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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1293613
審判番号 不服2013-7953  
総通号数 180 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2014-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-04-30 
確定日 2014-11-04 
事件の表示 特願2011-507392「チェックポイントデータの不揮発性メモリへの保存」拒絶査定不服審判事件〔平成21年11月 5日国際公開、WO2009/134264、平成23年 7月 7日国内公表、特表2011-519460〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【第1】経緯

[1]手続の経緯
本願は、平成20年5月1日の出願(特願2011-507392号)であって、手続の概要は以下のとおりである。

拒絶理由通知 :平成24年 9月24日(起案日)
意見書 :平成24年12月25日
手続補正 :平成24年12月25日
拒絶査定 :平成25年 1月22日(起案日)
拒絶査定不服審判請求 :平成25年 4月30日
手続補正 :平成25年 4月30日
前置審査報告 :平成25年 6月13日
審尋(当審) :平成25年 7月24日(起案日)
回答書 :平成25年10月23日

[2]原審の査定

〈原査定の理由の概略〉
本願の各請求項に係る発明は、下記の刊行物1、2に記載された発明及び周知技術に基づいて、又は、下記の刊行物3及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

記(刊行物等一覧)
刊行物1:特開2008-003691号公報
刊行物2:特表2008-502953号公報
刊行物3:米国特許出願公開第2007/0180217号明細書

【第2】補正の却下の決定(当審の判断)
平成25年4月30日付けの補正(以下「本件補正」という。)について次のとおり決定する。

《結論》
平成25年4月30日付けの補正を却下する。

《理由》

[1]特許請求の範囲の記載(補正前と補正後)
本件補正は特許請求の範囲についてする補正を含み、本件補正前および本件補正後の特許請求の範囲は下記のとおりである(補正部分をアンダーラインで示す。)。

記(補正前、平成24年12月25日付け補正によるもの)
【請求項1】
処理回路部を使用してアプリケーションを実行することと、
前記実行中に、前記アプリケーションの前記実行によって生成されたデータを揮発性メモリに書き込むことと、
前記書き込み後に、チェックポイントの表示を提供することと、
前記提供後に、前記揮発性メモリから不揮発性メモリへ前記データの異なる部分を並列に同時にコピーすることと、
前記コピー後に、前記アプリケーションの前記実行を続行することと
を含むデータ保存方法。
【請求項2】
前記コピー中に、前記アプリケーションの前記実行をサスペンドすること をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記実行の前記続行に続いて、前記アプリケーションの前記実行におけるエラーを検出することと、
前記検出に応答して、前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへ前記データをコピーすることと、
前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへの前記データの前記コピーの後に、前記揮発性メモリに保存された前記コピーされたデータを使用して、前記チェックポイントから前記アプリケーションを実行することと
をさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記不揮発性メモリは、ソリッドステートメモリを備える
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記不揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリを備える
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記不揮発性メモリは、複数の集積回路チップを備え、
前記データの前記コピーすることは、
前記複数の集積回路チップの第1のものへの前記データの第1のサブセットをコピーすること及び前記複数の集積回路チップの第2のものへの前記データの第2のサブセットをコピーすることを同時に行うこと
を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記チェックポイントの前記表示の前記提供は、
前記処理回路部が前記アプリケーションの一部の実行を完了したことに応答して、前記表示を提供すること
を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記提供することは、
前記処理回路部によって実行されるオペレーティングシステムを使用して前記表示を提供すること
を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
1つ又は複数のアプリケーションの実行に関連したチェックポイントの表示を受け取ることと、
前記受け取りに応答して、揮発性メモリから不揮発性メモリへの、前記1つ又は複数のアプリケーションの実行に起因するデータのコピーを開始することと
を含み、
前記コピーを開始することは、
前記データの異なる部分を前記不揮発性メモリへ並列に同時にコピーすること
を含む
データ保存方法。
【請求項10】
前記受け取ることは、
処理回路部から受け取ること
を含み、
該方法は、
前記データが前記不揮発性メモリへコピーされたものと判断することと、
前記データが前記不揮発性メモリへコピーされたことを前記処理回路部に通知すること をさらに含む
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記不揮発性メモリは、不揮発性ソリッドステートメモリであり、
前記不揮発性ソリッドステートメモリ及び前記揮発性メモリは、共に、単一のデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)の一部である
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記表示は、前記データが保存されている前記揮発性メモリ内のロケーションを記述する
請求項9に記載の方法。
【請求項13】
第1のDIMMが、前記不揮発性メモリの第1の部分及び前記揮発性メモリの第1の部分を備え、
第2のDIMMが、前記不揮発性メモリの第2の部分及び前記揮発性メモリの第2の部
分を備え、
前記コピーを前記開始することは、
前記第1のDIMM上において前記揮発性メモリの前記第1の部分から前記不揮発性メモリの前記第1の部分へのコピーを第1に開始することと、
前記第2のDIMM上において前記揮発性メモリの前記第2の部分から前記不揮発性メモリの前記第2の部分へのコピーを第2に開始することと
を含む
請求項9に記載の方法。
【請求項14】
アプリケーションの命令を処理するように構成された処理回路部と、
メモリモジュールであって、
前記アプリケーションの前記命令の前記処理中に前記処理回路部によって生成されたデータを保存するように構成された揮発性メモリ、及び
前記揮発性メモリから前記データを受け取り、前記データを保存するように構成された不揮発性メモリ
を備えるメモリモジュールと
を備え、
前記処理回路部は、チェックポイントが示されていることに応答して、前記揮発性メモリから前記不揮発性メモリへの前記データのコピーを開始するように構成され、
前記メモリモジュールは、前記データの異なる部分を前記不揮発性メモリへ並列に同時にコピーするように構成される
コンピュータシステム。
【請求項15】
前記チェックポイントは、前記処理回路部が前記アプリケーションの前記命令を処理することに基づいて示される
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記処理回路部は、前記アプリケーションの前記実行中にエラーが検出されることに応答して、前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへの前記データのコピーを開始するようにさらに構成される
請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記処理回路部は、大規模相互接続を介して他の処理回路部と通信するように構成され、
該他の処理回路部も、前記アプリケーションの前記命令を実行するように構成される
請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記揮発性メモリは、複数の集積回路チップを備え、該複数の集積回路チップの各集積回路チップは、前記データの異なる部分を保存し、
前記処理回路部は、前記複数の集積回路チップから前記不揮発性メモリへのデータの前記部分のコピーを同時に開始するように構成される
請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記メモリモジュールは、複数のDIMMを備え、各DIMMは、前記揮発性メモリの異なる部分及び前記不揮発性メモリの異なる部分を備え、
前記複数のDIMMの個々のDIMMは、前記複数のDIMMの他のDIMMとは独立に、該個々のDIMMの前記不揮発性メモリ部分に保存されたデータを該個々のDIMMの前記揮発性メモリ部分へコピーするように構成される
請求項14に記載のシステム。

