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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1290960
審判番号 不服2012-23007  
総通号数 178 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-10-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-11-21 
確定日 2014-08-14 
事件の表示 特願2009-272946号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成23年6月16日出願公開、特開2011-115241号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯の概要
本件に係る出願(以下「本願」という。)は、平成21年11月30日の出願であって、平成24年8月14日付けで拒絶査定がなされ(発送日:同年8月21日)、これに対し、同年11月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、その審判の請求と同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成24年11月21日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成24年11月21日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正発明
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1について、本件補正前に
「遊技の進行を制御する主制御部と、
遊技に応じた演出を制御する演出制御部と、
を備える遊技機において、
前記主制御部は、
遊技盤上に設けられた始動領域を遊技球が通過すると、遊技者にとって有利な特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定手段と、
前記特別遊技判定手段により得られた判定結果に基づいて、図柄を変動表示させる図柄変動時間を決定する図柄変動時間決定手段と、
前記特別遊技判定手段により得られた判定結果を示す特別遊技コマンドを生成する特別遊技コマンド生成手段と、
前記図柄変動時間決定手段により決定された図柄変動時間を示す変動時間コマンドを生成する変動時間コマンド生成手段と、
前記特別遊技コマンド生成手段により生成された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンド生成手段により生成された前記変動時間コマンドを前記演出制御部へ送信するコマンド送信手段と、
所定の図柄表示手段において図柄を変動表示させてから前記図柄変動時間決定手段により決定された図柄変動時間の経過後に、前記特別遊技判定手段による判定結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
を有し、
前記図柄変動時間決定手段は、
第1変動時間群から1つの変動時間を選択する第1変動時間選択手段と、
第2変動時間群から1つの変動時間を選択する第2変動時間選択手段と、
前記第1変動時間選択手段により選択された変動時間に前記第2変動時間選択手段により選択された変動時間を加算した変動時間を前記図柄変動時間として決定する加算変動時間決定手段と、
を有し、
前記演出制御部は、
前記コマンド送信手段により送信された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンドを受信するコマンド受信手段と、
前記コマンド受信手段により受信された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンドに基づいて、所定の演出手段において遊技演出をおこなわせる遊技演出制御手段と、
を有し、
前記変動時間コマンド生成手段は、
前記第1変動時間選択手段により選択された変動時間を示す第1情報と、前記第2変動時間選択手段により選択された変動時間を示す第2情報とがそれぞれ識別可能な前記変動時間コマンドを生成し、
前記遊技演出制御手段は、
前記コマンド受信手段により受信された前記変動時間コマンドの前記第1情報によって示される変動時間に応じた第1遊技演出をおこなわせる第1遊技演出制御手段と、
前記コマンド受信手段により受信された前記変動時間コマンドの前記第2情報によって示される変動時間に応じた第2遊技演出をおこなわせる第2遊技演出制御手段と、
を有することを特徴とする遊技機。」
とあったものを
「遊技の進行を制御する主制御部と、
遊技に応じた演出を制御する演出制御部と、
を備える遊技機において、
前記主制御部は、
遊技盤上に設けられた始動領域を遊技球が通過すると、遊技者にとって有利な特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定手段と、
前記特別遊技判定手段により得られた判定結果に基づいて、図柄を変動表示させる図柄変動時間を決定する図柄変動時間決定手段と、
前記特別遊技判定手段により得られた判定結果を示す特別遊技コマンドを生成する特別遊技コマンド生成手段と、
前記図柄変動時間決定手段により決定された図柄変動時間を示す変動時間コマンドを生成する変動時間コマンド生成手段と、
図柄表示制御手段により図柄が変動表示させられる際に、前記特別遊技コマンド生成手段により生成された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンド生成手段により生成された前記変動時間コマンドを前記演出制御部へ送信するコマンド送信手段と、
所定の図柄表示手段において図柄を変動表示させてから前記図柄変動時間決定手段により決定された図柄変動時間の経過後に、前記特別遊技判定手段による判定結果を示す図柄を停止表示させる前記図柄表示制御手段と、
を有し、
前記図柄変動時間決定手段は、
第1変動時間群から1つの変動時間を選択する第1変動時間選択手段と、
第2変動時間群から1つの変動時間を選択する第2変動時間選択手段と、
前記第1変動時間選択手段により選択された変動時間に前記第2変動時間選択手段により選択された変動時間を加算した変動時間を前記図柄変動時間として決定する加算変動時間決定手段と、
を有し、
前記演出制御部は、
前記コマンド送信手段により送信された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンドを受信するコマンド受信手段と、
前記コマンド受信手段により受信された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンドに基づいて、所定の演出手段において遊技演出をおこなわせる遊技演出制御手段と、
を有し、
前記変動時間コマンド生成手段は、
前記第1変動時間選択手段により選択された変動時間を示す第1情報と、前記第2変動時間選択手段により選択された変動時間を示す第2情報とがそれぞれ識別可能な前記変動時間コマンドを生成し、
前記遊技演出制御手段は、
前記図柄表示制御手段による図柄の変動表示開始に伴って前記特別遊技判定手段による判定結果を示すための複数の第1遊技演出から、前記コマンド受信手段により受信された前記変動時間コマンドの前記第1情報によって示される変動時間に応じた1つの第1遊技演出を選択しておこなわせる第1遊技演出制御手段と、
前記特別遊技判定手段による判定結果を示すための複数の第2遊技演出から、前記コマンド受信手段により受信された前記変動時間コマンドの前記第2情報によって示される変動時間に応じた1つの第2遊技演出を選択し、当該第2遊技演出を前記第1遊技演出制御手段による第1遊技演出が終了してからおこなわせる第2遊技演出制御手段と、
を有することを特徴とする遊技機。」(下線は補正箇所を示す。)と補正するものである。

