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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1294232
審判番号 不服2013-20523  
総通号数 181 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2015-01-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-10-22 
確定日 2014-11-20 
事件の表示 特願2006-153587「投写光学ユニット及びそれを用いた投写型映像表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成19年12月13日出願公開、特開2007-322811〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成18年6月1日の出願であって、平成18年7月3日、平成24年3月30日及び同年11月21日に手続補正書が提出され、平成25年7月18日付けで、平成24年11月21日提出の手続補正書による手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、これに対して、平成25年10月22日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。
なお、請求人は、当審における平成26年1月8日付け審尋に対して同年3月14日に回答書を提出している。

第2 平成25年10月22日提出の手続補正書による手続補正についての補正却下の決定
〔補正却下の決定の結論〕
平成25年10月22日提出の手続補正書による手続補正を却下する。

〔理由〕
1 本件補正の内容
(1)平成25年10月22日提出の手続補正書による手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲及び明細書についてするものであって、そのうち特許請求の範囲についての補正は、本件補正前の請求項1(平成24年3月30日に提出された手続補正書による補正後のもの)に、

「映像表示素子に表示された映像を拡大して投写面に投写する投写用光学系であって、
前記映像表示素子に隣接して配置され、かつ、複数の投写用レンズを含んで構成されるレンズ群と;
前記レンズ群からの出射光を反射して前記投写面上に傾斜して投写する反射ミラーとを備えており、
前記レンズ群は、前記映像表示素子から投写面に向かってその後方に配置され、回転非対称の自由曲面の形状を有する複数のレンズを備えており、かつ、前記レンズ群からの出射光を反射する前記反射ミラーは、その一部が反射方向に凸形状の回転非対称の凸面反射ミラーであり、前記レンズ群の光軸上に配置された前記映像表示素子の表示面中央の法線を、前記レンズ群の光学系の光軸に対して前記投写面が位置する方向と反対方向に傾けることを特徴とする投写光学ユニット。」とあったものを、

「映像表示素子に表示された映像を拡大して投写面に投写する投写用光学系であって、
前記映像表示素子に隣接して配置され、かつ、複数の投写用レンズを含んで構成されるレンズ群と;
前記レンズ群からの出射光を反射して前記投写面上に傾斜して投写する反射ミラーとを備えており、
前記レンズ群は、前記映像表示素子から投写面に向かってその後方に配置され、回転非対称の自由曲面の形状を有する複数のレンズを含む後方レンズ群と、前記後方レンズ群と前記映像表示素子と間に配置され、回転対称な面形状を有する正のパワーを有する複数の屈折レンズを含む共軸光学系の前方レンズ群とを備え、前記後方レンズ群を構成する回転非対称の自由曲面の形状を有する複数のレンズは、それぞれの両面が自由曲面形状であり、かつ、前記レンズ群からの出射光を反射する前記反射ミラーは、その一部が反射方向に凸形状の回転非対称の凸面反射ミラーであり、前記前方レンズ群の光軸上に配置された前記映像表示素子の表示面中央の法線を、前記前方レンズ群の共軸光学系の光軸に対して前記投写面が位置する方向と反対方向に傾けることを特徴とする投写光学ユニット。」とする補正を含むものである(下線は審決で付した。以下同じ。)。

(2)本件補正後の請求項1に係る上記(1)の補正は、次のアないしエからなるものである。
ア 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「レンズ群」が、「後方レンズ群」と「後方レンズ群と映像表示素子と間に配置され、回転対称な面形状を有する正のパワーを有する複数の屈折レンズを含む共軸光学系の前方レンズ群」とからなることを限定する。
イ 前記「レンズ群」が備える「回転非対称の自由曲面の形状を有する複数のレンズ」が、前記「レンズ群」のうち前記「後方レンズ群」に含まれるものであることを限定する。
ウ 前記「後方レンズ群を構成する回転非対称の自由曲面の形状を有する複数のレンズ」が、「それぞれの両面が自由曲面形状」のものであることを限定する。
エ 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「映像表示素子」の「表示面中央の法線」を傾ける対象である「レンズ群」の「光軸」が、前記「レンズ群」のうち「前方レンズ群」の「共軸光学系」の「光軸」であることを限定する。

