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審決分類 |
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正しない H04N 審判 訂正 2項進歩性 訂正しない H04N |
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管理番号 | 1294342 |
審判番号 | 訂正2013-390128 |
総通号数 | 181 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2015-01-30 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2013-08-30 |
確定日 | 2014-12-10 |
事件の表示 | 特許第4094831号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 経緯 本件特許第4094831号の請求項1から請求項5に係る発明についての出願(特願2001-243849号)は、平成13年8月10日になされ、特許請求の範囲の請求項1から請求項5に係る発明は、平成20年3月14日にその特許権の設定登録がされた。 本件は、平成25年8月30日になされた訂正審判請求であって、当審において、平成25年9月25日付けで訂正拒絶理由通知がされ、平成25年10月28日付けで意見書が提出されたものである。 第2 請求 1 請求の趣旨 本件審判請求の趣旨は、特許第4094831号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを認める、との審決を求めるものである。 2 訂正事項 訂正の内容は次のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「ドアミラーに配設されており前輪近傍を撮像する撮像手段」とあるのを、「ドアミラーに配設されており、前記ドアミラーよりも前にある前輪近傍を撮像する撮像手段」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に「前輪近傍の路面の画像を含む前記第一の画像」とあるのを、「前輪近傍の路面の画像及び車両の画像を含む前記第一の画像」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項1に「長さ方向の距離を示す第二の指標」とあるのを、「車両先端からの車両の長さ方向の距離を前記幅方向に沿って延びる直線によって示す第二の指標」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項1の最後に「前記第二の指標は、前記幅方向を横方向とした場合の前記第一の画像における車両の画像の横の位置であって前記第一の画像における路面上の位置に配置された前記幅方向に沿って延びる直線の前記長さ方向における配置位置によって前記長さ方向の距離を示す、」を追加する。 (5)訂正事項5 【0005】の記載を「本発明は、前記課題を解決するため、ドアミラーに配設されており、前記ドアミラーよりも前にある前輪近傍を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した第一の画像を画面に表示する表示手段と、を備えた車両用監視装置であって、前輪近傍の路面の画像及び車両の画像を含む前記第一の画像と、車両の幅方向の距離を示す第一の指標及び車両先端からの車両の長さ方向の距離を前記幅方向に沿って延びる直線によって示す第二の指標を有する第二の画像と、を合成して前記表示手段に表示させる画像合成手段と、前記第二の画像を上下左右に移動させ、前記画面における前記第二の画像の位置を調整する表示位置調整手段と、を設け、前記第二の指標は、前記幅方向を横方向とした場合の前記第一の画像における車両の画像の横の位置であって前記第一の画像における路面上の位置に配置された前記幅方向に沿って延びる直線の前記長さ方向における配置位置によって前記長さ方向の距離を示す、ものである。」に訂正する。 3 訂正後の請求項1乃至5に係る発明 訂正明細書の請求項1乃至5に係る発明(以下「訂正発明1」乃至「訂正発明5」という。)は、次のとおりのものである。 「【請求項1】 ドアミラーに配設されており、前記ドアミラーよりも前にある前輪近傍を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した第一の画像を画面に表示する表示手段と、を備えた車両用監視装置であって、 前輪近傍の路面の画像及び車両の画像を含む前記第一の画像と、車両の幅方向の距離を示す第一の指標及び車両先端からの車両の長さ方向の距離を前記幅方向に沿って延びる直線によって示す第二の指標を有する第二の画像と、を合成して前記表示手段に表示させる画像合成手段と、 前記第二の画像を上下左右に移動させ、前記画面における前記第二の画像の位置を調整する表示位置調整手段と、を設け、 前記第二の指標は、前記幅方向を横方向とした場合の前記第一の画像における車両の画像の横の位置であって前記第一の画像における路面上の位置に配置された前記幅方向に沿って延びる直線の前記長さ方向における配置位置によって前記長さ方向の距離を示す、 ことを特徴とする車両用監視装置。 【請求項2】 前記第一の指標及び前記第二の指標は、夫々複数のラインを有することを特徴とする請求項1に記載の車両用監視装置。 【請求項3】 前記第二の画像を表示するための画像データを記憶した記憶手段を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用監視装置。 【請求項4】 前記表示位置調整手段は、前記第二の画像を上下左右に移動させる操作スイッチを有することを特徴とする請求項1に記載の車両用監視装置。 【請求項5】 前記表示位置調整手段は、前記第二の画像の角度を調整することを特徴とする請求項1に記載の車両用監視装置。」 第3 訂正拒絶理由通知の概要 上記第2の2(1)乃至(4)の請求項1に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。 また、上記第2の2(5)の段落【0005】に係る訂正は、上記の請求項1の訂正と、発明の詳細な説明の記載との整合を取るものであって、明りようでない記載の釈明を目的とするものと認められる。 しかしながら、訂正後の請求項1乃至5に係る発明(以下各発明を「訂正発明1」乃至「訂正発明5」という。)は、下記の刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであり、平成23年法律第63号改正附則第2条第19項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第126条5項の規定に違反するものである。 記(刊行物) 刊行物1:実願昭60-30262号(実開昭61-146450号)マイクロフィルム 刊行物2:特開2001-180401号公報 刊行物3:特開平4-103444号公報 刊行物4:特開平11-11210号公報 刊行物5:特開平8-80791号公報 刊行物6:特開平9-193710号公報 第4 当審の判断 1 訂正の目的 上記第2の2(1)乃至(4)の請求項1に係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められる。 また、上記第2の2(5)の段落【0005】に係る訂正は、上記の請求項1の訂正と、発明の詳細な説明の記載との整合を取るものであって、明りようでない記載の釈明を目的とするものと認められる。 