上記補正について検討する。
本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明は、コマンド送信手段について「前記特別遊技コマンド生成手段により生成された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンド生成手段により生成された前記変動時間コマンドを前記演出制御部へ送信する」とあったものを、「図柄表示制御手段により図柄が変動表示させられる際に、前記特別遊技コマンド生成手段により生成された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンド生成手段により生成された前記変動時間コマンドを前記演出制御部へ送信する」と限定するものであり、第1遊技演出制御手段について「前記コマンド受信手段により受信された前記変動時間コマンドの前記第1情報によって示される変動時間に応じた第1遊技演出をおこなわせる」とあったものを、「記図柄表示制御手段による図柄の変動表示開始に伴って前記特別遊技判定手段による判定結果を示すための複数の第1遊技演出から、前記コマンド受信手段により受信された前記変動時間コマンドの前記第1情報によって示される変動時間に応じた1つの第1遊技演出を選択しておこなわせる」と限定するものであり、第2遊技演出制御手段について「前記コマンド受信手段により受信された前記変動時間コマンドの前記第2情報によって示される変動時間に応じた第2遊技演出をおこなわせる」とあったものを、「前記特別遊技判定手段による判定結果を示すための複数の第2遊技演出から、前記コマンド受信手段により受信された前記変動時間コマンドの前記第2情報によって示される変動時間に応じた1つの第2遊技演出を選択し、当該第2遊技演出を前記第1遊技演出制御手段による第1遊技演出が終了してからおこなわせる」と限定するものであり、かつ、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)否かについて検討する。

2 刊行物に記載された発明
(1)原査定の拒絶理由において提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2007-275129号公報(以下「刊行物」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。
ア 「本発明は、パチンコ遊技機の技術分野に属する。
【背景技術】
大当り状態にするか否かの大当り抽選を行い、その結果を特別図柄で報知し、また疑似図柄の演出表示を行う、従来のパチンコ遊技機においては、抽選結果を報知する図柄の変動開始から確定表示までの変動時間は、主制御装置が抽選結果、遊技状態、リーチの有無、変動パターン乱数、保留記憶数に応じて決定し、その決定に従って、主制御装置が特別図柄を、サブ制御装置が疑似図柄の変動を制御している。
疑似図柄の演出内容は、サブ制御装置が、主制御装置から送られてきた変動時間を示すコマンドに基づいて、その変動時間に合致する複数の演出パターンの中より一つの演出を選択(決定)していた。
また、従来のパチンコ遊技機は、遊技球が始動口に入った時に大当り抽選などに使用する乱数値を取得するが、図柄の変動中などで、直ぐに抽選結果を報知できないときには、取得した乱数値を所定の個数までの範囲で記憶可能な構成になっており、この記憶されている乱数値が多いときには図柄の変動時間は短いものが選択されるようになっている。これは、遊技者の遊技球発射停止をなるべく防ぐためである(特開2003-175198号公報など)。なお、高確率状態、時間短縮状態なども短い変動時間を選択するようになっている。
また、最近では、演出内容を面白いものにするために、数多くの演出パターンを設けている。
【特許文献1】特開2003-175198号公報
【特許文献2】特開2002-172235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように最近では、演出内容を面白くするために数多くの演出パターンを設けている。数多くの演出パターンが出現可能な構成にするためには、ただ単にサブ制御装置に記憶する演出パターンを増やすだけでもある程度は可能になる。しかし、従来技術にも記載したようにサブ制御装置は、主制御装置から送られてくる変動時間を示すコマンドに基づいて、その送られてきた変動時間と同じ時間の複数ある演出パターンより一つの演出パターンを選択する構成なので、演出パターンを増やすにも限度がある。
同じ表示時間で異なる演出パターンを作るには小さな表示内容の変更しか出来ない。仮に全然違う内容の表示パターンを作ろうとすると、決められた変動時間とぴったり整合する表示内容を作らなければならないので、不自然な表示になってしまう。
つまり、数多くの演出パターンを出現可能な構成にするには、サブ制御装置に多くの演出パターンを記憶させておくだけではなく、基になる変動時間の種類を多くしなければならない。
しかしながら、例えば変動時間が短ければ時間あたりの当たり確率が高くなってしまう等、基になる変動時間は遊技に大きな影響を与えるので、遊技機全体を司る主制御装置にて決定(制御)する必要がある。
主制御装置は、前述したように遊技機全体を制御するため、多くの処理を行わなければならないので、現状でもかなりの負担がかかっているが、変動時間の種類を増やすと、さらに主制御装置に負担がかかってしまうという問題がある。」(段落【0001】?【0010】。下線は審決で付した。以下同様。)