記(補正後、補正箇所を下線で示す。)
【請求項1】
処理回路部を使用して複数のアプリケーションそれぞれを実行することと、
チェックポイント管理モジュールを使用して、
前記実行中に、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行によって生成されたデータを揮発性メモリに書き込むことと、
前記書き込み後に、複数のアプリケーションそれぞれチェックポイントの表示を提供することと、
前記提供後に、前記揮発性メモリから不揮発性メモリへ前記データの異なる部分をコピーすることと、
前記コピー後に、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行を続行することと、
前記実行の前記続行に続いて、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行におけるエラーを検出することと、
前記検出に応答して、前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリに前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データをコピーすることと、
前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへの前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データの前記コピーの後に、前記揮発性メモリにコピーされた前記複数のアプリケーションそれぞれのデータを使用して、前記複数のアプリケーションそれぞれのチェックポイントから前記複数のアプリケーションそれぞれを実行することと
を含むデータ保存方法。
【請求項2】
前記コピー中に、前記アプリケーションの前記実行をサスペンドすること
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記不揮発性メモリは、ソリッドステートメモリを備える
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記不揮発性メモリは、ランダムアクセスメモリを備える
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記不揮発性メモリは、
複数の集積回路チップ
を備え、
前記データの前記コピーすることは、
前記複数の集積回路チップの第1のものへの前記データの第1のサブセットをコピーすること及び前記複数の集積回路チップの第2のものへの前記データの第2のサブセットをコピーすることを同時に行うこと
を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記チェックポイントの前記表示の前記提供は、
前記処理回路部が前記アプリケーションの一部の実行を完了したことに応答して、前記表示を提供すること
を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記提供することは、
前記処理回路部によって実行されるオペレーティングシステムを使用して前記表示を提供すること
を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
チェックポイント管理モジュールを使用して、
複数のアプリケーションそれぞれの実行に関連したチェックポイントの表示を受け取ることと、
前記受け取りに応答して、揮発性メモリから不揮発性メモリへの前記複数のアプリケーションそれぞれの実行に起因するデータのコピーを開始することと、
前記コピー後に、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行を続行することと、
前記実行の前記続行に続いて、前記アプリケーションそれぞれの前記実行におけるエラーを検出することと、
前記検出に応答して、前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリに前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データをコピーすることと、
前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへの前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データの前記コピーの後に、前記揮発性メモリにコピーされた複数のアプリケーションそれぞれのデータを使用して、前記複数のアプリケーションそれぞれのチェックポイントから前記複数のアプリケーションそれぞれを実行することと
を含むデータ保存方法。
【請求項9】
前記受け取ることは、
処理回路部から受け取ること
を含み、
該方法は、
前記データが前記不揮発性メモリへコピーされたものと判断することと、
前記データが前記不揮発性メモリへコピーされたことを前記処理回路部に通知すること をさらに含む
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記不揮発性メモリは、不揮発性ソリッドステートメモリであり、
前記不揮発性ソリッドステートメモリ及び前記揮発性メモリは、共に、単一のデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)の一部である
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記表示は、前記データが保存されている前記揮発性メモリ内のロケーションを記述する
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
第1のDIMMが、前記不揮発性メモリの第1の部分及び前記揮発性メモリの第1の部分を備え、
第2のDIMMが、前記不揮発性メモリの第2の部分及び前記揮発性メモリの第2の部分を備え、
前記コピーを前記開始することは、
前記第1のDIMM上において前記揮発性メモリの前記第1の部分から前記不揮発性メモリの前記第1の部分へのコピーを第1に開始することと、
前記第2のDIMM上において前記揮発性メモリの前記第2の部分から前記不揮発性メモリの前記第2の部分へのコピーを第2に開始することと
を含む
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
複数のアプリケーションの命令を処理するように構成された処理回路部と、
メモリモジュールであって、
前記複数のアプリケーションそれぞれの前記命令の前記処理中に前記処理回路部によって生成されたデータを保存するように構成された揮発性メモリ、及び
前記揮発性メモリから前記データを受け取り、前記前記複数のアプリケーションそれぞれのデータを保存するように構成された不揮発性メモリ
を備えるメモリモジュールと
を備え、
チェックポイント管理モジュールを使用して、 複数のアプリケーションそれぞれの実行に関連したチェックポイントの表示を受け取り、
前記受け取りに応答して、揮発性メモリから不揮発性メモリへの前記複数のアプリケーションそれぞれの実行に起因するデータのコピーを開始し、
前記コピー後に、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行を続行し、 前記実行の前記続行に続いて、前記アプリケーションそれぞれの前記実行におけるエラーを検出し、
前記検出に応答して、前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリに前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データをコピーし、
前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへの前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データの前記コピーの後に、前記揮発性メモリにコピーされた複数のアプリケーションそれぞれのデータを使用して、前記複数のアプリケーションそれぞれのチェックポイントから前記複数のアプリケーションそれぞれを実行する
ように構成される
コンピュータシステム。
【請求項14】
前記チェックポイントは、前記処理回路部が前記アプリケーションの前記命令を処理することに基づいて示される
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記処理回路部は、前記アプリケーションの前記実行中にエラーが検出されることに応答して、前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへの前記データのコピーを開始するようにさらに構成される
請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記処理回路部は、大規模相互接続を介して他の処理回路部と通信するように構成され、
該他の処理回路部も、前記アプリケーションの前記命令を実行するように構成される
請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記揮発性メモリは、
複数の集積回路チップ
を備え、
該複数の集積回路チップの各集積回路チップは、前記データの異なる部分を保存し、
前記処理回路部は、前記複数の集積回路チップから前記不揮発性メモリへのデータの前記部分のコピーを同時に開始するように構成される
請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
前記メモリモジュールは、
複数のDIMMを備え、各DIMMは、前記揮発性メモリの異なる部分及び前記不揮発性メモリの異なる部分
を備え、
前記複数のDIMMの個々のDIMMは、前記複数のDIMMの他のDIMMとは独立に、該個々のDIMMの前記不揮発性メモリ部分に保存されたデータを該個々のDIMMの前記揮発性メモリ部分へコピーするように構成される
請求項13に記載のシステム。

[2]本件補正の適合性その1(補正の範囲、特許法第17条の2第3項)

ア 補正後請求項1について、
ア-1 補正後請求項1は、「チェックポイント管理モジュールを使用して、」以降に記載される7つの事項が「チェックポイント管理モジュールを使用して、」行うことを特定している。
すなわち、補正後請求項1は、以下の特定事項X1?X7を特定している。
X1:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記実行(複数のアプリケーションそれぞれの実行)中に、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行によって生成されたデータを揮発性メモリに書き込むことと
X2:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記書き込み後に、複数のアプリケーションそれぞれチェックポイントの表示を提供すること」、
X3:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記提供後に、前記揮発性メモリから不揮発性メモリへ前記データの異なる部分をコピーすること」
X4:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記コピー後に、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行を続行すること」
X5:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記実行の前記続行に続いて、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行におけるエラーを検出すること」
X6:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記検出に応答して、前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリに前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データをコピーすること」
X7:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへの前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データの前記コピーの後に、前記揮発性メモリにコピーされた前記複数のアプリケーションそれぞれのデータを使用して、前記複数のアプリケーションそれぞれのチェックポイントから前記複数のアプリケーションそれぞれを実行すること」

これらの特定事項が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「出願当初の明細書等」と略す。)に記載した事項の範囲内においてしたものであるか否かについて検討する。