2 訂正の適合性(独立特許要件) 本件訂正は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そこで、本件訂正後の各請求項に記載されている事項により特定される発明が本願の出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、以下に検討する。 (1)刊行物に記載された発明、周知技術 ア 刊行物1に記載された発明 (ア)刊行物1の記載 刊行物1には、自動車の側方監視装置(考案の名称)に関し、図面と共に次に揚げる事項が記載されている。 〈実用新案登録請求の範囲〉 「自動車に装着された左右のドアミラーのうち、少なくとも運転席と反対側のドアミラーの背面にテレビカメラを設置し、車室内の運転席近傍には前記テレビカメラと接続されたテレビ受像機を配し、前記テレビカメラによってテレビ受像機に自動車のフロントフェンダ部側方近傍を映しだすようにした自動車の側方監視装置。」(1頁5?11行) 〈産業上の利用分野〉 「本考案は自動車の側方監視装置に係り、特に自動車の側方の死角部分を運転者が運転席に居ながらにして十分に確認できるようにした監視装置に関するものである。」(1頁14?17行) 〈従来の技術及び考案が解決しようとする問題点〉 「最近、自動車のフロントボンネット形状が従来の箱型からウェッジ型へと変化し、またリアビューミラーの取付位置もフロントフェンダ部分からドア部分へと変わってきた。その結果、運転席(運転席は車体中央より右側寄りにあるものとして説明する)からは車体の左端の位置を確認するための基準となるべきものが何も見えず、従って、車体の左端がどこまであるのかがよく解らない状態となっている。またこのようなデザインの自動車はもちろんのこと、従来の箱型等のものであっても、運転席から見ると車体左側面近傍は所謂死角となり、安全運転上問題となっていた。特に狭い道路における離合や車庫入れ等に際しては、車7左側面近傍の死角部分についての安全が確認できず、そのために車体左側面を電柱や塀等に接触させたり、溝の中へ左車輪を脱落させたり、また極端な場合には通行人に接触することなどがあった。」(1頁19行?2頁16行) 〈問題点を解決するための手段〉 「本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、運転席と反対側の車体側方近傍を十分に確認できる自動車の側方監視装置を提供するもので、該目的を達成するため、ドアミラーのうち少なくとも運転席と反対側のドアミラーの背面にテレビカメラを設置し、車室内の運転席近傍にはテレビカメラと接続されたテレビ受像機を配し、テレビカメラによってテレビ受像機に自動車のフロントフェンダ部側方近傍を映しだすようにしたことを特徴としている。」(2頁18行?3頁7行) 〈実施例〉 「第1図は本考案実施例におけるテレビカメラ1の実装外観図である。テレビカメラ1は車体Aの左側のドアミラー2の背面2aに前方やや下方を向けて内蔵設置されている。」(3頁9?12行) 「第3図は車室内運転席近傍の外観図であり、運転席3の左側方に位置するコンソールボックス4にはテレビ受像機5が設置され、このテレビ受像機5は前記テレビカメラ1の出力コード1cとケーブル(図示せず)によって接続されている。」(3頁20行?4頁4行) 「第4図は前記テレビカメラ1によって映し出されたテレビ受像機5上の映像である。画面5aには、車体Aの左側フロントフェンダ部6、左前輪7、フェンダ部側方近傍の路肩8あるいは塀9等が映しだされ、運転席3からは通常視認できない死角部分が確認される。」(4頁10?15行) 〈考案の効果〉 「本考案は以上の如くであるから、テレビカメラによってフロントフェンダ部近傍を運転席から十分に監視できるようになり、脱輪や障害者との衝突を未然に防ぐなど、安全確認効果は極めて著しい。」(7頁11?15行) 「 」 「 」 (イ)刊行物1に記載された発明 上記の記載及び図面から、刊行物1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。 (引用発明1) 「ドアミラーに配設されており前輪近傍を撮像する撮像手段と、 前記撮像手段で撮像した第一の画像を画面に表示する表示手段 を設けたことを特徴とする車両用監視装置。」 イ 刊行物2に記載された発明 (ア)刊行物2の記載 刊行物2には、運転支援装置及び運転支援方法(発明の名称)に関し、図面と共に次に揚げる事項が記載されている。 〈発明の属する技術分野〉 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、運転支援装置及び運転支援方法に関するものである。」 〈発明が解決しようとする課題〉 「【0006】本発明は、前記従来の運転支援装置の問題点を解決して、運転者にとって死角の部分の画像のうち、運転者の意図に合う最適な画像を形成することができ、しかも、画像を形成するための作業を簡素化することができる運転支援装置及び運転支援方法を提供することを目的とする。」 〈発明の実施の形態〉 「【0024】・・・車両11の4隅に配設されたカメラCFL、CFR、CRL、CRR」 「【0033】・・・制御装置12は、表示処理手段としての図示されない・・・障害物回避表示処理手段・・・を有する。」 「【0042】・・・画像形成処理手段91(図1)は車両11の左前端部分の画像PFLをディスプレイ22の表示画面に形成し・・・」 「【0043】なお、画像PFL、PFR、PRL、PRRには、車両11の一部、溝52、壁53等が表示されるとともに、車両11の最外側の縁を表す表示ライン54が表示される。該表示ライン54は、車両11の最外側のラインを地面に垂直に下ろし、前記ラインを車両11の前後方向に延長させることによって設定され、車両11の前方又は後方に向けて突出させられる。・・・」 「【0063】次に、障害物を回避する場合の画像PFLの例について説明する。 【0064】図15は本発明の実施の形態における障害物回避表示処理によって形成される画像の第1の例を示す図、図16は本発明の実施の形態における障害物回避表示処理によって形成される画像の第2の例を示す図である。 【0065】図において、11は車両、61は障害物としての他の車両である。この場合、画像PFL(図8)の第1の例においては、車両11を前進させる場合に、舵角の大きさに対応させて車両11の最外側の縁が通る予測軌跡線を表す表示ライン55、及び車両11を後退させる場合に、舵角の大きさに対応させて車両11の最外側の縁が通る予測軌跡線を表す表示ライン63が画像PFLに表示される。なお、車外が暗い場合、及び太陽又は照明灯の光によって道路の面51(図12)に車両11又は他の物体の影が写る場合においては、車両11の色が暗色系であると、表示画面上の車両11の輪郭を判別することが困難になる。そこで、車両11の周縁に重ねて輪郭線67を表示することができる。 【0066】また、画像PFLの第2の例においては、車両61と車両11との間の間隔の目安となる距離線64?66を車両11からの距離(例えば「15cm」、「50cm」、「2m」等)と共に画像PFLに表示することもできる。」 「【0078】なお、車両11を後退させ、位置ST2から位置ST3を経て、駐車スペースに移動させる間、画像PRL、PRRが一つの表示画面に形成される。この場合、図20に示されるように、表示画面の左側には画像PRLが、右側には画像PRRが形成され、それぞれ表示ライン54が表示され、画像PRL、PRRの間隔は運転者が実感することができるように設定される。 【0079】なお、図20に示されるように、画像PRL、PRRに目標駐車枠基準線75を表示することもできる。該目標駐車枠基準線75は、車両11を標準的な駐車スペースに正確に駐車させたときの駐車スペースの形状を表す。」 「【図16】 」 「【図20】 」 (イ)刊行物2に記載された発明 段落【0066】には、 「また、画像PFLの第2の例においては、車両61と車両11との間の間隔の目安となる距離線64?66を車両11からの距離(例えば「15cm」、「50cm」、「2m」等)と共に画像PFLに表示することもできる。」 