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審決分類 |
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する H01J 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する H01J 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する H01J 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H01J |
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管理番号 | 1292942 |
審判番号 | 訂正2014-390118 |
総通号数 | 180 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2014-12-26 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2014-08-21 |
確定日 | 2014-10-03 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第5413401号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第5413401号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1 手続の経緯 本件特許第5413401号に係る出願は、平成20年2月28日(パリ条約による優先権主張 2007年3月2日、2007年8月3日、2007年12月14日 台湾)に出願した特願2008-48556号の一部を平成23年5月9日に新たな特許出願としたものであって、平成25年10月9日付けで特許査定がなされた後、同年11月22日に特許権の設定登録がなされた。 本件は、その後、平成26年8月21日に請求された訂正審判である。 2 請求の趣旨 本件審判の請求の趣旨は、特許第5413401号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。 3 訂正事項 (1)訂正事項1 特許第5413401号の明細書の【0009】に記截された「前記大きな電子平均自由行程は、一の動作電圧下で複数の電子を前記蛍光層に直接衝突させて複数の望ましい光を生成する、光源装置を対象とする。」を、「前記大きな電子平均自由行程は、一の動作電圧下で複数の電子を前記蛍光層に直接衝突させる、光源装置を対象とする。」と訂正する。 (2)訂正事項2 特許第5413401号の明細書の【0050】に記載された「図8を参照すると、光源装置は、カソード構造402a、アノード構造404a、蛍光層406、放電層408、低圧ガス層410、側壁構造412、および反射層414を含む。」を、「図8を参照すると、光源装置は、カソード構造402b、アノード構造404b、蛍光層406、放電層408、低圧ガス層410、側壁構造412、および反射層414を含む。」と訂正する。 4 当審の判断 以下、上記訂正事項1及び2について検討する。 (1)訂正の目的の適否について a 訂正事項1について 請求人は、訂正事項1の訂正の目的を「誤訳の訂正」としていることから、訂正事項1が誤訳の訂正を目的としたものであるか否かを検討する。 本件外国語書面の明細書における訂正事項1の該当箇所は、「a large electron mean free path allowing electrons to hit the fluorescent layer directly under an operating voltage」と記載されており、この記載によれば、「大きな電子平均自由行程は、一の動作電圧下で複数の電子を前記蛍光層に直接衝突させ」ることが記載されているものの、「複数の望ましい光を生成する」ことは記載されていない。 したがって、訂正事項1は外国語書面の明細書の誤訳を訂正するものであることは明らかである。 よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」のうち誤訳の訂正を目的とするものである。 b 訂正事項2について 請求人は、訂正事項2の訂正の目的を「誤訳の訂正」としていることから、訂正事項2が誤訳の訂正を目的としたものであるか否かを検討する。 本件外国語書面の明細書における訂正事項2の該当箇所は、「Referring to FIG. 8 , the light source apparatus includes a cathode structure 402 b, an anode structure 404 b, a fluorescent layer 406 , a discharge layer 408 , a low-pressure gas layer 410 , a sidewall structure 412 , and a reflective layer 414 .」と記載されており、この記載によれば、「カソード構造402b、アノード構造404b・・・(略)・・・を含む」ことが記載されているものの、「カソード構造402a、アノード構造404a・・・(略)・・・を含む」ことは記載されていない。 