2 新規事項の追加及び本件補正の目的
上記1(2)ア及びイの点は、本願の願書に最初に添付された明細書(以下、願書に最初に添付された明細書を「当初明細書」といい、願書に最初に添付された明細書及び特許請求の範囲をあわせて「当初明細書等」という。)の【0010】、【0019】、図7等に記載されており、上記1(2)ウの点は当初明細書の【0051】、図3等に記載されており、上記1(2)エの点は当初明細書の【0032】、図7等に記載されているから、本件補正は、本願の当初明細書等に記載された事項の範囲内においてなされた補正であって、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「改正前特許法」という。)第17条の2第3項に記載する要件を満たしている。
上記1(1)の補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、本件補正の前後で請求項1に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であると認められるから、改正前特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下検討する。

3 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2001-215612号公報(以下「引用例」という。)には、「斜め投影光学系」(発明の名称)に関し、図とともに次の事項が記載されている。
(1)「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は斜め投影光学系に関するものであり、例えば1次像面から2次像面への斜め方向の拡大投影を行う、画像投影装置に好適な斜め投影光学系に関するものである。」

(2)「【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)等に表示された画像をスクリーンに拡大投影する画像投影装置において、スクリーンの大型化を達成しつつも投影装置全体をコンパクトにする目的で、画像を斜め方向からスクリーンに拡大投影する装置が種々提案されている。その具体的な例としては、投影光学系のすべての光学要素を反射ミラーで構成した装置(特開平10-111474号公報)、反射ミラーと屈折レンズとが組み合わされた投影光学系を有する装置(特開平9-179064号公報)が挙げられる。また近年、反射型LCD等のように、透過型に比べてコンパクトで低コストな反射型表示素子が実用化されてきており、これを用いた画像投影装置も実用化されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平10-111474号公報で提案されているように、すべての光学要素を反射ミラーで構成すると、構成要素を少なくすることができる。しかし、反射ミラーには色収差補正の自由度がないため、反射型表示素子からの投影光の色合成にダイクロイックプリズムを用いようとすると、偏光ビームスプリッター(PBS)が必要となり、その分のコストが高くなってしまう。特開平9-179064号公報で提案されているように、反射ミラーと屈折レンズとを組み合わせれば、偏心したレンズ群は少なくて済み、投影光学系の構成も簡単になる。また、ダイクロイックプリズムを用いても、そこで発生する色収差を屈折レンズで補正することができるため、反射型表示素子に対する斜め照明が可能である。したがってPBSは不要となるが、パワーを有するとともに面積の非常に大きい製造困難なミラーが必要となるため、やはりコストは高くなってしまう。
【0004】本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであって、反射型表示素子の表示映像を拡大投影するのに適し、かつ、斜め投影角度を十分にとりながらコンパクト化を達成した、製造容易で高性能な斜め投影光学系を提供することを目的とする。」

(3)「【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施した斜め投影光学系を、図面を参照しつつ説明する。図1に第1の実施の形態の1次像面(I1)から2次像面(I2)までの投影光路全体を示し、図2に第1の実施の形態の光学構成及び投影光路要部を示し、図3にその一部を照明光路と共に拡大して示す。図6に第2の実施の形態の1次像面(I1)から2次像面(I2)までの投影光路全体を示し、図7に第2の実施の形態の光学構成及び投影光路要部を示し、図8にその一部を照明光路と共に拡大して示す。また、図11に第3の実施の形態の1次像面(I1)から2次像面(I2)までの投影光路全体を示し、図12に第3の実施の形態の光学構成及び投影光路要部を示し、図13にその一部を照明光路と共に拡大して示す。なお、これらの光路図は後述の直交座標系(X,Y,Z)におけるY-Z断面構成を示しており、図2,図7及び図12中、*印が付された面は非球面、$印が付された面は自由曲面であることを示している。
【0011】各実施の形態は、反射型表示素子の表示面を縮小側の1次像面(I1)として、その1次像面(I1)から拡大側の2次像面(I2)への斜め方向の拡大投影を行う、画像投影装置用の斜め投影光学系である。したがって、反射型表示素子(例えば反射型LCD)の表示面に表示された2次元画像は、2次像面(I2)に相当するスクリーン面上に投影されることになる。なお、2次像面(I2)から1次像面(I1)への斜め方向の縮小投影を行う斜め投影光学系として、各実施の形態を画像読み取り装置に用いることも可能である。その場合、1次像面(I1)は画像読み取りを行う受光素子[例えばCCD(Charge Coupled Device)]の受光面に相当し、2次像面(I2)は読み取り画像面(つまりフィルム等の原稿面)に相当する。
【0012】・・・(略)・・・
【0013】第2の実施の形態(図6?図8)は、1次像面(I1)側(縮小側)から順に、プリズムブロック(Pr)と、偏心した1枚の屈折レンズから成る第1屈折レンズ群(G1)と、共軸系を成す4枚の屈折レンズから成る第2屈折レンズ群(G2)と、絞り(ST)と、偏心した1枚の屈折レンズから成る第3屈折レンズ群(G3)と、偏心した1枚の屈折レンズから成る第4屈折レンズ群(G4)と、負パワーを有する第1反射ミラー(M1)と、で構成されている。第1屈折レンズ群(G1)を構成している屈折レンズの縮小側面は非球面から成っており、第4屈折レンズ群(G4)を構成している屈折レンズの拡大側面は自由曲面から成っており、第1反射ミラー(M1)の反射面は自由曲面から成っている。」

