉信号がそれぞれA,Bの2種類定められている。入力回路202は、当たり玉信号A,Bを基本回路200へ出力する。
【0092】
LED回路203には、普通図柄表示器17の個数表示LED63、始動記憶表示器6のLED、普通図柄表示器17の普通図柄を表示するためのLED、通過記憶表示器18のLEDと接続される。LED回路203は、基本回路200から出力される制御信号に応じて、上記各LEDの点灯状態を制御する。
【0093】
初期リセット回路205は、電源投入時に基本回路200をリセットするための回路である。初期リセット回路205から送られてきた初期リセットパルスに応答して、基本回路200はパチンコ遊技機1を初期化する。
【0094】
定期リセット回路206は、基本回路200に対し、定期的(たとえば2msecごと)にリセットパルスを与え、ROM200cに記憶されている遊技制御プログラムを先頭から繰返し実行させるための回路である。
【0095】
この種のパチンコ遊技機1では、大当たりを発生させるか否かの判定を基本回路200のRAM200d内に構成された大当たり判定用カウンタのカウンタ値により定めている。この大当たり判定用カウンタのカウンタ値は、定期リセット回路206からリセットパルスが与えられるごと(たとえば2msecごと)に所定値範囲内で繰返し更新されている。基本回路200は、入力回路202から始動入賞信号が入力されてきたタイミングで大当たり判定用カウンタのカウンタ値を参照してそのカウンタ値が予め定められている当たり判定値であるか否かを判定し、当たり判定値である場合には、大当たりを発生させることを事前決定する。
【0096】
ソレノイド回路208は、始動口9の可動片20を駆動するためのソレノイド20a、および可変入賞球装置10の開閉板61を駆動するためのソレノイド61aを制御するための回路である。ソレノイド回路208は、基本回路200から出力される制御信号に応答して、所定のタイミングでソレノイド20aおよびソレノイド61aを作動させる。
【0097】
アドレスデコード回路201は、基本回路200内のマイクロコンピュータ200aから送られてきたアドレス信号をデコードし、マイクロコンピュータ200a内部に含まれるROM200c、RAM200dなどのいずれか1つを選択するための信号を出力する回路である。
【0098】
情報出力回路204は、基本回路200から与えられるデータ信号に基づいて、大当たり情報や図柄確定情報、確率変動情報などの各種遊技情報をホストコンピュータであるホール用管理コンピュータなどに対して出力する。ここで、大当たり情報とは、大当たりの発生を示すための情報であり、図柄確定情報とは、始動口9または15に入賞した打玉の入賞個数のうち実際に可変表示装置4における図柄の可変表示の始動に使用された個数を示すための情報であり、確率変動情報とは、高確率状態(確率向上状態)の発生に関する情報である。
【0099】
設定スイッチ209は、大当たり確率を設定するためのスイッチである。
電飾信号回路207は、遊技機に設けられた複数種類の電飾の点灯状態を制御する電飾基板64(図16参照)へランプ制御データD0?D3を送信する。ランプ制御データD0?D3は、電飾の点灯状態を制御するためのデータであり、大当たり時、あるいは高確率状態などにおける電飾の点灯状態を指定する。なお、ランプ制御データコモンは共通線信号である。
【0100】
CRT回路210は、基本回路200から出力される制御信号に従って、CRT表示機(可変表示装置)4を駆動制御するための回路である。CRT回路210からCRT表示機4に送信される信号の中には、コマンド信号としてのCD0?CD7と、表示制御通信トリガ信号(割込信号)であるINTとが含まれる。さらに、CRT回路210とCRT表示機4とを接続する信号線には、電源供給のための+5V線と、+12V線と、グランド信号線であるGND線とがある。基本回路200は、定期リセット回路206からの定期リセット信号が入力されたタイミングでCRT回路210を介してCRT表示機4の画像表示制御基板(サブ基板)216(図15参照)へ、割込信号(INT)と画像表示制御信号(コマンド信号CD0?CD7)とを出力する。
【0101】
ランプ回路212は、枠ランプ22と接続される。ランプ回路212は、基本回路200から出力される制御信号に応じて、上記各ランプの点灯状態を制御する。
【0102】
電源回路215は、AC24Vの交流電源に接続され、+30V、+21V、+12V、+5Vの複数種類の直流電圧を各回路に供給するための回路である。なお、電源回路215から発生される+30Vの直流電圧はCRT表示機4へ出力される。
【0103】
音声合成回路213は、基本回路200から出力される音声発生指令信号に応じて効果音データを合成し、合成した効果音データを音量増幅回路214に与える。音量増幅回路214は、効果音を増幅して電飾基板64(図16参照)へ出力する。
【0104】
基本回路200は、当たり玉信号の種類(A,B)に応じて払出すべき景品玉の個数データである賞球個数データを賞球個数信号出力回路211に出力する。賞球個数信号出力回路211は、これに応じて、払出すべき賞球数を特定するための賞球個数信号0?3を賞球基板69(図17参照)へ出力する。なお、賞球個数信号コモンは共通線信号である。
【0105】
図15は、画像表示制御基板(サブ基板)216に形成された回路の構成を示すブロック図である。画像表示制御基板216は、遊技制御基板(コントロール基板)87aからの制御信号に応じて可変表示装置4の表示状態を制御する。
【0106】
画像表示制御基板216には、CRTコントロール回路217、VDP(Video Display Processor)218、リセット回路219、発振回路220、VRAM221、キャラクタROM222、ID発信器224、DA変換回路225が設けられている。
【0107】
前述した通り、この種のパチンコ遊技機1では、基本回路200に始動入賞信号が入力されてきたタイミングで大当たり判定用カウンタのカウンタ値を参照して当たり判定である場合には大当たりを発生させることを事前決定している。しかしながら、近年、このような動作制御を悪用して画像表示制御基板216を不正改造されたものとすり替え、大当たりを確実に発生させてしまうという不正行為が多発している。この不正改造の原理は次のようなものである。