ア-2 出願当初の明細書等には、「チェックポイント管理モジュール」に関連する記載を含め、下記の記載が認められる。

記(チェックポイント管理モジュール」に関連する記載等)
【請求項1】
処理回路部を使用してアプリケーションを実行することと、
前記実行中に、前記アプリケーションの前記実行によって生成されたデータを揮発性メモリに書き込むことと、
前記書き込み後に、チェックポイントの表示を提供することと、
前記提供後に、前記揮発性メモリから不揮発性メモリへ前記データをコピーすることと、
前記コピー後に、前記アプリケーションの前記実行を続行することと
を含むデータ保存方法。
【請求項3】
前記実行の前記続行に続いて、前記アプリケーションの前記実行におけるエラーを検出することと、
前記検出に応答して、前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへ前記データをコピーすることと、
前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへの前記データの前記コピーの後に、前記揮発性メモリに保存された前記コピーされたデータを使用して、前記チェックポイントから前記アプリケーションを実行することと
をさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記提供することは、
前記処理回路部によって実行されるオペレーティングシステムを使用して前記表示を提供すること
を含む
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
1つ又は複数のアプリケーションの実行に関連したチェックポイントの表示を受け取る
ことと、
前記受け取りに応答して、揮発性メモリから不揮発性メモリへの、前記1つ又は複数のアプリケーションの実行に起因するデータのコピーを開始することと
を含むデータ保存方法。
【請求項16】
前記メモリモジュールは、前記データの異なる部分を前記不揮発性メモリへ並列に同時にコピーするように構成される
請求項14に記載のシステム。
【0021】
一実施形態では、処理回路部102は、チェックポイント管理モジュール104を含む。
チェックポイント管理モジュール104は、一実施形態では、チェックポイントオペレーションを制御及び実施するように構成される。
例えば、チェックポイント管理モジュール104は、揮発性メモリ116から不揮発性メモリ118へのチェックポイントデータのコピー及び不揮発性メモリ118から揮発性メモリ116へのチェックポイントデータのコピーを制御することができる。
チェックポイント管理モジュール104は、一実施形態では、プロセッサ等の処理回路部を含むことができる。
他の実施形態では、チェックポイント管理モジュール104は、プロセッサ110及び/又はプロセッサ112において(例えば、マイクロコード又はソフトウェアとして)具現化され得る。
【0022】
例として、処理回路部102は、ディスクストレージ108(例えば、1つ又は複数のハードディスク)によって保存されたアプリケーションを実行することができる。
【0024】
一実施形態では、チェックポイント管理モジュール104は、チェックポイントデータの保存を管理することができる。
一実施形態では、チェックポイント管理モジュール104は、1つ又は複数のアプリケーションの実行に関連したチェックポイントの表示を処理回路部102から受け取ることができる。・・・処理回路部102は、処理回路部102の1つ又は複数のキャッシュメモリ(図示せず)のコンテンツを揮発性メモリ116にフラッシュした後に、この表示をチェックポイント管理モジュール104に提供することができる。
【0025】
表示を受け取ったことに応答して、チェックポイント管理モジュール104は、揮発性メモリ116によって保存されたアプリケーションデータのすべて又は一部の不揮発性メモリ118へのコピーを開始することができる。
一実施形態では、チェックポイントデータが揮発性メモリ116から不揮発性メモリ118へコピーされている間チェックポイントされているアプリケーション(複数可)のアプリケーションデータが変化しないように、表示をチェックポイント管理モジュール104に提供する前又は提供した後に、処理回路部102は、チェックポイントされているアプリケーション(複数可)の実行をサスペンドすることができる。
【0029】
一実施形態では、処理回路部102は、揮発性メモリ116及び不揮発性メモリ118を制御することによって、揮発性メモリ116から不揮発性メモリ118へのチェックポイントデータのコピーを実施することができる。
例えば、処理回路部102は、制御信号又は制御命令を揮発性メモリ116及び不揮発性メモリ118に提供することができる。
別の実施形態では、チェックポイント管理モジュール104が、メモリ116及び118を制御することによって、チェックポイントデータのコピーを実施することができる。
チェックポイント管理モジュール104は、チェックポイントデータの不揮発性メモリ118へのコピーが一旦成功すると、処理回路部102に通知することができる。
【0030】
別の実施形態では、メモリモジュール106は、別個の処理回路部(図示せず)を含むことができ、処理回路部102又はチェックポイント管理モジュール104は、チェックポイントデータを記述する情報(例えば、チェックポイントデータが保存されている揮発性メモリ116のロケーション)をこのような処理回路部に提供して、チェックポイントデータを不揮発性メモリ118へコピーするようにこのような処理回路部に命令することができる。
メモリモジュール106のこの処理回路部は、チェックポイントデータの不揮発性メモリ118へのコピーが一旦成功すると、チェックポイント管理モジュール104及び/又は処理回路部102に通知することができる。
【0032】
・・・(前略) この実施形態では、(例えば、処理回路部102によって実行されるオペレーティングシステム、仮想マシン、ハイパーバイザ等を介して)処理回路部102は、上述したように、チェックポイントをチェックポイント管理モジュール104に定期的に示すことができる。
【0034】
チェックポイントデータが保存され、アプリケーションの実行がレジュームされたことに続いて、処理回路部102及び/又はチェックポイント管理モジュール104は、(例えば、冗長計算チェックを介して)アプリケーションの実行のエラーを検出することができる。
一実施形態では、処理回路部102は、エラーを検出すると、アプリケーションのさらなる実行をサスペンドすることができる。
【0035】
エラーから回復するために、不揮発性メモリ118に保存されたチェックポイントデータに関連したチェックポイントから始めてアプリケーションを再実行することができる。
エラーの検出に応答して、チェックポイント管理モジュール104は、不揮発性メモリ118から揮発性メモリ116へチェックポイントデータをコピーすることができる。
チェックポイントデータが揮発性メモリ116に一旦コピーされると、チェックポイント管理モジュール104は、処理回路部102に通知することができる。
処理回路部102は、その後、チェックポイントデータを使用して、アプリケーションをチェックポイントから始めて再実行することができる。
このチェックポイントデータは、この時点では、揮発性メモリ116において処理回路部102に利用可能である。
【0045】
DIMM302、304、及び306のそれぞれは、異なるアプリケーションデータを保存することができる。
その結果、チェックポイントに遭遇したとき、チェックポイント管理モジュール104は、揮発性メモリ308から不揮発性メモリ310へのチェックポイントデータのコピー、揮発性メモリ312から不揮発性メモリ314へのチェックポイントデータのコピー、及び揮発性メモリ316から不揮発性メモリ318へのチェックポイントデータのコピーを開始することができる。
一実施形態では、チェックポイント管理モジュール104は、十分にバッファリングされた(fully-buffered)DIMM制御プロトコルを使用してDIMM302、304、及び306と通信することができる。
【0046】
一実施形態では、チェックポイント管理モジュール104及び/又は処理回路部102は、DIM302、304、及び306のそれぞれと個別に通信して、揮発性メモリ116から不揮発性メモリ118へのチェックポイントデータのコピーを開始することができる。
【0047】
同様の手法は、チェックポイントデータを不揮発性メモリ118から揮発性メモリ116へ復元するときも使用され得る。
この手法によれば、チェックポイント管理モジュール104及び/又は処理回路部102は、不揮発性メモリ118から揮発性メモリ116へのチェックポイントデータのコピーを開始するために、DIMM302、304、及び306のそれぞれと個別に通信することができる。
【0050】
一実施形態では、ノースブリッジ402は、チェックポイント管理モジュール104を含む。
この実施形態では、チェックポイント管理モジュール104は、実行のためにプロセッサ110及び/又はプロセッサ112へ転送される命令を保存することができる。
代替的に又は加えて、ノースブリッジ401は、チェックポイント管理モジュール104のすべて又は一部を実施する制御ロジックを含むことができる。
代替的に、別の実施形態では、チェックポイント管理モジュール104は、プロセッサ110及び/又はプロセッサ112によって処理される命令として(例えば、隠匿された(concealed)ハイパーバイザ又はファイアウォールとして)実施され得る。

ア-3 上記特定事項X3,X5,X6は、出願当初の明細書等に記載されている(特に、X3については【0025】等、X5については【0034】等、X6については【0035】等)。

また、上記特定事項X1,X2,X4、X7の後半部分、すなわち、
y1:「前記実行(複数のアプリケーションそれぞれの実行)中に、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行によって生成されたデータを揮発性メモリに書き込むこと」、
y2:「前記書き込み後に、複数のアプリケーションそれぞれチェックポイントの表示を提供すること」、
y4:「前記コピー後に、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行を続行すること」、
y7:「前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへの前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データの前記コピーの後に、前記揮発性メモリにコピーされた前記複数のアプリケーションそれぞれのデータを使用して、前記複数のアプリケーションそれぞれのチェックポイントから前記複数のアプリケーションそれぞれを実行すること」、
は、出願当初の請求項1、3、8,9、16の他、
y1、y2については、例えば、「チェックポイント管理モジュール104は、1つ又は複数のアプリケーションの実行に関連したチェックポイントの表示を処理回路部102から受け取ることができる。・・・処理回路部102は、処理回路部102の1つ又は複数のキャッシュメモリ(図示せず)のコンテンツを揮発性メモリ116にフラッシュした後に、この表示をチェックポイント管理モジュール104に提供することができる。」(段落【0024】)、
y4,y7については、例えば、「処理回路部102は、ディスクストレージ108(例えば、1つ又は複数のハードディスク)によって保存されたアプリケーションを実行することができる。」(【0022】)
「表示をチェックポイント管理モジュール104に提供する前又は提供した後に、処理回路部102は、チェックポイントされているアプリケーション(複数可)の実行をサスペンドすることができる。(【0025】)、「チェックポイント管理モジュール104は、チェックポイントデータの不揮発性メモリ118へのコピーが一旦成功すると、処理回路部102に通知することができる。」(【0029】)、「チェックポイントデータが保存され、アプリケーションの実行がレジュームされたこと・・・処理回路部102は、エラーを検出すると、アプリケーションのさらなる実行をサスペンドすることができる。」(【0034】)に続く「エラーから回復するために、不揮発性メモリ118に保存されたチェックポイントデータに関連したチェックポイントから始めてアプリケーションを再実行することができる。」(段落【0035】)
の記載からすれば、
出願当初の明細書等に記載されている、いうことができる。

しかしながら、上記摘示した記載を含め、出願当初の明細書等には、
上記y1,y2,y4,y7が「チェックポイント管理モジュール」を使用して行われることは記載されていない(「チェックポイント管理モジュール104」は、「処理回路部102」により提供された「表示を受け取」るものとされ、アプリケーションを実行するものとはされていない。)。
すなわち、上記特定事項X1,X2,X4、X7は、出願当初の明細書等に記載されているとはいえない。
また、これらの特定事項は、出願当初の明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係においても、新たな技術的事項ではない、とはいえない。

イ 補正後請求項8について
同様に、補正後請求項8は、以下の特定事項X8、X9,X4?X7を特定するものである。
X8:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「複数のアプリケーションそれぞれの実行に関連したチェックポイントの表示を受け取ること」、
X9:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記受け取りに応答して、揮発性メモリから不揮発性メモリへの前記複数のアプリケーションそれぞれの実行に起因するデータのコピーを開始すること」、
X4:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記コピー後に、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行を続行すること」
X5:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記実行の前記続行に続いて、前記アプリケーションそれぞれの前記実行におけるエラーを検出すること」
X6:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記検出に応答して、前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリに前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データをコピーすること」、
X7:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへの前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データの前記コピーの後に、前記揮発性メモリにコピーされた複数のアプリケーションそれぞれのデータを使用して、前記複数のアプリケーションそれぞれのチェックポイントから前記複数のアプリケーションそれぞれを実行すること」
(なお、「X4」?「X7」としたのは、その特定事項が上記ア-1の「X4」?「X7」と実質的に同じなので同じ記号を用いた。)

上記アでの検討結果を踏まえれば、上記特定事項X4、X7は、出願当初の明細書等に記載されているとはいえないし、出願当初の明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係においても、新たな技術的事項ではない、とはいえない。