(4)「【0034】各実施の形態のように、反射面の1面以上が自由曲面形状を有することが望ましい。自由曲面形状とは、大きく偏心した非球面を含むとともに回転対称軸を有効領域内に持たないような回転非対称な面形状である(各実施の形態に用いられている反射面は、Y-Z平面に対して対称な自由曲面形状を有する。)。斜め投影では非軸対称な収差補正が必要となるが、自由曲面形状を有する反射面を1面以上用いることにより、少ない光学要素で斜め投影による非軸対称な収差補正が可能となる。また、2面以上の自由曲面を用いることが更に望ましい。自由曲面形状を有する反射面を2面以上用いることにより、斜め投影の台形歪みを主に補正する自由曲面[2次像面(I2)に近接した自由曲面]と、斜め投影による非対称な像面湾曲及び非点隔差を補正する自由曲面[絞り(ST)に近接した自由曲面]と、に収差補正が分担可能になるため、より高性能な投影光学系を達成することができる。」

(5)「【0037】
【実施例】以下、本発明を実施した斜め投影光学系の構成を、コンストラクションデータ,スポットダイアグラム等を挙げて、更に具体的に説明する。ここで例として挙げる実施例1?3は、前述した第1?第3の実施の形態にそれぞれ対応しており、各実施の形態を表す図(図1?図3,図6?図8,図11?図13)は、対応する各実施例の光路等をそれぞれ示している。
【0038】各実施例のコンストラクションデータにおいて、si(i=1,2,3,...)は、縮小側の1次像面(I1;拡大投影における物面に相当する。)及び拡大側の2次像面(I2;拡大投影における像面に相当する。)を含めた系において、縮小側から数えてi番目の面であり、ri(i=1,2,3,...)は面siの曲率半径(mm)である。また、di(i=1,2,3,...)は、縮小側から数えてi番目の軸上面間隔(mm,偏心面間隔は偏心データとして記載。)を示しており、Ni(i=1,2,3,...),νi(i=1,2,3,...)は縮小側から数えてi番目の光学素子のd線に対する屈折率(Nd),アッベ数(νd)をそれぞれ示している。なお、各フィールドポジションに対応する1次像面(I1)側の物高(mm)を併せて示し、また、表1に各実施例の条件式対応値及び関連データを示す。
【0039】*印が付された面siは軸対称な非球面であり、その面形状は面頂点を原点とする直交座標系(x,y,z)を用いた以下の式(AS1)で定義される。また、$印が付された面siは自由曲面であり、その面形状は面頂点を原点とする直交座標系(x,y,z)を用いた以下の式(AS2)で定義される。非球面データ及び自由曲面データを他のデータと併せて示す。
【0040】
z=(c・h^(2))/[1+√[1-c^(2)・h^(2)]+(A・h^(4)+B・h^(6)+C・h^(8)+D・h^(10)) …(AS1)
【数1】

【0041】ただし、
z:高さhの位置での光軸方向の基準面からの変位量、
h:光軸に対して垂直な方向の高さ(h^(2)=x^(2)+y^(2))、
c:近軸曲率(=1/曲率半径)、
A,B,C,D:非球面係数、
K:コーニック定数、
C(m,n):自由曲面係数、
である。
【0042】縮小側直前に位置する面に対して偏心した面については、偏心データを直交座標系(X,Y,Z)に基づいて示す。直交座標系(X,Y,Z)においては、1次像面(s1)の中心位置を原点(0,0,0)とする面頂点座標(XDE,YDE,ZDE)=[X軸方向の平行偏心位置(mm),Y軸方向の平行偏心位置(mm),Z軸方向の平行偏心位置(mm)]で、平行偏心した面の位置を表すとともに、その面の面頂点を中心とするX軸回りの回転角ADE(°)で、回転偏心位置(光路図中、紙面に向かって反時計回りを正とする。)を表す。光路図中、X軸方向は紙面に対して垂直方向であり(紙面の裏面方向を正とする。)、Y軸方向は1次像面(s1)と紙面とが交わる直線方向であり(光路図の上方向を正とする。)、Z軸方向は1次像面(s1)の法線方向である[2次像面(I2)側を正とする。]。」