【0108】
遊技制御基板87a内の大当たり判定用カウンタのカウンタ値は、定期リセット信号が入力されるごとに周期的に更新されている。一方、遊技制御基板87aの基本回路200に定期リセット信号が入力されれば、そのタイミングで基本回路200は画像表示制御基板216に割込信号(INT)と画像表示制御信号(コマンド信号CD0?CD7)とを出力している。したがって、画像表示制御基板216側に入力される割込信号(INT)を捕捉すれば、大当たり判定用カウンタの更新タイミングを把握可能である。そこで画像表示制御基板216に大当たり判定用カウンタと同じカウンタを設け、画像表示制御基板216側に割込信号(INT)が入力されるタイミングでそのカウンタを更新してやることにより、画像表示制御基板216側で遊技制御基板87a側の大当たり判定用カウンタと同周期でそのカウンタを更新させることが可能となる。さらに、遊技制御基板87aの入力回路202(図13参照)に直接入力されるはずの始動入賞信号を画像表示制御基板216に入力されるように加工し、画像表示制御基板216に始動入賞信号が入力された時点から画像表示制御基板216側に設けたカウンタが当たり判定値となるのを待って始動入賞信号を遊技制御基板87aの入力回路202に入力してやれば、遊技制御基板87aでは、大当たり判定用カウンタのカウンタ値が当たり判定値であるタイミングで始動入賞信号が入力される結果となり、大当たりを発生させることが事前決定されることになる。
【0109】
上記原理に基づき、大当たり判定用カウンタが当たり判定値となるタイミングで始動入賞信号を遊技制御基板87aへ入力する信号加工機なるものを製造し、これを画像表示制御基板に設けた不正基板を正規の画像表示制御基板216とすり替える行為が行なわれているのである。この信号加工機には、大当たり判定用カウンタと同じカウンタ値範囲で更新されるカウンタが記憶されており、割込信号(INT)が入力される割込信号入力部、始動球検出器9aと入力回路202との間に介在して始動球検出器9aからの始動入賞信号が入力される始動入賞信号入力部、始動入賞信号を入力回路202に出力するための始動入賞信号出力部、割込信号(INT)の入力ごとにカウンタを更新し、始動入賞信号入力部に始動入賞信号が入力された後カウンタ値が当たり判定値に更新されたタイミングで始動入賞信号を始動入賞信号出力部から出力させる制御部が設けられている。
【0110】
このような不正行為を防止するべく、本実施形態のパチンコ遊技機1には、ID発信器224が画像表示制御基板216上に設けられている。ID発信器224は、CRTコントロール回路217から独立した制御動作を行ない、図2の説明で前述した通り、ID識別装置250(図18参照)からの送信要求に応じて内部に記憶されているIDコードをID識別装置250へ送信する。ID発信器224の画像表示制御基板216への取付け状況は、図27あるいは図28を用いて前述した通りである。
【0111】
CRTコントロール回路217は、図13、図14に示した回路が形成されている遊技制御基板(コントロール基板)87aと接続されている。CRTコントロール回路217は、遊技制御基板87aから画像表示のためのコマンドデータCD0?CD7、INT信号を定期的に受ける。さらに、CRTコントロール回路217は、+12Vおよび+5Vの2種類の電源電圧の供給を受ける。また、画像表示制御基板216は、遊技制御基板87aから延びるGND線により接地されている。
【0112】
CRTコントロール回路217は、受信したコマンドデータCD0?CD7に応答して、画像表示制御基板216に形成された回路全体を制御する。CRTコントロール回路217は、VDP218にアドレス信号、データ信号および制御信号を送り、VDP218とCRTコントロール回路217との間で、データ信号の送受信を行なう。そして、CRTコントロール回路217は、受信したデータに基づいて、画像表示制御基板216に形成された回路全体の制御を行なう。
【0113】
VDP218は、発振回路220から供給されるクロック信号を受けて動作し、リセット回路219から供給されるリセット信号を受けて動作がリセットされる。このVDP218は、CRTコントロール回路217からの制御信号に応答して、画像データを生成する。VDP218は、VRAMアドレス信号、VRAMデータ信号、およびVRAM制御信号などの信号をVRAM221へ送信する。VRAM221からVDP218へは、VRAMデータ信号などの信号が返信される。VDP218は、キャラクタROMアドレス信号、キャラクタROMデータ信号およびキャラクタROM制御信号をキャラクタROM222へ送信する。キャラクタROM222からVDP218へは、キャラクタROMデータ信号などの信号が返信される。
【0114】
VDP218は、CRTコントロール回路217から出力される制御信号に応答して、可変表示部5に表示される画像を構成するための画像データを生成する。VRAM221は、VDP218が生成した画像データを一時的に記憶する。VDP218が生成し、VRAM221に記憶される画像データは、所定数のドットの集合を単位としたキャラクタの識別番号である。
【0115】
画像データには、複数のキャラクタの識別番号が、表示される配置関係に従って含まれている。これをマップデータという。個々のキャラクタの識別番号は、CRTコントロール回路217内に予め記憶されている。可変表示部5に表示される画面を構成するために必要なキャラクタの識別番号がCRTコントロール回路217から読出され、VDP218により、表示画面におけるキャラクタの配置関係を示すためのマップデータとして、VRAM221に記憶される。
【0116】
キャラクタROM222は、キャラクタの識別番号に対応するドットデータを予め記憶している。VDP218は、所定のタイミングでVRAM221からマップデータを読出し、マップデータに含まれる各キャラクタの識別番号に基づいて、各キャラクタのドットデータを読出す。VDP218は、読出したドットデータに基づいて、画像表示信号を生成する。生成された信号は、DA変換回路225によりアナログのRGB(RED,GREEN,BLUE)信号に変換されて表示装置223に入力される。さらにVDP218は、複合同期信号SYNCを表示装置223へ供給する。表示装置223は、送信されてきたRGB信号、複合同期信号SYNCに基づいて、可変表示部5に画像を表示する。なお、表示装置223は、遊技制御基板87aから延びるGND線により接地されている。