イ 「【課題を解決するための手段】
請求項1記載のパチンコ遊技機は、
遊技球が始動口に入球すると大当り決定乱数が含まれる複数種類の乱数を取得する乱数取得手段と、
前記乱数取得手段にて取得した大当り決定乱数を用いて遊技者に有利な状態である大当り状態にするか否かの大当り抽選を行う抽選手段と、
特別図柄の変動開始から確定表示までの変動時間を決定する変動時間決定手段と、
特別図柄表示装置を制御して前記変動時間にわたって前記特別図柄を変動表示させてから前記大当り抽選の結果を示す特別図柄を確定表示させる特別図柄表示制御手段と、
前記大当り抽選の結果を指定するコマンド及び前記決定した変動時間を指定するコマンドを表示制御コマンドとして送信するコマンド送信手段とを有する主制御装置と、
前記表示制御コマンドを受信すると、演出表示装置を制御して、前記特別図柄が変動している間、疑似図柄の演出表示を行わせるサブ制御装置とを備えるパチンコ遊技機において、
前記変動時間決定手段は、前記変動時間を、複数種類ある基本変動時間から選択した一つの基本変動時間と、複数種類ある付加変動時間から選択した一つの付加変動時間とを合せた時間として決定することを特徴とする。
このパチンコ遊技機の主制御装置(変動時間決定手段)は、変動時間を、複数種類ある基本変動時間から選択した一つの基本変動時間と、複数種類ある付加変動時間から選択した一つの付加変動時間とを合せた時間として決定するので、遊技機全体を司る主制御装置にあまり負担をかけずに、決定される変動時間の種類、すなわち演出パターンを大幅に増やして趣向性の高い遊技機が作れるようになる。
なお、特別図柄と演出表示における疑似図柄の変動時間は同じにするのが普通であり、特別図柄が変動を開始すれば疑似図柄も変動を開始し、特別図柄が停止すれば疑似図柄も停止するというように、特別図柄と疑似図柄は同期する。従って、主制御装置からサブ制御装置に送信する変動時間とは、特別図柄の変動時間であり、疑似図柄の変動時間でもある。
また、表示制御コマンドとして送信される大当たり抽選の結果、変動時間は、一つにまとめたコマンドにしてもよいし、それぞれを個別のコマンドにしてもよい。
この請求項1記載のパチンコ遊技機において、前記主制御装置は、前記乱数取得手段にて取得した大当り決定乱数を上限個数までの範囲内で記憶する記憶手段を備え、前記乱数取得手段によって取得される複数種類の乱数には、変動パターン決定用乱数が含まれ、前記変動時間決定手段は、少なくとも前記変動パターン決定用乱数と前記大当り抽選の抽選結果とに基づいて前記基本変動時間を選択し、該選択された前記基本変動時間と前記記憶手段に記憶されている大当り決定乱数の個数とに基づいて前記付加変動時間を選択する構成にすることができる(変形発明a)。
この変形発明aのように、記憶手段に記憶されている大当り決定乱数の個数、いわゆる保留記憶数によって変動時間を決定する構成にしても、主制御装置に負担をかけずに変動時間の種類を増やすことが出来る。
また、請求項1記載のパチンコ遊技機において、前記乱数取得手段によって取得される複数種類の乱数には、変動パターン決定用乱数が含まれ、前記変動時間決定手段は、少なくとも前記変動パターン決定用乱数と前記大当り抽選の抽選結果とに基づいて前記基本変動時間を選択し、該選択された前記基本変動時間と以前に選択した付加変動時間とに基づいて前記付加変動時間を選択する構成にすることができる(変形発明b)。
この変形発明bの構成であれば、例えば連続予告演出など趣向性に富んだ遊技機を簡単な構成で行うこうとが出来る。
なお、「以前に選択した付加変動時間」は、1回前の付加変動時間であっても、数回前の付加変動時間であってもよい。例えば、以前に選択した付加変動時間が特定のものであった場合にフラグを立てておき、そのフラグを参照に今回の付加変動時間を選択するなどできる。
或いは、遊技球が始動口に入球すると大当り決定乱数が含まれる複数種類の乱数を取得する乱数取得手段と、前記乱数取得手段にて取得した大当り決定乱数を用いて遊技者に有利な状態である大当り状態にするか否かの大当り抽選を行う抽選手段と、特別図柄の変動開始から確定表示までの変動時間を決定する変動時間決定手段と、特別図柄表示装置を制御して前記変動時間にわたって前記特別図柄を変動表示させてから前記大当り抽選の結果を示す特別図柄を確定表示させる特別図柄表示制御手段と、前記大当り抽選の結果を指定するコマンド及び前記決定した変動時間を指定するコマンドを表示制御コマンドとして送信するコマンド送信手段とを有する主制御装置と、前記表示制御コマンドを受信すると、演出表示装置を制御して、前記特別図柄が変動している間、疑似図柄の演出表示を行わせるサブ制御装置とを備えるパチンコ遊技機において、
前記サブ制御装置は、前記疑似図柄の演出内容が異なる複数の部分演出パターンを組み合わせて前記表示制御コマンドで指定された前記変動時間に合致する演出パターンを構成し、該構成した演出パターンに基づいて演出表示装置を制御して前記疑似図柄の演出表示を行わせることを特徴とするパチンコ遊技機(変形発明c)であっても、請求項1のパチンコ遊技機と同様に、変動時間の種類を増やさずに、様々な演出が可能になり、趣向性の高い遊技機が出来る。また、主制御装置に負担がかからない。
・・・
請求項3記載のパチンコ遊技機は、
請求項2記載のパチンコ遊技機において、
前記演出表示装置で表示される前記基本変動時間分の前記疑似図柄の演出表示と前記付加変動時間分の前記疑似図柄の演出表示とは区別されている
ことを特徴とする。
この請求項3の構成では、サブ制御装置が、主制御装置から送られてくる表示制御コマンドによって、基本変動時間と付加変動時間が分かることが必須であるが、そのための表示制御コマンドの構成は特に限定されない。」(段落【0011】?【0022】)

ウ 「[実施例]
図1は本実施例のパチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。なお、このパチンコ遊技機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明を省略する。
遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)の画面6aを臨ませる窓5a等を備えている。
窓5aの上側にはドットマトリクスの普通図柄表示装置7及び4個のLEDからなる普通図柄保留記憶表示装置8が設置され、下側には7セグメントの特別図柄表示装置9及び4個のLEDからなる特別図柄保留記憶表示装置10が設置されている。
センターケース5の向かって左横には普通図柄作動ゲート17が配置されている。
センターケース5の下方には、第1始動口11と第2始動口12とがユニット化された複合入賞装置13が配置されている。第1始動口11は、いわゆるチャッカーであり、常時入球可能である。第2始動口12は一対の羽根を備えた、いわゆる電動チューリップであり、周知の電動チューリップと同様に開閉変化する。
第2始動口12の上方に第1始動口11があるために、第2始動口12が閉鎖状態(図1参照)のときは、第2始動口12に遊技球を入球させることができない。しかし、遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過すると行われる普通図柄抽選で当たり、普通図柄表示装置7に当たりの普通図柄が確定表示されると、第2始動口12は開放されて入球容易になる。
複合入賞装置13の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置され、その下方にはアウト穴15が設けられている。
また、大入賞口14の左右には、ガイドレール2bに沿うようにして普通入賞口16が配置されている。
本実施例パチンコ遊技機の電気的構成は、図2のブロック図に示すとおり、主制御装置40を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置40、払出制御装置45、発射制御装置44、音声・ランプ統合制御装置46、演出図柄制御装置47は、いずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。
主制御装置40には、下皿の満タンスイッチ、球タンクの球切れスイッチ、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、普通入賞口16に入球した遊技球を検出する普通入賞口スイッチ16a等の検出信号が入力される。
主制御装置40は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置45及び音声・ランプ統合制御装置46に出力する。
」(段落【0030】?【0038】)

エ 「音声・ランプ統合制御装置46はサブ制御装置に該当し、主制御装置40から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置47に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LEDや各種ランプを制御する。
音声・ランプ統合制御装置46と演出図柄制御装置47とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置47は、音声・ランプ統合制御装置46から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置40から送信されてきたものと音声・ランプ統合制御装置46が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、疑似図柄等の演出画像を画面6aに表示させる。」(段落【0045】?【0046】)