ウ 補正後請求項13について
同様に、補正後請求項13は、以下の特定事項X8、X9,X4?X7を特定するものである。
X8:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「複数のアプリケーションそれぞれの実行に関連したチェックポイントの表示を受け取」ること、
X9:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記受け取りに応答して、揮発性メモリから不揮発性メモリへの前記複数のアプリケーションそれぞれの実行に起因するデータのコピーを開始」すること、
X4:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記コピー後に、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行を続行」すること、
X5:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記実行の前記続行に続いて、前記アプリケーションそれぞれの前記実行におけるエラーを検出」すること
X6:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記検出に応答して、前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリに前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データをコピー」すること、
X7:「チェックポイント管理モジュールを使用して、」「前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへの前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データの前記コピーの後に、前記揮発性メモリにコピーされた複数のアプリケーションそれぞれのデータを使用して、前記複数のアプリケーションそれぞれのチェックポイントから前記複数のアプリケーションそれぞれを実行する」こと

上記ア、イでの検討結果を踏まえれば、上記特定事項X4、X7は、出願当初の明細書等に記載されているとはいえないし、出願当初の明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係においても、新たな技術的事項ではない、とはいえない。

エ まとめ(補正の範囲)
以上のとおりであるから、本件補正は、出願当初の特許請求の範囲、明細書又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないもの、ではない。
したがって、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものではなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反しているものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

[3]本件補正の適合性その2(補正の目的、特許法第17条の2第5項)

ア 補正前後の請求項の対応関係
補正後の請求項のうち、項番の変更を除いて記載事項の内容に変更を伴うものは、請求項1、8,13のみであり、請求項1の従属請求項である請求項2は、項番を含め補正の前後を通じて変更はない。
そして、独立請求項である補正後請求項1に従属する補正後の請求項3?7の記載事項は、それぞれ補正前の請求項4?8の記載事項と同じであり、
独立請求項である補正後請求項8に従属する補正後の請求項9?12の記載事項は、それぞれ補正前の請求項10?13の記載事項と同じであり、
独立請求項である補正後請求項13に従属する補正後の請求項14?18の記載事項は、それぞれ補正前の請求項15?19の記載事項と同じであることからすれば、
補正前請求項3は削除されているといえ、したがって、
本件補正は、
(a)補正前請求項1の内容を変更して補正後請求項1とする補正
(b)補正前請求項3を削除すると共に、これに伴い、補正前の項番4?19を、それぞれ、補正後項番3?18に繰り上げる補正
(c)補正前請求項9の内容を変更して補正後請求項8とする補正
(d)補正前請求項14の内容を変更して補正後請求項13とする補正
を含んでいる。

イ 補正による変更内容
○補正(a)は、実質的に以下の変更内容からなる補正事項を含んでいる。」
(a-1)補正前請求項1の「アプリケーションの実行」、「チェックポイントの表示」を、「複数のアプリケーションそれぞれの実行」、「複数のアプリケーションそれぞれチェックポイントの表示」と変更する補正
(a-2)一連の上記下線部「前記実行の前記続行に続いて、・・・それぞれのチェックポイントから前記複数のアプリケーションそれぞれを実行すること」を追加特定する補正
(a-3)補正前請求項1の「前記提供後に、前記揮発性メモリから不揮発性メモリへ前記データの異なる部分を並列に同時にコピーすること」を「前記提供後に、前記揮発性メモリから不揮発性メモリへ前記データの異なる部分をコピーすること」とする補正
(a-4)補正前請求項1の「前記実行中に、・・・書き込むこと」、「前記書き込み後に、チェックポイントの表示を提供すること」、「前記提供後に、前記揮発性メモリから不揮発性メモリへ前記データの異なる部分を並列に同時にコピーすること」、「前記コピー後に、前記アプリケーションの前記実行を続行すること」、
及び、上記(a-2)で追加特定した一連の上記下線部が、「チェックポイント管理モジュールを使用して」行われることを追加する補正

○補正(c)は、実質的に以下の変更内容からなる補正事項を含んでいる。
(c-1)補正前請求項9の「1つ又は複数のアプリケーションの実行」を、「複数のアプリケーションのそれぞれの実行」と変更する補正
(c-2)一連の上記下線部「前記コピー後に、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行を続行することと、・・・それぞれのチェックポイントから前記複数のアプリケーションそれぞれを実行すること」を追加特定する補正
(c-3)補正前請求項9の「前記コピーを開始することは、
前記データの異なる部分を前記不揮発性メモリへ並列に同時にコピーすること」を削除する補正
(c-4)補正前請求項9の「1つ又は複数のアプリケーションの実行に関連したチェックポイントの表示を受け取ること」、「前記受け取りに応答して、揮発性メモリから不揮発性メモリへの、前記1つ又は複数のアプリケーションの実行に起因するデータのコピーを開始すること」及び、上記(c-2)で追加特定した一連の上記下線部が、「チェックポイント管理モジュールを使用して」行われることを追加する補正

○補正(d)は、実質的に以下の変更内容からなる補正事項を含んでいる。
(d-1)補正前請求項14の「アプリケーションの命令」、「データを保存」を、「複数のアプリケーションそれぞれの命令」、「複数のアプリケーションそれぞれのデータを保存」と変更する補正
(d-2)補正前請求項14の「前記処理回路部は、チェックポイントが示されていることに応答して、前記揮発性メモリから前記不揮発性メモリへの前記データのコピーを開始するように構成され、」、「補正後請求項14の「前記メモリモジュールは、前記データの異なる部分を前記不揮発性メモリへ並列に同時にコピーするように構成される」を、
「チェックポイント管理モジュールを使用して、 複数のアプリケーションそれぞれの実行に関連したチェックポイントの表示を受け取り、
前記受け取りに応答して、揮発性メモリから不揮発性メモリへの前記複数のアプリケーションそれぞれの実行に起因するデータのコピーを開始し」と変更する補正
(d-3)補正前請求項14に、「チェックポイント管理モジュールを使用して、」
「前記コピー後に、前記複数のアプリケーションそれぞれの前記実行を続行し、 前記実行の前記続行に続いて、前記アプリケーションそれぞれの前記実行におけるエラーを検出し、
前記検出に応答して、前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリに前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データをコピーし、
前記不揮発性メモリから前記揮発性メモリへの前記複数のアプリケーションそれぞれの前記データの前記コピーの後に、前記揮発性メモリにコピーされた複数のアプリケーションそれぞれのデータを使用して、前記複数のアプリケーションそれぞれのチェックポイントから前記複数のアプリケーションそれぞれを実行する」を追加特定する補正

ウ 補正の適否
ウ-1 上記補正(a)(補正前請求項1についてする補正)
上記(a-1)の変更は特定事項を減縮する変更であり、上記(a-2)(a-4)は特定事項を追加する補正であるから、これらは共に補正前請求項1を「減縮」する補正である。
しかしながら、上記(a-3)は、補正前の「前記データの異なる部分を並列に同時にコピーすること」から「並列に同時に(コピーする)」との特定事項を削除する補正であるから、特定事項は「拡張」されていて、「減縮」する補正とはいえない。
そうすると、上記補正(a)、すなわち、補正前請求項1についてする補正(補正元である補正前請求項1を補正後請求項1とする補正)全体としては、特定事項の削除を伴っているから、請求項を減縮する補正とはいえない。

ウ-2 上記補正(b)
上記補正(b)は、請求項を削除を目的とする補正である。

ウ-3 上記補正(c)(補正前請求項9についてする補正)
上記(c-1)の変更は特定事項を減縮する変更であり、上記(c-2)(c-4)は特定事項を追加する補正であるから、これらは共に補正前請求項9を「減縮」する補正である。
しかしながら、上記(c-3)は、特定事項を削除する補正であるから、補正前請求項9はこの点について「拡張」されていて、「減縮」する補正とはいえない。
そうすると、上記補正(c)、すなわち、補正前請求項9についてする補正(補正元である補正前請求項9を補正後請求項8とする補正)全体としては、請求項を減縮する補正とはいえない。

ウ-3 上記補正(d)(補正前請求項14についてする補正)
上記(d-1)の変更は特定事項を減縮する変更であり、上記(d-3)は、特定事項を追加する補正であるから、これらは共に補正前請求項14を「減縮」する補正である。
上記(d-2)の変更は、少なくとも、補正前の「前記データの異なる部分を並列に同時にコピーすること」との特定事項を削除することを含んでいるから、「減縮」する補正とはいえない。
そうすると、補正前請求項14についてする補正(補正元である補正前請求項14を補正後請求項13とする補正)全体としては、請求項を減縮する補正とはいえない。

エ まとめ(補正の目的)
以上のとおり、上記補正(a)、上記補正(c)、上記補正(d)は、いずれも、請求項を減縮するものではなく、したがって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものではない。
また、上記補正(a)、上記補正(c)、上記補正(d)は、いずれも、請求項の削除,誤記の訂正,明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものでもないことは明らかである。

本件補正は特許請求の範囲についてする補正を含むところ、その補正は、特許法第17条の2第5項各号に掲げる事項を目的とするもののいずれにもも該当しない。
したがって、本件補正は、(上記[2]の理由のほか、)特許法第17条の2第5項の規定に違反しているものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