【0117】
図16は、電飾基板64に設けられた各種制御回路の構成を示すブロック図である。図16を参照して、制御回路は、基本回路64a、リセット回路64b、スイッチ回路64c、ランプ制御データ入力回路64d、LED信号入力回路64e、LED回路64f、ランプ回路64g、電源回路64h、音量切り替え回路64i、ID発信器245を含む。
【0118】
基本回路200は、その内部に記憶された制御プログラムに従ってパチンコ遊技機1に設けられた各種LEDやランプの点灯状態を制御するとともに、スピーカ81,81への出力音を制御する。
【0119】
リセット回路64bは、電源投入時に基本回路64aをリセットするための回路である。スイッチ回路64cは、パチンコ遊技機1前面に設けられたドアスイッチ266の開放検出信号が入力される回路である。ランプ制御データ入力回路64dは、遊技制御基板87aの電飾信号回路207(図13参照)から出力されたランプ制御データD0?D3が入力される回路である。LED信号入力回路64eは、賞球基板69のLED回路69e(図17参照)から出力された賞球LED信号と球切れLED信号とが入力される回路である。基本回路64aは、LED信号入力回路64eを介してこれらの信号を受信し、LED回路64fへ適宜制御信号を出力する。LED回路64fは、基本回路64aの制御信号に応じて、玉切れLED260、払出LED261、装飾LED262を点灯させるための回路である。ランプ回路64gは、LED回路64fから入力される制御信号に応じて、装飾蛍光灯263,264,265を点灯させるための回路である。電源回路64hは、AC24Vの交流電源に接続され、+30V、+21V、+5Vの複数種類の直流電圧を交流電圧に変圧して各回路に供給するための回路である。音量切り替え回路64iは、遊技制御基板87aの音量増幅回路214(図14参照)から出力されたステレオの音信号(L,R)を入力し、音量を切り換えてスピーカ81,81へ音信号(L,R)を出力する回路である。
【0120】
ID発信器245は、基本回路64aから独立した制御動作を行ない、図2の説明で前述した通り、ID識別装置250(図18参照)からの送信要求に応じて内部に記憶されているIDコードをID識別装置250へ送信する。ID発信器245の電飾基板64への取付け状況は、図27あるいは図28を用いて前述した通りである。
【0121】
図17は、賞球基板69に設けられた各種制御回路などの構成を示すブロック図である。図17を参照して、制御回路は、基本回路69a、リセット回路69b、スイッチ回路69c、ブザーおよびLED回路69d、LED回路69e、エラー表示回路69f、カードリーダ信号回路69g、賞球個数回路69h、センサ回路69i、入賞球信号回路69j、モータ回路69k、ソレノイド回路69l(69エル)、情報および貸出信号回路69m、電源回路69n、ID発信器246を含む。
【0122】
基本回路200は、その内部に記憶された制御プログラムに従ってパチンコ遊技機1に設けられた各種LEDや賞球払出装置59を制御するとともに、プリペイドカードユニット35と制御信号のやりとりを行なって貸玉の貸出しを制御する。
【0123】
リセット回路69bは、電源投入時に基本回路69aをリセットするための回路である。スイッチ回路69cは、入賞球検出スイッチ74、上皿球検出スイッチ268、球切れスイッチ269、満タンスイッチ270、自動玉貸スイッチ271の検出信号が入力される回路である。球切れスイッチ269は、玉整列レール55(図2参照)に設けられており、玉タンク54(図2参照)内の貯留玉がなくなったことを検出する。上皿球検出スイッチ268は、上皿87(図1参照)内部に設けられており、上皿87内の貯留玉がなくなったことを検出する。満タンスイッチ270は、下皿86(図1参照)内部に設けられており、下皿86が貯留玉で満タンになったことを検出する。自動玉貸スイッチ271は、上皿87(図1参照)上部に設けられており、玉貸のモードの変更(自動玉貸モード、手動玉貸モード)を検出する。
【0124】
ブザーおよびLED回路69dは、基本回路69aの制御信号に応じて、ブザー音信号を出力し、または自動玉貸表示LEDに表示信号を出力するための回路である。LED回路69eは、基本回路69aの制御信号に応じて、賞球LED信号と球切れLED信号とを電飾基板64のLED信号入力回路64e(図16参照)へ出力する回路である。エラー表示回路69fは、基本回路69aの制御信号に応じて、エラー表示器273へエラー表示用の信号を出力する回路である。なお、エラー表示器273は、賞球基板69を収容した賞球基板ボックス77に取付けられる。
【0125】
カードリーダ信号回路69gは、基本回路69aの制御信号に応じて、プリペイドカードユニット35との間で制御信号のやり取りを行なう回路である。制御信号には、カードリーダ信号回路69gからプリペイドカードユニット35へ出力されるPRDY(P機動作信号)とEXS(玉貸完了信号)、プリペイドカードユニット35からカードリーダ信号回路69gへ出力されるBRDY(ユニット動作信号)とBRQ(玉貸要求信号)が含まれる。賞球個数回路69hは、遊技制御基板87aの賞球個数信号出力回路211(図14参照)から出力された賞球個数信号0?3が入力される回路である。センサ回路69iは、賞球センサ59aの検出信号が入力される回路である。入賞球信号回路69jは、入賞球検出スイッチ74による入賞球の検出に応じて入賞球信号を遊技制御基板87aへ出力する回路である。
【0126】
モータ回路69kは、基本回路69aの制御信号に応じて、打球モータ71aと賞球払出装置59を駆動する回路である。ソレノイド回路69l(69エル)は、基本回路69aの制御信号に応じて、賞球払出装置59内に設けられた賞球払出し用のソレノイドを励磁させる回路である。情報および貸出信号回路69mは、玉貸スイッチ272の検出信号が入力されるとともに、賞球信号と玉貸信号とを外部出力端子を介してホール管理用コンピュータなどに出力する回路である。電源回路69nは、交流電源に接続され、+30V、+21V、+12V、+5Vの複数種類の直流電圧を各回路に供給するための回路である。