したがって、訂正事項2は外国語書面の明細書の誤訳を訂正するものであることは明らかである。 よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」のうち誤訳の訂正を目的とするものである。 (2)新規事項の追加の有無について 上記の通り、訂正事項1及び2はいずれも、外国語書面の明細書の誤訳を本来の意味に正したものであるから、訂正後の特許請求の範囲、明細書及び図面の記載は、外国語書面の特許請求の範囲、明細書及び図面に記載した事項の範囲内のものである。 よって、訂正事項1及び2は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の実質的な拡張又は変更について 上記の通り、訂正事項1及び2はいずれも、外国語書面の明細書の誤訳を本来の意味に正したものであるから、特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項1及び2は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (4)独立特許要件について 訂正後の特許請求の範囲の請求項1?8に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるか検討するに、当該発明を特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。 よって、訂正事項1及び2は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 5 むすび したがって、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、同条第5項ないし第7項の規定に適合するので、適法な訂正と認める。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 バックライト源装置 【技術分野】 【0001】 本発明は、大まかに言って、液晶バックライトモジュールに適用可能な平面光源装置に関する。 【背景技術】 【0002】 光源装置は広く日常生活で利用されている。電球などの従来の光源装置は、フィラメントを介して電流を通し加熱することで可視光源を生成する。電球は一般にはスポット光源である。後には、管光源が開発された。長い期間の開発および改良の後に、平面光源デバイスが提供され平面ディスプレイにおいて広く利用されるようになっている。 【0003】 光源は多くの機構により製造されうる。図1は、従来の平面光源装置機構を示す概略断面図である。図1を参照すると、二つの電極構造100、102を電源106に接続して、動作電圧下で電界を生成して、ガス104をガス放電(プラズマ放電とも称される)によりイオン化して電子110を生成することにより、発光機構が達成されている。電子110は電界で加速され、電極構造102上の対応する赤色、緑色、青色の蛍光層108a、108b、108cに衝突する。可視光112がその後生成され、蛍光層から射出される。ここで、電極構造100は発光面であり、一般的には、ガラス基板およびインジウム錫酸化物(ITO)による透明導電層が構成する光透過材料からなる。 【0004】 別の光源生成機構は、図2に示す電界放出機構である。図2は、別の従来の平面光源装置機構を示す概略断面図である。この従来の平面光源装置は、ガラス基板120、カソード構造層122、複数の円錐形の導電体124、ゲート層126、アノード構造層128、および蛍光層130を含む。カソード構造層122はガラス基板120上に配設される。複数の円錐形の導電体124はカソード構造層122上に配設される。ゲート層126は円錐形の導電体124上に配設される。円錐形の導電体124に対応する複数の孔がゲート層126に形成される。アノード構造層128は、ガラス基板上に配設される透明アノード層を有する。さらに、蛍光層130はアノード構造層128上に配設される。電子132は円錐形の導電体124の先端からカソードとアノードとの間の高電界の下に放出され、電界により加速されて蛍光層130に衝突して、可視光を射出する。 【0005】 上述の二つの従来の発光機構は各々利点および不利点を持つ。ガス放電は方法が容易であり構造が簡易ではあるが、工程中にプラズマが生成されるのでエネルギーを消費する。電界放出型光源は冷陰極型の光源(cold light source)の一種であり、陰極線管(CRT)と同様の原理を持っているので、電子はカソードからカソードとアノードとの間の高電界の下へ放出され、アノードを覆う蛍光体に衝突して発光する。電界放出型光源は高輝度および節電指向であり平面構造に形成可能なことから利点がある。しかし電界放出型光源は、発光材料の成長あるいは発光材料でカソードを均一に覆うという目的から、軸構造あるいはカーボンナノチューブを必要とする不利点を有する。この平面蛍光ランプは、カソードとアノードとを隔てさせる目的から、支持体がなくてはならず、カソードとアノードとの間の垂直距離は注意深く調節されねばならない。許容範囲が小さいので、大量生産応用については構造設計のコストおよび歩留まり率を考慮に入れる必要があり、全体にわたり光輝度を均一制御することは難しい。さらに、真空パッケージも問題である。 