【第3】本願発明

平成25年4月30日付けの補正は上記のとおり却下する。
本願の請求項1から請求項18までに係る発明は、本願特許請求の範囲,明細書及び図面(平成24年12月25日付けの手続補正書により補正されたもの)の記載からみて、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1から請求項18までに記載した事項により特定されるとおりのもの(上記【第2】の[1]の(補正前)に記載したとおりのもの)であるところ、このうち、請求項9に係る発明(以下、本願発明という)を要件A?Dに分説して再掲する。
記(本願発明(請求項9)、分説)
A :1つ又は複数のアプリケーションの実行に関連したチェックポイントの表示を受け取ることと、
B :前記受け取りに応答して、揮発性メモリから不揮発性メモリへの、前記1つ又は複数のアプリケーションの実行に起因するデータのコピーを開始することと
を含み、
C :前記コピーを開始することは、
前記データの異なる部分を前記不揮発性メモリへ並列に同時にコピーすること
を含む
D :データ保存方法。


【第4】査定の検討 (当審の判断)

[1]引用刊行物の記載
刊行物1:特開2008-003691号公報
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1には、以下の記載がある。
なお、下線は、注目箇所を示すために当審で施したものである。

〈【技術分野】〉
【0001】
本発明は、ソフトウェア故障から計算機システムを復旧する、チェックポイント/リスタート技術に関する。特に、故障要因が攻撃や侵入である場合も含めて対処可能な技術に関する。

〈【背景技術】〉
【0002】
計算機のソフトウェアやハードウェアに故障が発生した際、実行中のプログラム(以下、プロセスと呼ぶ。)がデータ処理を中断し,以前のプロセスの実行状態に移行し,業務を継続する計算機技術を、一般に、チェックポイント/リスタート制御方法と呼ぶ。プロセスのリスタート(再始動)とは,システムやプロセスの停止を伴う,装置のリブート(再起動)とは異なる。リスタート(再始動)とは,プロセスを停止せずに,事前に記録したメモリや入出力の状態を呼び出すことで,状態を回復するものである。この状態を記録するタイミングをチェックポイント(CP)と呼ぶ。
【0003】
なお、本明細書では、チェックポイント(CP)において複製する情報をチェックポイント情報(CP情報)と呼び、CP情報を複製し記録媒体に記録することをCP情報の取得と呼ぶ。また、CP情報を呼び出し、状態の回復を行うことを回復処理と呼ぶ。

〈発明が解決しようとする課題〉
【0017】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、故障の要因が不明確な場合であっても、システムを安全に回復し、業務を迅速に再開する、目的に適ったチェックチェックポイント/リスタート制御技術を提供することを目的とする。

〈発明を実施するための最良の形態〉
〈第1の実施形態、構成、図1〉
【0022】
<<第一の実施形態>>
本実施形態の情報処理装置500の構成図を図1に示す。本図に示すように、本実施形態の情報処理装置500は、マルチプロセッサ501と、メモリ509と、ストレージ506と、ネットワークインタフェース507と、入出力インタフェース508と、を備える。また、メモリ509は、揮発性メモリ(DRAM)504と、相変化メモリ(PRAM)505と、ストレージ(HDD)506とを備える。ここでは、マルチプロセッサ501は、プロセッサ502と503との2つを備えるものとする。ただし、プロセッサは1台以上のCPUであればよく、その数は問わない。
【0023】
HDD506は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどのソフトウェアをファイルとして記憶する二次記憶である。
【0024】
DRAM504は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどのソフトウェアやデータを記憶する一次記憶である。
【0025】
マルチプロセッサ501は、HDD506に記憶されているソフトウェアをDRAM504にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。またマルチプロセッサ501は、処理の途中に生成したデータを一時的にDRAM504に記憶する。
【0026】
PRAM505は、チェックポイント/リスタートで使用するデータを保持する。チェックポイント/リスタートで使用するデータは、各チェックポイントにおいて、再始動するために必要な情報として保持されるプロセスのメモリ状態である。以下、各チェックポイントにおける、保持されるプロセスのメモリ状態のデータをチェックポイント情報(CP情報)と呼ぶ。また、チェックポイント取得時刻をCPtと表した場合、その時刻CPtにおいて取得したCP情報をCPt情報と呼ぶ。なお、PRAM505は、改ざん困難な不揮発性メモリであれば、相変化メモリPRAM505でなくてもよい。
【0027】
入出力インタフェース508は、管理者あるいは監視者からの要求の入力をマルチプロ
セッサ501に伝達し、逆に、マルチプロセッサ501で処理した結果を出力する、入出力装置、例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ等のデバイスと接続する。
【0028】
ネットワークインタフェース507は、外部の計算機やシステムと接続するネットワークカードである。

《実現する機能構成,図2》
【0029】
本実施形態のマルチプロセッサ501がプログラムを実行することにより実現する機能構成を図2に示す。本図に示すように、本実施形態の計算機システム500は、オペレーティングシステム(OS)1010と、OS1010上で稼動するアプリケーションプログラム(AP)1000と、ライブラリ1020と、を備える。
【0030】
本実施形態では、マルチプロセッサ501がプログラムを実行することにより、システムコールハンドラ1011と、システムコールサービスルーチン1012とに加え、システムコール監視処理部1014と、チェックポイント/リスタート処理部1013と、ライブラリチェックポイント/リスタート処理部(Lチェックポイント/リスタート処理部)1023と、ライブラリ関数監視処理部1024と、を実現する。また、ストレージHDD506には、発行されるシステムコールまたは関数を、その発行順に記録する発行履歴1015と、チェックポイント情報を取得する特定のシステムコール、関数、および、システムコール列を記録するコールリスト1016と、発行されるライブラリ関数をその発行順に記録するライブラリ発行履歴(L発行履歴)1025と、チェックポイント情報を取得する特定のライブラリ関数を記録するライブラリ関数リスト(Lコールリスト)1026とが記録される。
【0031】
なお、図2に示す例では、ライブラリ1020とOS1010とにそれぞれシステムコール監視部1014とライブラリ関数監視部1024とが存在し、それぞれが専用のチェックポイント/リスタート機能と連携して動作する。このように図2に示す例は、監視部とチェックポイント/リスタート機能とがライブラリ1020とOS1010とに別れ、システムで二組存在するものであるが、いずれか一方の組だけが存在するよう構成してもよい。
【0032】
マルチプロセッサ501が実行する監視対象のプロセス1001が発行するシステムコール、および、関数は、上述のように発行順に発行履歴1015に記録される。ライブラリコールについても同様にL発行履歴1025に記録される。このため、以下においては、システムコールの場合を例にあげて説明する。
【0033】
また、コールリスト1016には、予め定めたシステムコール列、システムコール、関数が記憶される。
【0034】
システムコール監視処理部1014は、プロセス1001が発行するシステムコールおよび関数を監視し、所定のシステムコール列、システムコールおよび関数(以後、システムコール列と総称する。)が発行されたことを検出するとチェックポイント/リスタート処理部1013に通知する。具体的には、プロセス1001が発行し、発行履歴1015に記録されるシステムコール列をコールリスト1016に記録されているシステムコール列と照合し、合致した場合、チェックポイント/リスタート処理部1013に通知する。
【0035】
チェックポイント/リスタート処理部1013は、システムコール監視処理部1014から合致したとの通知を受けると、その時刻およびその時点のメモリ状態をそれぞれ時刻CP、CP情報としてPRAM505に記録する。
【0036】
また、チェックポイント/リスタート処理部1013は、故障が発生した際、PRAM505に記録したCP情報を用いて、回復処理を行う。

《システムコール監視処理部1014,チェックポイント/リスタート処理部1013の処理の詳細》
【0037】
以下、システムコール監視処理部1014およびチェックポイント/リスタート処理部1013の処理の詳細を説明する。