【0127】
ID発信器246は、基本回路69aから独立した制御動作を行ない、図2の説明で前述した通り、ID識別装置250(図18参照)からの送信要求に応じて内部に記憶されているIDコードをID識別装置250へ送信する。ID発信器246の賞球基板69への取付け状況は、図27あるいは図28を用いて前述した通りである。
【0128】
図18は、パチンコ遊技機1、ID識別装置250、管理装置300の接続構成を示すシステムブロック図である。
【0129】
パチンコ遊技機1の裏面には、管理装置300から延びる通信線が敷設されており、この通信線に各パチンコ遊技機1と1対1対応でID識別装置250が接続されている。ID識別装置250は、パチンコ遊技機1の画像表示制御基板216、遊技制御基板ボックス87b、ミドルプレート310、遊技盤3、電飾基板64、賞球基板69それぞれに設けられたID発信器224,231,235,240,245,246(以下、総称してID発信器(IDチップ)230とする)に対して、たとえば所定周波数の電波を周期的にあるいは不定期に発信してそれぞれの内部に記憶されたIDコードの送信を要求する。そして、IDコードが得られればこれを管理装置300に送信する。
管理装置300内には、遊技場内に設置されたすべてのパチンコ遊技機1のIDコードが、たとえば各種基板や遊技盤、ミドルプレート別に記憶されている。管理装置300は、各ID識別装置250へたとえば所定周期ごとにポーリングをかけてIDコードの収集を促す。各ID識別装置250は、たとえば、管理装置300のポーリングに応答して各種ID発信器230からIDコードを収集し、管理装置300へ送信する。管理装置300は、各ID識別装置250から所定のIDコードが送信されてきたか否かを判断する。
【0130】
IDコードが予め定められたものに一致しない場合、もしくは予め定められた待ち時間が経過してもなお、IDコードが送信されてこない場合には、そのIDコードに対応する基板などで不正なすり替え行為が行なわれているものと判断し、その旨を基板などの種類およびパチンコ遊技機1の設置位置とともに記憶し、必要に応じてモニター上に表示し、遊技場管理者などに報知する。なお、ID識別装置250は携帯可能に構成して遊技場係員や第三者管理機関職員が遊技場内を巡回し、パチンコ遊技機1を1台ずつ視認するようにしてもよい。
【0131】
図19は、ID発信器224,231,235,240,245,246として使用されるICチップ(ID発信器)230の構成を説明するためのブロック図である。このICチップ230は、非接触型のICカードに使用されるICチップと同種のICチップであり、質問器の一例となるID識別装置250から受ける1つまたは2つ以上の周波数信号を使用して、電力の供給と情報の送受信とを行なう。なお、この種のICチップとしては、所定周波数の電波を通信媒体として使用するものの他、所定周波数の磁界を通信媒体として使用するものを採用することも考えられる。
【0132】
ICチップ230は、マイクロコンピュータ(マイコン)231、コイルにより構成されているアンテナ233、情報送受信部232、電源部234を含む。マイクロコンピュータ231内には、CPU、制御プログラムの記憶されたROM、RAM,その他IDコードやICチップ230を識別するための固有のアドレスなどを記憶するためのメモリとして機能するEEPROMなどが構成されている。また、情報送受信部232には、同調回路や変復調回路、増幅回路、整流回路などが構成されている。
【0133】
アンテナ233で受信された所定周波数の信号は、情報送受信部232内で整流されて電力が生成され、電源部234に供給される。この電力によりマイクロコンピュータ(マイコン)231、その他の各回路が作動する。さらに、情報送受信部232は、受信信号から電力を生成するとともにデータを増幅・復調し、マイクロコンピュータ231へ出力する。マイクロコンピュータ231は、入力データ内の送信先アドレスとEEPROM内に記憶されているICチップ230固有のアドレスとを照合して、入力データ内の送信先アドレスがEEPROM内に記憶されているアドレスと一致しているか否かを判別する。そして、一致している場合にはEEPROM内に記憶されているIDコードとICチップ230固有のアドレスを情報送受信部232に出力する。情報送受信部232は、これらの情報を変調・増幅し、アンテナ233から出力する。出力された情報は電波により搬送されて対応するID識別装置250で受信されることになる。
【0134】
各ID発信器はこのようなICチップで構成されているために、比較的安価にID発信器を製造できる。また、小型であるために場所も取らず、従来のパチンコ遊技機の設置スペースがあれば十分にこれらID発信器を取付けたパチンコ遊技機を設置可能である。さらに、ID発信器が稼働するための電力は外部に設けられたID識別装置250から出力される電波により供給されるために、ID発信器に電力供給用の配線を施す必要がなく、配線の手間がかからず、パチンコ遊技機1における配線の複雑化を防止できる。また、予め電力の蓄電された電池などを設ける必要がなくなり、ID発信器の一層の小型化を図ることができる。
【0135】
また、各ID発信器は、受信電波中のデータに自身を指定する送信アドレスがあることを条件にIDコードを外部出力しており、所定のID識別装置250からの要求に応じてIDコードを外部出力するために、IDコードがむやみやたらと外部出力されてIDコードが第三者に知られてしまうことを防止できる。
【0136】
図20は、ID識別装置250の構成を説明するためのブロック図である。ID識別装置250は、制御用マイクロコンピュータ(制御用マイコン)250a、管理装置300との間で情報の送受信を行なうための情報送受信部250b、ID発信器114およびID発信器224との間で電波により情報の送受信を行なうためのアンテナを含む情報送受信部250b、操作部250d、表示部250e、電源部250fを含む。
【0137】
制御用マイクロコンピュータ250a内には、図示を省略しているが、CPU、制御プログラムの記憶されたROM、RAM、対応するID発信器を指定するための送信先アドレスの記憶されたEEPROMなどが構成されている。
【0138】