(6)「【0046】
《実施例2》
[面] [曲率半径等][軸上面間隔] [屈折率] [アッベ数]
[1次像面(I1)]
s1 r1= ∞
d1= 0.100000
[プリズムブロック(Pr)]
s2 r2= ∞
d2=40.000000 N1=1.516800 ν1=64.17
s3 r3= ∞
[第1屈折レンズ群(G1)]
s4* r4= 37.22004
A=-0.687561×10^(-5),B=0.305656×10^(-8),C=-0.432821×10^(-11)
D=0.178300×10^(-14)
XDE=0.000000,YDE=1.230868,ZDE=41.092651,ADE=-11.272977
d4= 9.478934 N2=1.516800 ν2=64.17
s5 r5= -75.16721
[第2屈折レンズ群(G2)]
s6 r6= 18.43381
XDE=0.000000,YDE=-4.657780,ZDE=63.581617,ADE=-2.914203
d6= 6.957547 N3=1.753490 ν3=51.6038
s7 r7= -249.34663
d7= 0.100000
s8 r8= -223.20442
d8= 0.900000 N4=1.675123 ν4=28.2701
s9 r9= 12.75359
d9=12.989344
s10 r10= -14.76633
d10=9.137331 N5=1.847429 ν5=26.2798
s11 r11= -21.50143
d11=0.100000
s12 r12= 60.06702
d12=2.260898 N6=1.753409 ν6=51.6065
s13 r13= -66.17530
d13=0.100000
[絞り(ST)]
s14 r14= ∞(絞り半径=6.600000)
[第3屈折レンズ群(G3)]
s15 r15= 60.56155
XDE=0.000000,YDE=-5.308920,ZDE=107.168486,ADE=-12.460990
d15=5.040667 N7=1.801983 ν7=22.6887
s16 r16= 38.17795
[第4屈折レンズ群(G4)]
s17 r17= -82.51476
XDE=0.000000,YDE=-24.514254,ZDE=134.213398,ADE=11.867790
N8=1.600000 ν8=50.0000
s18$ r18= -48.20057
XDE=0.000000,YDE=-21.429443,ZDE=148.892769,ADE=17.627981
K=0.000000
C(0,1)=-1.2629×10^(-2),C(2,0)= 7.6324×10^(-3),C(0,2)= 8.8274×10^(-3)
C(2,1)=-9.0235×10^(-5),C(0,3)=-8.8068×10^(-5),C(4,0)= 3.0504×10^(-6)
C(2,2)= 5.1991×10^(-6),C(0,4)= 1.3647×10^(-6),C(4,1)=-1.2274×10^(-7)
C(2,3)= 9.1338×10^(-8),C(0,5)= 1.3392×10^(-7),C(6,0)= 1.5795×10^(-9)
C(4,2)= 1.0046×10^(-8),C(2,4)=-8.3371×10^(-9),C(0,6)=-5.4608×10^(-9)
C(6,1)=-1.8409×10^(-10),C(4,3)=-4.7482×10^(-10),C(2,5)= 2.1921×10^(-10)
C(0,7)= 8.8471×10^(-11),C(8,0)= 2.0063×10^(-12),C(6,2)= 8.6883×10^(-12)
C(4,4)= 1.0236×10^(-11),C(2,6)=-9.5143×10^(-13),C(0,8)=-2.4945×10^(-13)
[第1反射ミラー(M1)]
s19$ r19= 484.60696
XDE=0.000000,YDE=-32.721774,ZDE=338.544609,ADE=19.876412
K=0.000000
C(0,1)= 1.5307 ,C(2,0)= 1.2746×10^(-3),C(0,2)= 1.6045×10^(-3)
C(2,1)=-2.7069×10^(-5),C(0,3)=-4.1320×10^(-5),C(4,0)=-9.8465×10^(-8)
C(2,2)=-1.1160×10^(-7),C(0,4)=-1.8515×10^(-7),C(4,1)= 2.5453×10^(-9)
C(2,3)= 7.3428×10^(-9),C(0,5)= 9.5282×10^(-9),C(6,0)= 6.2489×10^(-12)
C(4,2)=-1.9710×10^(-11),C(2,4)=-7.0208×10^(-11),C(0,6)= 3.8356×10^(-12)
C(6,1)=-1.0859×10^(-13),C(4,3)=-2.6945×10^(-13),C(2,5)=-3.4077×10^(-14)
C(0,7)=-2.0958×10^(-12),C(8,0)=-3.4342×10^(-16),C(6,2)= 1.5410×10^(-15)
C(4,4)= 2.8319×10^(-15),C(2,6)= 2.2998×10^(-15),C(0,8)= 1.5687×10^(-14)
[2次像面(I2)]
s20 r20= ∞
XDE=0.000000,YDE=847.663047,ZDE=94.096282,ADE=-31.350316」