と記載され、画像PFLは、「車両11の左前端部分の画像」(段落【0042】)であるから、 刊行物2には、「距離線64?66を車両11からの距離(例えば「15cm」、「50cm」、「2m」等)と共に車両11の左前端部分の画像PFLに表示すること」が記載されている。 したがって、刊行物2には、 「車両からの距離を示す線である距離線64?66を車両の左前端部分の画像PFLに表示すること」 が開示され、この表示は表示手段に表示されることは明らかである。 段落【0065】には、「図16は本発明の実施の形態における障害物回避表示処理によって形成される画像の第2の例を示す図である。」と記載されているから、図16の画像は、「障害物回避表示処理によって形成され」、さらに、「制御装置12は、・・・障害物回避表示処理手段を有する」(段落【0033】)から、図16の画像は、「障害物回避表示処理手段」により形成される。この「障害物回避表示処理手段」の処理は、「車両からの距離を示す線である距離線64?66を車両の左前端部分の画像PFLに表示すること」であり、「車両からの距離を示す線である距離線64?66」と「車両の左前端部分の画像PFL」とを合成し、表示手段に「表示する」ことといえる。したがって、「障害物回避表示処理手段」は、「車両からの距離を示す線である距離線64?66と車両の左前端部分の画像PFLとを合成し、表示手段に表示する画像合成手段」といえる。 また、刊行物2には、「運転支援装置」が記載され、段落【0065】、【0066】に記載されているように、「車両からの距離を示す線である距離線64?66を車両の左前端部分の画像PFLに表示すること」が開示されているから、「運転支援装置」は「車両用監視装置」といえる。 以上より、刊行物2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されている。 「車両からの距離を示す線である距離線64?66と車両の左前端部分の画像PFLとを合成し、表示手段に表示する画像合成手段を有する車両用監視装置」 ウ 周知技術 (ア)刊行物3の記載 〈特許請求の範囲〉 (あ)「車両の後方を確認するカメラと、距離スケールの図形や文字を発生させる信号発生装置と、カメラからの映像信号と信号発生装置から出力された画像信号を多重させる多重装置と、多重された画像信号を上下方向に移動させる入力手段と、前記多重装置から出力された画像信号を表示するモニタと、これらの装置を制御するコントローラから構成され、前記モニタ上に映し出される後方の風景の中で、前記距離スケールを上下に任意に動かすことにより、距離スケールと実画面上の正確な位置合せを容易に実現させることを特徴とする後方確認表示装置。」(1頁左下欄4?15行) 〈発明の詳細な説明〉 〈産業上の利用分野〉 (い)「本発明は車両後方確認カメラを搭載した後方確認表示装置に関するものである。」(1頁左下欄18?19行) 〈従来の技術〉 (う)「カーエレクトロニクスは車の安全性、快適性、娯楽性の向上を追求するものであるが特に車両後方の安全性確保と死角除去のために、後方確認カメラを搭載する車が増えている。」(1頁右下欄5?9行) (え)「第4図は従来の後方確認表示装置を示すものである。第4図において、41は後方確認カメラ、42はモニタ、43はモニタ前面カバーに印刷された距離を示すスケール、44は車両、45は距離の目安になるフラッグである。 以上のように構成された後方確認表示装置について、以下その動作を説明する。 まず、後方確認カメラ41より入力された映像信号はモニタ42により映し出されるが、(b)図に示したようにモニタ42の本体、または前面カバーに距離を示すスケール43が印刷されており、障害物があった場合、そこまでの距離が容易に認識でき、後方の安全を確認することができる。 この後方確認カメラ41を車両44へ取付け、表示距離の位置を調整する場合、距離を示すフラッグ45を車両の後方に一定距離をおいて立てる。この距離は画面上のスケールがたとえば10mであれば、10mに合せる。次にモニタ42を見ながら後方確認カメラ41を矢印の方向に回転させ、距離スケール43とフラッグ45を合せる。その位置で後方確認カメラを固定すれば、距離合せは完了する。」(1頁右下欄12行?2頁左上欄12行) 〈発明が解決しようとする課題〉 (お)「しかしながら、上記のような構成では、距離合せをする際カメラを回転する人と、モニタを見ながら回転方向位置を指示する人が必要であり、また、固定しても車体の振動、風圧等によりカメラの位置がずれ、正確な距離が表示できない可能性があった。また回転する空間確保や、機構上からも取付は位置や方法も困離であった。 本発明の目的は、従来の欠点を解消し、後方確認カメラからの映像信号に図形文字信号を発生する信号発生器からの距離スケールを多重させ、この距離スケールを任意に上下できる手段を付加し、距離合せの正確化、容易化を図る後方確認表示装置を提供することである。」(2頁左上欄14行?右上欄6行) 〈課題を解決するための手段〉 (か)「本発明の後方確認表示装置は後方確認カメラ、信号発生装置、多重装置、入カキ-、モニタ、コントローラという構成を備えたものである。」(2頁右上欄8?10行) 〈作用〉 (き)「本発明は上記の構成によって、後方確認カメラからの映像信号に図形文字信号を発生する信号発生器からの距離スケールを多重させ、この距離スケールを任意に上下できる手段を付加し、距離合せの正確化、容易化を図る手段を提供することができる。」(2頁右上欄12?17行) 〈実施例〉 (く)「以下本発明の一実施例の後方確認表示装置について、図面を参照しながら説明する。 第1図は本発明の構成図を示す。カメラ1から出力された映像信号はインタフェース2によりR,G,B信号3に変換される。一方、CPU4はROM5に記憶されたプログラムデータにしたがい、システム全体をコントロールし、図形や文字パターンをROM5から読み出し、ビデオRAM6で画面の表示位置に対応した特定の座標へ書き込む。CRTコントローラ7は一定期間毎にビデオRAM6からR,G,Bの画像信号8を読み出し、インタフェース9を介して多重装置10へ入力する。多重装置10はインタフェース9とインタフェース2からのR,G,B信号をCRTコントローラ7からの切替コントロール信号11にしたがい高速に切替え、多重するものであり、その画像信号はCRT12へ入力され、表示される。キースイッチ13はROM5から読み出された画像パターンや文字パターンを上下方向に移動させるスイッチで、14はアップキー、15はダウンキーである。」(2頁右上欄19行?左下欄18行) (け)「第1図においてキースイッチ13のアップキー14,ダウンキー15を押す毎にROM5よりパターンを読み出し、キーの種類と回数により上記演算をし、ビデオRAM6に書き込めば、任意に図形,文字パターンを上下方向に移動させることができる。 第3図は実際に位置合せする方法を図示したものであり、車両16の屋根に後方確認カメラ1が取り付けられている。車両の後方にたとえば、10mの位置にフラッグ17を立て、その映像を表示したものが画面21であり、ここで、アップキー14を押すとパターン22,25が上方に移動し、パターン23,26はそれぞれ24,27の中間まで移動する。逆にダウンキー15を押すと22?27は下方に移動し、任意にフラッグ17の位置に合せ込むことができる。」(3頁左上欄10行?右上欄4行) 〈発明の効果〉 (こ)「本発明によれば、車両の後方を確認するカメラと、距離スケールの図形や文字を発生させる信号発生装置と、多重された画像信号を上下方向に移動させる入力手段と、多重装置から出力された画像信号を表示するモニタとこれらの装置を制御するコントローラを設けることにより、距離スケールを上下に任意に動かし、距離スケールと実画面上の正確な位置合せを容易に行うことができ、その実用上の効果は大である。」