操作部250dを操作することにより、EEPROM内に記憶されている送信先アドレスを変更し、ID識別装置250と対応するパチンコ遊技機1のID発信器230を設定することができる。また、操作部250dを操作することにより、ID識別装置250に対応付けられているパチンコ遊技機1(ID発信器230、画像表示基板216、遊技制御基板87a、電飾基板64、賞球基板69、遊技盤3、ミドルプレート310)を表示部250eに表示して確認することが可能である。
【0139】
情報送受信部250bは、通信線により管理装置300と接続されている。この情報送受信部250bには、たとえば、所定周期で管理装置300からポーリング信号が入力される。制御用マイクロコンピュータ250aは、このポーリングに応答してID送信要求情報を生成し、所定周波数の電波に搬送させて情報送受信部250cのアンテナからこれを出力する。このID送信要求情報には、たとえば、対応するパチンコ遊技機1に設けられているID発信器230を識別可能な前述した送信先アドレスが含まれている。
【0140】
情報送受信部250cのアンテナに所定周波数の電波が入力されば、情報送受信部250cの増幅回路および変復調回路でデータが増幅・復調された後、制御用マイクロコンピュータ250aへ出力される。制御用マイクロコンピュータ250aは、入力データに含まれる送信元アドレスとEEPROM内に記憶されているIC発信器230固有の送信先アドレスとを照合して、両者が一致しているか否かを判別する。そして、一致している場合には、対応するパチンコ遊技機1のID発信器から情報が返信されたものと判断し、入力データを情報送受信部250bに出力する。なお、この出力データには、ID発信器230内部に記憶されているIDコードの他、IC発信器230固有のアドレス(送信元アドレス)が含まれている。
【0141】
情報送受信部250bから出力された情報は管理装置300に入力される。なお、管理装置300は、入力情報内の前記送信元アドレスを手掛かりに管理装置300内部のデータベースから同一アドレスのID発信器230に関する情報を検索してデータベース内に記憶されているIDコードと入力情報内のIDコードとが一致するか否かを判断することになる。
【0142】
図21は、ICチップ(ID発信器)230の起動および停止のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。ID識別装置250からICチップ230へ電波の発信が開始されれば(図でID識別装置ON)、ICチップ230内で電波が受信されて電力が生成され、これによりID識別装置250からの電波の発信の開始から少し遅れてICチップ230が停止状態から起動状態となる。その後、ICチップ230からIDコードを含む情報がID識別装置250へ出力され(図でID ON)、情報の出力が終了して所定時間経過後、ID識別装置250の電波の発信が停止されるとともに、ICチップ230の制御動作が停止する。なお、図23で後述するICチップ部239についてもICチップ230と同様のタイミングチャートで起動し、停止する。
【0143】
図22は、遊技制御基板87aに設けられた各種制御回路の構成の別実施形態を示すブロック図である。なお、この別実施形態では、基本回路200など図13に示す回路構成はそのまま適用されるために、図13と重複する回路構成の図示を省略している。図22には、遊技制御基板ボックス82bの上板92にID発信器231(図8参照)を設けることに代えて、遊技制御基板87a自体にID発信器231を設けた実施形態が示されている。このID発信器231は、前述した電飾基板64、賞球基板69と同様に、図27あるいは図28に示す態様で遊技制御基板87aを構成するプリント配線基板の内部(図27の括弧書き)あるいは表面(図28の括弧書き)に設けられる。この実施形態によれば、不正な、遊技制御基板87aのすり替え行為の有無を容易に把握可能となる。特に、図27に示す態様でID発信器231を設けることにより、不正を企てる第三者が外部からID発信器231に手を加えにくくすることができ、図28示す態様でID発信器231を設けることにより、ID発信器231の遊技制御基板87aへの取付けが容易となり、容易に実施可能となる。なお、図22のその他の構成は図14と同様であるために、図22のさらなる詳細な説明については省略する。
【0144】
図23は、遊技制御基板87aへのID発信器の取付け方法に関するさらなる別実施形態を示す図である。この別実施形態では、遊技制御基板87aの基本回路200(図13参照)内部のマイクロコンピュータがワンチップ(1チップ)マイコン(マイクロコンピュータ)200a’で構成されており、このワンチップマイコン200a’に遊技制御用マイコン(マイクロコンピュータ)部200eとICチップ部239とが一体不可分に構成されている。遊技制御用マイコン部200eには、遊技制御プログラムの記憶された記憶部、遊技制御プログラムを実行するCPU、CPUのワーク用メモリとして機能するRAMなどが設けられている。一方、ICチップ部239は、図19に示したICチップ230と同様の構成から成り、ID発信器231と同様の機能を有する。
【0145】
また、図24は、別実施形態として図23に示したワンチップマイコン(マイクロコンピュータ)200a’とID識別装置250との間で行なわれるIDコード確認動作を説明するための図である。この図24は、図23に示すワンチップマイコン200a’の設けられた遊技制御基板87aが収容された遊技制御基板ボックス87bの断面を図示している。
【0146】
図示の通り、ワンチップマイコン200a’がそのリードピンにより基板上に組付けられた遊技制御基板87aが、本体枠99内に収容されて、蓋枠96と上板92とを含む蓋体90(図4参照)で閉塞されて遊技制御基板ボックス87b内に設けられている。ワンチップマイコン200a’には前述の通り、先に示したID発信器231として機能するICチップ部239が遊技制御用マイコン部200eと一体不可分にパッケージにされて構成されており、パチンコ遊技機1に対応してその外部に配設されたID識別装置250からのIDコード送信要求に応じて、ICチップ部239内部に記憶されているIDコードを所定周波数の電波に搬送させてID識別装置250へ送信する。
【0147】