(7)「【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、反射型表示素子の表示映像を拡大投影するのに適し、かつ、斜め投影角度を十分にとりながらコンパクト化を達成した、製造容易で高性能な斜め投影光学系を実現することができる。」

(8)「実施例2の光路図」である図6、「実施例2の光学構成及び投影光路要部を示す図」である図7は次のとおりであり、これらより、実施例2において、第1反射ミラー(M1)が第1ないし第4屈折レンズ群(G1?G4)からの出射光を反射してスクリーン面(I2)上に斜め方向に投影することが見てとれる。

【図6】


【図7】


(9)上記(1)ないし(8)から、引用例には次の発明が記載されているものと認められる。
「反射型表示素子(例えば反射型LCD)の表示面である縮小側の1次像面(I1;拡大投影における物面に相当。)からスクリーン面である拡大側の2次像面(I2;拡大投影における像面に相当。)への斜め方向の拡大投影を行う、反射型表示素子の表示面に表示された2次元画像を拡大投影する画像投影装置に好適な斜め投影光学系において、
斜め投影角度を十分にとりながらコンパクト化を達成した、製造容易で高性能な斜め投影光学系を提供することを目的とし、
1次像面(I1)側(縮小側)から順に、プリズムブロック(Pr)と、偏心した1枚の屈折レンズから成る第1屈折レンズ群(G1)と、共軸系を成す4枚の屈折レンズから成る第2屈折レンズ群(G2)と、絞り(ST)と、偏心した1枚の屈折レンズから成る第3屈折レンズ群(G3)と、偏心した1枚の屈折レンズから成る第4屈折レンズ群(G4)と、負パワーを有する第1反射ミラー(M1)とで構成した斜め投影光学系であって、
前記第1反射ミラー(M1)は前記第1ないし第4屈折レンズ群(G1?G4)からの出射光を反射してスクリーン面(I2)上に斜め投影するものであり、
回転対称軸を有効領域内に持たないような回転非対称な面形状を自由曲面形状としたとき、
前記第4屈折レンズ群(G4)を構成している屈折レンズの拡大側面及び前記第1反射ミラー(M1)の反射面が自由曲面形状であり、
具体的には、
si(i=1,2,3,...)を前記投影光学系における縮小側から数えてi番目の面とし、ri(i=1,2,3,...)を面siの曲率半径(mm)とし、
1次像面(s1)の中心位置を原点(0,0,0)とする直交座標系(X,Y,Z)における面頂点の座標(XDE,YDE,ZDE)=[X軸方向の平行偏心位置(mm),Y軸方向の平行偏心位置(mm),Z軸方向の平行偏心位置(mm)]で平行偏心した面の位置を表すとともに、その面の面頂点を中心とするX軸回りの回転角ADE(°)で、回転偏心位置(光路図(図7)中、紙面に向かって反時計回りを正とし、X軸方向は紙面に対して垂直方向である。)を表すものとしたとき、
前記第2屈折レンズ群(G2)を構成する4枚の屈折レンズのうち縮小側から拡大側に向かって1枚目の屈折レンズの両面s6及びs7の曲率半径r6及びr7が、それぞれ、
s6 r6=18.43381(mm)、
s7 r7=-249.34663(mm)であり、
面s6のX軸回りの回転角ADEが、
ADE=-2.914203(°)であり、
前記第2屈折レンズ群(G2)を構成する4枚の屈折レンズのうち縮小側から拡大側に向かって4枚目の屈折レンズの両面s12及びs13の曲率半径r12及びr13が、それぞれ、
s12 r12=60.06702(mm)、
s13 r13=-66.17530(mm)であり、
前記第4屈折レンズ群(G4)を構成する1枚の屈折レンズの拡大側面s18$が自由曲面であり、
前記第1反射ミラー(M1)の反射面s19$が自由曲面であり、
s19$ r19=484.60696(mm)である、
斜め投影光学系。」(以下「引用発明」という。)