【発明の開示】 【0006】 本発明は、高真空度を要さず平面光源として製造が易しく、より良好な輝度および発光効率を有し、低動作電圧下でも動作可能な光源装置の提供を対象とする。 【0007】 本発明は、光源装置により達成されるバックライト源装置を対象としている。 【0008】 本発明は一の光透過特性を持ち、一の発光面として機能する一のカソード構造と、一の光反射性を持ち、前記カソード構造の反対に配設される一のアノード構造と、前記カソード構造と前記アノード構造との間に配設される一の蛍光層と、前記カソード構造と前記アノード構造との間に充填され、前記カソードに複数の電子を均一に射出させる役割を果たす一の低圧ガス層と、を含み、前記低圧ガス層は一の大きな電子平均自由行程(a large electron mean free path)を有し、前記大きな電子平均自由行程は、一の動作電圧下で複数の電子を前記蛍光層に直接衝突させて複数の望ましい光を生成する、光源装置を提供する。 【0009】 本発明はさらに、一の光透過特性を有する一のカソード構造と、一の光透過反射性を有し、前記カソード構造の反対に配設される一のアノード構造と、前記カソード構造および前記アノード構造の少なくとも一方に配設される一の放電層と、前記カソード構造と前記アノード構造との間に配設される一の蛍光層と、前記カソード構造と前記アノード構造との間に充填され、前記カソードに複数の電子を均一に射出させる役割を果たす一の低圧ガス層と、を含み、前記低圧ガス層は一の大きな電子平均自由行程を有し、前記大きな電子平均自由行程は、一の動作電圧下で複数の電子を前記蛍光層に直接衝突させる、光源装置を対象とする。 【0010】 本発明はさらに、少なくとも一つの動作電圧を提供する少なくとも一つの電力制御器と、一の動作電圧で制御される少なくとも一つの発光パネルを含む一の発光ユニットと、を含み、前記発光パネルは、一のカソード構造と、前記カソード構造の反対に配設される一のアノード構造と、前記カソード構造と前記アノード構造との間に配設される一の蛍光層と、前記カソード構造と前記アノード構造との間に充填され、前記カソードに複数の電子を均一に射出させる役割を果たす一の低圧ガス層と、を含み、前記低圧ガス層は一の大きな電子平均自由行程を有し、前記大きな電子平均自由行程は、一の動作電圧下で複数の電子を前記蛍光層に直接衝突させる、バックライト源装置を対象とする。 【0011】 上述の、およびその他の本発明の目的、特徴および利点を明らかにすべく、図面に関連する好ましい実施形態を以下に詳述する。 【図面の簡単な説明】 【0012】 付随する図面は、発明の更なる理解のために含めており、本明細書の一部に含まれ、一部を構成する。図面は本発明の実施形態を例示し、記載とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。 【0013】 【図1】 従来の平面光源装置機構を示す概略断面図である。 【0014】 【図2】 従来の別の平面光源装置機構を示す概略断面図である。 【0015】 【図3】 本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。 【0016】 【図4】 本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。 【0017】 【図5】 本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。 【0018】 【図6】 本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。 【0019】 【図7】 本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。 【0020】 【図8】 本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。 【0021】 【図9】 本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。 【0022】 【図10】 本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。 【0023】 【図11】 本発明の一実施形態によるバックライトモジュール構造を示す概略図である。 【0024】 【図12-13】 本発明の一実施形態による別のバックライトモジュール構造を示す概略図である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0025】 以下に、本発明の好ましい実施形態を詳述するが、付随する図面にはその例示がなされている。可能な場合、同じ参照番号を図面に付し、同じまたは同様の部材についての記載としている。 【0026】 以下に、本発明の特徴を例示する目的から幾らかの実施形態を記載するが、これらは本発明の範囲を限定することを意図していない。 【0027】 第一実施形態 図3は、本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。図3を参照すると、光源装置は、カソード構造302a、アノード構造304a、蛍光層306、二次電子生成層308、および低圧ガス層310を含む。 【0028】 カソード構造302aの材料は、金属層あるいは透過性導電材料が蒸着したガラス基板である。