(3頁左下欄3?11行) 「 」 (イ)刊行物4の記載 「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、車両の後方に設置されたカメラからの映像を表示するとき、同時に車幅や距離等の目安をモニタ上に表示するカメラスケール表示装置に関するものである。」 〈従来の技術〉 「【0003】 図3において、車両後方に設置された後方確認用カメラ1からのカメラ映像信号SI、または他の映像入力端子からの映像信号S2は映像切替回路2を通じて映像信号処理回路3に入る。その後、映像信号はオンスクリーン表示処理回路4を通じ、表示デバイス5にて表示される。今、CPU6がバックギヤ信号等のカメラON信号を受け取ると、CPU6は電源回路8にてカメラ電源を立ち上げるよう信号を送ると共に、映像切替回路2をカメラ映像信号SIに切り替える。また、CPU6はROM11よりカメラスケールパターンデータを読み取り、オンスクリーン信号に変換してオンスクリーン表示処理回路4に送り、表示デバイス5にてカメラ映像とカメラスケールパターンを表示する。 【0004】 図4(a)、(b)は車両とカメラ位置並びに距離関係を示す側面図、平面図である。 図4(c)は図4(a)、(b)の内容のカメラ映像とカメラスケールの表示例であり、図中の符号41?48は表示ポイントのカメラスケールである。 【0005】 後方確認用カメラ1を車両13に取り付け、カメラスケールの位置を調整する場合、後方確認用カメラ1を基本カメラスケールを想定した条件、例えば、車幅の中央、かつ地上高2mに取り付け、距離を示すフラッグ12を車両後方の一定距離に立てる。この距離は表示デバイス5上のカメラスケールが、例えば、10mであれば10mに合わせる。次に、表示デバイス5にフラッグ12が表示されるように後方確認用カメラ1の取付け角度を合わせ、カメラスケール41と45がフラッグ12に合うように後方確認用カメラ1の取付け角度を微調するか、カメラスケール41?48のパターンを全体的に上下させて合わせる。これにより、車幅と一定距離間隔にてカメラスケールが表示されているため、運転車は後方の移動の際の目安となり、安全確認を行いやすくなっている。」 「【0006】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上述した従来のカメラスケール表示装置では、カメラスケールを一定条件下でのパターンとしてROM11に記憶しているため、自由に後方確認用カメラ1の取付け位置を選択できない。また、車幅が想定していたものと異なっていたり、後方確認用カメラ取り付け位置の地上高が想定していた高さと異なったり、後方確認用カメラ取付け位置が車両中央から左右にずれていた場合、後方確認用カメラ1の取付け角度を変更したり、カメラスケール全体パターンの上下移動だけではカメラスケールと実際の車幅や距離と合わせることができず、カメラスケールの表示は実際の車幅や距離と合わせることができず。カメラスケールの表示は実際の車幅や距離と大きく異なってしまうという問題点があった。 【0007】 最近では車両後方をカメラ映像により安全確保したいという要望はトラックやバス等の大型車だけでなく一般の小型車にも多く、どのような車幅にも、かつカメラの取付位置の地上高や左右位置に関係なく、後方確認用カメラの取付け位置を自由に選択でき、実際の車幅や距離に合ったカメラスケールの表示が要望されている。 【0008】 本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、基本カメラスケールを想定した車幅やカメラ取付け位置の地上高や左右位置に関係なく、後方確認用カメラの取付け位置を自由に選択でき、実際の車幅、距離に合ったカメラスケールに表示位置を修正可能なカメラスケール表示装置を提供することを目的とするものである。」 〈発明の実施の形態〉 「【0013】 以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。 図1は本発明の一実施の形態におけるカメラスケール表示装置を示すブロック図である。 【0014】 図3に示す前述の従来例のカメラスケール表示装置とほぼ同じ機能の構成要素、信号等には同じ符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態において、前述の従来例と異なる点は、書換可能メモリ9と描画LSI110を備え、カメラスケールの座標データは書換可能メモリ9に記憶されており、変更可能であり、そして、描画LSI110は座標データに合わせたカメラスケール信号をオンスクリーン表示処理回路4に送り、表示デバイス5により表示させるようにしたことにある。 【0015】 図2はカメラスケールの表示例を示すものである。後方確認用カメラ1を車両13に対して図2(a)、(b)に示すような位置関係で取り付けた場合、基本カメラスケールのままで図2(c)に示すように、カメラスケール21、22、23、24、25、26、27、28は実際の距離や車幅を示す線と全く異なってしまう。こそで、カメラスケール21?28を図2(d)に示すカメラスケール31?38の位置に移動させればよい。 【0016】 まず、書換可能メモリ9内のカメラスケール21の座標データ(X21、Y21)をカメラスケール31の座標データ(X31、Y31)に変更し、書換可能メモリ9に記憶する。例えば、カメラスケール21が車両右側後方10mの位置を示す予定であれば、そのポイントに何か目印を置き、そのポイントにカメラスケール21が表示されるようにカメラスケール21を移動させ、その座標データ(X31、Y31)を新たなカメラスケール21の座標データとして書換可能メモリ9内の座標データを変更する。同様にして、カメラスケール22?28のそれぞれの座標データをカメラスケール32?38の各座標データに変更する。その新たな座標データにて描画LS110がカメラスケールを表示デバイス5に表示させることにより、図2(d)に示すように実際の車幅や距離に合ったカメラスケールとして表示が可能となる。」 「【0018】 【発明の効果】 以上説明したように本発明によれば、基本カメラスケールを想定した車幅並びに後方確認用カメラ取付け位置の地上高や左右位置に関係なく、後方確認用カメラ取付け位置を自由に選択でき、実際の車幅、距離に合ったカメラスケール表示に修正することが可能となり、運転車が車両後方の安全確認を行い易くなる。」 「 」 「 」 (ウ)刊行物5の記載 「【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、目視による後方確認が困難な、たとえば、バス、トラック、1ボックスカー又はキャンピングカー等の車両に適用する車載用後方確認装置の改良に関する。 近年、車両後退時の安全確保のために、車両後方の状況を運転席に居ながらにして画像確認できるようにした、いわゆる車載用後方確認装置(バックアイシステムとも言う)が用いられるようになってきた。」 「【0002】 【従来の技術】 最も簡単なバックアイシステムは、車両後部の高所にカメラを取り付け、このカメラで撮影した車両の後方画像(単に「後方画像」と言う)を運転席のディスプレイ上に表示する、というものであるが、上記カメラは、少なくとも車両最後端部(一般にバンパー)を含む広範囲の画像を撮影する必要があり、その撮影レンズには広角レンズが用いられるから、ディスプレイ上の表示画像は、はなはだ距離感に欠けるものであった。 【0003】 そこで、特開平5-213113号公報には、後方画像に、距離目盛りパターン画像をオーバーラップ表示するものが記載されている。