オ 「入賞確認処理(S9)の一部である始動入賞確認処理及び当否判定処理(S10)については、詳細を後述する。
各入出力処理(S11)では、入賞確認処理(S9)は入力される以外のスイッチ類の信号入力、入賞確認処理(S9)や当否判定処理(S10)で生成したコマンドの出力、大入賞口ソレノイド51、普通役物ソレノイド53、特別図柄表示装置9、普通図柄表示装置7、特別図柄保留記憶表示装置10、普通図柄保留記憶表示装置8等の動作を制御するための出力等が行われる。
正常割り込みでなければ(S1:NO)、初期設定(S13)を行い、S2?S11を行うことなく初期値用乱数更新処理(S12)に移行する。
図4に示すのは始動入賞確認処理のフローチャートである。
この処理では、主制御装置40は、第1始動口スイッチ11a又は第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したか否かを判断する(S15)。
肯定判断なら、特別図柄保留記憶が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S16)。
保留記憶が満杯でなければ(S16:NO)、大当たり判定用乱数、大当たり図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数1、変動パターン決定用乱数2等を読み込んで、これらを特別図柄保留記憶として記憶し、特別図柄保留記憶表示装置10の点灯数を1増加させる(S17)。既に4個の保留記憶があれば(S16:YES)保留記憶せず、特別図柄保留記憶表示装置10の点灯数も増やさない。
図5?7に示す当否判定処理では、主制御装置40は、条件装置の作動中か否かを大当たりフラグに基づいて判断する(S21)。
否定判断で、特別図柄の変動中でなく(S22:NO)、確定図柄の表示中でもなければ(S23:NO)、特別図柄保留記憶(上記、S17による保留記憶)があるか否かを判断する(S24)。
この保留記憶があれば(S24:YES)、確変フラグがセットされているか(高確率状態か)否かを判定する(S25)。
否定判断であれば(S25:NO)、特別図柄保留記憶の中で最も古いもの読み込んで(その特別図柄保留記憶は保留記憶から消去し)、読み込んだ大当たり判定用乱数を通常テーブルに記録されている当たり値と照合する(S26)。
肯定判断であれば(S25:YES)、特別図柄保留記憶の中で最も古いもの読み込んで(その特別図柄保留記憶は保留記憶から消去し)、読み込んだ大当たり判定用乱数を確変テーブルに記録されている当たり値と照合する(S27)。
本実施例の場合、図8に示すとおり大当たり判定用乱数は0?3966の整数値のいずれかであり、通常テーブルに記録されている当たり値は10個、確変テーブルに記録されている当たり値は100個であるから、大当たり判定用乱数が当たり値のいずれかと一致する確率、すなわち大当たりの確率はS26なら10/3967、S27なら100/3967である。
S26又はS27の判定で当たりなら(S28:YES)、大当たり図柄決定用乱数によって大当たり図柄を決定し(S29)、変動パターン決定用乱数1、2によって変動パターンを決定する(S30)。
変動パターンの決定手順の詳細は後述する。
大当たり図柄は、図9(a)に示す確変当たりの特別図柄(EL、EP、FE、FH、HF、HP、LF、PE、PL、LH)と図9(b)に示す通常当たりの特別図柄(EF、EH、FL、FP、HE、HL、LE、LP、PF、PH)とがあり、大当たり図柄決定用乱数に基づいてこれらのいずれか1つが選択される。
一方、外れのときは(S28:NO)、図9(c)に示すように、外れの特別図柄が--(バー、バー)の1種類だけであるために選択処理は必要としない。このため、変動パターン決定用乱数1、2による変動パターンの決定(S31)が行われる。また、リーチ判定用乱数に基づいてリーチ表示の有無を決める。
なお、図9に疑似図柄として示してあるのは、特別図柄に対応して演出図柄表示装置6に表示される疑似図柄である。大当たり図柄(確変当たりの特別図柄、通常当たりの特別図柄)については、それぞれ111、000等の3桁揃いの疑似図柄が対応し、外れの特別図柄については、大当たり図柄に対応する3桁揃い以外の疑似図柄が表示される。
S30又はS31に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には、確変当たり、通常当たり、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)を音声・ランプ統合制御装置46に出力し、また特別図柄表示装置9を制御して特別図柄の変動表示を開始させる(S32)。従って、変動開始コマンドに基づけば大当たり図柄又は外れ図柄(以下、まとめて確定図柄)、リーチの有無及び変動時間を判別できる。
変動開始コマンドを受信した音声・ランプ統合制御装置46は、特別図柄の変動表示に呼応した音声及びランプの演出制御を行い、また演出図柄制御装置47に変動開始コマンドを送る。
演出図柄制御装置47は、変動開始コマンドを受信すると、確定図柄及び変動パターンに基づいて確定表示する疑似図柄及び変動演出を決定し、演出図柄表示装置6を制御して疑似図柄の変動表示を行わせる。
主制御装置40は、特別図柄の変動中であれば(S22:YES)、図6(a)に示すように、図柄変動時間(S30又はS31の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判断する(S41)。」(段落【0051】?【0066】)

カ 「次に、変動パターンの決定手順について詳述する。
図10に示すように、変動パターンは、遊技状態と大当たり判定(S26又はS27の判定)の結果によって振り分けられ、大当たり判定が当せんの場合は図柄判定によって変動パターン選択用表(テーブル)が選択され、その選択された変動パターン選択用表中の変動パターンの1つが変動パターン決定用乱数1と変動パターン決定用乱数2とに基づいて選択される。なお、変動時間短縮図柄とは図9(b)の通常当たりの特別図柄、特定図柄Aとは図9(a)の確変当たりの特別図柄(但し、LHを除く)、特定図柄BとはLHである。
大当たり判定がはずれの場合はリーチ判定乱数と特別図柄表示装置作動保留球数(S17による保留記憶の個数)よって変動パターン選択用表が選択され、その選択されたテーブル中の変動パターンの1つが変動パターン決定用乱数1と変動パターン決定用乱数2とに基づいて選択される。なお、リーチ判定乱数による振分で、n(任意整数)/229と記載されているのは、ここでの振分確率を示している。」(段落【0081】?【0083】)

キ 「このように、基本変動時間は61種類、付加変動時間は4種類で、基本変動時間+付加変動時間による変動時間(変動パターン)の種類は、図23?26に示すとおり172種類ある。なお、この変動パターンの172種類というのは、主制御装置か40らサブ制御装置46に送られるパターンの種類であり、サブ制御装置46は、この送られてくる172種類をさらに細かく振分ける(細かな表示内容が違ってくる)ので、実際に演出図柄表示装置6に表示されるパターンの種類は、さらに増える。」(段落【0099】)