アノード構造304aはカソード構造302aの反対に配設される。アノード構造304aは光透過構造であり、その材料はインジウム錫酸化物(ITO)、フッ素をドープした錫酸化物(FTO)、あるいは別の透明導電性酸化物(TCO)材料である。カソード構造302aおよびアノード構造304aは例えば基板および当該基板上の電極層を基本的に含む。カソード構造302aおよびアノード構造304aの実際の構造は実際の設計により変わり得、これは当業者には明白であるのでここでは記載しない。 【0029】 蛍光層306はカソード構造302aとアノード構造304aとの間に配設され、一般的には例えばアノード構造304a上に配設される。 【0030】 二次電子生成層308はカソード構造302a上に配設される。二次電子生成層308はMgO、Tb_(2)O_(3)、La_(2)O_(3)、あるいはCeO_(2)であってよい。 【0031】 低圧ガス層310は、カソード構造302とアノード構造304との間であって、低圧ガスが10?10^(-3)torrの範囲である箇所に配設され、電子平均自由行程(electron mean free path)を略カソード?アノード間の距離とする。 【0032】 一実施形態においては、図3の光源装置がさらに、カソード構造302aとアノード構造304aとの間を隔て、且つその内部が低圧ガスで充たされる低圧ガス層310を形成するよう封止する側壁構造312を有する。 【0033】 本発明の本実施形態においては、希薄ガス(thin gas)を利用して充分な電子320を容易に均一に生じさせる。電界放出機構を利用して、イオン化した電子320を蛍光層306に衝突させて望ましい光を生成する。ガス内のイオン化した陽イオン322は二次電子生成層308に衝突し得るので、陽イオンが二次電子生成層308に衝突すると、さらなる二次電子324が生成されて蛍光層306に衝突して、発光効率を向上させ得る。 【0034】 本実施形態においては、アノード構造304aは光透過構造であり、電子320が蛍光層306に衝突すると、生成された光330はアノード構造304aを通過する。この光源装置は透過型光源装置とも称される。さらに、透過型光源装置においては、カソード構造302aは、反射性を向上させ輝度および発光効率を増加させる高反射金属であってよい。 【0035】 ここで、充填ガスはカソードに均一に電子を放出させるのに利用されるので、選択するガスに特に制限はなく、大気、He、Ne、Ar、Kr、Xe、H_(2)、あるいはCO_(2)などの任意のガスあるいはガス混合体であってよい。充填ガスは低真空度あるいは中程度の真空度であるので、電子平均自由行程は、電子が電界中の蛍光層306の材料に直接衝突して望ましい光を射出するのに充分な大きさを持つ。 【0036】 図3の実施形態は、図4に示すような別の形態で実施されてもよい。図4は、本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。図4を参照すると、光源装置はカソード構造302b、アノード構造304b、蛍光層306、二次電子生成層308、低圧ガス層310、側壁構造312、および反射層314を含む。 【0037】 図4に示す光源装置は、図3の光源装置に類似しているが、以下の差異を有する。図4の光源装置は、アノード構造304bと蛍光層306との間に配設された反射層314をさらに含む。さらに、カソード構造302bは光透過構造であり、その材料は、例えばインジウム錫酸化物、フッ素をドープした錫酸化物、あるいは別の透明導電性酸化物(TCO)材料であってよい。アノード構造304bは透過性あるいは不透明な材料である。 【0038】 ガス放電機構により生成された電子320、および陽イオン322が二次電子生成層308に衝突することに生成された追加的な二次電子324が蛍光層306に衝突すると、生成された光330は反射層314で反射してカソード構造302bを通過する。本光源装置は反射型光源装置とも称される。さらに反射型光源装置においては、アノード構造304bが、ガラス上に透過性導電材料を蒸着することにより形成され、反射層314は、反射性向上、輝度および発光効率向上を目的として高反射金属が蒸着した高反射金属あるいは高反射性光学フィルムであってよい。 【0039】 第二実施形態 図5は、本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。図5を参照すると、光源装置は、カソード構造402a、アノード構造404a、蛍光層406、放電層408、および低圧ガス層410を含む。 【0040】 カソード構造402aの材料は、金属層あるいは透明導電材料が蒸着したガラス基板である。アノード構造404aはカソード構造402aの反対に配設される。アノード構造404aは光透過構造であり、例えばその材料はインジウム錫酸化物(ITO)、フッ素をドープした錫酸化物(FTO)、あるいは別の透明導電性酸化物(TCO)材料である。カソード構造402aおよびアノード構造404aは例えば基板および当該基板上の電極層を基本的に含む。カソード構造402aおよびアノード構造404aの実際の構造は実際の設計により変わり得、これは当業者には明白であるのでここでは記載しない。 【0041】 蛍光層406はカソード構造402aとアノード構造404aとの間に配設され、一般的には例えばアノード構造404a上に配設される。 