これによれば、ディスプレイ上の距離目盛りを確認することによって、距離感を正しくつかむことができ、障害物までの距離を直感的に把握することができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、かかる公報記載の従来装置にあっては、距離目盛りパターン画像が固定のものであったため、たとえば、カメラの取り付け方が適正でなかったり、又は、走行中の振動でカメラの取り付け傾斜角がずれたりした場合には、距離目盛りパターン画像と後方画像との対応関係が不適切となり、運転者は、誤った距離認識をしてしまい、かえって安全性を阻害するという問題点があった。」 「【0005】 【目的】 そこで、本発明は、カメラ(撮影手段)の取り付け状態に応じて距離目盛りパターン画像を補正することにより、距離目盛りパターン画像と後方画像との対応関係を常に適切化し、以て、運転者による正確な距離認識を安定的に確保することを目的とする。」 「【0011】 【実施例】 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。 図1?図7は請求項1及び請求項2記載の発明に係る車載用後方確認装置の一実施例を示す図である。 まず、構成を説明する。図1において、1はCCD(Charge Coupled Device)又は撮像管等を用いたテレビカメラ(以下「カメラ」と略す)であり、このカメラ1は、車両2の所定位置(車両後方を広く見渡すことのできる、たとえば車両後部の高所)に取り付けられ、その撮影レンズ1aは、車両2の後方に向いている。すなわち、カメラ1は、車両2に取り付けられ、該車両2の後方画像Vを撮影する撮影手段として機能する。 【0012】 3はカメラ1を車両2に取り付けるための取り付け金具である。この取り付け金具3は、カメラ1の取り付け傾斜角(カメラアングルθ;以下、単に「アングルθ」と言う)を、所定の範囲内で自在に調節できるものであり、アングルθは角度センサ4によって検出される。また、5はカメラ1の取り付け高Hを設定するための設定スイッチであり、この設定スイッチ5には、たとえば、ディップスイッチやロータリースイッチ等が用いられ、地面からカメラ1までの高さを計測して、その値を手動で設定するものである。上記の角度センサ4及び設定スイッチ5は、一体として検出手段を構成する。 【0013】 さらに、6は変速機のシフト位置を検出するシフトセンサであり、このシフトセンサ6は、シフト位置がリバース位置(後退位置)にセットされたときに、リバース信号Rを出力するものである。 7は、画像発生手段及び補正手段並びに第二の画像発生手段としての機能を有するコントロールユニットである。コントロールユニット7は、第一受信部7a、第二受信部7b、RAM(random access memory)7c、ROM(read only memory)7d、CPU(central processing unit )7e、画像合成部7f及び画像出力部7gを含み、バックアイシステムの主要な機能をソフト的及びハード的に実現する。すなわち、CPU7eは、ROM7dに格納されている所定の処理プログラムを実行し、所定の時間ごとに、第一受信部7aを介してアングルθ及び取り付け高Hを取り込むとともに、テーブルルックアップ等の手法によって、これらの取り込みデータ(θ、H)に応じた距離目盛りパターン画像Sを発生するもので、距離目盛りパターン画像は、θとHの組み合わせの数だけROM7dに格納されている。たとえば、θをθ1 からθn までのn種類とし、HをH1からHm までのm種類とすると、n×m種類の距離目盛りパターン画像がROM7dに格納されており、θとHに応じてその中の一つが選択的に出力される。 【0014】 画像合成部7fは、CPU7eによって選択された距離目盛りパターン画像Sとカメラ1で撮影された後方画像Vとを重ね合わせ、オーバーラップ画像Oを生成するもので、オーバーラップ画像Oは、画像出力部7gを介し、運転席に設けられたディスプレイ(表示手段)8に出力される。なお、画像出力部7gは、第二受信部7bを介してリバース信号Rが受信されたときだけ、オーバーラップ信号Oの出力を許容する。これは、車両の後方確認を行なうときは、後退時だけであり、それ以外のときは、ディスプレイ8を他の用途(たとえばナビゲーションシステム)に振り向けた方が資産活用の点で好ましいからである。」 「 」 (エ)刊行物6の記載 「 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は車両の後方等に設置されたカメラからの映像を運転席のモニターに表示するようにしたカメラシステム表示装置に関するものである。」 「 【0012】 【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態は、車両に設置する後方確認用カメラとモニターで構成されたカメラシステム表示装置で、車両のバックギヤオン信号を検出したとき、モニターと車両の後方確認用として設置された後方確認カメラが動作し、前記モニターにカメラ映像とともにオンスクリーン表示処理によってオンスクリーンまたはスーパーインポーズで距離表示や車幅表示等を出画するようにしたものである。 【0013】 このカメラシステム表示装置によれば、後方確認カメラのモニターとして使用するときには後方確認用の距離表示,車幅表示等をモニター上に出画することができ、前記以外のモニターとして使用するときには視覚上障害となる後方確認用の表示を消すことができる作用を有する。」 「 【0023】 なお、以上の説明では、後方確認カメラ1とモニター2で構成した例で説明したが、モニター2への映像入力を増設していき、前方カメラ,側方カメラの表示もカメラの視野角,方向に合わせてオンスクリーンのパターンを設定すれば、同様にオンスクリーン表示ができる。」 「 【0024】 【発明の効果】 以上説明したように本発明によれば、カメラで後方確認するときだけ距離表示,車幅表示等を出画するため、他の映像、例えばテレビジョン,ビデオ,ナビゲーション等の映像を出画したとき、視覚上障害にならない。 【0025】 また、表示はオンスクリーンで出すため、種々の車両やカメラの取付位置、特に高さに対応した何種類もの距離表示,車幅表示をすることができることや、カメラの視野角の異なる場合でも対応ができる。また、後方確認ばかりでなく、前方カメラ、側方カメラのオンスクリーン表示もできる。」 (オ)周知技術 刊行物3には、 「カーエレクトロニクスは車の安全性、快適性、娯楽性の向上を追求するものであるが特に車両後方の安全性確保と死角除去のために、後方確認カメラを搭載する車が増えている。」(上記(あ)) 「後方確認カメラ41より入力された映像信号はモニタ42により映し出されるが、・・・モニタ42の本体、または前面カバーに距離を示すスケール43が印刷されており、障害物があった場合、そこまでの距離が容易に認識でき、後方の安全を確認することができる。」(上記(え)) 「しかしながら、上記のような構成では、・・・固定しても車体の振動、風圧等によりカメラの位置がずれ、正確な距離が表示できない可能性があった。・・ 本発明の目的は、従来の欠点を解消し、後方確認カメラからの映像信号に図形文字信号を発生する信号発生器からの距離スケールを多重させ、この距離スケールを任意に上下できる手段を付加し、距離合せの正確化、容易化を図る後方確認表示装置を提供することである。」(上記(お))と記載され、 刊行物4には、 「本発明は、車両の後方に設置されたカメラからの映像を表示するとき、同時に車幅や距離等の目安をモニタ上に表示するカメラスケール表示装置に関するものである。」(段落【0001】) 「後方確認用カメラ1を車両13に取り付け、カメラスケールの位置を調整する場合、後方確認用カメラ1を基本カメラスケールを想定した条件、例えば、車幅の中央、かつ地上高2mに取り付け、距離を示すフラッグ12を車両後方の一定距離に立てる。この距離は表示デバイス5上のカメラスケールが、例えば、10mであれば10mに合わせる。次に、・・・カメラスケール41?48のパターンを全体的に上下させて合わせる。これにより、車幅と一定距離間隔にてカメラスケールが表示されているため、運転車は後方の移動の際の目安となり、安全確認を行いやすくなっている。」