4 対比
本願補正発明と引用発明を対比する。
(1)引用発明の「反射型表示素子」、「スクリーン面」、「投影」、「投影光学系」、「屈折レンズ」、「屈折レンズ群」、「斜め投影」、「第1反射ミラー(M1)」、「『第3屈折レンズ群(G3)』及び『第4屈折レンズ群(G4)』」及び「第2屈折レンズ群(G2)」は、それぞれ、本願補正発明の「映像表示素子」、「投写面」、「投写」、「『投写用光学系』、『投写光学ユニット』」、「投写用レンズ」、「レンズ群」、「傾斜して投写」、「反射ミラー」、「後方レンズ群」及び「前方レンズ群」に相当する。

(2)引用発明の「投写用光学系(投影光学系)」は、「映像表示素子(反射型表示素子)」(例えば反射型LCD)の表示面である縮小側の1次像面から「投写面(スクリーン面)」である拡大側の2次像面への斜め方向の拡大「投写(投影)」を行う、「映像表示素子(反射型表示素子)」の表示面に表示された2次元画像を拡大「投写(投影)」する画像投影装置に好適な斜め投影光学系であるから、本願補正発明の「投影光学系」と、「映像表示素子に表示された映像を拡大して投写面に投写する投写用光学系」である点で一致する。

(3)引用発明の「投写用光学系(投影光学系)」は、「映像表示素子(反射型表示素子)」の表示面である1次像面側(縮小側)から順に、プリズムブロックと、偏心した1枚の「投写用レンズ(屈折レンズ)」から成る第1「レンズ群(屈折レンズ群)」(G1)と、共軸系を成す4枚の「投写用レンズ(屈折レンズ)」から成る第2「レンズ群(屈折レンズ群)」(G2)と、絞り(ST)と、偏心した1枚の「投写用レンズ(屈折レンズ)」から成る第3「レンズ群(屈折レンズ群)」(G3)と、偏心した1枚の「投写用レンズ(屈折レンズ)」から成る第4「レンズ群(屈折レンズ群)」(G4)と、負パワーを有する「反射ミラー(第1反射ミラー(M1))」とで構成されており、前記「反射ミラー(第1反射ミラー(M1))」は第1ないし第4屈折レンズ群からの出射光を反射して「投射面(スクリーン面)」上に「傾斜して投写(斜め投影)」するものであるから、本願補正発明の「投影光学系」と、「映像表示素子に隣接して配置され、かつ、複数の投写用レンズを含んで構成されるレンズ群と;レンズ群からの出射光を反射して投写面上に傾斜して投写する反射ミラーとを備え」ている点で一致する。

(4)引用発明の「投写用光学系(投影光学系)」の構成要素は、上記(3)のとおり、「映像表示素子(反射型表示素子)」の表示面である1次像面側(縮小側)から順に、プリズムブロック、第1「レンズ群(屈折レンズ群)」、第2「レンズ群(屈折レンズ群)」、絞り、第3「レンズ群(屈折レンズ群)」、第4「レンズ群(屈折レンズ群)」、「反射ミラー(第1反射ミラー)」の順に並んでいるから、引用発明の「後方レンズ群(第3屈折レンズ群及び第4屈折レンズ群)」は、「映像表示素子(反射型表示素子)」から見て後方に配置されている。そして、該「後方レンズ群(第3屈折レンズ群及び第4屈折レンズ群)」に含まれる「投写用レンズ(屈折レンズ)」のうち、第4屈折レンズ群を構成する1枚の「投写用レンズ(屈折レンズ)」は、その拡大側の面s18$が自由曲面であるから、引用発明の「レンズ群(屈折レンズ群)」は、本願補正発明の「レンズ群」と、「映像表示素子から投写面に向かってその後方に配置され、回転非対称の自由曲面の形状を有するレンズを含む後方レンズ群」を「備え」る点で一致する。
さらに、引用発明の「前方レンズ群(第2屈折レンズ群)」を構成し共軸系を成す4枚の「投写用レンズ(屈折レンズ)」のうち、縮小側から拡大側に向かって1枚目の「投写用レンズ(屈折レンズ)」の縮小側の面s6の曲率半径r6が正の値(r6=18.43381(mm))で、拡大側の面s7の曲率半径r7が負の値(r7=-249.34663(mm))であるから、当該1枚目の「投写用レンズ(屈折レンズ)」は回転対称な面形状を有し、かつ、両凸面形状すなわち正のパワーを有するものであり、また、前記4枚の「投写用レンズ(屈折レンズ)」のうち縮小側から拡大側に向かって4枚目の「投写用レンズ(屈折レンズ)」も同様に、縮小側の面s12の曲率半径r12が正の値(r12=60.06702(mm))で、拡大側の面s13の曲率半径r13が負の値(r13=-66.17530(mm))であるから、当該4枚目の「投写用レンズ(屈折レンズ)」も回転対称な面形状を有し、かつ、両凸面形状すなわち正のパワーを有するものである。
したがって、引用発明の「レンズ群(屈折レンズ群)」は、本願補正発明の「レンズ群」と、「後方レンズ群と映像表示素子と間に配置され、回転対称な面形状を有する正のパワーを有する複数の屈折レンズを含む共軸光学系の前方レンズ群」を「備え」る点で一致する。