【0042】 放電層408はカソード構造402a上に配設される。放電層408の材料は、金属、カーボンナノチューブ、カーボンナノウォール、カーボンナノ材料、柱状ZnO(column ZnO)、あるいはZnOフィルムなどの容易に放電できる材料であってよい。 【0043】 低圧ガス層410は、カソード構造402aとアノード構造404aとの間であって、低圧ガスが10?10^(-3)torrの範囲である箇所に配設され、電子平均自由行程(electron mean free path)を略カソード?アノード間の距離とする。 【0044】 一実施形態においては、光源装置がさらに、カソード構造402aとアノード構造404aとの間を隔て、且つその内部が低圧ガスで充たされる低圧ガス層410を形成するよう封止する側壁構造412を有する。 【0045】 本発明においては、希薄ガス(thin gas)を利用して充分な電子420を容易に均一に生じさせる。高電圧を利用してイオン化した電子420を蛍光層406に衝突させて望ましい光を生成する。本実施形態においては、放電層408が容易に放電できる材料であるので、動作電圧は減らしてよい。 【0046】 本実施形態においては、アノード構造404aは光透過構造であり、その材料は、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、フッ素をドープした錫酸化物、あるいは別の透明導電性酸化物(TCO)材料である。従って、電子420が蛍光層406に衝突すると、生成された光430はアノード構造404aを通過する。この光源装置は透過型光源装置とも称される。さらに、透過型光源装置においては、カソード構造402aは、反射性を向上させ輝度および発光効率を向上させる高反射金属であってよい。 【0047】 ここで、充填ガスはカソードに均一に電子を放出させるのに利用されるので、選択するガスに特に制限はなく、大気、He、Ne、Ar、Kr、Xe、H_(2)、あるいはCO_(2)などの任意のガスあるいはガス混合体であってよい。充填ガスは低真空度あるいは中程度の真空度であるので、電子平均自由行程は、電子が電界中の蛍光層406の材料に直接衝突して望ましい光を放出するのに充分な大きさを持つ。 【0048】 図5の実施形態は、図6に示すような別の形態で実施されてもよい。図6は、本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。図6に示す光源装置は、図5の光源装置に類似した構造および機能を有するので、ここではさらなる例示はしない。図6を参照すると、図6の光源装置と図5の光源装置との差異は、放電層408がアノード構造404aと蛍光層406との間に配設されていることにある。 【0049】 図5の実施形態は、図7に示すような別の形態で実施されてよい。図7は、本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。図7に示す光源装置は、図5の光源装置に類似した構造および機能を有するので、ここではさらなる例示はしない。図7を参照すると、図7の光源装置と図5の光源装置との差異は、放電層408が、カソード構造402a上と、アノード構造404aと蛍光層406との間の両方に配設されていることにある。 【0050】 図5の実施形態は、図8に示すような別の形態で実施されてよい。図8は、本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。図8を参照すると、光源装置は、カソード構造402b、アノード構造404b、蛍光層406、放電層408、低圧ガス層410、側壁構造412、および反射層414を含む。 【0051】 図8に示す光源装置は、図5の光源装置に類似しているが、以下の差異を有する。図8の光源装置は、アノード構造層上に配設された反射層414をさらに有する。さらに、カソード構造402bは光透過構造であり、その材料は、例えばインジウム錫酸化物、フッ素をドープした錫酸化物、あるいは別の透明導電性酸化物(TCO)材料である。アノード構造404bは透過性あるいは不透明な材料であってよい。 【0052】 電子420が蛍光層406に衝突すると、生成された光430は反射層414で反射してカソード構造402bを通過する。本光源装置は反射型光源装置とも称される。反射型光源装置においては、アノード構造404bは、好適には、反射性向上、輝度および発光効率向上ができる高反射金属である。 【0053】 図8の実施形態は、図9に示すような別の形態で実施されてもよい。図9は、本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。図9に示す光源装置は、図8の光源装置に類似した構造および機能を有するので、ここではさらなる例示はしない。図9を参照すると、図9の光源装置と図8の光源装置との差異は、放電層408が反射層414と蛍光層406との間に配設されていることにある。 【0054】 図8の実施形態は、図10に示すような別の形態で実施されてよい。図10は、本発明の一実施形態による光源装置の概略断面図である。図10に示す光源装置は、図8の光源装置に類似した構造および機能を有するので、ここではさらなる例示はしない。図10を参照すると、図10の光源装置と図8の光源装置との差異は、放電層408がカソード構造402b上と、反射層414と蛍光層406との間の両方に配設されていることにある。 