《UDPサーバの場合の例、図3》
【0038】
まず、システムコール監視処理部1014が監視するシステムコール列を、情報処理装置500がオンライン状態の場合とオフライン状態の場合とに分けて説明する。ここでは、情報処理装置500がUDPサーバの場合を例にあげて説明する。オンライン状態では、UDPサーバである情報処理装置500は、複数のUDPクライアントと情報を送受信し、処理を行う。
【0039】
図3は、情報処理装置500(UDPサーバ)のサーバプロセス1001が初期化処理を実行する際、データ通信に発行する代表的なシステムコール列を説明するフローである。以下では,情報処理装置500はハードウェアであり,プロセス1001はサーバソフトウェアが稼動しているソフトウェアとする。
・・・(中略)・・・
【0048】
まず、システムの保全性に影響を与えるシステムコール列として、オフライン状態からオンライン状態に変わる直前の状態を検出可能なシステムコール列がある。プロセス1001開始時は、UDPサーバでは、…、socket、socket、bind、bind、select、recvfrom、…の順序でシステムコールが発行される。上述のようにrecvfromシステムコールが発行されたときは、ソケットを介してUDPクライアントから要求データを受信した状態、すなわち、オンラインでの使用が開始された状態である。socket、socket、bind、bind、の順にシステムコールが発行され、続いてselectシステムが発行されたタイミングが、オンライン状態となる直前のメモリ状態といえる。このタイミングでCP情報を取得することにより、オンライン使用直前のメモリ状態をCP情報として保存することができる。なお、オンライン直前のメモリ状態として取得するCP情報を、CP0情報と呼ぶ。また、その時刻をCP0とする。
【0049】
本実施形態では、CP0情報を取得するタイミングとして、コールリスト1016にシステムコール列S0(ホワイトリスト)socket、socket、bind、bind、selectを予め記録しておく。システムコール監視処理部1014は、socket、socket、bind、bind、の順にシステムコールが発行され、続いてselectが発行されると、CP情報を取得するようチェックポイント/リスタート処理部1013に通知する。チェックポイント/リスタート処理部1013は、通知を受けると、その時点のメモリ状態をCP0情報としてPRAM505に記録するとともに、その時刻CP0をCP0情報に対応づけて記録する。

《ファイルの更新の例、図4》
【0052】
図4は、情報処理装置500がオンライン状態においてファイル更新という保守作業が行われる場合を説明するための図である。
【0053】
通常時は、図4に示すように、情報処理装置500(UDPサーバ)は、recvfrom(S801)とsendto(s802)とを繰り返して処理を進める。すなわち、発行されるシステムコール列は
填、recvfrom、sendto、recvform、sendto、recvfrom、…
である。
【0054】
保守のためにファイル更新が行われる場合は、遠隔より入力されたデータによって、プログラムの動作を変え、バイナリファイルや定義ファイルを更新する。この時、ファイルに書き込むため、writeシステムコールが発行される。この場合は、recvfrom(S803)、write(s804)、sendto(s805)の順にシステムコールが発行され、処理が進められる。すなわち、発行されるシステムコール列は
…、recvfrom、sendto、recvform、write、sendto、recvfrom、…
となる。
【0055】
writeシステムコールによって、ファイルが書き換えられるため、writeシステムコールが保全性を変更するシステムコールにあたる。従って、システムの保全性に影響を与える処理が行われる直前のメモリ状態を保存するためには、writeシステムコールが発行された後であって、システムコールサブルーチン1012において処理が実行される前にCP情報を取得する。
【0056】
すなわち、システムコール監視処理部1014は、writeシステムコールが発行されたことを検出すると、その旨を、チェックポイント/リスタート処理部1013に通知する。チェックポイント/リスタート処理部1013は、通知を受けるとその時点のCP情報および時刻を示すCPを対応づけてPRAM505に記録する。
【0057】
以上では、OS1010のシステムコール監視部1014により実現する場合を例にあげて説明した。プロセス1001は、AP1000より呼び出されるソフトウェアであればよい。・・・(以下略)

【0070】
図3で説明したオフライン状態では、初期化処理、例えば、定義ファイルの読み込みなど、定常状態に至るまでの処理手順は厳密に定まっている。そのために、アプリケーション毎にプロセス1001が発行するシステムコール列は一意に定まる可能性が高い。このため、特定のシステムコール列S0を予め記録しておき、実際に発行されているシステムコール列と照合し、CP0情報取得タイミングを決定することが可能である。

《チェックポイント/リスタート処理部1013の処理、図8》
【0107】
次に、本実施形態のチェックポイント/リスタート処理部1013が、所定のプロセス1001を監視しながらCP情報を取得し、故障が発生した場合に取得したCP情報を用いて回復処理を行う処理フローについて説明する。
【0108】
図8は、チェックポイント/リスタート処理部1013がシステムコール監視処理部1014からの通知に基づいてCP情報を取得するCP情報取得処理の処理フローである。
・・・(中略)・・・
【0113】
システムコール監視処理部1014は、プロセス1001が発行するシステムコール列Sを監視する(S603)。システム監視処理部1014は、情報処理装置500がオフライン状態の場合、システムコール列S0の発行の有無を監視する。監視中にコールリスト1016に保存されているシステムコール列S0が発生したことを検出すると(s604)、システムコール監視処理部1014はチェックポイント/リスタート処理部1013に検出を通知する。通知を受けたチェックポイント/リスタート処理部1013は、通知を受けた時刻をCP0とし、CP0時点のプロセス1001のメモリ状態をDRAM504上で複製することによりCP情報を取得し、CP0情報とする(s605)。
【0114】
チェックポイント/リスタート処理部1013は、時刻CP0を時刻t0とし、S604で取得したCP0情報をDRAM504からPRAM505に転送し、時刻CP0と対応づけてCP0情報をPRAM505に記録する(s606)。
【0115】
情報処理装置500がネットワークインタフェース507を介して他の装置やシステムと接続されたことを検出すると(s607)、システムコール監視処理部1014は、プロセス1001のシステムコール列Sの監視をオンライン状態の監視に切り替える。
【0116】
オンライン状態になると、システムコール監視処理部1014は、引き続きプロセス1001が発行するシステムコール列Sを監視する(s608)。ここでは、システムコール監視処理部1014は、上述のwriteシステムコールまたは関数dlopenの発行の有無を監視する。なお、オンライン状態になると、チェックポイント/リスタート処理部1013は故障の発生を監視する。そして、故障を検出した場合(s609)は、後述する図9のCP回復処理を行う。
【0144】
また、本実施形態によれば、チェックポイント/リスタート処理部1013にチェックポイント/リスタート処理部1013にCP情報を取得する、再始動を行うといった契機となる指示を行う機能であるシステムコール監視手段をチェックポイント/リスタート処理部1013と同様にOS内に備えている。このため、OS外で実行されるアプリケーションであるプロセス1001からCP情報取得等の指示を受ける場合に比べ、不正コード侵入の影響をうけにくい。すなわち、プロセス1001から指示を受ける場合、プロセス
1001に不正コード挿入されると、CP情報の取得を回避する、無制限に実行するなど操作を受け易い。しかし、本実施形態の構成では、そのような不安はない。

[2]刊行物1に記載された発明(以下、「引用発明」という。)

ア 刊行物1概要、引用発明認定の基礎
刊行物1は、「ソフトウェア故障から計算機システムを復旧する、チェックポイント/リスタート技術に関する」ものが記載されており(【0001】)、 第1実施形態の「情報処理装置500」(「計算機システム500」)について、その概要構成が段落【0022】?【0028】及び図1に示され、
その実現する機能構成が段落【0029】?【0036】及び図2に示される。
その機能構成である「システムコール監視処理部1014,チェックポイント/リスタート処理部1013の処理の詳細」が、
・「UDPサーバである情報処理装置500」の場合の例について段落【0038】?【0050】及び図3に、
・「情報処理装置500がオンライン状態においてファイル更新」をする場合の例について、段落【0052】?【0057】及び図4に、
・「チェックポイント/リスタート処理部1013の処理が、所定のプロセス1001を監視しながらCP情報を取得」する処理フローについて(段落【0107】?【0114】及び図8に示されており、
かかる第1実施の形態に着目し主にこれを基礎に刊行物1記載の発明(以下、「引用発明」という。)を「方法の発明」として認定する。

イ 第1の実施の形態
イ-1 図1,段落【0022】?【0028】によれば、
「情報処理装置500」は、1または複数のプロセッサ(502と503)を備える「マルチプロセッサ501」と、「一次記憶」である」「揮発性メモリ」「DRAM504」と、「不揮発性メモリ」(PRAM505)と、「入出力インタフェース508」と、「HDD506」と、「ネットワークインタフェース507」とを備え、 (→引用発明のp)
「一次記憶」である」「揮発性メモリ(DRAM)504」には、「オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどのソフトウェアやデータを記憶」されると共に、「マルチプロセッサ501」が「処理の途中に生成したデータを一時的に」記憶されるようにされ、
「不揮発性メモリ(PRAM)505]には、「チェックポイント/リスタートで使用するデータ」であって、「各チェックポイントにおいて、再始動するために必要な情報として保持されるプロセスのメモリ状態」の「データ」(「チェックポイント情報(CP情報)」)が「保持」されるようにされ、
「二次記憶」である「HDD506」には、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどのソフトウェアをファイルとして記憶されるようにされる。 (→引用発明のq)
上記相変化メモリPRAM505は、「不揮発性メモリであれば、相変化メモリPRAM505でなくてもよい」(段落【0026】)とされることから、引用発明の認定においては、「PRAM」は「不揮発メモリ」とし、同様に、揮発メモリであればDRAMでなくてもよいといえ、「DRAM」を「揮発メモリ」とする。