ク 「こうした表示制御コマンドを受信すると、音声・ランプ統合制御装置46(サブ制御装置)は、上述したように演出図柄制御装置47を介して演出図柄表示装置6を制御して、疑似図柄等の演出画像を画面6aに表示させる。
以上説明したように、本実施例のパチンコ遊技機においては、主制御装置40は、変動時間を、複数種類ある基本変動時間から選択した一つの基本変動時間と、複数種類ある付加変動時間から選択した一つの付加変動時間とを合せた時間として決定するので、パチンコ遊技機全体を司る主制御装置40にあまり負担をかけずに、決定される変動時間の種類、すなわち演出パターンを大幅に増やして趣向性の高いパチンコ遊技機が作れるようになる。
その際に、基本変動時間と付加変動時間とが互いに異なる乱数値(変動パターン決定用乱数1、2)に基づいて選択されるので、その結果として決定される変動時間がよりランダムになる。
また、変動時間を指定するコマンドは、数式1?9に例示したように、基本変動時間に対応するコマンド数値に付加変動時間に対応したコマンド数値を加算した構造になっているので、基本変動時間と付加変動時間とで構成される変動時間を一つのコマンドにてサブ制御装置に送信でき、コマンド数を少なくすることが出来る。
[実施例2]
音声・ランプ統合制御装置46(サブ制御装置)が、主制御装置40から送られてくる表示制御コマンドによって、基本変動時間と付加変動時間とを認識できると、演出図柄表示装置6で表示される基本変動時間分の疑似図柄の演出表示と付加変動時間分の疑似図柄の演出表示とを区別できる。その一例を実施例2として説明する。なお、パチンコ遊技機の構成、動作等は、以下の説明に関わる部分を除いて実施例1と同様である。
本実施例では、音声・ランプ統合制御装置46(サブ制御装置)は、主制御装置40から送信されてきた表示制御コマンドをもとに、今回の抽選結果(S26又はS27の判定結果)が当りか否か、当りであったならば、確変当りか通常当りか否かなどを確認にして、付加変動時間分の疑似図柄の演出表示を、基本変動時間分の疑似図柄の演出表示の前に行うか後に行うかを決定する。この前に行うか後に行うかを決定する際に、以前に行った演出表示を参照してもよい。
例えば、抽選結果が外れなら必ず付加変動時間中における疑似図柄の演出を基本変動時間分の演出よりも前に行う(付加変動時間中の演出は予告演出に使用する。)、抽選結果が通常当りなら、40%の確率で付加変動時間中の演出を基本変動時間分の演出よりも前に行い(予告)、60%の確率で後に行う(再抽選)、抽選結果が確変当りなら、60%の確率で付加変動時間中の演出を基本変動時間分の演出よりも前に行い(予告)、40%の確率で後に行う(再抽選)等である。
本実施例の場合、疑似図柄による付加変動時間分の疑似図柄による演出表示は、基本変動時間分の前に行われる場合には予告演出に使用し、基本変動時間分の後に行う場合には再抽選演出に行われる。
その表示例をいくつか示す。
図36?37に示す例では、Aは前回の停止図柄、B?Eまでで1変動、図36のF?図37のOまでで1変動である。
通常は、図36B?Eのように高速変動(B)から始まり左(C)、右(D)、中(E)という順に停止していく。
しかし、F、G、Hのように高速変動(図37、I)が始まる前にキャラクタが出現するときがある。このキャラクタの出現は当り変動のときに出現しやすいように設定している。また、1回出現するよりも2回、2回出現するよりも3回出現するほうが当たる確率を高くしている。つまり、このキャラクタの出現が大当り予告となっている。
そして、このキャラクタの出現時間(表示時間)が付加変動時間になっており、この例では、変動開始からFまでで8.3秒、変動開始からGまでで16.6秒、変動開始からHまで24.9秒となっている。つまり、この変動の付加変動時間は24.9秒を選択していた。仮に付加変動を16.5秒を選択していたときには、キャラクタを2回出現させてから高速変動(I)が開始される。また、付加変動時間が0秒であった場合には、このキャラクタの出現は行わない。
なお、「連続予告」とは、複数回の変動で同じ予告を出現させて遊技者に期待をもたせるための演出である。つまり、図36(F)から始まった変動が終わった後の次の変動でも同じように高速変動の前に同じキャラクタを出現させる演出である。なお、キャラクタの出現タイミングは高速変動の前に限ったことではない。また、このような連続予告の場
合、1回の変動におけるキャラクタの出現回数は1回で充分である。
図38?図39は再抽選の1例を表したものである。
高速変動(A)から始まり左停止(B)、右停止でリーチになり(C)、一旦は222(通常図柄)で停止するが(F)、鬼のキャラクタが出現して大当りした図柄(2)を再び変動させる(G、H)。そして、3(確変図柄)で停止した後(I?J)、「大当り」という文字が表示される(K)。
図37Nでは444が表示されOで大当りと表示されるが、図38Fで222が表示されてから、G、H、I、Jと表示されてからKで大当りと表示される。このG?Iが再抽選演出であり、このG?Iの表示が8.3秒である。つまり、付加変動時間が8.3秒が選ばれたことになり、付加変動時間が24.9秒が選ばれた場合には、このG?Iの表示が3回行われる。
このように、本実施例のパチンコ遊技機においては、複数ある付加変動時間には0秒が含まれ、0秒以外の付加変動時間は基底時間である8.3秒の整数倍で構成され、付加変動時間分の疑似図柄の演出表示は、図36?39を参照して説明したように基底時間分の演出表示を繰り返す形態で基本変動時間分の疑似図柄演出表示の前又は後ろに行われるから、表示演出パターンを複数種類持たなくても、遊技者に抽選結果に期待を持たせる演出(予告演出又は再抽選演出)が可能になる。
また、本実施例のパチンコ遊技機においては、演出図柄表示装置6で表示される基本変動時間分の疑似図柄の演出表示と付加変動時間分の疑似図柄の演出表示とは区別されており、付加変動時間分の疑似図柄の演出表示は、基本変動時間分の疑似図柄の演出表示の前又は後に行われるが、これを前に行うか後に行うかは音声・ランプ統合制御装置46(サブ制御装置)が決定するので、主制御装置40に負担をかけずに趣向性に富んだパチンコ遊技機が出来るようになる。」(段落【0123】?【0137】)

ケ 上記記載事項アの「数多くの演出パターンを出現可能な構成にするには、サブ制御装置に多くの演出パターンを記憶させておくだけではなく、基になる変動時間の種類を多くしなければならない」という記載から、サブ制御装置に多くの演出パターンを記憶しておくことをその前提技術とするものである。
また、上記記載事項キの「この変動パターンの172種類というのは、主制御装置か40らサブ制御装置46に送られるパターンの種類であり、サブ制御装置46は、この送られてくる172種類をさらに細かく振分ける(細かな表示内容が違ってくる)ので、実際に演出図柄表示装置6に表示されるパターンの種類は、さらに増える」という記載から、サブ制御装置46には、主制御装置40からサブ制御装置46に送られる、172種類変動パターンをさらに細かく振分けるための、記憶された、細かな表示内容が違う複数の演出パターンから演出表示内容を決定するものと認められる。