【0055】 上述の実施形態においては、光反射機構を利用すると、発光表面は片面となる。反対に、光反射機構を利用しない場合、カソード構造およびアノード構造は両方とも透過性導電材料からなり、光透過特性を有し、両面発光効果が得られる。光強度は弱いが、発光面は両面発光面である。両面発光面は、任意の発光面の外側に反射層を追加することで、片面発光面に変更することもできる。例えば、透明基板の片面は透明電極構造であり、もう一方の面は金属蒸着反射層などの反射層である。 【0056】 第三実施形態 さらに、上記の光源装置はディスプレイ用のバックライトモジュールとして製造されてよい。図11は、本発明の一実施形態によるバックライトモジュール構造を示す概略図である。図11を参照すると、本発明の実施形態によるバックライトモジュールは、上述の発光デバイスからなる発光パネル1100により形成され、その動作電圧は電力制御器1102により供給される。さらにはヒートシンク機構1104が、例えば、発光パネル1100の裏面に追加されてもよい。本発明の発光デバイスは容易に大面積平面光源として製造して、バックライトモジュールの構造および動作を簡略化して発光効率を増加させることができる。 【0057】 さらに、輝度向上フィルム(BEF)あるいは両面BEF(DBEF)を追加して、バックライトモジュールの要件により方向性および輝度を増加させてもよい。図12は、本発明の一実施形態による別のバックライトモジュール構造を示す概略図である。図11の構造に基づくと、輝度向上フィルム1106は、例えば発光パネル1100の発光面上に配設される。輝度向上フィルム1106は、例えば、BEFあるいはDBEFを含む。さらに必要に応じて、別の光学フィルムを必要とされる場合もある。例えば、輝度向上フィルム1106と発光パネル1100との間に拡散モジュールを追加して、均一な光強度を達成してもよい。 【0058】 上述の実施形態の発光モジュールは、単一の発光パネルにより形成される。しかし、発光モジュールは、複数の発光パネルユニットを含む一のアレイ構造であってもよい。図13は、本発明の一実施形態による、別のバックライトモジュール構造を示す概略図である。図13を参照すると、発光モジュール1101は、例えば、一のアレイに配列される複数の発光パネルユニット1100a、1100b、1100c...を含む。発光パネルユニット1100a、1100b、1100c...は、例えば、異なる電力制御器1102a、1102b、1102c...によりそれぞれ制御される。本実施形態においては、光源は複数の発光パネルユニットを含み、元の光強度は不均一なので、複数の光源を均一に混合するために拡散モジュール1108を一緒に利用する。そして、輝度向上フィルム1106は、拡散した光を発光面に対して最大限に射出して光輝度を増加するのに利用される。 【0059】 さらに、光強度を増す目的から、例えば、複数の発光パネルユニットを積層することができる。さらに、バックライトモジュールの適用においては、単一の発光面を達成する目的上、例えば反射面が最も外側の裏面に形成され、さらに、例えば電極が利用されるあるいは反射層を追加するなどして、反射効果を達成する。 【0060】 上述に鑑みると、本発明の第一実施形態が提供する光源装置は、二次電子生成層を有する。ガス内のイオン化した陽イオンは二次電子生成層に衝突し得るので、陽イオンがカソード構造上の二次電子生成層に衝突すると、さらなる二次電子が生成されて、発光効率を向上させ得る。 【0061】 本発明の第二実施形態が提供する光源装置においては、放電層がカソード構造およびアノード構造の両方に配設され、動作電圧を減らし得る。 【0062】 本発明の第三実施形態においては、上述の実施形態のバックライトモジュールが、向上したバックライトモジュール性能を有し得る。 【0063】 本発明の光源装置は液晶ディスプレイ(LCD)のバックライトモジュールに適用可能である。光源装置は光強度および光均一性を増加させ、さらに冷陰極蛍光ランプ(CCFL)が要する導光板および拡散器のコストを節約することができる。本発明の光源装置は、プラズマおよび電界放出型の光源の利点を含む。本発明の光源装置は、希薄ガスを利用して、カソードから電子を均一に生じさせ、電界放出型光源のカソード生成が困難であるという欠陥を避ける。 【0064】 本発明の光源装置はパソコン、家庭用テレビセット、自動車テレビセット、あるいは相対的機能を持つ薄型LCDのバックライトモジュールを有するその他のデバイスに適合する。この形式の電界放出型の発光デバイスは節電、短いレスポンスタイム、高い発光効率、製造の容易さ、環境に優しいこと(水銀を使用しない)などの利点がある。 【0065】 従来の電界放出型光源装置と異なり、本発明の光源装置のカソード構造は、特殊処理あるいは何ら材料提供のない、単なる平面金属あるいは導電フィルム構造であり、よって構造がより簡略化されている。さらに、本発明では高真空度パッケージは必要でないので、製造工程が簡略化され、大量生産を容易に達成できる。透過性構造内のカソード金属構造/高反射性材料、および反射性構造内のアノード金属構造/高反射性材料により、反射性を向上させ、輝度および発光効率を向上させることができる。 【0066】 本発明の発光の波長は蛍光の種類に依るので、異なる照明/ディスプレイ用途によっては、異なる波長を持つ光源あるいはバックライトモジュールを設計することができる。