図23、図24に示した別実施形態によれば、ID発信器231として機能するICチップ部239が、ワンチップマイコン200a’により遊技制御用マイコン部200eと一体不可分で構成されているために、図22に示した実施形態の遊技制御基板87aにおいて、ID発信器231には手をつけずに、遊技制御プログラムの記憶されたROM200c(図13参照)のみを取り外して不正改造プログラムの記憶されたROMとすり替えるなどどいう行為が行なわれてしまうことを防止できる。
【0148】
次に、以上説明した実施形態の変形例や特徴点について以下に列挙する。
(1)各実施形態では、各種ID発信器230内に記憶させるIDコードは、各ID発信器230が設けられる基板などの種類ごとに異なる特定の識別コードであるものとした。しかしながら、これに代えて、IDコードは各パチンコ遊技機1ごとに異なる特定のコードではあるものの、各パチンコ遊技機1に設けられる各種ID発信器230のコードはすべて同一となるように定めてもよい。このように定めると、いずれの種類の基板で不正が行なわれているのかをIDコードから直接知ることはできないが、少なくともどのパチンコ遊技機1で不正行為がなされているかを知ることができる。また、パチンコ遊技機1の機種別に異なる特定の識別コードとしてもよく、さらには、遊技機メーカーごとに異なる特定の識別コードとしてもよい。
【0149】
(2)管理装置300により、前記識別情報送信手段から送信される識別情報に基づいて、前記遊技機に取付けられた制御基板と該遊技機との対応関係が正しいか否かを識別する識別手段が構成されている。ID識別装置250により、前記識別情報送信手段から送信される前記識別情報を中継して前記識別手段へ送信する中継手段が構成されている。
【0150】
(3)管理装置300で行なわれるIDコードの判定をID識別装置250でも行なえるように構成してもよい。このようにすることにより、管理装置300の管理装置負担を軽減できる。このように構成する場合には、ID識別装置250の制御用マイクロコンピュータ250aに各種ID発信器230のIDコードを記憶させておく必要がある。その際には、操作部250dの操作によりIDコードを入力できるように構成することが考えられる。この場合、ID識別装置250により、前記識別情報送信手段から送信される識別情報に基づいて、前記制御基板と該制御基板が取付けられた遊技機との対応関係が正しいか否かを識別する識別手段が構成されている。
【0151】
(4)ID発信器224により、遊技機の画像表示制御を行なう画像表示制御基板に設けられ、該画像表示制御基板と前記遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報を遊技機の外部へ送信可能な識別情報送信手段が構成されている。画像表示制御基板(サブ基板)216により、遊技機の画像表示制御を行なう画像表示制御基板が構成されている。
【0152】
ID発信器240により、遊技機の遊技盤に設けられ、該遊技盤と前記遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報を遊技機の外部へ送信可能な識別情報送信手段が構成されている
ID発信器245により、遊技機の電飾制御を行なう電飾基板に設けられ、該電飾基板と前記遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報を遊技機の外部へ送信可能な識別情報送信手段が構成されている。
【0153】
ID発信器246により、遊技機の賞球払出し制御を行なう賞球基板に設けられ、該賞球基板と前記遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報を遊技機の外部へ送信可能な識別情報送信手段が構成されている。
【0154】
(5)ID発信器231は、図8に示したように、透明な上板92(図4参照)を介して外部から視認可能に構成されている。この構成により、前記収容部の前記樹脂面は、少なくともその層間に設けられている前記識別情報送信手段が視認可能に構成されていることが示されている。
【0155】
(6)図8には、ID発信器231を上板92表面(上板表面部92aの表面)に貼設した実施形態を示したが、これに代えて、ID発信器231を上板92裏面側(上板裏面部92bの表面)に貼設してもよい。
【0156】
(7)ID発信器245,246を、それぞれ、電飾基板64と賞球基板69の基板表面または基板内部に設ける実施形態を示したが、さらに、電飾基板ボックス65、賞球基板ボックス77に設けるように構成することも考えられる。この場合、図16、図17に示した2種類の取付け方法を採用することが考えられる。
【0157】
(8)電飾基板ボックス65、賞球基板ボックス77についても、遊技制御基板ボックス87bと同様に取付片部80a?80cなどを設け、蓋体とボックス本体とを互いに非可逆的な固着状態で組み付け可能に構成し、第三者が不正目的で電飾基板ボックス65、賞球基板ボックス77を開封できないように構成してもよい。この場合には、電飾基板ボックス65、賞球基板ボックス77、遊技制御基板ボックス87bにより、遊技機を制御するための制御基板を収容する基体と該基体の蓋をする蓋体とからなる収容部が構成され、各ボックスに設けられる取付片部80a?80c、ワンウェイねじ140により、前記制御基板が収容された前記基体を前記蓋体で閉塞した状態で、該基体と該蓋体とを非可逆的な固着状態にする組付固着手段が構成される。
【0158】
【課題を解決するための手段の具体例】
パチンコ遊技機1により、遊技機を制御するための制御基板が設けられた遊技機が構成されている。遊技制御基板87aにより、前記制御基板が構成されている。
【0159】
遊技制御基板ボックス87bにより、前記制御基板を収容する基体と該基体の蓋をする蓋体とからなる収容部が構成されている。ボックス本体110により、前記基体が構成されており、蓋体90により、前記蓋体が構成されている。
【0160】
取付片部80a?80c、ワンウェイねじ140により、前記制御基板が収容された前記基体を前記蓋体で閉塞した状態で、該基体と該蓋体とを非可逆的な固着状態にする組付固着手段が構成されている。
【0161】