コ 上記記載事項クの「本実施例の場合、疑似図柄による付加変動時間分の疑似図柄による演出表示は、基本変動時間分の前に行われる場合には予告演出に使用し、基本変動時間分の後に行う場合には再抽選演出に行われる。」という記載から、疑似図柄による付加変動時間分の疑似図柄による演出表示として、予告演出、あるいは、再抽選演出が表示され、また、同じく、「演出図柄表示装置6で表示される基本変動時間分の疑似図柄の演出表示と付加変動時間分の疑似図柄の演出表示とを区別できる。」という記載から、疑似図柄による基本変動時間分の疑似図柄による演出表示として、予告演出と再抽選演出以外の演出表示が表示されるものと認められる。

上記ア?クの記載事項、上記ケ?コの認定事項、及び、図面の図示内容を総合勘案すると、刊行物には、次の発明が記載されていると認められる。
「遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して出力する主制御装置40と、
特別図柄が変動している間、疑似図柄の演出表示を行わせる音声・ランプ統合制御装置46(サブ制御装置)と
を備えるパチンコ遊技機において、
主制御装置40は、
遊技球が始動口に入球すると、遊技者に有利な状態である大当り状態にするか否かを大当たり判定し、
大当たり判定の結果に基づいて、特別図柄の変動開始から確定表示までの変動時間を決定する変動時間決定手段と、
大当たり判定の結果を指定するコマンド及び決定した変動時間を指定するコマンドを生成し、
特別図柄表示制御手段により特別図柄の変動表示を開始させるときに、大当たり判定の結果を指定するコマンド及び決定した変動時間を指定するコマンドを変動開始コマンド(表示制御コマンド)として、音声・ランプ統合制御装置46(サブ制御装置)へ送信するコマンド送信手段と、
特別図柄表示装置9を制御して、変動時間決定手段により決定された変動時間にわたって特別図柄を変動表示させてから、大当たり判定の結果を示す特別図柄を確定表示させる特別図柄表示制御手段と、
を具備し、
変動時間決定手段は、
複数種類ある基本変動時間から一つの基本変動時間を選択し、
複数種類ある付加変動時間から一つの付加変動時間を選択し、
変動時間を、複数種類ある基本変動時間から選択した一つの基本変動時間と、複数種類ある付加変動時間から選択した一つの付加変動時間とを合せた時間として決定し、
音声・ランプ統合制御装置46(サブ制御装置)は、
大当たり判定の結果を指定するコマンド及び決定した変動時間を指定するコマンドを変動開始コマンド(表示制御コマンド)として受信し、
変動開始コマンド(表示制御コマンド)を受信すると、演出図柄表示装置6を制御して、疑似図柄等の演出画像を画面6aに表示させる演出図柄制御装置47を具備し、
主制御装置から送られてくる変動開始コマンド(表示制御コマンド)によって、基本変動時間と付加変動時間とを認識でき、
演出図柄制御装置47は、
特別図柄表示制御手段により特別図柄の変動表示を開始させるときに、コマンド送信手段から送信される変動開始コマンド(表示制御コマンド)をもとに、記憶された複数の演出パターンから基本変動時間分の疑似図柄の演出表示として予告演出と再抽選演出以外の演出を決定し、演出図柄表示装置6に表示し、
特別図柄表示制御手段により特別図柄の変動表示を開始させるときに、コマンド送信手段から送信される変動開始コマンド(表示制御コマンド)をもとに、記憶された複数の演出パターンから付加変動時間分の疑似図柄の演出表示として再抽選演出を決定し、基本変動時間分の疑似図柄の演出表示と区別して、基本変動時間分の後に演出図柄表示装置6に表示する
パチンコ遊技機。」

3 対比
刊行物に記載された発明(以下「前者」という。)と本件補正発明(以下「後者」という。)とを対比する。
前者における「遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して出力する主制御装置40」は、その構成及び機能からみて、後者における「遊技の進行を制御する主制御部」に相当する。

そして、前者における「特別図柄」、「疑似図柄の演出表示」は、それぞれ、後者における「図柄」、「演出手段」による「遊技演出」に相当するから、前者における「特別図柄が変動している間、疑似図柄の演出表示を行わせる音声・ランプ統合制御装置46(サブ制御装置) 」は、音声・ランプ統合制御装置46が、遊技の進行に伴い変動表示される疑似図柄を用いた演出を制御するものであるから、後者における「遊技に応じた演出を制御する演出制御部」に相当する。

また、前者における「パチンコ遊技機」は、後者における「遊技機」に相当し、以下同様に、

前者における「遊技球が始動口に入球すると、遊技者に有利な状態である大当り状態にするか否かを大当たり判定」することは、後者における「遊技盤上に設けられた始動領域を遊技球が通過すると、遊技者にとって有利な特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定手段」を有することに相当し、

前者における「大当たり判定の結果に基づいて、特別図柄の変動開始から確定表示までの変動時間を決定する変動時間決定手段」は、後者における「特別遊技判定手段により得られた判定結果に基づいて、図柄を変動表示させる図柄変動時間を決定する図柄変動時間決定手段」に相当し、

前者における「大当たり判定の結果を指定するコマンド及び決定した変動時間を指定するコマンドを生成」することは、後者における「特別遊技判定手段により得られた判定結果を示す特別遊技コマンドを生成する特別遊技コマンド生成手段」及び「図柄変動時間決定手段により決定された図柄変動時間を示す変動時間コマンドを生成する変動時間コマンド生成手段」に相当し、

前者における「特別図柄表示制御手段により特別図柄の変動表示を開始させるときに、大当たり判定の結果を指定するコマンド及び決定した変動時間を指定するコマンドを変動開始コマンド(表示制御コマンド)として、音声・ランプ統合制御装置46(サブ制御装置)へ送信するコマンド送信手段」は、後者における「図柄表示制御手段により図柄が変動表示させられる際に、特別遊技コマンド生成手段により生成された特別遊技コマンドおよび変動時間コマンド生成手段により生成された変動時間コマンドを演出制御部へ送信するコマンド送信手段」に相当し、

前者における「特別図柄表示装置9を制御して、変動時間決定手段により決定された変動時間にわたって特別図柄を変動表示させてから、大当たり判定の結果を示す特別図柄を確定表示させる特別図柄表示制御手段」は、後者における「所定の図柄表示手段において図柄を変動表示させてから図柄変動時間決定手段により決定された図柄変動時間の経過後に、特別遊技判定手段による判定結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段」に相当し、