本発明は平面あるいは曲面バックライトモジュールとして設計することができる。本発明においては、反射型の反射層により導光現象が避けられ、輝度および発光効率を向上させることができる。接地回路設計をオプションとして利用して、蛍光体における電荷蓄積を削減してもよい。 【0067】 本発明は上記のように好ましい実施形態により開示されたが、これらは本発明を限定することを意図していない。当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱せずに幾らもの変形、変更を加えることができる。故に、本発明の保護範囲は付随する請求項およびそれらの均等物に存在する。 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも一つの動作電圧を提供する少なくとも一つの電力制御器と、 一の動作電圧で制御される少なくとも一つの発光パネルをそれぞれ含む積層された複数の発光ユニットと、 前記発光パネルの最裏面に配設されるヒートシンク機構と、を含み、 前記発光パネルは、 カソード構造と、 前記カソード構造の反対に配設されるアノード構造と、 前記カソード構造と前記アノード構造との間に配設される蛍光層と、 前記カソード構造と前記アノード構造との間に充填され、前記カソードに複数の電子を均一に射出させる役割を果たす低圧ガス層と、を含み、 前記低圧ガス層は大きな電子平均自由行程を有し、 前記大きな電子平均自由行程は、一の動作電圧下で複数の電子を前記蛍光層に直接衝突させ、 前記カソード構造および前記アノード構造は光透過特性を備える バックライト源装置。 【請求項2】 少なくとも一つの動作電圧を提供する少なくとも一つの電力制御器と、 一の動作電圧で制御される少なくとも一つの発光パネルをそれぞれ含む積層された複数の発光ユニットと、を含み、 前記発光パネルは、 カソード構造と、 前記カソード構造の反対に配設されるアノード構造と、 前記カソード構造と前記アノード構造との間に配設される蛍光層と、 前記カソード構造と前記アノード構造との間に充填され、前記カソードに複数の電子を均一に射出させる役割を果たす低圧ガス層と、 前記カソード構造上に配設される二次電子生成層と、を含み、 前記低圧ガス層は大きな電子平均自由行程を有し、 前記大きな電子平均自由行程は、一の動作電圧下で複数の電子を前記蛍光層に直接衝突させ、 前記カソード構造および前記アノード構造は光透過特性を備える バックライト源装置。 【請求項3】 少なくとも一つの動作電圧を提供する少なくとも一つの電力制御器と、 一の動作電圧で制御される少なくとも一つの発光パネルをそれぞれ含む積層された複数の発光ユニットと、を含み、 前記発光パネルは、 カソード構造と、 前記カソード構造の反対に配設されるアノード構造と、 前記カソード構造と前記アノード構造との間に配設される蛍光層と、 前記カソード構造と前記アノード構造との間に充填され、前記カソードに複数の電子を均一に射出させる役割を果たす低圧ガス層と、 前記カソード構造および前記アノード構造の少なくとも一方に配設される放電層と、を含み、 前記低圧ガス層は大きな電子平均自由行程を有し、 前記大きな電子平均自由行程は、一の動作電圧下で複数の電子を前記蛍光層に直接衝突させ、 前記カソード構造および前記アノード構造は光透過特性を備える バックライト源装置。 【請求項4】 最表面の発光パネルの発光面に配設される輝度向上フィルムをさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のバックライト源装置。 【請求項5】 前記発光パネルの発光面の片面に配設される輝度向上フィルムをさらに含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のバックライト源装置。 【請求項6】 前記発光パネルと輝度向上フィルムとの間に配設される拡散モジュールをさらに含む、請求項4または5に記載のバックライト源装置。 【請求項7】 最裏面の発光パネルにおいては光反射性を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載のバックライト源装置。 【請求項8】 前記少なくとも一つの発光パネルは、それぞれ光を射出して発光面を形成する複数の発光パネルからなるアレイである、請求項1から7のいずれか1項に記載のバックライト源装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審決日 | 2014-09-25 |
出願番号 | 特願2011-104213(P2011-104213) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(H01J)
P 1 41・ 855- Y (H01J) P 1 41・ 856- Y (H01J) P 1 41・ 854- Y (H01J) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 長井 真一 |
特許庁審判長 |
北川 清伸 |
特許庁審判官 |
伊藤 昌哉 土屋 知久 |
登録日 | 2013-11-22 |
登録番号 | 特許第5413401号(P5413401) |
発明の名称 | バックライト源装置 |
代理人 | 龍華国際特許業務法人 |
代理人 | 龍華国際特許業務法人 |