(段落【0005】) 「車幅が想定していたものと異なっていたり、後方確認用カメラ取り付け位置の地上高が想定していた高さと異なったり、後方確認用カメラ取付け位置が車両中央から左右にずれていた場合、後方確認用カメラ1の取付け角度を変更したり、カメラスケール全体パターンの上下移動だけではカメラスケールと実際の車幅や距離と合わせることができず、カメラスケールの表示は実際の車幅や距離と合わせることができず。カメラスケールの表示は実際の車幅や距離と大きく異なってしまうという問題点があった。」(段落【0006】) 「本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、基本カメラスケールを想定した車幅やカメラ取付け位置の地上高や左右位置に関係なく、後方確認用カメラの取付け位置を自由に選択でき、実際の車幅、距離に合ったカメラスケールに表示位置を修正可能なカメラスケール表示装置を提供することを目的とするものである。」(段落【0008】)と記載され、 刊行物5には、 「近年、車両後退時の安全確保のために、車両後方の状況を運転席に居ながらにして画像確認できるようにした、いわゆる車載用後方確認装置・・・が用いられるようになってきた。」(段落【0001】) 「特開・・・号公報には、後方画像に、距離目盛りパターン画像をオーバーラップ表示するものが記載されている。これによれば、ディスプレイ上の距離目盛りを確認することによって、距離感を正しくつかむことができ、障害物までの距離を直感的に把握することができる。」(段落【0003】) 「しかしながら、かかる公報記載の従来装置にあっては、距離目盛りパターン画像が固定のものであったため、たとえば、カメラの取り付け方が適正でなかったり、又は、走行中の振動でカメラの取り付け傾斜角がずれたりした場合には、距離目盛りパターン画像と後方画像との対応関係が不適切となり、運転者は、誤った距離認識をしてしまい、かえって安全性を阻害するという問題点があった。」(段落【0004】) 「そこで、本発明は、カメラ(撮影手段)の取り付け状態に応じて距離目盛りパターン画像を補正することにより、距離目盛りパターン画像と後方画像との対応関係を常に適切化し、以て、運転者による正確な距離認識を安定的に確保することを目的とする。」(段落【0005】)と記載され、 刊行物6には、 「本発明は車両の後方等に設置されたカメラからの映像を運転席のモニターに表示するようにしたカメラシステム表示装置に関するものである。」(段落【0001】) 「本発明の実施の形態は、車両に設置する後方確認用カメラとモニターで構成されたカメラシステム表示装置で、車両のバックギヤオン信号を検出したとき、モニターと車両の後方確認用として設置された後方確認カメラが動作し、前記モニターにカメラ映像とともにオンスクリーン表示処理によってオンスクリーンまたはスーパーインポーズで距離表示や車幅表示等を出画するようにしたものである。」(段落【0012】) 「なお、以上の説明では、後方確認カメラ1とモニター2で構成した例で説明したが、モニター2への映像入力を増設していき、前方カメラ,側方カメラの表示もカメラの視野角,方向に合わせてオンスクリーンのパターンを設定すれば、同様にオンスクリーン表示ができる。」(段落【0023】)と記載されている。 また、刊行物3?刊行物6は、車両の後方を確認するものであるが、距離を示す画像は、車からの距離を確認するためのものであり、距離の基準は、車が後退した場合に衝突する場所であって、車が後退する場合の先端、すなわち車の進行する方向の先端が距離を示す画像の基準となっていることは、明らかである。 これら刊行物3?刊行物6の記載から、車両にカメラを取付け、カメラからの画像に車の進行する方向の先端からの距離を示す画像を重ねて表示することは、周知技術と認められ、これら刊行物3?刊行物5の記載から、カメラからの画像と距離を示す画像の表示位置がずれた場合等に備え、距離を示す画像の表示位置を調整できるようにすることは、周知技術と認められる。 (2)訂正発明1 ア 対比 訂正発明1と引用発明1とを対比する。 引用発明1の「撮像手段」は、刊行物1の第1図に示されているように配置され、刊行物1の第4図に示されている映像を撮像するから、「ドアミラーに配設されており、前記ドアミラーよりも前にある前輪近傍を撮像する撮像手段」といえ、引用発明は、「ドアミラーに配設されており、前記ドアミラーよりも前にある前輪近傍を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した第一の画像を画面に表示する表示手段と、を備えた車両用監視装置」といえる。 また、引用発明1の「第一の画像」は、刊行物1の第4図に示されている映像(画像)であって、「前輪近傍の路面の画像及び車両の画像を含む」ものと認められる。 したがって、訂正発明1と引用発明1とは、 「ドアミラーに配設されており、前記ドアミラーよりも前にある前輪近傍を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した第一の画像を画面に表示する表示手段と、を備えた車両用監視装置であって、 前記第一の画像は前輪近傍の路面の画像及び車両の画像を含む、 ことを特徴とする車両用監視装置。」 で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1) 訂正発明1が「前輪近傍の路面の画像及び車両の画像を含む前記第一の画像と、車両の幅方向の距離を示す第一の指標及び車両先端からの車両の長さ方向の距離を前記幅方向に沿って延びる直線によって示す第二の指標を有する第二の画像と、を合成して前記表示手段に表示させる画像合成手段」を有し、「前記第二の指標は、前記幅方向を横方向とした場合の前記第一の画像における車両の画像の横の位置であって前記第一の画像における路面上の位置に配置された前記幅方向に沿って延びる直線の前記長さ方向における配置位置によって前記長さ方向の距離を示す」のに対し、 引用発明1は「車両の幅方向の距離を示す第一の指標及び車両先端からの車両の長さ方向の距離を前記幅方向に沿って延びる直線によって示す第二の指標を有する第二の画像」がなく、「第二の画像」がないから、「前記第二の指標は、前記幅方向を横方向とした場合の前記第一の画像における車両の画像の横の位置であって前記第一の画像における路面上の位置に配置された前記幅方向に沿って延びる直線の前記長さ方向における配置位置によって前記長さ方向の距離を示す」ものもなく、また、第一の画像と第二の画像を「合成して前記表示手段に表示させる画像合成手段」を有していない点 (相違点2) 訂正発明1が「前記第二の画像を上下左右に移動させ、前記画面における前記第二の画像の位置を調整する表示位置調整手段」を有しているのに対し、引用発明1ではこのような構成を有していない点 イ 判断 (ア)相違点1について 引用発明1は「車両用監視装置」であり、車両にカメラを取付け、カメラからの画像に車の進行する方向の先端からの距離を示す画像を重ねて表示することは、周知技術(上記(1)ウ(オ))であることを勘案すれば、車両用監視装置に係る引用発明1に、車両用監視装置であり、車両の画像と距離を示す画像を合成して表示するものである引用発明2を適用することは、当業者が容易に着想できることである。 引用発明1に引用発明2を適用することは、引用発明1における「撮像手段で撮像した第一の画像を画面に表示する表示手段」に、障害物を回避するために「距離線」を表示することとなり、引用発明1に、車両からの距離を示す線である距離線と第一の画像とを合成して表示手段に表示する画像合成手段を設けることとなる。「第一の画像」は、刊行物1の第4図のようなフロントフェンダ部側方近傍の映像(画像)であり、車の進行方向も写っているものであって、運転者は、側方だけでなく、当然前方にも注意を払うものである。