図8、図16、図17に示したID発信器231により、前記収容部に設けられ、該収容部に収容された制御基板と前記遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報を遊技機の外部へ送信可能な識別情報送信手段が構成されている。ID発信器231から発信されるIDコードにより、前記識別情報が構成されている。
【0162】
図22に示したID発信器231、および、図23、図24に示したID発信器239により、前記制御基板に設けられ、該制御基板と該制御基板が取付けられた遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報を遊技機の外部へ送信可能な識別情報送信手段が構成されている。
【0163】
図21に示すタイミングチャートに、前記識別情報送信手段は、所定の外部機器からの要求に応じて前記識別情報を該外部機器へ送信することが示されている。ID識別装置250により、前記所定の外部機器が構成されている。
【0164】
図19に示したIDチップ230から成るID発信器により、前記識別情報の記憶された識別情報記憶部と、前記外部機器から所定の電磁波を受信したことを条件に前記識別情報記憶部に記憶されている識別情報を送信する制御を行なう制御手段とを含む前記識別情報送信手段が構成されている。マイクロコンピュータ231内のEEPROMにより、前記識別情報記憶部が構成されている。マイクロコンピュータ231により、前記制御手段が構成されている。
【0165】
情報送受信部232により、前記外部機器から送信される前記所定の電磁波を用いて電力を生成する電力生成手段が構成されている。電源部234とマイクロコンピュータ231により、前記電力生成手段で生成された電力の供給を受けて前記制御を行なう前記制御手段が構成されている。
【0166】
上板表面部92aと上板裏面部92bと電気防護メッシュ92cとから成る上板92を含む遊技制御基板87aにより、多層構造の樹脂面を少なくともその一部に含む前記収容部が構成されている。図29に示すID発信器231により、前記樹脂面の層間に設けられている前記識別情報送信手段が構成されている。
【0167】
図30に示すID発信器231により、前記収容部の表面に貼設されている前記識別情報送信手段が構成されている。
【0168】
図27、図28に示した遊技制御基板87aにより、少なくともその一部が複数の層が積層した多層構造である、前記制御基板が構成されている。図27に示したID発信器231により、前記複数の層の層間に設けられている、前記識別情報送信手段が構成されている。
【0169】
図23に示したワンチップマイコン200a’の遊技制御用マイコン部200eにより、前記遊技機を制御するための制御プログラムが記憶された記憶部が構成されている。ICチップ部239により、前記記憶部と一体不可分に構成されている、前記識別情報送信手段が構成されている。
【0170】
【課題を解決するための手段の具体例の効果】
請求項1に関しては、前記制御基板が収容された前記基体を前記蓋体で閉塞した状態で、該基体と該蓋体とが非可逆的な固着状態とされるために、前記基板収容ボックスを開放する不正、および前記制御基板を前記基板収容ボックスごと前記遊技機との対応関係が正しくない不法改造された制御基板とすり替える不正を防止できる。また、切断部が備える連結部と取付連結部とを切断することで、前記第一の取付片部を前記蓋体から切り離して前記基体と前記蓋体との固着状態を解除することができる。その後、前記第一の取付片部と並設するように前記蓋体に設けられる第二の取付片部に固着手段を取り付けることによって、再び前記基体と前記蓋体とを固着させることが可能となる。さらに、基板収容ボックスに収容された制御基板と前記遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報が該収容部に設けられた識別情報送信手段により遊技機の外部へ送信されるために、万が一、前記制御基板を前記基板収容ボックスごとすり替える不正行為が行なわれたとしてもそのことを容易に発見できる。
【0171】
請求項2に関しては、前記制御基板が収容された前記基体を前記蓋体で閉塞した状態で、該基体と該蓋体とが非可逆的な固着状態とされるために、前記基板収容ボックスを開放する不正、および前記制御基板を前記遊技機との対応関係が正しくない不法改造された制御基板とすり替える不正を防止できる。また、切断部が備える連結部と取付連結部とを切断することで、前記第一の取付片部を前記蓋体から切り離して前記基体と前記蓋体との固着状態を解除することができる。その後、前記第一の取付片部と並設するように前記蓋体に設けられる第二の取付片部に固着手段を取り付けることによって、再び前記基体と前記蓋体とを固着させることが可能となる。さらに、制御基板と該制御基板が取付けられた遊技機との対応関係が正しいか否かを識別するための識別情報が該制御基板に設けられた識別情報送信手段により遊技機の外部へ送信されるために、万が一、前記制御基板を不法改造されたものとすり替える不正行為が行なわれたとしてもそのことを容易に発見できる。
【0172】
請求項3に関しては、請求項1に関する効果に加えて、前記基板収容ボックスには多層構造の樹脂面が少なくともその一部に含まれており、前記識別情報送信手段が前記樹脂面の層間に設けられているため、外部から該識別情報送信手段に手を加えにくくなる。このため、前記識別情報送信手段が不正改造などされることを極力防止できる。
【0173】
請求項4に関しては、請求項1に関する効果に加えて、前記識別情報送信手段は、前記基板収容ボックスの表面に貼設されているために、比較的簡単に該基板収容ボックスに該識別情報送信手段を設けることができる。このため、容易に実施可能となる。
【0174】
請求項5に関しては、請求項2に関する効果に加えて、前記識別情報送信手段は、前記制御基板の前記記憶部と一体不可分に構成されているために、前記識別情報送信手段には手をつけずに制御プログラムの記憶された前記記憶部のみを取り外して不正改造プログラムの記憶された記憶部とすり替えるなどどいう行為が行なわれてしまうことを防止できる。
【0175】
請求項6に関しては、請求項2に関する効果に加えて、前記制御基板は、少なくともその一部が複数の層が積層した多層構造であり、前記識別情報送信手段は、前記複数の層の層間に設けられているため、外部から該識別情報送信手段に手を加えにくくなる。このため、前記識別情報送信手段が不正改造などされることを極力防止できる。