イ-2 図2?図4,段落【0029】?【0144】
「マルチプロセッサ501が実行する監視対象のプロセス1001」は、「オペレーティングシステム(OS)1010上で稼動するAP1000」(アプリケーションプログラム)「より呼び出される。」(【0029】,【0057】)
オペレーティングシステム(OS)1010は、システムコール監視処理部1014、チェックポイント/リスタート処理部1013を備える(【0031】,【0144】)。
段落【0031】(特に、「いずれか一方の組だけが存在するよう構成してもよい。」)によれば、「ライブラリ1020」には監視部とチェックポイント/リスタート機能が存在せず、監視部とチェックポイント/リスタート機能は、「OS1010」の「システムコール監視部1014とライブラリ関数監視部1024」だけで実現されるものを認めることができる。

そして、「システムコール監視処理部1014」は、「プロセス1001が発行するシステムコールおよび関数を監視し、所定のシステムコール列、システムコールおよび関数(以後、システムコール列と総称する。)が発行されたことを検出するとチェックポイント/リスタート処理部1013に通知」し(【0034】)、
「チェックポイント/リスタート処理部1013は、システムコール監視処理部1014から」(所定のシステムコール列と)「合致したとの通知を受けると、その時刻およびその時点のメモリ状態をそれぞれ時刻CP、CP情報としてPRAM505に記録する。」とされ(【0035】)、
例えば、ファイル更新の例では、「システムの保全性に影響を与える処理が行われる直前のメモリ状態を保存するために」、「writeシステムコールが発行された後であって、システムコールサブルーチン1012において処理が実行される前にCP情報を取得する。」「すなわち、システムコール監視処理部1014は、writeシステムコールが発行されたことを検出すると、その旨を、チェックポイント/リスタート処理部1013に通知する。チェックポイント/リスタート処理部1013は、通知を受けるとその時点のCP情報および時刻を示すCPを対応づけてPRAM505に記録する」(【0055】【0056】)。
また、かかる動作に関し、チェックポイント/リスタート処理部1013の処理の説明(図8,段落【0113】,【0114】)では、「システムコール監視処理部1014は、プロセス1001が発行するシステムコール列」「(オフラインの場合システムコール列S0)の発行の有無を監視」し「監視中にコールリスト1016に保存されているシステムコール列S0が発生したことを検出すると(s604)、システムコール監視処理部1014はチェックポイント/リスタート処理部1013に検出を通知する。通知を受けたチェックポイント/リスタート処理部1013は、通知を受けた時刻をCP0とし、CP0時点のプロセス1001のメモリ状態をDRAM504上で複製することによりCP情報を取得し、CP0情報と」し、「S604で取得したCP0情報をDRAM504からPRAM505に転送し、時刻CP0と対応づけてCP0情報をPRAM505に記録する(s606)。」とされる。
時刻CP0とは「チェックポイント時刻」であり、CP情報とは「チェックポイント(CP)において複製する情報、すなわち、チェックポイント情報」である(【0002】【0003】)。

そして、その後、オンライン状態になれば、システムコール列Sの監視をオンライン状態の監視に切り替え、「システムコール監視処理部1014は、引き続きプロセス1001が発行するシステムコール列Sを監視する(s608)。」(【0115】【0116】)。

これら「システムコール監視処理部1014」と「チェックポイント/リスタート処理部1013」の動作は、「オペレーティングシステム(OS)1010上で稼動するAP1000」「より呼び出され」、「監視対象のプロセス1001」を「マルチプロセッサ501が実行する」際に行われる動作であることは明らかである。

以上によれば、
「オペレーティングシステム(OS)1010上で稼動する」アプリケーションプログラム「AP1000」(「より呼び出され」、「監視対象のプロセス1001」を「マルチプロセッサ501が実行する」際、
「OS1010」の「システムコール監視部1014」は、
「プロセス1001が発行するシステムコール列」「を監視し、「監視中」に」所定のシステムコール列」(コールリスト1016に保存されているシステムコール列)「が発行されたことを検出するとチェックポイント/リスタート処理部1013に通知」する。
そして、「OS1010」の「チェックポイント/リスタート処理部1013は、システムコール監視処理部1014から」当該「通知を受けると」、
「通知を受けた時刻をCP0」(チェックポイント時刻)「とし、CP0時点のプロセス1001のメモリ状態を揮発性メモリ(DRAM)504上で複製することによりCP情報」(チェックポイント(CP)において複製する情報、チェックポイント情報)「を取得し」、「取得したCP0情報を揮発性メモリ(DRAM)504から不揮発性メモリ(PRAM)505に転送し、時刻CP0と対応づけてCP0情報を不揮発性メモリ(PRAM)505に記録する」。
その後、「システムコール監視処理部1014は、引き続きプロセス1001が発行するシステムコール列を監視する。
(→引用発明のr、r1,r2,r3)
イ-3 全体の方法
上記イ-2の方法は、上記イ-1の「情報処理装置500」を用いて行われること、」、全体として、「ソフトウェア故障から計算機システムを復旧する、チェックポイント/リスタート制御方法」(【0001,【0002】)における方法であることは明らかである。 (→引用発明のp)

ウ 引用発明
以上によれば、引用発明として、下記の発明を認定することができる(便宜上、p?r3に分説しておく)。

記(引用発明)
p :1または複数のプロセッサ(502と503)を備えるマルチプロセッサ501と、一次記憶である揮発性メモリ504と、不揮発性メモリ505と、入出力インタフェース508と、HDD506と、ネットワークインタフェース507とを備える情報処理装置500を用いて行われる、ソフトウェア故障から計算機システムを復旧する、チェックポイント/リスタート制御方法における方法であって、
q :揮発性メモリ504には、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどのソフトウェアやデータを記憶されると共に、マルチプロセッサ501が処理の途中に生成したデータを一時的に記憶されるようにされ、
不揮発性メモリ505には、チェックポイント/リスタートで使用するデータであって、各チェックポイントにおいて、再始動するために必要な情報として保持されるプロセスのメモリ状態のデータ(チェックポイント情報(CP情報)が保持されるようにされ、
HDD506には、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどのソフトウェアをファイルとして記憶されるようにされており、
r :オペレーティングシステム(OS)1010上で稼動するアプリケーションプログラムAP1000より呼び出され、監視対象のプロセス1001をマルチプロセッサ501が実行する際、
r1:OS1010のシステムコール監視部1014は、
プロセス1001が発行するシステムコール列を監視し、監視中に所定のシステムコール列が発行されたことを検出するとチェックポイント/リスタート処理部1013に通知し、
r2:OS1010のチェックポイント/リスタート処理部1013は、システムコール監視処理部1014から当該通知を受けると、
通知を受けた時刻をCP0(チェックポイント時刻)とし、CP0時点のプロセス1001のメモリ状態を揮発性メモリ504上で複製することによりCP情報(チェックポイント(CP)において複製する情報、チェックポイント情報)を取得し、取得したCP0情報を揮発性メモリ504から不揮発性メモリ505に転送し、時刻CP0と対応づけてCP0情報を不揮発性メモリ505に記録し、
r3:その後、システムコール監視処理部1014は、引き続きプロセス1001が発行するシステムコール列を監視する、
p :方法。

[3]本願発明と引用発明との対比(対応関係)

ア 要件Aについて
A「1つ又は複数のアプリケーションの実行に関連したチェックポイントの表示を受け取ることと、」

ア-1 「チェックポイントの表示を受け取ること」について
要件Aの「表示」は、
要件Aの「表示を受け取る」、要件Bの「前記受け取りに応答して、・・・データのコピーを開始する」との記載ぶり、
段落【0024】の「チェックポイント管理モジュール104は、1つ又は複数のアプリケーションの実行に関連したチェックポイントの表示を処理回路部102から受け取る」、「処理回路部102は、・・・表示をチェックポイント管理モジュール104に提供することができる。」、段落【0025】の「表示を受け取ったことに応答して、チェックポイント管理モジュール104は、・・・コピーを開始することができる。」等の記載ぶり
からすれば、提供する対象であり、受け取る対象であり、受け取らせることで応答を生じさせるものであることは明らかであり、
また、段落【0028】「チェックポイント表示は、揮発性メモリ116によって保存されたアプリケーションデータのどの部分がチェックポイントデータであるのかを指定することができる。
例えば、この表示は、揮発性メモリ116によって保存されたアプリケーションデータの実質的にすべてがチェックポイントデータであること、特定のアプリケーションにのみ関係したアプリケーションデータがチェックポイントデータであること、及び/又は揮発性メモリ116の特定のロケーション内のアプリケーションデータがチェックポイントデータであることを示すことができる。の記載も考慮すれば、
「可視的表示」の意味というよりは、むしろ、指し示す「指示」の意味で用いられていると解するのが自然といえ、少なくとも、「受け取らせることで応答を生じさせる指示」を含んでいうものと理解され(なお、ちなみに、原語は「indication」である。)、
したがって、本願発明でいう「チェックポイントの表示を受け取ること」とは、「チェックポイントであることの指示であってこれを受け取らせることで応答を生じさせる指示、を受け取ること」と解される。