この画像において、障害物が存在しうる場所は、車両の左側及び車両の前方であって、障害物を回避するために「距離線」を表示する場所は、車両の左側及び車両の前方となる。そして、車両の左側の距離線は、車両の左側方向の距離を示す距離線といえ、車両の前方の距離線は、車両の前方向の距離を示す距離線といえる。 引用発明1に引用発明2を適用して、車両の左側における障害物を回避するための車両の左側方向の距離を示す線を第一の画像に表示することは、車が進行した場合に脱輪や左側を接触しないようにするためであって、刊行物2には「車両11の最外側の縁を表す表示ライン54」が記載され、「表示ライン54は、車両11の最外側のラインを地面に垂直に下ろし、前記ラインを車両11の前後方向に延長させることによって設定され、車両11の前方又は後方に向けて突出させられる」(段落【0043】)ものであり、表示ライン54は車両11の最外側の縁を表すから、距離線の基準となるものであり、車両の左側方向の距離を示す線は、車両の最外側の縁からの距離を示す線となり、この線は「車両の幅方向の距離を示す第一の指標」といえるから、引用発明1に引用発明2を適用して、車両の左側方向を示す線を「車両の幅方向の距離を示す第一の指標」とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 引用発明1に引用発明2を適用して、車両の前方における障害物を回避するための車両の前方向の距離を示す線を第一の画像に表示するにあたり、車両にカメラを取付け、カメラからの画像に車の進行する方向の先端からの距離を示す画像を重ねて表示することは周知技術(上記(1)ウ(オ))であるから、車両の前方向の距離を示す線の基準を車両の先端とし、そして、上方から見た車両の形状は、刊行物2の図2に車両の概念図に示されているように通常四角であって、直線的であり、また、刊行物2の「目標駐車枠基準線75」(段落【0079】)は距離線ではないが、車両に関係する線が直線で表されていることを勘案すれば、刊行物1の第4図に示されているような車体の画像に、引用発明2を適用し、車両の前方向の距離を示す線を「車両先端からの長さ方向の距離を前記幅方向に沿って延びる直線で示す第二の指標」にすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 さらに、容易想到の「第二の指標」は、「車両先端からの長さ方向の距離を前記幅方向に沿って延びる直線で示す」ものであって、「第二の指標」は直線であるので、その直線の位置が距離を示すことは明らかであり、「前記幅方向に沿って延びる直線の前記長さ方向における配置位置によって前記長さ方向の距離を示す」ものといえる。刊行物2には「車両11の最外側の縁を表す表示ライン54」が記載され、「表示ライン54は、車両11の最外側のラインを地面に垂直に下ろし、前記ラインを車両11の前後方向に延長させることによって設定され、車両11の前方又は後方に向けて突出させられる」(段落【0043】)ものであり、表示ライン54は車両11の最外側の縁を表すから、距離線の基準となるものであり、「車両先端からの長さ方向の距離を前記幅方向に沿って延びる直線で示す第二の指標」の基準も、車両先端のラインを地面に垂直に下ろし、前記ラインを車両の左右に延長させることによって設定されるものとなり、「第二の指標」は、車両先端のラインを地面に垂直に下ろし、前記ラインを車両の左右に延長させることによって設定された基準により設定されるものとなるから、「前記第一の画像における路面上の位置に配置された前記幅方向に沿って延びる直線の前記長さ方向における配置位置によって前記長さ方向の距離を示す」ものといえる。 また、上記のとおり、刊行物1の第4図に示されているような車体の画像に、引用発明2を適用し、車両の前方向の距離を示す線を「車両先端からの長さ方向の距離を前記幅方向に沿って延びる直線で示す第二の指標」にすることは、当業者が容易に想到し得ることであって、「第二の指標」は、「車両先端からの長さ方向の距離を前記幅方向に沿って延びる直線で示す」ものであり、刊行物2の図16に示されているように15cm、50cm等の距離を示すものであって、刊行物1の第4図に示されているような車体の画像における15cm、50cmの距離を示す「第二の指標」は、車両(車体A)の左側になることは、容易に想到され、車両の左側は、「前記幅方向を横方向とした場合の前記第一の画像における車両の画像の横の位置」といえる。 したがって、引用発明1に引用発明2を適用して、引用発明1に「前輪近傍の路面及び車両の画像を含むが、車両先端が写っていない前記第一の画像と、車両の幅方向の距離を示す第一の指標及び車両先端からの長さ方向の距離を前記幅方向に沿って延びる直線で示す第二の指標を有する第二の画像を合成して前記表示手段に表示させる画像合成手段」を設け、「前記第二の指標は、前記幅方向を横方向とした場合の前記第一の画像における車両の画像の横の位置であって前記第一の画像における路面上の位置に配置された前記幅方向に沿って延びる直線の前記長さ方向における配置位置によって前記長さ方向の距離を示す」ようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 (イ)相違点2について カメラからの画像と距離を示す画像の表示位置がずれた場合等に備え、距離を示す画像の表示位置を調整できるようにすることは、周知技術であることは、上記(1)ウ(オ)のとおりである。 そして、刊行物3には、「固定しても車体の振動、風圧等によりカメラの位置がずれ、正確な距離が表示できない可能性があった。」(2頁左上欄16?18行)と記載され、刊行物5には、「走行中の振動でカメラの取り付け傾斜角がずれたりした場合には、距離目盛りパターン画像と後方画像との対応関係が不適切となり」(段落【0004】)と記載されているように、カメラからの画像と距離を示す画像との表示位置がずれることは、普通に想定されるから、引用発明1に引用発明2を適用する際に、車体の振動等によりカメラからの画像と距離を示す画像との表示位置がずれることに備え、距離を示す画像の表示位置を調整できるようにすることは容易であり、2つの画像の表示位置の合わせ方として、平行移動や回転移動させることは普通のことであるから、「前記第二の画像を上下左右に移動させ、前記両面における前記第二の画像の位置を調整する表示位置調整手段」を設けることは、当業者が容易に想到し得ることである。 (ウ)効果 以上のように、相違点1、相違点2に係る構成は、当業者が容易に想到できたものである。そして、訂正発明1の構成は、上記のとおり当業者が容易に想到できたものであるところ、本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。 ウ まとめ 以上のとおりであるから、訂正発明1は、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものである。 (3)訂正発明2 ア 対比 訂正発明2と引用発明1とを対比すると、上記相違点1、相違点2に加え、以下の点で相違する。 (相違点3) 訂正発明2が「前記第一の指標及び前記第二の指標は、夫々複数のラインを有する」のに対し、引用発明1がこのような構成を有しない点 イ 判断 (ア)相違点1、相違点2について 訂正発明2と引用発明1との相違点1、相違点2は、訂正発明1と引用発明1との相違点1、相違点2と同じであるから、その判断は、上記(2)イ(ア)、(イ)を援用する。 (イ)相違点3について 引用発明2は、「車両の前方向の距離を示す線及び車両の左側方向の距離を示す線である距離線64?66」を有し、「前記第一の指標及び前記第二の指標は、夫々複数のラインを有する」といえるから、相違点3は引用発明1に引用発明2を組み合わせることで当業者が容易に想到し得ることである。 (ウ)効果 以上のように、相違点1?3に係る構成は、当業者が容易に想到できたものである。