(5)引用発明の「反射ミラー(第1反射ミラー(M1))」は、負パワーを有し、具体的には「反射ミラー(第1反射ミラー(M1))」の面s19$の曲率半径r19が正の値(r19=484.60696(mm))であるから、図6及び図7に照らせば、「反射ミラー(第1反射ミラー(M1))」は少なくともその1部が反射方向に凸形状であることは明らかである。
また、「反射ミラー(第1反射ミラー(M1))」の面s19$は自由曲面であるから、該面の面形状は回転非対称である。
したがって、引用発明の「反射ミラー(第1反射ミラー(M1))」は、本願補正発明の「反射ミラー」と、「前記レンズ群からの出射光を反射」する点、及び、「その一部が反射方向に凸形状の回転非対称の凸面反射ミラーである」点で一致する。

(6)引用発明の「前方レンズ群(第2屈折レンズ群(G2))」を構成する4枚の「投写用レンズ(屈折レンズ)」のうち縮小側から拡大側に向かって1枚目の「投写用レンズ(屈折レンズ)」の面s6の面頂点を中心とするX軸回りの回転角ADEが、ADE=-2.914203(°)であるところ、前記X軸は図7の光路図中で紙面に向かって垂直方向の軸であり、また、前記回転角は紙面に向かって反時計回りを正とするから、ADEが負の値であるということは、面s6が1次像面(s1)に対して時計回りに回転しているということを意味し、さらには、面s6の中央を通る共軸系の光軸が1次像面(s1)の中央の法線に対して時計回りに回転しているということを意味しているといえる。
そして、面s6の中央を通る共軸系の光軸が1次像面(s1)の中央の法線に対して時計回りに回転しているということは、1次像面(s1)の中央の法線が面s6の中央を通る共軸系の光軸に対して反時計回りに回転しているということでもあるから、図6及び図7に照らせば、1次像面(s1)の中央の法線が面s6の中央を通る共軸系の光軸に対して「投写面(スクリーン面)」から離れる方向に回転しているといえる。
したがって、引用発明の「前方レンズ群の光軸上に配置された映像表示素子」は、本願補正発明の「前方レンズ群の光軸上に配置された映像表示素子」と、「表示面中央の法線を、前方レンズ群の共軸光学系の光軸に対して投写面が位置する方向と反対方向に傾け」る点で一致する。

(7)上記(1)ないし(6)から、本願補正発明と引用発明とは、
「映像表示素子に表示された映像を拡大して投写面に投写する投写用光学系であって、
前記映像表示素子に隣接して配置され、かつ、複数の投写用レンズを含んで構成されるレンズ群と;
前記レンズ群からの出射光を反射して前記投写面上に傾斜して投写する反射ミラーとを備えており、
前記レンズ群は、前記映像表示素子から投写面に向かってその後方に配置され、回転非対称の自由曲面の形状を有するレンズを含む後方レンズ群と、前記後方レンズ群と前記映像表示素子と間に配置され、回転対称な面形状を有する正のパワーを有する複数の屈折レンズを含む共軸光学系の前方レンズ群とを備え、かつ、前記レンズ群からの出射光を反射する前記反射ミラーは、その一部が反射方向に凸形状の回転非対称の凸面反射ミラーであり、前記前方レンズ群の光軸上に配置された前記映像表示素子の表示面中央の法線を、前記前方レンズ群の共軸光学系の光軸に対して前記投写面が位置する方向と反対方向に傾ける投写光学ユニット。」の点で一致し、次の点で相違する。

相違点:
前記「後方レンズ群」が含む「回転非対称の自由曲面の形状を有するレンズ」が、
本願補正発明では、複数のレンズであり、かつ、該複数のレンズは「それぞれの両面が自由曲面形状」であるのに対して、
引用発明では、1枚の屈折レンズであり、かつ拡大側の面のみが自由曲面である点。