【0176】
請求項7に関しては、請求項1または請求項2に関する効果に加えて、前記識別情報が所定の外部機器からの要求に応じて該外部機器へ送信されるために、該識別情報がむやみやたらと送信されて該識別情報の内容が第三者に知られてしまうことを防止できる。
【0177】
請求項8に関しては、請求項7に関する効果に加えて、前記識別情報送信手段は、前記識別情報の記憶された識別情報記憶部と制御手段とを含み、前記外部機器から所定の電磁波を受信したことを条件に前記識別情報記憶部に記憶されている識別情報を送信するために、前記外部機器と前記識別情報送信手段との間に配線を設ける必要がなく、比較的容易かつ安価に構成することが可能となる。
【0178】
請求項9に関しては、請求項8に関する効果に加えて、電力生成手段により前記外部機器から送信される前記所定の電磁波を用いて電力が生成され、前記制御手段による制御にその電力が使用されるために、外部から電力供給用の配線を前記識別情報送信手段に接続する必要がなく、遊技機の配線構成が複雑化するのを防止できる。また、前記識別情報送信手段に電源を設ける必要がなくなり、識別情報送信手段の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機の正面図である。
【図2】パチンコ遊技機の背面図である。
【図3】遊技制御基板ボックスと取付け台とを示す斜視図である。
【図4】蓋体を示す分解斜視図である。
【図5】溶着突起の溶着状態を示す説明図である。
【図6】溶着突起の溶着状態を示す説明図である。
【図7】遊技制御基板とボックス本体とを示す分解斜視図である。
【図8】遊技制御基板ボックスを示す平面図である。
【図9】図9(A)は蓋体の取付片部がボックス本体にビス止めされた状態を示す断面図であり、図9(B)は遊技制御基板ボックス内に装備用のワンウェイねじが収納された状態を示す部分断面図である。
【図10】図10(A)は、ワンウェイねじ140の平面図であり、図10(B)は、ワンウェイねじ140の斜視図である。
【図11】図11(A)は、ワンウェイねじ用特殊ドライバの先端側から見た平面図であり、図11(B)は、ワンウェイねじ用特殊ドライバを図示a方向から見た一部平面図である。
【図12】図12(A)?図12(C)は、それぞれ遊技制御基板ボックスの復元手順を示す側面図である。
【図13】遊技制御基板に形成された回路の構成を示すブロック図である。
【図14】遊技制御基板に形成された回路の構成を示すブロック図である。
【図15】画像表示制御基板に形成された回路の構成を示すブロック図である。
【図16】電飾基板に形成された回路の構成を示すブロック図である。
【図17】賞球基板に形成された回路の構成を示すブロック図である。
【図18】管理装置、ID識別装置、ID発信器の接続構成を示す図である。
【図19】ID発信器として使用されるICチップの構成を示すブロック図である。
【図20】ID識別装置の構成を示すブロック図である。
【図21】ICチップ(ID発信器)の起動および停止のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
【図22】遊技制御基板に形成された回路の構成を示すブロック図である。
【図23】遊技制御基板に設けられるワンチップマイクロコンピュータの平面図である。
【図24】図23に示すワンチップマイクロコンピュータの設けられた遊技制御基板が収容された遊技制御基板ボックスの断面図である。
【図25】パチンコ遊技機背面下部に設けられたミドルプレートの一部断面図である。
【図26】遊技盤の一部断面図である。
【図27】ID発信器が設けられる各種基板(画像表示制御基板、電飾基板、賞球基板、遊技制御基板)の断面図である。
【図28】ID発信器が設けられる各種基板(画像表示制御基板、電飾基板、賞球基板、遊技制御基板)の断面図である。
【図29】遊技制御基板ボックスの一部を構成する上板の断面図である。
【図30】遊技制御基板ボックスの一部を構成する上板の断面図である。
【符号の説明】
1はパチンコ遊技機、3は遊技盤、4は可変表示装置(CRT表示機)、53は機構板、64は電飾基板、69は賞球基板、80a?80cは取付片部、87aは遊技制御基板(コントロール基板)、87bは遊技制御基板ボックス、90は上板92と蓋枠96と導電板100とから成る蓋体、92は上板、92aは上板表面部、92bは上板裏面部、92eは溶着突起、93a?93cと94a?94cは連結部、95a?95dは取付穴、96は蓋枠、99は本体枠、100は導電板、104および105はホログラムシール、110は本体枠99と底板111とから成るボックス本体、111は底板、113は透明板、116は本体枠、130は取付片、131?134は取付穴、135?137は装着片、140はワンウェイねじ、145は特殊マイナスドライバ、150は取付台、187aは基板表面部、187bは基板裏面部、200は基本回路、200aはマイクロコンピュータ、200a’はワンチップ(1チップ)マイコン、200bはCPU、200eは遊技制御用マイコン部、216は画像表示制御基板(サブ基板)、230はICチップ、224,231,235,239,240,245,246はICチップ230からなるID発信器、232は情報送受信部、233はアンテナ、239はICチップ部(ID発信器)、250はID識別装置、310はミドルプレートである。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2014-07-18 
出願番号 特願平9-283832
審決分類 P 1 41・ 574- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 阿南 進一  
特許庁審判長 赤木 啓二
特許庁審判官 平城 俊雅
吉村 尚
登録日 2009-08-14 
登録番号 特許第4357010号(P4357010)
発明の名称 遊技機  
代理人 深見 久郎  
代理人 森田 俊雄  
代理人 中田 雅彦  
代理人 深見 久郎  
代理人 森田 俊雄  
代理人 中田 雅彦  

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