そして、訂正発明2の構成は、上記のとおり当業者が容易に想到できたものであるところ、本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。 ウ まとめ 以上のとおりであるから、訂正発明2は、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものである。 (4)訂正発明3 ア 対比 訂正発明3と引用発明1とを対比すると、上記相違点1、相違点2に加え、以下の点で相違する。 (相違点4) 訂正発明3が「前記第二の画像を表示するための画像データを記憶した記憶手段を有する」のに対し、引用発明1がこのような構成を有しない点 イ 判断 (ア)相違点1、相違点2について 訂正発明2と引用発明1との相違点1、相違点2は、訂正発明1と引用発明1との相違点1、相違点2と同じであるから、その判断は、上記(2)イ(ア)、(イ)を援用する。 (イ)相違点4について 引用発明2は、「車両の前方向の距離を示す線及び車両の左側方向の距離を示す線である距離線64?66」と「車両の左前端部分の画像PFLとを合成し、表示手段に表示するを表示する」のであるから、「車両の前方向の距離を示す線及び車両の左側方向の距離を示す線である距離線64?66」の画像データを記憶した記憶手段を有することは明らかである。 そして、上記(2)イ(ア)のとおり、引用発明1に引用発明2を適用して、引用発明1に「前輪近傍の路面及び車両の画像を含むが、車両先端が写っていない前記第一の画像と、車両の幅方向の距離を示す第一の指標及び車両先端からの長さ方向の距離を前記幅方向に沿って延びる直線で示す第二の指標を有する第二の画像を合成して前記表示手段に表示させる画像合成手段」を設け、「前記第二の指標は、前記幅方向を横方向とした場合の前記第一の画像における車両の画像の横の位置であって前記第一の画像における路面上の位置に配置された前記幅方向に沿って延びる直線の前記長さ方向における配置位置によって前記長さ方向の距離を示す」ようにすることは、当業者が容易に想到し得ることであり、「前記第一の画像と、・・・第二の画像と、を合成して前記表示手段に表示させる」ために、第二の画像の画像データを記憶した記憶手段を有するようにすることは当業者が容易に想到し得ることである。 したがって、相違点4は引用発明1に引用発明2を組み合わせることで当業者が容易に想到し得ることである。 (ウ)効果 以上のように、相違点1、2、4に係る構成は、当業者が容易に想到できたものである。そして、訂正発明3の構成は、上記のとおり当業者が容易に想到できたものであるところ、本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。 ウ まとめ 以上のとおりであるから、訂正発明3は、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものである。 (5)訂正発明4 ア 対比 訂正発明4と引用発明1とを対比すると、上記相違点1、相違点2に加え、以下の点で相違する。 (相違点5) 訂正発明4が「前記表示位置調整手段は、前記第二の画像を上下左右に移動させる操作スイッチを有する」のに対し、引用発明1がこのような構成を有しない点 イ 判断 (ア)相違点1、相違点2について 訂正発明2と引用発明1との相違点1、相違点2は、訂正発明1と引用発明1との相違点1、相違点2と同じであるから、その判断は、上記(2)イ(ア)、(イ)を援用する。 (イ)相違点5について 表示位置を調整するための手段として、画像を移動させる操作スイッチは、周知技術であり(例えば、刊行物3には「キースイッチ13はROM5から読み出された画像パターンや文字パターンを上下方向に移動させるスイッチで、・・・」(2頁左下欄15?17行)と記載されている。)、また、上下左右を指示する操作スイッチは、周知慣用の技術であるから、表示位置調整手段として、このような操作スイッチを用い、「前記表示位置調整手段は、前記第二の画像を上下左右に移動させる操作スイッチを有する」ことは、引用発明1に引用発明2及び周知技術を組み合わせることで当業者が容易に想到し得ることである。 (ウ)効果 以上のように、相違点1、相違点2、相違点5に係る構成は、当業者が容易に想到できたものである。そして、本件特許発明4の構成は、上記のとおり当業者が容易に想到できたものであるところ、本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。 ウ まとめ 以上のとおりであるから、訂正発明4は、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものである。 (6)訂正発明5 ア 対比 訂正発明5と引用発明1とを対比すると、上記相違点1、相違点2に加え、以下の点で相違する。 (相違点6) 訂正発明5が「前記表示位置調整手段は、前記第二の画像の角度を調整する」のに対し、引用発明1がこのような構成を有しない点 イ 判断 (ア)相違点1、相違点2について 訂正発明5と引用発明1との相違点1、相違点2は、訂正発明1と引用発明1との相違点1、相違点2と同じであるから、その判断は、上記(2)イ(ア)、(イ)を援用する。 (イ)相違点6について 上記(2)イ(イ)のとおり、2つの画像の表示位置の合わせ方として、回転移動させることも普通のことであるから、引用発明1に引用発明2を適用する際に、「画像の角度を調整する」ようにし、「前記表示位置調整手段は、前記第二の画像の角度を調整する」ようにすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 (ウ)効果 以上のように、相違点1、相違点2、相違点6に係る構成は、当業者が容易に想到できたものである。そして、訂正発明5の構成は、上記のとおり当業者が容易に想到できたものであるところ、本願発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものでもない。 ウ まとめ 以上のとおりであるから、訂正発明5は、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものである。 第5 まとめ 以上のとおり、訂正発明1乃至5は、特許法第29条第2項の規定に違反し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件審判の請求は、平成23年法律第63号改正附則第2条第19項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第126条5項の規定に適合しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2013-11-15 |
結審通知日 | 2013-11-19 |
審決日 | 2013-12-02 |
出願番号 | 特願2001-243849(P2001-243849) |
審決分類 |
P
1
41・
121-
Z
(H04N)
P 1 41・ 856- Z (H04N) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 酒井 伸芳 |
特許庁審判長 |
渡邊 聡 |
特許庁審判官 |
小池 正彦 千葉 輝久 |
登録日 | 2008-03-14 |
登録番号 | 特許第4094831号(P4094831) |
発明の名称 | 車両用監視装置 |
代理人 | 木村 満 |
代理人 | 木村 満 |
代理人 | 杉本 和之 |
代理人 | 早川 牧子 |
代理人 | 中村 京子 |
代理人 | 杉本 和之 |
代理人 | 笠原 基広 |
代理人 | 笠原 基広 |
代理人 | 中村 京子 |
代理人 | 大神田 梢 |
代理人 | 竹中 大樹 |
代理人 | 早川 牧子 |
代理人 | 竹中 大樹 |
代理人 | 大神田 梢 |