〈引用発明〉
引用発明のr1,r2において、
引用発明の「OS1010のシステムコール監視部1014」が行う「通知」は、「OS1010のチェックポイント/リスタート処理部1013」が受け取る「通知」であり、これを受け取った「チェックポイント/リスタート処理部1013」は、「通知を受けた時刻をCP0(チェックポイント時刻)とし、CP0時点のプロセス1001のメモリ状態を揮発性メモリ504上で複製することによりCP情報(チェックポイント(CP)において複製する情報、チェックポイント情報)を取得し、取得したCP0情報を揮発性メモリ504から不揮発性メモリ505に転送し、時刻CP0と対応づけてCP0情報を不揮発性メモリ505に記録する」のであるから、
当該「通知」は、「チェックポイントであることの指示であってこれを受け取らせることで応答を生じさせる指示」ということができ、
「チェックポイント/リスタート処理部1013」は、これを「受け取ること」を行っている。

ア-2 「1つ又は複数のアプリケーションの実行に関連した」(チェックポイントの表示)について
引用発明は、r「オペレーティングシステム(OS)1010上で稼動するアプリケーションプログラムAP1000より呼び出され、監視対象のプロセス1001をマルチプロセッサ501が実行する際」に、「チェックポイント/リスタート処理部1013」が上記「通知」を受け取っており、
「チェックポイント/リスタート処理部1013」は、この「通知」を受け取って、「アプリケーションプログラムAP1000より呼び出され、監視対象のプロセス1001」「のメモリ状態を揮発性メモリ504上で複製するのであるから、上記「通知」は「1つのアプリケーションの実行に関連した」ものであることは明らかである。

ア-3 まとめ
そうすると、引用発明も、「1つのアプリケーションの実行に関連したチェックポイントの表示を受け取ることと」を行っているから、上記要件Aにおいて本願発明と相違しない。

イ 要件Bについて
B「前記受け取りに応答して、揮発性メモリから不揮発性メモリへの、前記1つ又は複数のアプリケーションの実行に起因するデータのコピーを開始することと
を含み、」

引用発明のr1において、
引用発明の「OS1010のチェックポイント/リスタート処理部1013」は、上記「通知」を受け取る(「前記受け取り」)と、
「通知を受けた時刻をCP0(チェックポイント時刻)とし、CP0時点のプロセス1001のメモリ状態を揮発性メモリ504上で複製することによりCP情報(チェックポイント(CP)において複製する情報、チェックポイント情報)を取得し、取得したCP0情報を揮発性メモリ504から不揮発性メモリ505に転送し、時刻CP0と対応づけてCP0情報を不揮発性メモリ505に記録」するところ、
この「プロセス1001のメモリ状態」であり「揮発性メモリ504上」に「複製」されるチェックポイント情報は、「前記1つのアプリケーションの実行に起因するデータ」といい得ることは明らかであり、
当該データは、揮発性メモリ504から不揮発性メモリ505に「転送し」「記録する」のであるから、揮発性メモリから不揮発性メモリへ「コピー」するといい得、
「通知」の受け取りに「応答して」「コピーを開始する」ともいうことができから、
引用発明の「チェックポイント/リスタート処理部1013」は、「前記受け取りに応答して、揮発性メモリから不揮発性メモリへの、前記1つのアプリケーションの実行に起因するデータのコピーを開始すること」を行っているともいうことができる。
すなわち、引用発明は、要件Bにおいても本願発明と相違しない。

ウ 要件Cについて
C「前記コピーを開始することは、
前記データの異なる部分を前記不揮発性メモリへ並列に同時にコピーすること
を含む」

上記要件Cは、(要件Bにおける)「前記コピーを開始すること」におけるコピーは、
前記データの異なる部分を前記不揮発性メモリへ並列に同時にコピーすること
を含む」の意味と解せられるところ、
引用発明は、そのように「コピー」が、「前記データの異なる部分を」(前記不揮発性メモリへ)「並列に同時にコピーする」とはしておらず、要件Cにおいては本願発明と相違する。

エ 要件D「データ保存方法。」について
引用発明は、p「チェックポイント/リスタート制御方法における方法」であって、r2で、「CP情報(チェックポイント(CP)において複製する情報)」を不揮発性メモリ505に転送し記録しているのであるから、「データ」を「保存」しているともいうことができ、したがって、「データ保存方法」ともいうことができ、したがって、要件Dにおいて本願発明と相違しない。

[4]一致点・相違点
以上の対比結果によれば、本願発明と引用発明との一致点および相違点は、次のとおりである。

[一致点]
A 1つ又は複数のアプリケーションの実行に関連したチェックポイントの表示を受け取ることと、
B 前記受け取りに応答して、揮発性メモリから不揮発性メモリへの、前記1つ又は複数のアプリケーションの実行に起因するデータのコピーを開始することと
を含む、
D データ保存方法。

[相違点]
本願発明では、
C 前記コピーを開始することは、
前記データの異なる部分を前記不揮発性メモリへ並列に同時にコピーすること
を含む、とするのに対して、
引用発明ではそのようにするとはしていない点。

上記相違点は、すなわち、
(要件Bにおける)「前記コピーを開始すること」におけるコピーは、
本願発明では、
前記データの異なる部分を前記不揮発性メモリへ並列に同時にコピーすること、を含む、
とするのに対して、
引用発明では、
「前記データの異なる部分を」(前記不揮発性メモリへ)「並列に同時にコピーする」とはしていない点。
と解されることは、前記[3]ウの通りである。

[5]相違点等の判断(容易想到性の判断)

(1)相違点の克服
引用発明を出発点とし、
引用発明の「前記コピーを開始すること」におけるコピー(チェックポイント情報を揮発性メモリ504から不揮発性メモリ505に転送し記録すること)を、
前記データ(前記チェックポイント情報)の異なる部分を(前記不揮発性メモリへ)並列に同時にコピー(転送・記録)することを含むとすること(以下、[相違点の克服]という。)
で上記[相違点]は克服され本願発明に至る。

(2)相違点についての判断([相違点の克服]の容易想到性)

《周知事項》
一般に、揮発メモリに記憶されているデータを不揮発メモリにコピーするのに、揮発メモリに記憶されているデータの異なる部分を不揮発メモリに並列に同時にコピーすることでその高速化を図ることは周知技術(周知例1?3)であり、チェックポイント保存時のバックアップに当該技術を用いることもごく普通に知られている(周知例1)。
これには、例えば、下記周知例(いずれも査定時に示されたものである。)が参照される。
記(周知例)
○周知例1:特開2005-309683号公報(【0010】?【0013】、【0017】、図2,図3等、なお「MRAM」が不揮発性メモリであることは技術常識である。)
○周知例2:特開平10-031610号公報(【0021】?【0023】、図2,図3等)
○周知例3:実願平3-43619号(実開平4-136742号)のマイクロフィルム(【0007】、【図1】等)

《容易想到性の判断》
刊行物1自体には、上記[相違点の克服]について示されていないが、刊行物1に接した当業者は、上記周知事項を知っており、チェックポイント情報の揮発性メモリ504から不揮発性メモリ505への転送・記録が高速になればパーフォーマンスの向上を図ることができると予想し得、
かかる当業者にとって、上記転送・記録に上記周知技術を適用する動機付けは十分あるといえ、かかる適用は容易に想到し得るというべきである。(適用に際し、メモリの構成等を各周知例の構成とすることは適宜なし得ることである。)
また、当該転送・記録が高速になれば、その間実行が停止しているアプリケーションプログラムのプロセスに早く戻ることができる{当該転送・記録はOS1010のチェックポイント/リスタート処理部1013が行っているから、その間、同じOS1010上で稼動するアプリケーションプログラムAP1000のプロセス1001が停止されていることは明らかであり、また、当該転送・記録の後、r3でプロセス1001の実行に戻るようになっていることも明らかである。}ことからも、上記周知技術の適用は当業者が容易に想到し得ることである。

(3)まとめ(相違点等の判断)
以上、引用発明を出発点として、上記[相違点の克服]をなすことで本願発明に達するところ、その克服は当業者が容易になし得ることである。
効果についてみても、上記[相違点の克服]をする構成の採用に伴って(奏するであろうと予測される効果に比して)格別顕著なものが本願発明にあるとも認められない。

[6]まとめ(査定の検討(当審の判断))
本願発明は、刊行物1に記載された発明および周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

【第5】むすび
以上、本願の請求項9に係る発明は、上記刊行物1に記載された発明および周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
それ故、本願の他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-06-10 
結審通知日 2014-06-11 
審決日 2014-06-24 
出願番号 特願2011-507392(P2011-507392)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (G06F)
P 1 8・ 561- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 渡部 博樹  
特許庁審判長 小曳 満昭
特許庁審判官 千葉 輝久
乾 雅浩
発明の名称 チェックポイントデータの不揮発性メモリへの保存  
代理人 特許業務法人アイ・ピー・ウィン  

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