前者における「変動時間決定手段は、複数種類ある基本変動時間から一つの基本変動時間を選択し、複数種類ある付加変動時間から一つの付加変動時間を選択し、変動時間を、複数種類ある基本変動時間から選択した一つの基本変動時間と、複数種類ある付加変動時間から選択した一つの付加変動時間とを合せた時間として決定」することは、後者における「図柄変動時間決定手段は、第1変動時間群から1つの変動時間を選択する第1変動時間選択手段と、第2変動時間群から1つの変動時間を選択する第2変動時間選択手段と、第1変動時間選択手段により選択された変動時間に第2変動時間選択手段により選択された変動時間を加算した変動時間を図柄変動時間として決定する加算変動時間決定手段」を有することに相当し、

前者における「大当たり判定の結果を指定するコマンド及び決定した変動時間を指定するコマンドを変動開始コマンド(表示制御コマンド)として受信」することは、後者における「コマンド送信手段により送信された特別遊技コマンドおよび変動時間コマンドを受信するコマンド受信手段」を有することに相当し、

前者における「変動開始コマンド(表示制御コマンド)を受信すると、演出図柄表示装置6を制御して、疑似図柄等の演出画像を画面6aに表示させる演出図柄制御装置47」は、「変動開始コマンド 」が、「大当たり判定の結果を指定するコマンド及び決定した変動時間を指定するコマンド」を含むものであるから、後者における「コマンド受信手段により受信された特別遊技コマンドおよび変動時間コマンドに基づいて、所定の演出手段において遊技演出をおこなわせる遊技演出制御手段」に相当する。

また、前者における「基本変動時間」、「付加変動時間」は、それぞれ、後者における「第1情報」、「第2情報」に相当する。そして、前者における「主制御装置から送られてくる変動開始コマンド(表示制御コマンド)によって、基本変動時間と付加変動時間とを認識でき」ることは、基本変動時間と付加変動時間とを認識できるように、変動開始コマンド(表示制御コマンド)が生成されていることから、後者における「第1変動時間選択手段により選択された変動時間を示す第1情報と、第2変動時間選択手段により選択された変動時間を示す第2情報とがそれぞれ識別可能な変動時間コマンドを生成」することに相当する。

さらに、前者における「予告演出と再抽選演出以外の演出」は、後者における「第1遊技演出」に相当する。
そこで、前者における「特別図柄表示制御手段により特別図柄の変動表示を開始させるときに、コマンド送信手段から送信される変動開始コマンド(表示制御コマンド)をもとに、記憶された複数の演出パターンから基本変動時間分の疑似図柄の演出表示として予告演出と再抽選演出以外の演出を決定し、演出図柄表示装置6に表示」することと、後者における「図柄表示制御手段による図柄の変動表示開始に伴って特別遊技判定手段による判定結果を示すための複数の第1遊技演出から、コマンド受信手段により受信された変動時間コマンドの(第1情報によって示される)変動時間に応じた1つの第1遊技演出を選択しておこなわせる第1遊技演出制御手段」「を有する」こととを対比する。
前者において、疑似図柄は、上記2(1)オに記載されているように特別図柄に対応して演出図柄表示装置6に表示されるものであり、特別図柄のうちの大当たり図柄には、3桁揃いの疑似図柄が対応し、特別図柄のうちの外れの特別図柄には、3桁揃い以外の疑似図柄が対応するというように、大当たり判定の結果を示すための図柄である。
そうすると、両者は、「図柄表示制御手段による図柄の変動表示開始に伴って特別遊技判定手段による判定結果を示すための複数の第1遊技演出から、コマンド受信手段により受信された変動時間コマンドの第1情報によって示される変動時間に応じた第1遊技演出を選択しておこなわせる第1遊技演出制御手段を有する」ことで共通する。

同様に、前者における「再抽選演出」は、後者における「第2遊技演出」に相当する。
そこで、前者における「特別図柄表示制御手段により特別図柄の変動表示を開始させるときに、コマンド送信手段から送信される変動開始コマンド(表示制御コマンド)をもとに、記憶された複数の演出パターンから付加変動時間分の疑似図柄の演出表示として再抽選演出を決定し、基本変動時間分の疑似図柄の演出表示と区別して、基本変動時間分の後に演出図柄表示装置6に表示する」ことと、後者における「前記特別遊技判定手段による判定結果を示すための複数の第2遊技演出から、前記コマンド受信手段により受信された前記変動時間コマンドの前記第2情報によって示される変動時間に応じた1つの第2遊技演出を選択し、当該第2遊技演出を前記第1遊技演出制御手段による第1遊技演出が終了してからおこなわせる第2遊技演出制御手段」「を有する」こととを対比する。
上記と同様にして、両者は、「特別遊技判定手段による判定結果を示すための複数の第2遊技演出から、コマンド受信手段により受信された変動時間コマンドの第2情報によって示される変動時間に応じた第2遊技演出を選択し、当該第2遊技演出を前記第1遊技演出制御手段による第1遊技演出が終了してからおこなわせる第2遊技演出制御手段を有する」ことで共通する。