5 判断
上記相違点について検討する。
(1)一般に、光学系において、像面湾曲、非点収差、台形歪み等を補正するために、異なる複数のレンズの面を回転非対称の自由曲面形状となすことは、本願出願前に周知であり(例えば、特開2001-141994号公報(平成24年1月26日付け拒絶理由通知書及び同年9月18日付け拒絶理由通知書の引用文献6。【0016】の斜め投影光学系の数値実施例2において、第2面(R2)と第6面(R6)が自由曲面)、特開2000-171705号公報(【0109】?【0112】、【0145】、図17の数値実施例9において、第7面(R7)と第9面(R9)が自由曲面)を参照。)、また、同様の目的で、1枚のレンズの両面を自由曲面形状となすことも本願出願前に周知である(例えば、特開2004-37977号公報(平成25年12月25日付け前置報告書の引用文献9。【0039】、図2の投影光学系の実施例1において、1枚のレンズの両面である第12面(S12$)と第13面(S13$)が自由曲面。また、【0042】、図6の投影光学系の実施例2において、1枚のレンズの両面である第3面(S3$)と第4面(S4$)、別の1枚のレンズの両面である第11面(S11$)と第12面(S12$)が自由曲面。さらに、【0047】、図11、図12の投影光学系の実施例3において、1枚のレンズの両面である第16面(S16$)と第17面(S17$)が自由曲面)、上記特開2000-171705号公報(【0098】?【0099】、【0145】、図7の数値実施例4において、1枚のレンズの両面である第10面(R10)と第11面(R11)が自由曲面)を参照。)。
さらに、レンズの複数の面を自由曲面とすることで、像面湾曲、非点収差等を効果的に補正することができることも本願出願前に周知である(例えば、特開2003-255229号公報(【0042】の「投影光学系内に2面以上の自由曲面(反射面や屈折面)を用いることによって、斜め投影の台形歪みを主に補正するスクリーン面(I2)側の自由曲面と、斜め投影による非対称な像面湾曲及び非点隔差を補正する絞り(ST)側の自由曲面と、に収差補正を分担することができるため、より高性能な投影光学系を達成することができる」旨の記載)、上記特開2000-171705号公報(【0109】の「自由曲面を複数枚使用することで1枚だけ使用する場合に比べて効果的に像面彎曲及び非点収差を補正することが可能となる」旨の記載)を参照。)。

(2)本願明細書の記載を参酌しても、後方レンズ群が含む回転非対称の自由曲面の形状を有するレンズを複数のレンズとし、かつ、該複数のレンズのそれぞれの両面を自由曲面とすることに、像面湾曲、非点収差等の効果的な補正を超える特段の作用効果を見いだすことができない。

(3)上記(1)及び(2)からみて、引用発明において、像面湾曲や非点収差をより効果的に補正するために、後方レンズ群を構成する第4屈折レンズ群(G4)に加えて第3屈折レンズ群(G3)にも自由曲面を導入することで、「後方レンズ群」が含む「回転非対称の自由曲面の形状を有するレンズ」を複数のレンズとなし、かつ、該複数のレンズの「それぞれの両面が自由曲面形状」となすこと、すなわち、相違点に係る本願補正発明の構成となすことは、当業者が上記(1)に掲げた周知の各技術的事項(以下、まとめて「周知技術」という。)に基づいて適宜なし得た程度のことである。

(4)効果について
本願補正発明の奏する効果は、当業者が引用発明の奏する効果及び周知技術の奏する効果から予測することができた程度のものである。

(5)まとめ
したがって、本願補正発明は、当業者が引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。
本願補正発明は、当業者が引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

6 小括
以上のとおり、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし10に係る発明は、平成24年3月30日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10によって特定されるものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成24年3月30日付け手続補正書によって補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、上記「第2〔理由〕1(1)」に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。

2 引用例
引用例及びその記載事項は、上記「第2〔理由〕3」に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願補正発明は、上記「第2〔理由〕1(2)」のとおり、本願発明の発明特定事項を限定したものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに限定を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2〔理由〕5」に記載したとおり、当業者が引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、当業者が引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
本願発明は、以上のとおり、当業者が引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2014-09-08 
結審通知日 2014-09-09 
審決日 2014-10-07 
出願番号 特願2006-153587(P2006-153587)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G02B)
P 1 8・ 121- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 森内 正明  
特許庁審判長 藤原 敬士
特許庁審判官 鉄 豊郎
西村 仁志
発明の名称 投写光学ユニット及びそれを用いた投写型映像表示装置  
代理人 ポレール特許業務法人  
代理人 青稜特許業務法人  

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