したがって、両者の一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「遊技の進行を制御する主制御部と、
遊技に応じた演出を制御する演出制御部と、
を備える遊技機において、
前記主制御部は、
遊技盤上に設けられた始動領域を遊技球が通過すると、遊技者にとって有利な特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定手段と、
前記特別遊技判定手段により得られた判定結果に基づいて、図柄を変動表示させる図柄変動時間を決定する図柄変動時間決定手段と、
前記特別遊技判定手段により得られた判定結果を示す特別遊技コマンドを生成する特別遊技コマンド生成手段と、
前記図柄変動時間決定手段により決定された図柄変動時間を示す変動時間コマンドを生成する変動時間コマンド生成手段と、
図柄表示制御手段により図柄が変動表示させられる際に、前記特別遊技コマンド生成手段により生成された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンド生成手段により生成された前記変動時間コマンドを前記演出制御部へ送信するコマンド送信手段と、
所定の図柄表示手段において図柄を変動表示させてから前記図柄変動時間決定手段により決定された図柄変動時間の経過後に、前記特別遊技判定手段による判定結果を示す図柄を停止表示させる前記図柄表示制御手段と、
を有し、
前記図柄変動時間決定手段は、
第1変動時間群から1つの変動時間を選択する第1変動時間選択手段と、
第2変動時間群から1つの変動時間を選択する第2変動時間選択手段と、
前記第1変動時間選択手段により選択された変動時間に前記第2変動時間選択手段により選択された変動時間を加算した変動時間を前記図柄変動時間として決定する加算変動時間決定手段と、
を有し、
前記演出制御部は、
前記コマンド送信手段により送信された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンドを受信するコマンド受信手段と、
前記コマンド受信手段により受信された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンドに基づいて、所定の演出手段において遊技演出をおこなわせる遊技演出制御手段と、
を有し、
前記変動時間コマンド生成手段は、
前記第1変動時間選択手段により選択された変動時間を示す第1情報と、前記第2変動時間選択手段により選択された変動時間を示す第2情報とがそれぞれ識別可能な前記変動時間コマンドを生成し、
前記遊技演出制御手段は、
前記図柄表示制御手段による図柄の変動表示開始に伴って前記特別遊技判定手段による判定結果を示すための複数の第1遊技演出から、前記コマンド受信手段により受信された前記変動時間コマンドの前記第1情報によって示される変動時間に応じた第1遊技演出を選択しておこなわせる第1遊技演出制御手段と、
前記特別遊技判定手段による判定結果を示すための複数の第2遊技演出から、前記コマンド受信手段により受信された前記変動時間コマンドの前記第2情報によって示される変動時間に応じた第2遊技演出を選択し、当該第2遊技演出を前記第1遊技演出制御手段による第1遊技演出が終了してからおこなわせる第2遊技演出制御手段と、
を有する遊技機。」

[相違点]
第1遊技演出制御手段が選択する第1遊技演出、及び、第2遊技演出制御手段が選択する第2遊技演出が、本件補正発明では、1つずつであるのに対して、刊行物に記載された発明では、1つずつであるか否か不明である点。

4 当審の判断
上記相違点について検討する。
前記2(1)ケにおいて検討したように、刊行物に記載された発明のサブ制御装置46には、主制御装置40から送信される、172種類の変動パターンをさらに細かく振分けるための、細かな表示内容が違う複数の演出パターンが記憶されているものと認められる。
そして、刊行物に記載された発明は、「主制御装置から送られてくる変動開始コマンド(表示制御コマンド)によって、基本変動時間と付加変動時間とを認識でき」るものである。
したがって、刊行物に記載された発明において、サブ制御装置46により受信された変動開始コマンド(表示制御コマンド)から、基本変動時間と付加変動時間とを区別して認識し、両変動時間を組み合わせた172種類の変動パターンをさらに細かく振分けるに際して、それぞれの変動時間毎に記憶された複数の変動に関する演出パターンから1つの演出パターンを決定し、決定された演出パターンを演出図柄表示装置6に演出表示させることは、当業者が容易になし得たものである。

また、本件補正発明により奏される「演出のバリエーションを増加させて、遊技機の興趣性を向上させることができる。」(明細書【0347】)という効果は、刊行物に記載された発明により奏される効果から当業者が予測できたものである。
したがって、本件補正発明は、刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5 まとめ
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成24年11月21日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成24年2月27日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「遊技の進行を制御する主制御部と、
遊技に応じた演出を制御する演出制御部と、
を備える遊技機において、
前記主制御部は、
遊技盤上に設けられた始動領域を遊技球が通過すると、遊技者にとって有利な特別遊技をおこなうか否かを判定する特別遊技判定手段と、
前記特別遊技判定手段により得られた判定結果に基づいて、図柄を変動表示させる図柄変動時間を決定する図柄変動時間決定手段と、
前記特別遊技判定手段により得られた判定結果を示す特別遊技コマンドを生成する特別遊技コマンド生成手段と、
前記図柄変動時間決定手段により決定された図柄変動時間を示す変動時間コマンドを生成する変動時間コマンド生成手段と、
前記特別遊技コマンド生成手段により生成された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンド生成手段により生成された前記変動時間コマンドを前記演出制御部へ送信するコマンド送信手段と、
所定の図柄表示手段において図柄を変動表示させてから前記図柄変動時間決定手段により決定された図柄変動時間の経過後に、前記特別遊技判定手段による判定結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、
を有し、
前記図柄変動時間決定手段は、
第1変動時間群から1つの変動時間を選択する第1変動時間選択手段と、
第2変動時間群から1つの変動時間を選択する第2変動時間選択手段と、
前記第1変動時間選択手段により選択された変動時間に前記第2変動時間選択手段により選択された変動時間を加算した変動時間を前記図柄変動時間として決定する加算変動時間決定手段と、
を有し、
前記演出制御部は、
前記コマンド送信手段により送信された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンドを受信するコマンド受信手段と、
前記コマンド受信手段により受信された前記特別遊技コマンドおよび前記変動時間コマンドに基づいて、所定の演出手段において遊技演出をおこなわせる遊技演出制御手段と、
を有し、
前記変動時間コマンド生成手段は、
前記第1変動時間選択手段により選択された変動時間を示す第1情報と、前記第2変動時間選択手段により選択された変動時間を示す第2情報とがそれぞれ識別可能な前記変動時間コマンドを生成し、
前記遊技演出制御手段は、
前記コマンド受信手段により受信された前記変動時間コマンドの前記第1情報によって示される変動時間に応じた第1遊技演出をおこなわせる第1遊技演出制御手段と、
前記コマンド受信手段により受信された前記変動時間コマンドの前記第2情報によって示される変動時間に応じた第2遊技演出をおこなわせる第2遊技演出制御手段と、
を有することを特徴とする遊技機。」

2 刊行物に記載された発明
原査定の拒絶の理由において提示された刊行物、刊行物の記載事項及び刊行物に記載された発明は、前記「第2[理由]2(1)」に記載したとおりである。

3 対比
刊行物に記載された発明と本願発明とを対比する。
本願発明は、前記「第2[理由]1 本件補正発明」において検討した本件補正発明における、コマンド送信手段、第1遊技演出制御手段、及び、第2遊技演出制御手段についての限定を省くものである。
そうすると、実質的に本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに、他の発明特定事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記「第2[理由]3 対比、及び、4 当審の判断」に記載したとおり、刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様に、刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-06-11 
結審通知日 2014-06-17 
審決日 2014-06-30 
出願番号 特願2009-272946(P2009-272946)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 537- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲高▼藤 啓  
特許庁審判長 杉浦 淳
特許庁審判官 長崎 洋一
村松 貴士
発明の名称 遊技機  
代理人 酒井 昭徳  

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